JP6704317B2 - 加熱処理パック及び加熱処理キット - Google Patents

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Description

本発明は、所定の被加熱対象物を加熱処理できる加熱処理パック、及び、前記加熱処理パックと被加熱対象物とを含む加熱処理キットに関する。
従来から、被加熱対象物を加熱処理するための加熱処理用包装体及びそれに食品としての被加熱対象物が収納された包装食品が知られている(例えば、特許文献1参照)。そのような加熱処理用包装体及び包装食品は、被加熱対象物(食品)を密封状態のまま電子レンジ等で加熱処理できるとともに、加熱により内部圧力が上昇したときには所定の位置が開封して圧力を逃がすことで、包装体の破裂を防止できるようになっている。
しかしながら、このような加熱処理用包装体及び包装食品は、電子レンジ等の加熱機器を利用できない状況では使用できない。
そこで、アウトドアでのキャンプ中や災害時の緊急避難中など、電子レンジ等の加熱機器を利用できない場面においても食品等を容易に温めることができるように、本件出願人は、水と反応することで発熱する発熱剤と、この発熱剤を水と共に収容可能であるとともに発熱時の蒸気圧によって蒸気口が開くチャック付き加熱袋とにより構成される加熱処理パック(スチームパック(登録商標))を製品化している(非特許文献1参照)。
特開2015−113132号公報
http://www.sun―a―kaken.co.JP/ir_information/business_pdf_file/suna106m.pdf
しかしながら、非特許文献1に開示されるような加熱処理パックでは、使用の際に、発熱剤と、発熱剤と反応させるための反応水と、加熱されるべき食品とをそれぞれ個別にチャック付き加熱袋の中に入れる手間が生じる。
また、災害時を考えると、ライフラインが断たれているため、清浄な反応水を確保することも難しく、仮に汚水を反応水として利用した場合には、食品の汚染など、衛生上の問題も懸念され、特に免疫力の低い幼児や高齢者向けには配慮が必要となる。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、災害時等のためにそのまま備蓄が可能で、電子レンジ等の加熱機器を利用できない環境でも容易に加熱処理できるとともに、衛生的にも優れた加熱処理パック及び加熱処理キットを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明の加熱処理パックは、所定圧力の作用下で剥離する剥離部によって区画される第1及び第2の区画室を有し、これらの区画室が前記剥離部の剥離によって互いに連通するパック本体を備え、前記パック本体の前記第1の区画室は、水と反応して発熱する発熱剤と、加熱されるべき被加熱対象物とを収容するための収容空間を形成するとともに、前記発熱剤及び前記被加熱対象物を前記収容空間に対して挿脱できるようにする開口を有し、前記パック本体の前記第2の区画室は、前記発熱剤と反応するための反応水を密閉状態で収容することを特徴とする。
上記構成によれば、反応水が収容される第2の区画室の部位でパック本体を外側から例えば手で叩いたり押圧するなどして剥離部に所定の圧力(又は衝撃)を作用させると、剥離部が剥離して第1の区画室と第2の区画室とが連通し、第2の区画室内の反応水が第1の区画室内へ流れ込む。そして、この流れ込んだ反応水が第1の区画室内に開口を通じて予め収容しておいた発熱剤と反応することにより、発熱剤が発熱する。また、そのようにして発生した熱は、発熱反応前に開口を通じて第1の区画室内に予め収容しておいた或いは発熱反応後に所定のタイミングで開口を通じて第1の区画室内に収容した被加熱対象物を加熱する。その後、被加熱対象物の加熱処理が終了したら、処理済みの被加熱対象物を開口を通じて第1の区画室から取り出せばよい。
このように、上記構成の加熱処理パックは、加熱されるべき被加熱対象物と発熱剤とを収容するための収容空間を形成する第1の区画室と、発熱剤と反応するための反応水を密閉状態で収容する第2の区画室とを有するパック本体を備えるため、加熱されるべき被加熱対象物と加熱処理に必要な構成要素(発熱剤、反応水)とをパック本体により一体的に組み合わせてユニット化することができ、それ1つで加熱処理済みの物品を得ることもできる。そのため、ユニット化したまま備蓄して災害等に備えることができ、電子レンジ等の加熱機器を利用できない環境下でも、発熱剤と、反応水と、加熱されるべき被加熱対象物とを個別に加熱袋の中に入れる手間を要することなく、単に剥離部に圧力を外側から作用させるだけで被加熱対象物を容易に加熱処理できる。
また、上記構成の加熱処理パックは、加熱されるべき被加熱対象物及び/又は発熱剤を第1の区画室から取り出した状態で備蓄(保管)等することも可能であるため、加熱処理を望まない不使用時にパック本体に不用意に外力を作用させて剥離部を剥離させることにより発熱剤と反応水とを誤って反応させてしまうといった不測の事態を回避できる。
また、上記構成の加熱処理パックでは、反応水がパック本体(第2の区画室)内に予め確保されているため、劣悪な環境下で汚水等を反応水として利用する必要もなく、したがって、被加熱対象物の汚染などを生じさせずに済み、衛生的にも優れる。
なお、上記構成において、被加熱対象物としては、食料品・飲料(水、スープ、おかゆなどの流動食)の他、例えば薬液(透析液などの薬液)、接着剤などの非食料品を挙げることもできる。また、パック本体は、透明、半透明、不透明であってもよい。
上記構成において、第1の区画室の開口は、発熱剤の発熱を伴う加熱処理時に上昇する第1の区画室の内部圧力を逃がすための易開封性シール部を有することが好ましい。一般に、発熱剤の発熱を伴う加熱処理時には、反応水が蒸発して蒸気が発生するため、開口を閉じた状態では、その蒸気圧により第1の区画室内の圧力が上昇するが、その上昇した圧力を易開封性シール部によって外部へと逃がすことができれば、加熱処理中に第1の区画室(パック本体)が破裂することを防止できる。
また、上記構成において、発熱剤は、透水性の発熱剤収容体内に収容された状態で第1の区画室に収容されることが好ましい。このように、発熱剤を透水性の発熱剤収容体内に収容すれば、発熱剤の取り扱いが容易になるとともに、発熱剤と反応水との反応を迅速に行なうことができる。なお、発熱剤としては例えば石灰を挙げることができ、透水性の発熱剤収容体としては例えば不織布等を挙げることができる。
また、本発明は、上記した目的を達成するために、所定圧力の作用下で剥離する剥離部によって区画される第1及び第2の区画室を有し、これらの区画室が前記剥離部の剥離によって互いに連通するパック本体を備え、前記パック本体の前記第2の区画室内に水が密閉状態で収容されて成る、加熱処理パックと、前記加熱処理パックの前記第1の区画室内に収容されて加熱されるようになっている被加熱対象物と、前記加熱処理パックの前記第1の区画室内に収容されて前記第2の区画室内からの水と反応して発熱するようになっている発熱剤と、前記加熱処理パック、前記被加熱対象物、及び、前記発熱剤を収納するための収納体とを備える加熱処理キットも提供する。
このような加熱処理キットによれば、前述した加熱処理パック及びその関連物品を含めて加熱処理に必要な全ての物品を収納体によってひとまとめにして扱うことができるため、取り扱い性が向上するとともに、災害時等のための備蓄(保管)等も容易且つ効率的に行なうことができる。
なお、上記構成において、収納体は、前記加熱処理パック、前記被加熱対象物、及び、前記発熱剤を収納するための収納空間を形成する箱型を成すとともに、前記加熱処理パック、前記被加熱対象物、及び、前記発熱剤を前記収納空間に対して挿脱できるようにする開口と、前記開口を開く開放位置と前記開口を閉じる閉鎖位置との間で反転自在な蓋とを有し、前記蓋は、前記開口を開くように反転した開放位置で、前記加熱処理パックを前記収納空間内で斜め上方に方向付ける加熱姿勢に保持するようになっていてもよい。
このような収納体によれば、加熱処理パック、被加熱対象物、及び、発熱剤の収納性が向上するとともに、反転自在な蓋を利用して加熱処理パックを収納空間内で斜め上方に方向付ける加熱姿勢に保つこともできるため、収納体に収納機能だけでなく加熱処理時の加熱処理パック支持体としての機能も持たせることができ、加熱処理を安全に且つ円滑に行なうことができる。
本発明によれば、災害時等のためにそのまま備蓄が可能で、電子レンジ等の加熱機器を利用できない環境でも容易に加熱処理できるとともに、衛生的にも優れた加熱処理パック及び加熱処理キットが得られる。
本発明の一実施形態に係る加熱処理パックの概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係る加熱処理キットの収納体の概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係る加熱処理キットにおける梱包形態の一例を示す概略図である。
以下、図1〜図3を参照しながら本発明に係る加熱処理パック1及び加熱処理キットの一実施形態について説明する。
図1に示されるように、本実施形態の加熱処理パック1は、所定圧力の作用下で剥離する剥離部(易剥離シール部)8によって区画される2つの区画室10,12を有する袋状のパック本体1Aを備える。
この場合、パック本体1Aの下側の第1の区画室12は、水と反応して発熱する発熱剤30(図3参照)と、加熱されるべき被加熱対象物(図3には、被加熱対象物の一例として哺乳袋55が示されている)とを収容するための収容空間S1を形成するとともに、発熱剤30及び被加熱対象物を収容空間S1に対して挿脱できるようにする開口19を有し、パック本体1Aの上側の第2の区画室10は、発熱剤30と反応するための反応水15を密閉状態で収容する収容空間(密閉空間)S2を形成する。なお、図1において、第1の区画室12は、発熱剤30及び被加熱対象物が収容空間S1内に収容されていない状態であるため、平坦な形態を成しており、第2の区画室10は、既に収容空間S2内に反応水15が密閉状態で収容されているため、膨らんだ形態を成している。
前記加熱処理パック1によって加熱されるべき被加熱対象物としては、図3に例示される哺乳袋55に限らず、スープ、おかゆなどの流動食を含む食料品(レトルト食品等も含む)や飲料の他、例えば薬液(透析液などの薬液)、接着剤などの非食料品を挙げることもできる。
パック本体1Aは、透明、半透明、不透明であってもよく、一対のシート状部材を重ねて周囲を溶着するか、或いは、シート状部材を折り曲げて側部を溶着することで袋状に形成される。特に、本実施形態のパック本体1Aは、複数のシート状部材1a,1b,1cを重ね合わせ、図1に斜線で示される部分をヒートバー等によって熱溶着することによって袋状に形成される。
具体的には、本実施形態の場合、第1のシート状部材(図1の裏側に位置するシート状部材)1a上に第2の区画室10側で第2のシート状部材(図1の表側に位置するシート状部材)1bを重ね合わせ、これらの重ね合わされたシート状部材1a,1b同士をパック本体1Aの上側両側縁部(上側縁溶着部)a,b及び上縁部(上縁溶着部)cで互いに熱溶着して第2の区画室10(収容空間S2)を形成する。このとき、上側縁溶着部a,bは剥離部8を越えて第1の区画室12側へと延び、また、第2のシート状部材1bの両側縁の下方側の一部は第1のシート状部材1aに対して溶着されずに残される。
一方、第1のシート状部材1a上には更に第1の区画室12側で第3のシート状部材(図1の表側に位置するシート状部材)1cが重ね合わされ、これらの重ね合わされたシート状部材1a,1c同士がパック本体1Aの下側両側縁部(下側縁溶着部)a’,b’及び下縁部(下縁溶着部)c’で互いに熱溶着されることにより第1の区画室12(収容空間S1)が形成される。このとき、下側縁溶着部a’,b’は上側縁溶着部a,bの端縁にまで至っており、パック本体1Aの両側縁部に(結果的に、全周縁にわたって)未溶着部が存在しないようになっている。また、第3のシート状部材1cの両側縁の上方側の一部は第1のシート状部材1aに対して溶着されずに残される。
そして、第1のシート状部材1aに対して溶着されずに残された第2及び第3のシート状部材1b,1cの残存部分同士は、互いに重ね合わされるように折り曲げられてその両側縁部(折り返し側縁溶着部)a”,b”同士が溶着されることにより、折り返し部(重合部)17を形成する。したがって、この折り返し部17は、未溶着部である端縁を前記開口19としてその内部空間が外気に連通するとともに、その内部空間が第1の区画室12の収容空間S1にも連通することになる。
このようにして形成されるパック本体1Aは、非自立袋であってもよいし、自立袋であってもよい。また、パック本体1Aを形成するシート状部材1a,1b,1cは、例えば耐熱性を有するプラスチック素材(プラスチックフィルム)により形成されることが好ましい。そのようなプラスチック素材の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン等のハロゲン化ポリオレフィン;ポリビニルアルコール;ナイロン6、ナイロン6,6、ポリメタキシリレンアジパミド等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル;ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等のポリアクリル酸エステル;及びこれらを形成するモノマーの共重合体などが挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、メタクリル又はアクリルを意味する。
ポリエチレンの具体例としては、直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン系ポリエチレンなどが挙げられる。ポリプロピレンの具体例としては、プロピレンのホモポリマー、プロピレンとエチレンや1−ブテンとのランダム又はブロックコポリマーなどが挙げられる。
前記プラスチックフィルムは、単層でもよいが、共押出しなどにより2層以上に積層されていてもよい。例えば、プラスチックフィルムは、ナイロンとポリエチレンをラミネートした積層構造としたものであってもよく、更にそれ以外の層を有していてもよい。また、プラスチックフィルムは、酸化アルミニウムや酸化ケイ素のような無機酸化薄膜が付与されたガスバリアー性の複合フィルムでもよい。この複合フィルムは、酸化アルミニウムや酸化ケイ素の単体又は混合物を真空下で加熱気化させ、前記フィルムの表面に蒸着することで得ることができる。更に、予め発熱剤を入れておく構成では、防湿性が高いフィルム、例えばアルミ箔を用いることも可能である。
また、本実施形態では、前述したように形成される第1の区画室12(折り返し部17)の開口19は、発熱剤30の発熱を伴う加熱処理時に上昇する第1の区画室12の内部圧力を逃がすための易開封性シール部9を有する。すなわち、開口19は、この易開封性シール部9によって能動的に及び受動的に開閉可能となっている。ここで、能動的とは、易開封性シール部9が第1の区画室12の内部圧力に応じて開閉できることを意味し、一方、受動的とは、人為的な力により開閉できることを意味する。そのような易開封性シール部9は、例えばプラスチックフィルムの同一面側(本実施形態では、第2及び第3のシート状部材1b,1cの同一面側)を互いに当接させてヒートシールにより合掌状に接合された合掌接合部によって形成することができる。なお、開口19は、易開封性シール部を備えず、単に開口したものであってもよい。このような構成では、例えばスパウト(注出口)付きの収容体を被加熱対象物とした場合、開口部分からスパウトのみを突出させた状態で加熱処理することができるため、加熱された収容体を容易に取り出すことができる。
本実施形態において、易開封性シール部9は、前述したように折り返し部17の端縁に位置して形成されており、加熱処理により第1の区画室12の内部圧力が上昇したときにその圧力を逃がす易開封性を有する。具体的には、例えば、易開封性シール部9は、折り返し部17を構成するプラスチックフィルム(第2及び第3のシート状部材1b,1c)のうち易開封性シール部9を構成する一対のプラスチックフィルム部位同士を必要に応じてイージーオープンテープ(不図示)を挿入した状態でヒートシールすることで形成することが可能である。このような構成では、易開封性シール部9のみがイージーオープンで、そのサイド(両側縁部a”,b”)については、それよりも剥離強度が強くなるようにシールされていることが好ましい。
より具体的には、易開封性シール部9は、90℃雰囲気下でヒートシール強度が1200g/15mm以下であることが好ましく、800g/15mm以下であることがより好ましい。易開封性シール部9の90℃雰囲気下でのヒートシール強度は、0g/15mmでも構わないが、100g/15mm以上であることが好ましい。なお、ヒートシール強度とは、JIS Z0238「密封軟包装袋の試験方法」に従い、90℃雰囲気下で測定された値である。
また、易開封性シール部9は、開口19を確保するために常温においてイージーオープンであり、そのようなシール状態を得るように易開封性シール部9の常温雰囲気下でのヒートシール強度(例えば300〜1500g/15mm)が設定される。なお、常温雰囲気下でのヒートシール強度とは、JIS Z0238「密封軟包装袋の試験方法」に従い、常温(23℃65%RH)雰囲気下で測定された値である。
また、本実施形態では、易開封性シール部9を構成するプラスチックフィルムの一方に、易開封性シール部9を形成するヒートシールの幅方向と垂直の方向に並んだ複数の貫通孔(図示せず)を設けることが好ましい。このようにすることで、加熱により第1の区画室12の内部圧力が上昇したとき、易開封性シール部9がヒートシールの幅方向全体にわたって開封する前に前記貫通孔の位置で通蒸し、破裂音が発生しにくくなる。また、第1の区画室12が破裂しない程度に水蒸気を逃がすことができ、必要以上に内部圧力が低下したり被加熱対象物が飛び出したりすることを抑制できる。
なお、前述した区画室10,12間を仕切る剥離部(易剥離シール部)8も、常温においてイージーピールオープンとなるような所定のヒートシール強度(剥離強度)をもって易開封性シール部9と同様の形態で形成されてもよく(この場合は、第1のシート状部材1aと第2のシート状部材1bとがヒートシールされる)、所定の圧力を加えたときに剥離して区画室10,12を互いに連通させることができるものであればよい。この場合、剥離部8については、イージーオープンテープを挿入したものであってもよく、両側縁部a,b及び上縁部cよりも剥離強度が弱くなるようにシールされていればよい。
また、各区画室10,12内に収容される発熱剤30及び反応水15は、区画室10,12内にそのまま直接に収容されてもよいが、一例として、発熱剤30は、図3に示されるように透水性の発熱剤収容体32内、例えば不織布から成る袋の中に収容された状態で第1の区画室12に収容されてもよい。また、反応水15は、例えば所定圧力の作用下で開封して反応水15を外部に放出する袋状の収容体内に収容された状態で第2の区画室10に収容されてもよい。そのようにすると、発熱剤30や反応水15の取り扱いが容易になる。
なお、本実施形態において、発熱剤30は、金属を含有して水素ガスを発生させる従来のものとは異なり、石灰100%であり、例えば前述した不織布の目付け量などによってその発熱が制御されてもよい。
以上のようにして構成される加熱処理パック1は、それと関連する物品、すなわち、発熱剤30(発熱剤収容体32)、加熱されるべき被加熱対象物などと共に、図3に示されるように収納体70内に収納されて加熱処理キットを構成する。この図3に示される加熱処理キットの例では、被加熱対象物として、注出口(開封栓)を有する哺乳袋55が使用され、したがって、収納体70内には、例えば、哺乳袋55と、粉ミルク袋52と、発熱剤30(発熱剤収容体32)と、加熱処理パック1と、ニップル59とが一括して収納される。この場合、図3に矢印で示される段階にしたがって、哺乳袋55に水50が予め収容されるとともに、加熱処理パック1の第2の区画室10内に反応水15が予め収容されるが、加熱処理パック1の第1の区画室12内には、哺乳袋55も発熱剤30(発熱剤収容体32)も収容されない。
ここで、収納体70は、例えば図2に示されるように、加熱処理パック1、被加熱対象物、及び、発熱剤30(発熱剤収容体32)を収納するための収納空間S3を形成する箱型を成すとともに、加熱処理パック1、被加熱対象物、及び、発熱剤30(発熱剤収容体32)を収納空間S3に対して挿脱できるようにする開口72と、開口72を開閉可能に閉じる蓋73とを有する。この場合、蓋73は、開口72を開く開放位置(図2に示される位置)と開口72を閉じる閉鎖位置(図示せず)との間で反転自在となっている。また、蓋73は、図2に示されるように、開口72を開くように反転した開放位置で、加熱処理パック1を収納空間S3内で斜め上方に方向付ける加熱姿勢に保持することができるようになっている。
次に、上記構成の加熱処理キット及び加熱処理パック1の使用方法、及び作用効果について説明する。
まず、加熱処理キットを構成する収納体70から加熱処理パック1及び関連する物品を取り出す。続いて、加熱処理パック1の第1の区画室12内に開口19を通じて発熱剤30(発熱剤収容体32)を装填し、この収容した状態で、反応水15が収容される第2の区画室10の部位でパック本体1Aを外側から例えば手で叩いたり押圧するなどして剥離部8に所定の圧力(又は衝撃)を作用させる。これにより、剥離部8が剥離して第1の区画室12と第2の区画室10とが連通し、第2の区画室10内の反応水15が第1の区画室12内へ流れ込む。そして、この流れ込んだ反応水15が第1の区画室12内に収容された発熱剤30と反応することにより、発熱剤30が発熱する。
また、そのようにして発生した熱は、発熱反応前に開口19を通じて第1の区画室12内に予め収容しておいた或いは発熱反応後に所定のタイミングで開口19を通じて第1の区画室12内に収容した被加熱対象物(図3の加熱処理キットの例では水が収容された哺乳袋55)を加熱する。
また、この加熱処理時には、反応水15が蒸発して蒸気が発生し、その蒸気圧により第1の区画室12内の圧力が上昇するが、その上昇した圧力は易開封性シール部9によって外部へと逃がされ、それにより、加熱処理中に第1の区画室12(パック本体1A)が破裂することはない。また、この加熱処理時に、図2に示されるように加熱処理パック1を収納体70の収納空間S3内に収納した状態で蓋73を反転位置に位置させて加熱処理パック1を収納空間S3内で斜め上方に方向付ける加熱姿勢に保持してもよい。
その後、所定時間が経過して、発熱反応が収まり、被加熱対象物の加熱処理が終了したら、易開封性シール部9を開封して処理済みの被加熱対象物である哺乳袋55を、開口19を通じて第1の区画室12から取り出せばよい。そして、暖められた哺乳袋55の開封栓を開封して、加熱された水に粉ミルク袋52内の粉ミルクを溶かし込み、ニップル59を注出口に装着して使用する。
このように、本実施形態の加熱処理パック1は、加熱されるべき被加熱対象物と発熱剤30とを収容するための収容空間S1を形成する第1の区画室12と、発熱剤30と反応するための反応水15を密閉状態で収容する第2の区画室10とを有するパック本体1Aを備えるため、加熱されるべき被加熱対象物と加熱処理に必要な構成要素(発熱剤30、反応水15)とをパック本体1Aにより一体的に組み合わせてユニット化することができ、それ1つで加熱処理済みの物品を得ることもできる。そのため、ユニット化したまま備蓄して災害等に備えることができ、電子レンジ等の加熱機器を利用できない環境下でも、発熱剤と、反応水と、加熱されるべき被加熱対象物とを個別に加熱袋の中に入れる手間を要することなく、単に剥離部8に圧力を外側から作用させるだけで被加熱対象物を容易に加熱処理できる。
本実施形態の加熱処理パック1は、加熱されるべき被加熱対象物及び/又は発熱剤30を第1の区画室12から取り出した状態で備蓄(保管)等することも可能であるため、加熱処理を望まない不使用時にパック本体1Aに不用意に外力を作用させて剥離部8を剥離させることにより発熱剤30と反応水15とを誤って反応させてしまうといった不測の事態を回避できる。
また、本実施形態の加熱処理パック1では、反応水15がパック本体1A(第2の区画室10)内に予め確保されているため、劣悪な環境下で汚水等を反応水として利用する必要もなく、したがって、被加熱対象物の汚染などを生じさせずに済み、衛生的にも優れる。
また、本実施形態では、第1の区画室12の前記開口19は、発熱剤30の発熱を伴う加熱処理時に上昇する第1の区画室12の内部圧力を逃がすための易開封性シール部9を有するため、加熱処理時における第1の区画室12内の上昇した圧力を易開封性シール部9によって外部へと逃がすことができ、加熱処理中に第1の区画室12(パック本体1A)が破裂することを防止できる。
さらに、本実施形態の加熱処理キットによれば、前述した加熱処理パック1及びその関連物品を含めて加熱処理に必要な全ての物品を収納体70によってひとまとめにして扱うことができるため、取り扱い性が向上するとともに、災害時等のための備蓄(保管)等も容易且つ効率的に行なうことができる。
この場合、本実施形態の加熱処理キットは、加熱処理時において、図2に示されるように加熱処理パック1を収納体70の収納空間S3内に収納した状態で蓋73を反転位置に位置させて加熱処理パック1を収納空間S3内で斜め上方に方向付ける加熱姿勢に保持できるため、加熱処理を安全に且つ円滑に行なうことができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、前述した実施形態では、発熱剤が石灰100%であったが、発熱剤を構成する成分材料はこれに限定されない。また、パック本体を形成する素材等も前述した実施形態に限定されず、任意に設定できる。また、易開封性シール部及び開口部の位置も任意に設定できる。さらに、パック本体の区画室の分け方についても適宜変形することが可能である。
1 加熱処理パック
1A パック本体
8 剥離部
9 易開封性シール部
10 第2の区画室
12 第1の区画室
15 反応水
19 開口
30 発熱剤
70 収納体
72 開口
73 蓋
S1 収容空間
S2 収容空間

Claims (5)

  1. 所定圧力の作用下で剥離する剥離部によって区画される第1及び第2の区画室を有し、これらの区画室が前記剥離部の剥離によって互いに連通するパック本体を備え、前記パック本体の前記第2の区画室内に反応水が密閉状態で収容された加熱処理パックと、
    前記加熱処理パックの前記第1の区画室内に収容可能であり、水が収容されると共に開封栓で封止された注出口を具備した哺乳袋と、
    前記加熱処理パックの前記第1の区画室内に収容可能であり、前記第2の区画室内からの反応水と反応して発熱する発熱剤と、
    前記哺乳袋の注出口に装着されるニップルと、
    粉ミルクを収容した粉ミルク袋と、
    を収納した収納体を有する、ことを特徴とする加熱処理キット。
  2. 前記収納体は、前記加熱処理パック、前記哺乳袋、前記発熱剤、前記ニップル、及び、前記粉ミルク袋を収納するための収納空間を形成する箱型を成すとともに、前記加熱処理パック、前記哺乳袋、前記発熱剤、前記ニップル、及び、前記粉ミルク袋を前記収納空間に対して挿脱できるようにする開口と、前記開口を開く開放位置と前記開口を閉じる閉鎖位置との間で反転自在な蓋とを有し、前記蓋は、前記開口を開くように反転した開放位置で、前記加熱処理パックを前記収納空間内で斜め上方に方向付ける加熱姿勢に保持することを特徴とする請求項1に記載の加熱処理キット。
  3. 前記加熱処理パックの前記第1の区画室は、前記発熱剤及び前記哺乳袋を前記第1の区画室に対して挿脱できるようにする開口を有する請求項1又は請求項2に記載の加熱処理キット。
  4. 前記第1の区画室の前記開口は、前記発熱剤の発熱を伴う加熱処理時に上昇する前記第1の区画室の内部圧力を逃がすための易開封性シール部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の加熱処理キット。
  5. 前記発熱剤は、透水性の発熱剤収容体内に収容された状態で前記加熱処理パックの前記第1の区画室に収容されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の加熱処理キット。
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