JP3031027U - 脱気包装用袋 - Google Patents

脱気包装用袋

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JP3031027U JP1996004879U JP487996U JP3031027U JP 3031027 U JP3031027 U JP 3031027U JP 1996004879 U JP1996004879 U JP 1996004879U JP 487996 U JP487996 U JP 487996U JP 3031027 U JP3031027 U JP 3031027U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロ波を利用した脱気包装技術におい
て、内容物の表面温度の低下を防止してより良好な滅菌
状態を得る。更に、内容物が流動性の水分を含有する場
合にも水分の漏出を防止して脱気包装する。 【解決手段】 プラスチックフィルム製の袋において、
袋口融着部には少なくとも1カ所の融着されていない欠
落部からなる脱気部が存在し、袋口融着部の内方に欠落
部がなく、全部または一部が不完全融着部であると共
に、該不完全融着部の融着強度がタテ融着部及び袋口融
着部よりも弱く、内圧の上昇により剥離するように融着
されている。更に、この脱気包装用袋を使用し、袋口開
口部から内容物を装入し、袋底開口部を不完全融着部よ
りも強固に融着し、マイクロ波加熱を行い、不完全融着
部を融着剥離させ、マイクロ波加熱終了後、脱気部を完
全融着する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案が属する技術分野】
本考案は肉類、野菜、果実、海藻などの食品や不織布、ガーゼ等の医療器具、 衛生用品等を水分の存在下に衛生的に脱気包装する脱気包装用袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
一方の袋口が開口し、他方の袋口に欠落部からなる脱気部を有する帯状の袋口 融着部を1本以上設けた脱気包装用袋が提案されている。袋口融着部が1本の場 合には袋口融着部の外方に充分な余白部を設け、2本以上の場合には隣接する袋 口融着部の脱気部が互いに接触しないように配設したものである。
【0003】 この方法は開口部から食品などを装入した後、開口部を融着、クリップ止め等 の手段により閉塞し、しかる後マイクロ波加熱を行うことにより内容物は内部か ら加熱され、短時間で内容物の加熱滅菌が完了し、内容物を熱劣化させることな く滅菌脱気包装することができる。マイクロ波加熱により発生した水蒸気は袋口 融着部に形成された脱気部及び2本以上の袋口融着部に挟まれて形成されたダク ト内を通過して排気され、マイクロ波加熱終了と同時に袋内部及びダクト中の水 蒸気が凝縮し、ダクトを閉塞し、雑菌を含む空気の逆流を防止する効果を有する 。すなわち、マイクロ波を利用して滅菌脱気包装が容易に行われる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法を実施してみると、袋の上下を逆転させて内容物を装 入するため、内容物が漬物、煮物等の流動性の水分を含む場合にはこの流動性の 水分が開口している脱気部からダクト内に浸入し、或いは外部に漏出し、マイク ロ波加熱の際に水蒸気の排出が充分に行われず、また、殺菌脱気包装も完全に行 われていないことが判明した。
【0005】 また、水蒸気を発生させつつマイクロ波加熱を行う場合には、内容物は内部か ら加熱される。この際水蒸気は表面部位のみから発生するため、内部が104〜 105℃程度に加熱されても表面部位は気化の潜熱を奪われ96〜97℃程度で ある事実を発見した。 この事実に起因して、マイクロ波による滅菌包装を試みると被殺菌物の表面部 分の殺菌が不十分である事実を見出した。 そこで、表面部位も完全に殺菌することができ、流動性の水分の多い内容物で あっても確実に殺菌脱気包装できるマイクロ波による殺菌脱気包装用袋の改良が 求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記課題を解決することを目的とし、その構成は、
【0007】 すなわち、従来の脱気包装用袋を用いると袋口に脱気部が開口し、袋の上下を 逆転させて内容物を装入するため、水分がこの脱気部から漏洩する問題を不完全 融着部を設けることにより解決した。 不完全融着部は脱気部或いは脱気部よりも内側に設けられているため不完全融 着部に阻害されて水分が脱気部から漏洩することを防止することができる。 マイクロ波加熱を行う場合には袋口を上にして行う。マイクロ波加熱により内 圧が上昇した場合には不完全融着部の剥離強度が小さいため、内圧により融着部 位が剥離し、脱気部及びダクトを通過して水蒸気が放出される。その際に内容物 の水分が漏出するおそれがなくなった。
【0008】 更に、不完全融着部の存在により、脱気包装袋内は不完全融着部が剥離する内 圧に達するまでは密封状態に維持される。その結果、内容物の表面部位からの水 蒸気の蒸発は抑制され、表面部位の温度低下は防止され、より高度の殺菌状態を 得ることができる。 一定の内圧に達すると「パン」というさく裂音と共に不完全融着部は一挙に剥 離し水蒸気の放出が開始される。
【0009】
【考案の実施の形態】
本考案における内容物とは食品等多少とも水分を有するものが好ましい。マイ クロ波加熱を前提としているため、外部からの加熱と異なり内容物の水分が内部 から加熱されるので短時間に全体が昇温し内容物の加熱による品質劣化がきわめ て少ない。 手術用メスや注射器のように全く水分のない内容物の場合にも少量の水分を供 給すれば使用することができる。ガーゼや不織布のような衛生用品も水分を供給 することにより、本考案の効果を達成できる。
【0010】 芽胞菌のように胞子を形成する雑菌に対しては、希薄な次亜塩素酸塩、過酸化 水素等の滅菌剤の溶液を少量添加することにより包装後無菌状態に保つことがで きる。更に、本考案の場合、従来のレトルト方式と異なり一部開放状態での加熱 方式なので、加熱下殺菌作用を果たした殺菌剤は加熱中に発生した水蒸気と共に 外部に放出され、包装袋内に残留しない効果も併有する。
【0011】 本考案において使用するプラスチック袋は折りたたんだ状態で四角形の袋であ ればよい。例えば四方シール型、中央部或いは脇に融着部を有する三方シール型 、チューブ状フィルムをそのまま用いた二方シール型、ガセット折り型、スタン ドパック型等を挙げることができる。袋素材は長期間保存しても空気が侵入しな い素材であると共に、100℃の水蒸気下において変質変形しない素材であるこ とを要する。特に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層を積層したフィルムからなる袋 は高度の空気遮断性と透明性を併有して好ましい。
【0012】 図1は上下を逆にした本考案脱気包装用袋の1実施例の側面図である。脱気包 装用袋は袋底が開口して袋底開口部1を形成し、この袋底開口部1から内容物で ある食品を装入する。袋口開口部1と対向する辺に帯状の袋口融着部2を設ける 。帯状とは袋内圧の上昇によって融着部が剥離しないために必要な融着幅を有す ることである。袋口融着部2はしっかりと融着されているが、一部融着されずに 残した欠落部を有しこれが脱気部3である。この脱気部3はダクトのように長い ものでなく単に融着部が欠落しているものであり、マイクロ波加熱により発生す る大量の水蒸気を放出できる広さがあればよい。
【0013】 脱気部3の数は1本の袋口融着部2について1個でも2個以上でもよく、場合 によっては袋口融着部2が間欠的に融着されて形成された多数の脱気部3であっ てもよい。脱気部3の位置は中央部でも端部でもよい。 図1においては袋口融着部の外側に融着されていない余白部4を設け、脱気部 3を覆う位置に点状の融着部5を散在させた。余白部4の幅は3cm以上、好ま しくは5cm以上である。3cm以上の余白部4を設けると、袋口融着部が1本 であってもマイクロ波加熱終了後に速やかに余白部4を閉塞し、空気、ひいては 雑菌の侵入を防止する。余白部はタテ融着部5が融着された短い筒状である。
【0014】 また、余白部に設けた点状の融着部はマイクロ波加熱中の水蒸気の放出を阻害 せず、マイクロ波加熱終了後には速やかに余白部を密着させる。 広い余白部4と点状融着部5の相乗効果により、マイクロ波加熱終了後に、袋 口融着部2は1本であってもマイクロ波加熱終了後の雑菌の侵入を確実に防止で きる。
【0015】 本考案においては、袋口融着部2の内方に不完全融着部6を設ける。不完全融 着部6は袋口を気密に融着し欠落部があってはならない。不完全融着部6は実質 的には完全に融着されているが、その融着強度が弱く、密封された袋がマイクロ 波加熱され内圧が上昇した場合に融着部位が容易に剥離することを要する。すな わち、袋素材であるフィルムが破けるような融着であってはならない。不完全融 着強度はJIS Z 1707に準拠して測定して0.7〜3.0kg/15mm幅、好ましく は0.9〜2.4kg/15mm幅、より好ましくは1.0〜1.8kg/15mm幅で ある。
【0016】 袋口融着部2や袋底融着部8を形成する際には、熱バー等を用いたシーラーや インパルスシーラーを使用するが、フィルムが加熱器具に付着しないように加熱 器具のフィルムとの接触面をテフロン等の剥離性素材で被覆している。 不完全融着部を形成するためには、特殊シーラーを使用してもよいが、不完全 融着部のみにテフロンテープのような剥離性テープを適宜の厚さに更に重ねて貼 着することにより加熱温度を調整することができ、袋口融着部と不完全融着部を 一挙に形成することができる。 不完全融着部はその他如何なる方法で形成しても上記条件を充足するものであ ればよい。
【0017】 本考案脱気包装用袋は図1に示すものに限らず、最内層に不完全融着部6を有 し内容物装入後確実に袋底を密封できるものであればすべて使用できる。 例えば図3(a)に示すように、2本の並列し隣接した袋口融着部2を有しそ れぞれ異なった端部に1個の脱気部3を設けたものも使用できる。この場合、余 白部は5mm程度で図1における余白部4の効果を有しない。 図3(b)は2本の並列し隣接した袋口融着部2の1本が両端に2個の脱気部 3を有している。2本以上の袋口融着部2を設ける場合には互いに隣接する袋口 融着部の脱気部3は離して設けることが好ましい。離して設けることにより隣接 する2本の袋口融着部の間にダクト7が形成され、水蒸気及び空気はこのダクト 7の通過を余儀なくされ、加熱時の排気に悪影響しないと共に、加熱終了時の雑 菌の侵入を防止できる。
【0018】 図3(c)は3本の袋口融着部2を有する場合であり、最も内方に位置する袋 口融着部は複数の脱気部3を有し、全ての脱気部3は不完全融着部6により密封 される。 したがって、(c)の脱気包装用袋の袋口が完全に密封された状態である。マイ クロ波加熱により内圧が上昇し、不完全融着部6が融着剥離する前は内容物の表 面から気化の潜熱が奪われず、表面温度が充分に上昇する。不完全融着部6の融 着剥離後は脱気部3及びダクト7を通過して水蒸気が放出されて内圧が異常に上 昇する危険がない。 図3に示した例は全て2本以上の袋口融着部を有するが、隣接する袋口融着部 の脱気部3は互いに離れた位置に設けられている。
【0019】 図2は本考案の脱気包装方法のフローシートである。図1に示すように脱気包 装用袋の上下を逆にして袋底開口部1を上にしてこの開口部から内容物を装入す る。内容物が煮物のように流動性の水分を有す場合にも最内層に不完全融着部6 が存在するために、液漏れするおそれがない。 次いで袋底を完全密封する。場合によっては密封性、耐熱性のクリップで気密 に挟着してもよい。この状態で内容物は完全に密封された袋内に存在する。
【0020】 次いでマイクロ波加熱を行う。マイクロ波加熱装置としては市販の電子レンジ を用いることもできるし、工業用に製造された大型の効率的マイクロ波加熱装置 を使用してもよい。この場合、袋口を上にして処理することが好ましい。内容物 は内部から加熱されるが密封状態であるため水蒸気が充分に蒸発できず、内容物 の表面から気化の潜熱が奪われることなく表面も100℃近い温度に上昇する。 加熱が進行し、袋の内圧が一定値を越えると明らかに他の部位と比して弱く融着 されている不完全融着部6が「パン」というさく裂音と共に剥離し、袋口融着部 2に設けられた脱気部3から水蒸気が放出する。
【0021】 マイクロ波加熱を終了すると、水蒸気が凝縮して脱気包装用袋の内圧が低下し 、袋内部及び図1における余白部や図3における2本の袋口融着部2の間に形成 されたダクト7が収縮し、袋を形成する表裏のフィルムが水分で密着して包装袋 を脱気状態に維持する。その後脱気部の完全融着及び脱気包装袋の冷却を行い内 容物が殺菌された脱気包装品を得ることができる。
【0022】 更に、通常の底付の袋に内容物を装入した後、袋口を融着するにあたり、2本 以上の融着線を設け、最も内方に設けた融着線の一部または全部を不完全融着部 とすることにより本考案の効果を得ることができる。この場合、不完全融着部の ない他の融着線は脱気部を有することを要する。
【0023】
【実施例】実施例1 ポリ塩化ビニリデン層を被覆したナイロンを基材フィルムとし、一方の面に熱 融着性層として線状低密度ポリエチレンを積層したフィルムからなる図3(a) の形状の脱気包装用袋を用いた。不完全融着部6は富士インパルス(株)製のシ ョップシーラーFS315型の融着装置を用いて行った。通電時間を設定するタ イマーとしてダイヤル1〜7が装着されている。このタイマーにおいてダイヤル 4にして融着したところ、手でやや力をこめて引張るとフィルムが剥離する程度 に融着されていた。 ダイヤルを4.5、5及び6にセットした場合には完全に融着され、表裏のフィ ルムを持って引張っても融着部は剥離せず、またフィルムが破れることもなかっ た。またダイヤルを3.5にセットした場合には実質的に融着されず、軽い力でほ とんど抵抗なく剥離した。 本実施例の場合、好ましい不完全融着強度はダイヤル目盛り3.7〜4.3の範囲 であることが判明した。
【0024】 縦25cm、横15cm、両脇に幅7mmのタテ融着部を設けた筒状の四方シ ール型袋用材料を用意した。タテ融着部5及び袋口融着部2は上記融着装置のダ イヤル目盛を6にして融着した。 実施例1の脱気包装用袋の袋底を上方にして皮を剥いたポテトを装入した後、 袋底開口部1を図1に示すように、融着装置のダイヤル目盛を6にして融着した 。8はポテト装入後融着して得られた袋底融着部である。 袋底融着後再び袋口を上にしてマイクロ波加熱した。ポテトが加熱され澱粉が α化し、脱気包装袋内に水蒸気が充満して17秒後にさく裂音と共に不完全融着 部6が一挙に剥離した。剥離後は脱気部3及びダクト7を通過して水蒸気が放出 された。マイクロ波加熱を終了すると袋内部及びダクト内部が減圧し、ダクト内 に存在する水分がフィルム同士を密着させ、袋内が気密に維持された。冷却後脱 気部又はダクトを融着し、袋全体を完全に密封融着した。
【0025】 本実施例においては、水蒸気充満後、不完全融着部の剥離までに15〜20秒 要するため、その間には内容物の表面からの水分の気化により気化の潜熱が奪わ れることなく、表面温度は99℃に達した。したがって、ほぼ満足できる程度に 殺菌調理された脱気包装ポテトが得られた。この脱気包装ポテトは室温で3月放 置した後に開封したが、新鮮な状態に維持され、芯までほくほくした食感が得ら れた。
【0026】実施例2 実施例1で用いた脱気包装用袋に竹の子の煮物を装入して実施例1と同様にし て処理した。竹の子の煮物は多少の煮汁を有するが、不完全融着部6を設けてあ るため煮汁が脱気部3から浸出することはなかった。袋内に水蒸気が充満した後 16秒後に不完全融着部6が剥離し、脱気部3から水蒸気の放出が始まった。煮 汁の漏出は認められなかった。 得られた殺菌調理された脱気包装袋は後に至ってまとめて脱気部を完全に融着 し、常温で1月放置後開封したが、内容物は竹の子の芳香を有し、調理直後と変 わらない食感が得られた。
【0027】比較例1 実施例1で用いた脱気包装用袋において、2本の袋口融着部2の中、不完全融 着部6に近い側の不完全融着部2’を上記融着装置のダイヤルを4にして不完全 融着した袋を用いた以外は実施例1と同様にしてマイクロ波処理を行った。 不完全融着部6が剥離する時、同時に袋口融着部2’も剥離した。マイクロ波 加熱終了後は袋が収縮する際に、外方の袋口融着部2に設けられた脱気部3’か ら空気の逆流が生じ、充分な殺菌状態が得られなかった。
【0028】実施例3 図4に示すような脇部に2本の完全融着したタテ融着部5を設けた筒状袋用材 料を設け、開口した一方の端部の3.5cm内方に不完全融着部6を設けた包装 袋用材料を使用し、クリップ9を用いて不完全融着部6の外方を係止した。図5 に示すように、クリップ9を装着した袋口開口部1を下方にして内容物を装入し 、袋口開口部1を融着して閉塞した。 別に、袋口開口部1の部位を挟んだ状態でオス型とメス型が気密に嵌合する他 のクリップを用いて閉塞した。
【0029】 本実施例において不完全融着部6の外方に用いるクリップ9は、図5及び図6 に示すように、オス型に局所的な細径部10を設けることにより袋を気密に閉塞 する完全密着部11と、通気性を有する細径部10とが共存する。細径部10に おいてはメス型12とオス型13との間に間隙14が生じ、この間隙14では脱 気包装用袋を形成する表裏のフィルム15,16間に通路が形成される。
【0030】 マイクロ波加熱が開始されると、タテ融着部5、不完全融着部6及び袋底開口 部1を融着或いは圧迫閉塞されて密封状態となった袋内の内容物は全体が均等に 加熱され内圧が高まる。内圧が一定に達したとき不完全融着部6が融着剥離する 。融着剥離した後は図6の矢印に示すように間隙14を通過して外部に放出され る。マイクロ波加熱終了後は間隙14内の表裏のフィルム15、16は内面の濡 れにより相互に密着するので雑菌による汚染が防止できる。17、18はフィル ムが融着剥離した部位である。
【0031】 次いで、クリップ9の内側或いは外側を完全融着或いは、細径部10を有しな い密封型クリップを装着して内容物を滅菌脱気包装状態に維持した。冷却工程は クリップまたは融着による完全密封の前に行っても、後に行っても、その途中に 行っても好ましい結果が得られた。 本実施例においては、クリップ9のオス型を局所的に細径にして間隙14を設 けたが、メス型の内径を広径にして間隙を設けたり、両者を併用して間隙14を 設けることも可能である。 本実施例により細径部10を有しない密封型クリップを装着した場合も、融着 した場合も実施例1及び2の場合と同様、高度の殺菌脱気状態に維持することが できた。
【0032】
【考案の効果】
水蒸気放出用の脱気部及び/又はダクトを設けた袋に内容物を装入してマイク ロ波処理する脱気包装技術において、最内部に内圧の上昇により容易に剥離する 不完全融着部を設ける本考案により内容物の表面温度の低下を防止してより良好 な殺菌状態を得ることに成功した。更に、本考案により内容物が流動性の水分を 含有する場合にも水分の漏出を防止して脱気包装することができ、その応用分野 が拡大した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は上下を逆にした本考案脱気包装用袋の1
実施例の側面図である。
【図2】図2は本考案の脱気包装方法のフローシートで
ある。
【図3】図3は脱気包装用袋の他の実施例の側面図であ
る。
【図4】図4は他の実施例に用いた脱気包装用袋材料の
平面図である。
【図5】図5は図4の脱気包装用袋材料にクリップを装
着した平面図である。
【図6】図6は図5のVI−VI線断面図である。
【符号の説明】
1 袋底開口部 2 袋口融着部 3 脱気部 4 余白部 5 タテ融着部 6 不完全融着部 7 ダクト 8 袋底融着部 9 クリップ 10 細径部 11 完全密着部 12 メス型 13 オス型 14 間隙 15、16 フィルム 17、18 融着剥離した部位

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルム製の四角形の袋に
    おいて、一方の辺が袋底開口部を形成し、該袋底開口部
    と対向する他方の辺に1本以上の帯状の袋口融着部を形
    成し、該袋口融着部には少なくとも1カ所の融着されて
    いない欠落部からなる脱気部が存在し、袋口融着部の内
    方に欠落部のない不完全融着部を設け、該不完全融着部
    の融着強度がタテ融着部及び袋口融着部よりも弱く、内
    圧の上昇により剥離するように融着されていることを特
    徴とする脱気包装用袋。
  2. 【請求項2】 最も外方に位置する袋口融着部の外方
    に、3cm以上の表裏のフィルム素材のほとんどが融着
    されていない余白部を有することを特徴とする請求項1
    記載の脱気包装用袋。
  3. 【請求項3】 2本以上の帯状の袋口融着部を有し、最
    も内方の袋口融着部の全ての脱気部が不完全融着部を形
    成していることを特徴とする請求項1又は2記載の脱気
    包装用袋。
  4. 【請求項4】 最も外方に位置する袋口融着部の外方に
    設けられた余白部の、脱気部の周囲に1以上の点状の融
    着部位が散在することを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載する脱気包装用袋。
  5. 【請求項5】 タテ融着部により筒状に形成された袋
    の、一方の開口部のみが欠落部のない不完全融着部で閉
    塞され、該不完全融着部の融着強度がタテ融着部よりも
    弱く、内圧の上昇により剥離するように融着されている
    ことを特徴とする脱気包装用袋。
JP1996004879U 1996-05-09 1996-05-09 脱気包装用袋 Expired - Lifetime JP3031027U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017105491A (ja) * 2015-12-08 2017-06-15 シコー株式会社 脱気機構付き袋

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017105491A (ja) * 2015-12-08 2017-06-15 シコー株式会社 脱気機構付き袋

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