JPH09255043A - 脱気包装用袋及び包装方法 - Google Patents

脱気包装用袋及び包装方法

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JPH09255043A
JPH09255043A JP9468196A JP9468196A JPH09255043A JP H09255043 A JPH09255043 A JP H09255043A JP 9468196 A JP9468196 A JP 9468196A JP 9468196 A JP9468196 A JP 9468196A JP H09255043 A JPH09255043 A JP H09255043A
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bag
fusion
fused
degassing
bag mouth
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JP9468196A
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Hisao Kai
久雄 階
Kazumi Umezawa
一美 梅沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロ波を利用した脱気包装技術におい
て、内容物の表面温度の低下を防止してより良好な滅菌
状態を得る。更に、内容物が流動性の水分を含有する場
合にも水分の漏出を防止して脱気包装する。 【解決手段】 プラスチックフィルム製の袋において、
袋口融着部には少なくとも1カ所の融着されていない欠
落部からなる脱気部が存在し、袋口融着部の内方に欠落
部がなく、全部または一部が不完全融着部であると共
に、該不完全融着部の融着強度がタテ融着部及び袋口融
着部よりも弱く、内圧の上昇により剥離するように融着
されている。更に、この脱気包装用袋を使用し、袋口開
口部から内容物を装入し、袋底開口部を不完全融着部よ
りも強固に融着し、マイクロ波加熱を行い、不完全融着
部を融着剥離させ、マイクロ波加熱終了後、脱気部を完
全融着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は肉類、野菜、果実、
海藻などの食品や注射器、濡れた不織布、ガーゼ等の繊
維製の医療器具、衛生用品等を水分の存在下に衛生的に
脱気包装する脱気包装用袋及びこれを用いた脱気包装方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一方の袋口が開口し、他方の袋口に欠落
部からなる脱気部を有する帯状の袋口融着部を1本以上
設けた脱気包装用袋が提案されている。袋口融着部が1
本の場合には袋口融着部の外方に充分な余白部を設け、
2本以上の場合には隣接する袋口融着部の脱気部が互い
に接触しないように配設したものである。
【0003】この方法は開口部から食品などを装入した
後、開口部を融着、クリップ止め等の手段により閉塞
し、しかる後マイクロ波加熱を行うことにより食品は内
部から加熱され、短時間で食品の加熱滅菌が完了し、食
品を熱劣化させることなく滅菌脱気包装することができ
る。マイクロ波加熱により発生した水蒸気は袋口融着部
に形成された脱気部及び2本以上の袋口融着部に挟まれ
て形成されたダクト内を通過して排気され、マイクロ波
加熱終了と同時に袋内部及びダクト中の水蒸気が凝縮
し、ダクトを閉塞し、雑菌を含む空気の逆流を防止する
効果を有する。すなわち、マイクロ波を利用して滅菌脱
気包装が容易に行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法を実施してみると、袋の上下を逆転させて内容物を装
入するため、食品が漬物、煮物等の流動性の水分を含む
場合にはこの流動性の水分が開口している脱気部からダ
クト内に浸入し、或いは外部に漏出し、マイクロ波加熱
の際に水蒸気の排出が充分に行われず、また、殺菌脱気
包装も完全に行われていないことが判明した。
【0005】また、水蒸気を発生させつつマイクロ波加
熱を行う場合には、内容物は内部から加熱される。この
際水蒸気は表面部位のみから発生するため、内部が10
4〜105℃程度に加熱されても表面部位は気化の潜熱
を奪われ96〜97℃程度である事実を発見した。この
事実に起因して、マイクロ波による滅菌包装を試みると
被殺菌物の表面部分の殺菌が不十分である事実を見出し
た。そこで、表面部位も完全に殺菌することができ、流
動性の水分の多い内容物であっても確実に殺菌脱気包装
できるマイクロ波による殺菌脱気包装方法の改良が求め
られていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
することを目的とし、その構成は、一方の辺が袋底開口
部を形成し、該袋底開口部と対向する他方の辺に1本以
上の帯状の袋口融着部を形成しているプラスチックフィ
ルム製の袋であって、該袋口融着部には少なくとも1カ
所の融着されていない欠落部からなる脱気部が存在し、
袋口融着部の内方に欠落部がなく、全部または一部が不
完全融着部であると共に、該不完全融着部の融着強度が
タテ融着部及び袋口融着部よりも弱く、内圧の上昇によ
り剥離するように融着されていることを特徴とする。更
に、この脱気包装用袋を使用し、袋口開口部から内容物
を装入し、袋底開口部を不完全融着部よりも強固に融着
し、マイクロ波加熱を行い、不完全融着部を融着剥離さ
せ、マイクロ波加熱終了後、脱気部を完全融着すること
を特徴とする。
【0007】すなわち、従来の脱気包装用袋を用いると
袋口に脱気部が開口し、袋の上下を逆転させて内容物を
装入するため、水分がこの脱気部から漏洩する問題を不
完全融着部を設けることにより解決した。不完全融着部
は脱気部或いは脱気部よりも内側に設けられているため
不完全融着部に阻害されて水分が脱気部から漏洩するこ
とを防止することができる。マイクロ波加熱を行う場合
には袋口を上にして行う。マイクロ波加熱により内圧が
上昇した場合には不完全融着部の剥離強度が小さいた
め、内圧により融着部位が剥離し、脱気部及びダクトを
通過して水蒸気が放出される。その際に内容物の水分が
漏出するおそれがなくなった。
【0008】更に、不完全融着部の存在により、脱気包
装袋内は不完全融着部が剥離する内圧に達するまでは密
封状態に維持される。その結果、内容物の表面部位から
の水蒸気の蒸発は抑制され、表面部位の温度低下は防止
され、より高度の殺菌状態を得ることができる。一定の
内圧に達すると「パン」というさく裂音と共に不完全融
着部は一挙に剥離し水蒸気の放出が開始される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における内容物とは食品等
多少とも水分を有するものが好ましい。マイクロ波加熱
を前提としているため、外部からの加熱と異なり内容物
の水分が内部から加熱されるので短時間に全体が昇温し
内容物の加熱による品質劣化がきわめて少ない。一般の
食品はそのまま本発明の技術を適用できるが、生食用の
場合には加熱されるので不向きである。スープのように
大部分が水分である食品は沸騰すると脱気部から溢れる
おそれがあり好ましくないが、脱気部を広げ、余白部を
長くとるならば可能である。手術用メスや注射器のよう
に全く水分のない内容物の場合にも少量の水分を供給す
れば使用することができる。ガーゼや不織布のような衛
生用品も水分を供給することにより、本発明の効果を達
成できる。
【0010】芽胞菌のように胞子を形成する雑菌に対し
ては、希薄な次亜塩素酸塩、過酸化水素等の滅菌剤の溶
液を少量添加することにより包装後無菌状態に保つこと
ができる。更に、本発明の場合、従来のレトルト方式と
異なり一部開放状態での加熱方式なので、加熱下殺菌作
用を果たした殺菌剤は加熱中に発生した水蒸気と共に外
部に放出され、包装袋内に残留しない効果も併有する。
【0011】本発明において使用するプラスチック袋は
特に限定がなく、例えば四方シール型、中央部或いは脇
に融着部を有する三方シール型、チューブ状フィルムを
そのまま用いた2方シール型、ガセット折り型、スタン
ドパック型等を挙げることができる。フィルムは単層で
あってもよいが、内面に熱融着性層を有する複層フィル
ムからなる袋が好ましい。袋素材は長期間保存しても空
気が侵入しない素材であると共に、100℃の水蒸気下
において変質変形しない素材であることを要する。特
に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層を積層したフィルムか
らなる袋は高度の空気遮断性と透明性を併有して好まし
い。
【0012】図1は上下を逆にした本発明脱気包装用袋
の1実施例の側面図である。脱気包装用袋は袋底が開口
して袋底開口部1を形成し、この袋底開口部1から内容
物である内容物を装入する。袋口開口部1と対向する辺
に帯状の袋口融着部2を設ける。帯状とは袋内圧の上昇
によって融着部が剥離しないために必要な融着幅を有す
ることである。袋口融着部2はしっかりと融着されてい
るが、一部融着されずに残した欠落部を有しこれが脱気
部3である。この脱気部3はダクトのように長いもので
なく単に融着部が欠落しているものであり、マイクロ波
加熱により発生する大量の水蒸気を放出できる広さがあ
ればよい。
【0013】脱気部3の数は1本の袋口融着部2につい
て1個でも2個以上でもよく、場合によっては袋口融着
部2が間欠的に融着されて形成された多数の脱気部3で
あってもよい。脱気部3の位置は中央部でも端部でもよ
い。図1においては袋口融着部の外側に融着されていな
い余白部4を設け、脱気部3を覆う位置に点状の融着部
5を散在させた。余白部4の幅は2cm以上、好ましく
は3cm以上、より好ましくは5cm以上である。2c
m以上の余白部4を設けると、袋口融着部が1本であっ
てもマイクロ波加熱終了後に速やかに余白部4を閉塞
し、空気、ひいては雑菌の侵入を防止する。余白部はタ
テ融着部5が融着された短い筒状である。
【0014】また、余白部に設けた点状の融着部はマイ
クロ波加熱中の水蒸気の放出を阻害せず、マイクロ波加
熱終了後には速やかに余白部を密着させる。広い余白部
4と点状融着部5の相乗効果により、マイクロ波加熱終
了後に、袋口融着部2は1本であってもマイクロ波加熱
終了後の雑菌の侵入を確実に防止できる。
【0015】本発明においては、袋口融着部2の内方に
不完全融着部6を設ける。不完全融着部6は袋口を気密
に融着し欠落部があってはならない。不完全融着部6は
実質的には完全に融着されているが、その融着強度が弱
く、密封された袋がマイクロ波加熱され内圧が上昇した
場合に融着部位が容易に剥離することを要する。すなわ
ち、袋素材であるフィルムが破けるような融着であって
はならない。不完全融着強度はJIS Z 1707に準拠して測
定して0.7〜3.0kg/15mm幅、好ましくは0.9〜
2.4kg/15mm幅、より好ましくは1.0〜1.8kg
/15mm幅である。
【0016】袋口融着部2や袋底融着部8を形成する際
には、熱バー等を用いたシーラーやインパルスシーラー
を使用するが、フィルムが加熱器具に付着しないように
加熱器具のフィルムとの接触面をテフロン等の剥離性素
材で被覆している。不完全融着部を形成するためには、
特殊シーラーを使用してもよいが、不完全融着部のみに
テフロンテープのような剥離性テープを適宜の厚さに更
に重ねて貼着することにより加熱温度を調整することに
より、袋口融着部と不完全融着部を一挙に形成すること
ができる。不完全融着部はその他如何なる方法で形成し
ても上記条件を充足するものであればい。
【0017】本発明脱気包装用袋は図1に示すものに限
らず、最内層に不完全融着部6を有し内容物装入後確実
に袋底を密封できるものであればすべて使用できる。例
えば図3(a)に示すように、2本の並列し隣接した袋
口融着部2を有しそれぞれ異なった端部に1個の脱気部
3を設けたものも使用できる。この場合、余白部4は5
mm程度で図1における余白部4の効果を有しない。図
3(b)は2本の並列し隣接した袋口融着部2の1本が
両端に2個の脱気部3を有している。2本以上の袋口融
着部2を設ける場合には互いに隣接する袋口融着部の脱
気部3は離して設けることが好ましい。離して設けるこ
とにより隣接する2本の袋口融着部の間にダクト7が形
成され、水蒸気及び空気はこのダクト7の通過を余儀な
くされ、加熱時の排気に悪影響しないと共に、加熱終了
時の雑菌の侵入を防止できる。
【0018】図3(c)は3本の袋口融着部2を有する
場合であり、最も内方に位置する袋口融着部は複数の脱
気部3を有し、全ての脱気部3は不完全融着部6により
密封される。したがって、(c)の脱気包装用袋の袋口
が完全に密封された状態である。マイクロ波加熱により
内圧が上昇し、不完全融着部6が融着剥離する前は内容
物の表面から気化の潜熱が奪われず、表面温度が充分に
上昇する。不完全融着部6の融着剥離後は脱気部3及び
ダクト7を通過して水蒸気が放出されて内圧が異常に上
昇する危険がない。図3(d)は内方に位置する袋口融
着部2の脱気部3に不完全融着部6を設けたものであ
る。19はマイクロ波加熱中に液漏れを防止するための
補助融着部である。図3に示した例は全て2本以上の袋
口融着部を有するが、隣接する袋口融着部の脱気部3は
互いに離れた位置に設けられている。
【0019】図2は本発明の脱気包装方法のフローシー
トである。図1に示すように脱気包装用袋の上下を逆に
して袋底開口部1を上にしてこの開口部から内容物を装
入する。内容物が煮物のように流動性の水分を有す場合
にも最内層に不完全融着部6が存在するために、液漏れ
するおそれがない。次いで袋底を密封する。密封手段と
しては完全融着が好ましい。場合によっては密封性、耐
熱性のクリップで挟着してもよい。この状態で内容物は
完全に密封された袋内に存在する。
【0020】次いでマイクロ波加熱を行う。マイクロ波
加熱装置としては市販の電子レンジを用いることもでき
るし、工業用に製造された大型の効率的マイクロ波加熱
装置を使用してもよい。この場合、袋口を上にして処理
することが好ましい。内容物は内部から加熱されるが密
封状態であるため水蒸気が充分に蒸発できず、内容物の
表面から気化の潜熱が奪われることなく表面も100℃
近い温度に上昇する。加熱が進行し、袋の内圧が一定値
を越えると明らかに他の部位と比して弱く融着されてい
る不完全融着部6が「パン」というさく裂音と共に剥離
し、袋口融着部2に設けられた脱気部3から水蒸気が放
出する。
【0021】マイクロ波加熱を終了すると、水蒸気が凝
縮して脱気包装用袋の内圧が低下し、袋内部及び図1に
おける余白部や図3における2本の袋口融着部2の間に
形成されたダクト7が収縮し、袋を形成する表裏のフィ
ルムが水分で密着して包装袋を脱気状態に維持する。そ
の後脱気部の完全融着及び脱気包装袋の冷却を行い内容
物が殺菌された脱気包装品を得ることができる。
【0022】更に、通常の底付の袋に内容物を装入した
後、袋口を融着するにあたり、2本以上の融着線を設
け、最も内方に設けた融着線の一部または全部を不完全
融着部とすることにより本発明の効果を得ることができ
る。この場合、不完全融着部のない他の融着線は脱気部
を有することを要する。
【0023】
【実施例】実施例1 ポリ塩化ビニリデン層を被覆したナイロンを基材フィル
ムとし、一方の面に熱融着性層として線状低密度ポリエ
チレンを積層したフィルムからなる図3(a)の形状の
脱気包装用袋を用いた。不完全融着部6は富士インパル
ス(株)製のショップシーラーFS315型の融着装置
を用いて行った。通電時間を設定するタイマーとしてダ
イヤル1〜7が装着されている。このタイマーにおいて
ダイヤル4にして融着したところ、手でやや力をこめて
引張るとフィルムが剥離する程度に融着されていた。ダ
イヤルを4.5、5及び6にセットした場合には完全に融
着され、表裏のフィルムを持って引張っても融着部は剥
離せず、またフィルムが破れることもなかった。またダ
イヤルを3.5にセットした場合には実質的に融着され
ず、軽い力でほとんど抵抗なく剥離した。本実施例の場
合、好ましい不完全融着強度はダイヤル目盛り3.7〜
4.3の範囲であることが判明した。
【0024】縦25cm、横15cm、両脇に幅7mm
のタテ融着部を設けた筒状の四方シール型袋用材料を用
意した。タテ融着部5及び袋口融着部2は上記融着装置
のダイヤル目盛を6にして融着した。実施例1の脱気包
装用袋の袋底を上方にして皮を剥いたポテトを装入した
後、袋底開口部1を図1に示すように、融着装置のダイ
ヤル目盛を6にして融着した。8はポテト装入後融着し
て得られた袋底融着部である。袋底融着後再び袋口を上
にしてマイクロ波加熱した。ポテトが加熱され澱粉がα
化し、脱気包装袋内に水蒸気が充満して17秒後にさく
裂音と共に不完全融着部6が一挙に剥離した。剥離後は
脱気部3及びダクト7を通過して水蒸気が放出された。
マイクロ波加熱を終了すると袋内部及びダクト内部が減
圧し、ダクト内に存在する水分がフィルム同士を密着さ
せ、袋内が気密に維持された。冷却後脱気部又はダクト
を融着し、袋全体を完全に密封融着した。
【0025】本実施例においては、水蒸気充満後、不完
全融着部の剥離までに15〜20秒要するため、その間
には内容物の表面からの水分の気化により気化の潜熱が
奪われることなく、表面温度は99℃に達した。したが
って、ほぼ満足できる程度に殺菌調理された脱気包装ポ
テトが得られた。この脱気包装ポテトは室温で3月放置
した後に開封したが、新鮮な状態に維持され、芯までほ
くほくした食感が得られた。
【0026】実施例2 実施例1で用いた脱気包装用袋に竹の子の煮物を装入し
て実施例1と同様にして処理した。竹の子の煮物は多少
の煮汁を有するが、不完全融着部6を設けてあるため煮
汁が脱気部3から浸出することはなかった。袋内に水蒸
気が充満した後16秒後に不完全融着部6が剥離し、脱
気部3から水蒸気の放出が始まった。煮汁の漏出は認め
られなかった。得られた殺菌調理された脱気包装袋は後
に至ってまとめて脱気部を完全に融着し、常温で1月放
置後開封したが、内容物は竹の子の芳香を有し、調理直
後と変わらない食感が得られた。
【0027】比較例1 実施例1で用いた脱気包装用袋において、2本の袋口融
着部2の中、不完全融着部6に近い側の不完全融着部
2’を上記融着装置のダイヤルを4にして不完全融着し
た袋を用いた以外は実施例1と同様にしてマイクロ波処
理を行った。不完全融着部6が剥離する時、同時に袋口
融着部2’も剥離した。マイクロ波加熱終了後は袋が収
縮する際に、外方の袋口融着部2に設けられた脱気部
3’から空気の逆流が生じ、充分な殺菌状態が得られな
かった。
【0028】実施例3 図4に示すような脇部に2本の完全融着したタテ融着部
5を設けた筒状袋用材料を設け、開口した一方の端部の
やや内方に不完全融着部6を設けた包装袋用材料を使用
し、クリップ9を用いて不完全融着部6の外方を係止し
た。図5に示すように、クリップ9を装着した袋口開口
部1を下方にして内容物を装入し、袋口開口部1を融着
して閉塞した。別に、袋口開口部1の部位を挟んだ状態
でオス型とメス型が気密に嵌合する他のクリップを用い
て閉塞した。
【0029】本実施例において不完全融着部6の外方に
用いるクリップ9は、図5及び図6に示すように、オス
型に局所的な細径部10を設けることにより袋を気密に
閉塞する完全密着部11と、通気性を有する細径部10
とが共存する。細径部10においてはメス型12とオス
型13との間に間隙14が生じ、この間隙14では脱気
包装用袋を形成する表裏のフィルム15,16間に通路
が形成される。
【0030】マイクロ波加熱が開始されると、タテ融着
部5、不完全融着部6及びフィルム口開口部1を融着或
いは圧迫閉塞されて密封状態となった袋内の内容物は全
体が均等に加熱され内圧が高まる。内圧が一定に達した
とき不完全融着部6が融着剥離する。融着剥離した後は
図6の矢印に示すように間隙14を通過して外部に放出
される。マイクロ波加熱終了後は間隙14内の表裏のフ
ィルム15、16は内面の濡れにより相互に密着するの
で雑菌による汚染が防止できる。17、18はフィルム
の融着剥離した部位である。
【0031】次いで、クリップ9の内側或いは外側を完
全融着或いは、細径部10を有しない密封型クリップを
装着して内容物を滅菌脱気包装状態に維持した。冷却工
程はクリップまたは融着による完全密封の前に行って
も、後に行っても、その途中に行っても好ましい結果が
得られた。本実施例においては、クリップ9のオス型を
局所的に細径にして間隙14を設けたが、メス型の内径
を広径にして間隙を設けたり、両者を併用して間隙14
を設けることも可能である。本実施例により細径部10
を有しない密封型クリップを装着した場合も、融着した
場合も実施例1及び2の場合と同様、高度の殺菌脱気状
態に維持することができた。
【0032】
【発明の効果】水蒸気放出用の脱気部及び/又はダクト
を設けた袋に内容物を装入してマイクロ波処理する脱気
包装技術において、最内部に内圧の上昇により容易に剥
離する不完全融着部を設ける本発明により内容物の表面
温度の低下を防止してより良好な殺菌状態を得ることに
成功した。更に、本発明により内容物が流動性の水分を
含有する場合にも水分の漏出を防止して脱気包装するこ
とができ、その応用分野が拡大した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は上下を逆にした本発明脱気包装用袋の1
実施例の側面図である。
【図2】図2は本発明の脱気包装方法のフローシートで
ある。
【図3】図3は脱気包装用袋の他の実施例の側面図であ
る。
【図4】図4の他の実施例に用いた脱気包装用袋材料の
平面図である。
【図5】図5は図4の脱気包装用袋材料にクリップを装
着した平面図である。
【図6】図6は図5のVI−VI線断面図である。
【符号の説明】
1 袋底開口部 2 袋口融着部 3 脱気部 4 余白部 5 タテ融着部 6 不完全融着部 7 ダクト 8 袋底融着部 9 クリップ 10 細径部 11 完全密着部 12 メス型 13 オス型 14 間隙 15、16 フィルム 17、18 融着剥離した部位 19 補助融着部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の辺が袋底開口部を形成し、該袋底
    開口部と対向する他方の辺に1本以上の帯状の袋口融着
    部を形成しているプラスチックフィルム製の袋であっ
    て、該袋口融着部には少なくとも1カ所の融着されてい
    ない欠落部からなる脱気部が存在し、袋口融着部の内方
    に欠落部のない不完全融着部を設け、該不完全融着部の
    融着強度がタテ融着部及び袋口融着部よりも弱く、内圧
    の上昇により剥離するように融着されていることを特徴
    とする脱気包装用袋。
  2. 【請求項2】 最も外方に位置する袋口融着部の外方
    に、2cm以上の表裏のフィルム素材のほとんどが融着
    されていない余白部を有することを特徴とする請求項1
    記載の脱気包装用袋。
  3. 【請求項3】 一方の辺が袋底開口部を形成し、該袋底
    開口部と対向する他方の辺に2本以上の帯状の袋口融着
    部を形成しているプラスチックフィルム製の袋であっ
    て、該袋口融着部には少なくとも1カ所の融着されてい
    ない欠落部からなる脱気部が存在し、隣接する袋口融着
    部の脱気部が互いに離れた位置に設けられていると共
    に、最も内方の袋口融着部の全ての脱気部が不完全融着
    部を形成し、該不完全融着部の融着強度がタテ融着部及
    び袋口融着部よりも弱く、内圧の上昇により剥離するよ
    うに融着されていることを特徴とする脱気包装用袋。
  4. 【請求項4】 一方の辺が袋底開口部を形成し、該袋底
    開口部と対向する他方の辺に1本以上の帯状の袋口融着
    部を形成しているプラスチックフィルム製の袋であっ
    て、該袋口融着部には少なくとも1カ所の融着されてい
    ない欠落部からなる脱気部が存在し、袋口融着部の内方
    に欠落部のない不完全融着部を設け、該不完全融着部の
    融着強度がタテ融着部及び袋口融着部よりも弱く、内圧
    の上昇により剥離するように融着されている脱気包装用
    袋を使用し、該脱気包装用袋の袋口開口部から内容物を
    装入し、袋底開口部を不完全融着部よりも強固に融着
    し、マイクロ波加熱を行い、不完全融着部を融着剥離さ
    せ、マイクロ波加熱終了後、脱気部を完全融着すること
    を特徴とする脱気包装方法。
  5. 【請求項5】 一方の辺が袋底開口部を形成し、該袋底
    開口部と対向する他方の辺に2本以上の帯状の袋口融着
    部を形成しているプラスチックフィルム製の袋であっ
    て、該袋口融着部には少なくとも1カ所の融着されてい
    ない欠落部からなる脱気部が存在し、隣接する袋口融着
    部の脱気部が互いに離れた位置に設けられていると共
    に、最も内方の袋口融着部の全ての脱気部が不完全融着
    部を形成し、該不完全融着部の融着強度がタテ融着部及
    び袋口融着部よりも弱く、内圧の上昇により剥離するよ
    うに融着されている脱気包装用袋を使用し、該脱気包装
    用袋の袋口開口部から内容物を装入し、袋底開口部を不
    完全融着部よりも強固に融着し、マイクロ波加熱を行
    い、不完全融着部を融着剥離させ、マイクロ波加熱終了
    後、脱気部を完全融着することを特徴とする脱気包装方
    法。
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