JP3808541B2 - 電子レンジ調理用食品の包装用シート材及びそれを用いた包装体 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
この発明は、電子レンジを使用して加熱調理される食品を包装する包装袋や包装容器に使用される包装用シート材、並びに、その包装用シート材を用いた包装袋や包装容器などの包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子レンジによりそのまま加熱調理することができるように、耐熱性を有する素材で形成された包装袋や包装容器内に食物を密封した食品が、電子レンジの普及に伴い、また、その簡便さから、近年、生産量を伸ばし種類も多様化している。この種の食品では、工場で内容物を調製して袋詰め或いは容器詰めする際に内容物を完全密封することにより、運搬や店頭陳列中での雑菌の混入を防止するようにしている。このように包装袋や包装容器の気密性が高いために、密封された食品をそのまま電子レンジで加熱調理すると、袋内或いは容器内で水蒸気が発生して内部の圧力が高まり、包装袋や包装容器の覆蓋シート部が爆発的に破裂して、食品が電子レンジ庫内に飛散することになる。そこで、加熱する前、或いは場合によっては加熱の途中に、袋に空気抜きのための孔をあけたり容器の覆蓋シート部の一部を剥がしたりしていた。また、食品を袋や容器から取り出して皿などに移し替えた後、電子レンジで加熱調理を行なうようにしていた。
【0003】
しかしながら、一々袋に孔をあけたり容器の覆蓋シート部の一部を剥がしたりするのは面倒である。また、袋に形成された孔や覆蓋シート部の剥離部分の面積が適切でなく、その面積が小さ過ぎると、包装袋や包装容器の覆蓋シート部がやはり破裂し、また、破裂しないまでも袋内や容器内に水蒸気が過度にこもって内容物がふやけたり、一方、孔等の面積が大き過ぎると、袋や容器内から水蒸気が必要以上に放出されて内容物が硬くなったりし、内容物の含水量の過不足で食感が低下するといった問題がある。また、食品を包装袋や包装容器から皿などに移し替えて加熱調理するのは頻雑であり、また、食品保護ラップで皿などの上を被覆するときには、上述と同様の問題が生じる。そこで、加熱時に袋面や容器の覆蓋部に自然に蒸気抜きの孔が形成されるような工夫が、従来より種々なされている。
【0004】
例えば、特開昭63−138975号公報、実開平1−102605号公報等には、袋のヒートシール部(熱接着部)の一部を弱シール部とし、電子レンジを用いて食品を加熱した際に、水蒸気の発生によって袋内の内圧が上昇することにより、ヒートシール部の弱シール部を破壊して脱気路が形成されるようにした包装袋が開示されている。また、実開昭52−57076号公報等には、ヒートシール部に切欠きなどを設けて所望部分の接着強度を弱く形成し、電子レンジによって食品が加熱されたときに所望部分が破れるようにした包装容器が開示されている。さらに、実開平2−93604号公報等には、覆蓋シート部をなす合成樹脂フィルムが熱接着される容器の周縁部に突起を設けたり、容器の周縁部を網状に熱接着するなどして、食品を電子レンジで加熱して内圧が所定の圧力に到達したときに容器の周縁部から合成樹脂フィルムが容易に剥離できるようにした包装容器が開示されている。
【0005】
また、特開昭61−69576号公報、特開昭62−54707号公報、特開昭62−271864号公報等には、容器の開口面を塞いでいる覆蓋シート材の一部に、電子レンジで食品を加熱した際にマイクロ波を吸収して発熱する付着層を形成し、その付着層の発熱により覆蓋シート材が溶融して脱気用の小孔が形成されるようにした包装容器が開示されている。また、特開昭63−307085号公報等には、容器に水蒸気を逃がすための孔を設け、この孔を塞ぐように、マイクロ波の照射によって発熱する材料の層を有したシートを接着剤で貼り付けた電子レンジ調理用食品包装体が開示されている。さらに、実開平1−116186号公報、実開平1−168481号公報等には、ヒートシール部の一部に導電性材料等の発熱体を挾み込み、電子レンジで食品を加熱した際に、マイクロ波照射によって発熱体が温度上昇し、ヒートシール部の一部の接着強度が低下することにより、上記の逃げ口が形成されるようにした包装体が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
包装袋や包装容器の包装体に入った食品を電子レンジで加熱調理した際に、包装体に水蒸気を逃がすための脱気孔が自動的に形成され、適切な加熱調理が行なわれるようにするためには、食品の加熱による水蒸気の生成速度、従って包装体内の温度や内圧の上昇程度、脱気孔の形成速度、すなわち脱気孔の形成時期、並びに、脱気孔を通しての水蒸気の放出速度、従って形成される脱気孔の大きさの、これら3者のバランスがとれていることが必要である。ところが、電子レンジのマイクロ波出力は一律ではなく、家庭用としては一般に300〜600Wの出力のものが使用され、自動販売機などの業務用としては1,000W前後の出力のものが使用される。また、マイクロ波の吸収率も、食品の誘電損失、面積、厚みなどによって変化する。従って、電子レンジ調理用食品の包装体の脱気能力としては、前記諸条件の変化に追従する適応性の広いことが要求される。
【0007】
しかしながら、特開昭63−138975号公報、実開平1−102605号公報等や実開昭52−57076号公報等に開示されているように、ヒートシール部に弱シール部や切欠きなどを設けて所望部位の接着強度を弱く形成したり、また、実開平2−93604号公報等に開示されているように、覆蓋シート材が熱接着される容器の周縁部に突起を設けるなどして、電子レンジによる食品の加熱に伴って内圧が高まったときに容器の周縁部から覆蓋シート材が容易に剥離するようにした包装体では、使用する電子レンジのマイクロ波出力の大きさや食品の性状などの諸条件に追従するように、包装体内での水蒸気の生成速度、脱気孔の形成速度及び包装体内からの水蒸気の放出速度を相互にバランスさせることは、実際上は難しい。また、加熱調理前の包装体は、外部からの雑菌の混入による食品の汚染を防ぐために密封性と共に耐衝撃破袋性が必要とされる。しかしながら、ヒートシール部に弱シール部や切欠きなどを設けて部分的に接着強度を弱く形成したり、容器の周縁部に突起を設けるなどして食品の加熱時に容器の周縁部から覆蓋シート材が剥離し易くしたりした包装体では、ダンボールケースに多段積みされて輸送や荷扱いされる際などに、上方のダンボールケースや包装体が下方の包装体に衝突して下方の包装体のヒートシール部が破壊される、といったことが起こり易い。
【0008】
また、特開昭61−69576号公報、特開昭62−54707号公報、特開昭62−271864号公報等に開示されているように、覆蓋シート材の一部にマイクロ波を吸収して発熱する付着層を形成したり、実開平1−116186号公報、実開平1−168481号公報等に開示されているように、ヒートシール部の一部にマイクロ波照射によって発熱する発熱体を挾み込んだりした包装体では、覆蓋シート材やヒートシール部に脱気孔を形成するためには大きな発熱量を必要とし、脱気孔が形成されるまでの時間が長くかかって、効果的な蒸気抜きを行なうことができないことも考えられる。また、特開昭63−307085号公報等に開示されているように、容器に蒸気抜き用の孔を予め設けておき、この孔をマイクロ波照によって発熱する材料の層を有するシートの貼付によって塞ぐようにした包装体では、容器の孔加工や孔を塞ぐためのシートの貼付工程などを必要とし、工数が増えて製作工程が複雑化する、といった問題点がある。さらに、これら公報に開示されているような包装体では、発熱体の面積によって脱気孔の大きさが一律に決まってしまうので、使用する電子レンジのマイクロ波出力の大きさや食品の性状などの条件によっては、包装体内での水蒸気の生成速度などと水蒸気の放出速度とのバランスがとれず、適切な加熱調理が行なわれない、といったことも考えられる。
【0009】
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、電子レンジで加熱調理した際に、電子レンジのマイクロ波出力の大きさや食品の性状などの諸条件の変化に対応し、適当な時期に適度な大きさの脱気孔が自動的に形成されて、食品の加熱による水蒸気の生成速度、脱気孔の形成速度及び脱気孔を通しての水蒸気の放出速度を相互にバランスさせ、もって適切な加熱調理が行なわれるようにすることができ、また、耐衝撃破袋性にも優れ、脱気孔の形成にそれ程時間を要しないで、効果的な蒸気抜きを行なうことができ、製作工程も比較的簡単である電子レンジ調理用食品の包装体を提供すること、並びに、そのような包装体を製造することができる包装用シート材を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、基材フィルムと少なくともシーラントフィルムとを積層させ互いに貼り合わせて形成された電子レンジ調理用食品の包装用シート材において、前記シーラントフィルムを、それぞれ熱可塑性の合成樹脂によって形成された第1樹脂層、第2樹脂層及び第3樹脂層を順に積層させた3層構造とし、前記基材フィルム側に接着される前記第1樹脂層と第3樹脂層とを互いに異なる種類の合成樹脂によってそれぞれ形成するとともに、前記第2樹脂層を、第3樹脂層を形成する合成樹脂とは異なる融点を有する合成樹脂によって形成し、その第2樹脂層によって第1樹脂層と第3樹脂層とを熱接着したことを特徴とする。
【0011】
請求項2、請求項3及び請求項4に係る各発明は、それぞれ内部に食品が封入されるようにするために、請求項2に係る発明では、基材フィルムと少なくともシーラントフィルムとを積層させ互いに貼り合わせてそれぞれ形成された2枚の包装用シート材を、それぞれ基材フィルムを外面側として互いに重ね合わせ、各包装用シート材の周縁部同士を熱接着して袋形態に形成し、請求項3に係る発明では、基材フィルムと少なくともシーラントフィルムとを積層させ互いに貼り合わせて形成された包装用シート材を、基材フィルムを外面側として折り重ね、各端縁部同士を熱接着し各側縁部同士をそれぞれ熱接着して袋形態に形成し、また、請求項4に係る発明では、基材フィルムと少なくともシーラントフィルムとを積層させ互いに貼り合わせて形成された包装用シート材で容器の開口面を、基材フィルムを外面側として覆蓋し、容器の開口面周縁部と包装用シート材の周縁部とを接着した。請求項2、請求項3及び請求項4に係る各発明は、そのような電子レンジ調理用食品の包装体において、前記包装用シート材のシーラントフィルムを、それぞれ熱可塑性の合成樹脂によって形成された第1樹脂層、第2樹脂層及び第3樹脂層を順に積層させた3層構造とし、前記基材フィルム側に接着される前記第1樹脂層と第3樹脂層とを互いに異なる種類の合成樹脂によってそれぞれ形成するとともに、前記第2樹脂層を、第3樹脂層を形成する合成樹脂とは異なる融点を有する合成樹脂によって形成し、その第2樹脂層によって第1樹脂層と第3樹脂層とを熱接着し、請求項2に係る発明では、電子レンジ調理時の加熱により、前記包装用シート材周縁部の熱接着部が部分的に破壊して脱気孔が形成されるようにし、請求項3に係る発明では、電子レンジ調理時の加熱により、前記包装用シート材端縁部の熱接着部及び/又は包装用シート材側縁部の熱接着部が部分的に破壊して脱気孔が形成されるようにし、また、請求項4に係る発明では、電子レンジ調理時の加熱により、前記容器の開口面周縁部と包装用シート材周縁部との接着部が部分的に破壊して脱気孔が形成されるようにしたことをそれぞれ特徴とする。
【0012】
上記した請求項1に係る発明の包装用シート材を使用して製造された請求項2、請求項3及び請求項4に係る各発明の包装体では、それによって包装され密封された食品を電子レンジにより加熱調理したときに、マイクロ波の照射によって包装用シート材自体が発熱するとともに、食品の加熱に伴う包装体内部からの伝熱により、包装用シート材の温度が上昇する。また、食品の加熱により水蒸気が発生して包装体の内圧が上昇する。包装用シート材は、そのシート材のシーラントフィルムを形成している第1樹脂層、第2樹脂層及び第3樹脂層が常温では相互に固着しているが、何れの樹脂層も熱可塑性の合成樹脂によって形成されているので、包装用シート材が加熱されてその温度が上昇すると、各樹脂層がそれぞれ軟化し、それぞれの樹脂層は、力が加えられると容易に変形する。この際、第2樹脂層と第3樹脂層とは互いに融点が異なるので、低融点である一方の樹脂層は、高融点である他方の樹脂層より熱変形量が大きくなる。この結果、包装用シート材に応力歪みが生じ、包装体の内圧の高まりにより、接着部における第3樹脂層或いは第2樹脂層と第3樹脂層との両層において部分的な破壊が促され、接着部に脱気孔が自動的に形成される。そして、この脱気孔の大きさは、軟化した合成樹脂層の強度と包装体の内圧の大きさによって決定されることになる。
【0013】
この包装用シート材の接着部における破壊は、上記した通り、シーラントフィルムの第2樹脂層と第3樹脂層との融点の違いに基づく熱変形量の差によって起こる。従って、接着部の強度は、第2樹脂層と第3樹脂層とのそれぞれの厚みを適切に設定することにより調節される。この場合、第2樹脂層及び第3樹脂層の厚みを厚くし過ぎると、接着部の強度が不必要に高くなって脱気孔が形成されにくくなるので、第2樹脂層及び第3樹脂層の厚みがそれほど厚くならないように設定される。一方、例えば四方袋(図2参照)や合掌袋(図5参照)では、縦方向の熱接着部と横方向の熱接着部とが交差する個所やシート材を折り曲げた個所に、熱接着が不完全で接着されていないトンネル状の隙間を生じ易く、包装体の密封性を低下させることがある。このような熱接着不良を防止するためには、通例、熱によって軟化し溶融するシーラントフィルムの総厚みが、四方袋では50μm、合掌袋では60μm程度必要とされる。また、包装袋や包装容器において、熱接着に際して使用される包装機のヒートシールバーの平滑性や、シーラントフィルムの夾雑シール性、シート材の耐ピンホール性、袋の剛性などが要求される場合には、シーラントフィルムの総厚みをさらに増す必要がある。シーラントフィルムの総厚みを或る程度に確保するために、第2樹脂層及び第3樹脂層の厚みを厚くすると上記した不都合があるので、この包装用シート材では、第1樹脂層の厚みを調整することにより、シーラントフィルムの総厚みを必要な程度に確保するようにされる。
【0014】
また、包装袋や包装容器の密閉性を高めるために、通常、熱接着部の形成に使用される包装機のヒートシールバーの表面には、碁盤目状や線状の突起が設けられており、このため、シーラントフィルムの第1樹脂層と第3樹脂層とが同一種類の合成樹脂によってそれぞれ形成されていたとすると、ヒートシールバーの、シール圧力が集中する突起部に対応する部分で、第1樹脂層と第3樹脂層とが熱融着することがある。第1樹脂層は軟化温度及び強度の高い基材フィルムと接着されており、第1樹脂層と第3樹脂層とが熱融着してしまうと、第3樹脂層も第1樹脂層を介して軟化温度及び強度の高い基材フィルムに接着されたのと同じ状態となるため、シート材の強度が大きくなって、包装体が爆発的に破裂する恐れがある。これに対し、この包装用シート材では、第1樹脂層と第3樹脂層とが互いに異なる種類の合成樹脂によってそれぞれ形成されているので、第1樹脂層と第3樹脂層との間で熱融着を生じることがない。従って、この包装用シート材は、強度が大きくなり過ぎることがなく、適当な強度を有することになる。
【0015】
また、この包装用シート材を使用して製造された包装体は、接着部に弱シール部や切欠きなどを設けて特定部位の接着強度を弱く形成したり、容器の周縁部に突起を設けるなどして温度上昇時に容器の周縁部から覆蓋シート材が剥離し易くしたりして、接着部に脱気孔が形成されるようにする構成ではないので、輸送や荷扱い中の衝撃によって接着部が破壊される心配は無い。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の最良の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、この発明に係る包装用シート材の構造を示す部分拡大縦断面図である。この包装用シート材は、基材フィルム10とシーラントフィルム12とを積層させ、アンカーコート剤(図示せず)を介し互いに貼り合わせて形成されている。基材フィルム10は、軟化温度が高く強度も大きい合成樹脂、例えば2軸延伸ナイロンや2軸延伸ポリプロピレンなどによって形成される。また、シーラントフィルム12は、それぞれ熱可塑性の合成樹脂によって形成された第1樹脂層14、第2樹脂層16及び第3樹脂層18を順に積層させた3層構造を成している。そして、基材フィルム10に接着される第1樹脂層14と第3樹脂層18とは、互いに異なる種類の合成樹脂によりそれぞれ形成されている。また、第2樹脂層16は、熱接着性を有する合成樹脂、例えばポリオレフィン系の熱接着性樹脂によって形成され、この第2樹脂層16によって第1樹脂層14と第3樹脂層18とが熱接着されている。また、第2樹脂層16は、第3樹脂層18を形成する合成樹脂とは異なる融点を有する合成樹脂によって形成されている。第3樹脂層18は、この包装用シート材を使用して包装袋や包装容器の包装体を製造したときに、食品が密封された包装体の内面を成すことになるので、その材質は内容物の性状を基にして選択される。例えば、包装体の内部に封入される食品が、マイクロ波を吸収すると高温になる油性食品などの場合には、耐熱性に優れた、例えばポリプロピレンによって形成される。また、高水分率の食品は、発熱温度が低く、充填包装時にシール面に内容物が付着し易いので、そのような食品を包装体内に封入する場合には、第3樹脂層18は、ポリプロピレンより低融点であるが夾雑シール性の良い、例えばポリエチレンによって形成されることが望ましい。尚、基材フィルム10とシーラントフィルム12の第1樹脂層との間に、ガスバリヤー性、保香性、機械強度付与性などの機能を有する合成樹脂の層を付加することもできる。
【0018】
第1樹脂層14を形成する合成樹脂と第3樹脂層18を形成する合成樹脂との組合せとしては、以下のようなものが例示される。すなわち、高圧法低密度ポリエチレン、シングルサイト解媒による直鎖状低密度ポリエチレン、マルチサイト解媒による直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体並びにこれらの合成樹脂を主体とする混合物及び誘導体をAグループに属する合成樹脂とし、ホモタイプポリプロピレン、コーポリマータイプポリプロピレン(プロピレンとエチレン等との共重合体)、ポリメチルペンテン並びにこれらの合成樹脂を主体とする混合物及び誘導体をBグループに属する合成樹脂とし、ポリアミド(機械強度付与)、ポリエステル(保香)、エチレンビニルアルコール(ガスバリヤー性)並びにこれらの合成樹脂を主体とする混合物及び誘導体をCグループに属する合成樹脂とした場合に、第1のタイプは、第1樹脂層14をAグループに属する合成樹脂によって形成し、第3樹脂層18をBグループに属する合成樹脂によって形成したもの、第2のタイプは、第1樹脂層14をBグループに属する合成樹脂によって形成し、第3樹脂層18をAグループに属する合成樹脂によって形成したもの、第3のタイプは、第1樹脂層14をCグループに属する合成樹脂によって形成し、第3樹脂層18をAグループに属する合成樹脂によって形成したもの、第4のタイプは、第1樹脂層14をCグループに属する合成樹脂によって形成し、第3樹脂層18をBグループに属する合成樹脂によって形成したものである。尚、第3のタイプ及び第4のタイプのものは、シーラントフィルム12に機械強度が付与され、また保香性やガスバリヤー性などの機能が付与されることとなる。
【0019】
基材フィルム10の厚みは、例えば10〜20μm程度であり、また、シーラントフィルム12の総厚みは、製造しようとする包装袋の形態に応じて設定される。例えば四方袋では50μm程度、合掌袋では60μm程度とされる。また、シーラントフィルム12の総厚みは、その第3樹脂層18の夾雑シール性や、シート材の耐ピンホール性、袋の剛性、或いはシート材を熱接着するのに使用される包装機のヒートシールバーの平滑性などが要求される場合には、さらに厚くされる。また、シーラントフィルム12の第2樹脂層16及び第3樹脂層18の各厚みは、それらの層の厚みが厚くなり過ぎ熱接着部の強度が不必要に高くなって脱気孔が形成されにくくならないように適切に設定され、例えばそれぞれ5〜30μm程度とされる。そして、第1樹脂層14の総厚みを調節することにより、シーラントフィルム12の総厚みが上記した程度になるように設計される。
【0020】
図1に示したような積層構造の包装用シート材を製造するには、例えば、基材フィルム10の層と第1樹脂層14、第2樹脂層16及び第3樹脂層18からなるシーラントフィルム12の層とを共押し出しコーティング法により積層させる。また、予め第1樹脂層14、第2樹脂層16及び第3樹脂層18の3層構造をなすシーラントフィルム12を形成し、このシーラントフィルム12を基材フィルム10にドライラミネート法或いは押し出しラミネート法により貼り合わせるようにする。
【0021】
以上説明したような包装用シート材を使用して製造された包装袋の1例を図2及び図3に示す。図2は、包装袋の平面図であり、図3は、図2のIII−III縦断面の部分拡大図である。尚、これらの図においては(後述する図4ないし図8においても同じ)、内容物の図示を省略している。
【0022】
この包装袋は、一般に四方袋と呼ばれているものであり、表裏2枚の包装用シート材20、22の周縁部同士を熱接着することにより、両シート材20、22の各内面と熱接着部24とで囲まれた収容部26を有する袋形態に形成されている。そして、内容物は、収容部26に収容されて密封される。2枚のシート材20、22の周縁部同士を熱接着する際には、それぞれ基材フィルム10が外面側となりシーラントフィルム12の第3樹脂層18が内面側となるように両シート材20、22を重ね合わせるようにする。
【0023】
以上のような構成の包装袋に密封された食品を電子レンジに入れて加熱調理すると、マイクロ波の照射によって包装用シート材20、22自体が発熱するとともに、食品の加熱に伴う包装袋内部からの伝熱により、シート材20、22の温度が上昇する。それと同時に、食品の加熱に伴って袋内で水蒸気が発生して、包装袋の内圧が上昇し、その力が熱接着部24にも加わる。そして、シート材20、22の温度上昇により各シーラントフィルム12が軟化し、第2樹脂層16と第3樹脂層18間の融点の違いに因る両樹脂層16、18間の熱変形量の大きさの違いから、両シート材20、22に応力歪みが生じる。そのように応力歪みが生じた熱接着部24に、包装袋の内圧上昇による力が加わることにより、熱接着部24における第3樹脂層18或いは第2樹脂層16と第3樹脂層18との両層が部分的に破壊し、図4に平面図を示すように、包装袋の温度と内圧の上昇に感応して適度な大きさの脱気孔28が熱接着部24に自動的に形成される。そして、その脱気孔28を通して包装袋内の水蒸気が放出されることとなる。
【0024】
図5に平面図を、図6に図5のVI−VI矢視縦断面の部分拡大図をそれぞれ示した包装袋は、上述した包装用シート材を使用して製造された包装袋の別の形態例である。この包装袋は、一般に合掌袋と呼ばれているものであり、1枚の包装用シート材30を、基材フィルム10を外面側としシーラントフィルム12の第3樹脂層18を内面側として折り重ね、各端縁部同士を熱接着するとともに、各側縁部同士を熱接着することにより、シート材30の内側面と端縁熱接着部32と両側縁熱接着部34、34とで囲まれた収容部を有する袋形態に形成されたものである。この図5及び図6に示した包装袋でも、図2ないし図4に示した包装袋と全く同様に作用し、この包装袋に密封された食品を電子レンジに入れて加熱調理したときに、包装袋の温度と内圧の上昇を感知して端縁熱接着部32又は両側縁熱接着部34に適当な時期に適度な大きさの脱気孔が自動的に形成される。
【0025】
図7及び図8は、上述した包装用シート材を使用して製造された包装容器の1例を示し、図7は、包装容器の縦断面図、図8は、図7のB部分の拡大縦断面図である。
【0026】
この包装容器は、上面が開口した容器本体部36の上部開口面全体を、上述した構成の包装用シート材40で完全に覆蓋し、容器本体部36の上部開口面の周縁部38とシート材40の周縁部とを接着剤で接着し或いは熱接着することにより構成されており、容器内部に内容物(図示省略)が密封される。シート材40を容器本体部36の上部開口面の周縁部38に接着する際には、基材フィルム10を外面側(上面側)としシーラントフィルム12の第3樹脂層18を容器内部側(下面側)とする。
【0027】
図7及び図8に示した構成の包装容器に密封された食品を電子レンジに入れて加熱調理すると、上記した包装袋における場合と同様に、シート材40の温度が上昇するとともに、容器内で水蒸気が発生して内圧が上昇し、その力が接着部42に作用する。そして、シーラントフィルム12が軟化して、第2樹脂層16と第3樹脂層18間の融点の違いに因る両樹脂層16、18間の熱変形量の大きさの違いから、シート材40に応力歪みが生じ、その応力歪みが生じた接着部42に容器の内圧上昇による力が加わることにより、シート材40の、容器本体部36の上部開口面の周縁部38との接着部42が部分的に破壊する。このようにして、シート材40の接着部42に、包装容器の温度と内圧の上昇に感応した適度の大きさの脱気孔が適当な時期に自動的に形成され、その脱気孔を通して包装容器内の水蒸気が放出されることとなる。
【0028】
【実施例】
以下、この発明をより具体化した実施例について、測定試験の結果を示しながら説明する。
【0029】
2軸延伸ナイロンからなる基材フィルムにアンカーコート剤を塗布し、融点が111℃であるポリエチレンからなる第1樹脂層、融点が104℃であるポリオレフィン系の熱接着性樹脂からなる第2樹脂層、及び融点が138℃であるポリプロピレンからなる第3樹脂層と前記2軸延伸ナイロンからなる基材フィルムとを共押し出しコーティング法により積層させてシート材を試作した。基材フィルムの厚みは15μm、第1樹脂層の厚みは20μm、第2樹脂層の厚みは25μmとし、第3樹脂層は、その厚みを5μm、15μm及び25μmと変えて、3種類のシート材No.1、No.2及びNo.3を試作した。また、比較のために、従来の包装体に使用されているシート材として、2軸延伸ナイロンからなる基材フィルムと、高度の耐衝撃性を必要とするレトルトパウチに使用される耐衝撃タイプで融点が145℃である単一層からなる無延伸ポリプロピレンフィルムとをドライラミネート法で積層したものを試作し、それをコントロールとした。このコントロールのシート材において、基材フィルムの厚みは15μm、無延伸ポリプロピレンフィルムの厚みは50μmである。以上のようにして試作した本発明に係るシート材No.1、No.2及びNo.3並びにコントロールのシート材のそれぞれについて、電子レンジ適性及び耐衝撃性を調べた。
【0030】
電子レンジ適性の試験は、それぞれのシート材により四方袋を作り、この袋内に水と濾紙を入れ、開孔部を熱接着して内容物を密封し、これを電子レンジで加熱し、脱気孔の形成状態と破裂音の有無、並びに濾紙の飛散状態を測定することにより行なった。四方袋の大きさは、15cm×15cmとし、内容物は、1cm×1cmの濾紙を20枚と水を10ccとし、シート材の周縁部の熱接着部の幅寸法は15mm、熱接着時のシール圧力は2kg/cm2、シール温度は170℃、シール時間は1秒とした。また、電子レンジとして、(株)日立製作所製のMRO−A81(マイクロ波出力=500W)を使用した。サンプル数は、それぞれのシート材について50ずつとした。
【0031】
また、耐衝撃性の試験は、図9に概略図を示すように、それぞれのシート材について、2枚のシート材46、46の端縁部同士を熱接着させ、包装袋の内部側に対応する側から熱接着部48に対し衝撃ヘッド50により衝撃を加えて、熱接着部48の破壊に要したエネルギーを測定することにより行なった。熱接着部48の幅寸法は15mm、熱接着時のシール圧力は2kg/cm2、シール温度は170℃、シール時間は1秒とした。また、測定機として、(株)東洋精機製作所製のフィルム・インパクト・テスターを使用した。
【0032】
それぞれのシート材の電子レンジ適性及び耐衝撃性の測定結果を表1に示す。表1中、「形成率」は、熱接着部に脱気孔が形成された包装袋の割合を示し、「形成時間」は、熱接着部に脱気孔が形成されるのに要した平均時間(コントロールの場合は、熱接着部が破裂するまでの平均時間)を示し、「破裂音」は、破裂音が認められた包装袋の割合を示し、また、「濾紙の飛散」は、濾紙が包装袋内から外へ飛散した包装袋の割合を示す。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に示した測定結果から分かるように、本発明に係るシート材で作られた包装袋は、第3樹脂層の厚みが増すに従って脱気孔が形成されるまでの時間が長くかかり、包装袋の膨張度合いも大きくなる傾向が認められたが、何れの包装袋も、破裂音を生じることなく、脱気孔が形成されてその脱気孔を通し袋内の水蒸気が放出され、濾紙の飛散も皆無であった。これに対し、単一層のポリプロピレンを基材フィルムに積層したコントロールのシート材で作られた包装袋は全て、脱気孔が形成されずに爆発的に破裂し、濾紙が電子レンジ庫内に散乱し、破裂音も明確に確認された。
【0035】
また、シート材の熱接着部の衝撃強度は、軟化・溶融するフィルムの総厚みが同一である本発明に係るシート材No.1とコントロールのシート材とを比較すると、シート材No.1の方がコントロールのシート材より2倍程大きくて良好であった。
【0036】
さらに、本発明に係るシート材No.4及びNo.5を試作し、それぞれについて電子レンジ適性及び耐衝撃性を調べた。シート材No.4及びNo.5は共に、2軸延伸ナイロンからなる基材フィルムにアンカーコート剤を塗布し、融点が138℃であるポリプロピレンからなる第1樹脂層、融点が104℃であるポリオレフィン系の熱接着性樹脂からなる第2樹脂層、及び融点が123℃である直鎖状低密度ポリエチレンからなる第3樹脂層と前記基材フィルムとを共押し出しコーティング法により積層させて調製された。基材フィルムの厚みは15μm、第1樹脂層の厚みは20μm、第2樹脂層の厚みは25μmとし、第3樹脂層は、その厚みを5μm(NO.4)及び15μm(No.5)と変えた。
【0037】
電子レンジ適性の試験は、上述した条件と全く同じ条件で行なった。また、耐衝撃性の試験は、熱接着時のシール温度を150℃(低温シール性が良いので温度を下げた)に変更した以外は上述した条件と同じ条件で行なった。その測定結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
表2に示した結果から分かるように、本発明に係るシート材No.4及びNo.5で作られた包装袋は、電子レンジ適性に優れ、また、衝撃強度も極めて良好であった。
【0040】
次に、シート材の熱接着性の評価に関する試験結果について説明する。この試験のために、2軸延伸ポリプロピレンからなる基材フィルムにアンカーコート剤を塗布し、その基材フィルムと融点が111℃であるポリエチレンフィルムとを押し出しコーティング法で積層させたシート材(以下、「OPP/PEシート材」という)と、2軸延伸ポリプロピレンからなる基材フィルムと融点が138℃であるポリプロピレンフィルムとを押し出しコーティング法で積層させたシート材(以下、「OPP/PPシート材」という)とを試作した。基板フィルムの厚みは20μm、ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルムの各厚みはそれぞれ30μmとした。
【0041】
熱接着性の評価試験は、2枚のOPP/PEシート材を、それぞれのポリエチレンフィルム面同士を接合させて重ね合わせたもの(以下、「OPP/PE〜PE/OPP」と記す)、2枚のOPP/PPシート材を、それぞれのポリプロピレンフィルム面同士を接合させて重ね合わせたもの(以下、「OPP/PP〜PP/OPP」と記す)、及び、OPP/PEシート材とOPP/PPシート材とを、前者のポリエチレンフィルム面と後者のポリプロピレンフィルム面とを接合させて重ね合わせたもの(以下、「OPP/PE〜PP/OPP」と記す)について、それぞれ2枚のシート材の端縁部同士をヒートシーラで熱接着させ、それぞれの熱接着部の熱接着強度を測定することにより行なった。熱接着部の幅寸法は15mm、熱接着時のシール圧力は2kg/cm2、シール温度は170℃、シール時間は1秒とした。また、測定器として、(株)島津製作所製のオートグラフASG−50Dを使用した。測定結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
表3に示した結果から分かるように、2枚のシート材の互いの接合面が同種のポリエチレンフィルム同士又はポリプロピレンフィルム同士で形成されるときは、接合面が強固に熱接着している。これに対し、2枚のシート材の互いの接合面が異種のポリエチレンフィルムとポリプロピレンフィルムとで形成されているときは、接合面の熱接着強度が前記したものの1/100〜1/200であり、接合面は容易に剥離し、接合面は未融着の状態であった。本発明に係るシート材を使用して作られる包装袋では、図3及び図6に示したように接合面が同種の合成樹脂層同士で形成されるので、熱接着部は十分な熱接着強度を有することとなる。
【0044】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の包装用シート材を使用して製造された包装体では、また、請求項2、請求項3及び請求項4に係る各発明の包装体では、その包装体に封入された食品を電子レンジで加熱調理した際に、電子レンジのマイクロ波出力の大きさや食品の性状などの諸条件の変化に対応し、包装体の温度や内圧の上昇に感応して、適当な時期に適度な大きさの脱気孔が自動的に形成され、食品の加熱による水蒸気の生成速度、脱気孔の形成速度及び脱気孔を通しての水蒸気の放出速度を相互にバランスさせることが可能になるので、適切な加熱調理が行なわれることとなる。また、この包装体は、耐衝撃破袋性に優れるので、輸送や荷扱いの際に包装体の接着部が破壊して食品が汚染される、といった心配が無く、さらに、脱気孔の形成にそれ程時間を要しないので、効果的な蒸気抜きが行なわれることとなる。また、この包装体の製作工程は、比較的簡単であり、製造上も有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明の1実施形態を示し、電子レンジ調理用食品の包装用シート材の構造を示す部分拡大縦断面図である。
【図2】図1に示した包装用シート材を使用して製造された包装袋の1例であって請求項2に係る発明の包装袋の平面図である。
【図3】図2のIII−III縦断面の部分拡大図である。
【図4】図2に示した包装袋の熱接着部に脱気孔が形成された状態を示す平面図である。
【図5】図1に示した包装用シート材を使用して製造された包装袋の別の例であって請求項3に係る発明の包装袋の平面図である。
【図6】 図5のVI−VI矢視縦断面の部分拡大図である。
【図7】図1に示した包装用シート材を使用して製造された包装容器の1例であって請求項4に係る発明の包装容器の縦断面図である。
【図8】図7のB部分の拡大縦断面図である。
【図9】包装袋の耐衝撃性の試験方法を説明するための概略図である。
【符号の説明】
10 基材フィルム
12 シーラントフィルム
14 第1樹脂層
16 第2樹脂層
18 第3樹脂層
20、22、30、40 包装用シート材
24 熱接着部
26 収容部
28 脱気孔
32 端縁熱接着部
34 両側縁熱接着部
36 容器本体部
38 容器本体部の上部開口面の周縁部
42 接着部
Claims (4)
- 基材フィルムと少なくともシーラントフィルムとを積層させ互いに貼り合わせて形成された、電子レンジ調理用食品の包装用シート材において、
前記シーラントフィルムを、それぞれ熱可塑性の合成樹脂によって形成された第1樹脂層、第2樹脂層及び第3樹脂層を順に積層させた3層構造とし、
前記基材フィルム側に接着される前記第1樹脂層と第3樹脂層とを互いに異なる種類の合成樹脂によってそれぞれ形成するとともに、前記第2樹脂層を、第3樹脂層を形成する合成樹脂とは異なる融点を有する合成樹脂によって形成し、その第2樹脂層によって第1樹脂層と第3樹脂層とを熱接着したことを特徴とする、電子レンジ調理用食品の包装用シート材。 - 基材フィルムと少なくともシーラントフィルムとを積層させ互いに貼り合わせてそれぞれ形成された2枚の包装用シート材を、それぞれ基材フィルムを外面側として互いに重ね合わせ、各包装用シート材の周縁部同士を熱接着して袋形態に形成し、内部に食品が封入される、電子レンジ調理用食品の包装体において、
前記包装用シート材のシーラントフィルムを、それぞれ熱可塑性の合成樹脂によって形成された第1樹脂層、第2樹脂層及び第3樹脂層を順に積層させた3層構造とし、
前記基材フィルム側に接着される前記第1樹脂層と第3樹脂層とを互いに異なる種類の合成樹脂によってそれぞれ形成するとともに、前記第2樹脂層を、第3樹脂層を形成する合成樹脂とは異なる融点を有する合成樹脂によって形成し、その第2樹脂層によって第1樹脂層と第3樹脂層とを熱接着し、
電子レンジ調理時の加熱により、前記包装用シート材周縁部の熱接着部が部分的に破壊して脱気孔が形成されるようにしたことを特徴とする、電子レンジ調理用食品の包装体。 - 基材フィルムと少なくともシーラントフィルムとを積層させ互いに貼り合わせて形成された包装用シート材を、基材フィルムを外面側として折り重ね、各端縁部同士を熱接着し各側縁部同士をそれぞれ熱接着して袋形態に形成し、内部に食品が封入される、電子レンジ調理用食品の包装体において、
前記包装用シート材のシーラントフィルムを、それぞれ熱可塑性の合成樹脂によって形成された第1樹脂層、第2樹脂層及び第3樹脂層を順に積層させた3層構造とし、
前記基材フィルム側に接着される前記第1樹脂層と第3樹脂層とを互いに異なる種類の合成樹脂によってそれぞれ形成するとともに、前記第2樹脂層を、第3樹脂層を形成する合成樹脂とは異なる融点を有する合成樹脂によって形成し、その第2樹脂層によって第1樹脂層と第3樹脂層とを熱接着し、
電子レンジ調理時の加熱により、前記包装用シート材端縁部の熱接着部及び/又は包装用シート材側縁部の熱接着部が部分的に破壊して脱気孔が形成されるようにしたことを特徴とする、電子レンジ調理用食品の包装体。 - 基材フィルムと少なくともシーラントフィルムとを積層させ互いに貼り合わせて形成された包装用シート材で容器の開口面を、基材フィルムを外面側として覆蓋し、容器の開口面周縁部と包装用シート材の周縁部とを接着し、内部に食品が封入される、電子レンジ調理用食品の包装体において、
前記包装用シート材のシーラントフィルムを、それぞれ熱可塑性の合成樹脂によって形成された第1樹脂層、第2樹脂層及び第3樹脂層を順に積層させた3層構造とし、
前記基材フィルム側に接着される前記第1樹脂層と第3樹脂層とを互いに異なる種類の合成樹脂によってそれぞれ形成するとともに、前記第2樹脂層を、第3樹脂層を形成する合成樹脂とは異なる融点を有する合成樹脂によって形成し、その第2樹脂層によって第1樹脂層と第3樹脂層とを熱接着し、
電子レンジ調理時の加熱により、前記容器の開口面周縁部と包装用シート材周縁部との接着部が部分的に破壊して脱気孔が形成されるようにしたことを特徴とする、電子レンジ調理用食品の包装体。
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