JP6699105B2 - 端子用樹脂フィルム、それを用いたタブ及び蓄電デバイス - Google Patents

端子用樹脂フィルム、それを用いたタブ及び蓄電デバイス Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池等の蓄電デバイスに使用する端子用樹脂フィルムに関するものである。
近年、携帯機器の小型化や自然発電エネルギーの有効活用の要求が増しており、より高い電圧が得られ、エネルギー密度が高いリチウムイオン二次電池の研究開発が行われている。
前記リチウムイオン二次電池に用いられる包装材として、従来は金属製の缶が多く用いられてきたが、適用する製品の薄型化や多様化等の要求に対し、製造コストが低いという理由から、金属層(例えば、アルミニウム箔)と樹脂フィルムとを積層した積層体を袋状にした包装材料が多く用いられるようになってきている。
このように袋状包装材料を使用したリチウムイオン二次電池は、例えば、図4に示すように、蓄電デバイス本体1、包装材料2、端子用樹脂フィルム3の三者を備えて構成されている。蓄電デバイス本体1の上下面には、この蓄電デバイス本体1より大面積の包装材料2が配置されており、蓄電デバイス本体1の周囲に延びた部位2aで包装材料2同士をヒートシールして密封している。包装材料2としては、空気や水分の透過を防止するため、アルミニウム箔の内面側に電気絶縁性の樹脂層を積層したものが通例である。
そして、蓄電デバイス本体1は、それぞれ正負の集電体に接続した金属端子11を有しており、包装材料2同士の前記シール面から蓄電デバイスの外部に延出している。そして、この金属端子11とシール部2aとが交差する位置では、金属端子11の上下面と側面とを含む外周面の全周が端子用樹脂フィルムで覆われており、このため、金属端子11と包装材料2とが端子用樹脂フィルム3を介してシールされている。
端子用樹脂フィルム3としては、例えば、2層構造又は3層構造のフィルムが使用されている。すなわち、特許文献1には、高流動性の酸変性ポリプロピレン樹脂層と低流動性のポリプロピレン樹脂層との2層から構成される端子用樹脂フィルム3が記載されている。金属端子11に端子用樹脂フィルム3を重ね、熱圧することにより、この高流動性の酸変性ポリプロピレン樹脂層が溶融して溶着する。一方、低流動性のポリプロピレン樹脂層は流動性に乏しいため、包装材料2中のアルミニウム箔と金属端子11との間の絶縁性を維持できるのである。また、この2層に加えて、低流動性のポリプロピレン樹脂層側に高流動性の酸変性ポリプロピレン樹脂層を積層することにより、高流動性の酸変性ポリプロピレン樹脂層、低流動性のポリプロピレン樹脂層、高流動性の酸変性ポリプロピレン樹脂層をこの順に積層した3層構造の端子用樹脂フィルム3が記載されている。
また、特許文献2には、低流動性の前記ポリプロピレン樹脂層に代えて、低流動性の酸変性ポリプロピレン樹脂層を使用した2層構造又は3層構造の端子用樹脂フィルム3が記載されている。
特許第4498639号公報 特許第4508477号公報
ところで、リチウムイオン二次電池の市場は車載用と民生用・モバイル用に大別される。車載用のリチウムイオン二次電池においては、厚さの厚い端子用樹脂フィルムが使用されているが、民生用・モバイル用のリチウムイオン二次電池では、その大きさを小さくして電池容量を大きくするため、厚さの薄い端子用樹脂フィルムが求められている。
このように端子用樹脂フィルムの厚さ(総厚)を薄くするためには、2層構造の端子用樹脂フィルムにあっては、金属端子に接着する高流動性の酸変性ポリプロピレン樹脂層の厚さを薄くするか、あるいは、低流動性のポリプロピレン系樹脂層の厚さを薄くする必要がある。なお、3層構造の端子用樹脂フィルムにおいても、このいずれかの層の厚さを薄くする必要があることは同様である。
しかしながら、金属端子に接着する高流動性の酸変性ポリプロピレン樹脂層の厚さを薄くすると、金属端子側面にこの樹脂が回り込む樹脂量が少なくなり、このため、密封が困難となり、電解液の漏れや水分の浸入が起こることがある。
一方、低流動性のポリプロピレン系樹脂層の厚さを薄くすると、金属端子にヒートシールした際にこのポリプロピレン系樹脂層が潰れてしまい、包装材料中のアルミニウム箔と金属端子とが短絡する危険がある。
このため、高流動性の前記酸変性ポリプロピレン樹脂層を十分厚くする必要があり、また、低流動性のポリプロピレン系樹脂層の厚さも、酸変性ポリプロピレン樹脂層の1.5倍以上とする必要があった(特許文献1,2参照)。
そこで、本発明は、密封性と絶縁性とを十分に確保できるにも拘わらず、その厚さ(総厚)を薄くすることができる端子用樹脂フィルムを提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、蓄電デバイスの金属端子の外周面の一部を覆う端子用樹脂フィルムであって、金属端子に接着する熱融着性樹脂層と、耐熱性絶縁層とを備えて構成され、かつ、次の条件1〜6を充足することを特徴とする端子用樹脂フィルムである。
条件1:蓄電デバイスが次の条件1a〜1cを充足すること。
条件1a:蓄電デバイス本体、包装材料、端子用樹脂フィルムの三者を備えて構成されていること。
条件1b:蓄電デバイス本体の上下面に配置した包装材料を蓄電デバイス本体の周囲で互いにシールして密封していること。
条件1c:包装材料の前記シール面から前記金属端子が外部に延出しており、かつ、この金属端子と包装材料とが端子用樹脂フィルムを介してシールされていること。
条件2:耐熱性絶縁層の厚さが、熱融着性樹脂層の厚さ以下であり、かつ、熱融着性樹脂層の厚さの0.1倍以上であること。
条件3:端子用樹脂フィルムの総厚が15μm以上であること。
条件4:端子用樹脂フィルムが熱融着性樹脂層と耐熱性絶縁層との二層構造であること。
条件5:熱融着性樹脂層が次の条件5a〜5bを充足すること。
条件5a:熱融着性樹脂層が融点120〜145℃、MFRが0.5〜15g/10minのポリオレフィンランダムコポリマーから成ること。
条件5b:熱融着性樹脂層の厚さが9〜60μmであること。
条件6:耐熱性絶縁層が次の条件6a〜6cを充足すること。
条件6a:耐熱性絶縁層が端子用樹脂フィルムをヒートシールする際に、その絶縁性を維持できる耐熱性を有する樹脂であって、融点140〜165℃のポリプロピレン樹脂から成ること。
条件6b:耐熱性絶縁層の厚さが6〜30μmであること。
また、請求項2に記載の発明は、前記金属端子と、この金属端子の外周面の一部を覆って配置された請求項1に記載の端子用樹脂フィルムとを備えることを特徴とするタブである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のタブを備えることを特徴とする蓄電デバイスである。
本発明の端子用樹脂フィルムは総厚が15μm以上であって、しかも、その層構成中に耐熱性絶縁層を有している。このため、この耐熱性絶縁層を薄くしても、十分な絶縁性を確保できる。なお、後述する実施例及び比較例から分かるように、耐熱性絶縁層の厚さは、金属端子に接着する熱融着性樹脂層の0.1倍以上であることが必要であり、これより薄いと十分な絶縁性を確保できない。
そして、このように耐熱性絶縁層の厚さを薄くすることができるから、熱融着性樹脂層の厚さを十分厚くして密封性を確保した場合であっても、端子用樹脂フィルムの総厚を薄くすることが可能となる。例えば、60μm以下の総厚である。
図1は本発明の端子用樹脂フィルムの具体例に係り、図1(a)は2層構成の端子用樹脂フィルムの断面図、図1(b)は3層構成の端子用樹脂フィルムの断面図である。 包装材料の具体例に係る断面図である。 タブの具体例に係る斜視図である。 蓄電デバイスの具体例に係る斜視図である。
本発明に係る端子用樹脂フィルムはリチウムイオン二次電池等の蓄電デバイスに適用するものである。この蓄電デバイスは従来の蓄電デバイスと同様の構造を有している。すなわち、図4に示すように、蓄電デバイス本体1、包装材料2、端子用樹脂フィルム3の三者を備えて構成されており、蓄電デバイス本体1の上下面に配置した包装材料2を蓄電デバイス本体1の周囲で互いにシールして密封しているものである。そして、包装材料2の前記シール面から金属端子11が外部に延出しており、かつ、この金属端子11と包装材料2とが端子用樹脂フィルム3を介してシールされている。
そして、端子用樹脂フィルム3は、熱融着性樹脂層31と、耐熱性絶縁層32とを備えて構成される必要がある。端子用樹脂フィルム3は、図1(a)に示すようにこの2層で構成されるものであってもよいし、図1(b)に示すようにこの2層に加えて、耐熱性絶縁層側に積層された包装材料用熱融着性樹脂層33を有する3層構造であってもよい。熱融着性樹脂層31は、熱圧によって金属端子11の上下面及び側面に接着するものである。熱融着性樹脂層31が金属端子11の上下面及び側面に接着するため、端子用樹脂フィルム3は金属端子11の外周の全周を密封し、電解液の漏液や空気及び水分の透過を防止する。また、包装材料用熱融着性樹脂層33は包装材料2の内面に接着するものである。なお、両者を区別するため、以下、熱融着性樹脂層31を「端子用熱融着性樹脂層31」と呼ぶ。
これら各層31,32,33のうち、端子用熱融着性樹脂層31の厚さは、金属端子11の厚さの25%〜100%の範囲内にあることが望ましい。端子用熱融着性樹脂層31の厚さが金属端子11の厚さの25%に満たない場合、後述するように、溶融した端子用熱融着性樹脂層31が金属端子11の側面に十分に回りこんで液密かつ気密に密封することが困難だからである。また、端子用熱融着性樹脂層31は金属端子11と同じ厚さを有すれば十分である。
また、耐熱性絶縁層32の厚さは端子用熱融着性樹脂層31の厚さ以下であり、かつ、端子用熱融着性樹脂層31の厚さの0.1倍以上である必要がある。耐熱性絶縁層32が端子用熱融着性樹脂層31より厚い場合には、端子用樹脂フィルム3の総厚を薄くすることが困難である。また、耐熱性絶縁層32が端子用熱融着性樹脂層31の0.1倍未満の場合には、金属端子11と包装材料2中のアルミニウムとの絶縁性が不十分で、両者が導通するおそれがある。
端子用樹脂フィルム3の総厚は任意でよいが、60μm以下であることが望ましい。なお、包装材料用熱融着性樹脂層33の厚さは端子用熱融着性樹脂層31と等しいか、あるいはこれより薄いことが望ましい。端子用樹脂フィルム3のカールを防止するため、これら端子用熱融着性樹脂層31と包装材料用熱融着性樹脂層33とは等しい厚さを有することが望ましい。
耐熱性絶縁層32は、端子用樹脂フィルム3をヒートシールする際に、その絶縁性を維持できる樹脂から構成することができる。このような樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等が挙げられる。また、フィラーや繊維を混合して強化した樹脂で耐熱性絶縁層32を構成してもよい。また、架橋構造を有する樹脂で耐熱性絶縁層32を構成してもよい。また、これら樹脂にフィラーや繊維、あるいは着色顔料を混合した混合樹脂を使用することも可能である。
なお、ポリプロピレン系混合樹脂としては、ポリプロピレン中にポリエチレンやエチレン−プロピレンゴム(EPR)等が島状に分散した状態のものが使用できる。このポリプロピレン系混合樹脂において、エチレン含有量は0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜7質量%であることがより好ましく、2〜5質量%であることが更に好ましい。エチレン含有量が0.1質量%以上であると、端子用樹脂フィルムを金属端子11に融着した場合の密着性が向上する傾向がある。エチレン含有量が10質量%以下であると、混合樹脂の融点が下がりすぎることを抑制でき、蓄電デバイスを高温環境下で長期間保持した場合の液漏れ防止性が向上する傾向がある。
ポリプロピレン系混合樹脂の融点は、130〜165℃であることが好ましく、135
〜155℃であることがより好ましく、140〜150℃であることが更に好ましい。融点が130℃以上であると、蓄電デバイスを高温環境下で長期間保持した場合の液漏れ防止性が向上する傾向がある。融点が165℃以下であると、端子用樹脂フィルムを金属端子に融着した場合の密着性が向上する傾向がある。
ポリプロピレンの融点は、140〜165℃であることが好ましく、145〜163℃であることがより好ましく、150〜160℃であることが更に好ましい。融点が140℃以上であると、蓄電デバイスを高温環境下で長期間保持した場合の液漏れ防止性が向上する傾向がある。融点が165℃以下であると、端子用樹脂フィルムを金属端子に低温融着した場合の密着性が向上する傾向がある。
ホモポリプロピレンの重量平均分子量は、融点が上記範囲内となるように適宜調整することが好ましいが、好ましくは5,000〜10,000,000であり、より好ましくは10,000〜1,000,000である。
架橋構造を有する樹脂としては、例えば、架橋アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
また、これら樹脂に混合するフィラーとしては、例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子、硫酸バリウム粒子、炭酸カルシウム粒子等が挙げられる。フィラーの平均粒径は0.1〜10μmであることが好ましく、フィラーの含有量は耐熱性絶縁層32全量を基準として0.5〜20質量%であることが好ましい。
また、これら樹脂に混合する繊維としては、例えば、セルロース樹脂や上記耐熱層に用いる融点が200℃以上の樹脂等からなる繊維が挙げられる。繊維は不織布を形成していてもよい。繊維の含有量は耐熱性絶縁層32全量を基準として0.5〜70質量%であることが好ましい。
また、着色顔料としては、例えば、有機顔料や無機顔料等を用いることができる。有機顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、ジオキサジン系、インジゴチオインジゴ系、ペリノン−ペリレン系、イソインドレニン系等が挙げられ、無機顔料としては、カーボンブラック系、酸化チタン系、カドミウム系、鉛系、酸化フローム系等が挙げられ、その他に、マイカ(雲母)の微粉末、魚鱗箔等を用いることができる。
次に、端子用熱融着性樹脂層31と包装材料用熱融着性樹脂層33とは、いずれも、例えば、ポリオレフィン樹脂、又は、ポリオレフィン樹脂に無水マレイン酸等をグラフト変性させた酸変性ポリオレフィン樹脂等を用いて構成することができる。また、これら樹脂にフィラーや繊維、あるいは着色顔料を混合した混合樹脂を使用することもできる。
ここで、ポリオレフィン樹脂は、接着性の観点から、ポリオレフィンランダムコポリマーであることが好ましい。ポリオレフィンランダムコポリマーは、2種類以上のオレフィンモノマーがランダムに共重合したものである。オレフィンモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等が挙げられる。
ポリオレフィンランダムコポリマーとして具体的には、例えば、プロピレンとエチレンとの共重合体であるエチレン−プロピレンランダムコポリマー、プロピレンと1−ブテンとの共重合体である1−ブテン−プロピレンランダムコポリマー、プロピレンとエチレンと1−ブテンとの共重合体であるエチレン−ブテン−プロピレンランダムターポリマー等が挙げられる。これらの中でも、エチレン−プロピレンランダムコポリマーが好ましい。
エチレン−プロピレンランダムコポリマー及びその酸変性物において、エチレン含有量は0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜7質量%であることがより好ましく、2〜5質量%であることが更に好ましい。エチレン含有量が0.1質量%以上であると、エチレンを共重合させることによる融点低下効果が十分に得られ、端子用樹脂フィルムを金属端子に低温融着した場合の密着性が向上する傾向がある。エチレン含有量が10質量%以下であると、融点が下がりすぎることを抑制でき、蓄電デバイスを高温環境下で長期間保持した場合の液漏れ防止性が向上する傾向がある。なお、エチレン含有量は、重合時のモノマーの混合比率から算出することができる。
ポリオレフィンランダムコポリマー及びその酸変性物の融点は、120〜145℃であることが好ましく、125〜140℃であることがより好ましい。ポリオレフィンランダムコポリマー及びその酸変性物の重量平均分子量は、融点がこの範囲内となるように適宜調整することが好ましいが、好ましくは5,000〜10,000,000であり、より好ましくは10,000〜1,000,000である。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算することで求めることができる。
ポリオレフィンランダムコポリマー及びその酸変性物のメルトマスフローレイト(MFR)は、0.5〜15g/10minであることが好ましく、1〜10g/10minであることがより好ましい。なお、メルトマスフローレイト(MFR)は、JIS K7210に準拠して求めることができる。
この端子用樹脂フィルム3は、多層共押出成形法や多層のインフレーション成形法によって製造することができる。また、接着剤を使用して各層31,32,33を接着してもよい。
次に、包装材料2としては、図2に示すような層構成を有する積層体を使用することができる。すなわち、この図に示す包装材料2は、蓄電デバイス本体1に接触する内側から、内層21と、内層側接着剤層22と、腐食防止処理層23と、金属層であるバリア層24と、腐食防止処理層25と、外層側接着剤層26と、外層27と、が順次積層された7層構造とされている。
内層21の母材としては、例えば、ポリオレフィン樹脂またはポリオレフィン樹脂に、無水マレイン酸等をグラフト変性させた酸変性ポリオレフィン樹脂を用いることができる。上記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、低密度、中密度、高密度のポリエチレン;エチレン−αオレフィン共重合体;ホモ、ブロック、またはランダムポリプロピレン;プロピレン−αオレフィン共重合体等を用いることができる。これらポリオレフィン樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、内層21は、必要とされる機能に応じて、単層フィルムや、複数の層を積層させた多層フィルムを用いて構成してもよい。具体的には、例えば、防湿性を付与するために、エチレン−環状オレフィン共重合体やポリメチルペンテン等の樹脂を介在させた多層フィルムを用いてもよい。さらに、内層21は、例えば、各種添加剤(例えば、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤等)を含んでもよい。
内層21の厚さは、前記端子用樹脂フィルム3の厚さとこの内層21の厚さとの合計が30〜300μmの範囲内となる厚さであることが望ましい。例えば、10〜150μmの範囲内で設定することが好ましいが、30〜80μmがより好ましい。内層21の厚さ
が10μmよりも薄いと、包装材2同士のヒートシール密着性、端子用樹脂フィルム3との密着性が低下する恐れがある。また、内層21の厚さが150μmよりも厚いと、包装材2のコスト増加の要因となるため、好ましくない。
内層側接着剤層22としては、例えば、一般的なドライラミネーション用接着剤や、酸変性された熱融着性樹脂等、公知の接着剤を適宜選択して用いることができる。
図2に示すように、腐食防止処理層23,25は、バリア層24の両面に形成することが性能上好ましいが、コスト面を考慮して、内層側接着剤層22側に位置するバリア層24の面のみに腐食防止処理層23を配置してもよい。
バリア層24は、空気や水分の透過を防止する層である。バリア層24の材料としては、例えば、アルミニウムやステンレス鋼等を例示することができるが、コストや重量(密度)等の観点から、アルミニウムが好適である。
外層側接着剤層26としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール等を主剤としたポリウレタン系の一般的な接着剤を用いることができる。
外層27としては、例えば、ナイロンやポリエチレンテレフタレート(PET)等の単層膜、或いは多層膜を用いることができる。外層27は、内層21と同様に、例えば、各種添加剤(例えば、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤等)を含んでもよい。また、外層27は、例えば、液漏れ時の対策として電解液に不溶な樹脂をラミネートしたり、電解液に不溶な樹脂成分をコーティングしたりすることで形成される保護層を有してもよい。
本発明に係る端子用樹脂フィルム3を使用して蓄電デバイスを製造する際には、まず、金属端子11の両面に端子用熱融着性樹脂層31が接するように端子用樹脂フィルム3を重ね、熱圧して接着する。端子用樹脂フィルム16と金属端子14との十分な密着性及び封止性を得るため、端子用熱融着性樹脂層31の融点以上の温度まで加熱して融着することが望ましい。もっとも、耐熱性絶縁層32の絶縁性を損なわない温度である必要がある。例えば、140〜170℃である。
こうして、金属端子11に端子用樹脂フィルム3を接着して得られるタブを図3に示す。この図から分かるように、端子用樹脂フィルム3は金属端子11の外周面の一部を覆って配置されており、しかも、その上下面と側面とを含む全周に渡って液密かつ気密に密封している。
なお、金属端子11は、金属端子本体111の表面に腐食防止層112を形成したものを使用することが望ましい。金属端子本体111の材料としては、金属を用いることができる。金属端子本体111の材料となる金属は、蓄電デバイス本体1の構造や蓄電デバイス本体1の各構成要素の材料等を考慮して決めることが好ましい。
例えば、蓄電デバイスがリチウムイオン二次電池の場合、正極用集電体としてアルミニウムが用いられ、負極用集電体として銅が用いられる。この場合、蓄電デバイス本体1の正極と接続される金属端子本体111の材料としては、アルミニウムを用いることが好ましい。また、電解液への耐食性を考慮すると、蓄電デバイス本体1の正極と接続される金属端子本体111の材料としては、例えば、1N30等の純度97%以上のアルミニウム素材を用いることが好適である。さらに、金属端子本体111を屈曲させる場合には、柔軟性を付加する目的で十分な焼鈍により調質したO材を用いることが好ましい。蓄電デバ
イス本体1の負極と接続される金属端子本体111の材料としては、表面にニッケルめっき層が形成された銅、もしくはニッケルを用いることが好ましい。
端子用樹脂フィルム3を金属端子11に融着したとき、溶融した端子用熱融着性樹脂層31が金属端子11側面に回りこんで液密かつ気密に密封するため、金属端子本体111の厚さは薄い方が望ましい。100μm以下であれば十分であるが、80μm以下であることが望ましい。なお、端子用樹脂フィルム3の端子用熱融着性樹脂層31の厚さがを金属端子11の厚さの25%に満たない場合、金属端子11側面の密封が不十分となることがある。
腐食防止層112は、金属端子本体111の表面を覆うように配置されている。リチウムイオン二次電池の場合、電解液にLiPF等の腐食成分が含まれる。腐食防止層112は、電解液に含まれるLiPF等の腐食成分から金属端子本体111が腐食されることを抑制するための層である。この腐食防止層112は、例えば、スプレーによって金属端子本体111の表面に形成することができる。
次に、こうして端子用樹脂フィルム3を接着した金属端子11の一方の端部を蓄電デバイス本体1の集電体に電気的に接続し、包装材料2を上下に配置してヒートシールすることにより、蓄電デバイスを製造することができる。
(実施例1)
(1)金属端子11の作成
金属端子本体111として、幅5mm、長さ30mm、厚さ60μmのものを用いた。材質は、正極側をアルミニウム、負極側をニッケルとした。正負極とも、両面にノンクロム系表面処理を行った。正負極とも、両面にノンクロム系表面処理を行った。
(2)端子用樹脂フィルム3の作成
端子用熱融着性樹脂層31に融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32に融点165℃、MFRが1.3g/10minのポリプロピレン樹脂(PP)を用いた。各層の材料樹脂を、二種二層のインフレーション押し出し(以下インフレ法)で積層し、端子用樹脂フィルム3を作成した。インフレ法の条件は、溶融温度210℃、ブロー比を2.2とし、端子用熱融着性樹脂層31の厚さが30μm、耐熱性絶縁層32の厚さが25μmの総厚55μmとなるように作成した。
(3)タブの作成
図3に示すように、金属端子11の両面に端子用熱融着性樹脂層31が接するように端子用樹脂フィルム3を重ね、155℃、10秒の条件で熱融着を行った。
(4)包装材料2の作成
包装材料2として、内層21:ポリプロピレン(厚さ40μm)、内側接着剤層22:酸変性ポリプロピレン、バリア層24:アルミニウム箔(A8079−O材)、外側接着剤層26:ポリエステルポリオール系接着剤、外層27:ナイロンの構成で、総厚100μmのものを用いた。アルミニウム箔の両面にはノンクロム系表面処理を行い、腐食防止処理層23,25を形成した。
(5)評価用電池パックの作成
この包装材料2本体包装材のサイズを50mm×90mmの長方形とし、長辺の中点で二つ折りとし、長さ45mmの二つ折り部の一方に正極・負極のタブを挟んで、190℃
、5秒の条件でヒートシールを行った。
残りの辺のヒートシールは190℃、3秒で行った。まず、長さ50mmの辺をヒートシールで接合し、その後ジエチルカーボネート、エチレンカーボネートの混合液に6フッ化リン酸リチウムを添加した電解液を2ml充填し、最後にタブの対面のヒートシールを行った。これにより、発電要素が封入されていない、タブ評価可能な電池パックを作成した。
(実施例2〜31,比較例1〜5)
耐熱性絶縁層32の材質、包装材料用熱融着性樹脂層33及び各層の厚さを種々変化させて、実施例2〜31,比較例1〜5の金属端子11、端子用樹脂フィルム3、タブ、評価用電池パックを作成した。
これら実施例1〜31、比較例1〜6の各層の厚さを整理して表1に示す。厚さの単位は「μm」である。
Figure 0006699105
なお、実施例2〜7は、二種二層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31として実施例1と同じ融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32として実施例1と同じ融点165℃、MFRが1.3g/10minのポリプロピレン樹脂(PP)を用いたものである。
また、実施例8〜9は、三種三層の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31及び包装材料用熱融着性樹脂層33として融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32として実施例1と同じ融点165℃、MFRが1.3g/10minのポリプロピレン樹脂(PP)を用いたものである。
実施例10は、二種二層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31として実施例1と同じ融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32として実施例1と同じ融点165℃、MFRが1.3g/10minのポリプロピレン樹脂(PP)を用いたものである。
実施例11〜17は、三種三層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31及び包装材料用熱融着性樹脂層33として融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32として実施例1と同じ融点165℃、MFRが1.3g/10minのポリプロピレン樹脂(PP)を用いたものである。
実施例18は、三種三層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31及び包装材料用熱融着性樹脂層33として融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32として融点145℃、MFRが5.5g/10minのポリプロピレン樹脂(PP)を用いたものである。
実施例19は、三種三層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31及び包装材料用熱融着性樹脂層33として融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32として
融点147℃、MFRが1.7g/10minのポリプロピレン樹脂(PP)を用いたものである。
実施例20は、三種三層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31及び包装材料用熱融着性樹脂層33として融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32として融点163℃、MFRが5.1g/10minのポリプロピレン樹脂(PP)を用いたものである。
実施例21は、三種三層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31及び包装材料用熱融着性樹脂層33として融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32として融点145℃、MFRが5.5g/10minのポリプロピレン樹脂(PP)に、フィラーとして平均粒径1μmのアルミナを10重量%混合した樹脂を用いたものである。
実施例22は、三種三層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31及び包装材料用熱融着性樹脂層33として融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32として融点145℃、MFRが5.5g/10minのポリプロピレン樹脂(PP)に、セルロース繊維を10重量%混合した樹脂を用いたものである。
実施例23は、三種三層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31及び包装材料用熱融着性樹脂層33として融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32として融点145℃、MFRが5.5g/10minのポリエステル樹脂(PET)を用いたものである。
実施例24は、二種二層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31として実施例1と同じ融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32として融点165℃、MFRが1.3g/10minのポリプロピレン樹脂(PP)に、フィラーとして平均粒径3μmのシリカを5重量%混合した樹脂を用いたものである。
実施例25は、二種二層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31として実施例1と同じ融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32として融点165℃、MFRが1.3g/10minのポリプロピレン樹脂(PP)に、セルロース繊維を3重量%混合した樹脂を用いたものである。
実施例26は、二種二層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31として実施例1と同じ融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32として融点165℃、MFRが1.3g/10minのポリエステル樹脂(PET)を用いたものである。
実施例27は、三種三層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31及び包装材料用熱融着性樹脂層33として融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32に融点165℃、MFRが1.3g/10minの架橋したアクリル樹脂(PMMA)を用いたものである。
実施例28は、三種三層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31及び包装材料用熱融着性樹脂層33として融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32に融点165℃、MFRが1.3g/10minのポリプロピレン樹脂(PP)に、フィラーとして平均粒径0.5μmの硫酸バリウムを1重量%混合した樹脂を用いたものである。
実施例29は、三種三層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31に融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32に融点165℃、MFRが1.3g/10minのポリプロピレン樹脂(PP)を用い、包装材料用熱融着性樹脂層33に融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)に、フィラーとして平均粒径5μmのアルミナを5重量%混合した樹脂を用いたものである。
実施例30〜31は、三種三層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31及び包装材料用熱融着性樹脂層33として融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32として実施例1と同じ融点165℃、MFRが1.3g/10minのポリプロピレン樹脂(PP)を用いたものである。
比較例1〜5は、いずれも、二種二層構成の端子用樹脂フィルム3を使用したもので、端子用熱融着性樹脂層31として実施例1と同じ融点145℃、MFRが6.0g/10minの酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP)を用い、耐熱性絶縁層32として実施例1と同じ融点165℃、MFRが1.3g/10minのポリプロピレン樹脂(PP)を用いたものである。
(評価)
実施例1〜31、比較例1〜5について、評価用電池パックの密封性、端子用樹脂フィルム3の絶縁抵抗、この端子用樹脂フィルム3を金属端子11に熱融着してタブとした際の端子用樹脂フィルム3の絶縁抵抗、評価用電池パックを作成した際の端子用樹脂フィルム3の絶縁抵抗、及び端子用樹脂フィルム3のカールの有無について評価した。評価方法及び評価基準は次のとおりである。
[評価用電池パックの密封性]
サンプル数を100個とし、この100個のサンプルのうち、ラミネーション又は漏液のないものが95個以上の場合「◎」、90個以上95個未満の場合「○」、80個以上90個未満の場合「△」、80個未満の場合「×」と評価した。
[端子用樹脂フィルム3単体の絶縁抵抗]
端子用樹脂フィルム3の表裏に端子を接触させて、端子間の絶縁抵抗が25MΩ以上のものをOKとした。そして、サンプル数を100個とし、この100個のサンプルのうち、OKのものが95個以上の場合「◎」、90個以上95個未満の場合「○」、80個以上90個未満の場合「△」、80個未満の場合「×」と評価した。
[タブ形態の端子用樹脂フィルム3の絶縁抵抗]
端子用樹脂フィルム3を金属端子11に熱融着してタブとした後、端子用樹脂フィルム3の表面と金属端子11との両者にそれぞれ端子を接触させて、端子間の絶縁抵抗が25MΩ以上のものをOKとした。そして、サンプル数を100個とし、この100個のサンプルのうち、OKのものが95個以上の場合「◎」、90個以上95個未満の場合「○」、80個以上90個未満の場合「△」、80個未満の場合「×」と評価した。
[電池形態の端子用樹脂フィルム3の絶縁抵抗]
評価用電池パックの包装材料2表面と正極の金属端子11との両者にそれぞれ端子を接触させて、端子間の絶縁抵抗が25MΩ以上のものをOKとした。そして、サンプル数を100個とし、この100個のサンプルのうち、OKのものが95個以上の場合「◎」、90個以上95個未満の場合「○」、80個以上90個未満の場合「△」、80個未満の場合「×」と評価した。
[端子用樹脂フィルム3のカールの有無]
端子用樹脂フィルム3を、幅5mm、長さ300mmの短冊状に切断してサンプルとし、このサンプルを自重で垂らしたときに、下端が上端から水平方向に30mm以内の位置にあるときに「◎」、30mmより大きくカールした場合を「×」と評価した。
この結果を表2に示す。
Figure 0006699105
(考察)
以上の結果から、耐熱性絶縁層の厚さt32を端子用熱融着性樹脂層31の厚さt31で割った値t32/t31が、0.10(実施例4〜6,13)〜1.00(実施例2〜3,8,31)の端子用樹脂フィルムを使用して電池を作成すると、密封性及び電気絶縁性のいずれについても優れていることが分かる。これに対して、t32/t31が0.07の比較例1では密封性が劣り、また、電池を構成したときの電気絶縁性も劣っている。また、t32/t31が1.0を越える場合(実施例2〜5)の場合にも、密封性が劣っており、これに加えて、総厚が12μmの比較例5では電気絶縁性も劣っている。
この結果から、密封性と電気絶縁性とを両立させるためには、前記t32/t31が0.10〜1.00の範囲内にあり、かつ、総厚が15μm以上である端子用樹脂フィルム3を使用すればよいことが理解できる。
1:蓄電デバイス本体 11:金属端子 111:金属端子本体 112:腐食防止層
2:包装材料 21:内層 22:内層側接着剤層 23:腐食防止処理層 24:バリア層 25:腐食防止処理層 26:外層側接着剤層 27:外層 2a:シール部
3:端子用樹脂フィルム 31:端子用熱融着性樹脂層 32:耐熱性絶縁層 33:包装材料用熱融着性樹脂層

Claims (3)

  1. 蓄電デバイスの金属端子の外周面の一部を覆う端子用樹脂フィルムであって、金属端子に接着する熱融着性樹脂層と、耐熱性絶縁層とを備えて構成され、かつ、次の条件1〜6を充足することを特徴とする端子用樹脂フィルム。
    条件1:蓄電デバイスが次の条件1a〜1cを充足すること。
    条件1a:蓄電デバイス本体、包装材料、端子用樹脂フィルムの三者を備えて構成されていること。
    条件1b:蓄電デバイス本体の上下面に配置した包装材料を蓄電デバイス本体の周囲で互いにシールして密封していること。
    条件1c:包装材料の前記シール面から前記金属端子が外部に延出しており、かつ、この金属端子と包装材料とが端子用樹脂フィルムを介してシールされていること。
    条件2:耐熱性絶縁層の厚さが、熱融着性樹脂層の厚さ以下であり、かつ、熱融着性樹脂層の厚さの0.1倍以上であること。
    条件3:端子用樹脂フィルムの総厚が15μm以上であること。
    条件4:端子用樹脂フィルムが熱融着性樹脂層と耐熱性絶縁層との二層構造であること。
    条件5:熱融着性樹脂層が次の条件5a〜5bを充足すること。
    条件5a:熱融着性樹脂層が融点120〜145℃、MFRが0.5〜15g/10minのポリオレフィンランダムコポリマーから成ること。
    条件5b:熱融着性樹脂層の厚さが9〜60μmであること。
    条件6:耐熱性絶縁層が次の条件6a〜6cを充足すること。
    条件6a:耐熱性絶縁層が端子用樹脂フィルムをヒートシールする際に、その絶縁性を維持できる耐熱性を有する樹脂であって、融点140〜165℃のポリプロピレン樹脂から成ること。
    条件6b:耐熱性絶縁層の厚さが6〜30μmであること。
  2. 前記金属端子と、この金属端子の外周面の一部を覆って配置された請求項1に記載の端子用樹脂フィルムとを備えることを特徴とするタブ。
  3. 請求項2に記載のタブを備えることを特徴とする蓄電デバイス。
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