JP6696663B1 - 衣料の上半身部 - Google Patents

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Abstract

前身頃が、左側には左抉り部を含み、右側には右抉り部を含む。左袖が前面に、前身頃の左抉り部に縫合された左縫合端部を含む。左縫合端部が前身頃の左抉り部に縫合される前では、左縫合端部の左右方向の幅が前身頃の左抉り部の深さよりも小さい。右袖が前面に、前身頃の右抉り部に縫合された右縫合端部を含む。右縫合端部が前身頃の右抉り部に縫合される前では、右縫合端部の左右方向の幅が前身頃の右抉り部の深さよりも小さい。左袖の背面と右袖の背面との間には、着用者の左右の肩甲骨が互いから離れることを阻む規制部が設けられている。

Description

本発明は、衣料の上半身部に関する。
着用者の上半身の少なくとも一部を覆うことができる衣料の上半身部が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2014−196587号公報
人は、スマートフォン等の携帯機器を操作するとき、携帯機器を持つ腕が自身の正面中央側へ回るように、肩が正しい姿勢での位置よりも自身の前方へ出る姿勢を取りやすい。「正しい姿勢」とは、具体的には、平坦面に起立している人を真横から見た場合、その人の首のつけ根、肩、ひじ、くるぶしがほぼ一直線上に位置する姿勢である。両肩が前方へ出る姿勢は、頻繁に繰り返され、または長時間連続して保持された場合、巻き肩、猫背といった体形の悪化を招きかねない。「巻き肩」とは、肩甲骨が左右に広がって肩が内側へ入った体形をいう。「猫背」とは、背骨が前後に湾曲して頭が前へ出た姿勢をいう。これらの体形は肩こり等の痛みの原因にもなり得る。
衣料には、着用者に正しい姿勢を保たせ、またはすでに悪化した着用者の姿勢を矯正する目的で、両袖の背面間の伸長力が強化されたものがある。強化された伸長力で、着用者の左右の肩甲骨が互いから離れることが阻まれるので、着用者は両肩が前方へ出る姿勢を取りづらい。しかし、その反面、伸長力が強化された領域とその他の領域との間での伸縮性の差に起因し、身頃と袖との間の境界では特に下側の領域が他の領域に引っ張られる。このような状態が長時間続くと、着用者の脇の下にはしわが発生し、脇の下に生地が食い込みやすい。その結果、着用者は不快感を覚えることが多い。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、両腕が正面中央側へ回るように両肩が前方へ出る姿勢を着用者に取らせづらくすると共に、着用者の脇の下におけるしわの食い込みを防ぐことができる衣料の上半身部の提供を目的とする。
本発明の一つの観点による衣料の上半身部は、前身頃と後身頃とを含む身頃、左袖、および右袖を備えている。前身頃は、左側には左抉り部を含み、右側には右抉り部を含む。左袖が前面に、前身頃の左抉り部に縫合された左縫合端部を含む。左縫合端部が前身頃の左抉り部に縫合される前では、左縫合端部の左右方向の幅が前身頃の左抉り部の深さよりも小さい。右袖が前面に、前身頃の右抉り部に縫合された右縫合端部を含む。右縫合端部が前身頃の右抉り部に縫合される前では、右縫合端部の左右方向の幅が前身頃の右抉り部の深さよりも小さい。左袖の背面と右袖の背面との間には、着用者の左右の肩甲骨が互いから離れることを阻む規制部が設けられている。
規制部は着用者の両肩で引っ張られると、反力として引張力を発生させて、着用者の左右の肩甲骨が互いから離れることを阻む。これにより、着用者は両肩が前方へ出る姿勢を取りづらい。一方、前身頃と両袖の前面との間の境界では左右両側の縫合端部と抉り部との間に引張力が生じ、着用者の脇の下で規制部の引張力と拮抗するので、衣料のうち着用者の脇の下に位置する領域が他の領域には引っ張られにくい。したがって、着用時間が長引いても着用者の脇の下にはしわが発生しにくく、脇の下に食い込む生地の量が少ない。その結果、着用者が衣料から受ける不快感を防ぐことができる。
規制部はたとえば、左右方向において20%伸長時に伸長力が45cN以上となる難伸長性の生地、または左右方向において45cNの伸長力を加えても伸長率が20%未満でしかない非伸長性の生地で構成されている。ここで、「伸長力」とは、約20℃(18℃〜22℃)の環境下において、幅2.5cm、長さ10cmの生地を定速伸長形引張試験機により、引張り速度30cm/分で長さ方向に伸長させるのに必要な力をいう。この明細書には、定速伸長形引張試験機として島津製作所製AGS−Xを用いて測定された伸長力の値が記載されている。
規制部が、後身頃のうち、後身頃と左袖との間の境界から後身頃と右袖との間の境界までに位置する領域を含んでいてもよい。すなわち、後身頃のこの領域と規制部が一体に構成されていてもよい。ここで、「一体に構成されている」とは、規制部の生地が後身頃の他の領域の生地に縫製で繋げられていることであっても、他の領域の生地と共に編まれていることであってもよい。これとは別に、規制部が、後身頃に付加された後身頃とは別の生地を含んでいてもよい。この生地は、左右両側の袖の背面と後身頃との間の境界に縫合されていてもよく、左右両側の袖の背面に縫合されていてもよい。
左抉り部の最深部が、前身頃の左肩部のうち最も左側の部分よりも右側に位置し、右抉り部の最深部が、前身頃の右肩部のうち最も右側の部分よりも左側に位置してもよい。前身頃と両袖の前面との間の境界で左右両側の縫合端部と抉り部との間に生じる引張力が、着用者の脇の下で規制部の引張力と更に拮抗しやすいので、衣料のうち着用者の脇の下に位置する領域が他の領域に更に引っ張られにくい。したがって、着用時間が長引いても着用者の脇の下にはしわが発生しにくく、脇の下に食い込む生地の量が少ない。その結果、着用者が衣料から受ける不快感を防ぐことができる。
左袖の前面と前身頃との間の縫合部分のうち、最も下方に位置する第1縫合点が、左袖の背面と身頃との間の境界のうち、最も下方に位置する第1最下点よりも上方に配置されていてもよい。右袖の前面と前身頃との間の縫合部分のうち、最も下方に位置する第2縫合点が、右袖の背面と身頃との間の境界のうち、最も下方に位置する第2最下点よりも上方に配置されていてもよい。第1縫合点と第1最下点との間の上下方向における最短距離は1cm以上20cm以下であってもよく、第2縫合点と第2最下点との間の上下方向における最短距離は1cm以上20cm以下であってもよい。これらの構成では、身頃と左右の袖との間の境界の下側、特にその後側にはしわが発生しにくいので、そのしわに伴って着用者の脇の下に食い込む生地の量が低減する。したがって、この食い込みに起因する着用者の不快感が抑制される。
左袖は左連繋部と難伸長領域とを有してもよい。左連繋部は左縫合端部を含み、かつ身頃の左側に繋がっている。難伸長領域は、左袖の長さ方向において20%伸長時に伸長力が45cN以上となる領域であり、少なくとも左連繋部の背面に広がっていてもよい。右袖は右連繋部と難伸長領域とを有してもよい。右連繋部は右縫合端部を含み、かつ身頃の右側に繋がっている。難伸長領域は、右袖の長さ方向において20%伸長時に伸長力が45cN以上となる領域であり、少なくとも右連繋部の背面に広がっていてもよい。左袖の難伸長領域は左連繋部の背面から前面にわたって広がっていてもよく、右袖の難伸長領域は右連繋部の背面から前面にわたって広がっていてもよい。これらの構成によれば、左右の袖の連繋部がいずれも、伸びに応じて強い引張力を発生させるので、いずれの連繋部も規制部の引張力をほとんど、または全く減殺しない。その結果、着用者の左右の肩甲骨、上腕上部、および肩の前方への移動をより効果的に阻止することができる。
左袖と右袖とは難伸長領域に代えて非伸長領域を有してもよい。非伸長領域は、各袖の長さ方向に45cN以上の伸張力をかけても伸長率が20%未満でしかない領域である。左袖の非伸長領域は少なくとも左連繋部の背面に広がっていてもよく、右袖の非伸長領域は少なくとも右連繋部の背面に広がっていてもよい。左袖の非伸長領域は左連繋部の背面から前面にわたって広がっていてもよく、右袖の非伸長領域は右連繋部の背面から前面にわたって広がっていてもよい。これらの構成によれば、左右の袖の連繋部がいずれもほとんど伸びない、または実質上伸びないので、いずれの連繋部も規制部の引張力をほとんどまたは全く減殺しない。その結果、着用者の左右の肩甲骨、上腕上部、および肩の前方への移動をより効果的に阻止することができる。
本発明の上記の観点による衣料の上半身部では、着用者の左右の肩甲骨が互いから離れることを規制部が阻むので、着用者は両肩が前方へ出る姿勢を取りづらい。一方、前身頃と両袖の前面との間の境界では左右両側の縫合端部と抉り部との間の引張力により、着用者の脇の下にはしわが発生しにくく、脇の下に食い込む生地の量が少ない。このように本発明による衣料の上半身部は、両腕が正面中央側へ回るように両肩が前方へ出る姿勢を着用者に取らせづらくすると共に、着用者の脇の下におけるしわの食い込みを防ぐことができる。
本発明の実施形態1による衣料の上半身部の正面図である。 図1が示す衣料の上半身部の背面図である。 図1が示す前身頃と図2が示す後身頃とのうち、左袖ぐり118の近傍を示す部分展開図である。 図1が示す前身頃と左袖とのうち、左袖ぐりの近傍を示す部分展開図である。 図2が示す後身頃と左袖とのうち、左袖ぐりの近傍を示す部分展開図である。 本発明の実施形態2による衣料の上半身部の背面図である。 本発明の実施形態2による衣料の上半身部の第1変形例の背面図である。 本発明の実施形態2による衣料の上半身部の第2変形例の背面図である。 本発明の実施形態2による衣料の上半身部の第3変形例の背面図である。 本発明の実施形態2による衣料の上半身部の第4変形例の背面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
《実施形態1》
図1、図2はそれぞれ、本発明の実施形態1による衣料の上半身部100の正面図、背面図である。なお、本明細書では、衣料の上半身部100の着用者を基準にして左右方向を定める。たとえば、「左方向」は、図1では右方向に描かれ、図2では左方向に描かれる。
衣料の上半身部100は、着用者の体幹上部および両上腕を包み込むように構成されている。衣料の上半身部100には、肌着として着用されるインナーウェアと、中衣もしくは上着として着用されるアウターウェアとがある。実態形態1による衣料の上半身部100は、半袖のシャツである。
衣料の上半身部100は、身頃110、120、左袖130、および右袖140を備えている。身頃110、120は太い筒状であり、着用者の体幹上部を包むように構成されている。身頃は前身頃110および後身頃120を含む。前身頃110は、身頃のうち着用者の体幹上部の前面(胸と腹)に対向する部分であり、その前面のほぼ全体を覆う。後身頃120は、身頃のうち着用者の体幹上部の背面(背中)に対向する部分であり、その背面の全体を覆う。前身頃110と後身頃120とはいずれも形状が左右対称である。左袖130は身頃の左側に、右袖140は身頃の右側に、それぞれ設けられている。両袖130、140はいずれも細い筒状であり、着用者の左右の上腕上部を包むように構成されている。両袖130、140は長さ方向(図1が示す矢印LDL、RDLの方向)のサイズが自由に設定可能である。実施形態1では、両袖130、140は半袖に設定されている。その他に、両袖130、140は長袖でも七分袖であってもよい。
なお、衣料の上半身部100の身頃は、前身頃110と後身頃120との2パーツに代えて、前身頃、左右の脇身頃、および後身頃の4パーツで構成されていてもよい。この場合に本発明が適用されるには、脇身頃が前身頃の一部とみなされればよい。
前身頃110と後身頃120とは、左脇113、右脇114、および肩115で縫合されている。これにより身頃は、襟ぐり116、裾117、左袖ぐり118、および右袖ぐり119を含む。襟ぐり116は、身頃が成す筒形の上側の開口部に相当し、裾117は下側の開口部に相当する。左袖ぐり118は、身頃の左上側に開けられた穴の縁であり、右袖ぐり119は、身頃の右上側に開けられた穴の縁である。左袖ぐり118には左袖130の基端部、すなわち袖山が縫合され、右袖ぐり119には右袖140の袖山が縫合されている。
前身頃110を構成する生地は伸縮性であっても、非伸縮性であってもよい。一方、後身頃120を構成する生地は伸縮性である。ただし、後身頃120のうち、左袖130と右袖140との間の領域128(図2が示す密なドット領域参照。)は、難伸長性または非伸長性の生地で構成されている。「難伸長性」とは、生地が伸びにくいこと、具体的には、左右方向において20%伸長時に生地の伸長力が45cN以上となることをいう。「非伸長性」とは、生地がほとんど伸びない、または実質上伸びないこと、具体的には、左右方向において45cNの伸長力を加えても生地の伸長率が20%未満でしかないことをいう。生地の難伸長性または非伸長性により、この領域128は後身頃120の他の領域と比べ、外からの引張力に対する反力が強い。この領域128を、以下、「規制部」と呼ぶ。規制部128は、後身頃120のうち、左脇113と右脇114とを左右方向に最短距離で結ぶ直線LVLよりも上方に位置する。規制部128の左側には左袖130の背面132が縫合され、右側には右袖140の背面142が縫合されている。これにより、規制部128は、着用者の左右の肩甲骨が互いから離れることを阻むことができる。
なお、規制部は後身頃120のうち、左袖130の背面132と右袖140の背面142との間の領域128に限らず、それよりも広い領域、更には後身頃120全体で構成されていてもよい。
図3は、前身頃110と後身頃120とのうち、左袖ぐり118の近傍を示す部分展開図である。なお、右袖ぐり119の近傍の部分展開図は、図3の左右を反転させた図に等しい。したがって、以下では左袖ぐり118について説明する。その説明は右袖ぐり119についても援用される。
前身頃110と後身頃120との間の縫合が解かれると、左袖ぐり118は前部310と後部320とに分かれる。左袖ぐり118の前部310は前身頃110の左上側(図3では右上側)に位置し、左抉り部311と左脇上部312とを含む。左抉り部311は、前身頃110の左上角を抉り取った跡のような曲線形状であり(図3参照。)、左袖130の前面131と縫合される。左脇上部312は、身頃の左脇113の上端を構成する部分であり、左袖130の背面132と縫合される。左袖ぐり118の後部320は後身頃120の左上側に位置し、後身頃120の左上角を抉り取った跡のような曲線形状であり(図3参照。)、その全体が左袖130の背面132と縫合される。
左袖ぐり118の前部310は左袖130の前面131と背面132との両方に縫合され、後部320は左袖130の背面132にのみ縫合される。この違いにより、図2が示すように、左袖130の前面131と前身頃110との間の縫合部分の最下点STPが、左袖130の背面132と身頃110、120との間の境界の最下点LWPよりも、距離LUPだけ上方に配置される。この距離LUPは好ましくは1cm以上20cm以下である。この距離LUPにより、規制部128の引張力が左袖130の前面131と前身頃110との間の縫合部分の最下点STPに直接的には作用しない。その結果、その最下点STPの近傍、すなわち着用者の左脇の下側、特にその後側では、生地の引張力の方向による強さの偏りが比較的小さく抑えられるので、しわが発生しにくい。したがって、そのしわに伴って着用者の脇の下に食い込む生地の量が低減する。
図4は、前身頃110と左袖130とのうち、左袖ぐり118の近傍を示す部分展開図である。図5は、後身頃120と左袖130とのうち、左袖ぐり118の近傍を示す部分展開図である。なお、右袖ぐり119の近傍の部分展開図は、図4、図5の左右を反転させた図に等しい。したがって、以下では、左袖ぐり118と左袖130とについて説明する。その説明は右袖ぐり119と右袖140とについても援用される。
左袖130は、袖上部410と袖下部420とが筒状に縫合された構造である。袖上部410は左袖130の前面131の全体と背面132の上部とを成し、袖下部420は左袖130の背面132の下部を成す。図2には、袖上部410と袖下部420との間の縫合線430が示されている。この縫合線430は左袖130の背面132を左袖130の長さ方向に沿って袖口133まで伸びている。もう1本の縫合線は左袖130の袖下134に沿って伸びている。
左袖130の袖上部410の前縫合端部411(以下、「左縫合端部」と略す。)が前身頃110の左抉り部311に縫合され、左袖130の袖下部420の前縫合端部421が前身頃110の左脇上部312に縫合される(図4参照)。特に、左縫合端部411の両端LP1、LP2が左抉り部311の両端LP3、LP4に縫合される。実施形態1では更に、左縫合端部411の周長d2が左抉り部311の周長d3に等しく設定される:d2=d3。なお、これらの周長d2、d3は、伸ばし縫い等により適切に縫合を実行できる値であればよく、特に、互いに異なる値であってもよい。
左袖130の残りの端部412−415、422−425は次のように縫合される。左袖130の袖上部410の後縫合端部412と袖下部420の後縫合端部422とは、後身頃120の後部320に縫合される(図5参照)。袖上部410の袖下端部414と袖下部420の袖下端部424とが互いに縫合され、左袖130の袖下134を形成する(図1、図2参照)。袖上部410の袖縫合端部415と袖下部420の袖縫合端部425とが互いに縫合され、左袖130の縫合線430を形成する(図2参照)。以上の結果、袖上部410の袖口端413と袖下部420の袖口端423とが左袖130の袖口133を形成する。
左抉り部311のうち、前身頃110の左右方向における中心線CLN(図1参照。)に最も近い部分MDPを「最深部」と呼ぶ。図4が示すとおり、左抉り部311の最深部MDPは前身頃110の左肩115のうち最も左側の部分、すなわち左抉り部311の上端LP3よりも距離d1(たとえば、d1=1cm〜2cm。)だけ右側(図4では左側)に位置する。左抉り部311のこのような大きな曲がりに対し、左袖130の左縫合端部411は曲がりが小さい。すなわち、左袖130が前身頃110に縫合される前では左縫合端部411の左右方向の幅d4が左抉り部311の深さd5よりも小さい:d4<d5。ここで、左縫合端部411の左右方向の幅d4は、左縫合端部411の両端LP1、LP2を結ぶ直線LN1から左縫合端部411までの距離の最大値であり、左抉り部311の深さd5は、左抉り部311の両端LP3、LP4を結ぶ直線LN2から最深部MDPまでの距離である。このような寸法の設定により、左袖130が前身頃110に縫合された後では、左袖130の前面に、前身頃110へ向かう方向の引張力が生じる。この引張力が左袖130の脇下部分、特にその前側で、規制部128(図2参照。)からの引張力と拮抗し、しわの発生を防ぐ。こうして、そのしわに伴って着用者の脇の下に食い込む生地の量が低減する。
左袖130は左連繋部(袖山ともいう。)135、136を含む。左連繋部135、136は、左袖130のうち、着用者の左肩を覆う部分である。左連繋部135、136は特に左縫合端部411を含む。左連繋部のうち、前面135(図1が示す粗いドット領域参照。)は左袖130の袖上部410のみで構成され、背面136(図2が示す粗いドット領域参照。)は左袖130の袖上部410の一部と袖下部420とで構成されている。
左袖130のうち少なくとも左連繋部の背面136は難伸長領域、または非伸長領域である。「難伸長領域」とは、生地が伸びにくい領域、具体的には、左袖130の長さ方向LDLにおいて45cN以上600cN以下の伸長力を加えると20%伸長する領域をいう。この伸長力は、左袖130の長さ方向の20%伸長時に60cN以上500cN以下となるものが好ましく、左袖130の長さ方向の20%伸長時に80cN以上400cN以下となるものがより好ましい。「非伸長領域」とは、生地がほとんど、または実質上伸びない領域、具体的には、左袖130の長さ方向LDLに45cNの伸長力を加えても伸長率が0%から20%未満まででしかない領域をいう。好ましくは、非伸長領域は、左袖130の長さ方向LDLに45cNの伸長力を加えても伸長率が0%から10%未満まででしかない領域である。左袖130の難伸長領域、または非伸長領域は、左連繋部の背面136から前面135にわたって広がっていてもよい。これらの構成によれば、左連繋部の少なくとも背面136が外からの引張力に対して強い反力を発生させるので、左連繋部135、136が規制部128の引張力をほとんど、または全く減殺しない。その結果、着用者の左の肩甲骨、上腕上部、および肩の前方への移動をより効果的に阻止することができる。右袖140についても同様である。
《実施形態2》
本発明の実施形態1による衣料の上半身部100では、後身頃120の規制部128が後身頃120の他の領域と一体に編み込まれている。しかし、これに限らず、規制部は、後身頃120に付加された別の生地で構成されていてもよい。
図6は、本発明の実施形態2による衣料の上半身部500の背面図である。この上半身部500は、実施形態1によるもの100とは異なり、長袖のシャツである。なお、この上半身部500は半袖でも七分袖であってもよい。この上半身部500では更に、後身頃520の全体が前身頃510と同程度の伸縮性を有する一方、規制部528が、後身頃520に付加された別の生地で構成されている。規制部528の生地は難伸長性、または非伸長性である。規制部528の生地は左右方向に長い矩形状であり、左右方向の両端523、524が左右両側の袖530、540の背面532、542と後身頃520との間の境界521、522に縫合されている。このような規制部528が後身頃520に付加されているので、着用者の左右の肩甲骨が互いから離れることは阻止される。すなわち、左右の上腕上部が正面中央側へ回るように左右の肩が前方に出る姿勢を、着用者は取りづらい。その結果、巻き肩または猫背といった悪い姿勢を着用者が取ることが効果的に抑制される。さらに、すでに体形が悪化した着用者の姿勢を矯正させる効果が高められる。
図7が示すように、規制部528の生地の両端523、524は左右両側の袖530、540の背面532、542に縫合されていてもよい。図8が示すように、規制部528の生地の両端523、524はそれぞれ、左袖ぐり521、右袖ぐり522と交差して、左右両側の袖530、540の背面532、542と後身頃520との両方に縫合されていてもよい。図9が示すように、規制部528の左側は左袖ぐり521から左袖530の背面532へ広がり、左袖530の下側から前面に達していてもよい。同様に、規制部528の右側は右袖ぐり522から右袖540の背面542へ広がり、右袖540の下から前面に達していてもよい。規制部は単一の生地が付加されたものには限られず、複数枚の生地から構成されていてもよい。図10が示すように、規制部には、2枚の帯状の生地568、578が交差するように付加されていてもよい。これら568、578は、互いに平行に配置されてもよい。
上述の教示を考慮すれば、本発明が多くの変更形態および変形形態をとり得ることは明らかである。したがって、本発明が、添付の特許請求の範囲内において、本明細書に記載された以外の方法で実施され得ることを理解されたい。
100 衣料の上半身部
110 前身頃
113 左脇
114 右脇
115 肩
116 襟ぐり
117 裾
118 左袖ぐり
119 右袖ぐり
120 後身頃
128 規制部
130 左袖
131 左袖の前面
132 左袖の背面
133 左袖の袖口
134 左袖の袖下
135 左連繋部の前面
136 左連繋部の背面
140 右袖
310 左袖ぐりの前部
311 左抉り部
312 左脇上部
320 左袖ぐりの後部

Claims (10)

  1. 前身頃と後身頃とを含む身頃、左袖、および右袖を備える衣料の上半身部であって、
    前記前身頃が、左側には左抉り部を含み、右側には右抉り部を含み、
    前記左袖が前面に、前記前身頃の左抉り部に縫合された左縫合端部を含み、前記左縫合端部が前記前身頃の左抉り部に縫合される前では、前記左縫合端部の左右方向の幅が前記前身頃の左抉り部の深さよりも小さく、
    前記右袖が前面に、前記前身頃の右抉り部に縫合された右縫合端部を含み、前記右縫合端部が前記前身頃の右抉り部に縫合される前では、前記右縫合端部の左右方向の幅が前記前身頃の右抉り部の深さよりも小さく、
    前記左袖の背面と前記右袖の背面との間には、着用者の左右の肩甲骨が互いから離れることを阻む規制部が設けられている、
    衣料の上半身部。
  2. 前記規制部が、前記後身頃のうち、前記後身頃と前記左袖との間の境界から前記後身頃と前記右袖との間の境界までに位置する領域を含む、請求項1に記載の衣料の上半身部。
  3. 前記規制部が、前記後身頃に付加された前記後身頃とは別の生地を含む、請求項1に記載の衣料の上半身部。
  4. 前記左抉り部の最深部が前記前身頃の左肩のうち最も左側の部分よりも右側に位置し、前記右抉り部の最深部が前記前身頃の右肩のうち最も右側の部分よりも左側に位置する、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の衣料の上半身部。
  5. 前記左袖の前面と前記前身頃との間の縫合部分のうち、最も下方に位置する第1縫合点が、前記左袖の背面と前記身頃との間の境界のうち、最も下方に位置する第1最下点よりも上方に配置され、
    前記右袖の前面と前記前身頃との間の縫合部分のうち、最も下方に位置する第2縫合点が、前記右袖の背面と前記身頃との間の境界のうち、最も下方に位置する第2最下点よりも上方に配置されている、
    請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の衣料の上半身部。
  6. 前記第1縫合点と前記第1最下点との間の上下方向における最短距離は1cm以上20cm以下であり、
    前記第2縫合点と前記第2最下点との間の上下方向における最短距離は1cm以上20cm以下である、
    請求項5に記載の衣料の上半身部。
  7. 前記左袖は、
    前記左縫合端部を含み、かつ前記身頃の左側に繋がっている左連繋部と、
    前記左袖の長さ方向において20%伸長時に伸長力が45cN以上となる難伸長領域と
    を有し、
    前記左袖の難伸長領域は、少なくとも前記左連繋部の背面に広がっており、
    前記右袖は、
    前記右縫合端部を含み、かつ前記身頃の右側に繋がっている右連繋部と、
    前記右袖の長さ方向において20%伸長時に伸長力が45cN以上となる難伸長領域と
    を有し、
    前記右袖の難伸長領域は、少なくとも前記右連繋部の背面に広がっており、
    請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の衣料の上半身部。
  8. 前記左袖の難伸長領域は、前記左連繋部の背面から前面にわたって広がっており、
    前記右袖の難伸長領域は、前記右連繋部の背面から前面にわたって広がっている、
    請求項7に記載の衣料の上半身部。
  9. 前記左袖は、
    前記左縫合端部を含み、かつ前記身頃の左側に繋がっている左連繋部と、
    前記左袖の長さ方向に45cN以上の伸張力をかけても伸長率が20%未満でしかない非伸長領域と
    を有し、
    前記左袖の非伸長領域は、少なくとも前記左連繋部の背面に広がっており、
    前記右袖は、
    前記右縫合端部を含み、かつ前記身頃の右側に繋がっている右連繋部と、
    前記右袖の長さ方向に45cN以上の伸張力をかけても伸長率が20%未満でしかない非伸長領域と
    を有し、
    前記右袖の非伸長領域は、少なくとも前記右連繋部の背面に広がっている、
    請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の衣料の上半身部。
  10. 前記左袖の非伸長領域は、前記左連繋部の背面から前面にわたって広がっており、
    前記右袖の非伸長領域は、前記右連繋部の背面から前面にわたって広がっている、
    請求項9に記載の衣料の上半身部。
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