JP2019183325A - 機能パンツ - Google Patents

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Abstract

【課題】 腰を屈めたとき、装着者の局部を圧迫せず、快適に作業を行うことができる機能パンツを提供すること。【解決手段】本件発明の機能パンツは、股部において、左右の前身頃同士を縫合する前股ぐり縫合線と、左右の後見頃同士を縫合する前股ぐり縫合線と、前記前身頃と前記後身頃とを縫合する左右の内股縫合線との間に縫合される、少なくとも前記股ぐり縫合線方向に伸縮する股部伸縮部を有し、該股部伸縮部は平面形状に、左右の前記前身頃と前記後身頃身頃の接合線のそれぞれの端部を結んだ線を幅線とし、該幅線の中央点で直行する線を厚み線とした場合、前記厚み線の前記交差点から前記前股ぐり縫合線の端部までの第一の長さが、前記厚み線の前記交差点から前記後股ぐり縫合線の端部までの第二の長さよりも長いことを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、装着者が前屈み作業を行うに際し男性の局部を圧迫しない、作業時の快適性に優れた機能パンツに関するものである。
従来より、頻繁に歩行、開脚、屈伸などを行う作業者が楽になるような作業性能を向上させる機能パンツが提案されてきた。例えば、次の公報には、股部のマチの形状を工夫することにより、開脚した際に股部に生地のたるみや突っ張りが生じない形状を提供している。
実開2001-192909号
作業者が地面にある荷物を持ち上げる場合は、膝を曲げ、上半身を前方に倒し前屈み状態となる。このように腰を屈める作業を行う際には、背中にかかるベルト部が腰部及び臀部の生地を押し上げ、結果として股部のマチを引っ張ることになる。すると、たとえ従来技術のような、開脚作業時に自由度を与えるためのマチがあったとしても、股部の前身頃側が、臀部側に直線的に引っ張られて突っ張ってしまい、作業員の局部を圧迫し、不快感を与えることになる。
一方、マチの前方に余裕を持たせて突っ張ることを防止すると、直立した場合に、不必要に股部にしわ今度は余分なしわが生じてしまい、作業員の動きによっては逆に装着者に不快感を与えてしまい、好ましくないことは、同公報の従来の技術において指摘される通りである(上記公報0006段、0007段参照)。
そこで、本発明は、屈伸作業を行っても作業員の局部を圧迫せず、作業を快適に行うことができる機能パンツを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の機能パンツの代表的な構成は、パンツの股部において、左右の前身頃同士を縫合する前股ぐり縫合線と、左右の後見頃同士を縫合する前股ぐり縫合線と、前記前身頃と前記後身頃とを縫合する左右の内股縫合線との間に縫合される、少なくとも前記股ぐり縫合線方向に伸縮する股部伸縮部を有し、該股部伸縮部は平面形状に、左右の前記前身頃と前記後身頃身頃の接合線のそれぞれの端部を結んだ線を幅線とし、該幅線の中央点で直行する線を厚み線とした場合、前記厚み線の前記交差点から前記前股ぐり縫合線の端部までの第一の長さが、前記厚み線の前記交差点から前記後股ぐり縫合線の端部までの第二の長さよりも長いことを特徴とする。
本発明によれば、装着する作業員が男性であり、腰を屈める作業を行った場合でも、前身頃側により大きく張り出し、かつ前後方向に伸縮性のある股部伸縮部によって、男性の局部に合わせて股部伸縮部が伸縮し、局部を圧迫することがないため、屈伸作業を快適に行うことができる機能パンツを提供することができる。
本発明の第1実施形態の機能ズボンの正面図である。 同第1実施形態の機能ズボンの背面図である。 同第1実施形態の各伸縮部を構成する生地の形状を示す説明図である。 同第1実施形態の股部伸縮部の作用を説明する説明図である。 同第1実施形態の機能ズボンの、屈伸作業時の機能を説明する説明図である。 本発明の股部伸縮部の形状バリエーションを示す説明図である。
本発明の機能ズボンの第1実施形態の構造を、図1乃至図3を用いて以下に説明する。図1は機能ズボンの正面図であり、図2は機能ズボンの背面図であり、また、図3は同機能ズボンにおいて伸縮部として使用される生地の形状を示す説明図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の機能ズボン1は左右の前身頃2、3を縫合する前股ぐり縫合線6を有し、左右の後身頃4、5を縫合する後股ぐり縫合線7を有する。また、左前身頃2と左後身頃4、右前身頃5と右前身頃3を、それぞれ縫合する内股縫合線8、9と側縫合線10、11とを有する。
また、機能ズボン1は、左右の脚部1a、1b間の股部1cには、左右の前身頃2、3、左右の後身頃4、5との間に、前身頃と後身頃のマチとなる股部伸縮部15を取り付けている。また、背面において臀部1dとベルト部1eとの間の腰部1fに左右の後身頃4、5を跨ぐように腰部伸縮部16を取り付けている。また、さらに、左右それぞれの側部1g、1gにおいて、左前身頃2と後身頃4、右の前身頃3と後身頃5との間に側部伸縮部17、17を取り付けている。
図3に、それぞれの伸縮部15乃至17の生地の形状を示す。これら各伸縮部15乃至17の生地の素材は、ニットまたは伸縮性糸で織られた織物のように全方向に伸縮可能なポリエステルなどの合成繊維製素材であるが、後述するように、特定方向により大きな伸縮率を有する。
図3(a)は股部伸縮部15の生地の形状を示す。本実施形態の股部伸縮部15は、3つの頂点15A、15B、15Cを有する二等辺三角形の形状を有し、身頃2乃至5と縫い合わせて露出する領域15aと、その周囲所定幅の縫い代15bを有する。
この股部伸縮部15を機能パンツ1の一部として縫合した場合、頂点15Aは前股ぐり縫合線6の点部に位置し、また、頂点15B、15Cのそれぞれは内股縫合線8、9の端部に位置しする。頂点15B、頂点15Cを結ぶ線分を幅線Wとし、また、同幅線Wの中央点Cを交差点として、この中央点Cより頂点15Aとを結ぶ線分を厚み線Tとする。股部伸縮部15は、この厚み線Tと平行な方向に、他方向より大きな伸縮率を有する。
この厚み線Tのうち、中央点Cと機能ズボン1に縫い込んだ際の前股ぐり縫合線6の端部、すなわち頂点15との距離を第一の長さL1とし、中央点Cと後股ぐり縫合線7の端部との距離を第二の長さL2とする。本実施形態では、幅線Wが二等辺三角形の底辺と一致するため、第二の長さL2は実質的にゼロとなるが、厚み線Tにおいて、第一の長さL1は第二の長さL2よりも長く、作業者の局部により確実に当たるように構成している。
図3(b)は、腰部伸縮部16の生地の形状を示す。本実施形態の腰部伸縮部16は帯状の生地であって、左右の後身頃3、5に縫い合わせて露出する領域16aと、その周囲に所定幅で設けられる縫い代16bとを有する。特に、腰部伸縮部16の中央部の幅が両側に比べて大きくなっているため、伸縮幅がより大きくなる。
図3(c)は、一対の側部伸縮部17、18の生地の形状を示す。両者ともくの字形状の帯体であって、左右の前身頃2、3と左右の後身頃4、5に縫い合わせて露出する領域17a、18aと、その周囲に所定幅で設けられる縫い代17b、18bとを有する。
図4を用いて、股部伸縮部15の作用を説明する。図4(a)は、装着者が開脚した状態の機能ズボン1の底面図であり、図4(b)は、装着者が膝を曲げて屈んだ状態の機能ズボン1の底面図である。
図4(a)に示すように、股部伸縮部15は、前股ぐり縫合線6の端部に頂点15Aを、内股縫合線8、9のそれぞれの端部に頂点15B、15Cを配置した三角形状を有する。そして、頂点15B、15Cを結んだ線が幅線Wとなり、該幅線の中央点cで直行し、頂点15Aへ連続する線が厚み線Tとなる。
股部伸縮部15は三角形状を有するため、左右の内股縫合線8、9を結ぶ幅線Wは三角形の股部屈曲部15の底辺と一致する。このため、股部伸縮部15は前身頃2、3側に張り出し、装着者の局部を覆う。
次に、図4(b)に示すように、装着者がひざを折り、上半身を前方に傾斜させるように腰を屈めた場合、背中が丸まって機能ズボン1の腰部1fが引っ張られるため、臀部1dの後股ぐり接合線7に沿って、股部伸縮部15が引き延ばされることとなる。
股部伸縮部15は、上述のように前方に張り出す三角形状を有するため、後股ぐり接合線7の延長部分が最も幅を有しているため伸縮代が大きい。このため、機能ズボン1の腰部1fにより引っ張られても、股部伸縮部15は十分に伸びて局部を圧迫することはない。
図5を用いて、股部浸食部15と他の伸縮部16、17との連携作用を説明する。図5(a)は装着者が直立している状態の機能ズボンの側面図、図5(b)は装着者が腰を屈めた状態の機能ズボンの側面図である。
図4(a)に示すように、装着者が直立している状態では、股部伸縮部15、腰部伸縮部16、左右の側部伸縮部17,18には、負荷がかからず、図3に示す生地形状を維持している。この際、機能ズボン1の股部1cの股部伸縮部15と腰部1fの腰部伸縮部16とは、装着者の股関節の回転中心Xを挟んで両側に位置する。
次に、図4(b)に示すように、装着者が上半身を前方に傾けるように腰を屈めると、股関節の回転中心Xを中心に、機能ズボン1の腰部1fが装着者に固定されるベルト部1eが回動し、腰部1fが上方に引っ張られ、腰部伸縮部16が機能パンツ1の上下方向に伸張する。
そして、装着者がさらに腰を屈めると腰部伸縮部16で吸収できなかった腰部1fへの負荷は、臀部1dを介して、股部1cにかかることになる。そして、この負荷は後股ぐり縫合線7方向に股部伸縮部15を伸張させる。
この際、前身頃2、3側に突出する股部伸縮部15は、装着者の局部を包み込むように伸張するため、装着者の局部を圧迫することがなく、快適に作業を行うことができる。特に、股部伸縮部15と腰部伸縮部16とは股関節の回転中心Xを挟んで反対側に位置するために、それぞれの伸縮部15、16が機能パンツ1の股部1cからベルト部1eにかけての円弧状の伸張を離れた位置で分散して吸収することができる。
また、装着者が腰を屈めた際に、装着者の胴回りが増加しても、側部伸縮部17、18も前後方向に伸張し、その増加を吸収するために、装着者の胴部への圧迫感を減少させることができる。
(股部伸縮部の他の形状バリケーション)
図6に本実施形態とは別の、他の股部伸縮部の形状バリエーションを示す。図6(a)は、V字型形状を有する股部屈伸部の生地であり、図6(b)は、四角形状を有する股部屈伸部の生地である。
図6(a)に示す、股部伸縮部20は、内股縫合線の端部に一致する頂点20B、20C間の中央部が前股ぐり縫合線の端部に一致する頂点部20A側に前進して頂点20Dを構成しており、頂点20B、20C間の辺が前身頃側に張り出して全体としてV字形状を有する。
このバリエーションの股部伸縮部20においては、頂点20B、20Cを直線で結ぶ幅線Wは、股部屈伸部20の後身頃側の底辺に一致しない。また、幅線Wに中央点Cで直行する厚み線Tにおいて、中央点Cから前身頃側の頂点20Aまでの第一の長さL1の長さは、中央点Cから後身頃側の頂点20Dまでの第二の長さL2より大きい。
次に図6(b)に示す、股部伸縮部21は、頂点21B、21C間の中央部が、後身頃側に後退して頂点21Dを構成しており、全体として四角形状を有する。
この股部伸縮部21においては、頂点21B、21Cを結ぶ幅線Wは、股部屈伸線21の底辺に一致しない。また、幅線Wに中央点Cで直行する厚み線Tにおいて、中央点Cから前身頃側の頂点21Aまでの長さL1の長さは、中央点Cから後身頃側の頂点21Dまでの長さL2より大きい。
このバリエーションの股部伸縮部21においても、幅線Wに中央点Cで直行する厚み線Tにおいて、中央点Cから前身頃側の頂点21Aまでの第一の長さL1の長さは、中央点Cから後身頃側の第二の頂点21Dまでの長さL2より大きい。
以上、図6に示すバリエーションにおいても、股部伸縮部20、21は、前身頃側に突出しており、この部分が装着者の局部を覆って、腰を屈めた際に前身頃側がより大きく伸張し、局部を圧迫することはない。また、前身頃側に配置されることにより、股関節の回転中心Xに対して腰部伸縮部16と反対側に位置するために、機能パンツ1の伸張を分散させることができる。
また、図6に示すバリエーション以外に、他の構成も可能である。例えば、股部伸縮部は、図3(a)、図6(a)、(b)に示した三角形状、V字形状、四角形状の他、厚み線方向において、後身頃側の長さより、前身頃側の長さが大きい形状であればよく、例えば楕円形状など多様な形状を採用することができる。また、三角形状、四角形状は、輪郭が曲線で構成されてもよい。
また、腰部伸縮部や側部伸縮部も、図3(b)、(c)に示した形状以外に、多様な形状を選択することができるのはもちろんである。
さらに、本実施形態の各伸縮部はそれぞれ特定方向の伸縮率を他の方向の伸縮率より高く設定したが、多方向に均等な伸縮率を用いる生地を使用してもよい。
なお、股部伸縮部と腰部伸縮部との位置関係について、両者が股関節の回転中心に対して反対に位置する、あるいは両側に位置するとは、少なくともそれぞれの一部が対称位置にあることが望ましい。
1 機能パンツ
1a、2b 脚部
1c 股部
1d 臀部
1e ベルト部
1f 腰部
1g 側部
2 左前身頃
3 右前身頃
4 左後身頃
5 右後身頃
6 前股ぐり縫合線
7 後股ぐり縫合線
8 左内股縫合線
9 右内股縫合線
15、20、21 股部伸縮部
16 腰部伸縮部
17、18 側部伸縮部
W 幅線
T 厚み線
C 中央点(幅線と厚み線の交差点)
X 股関節の回転中心

Claims (8)

  1. パンツの股部において、左右の前身頃同士を縫合する前股ぐり縫合線と、左右の後見頃同士を縫合する前股ぐり縫合線と、前記前身頃と前記後身頃とを縫合する左右の内股縫合線との間に縫合される、少なくとも前記股ぐり縫合線方向に伸縮する股部伸縮部を有し、該股部伸縮部は平面形状に、左右の前記前身頃と前記後身頃身頃の接合線のそれぞれの端部を結んだ線を幅線とし、該幅線の中央点で直行する線を厚み線とした場合、前記厚み線の前記交差点から前記前股ぐり縫合線の端部までの第一の長さが、前記厚み線の前記交差点から前記後股ぐり縫合線の端部までの第二の長さよりも長いことを特徴とする機能パンツ。
  2. 請求項1記載の機能パンツであって、前記股部伸縮部は前記後身頃との縫合線と前記幅線を一辺とする三角形状を有することを特徴とする機能パンツ。
  3. 請求項1記載の機能パンツであって、前記股部伸縮部の左右の内股縫合線の端部を結ぶ辺は、前記前身頃側に張り出し、V字型形状を有することを特徴とする機能パンツ。
  4. 請求項1記載の機能パンツであって、前記厚み線の第二の長さはプラス値であり、前記股部伸縮部は四角形状を有することを特徴とする機能パンツ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか記載の機能パンツであって、さらに該機能パンツは前記股部とウエスト部との間に、少なくとも前記機能パンツの上下方向に伸縮する腰部伸縮部を有することを特徴とする機能パンツ。
  6. 請求項5記載の機能パンツであって、前記股部伸縮部と前記伸縮部とは、前記機能パンツを装着した場合に装着者の股関節の回転中心に対して反対側に配置されることを特徴とする機能パンツ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか記載の機能パンツであって、さらに腰部側面において前記前身頃と前記後身頃の間に、少なくとも前記機能パンツの前後方向に伸縮する側部伸縮部を有することを特徴とする機能パンツ。
  8. パンツの股部において、左右の前身頃同士を縫合する前股ぐり縫合線と、左右の後見頃同士を縫合する前股ぐり縫合線と、前記前身頃と前記後身頃とを縫合する左右の内股縫合線の間に縫合される、少なくとも前記股ぐり縫合線方向に伸縮する股部伸縮部を有し、該股部伸縮部は平面形状において前記前股ぐり縫合線の端部と左右の内股縫合線の端部を頂点とする三角形状を有することを特徴とする機能パンツ。
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