JP6693751B2 - レーザーマーキング装置の較正方法 - Google Patents
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Description
この従来技術によれば、レーザー装置から発せられるレーザー光によって印画媒体の表層部を変質させて、該印画媒体の表面に、例えば、白黒写真や、文字、模様、ロゴマーク等、様々な画像を印画することができ、特に、前記レーザー装置の出力を適宜に調整すれば、濃淡変化を有するグレースケール画像(例えば、白黒の顔写真等)を高精度にレーザーマーキング(印画)することができる。このようなレーザー装置では、入力画像データの濃淡変化に対し、実際に印画される出力画像の濃淡変化は必ずしも直線的な比例関係にないため、前記関係を直線的な比例関係にするガンマ補正を行い、この補正値に応じてレーザー装置の出力を調整する場合がある。
そこで、例えば特許文献2に記載されるプリンタの較正方法をレーザーマーキング装置に応用することが提案される。前記較正方法では、複数の較正用画像が印刷された較正用カラーマトリックスチャートに対し、参照用画像と開口部とを横に並べた参照用シートを重ね合わせ、前記参照用画像と、開口部を介して目視される較正用画像とを比較し、この比較により得られた情報に基づいて、プリンタを較正するようにしている。
レーザーマーキング装置により、濃度の異なる複数の較正用画像とこの較正用画像毎に対応する記号とをテスト用画像として印画媒体に印画し、参照用部材に予め印画された基準画像と、前記テスト用画像中の複数の較正用画像とを比較して、濃度が同一又は略同一である前記較正用画像を選択し、この選択された前記較正用画像の記号に基づいて、予め記憶したガンマ変換テーブルを較正し、この較正されたガンマ変換テーブルに応じて、前記レーザーマーキング装置の出力を調整するようにしたレーザーマーキング装置の較正方法であって、前記ガンマ変換テーブルの較正では、前記選択された前記較正用画像の濃度を、前記テスト用画像を特定の標準的な印画媒体に印画した場合における前記選択された記号に対応する較正用画像の濃度と比較して、これらの差分値を求め、前記差分値がマイナスの場合に、この差分値に応じて、前記ガンマ変換テーブルの出力画像の濃度を減少させ、前記差分値がプラスの場合に、この差分値に応じて、前記ガンマ変換テーブルの出力画像の濃度を増加させることを特徴とするレーザーマーキング装置の較正方法。
このレーザーマーキング装置1は、レーザー光を発するレーザー装置10と、レーザー装置10から発したレーザー光をレーザー照射領域Xに導く露光光学系20と、印画媒体50を搬送する搬送装置30と、これら各装置を制御する制御部40とを備える。
また、このレーザーマーキング装置1は、付属品として、レーザー装置10の出力の較正に用いられる参照用部材60を具備している。
前記入力画像データには、印画対象画像(例えば、文字や記号、図形、写真等)の形状や、配置、各部の濃度等の情報が含まれている。
各ガルバノスキャナ装置21は、レーザー光を反射させるミラーと、該ミラーを所定角度回転させる駆動源(例えばステッピングモータ等)を備える。
なお、図1中、符号23は、制御部40の制御電力を増幅して各ガルバノスキャナ装置21の駆動源へ供給するアンプである。
この搬送装置30は、制御部40によって制御されることで、一端側に載置される印画媒体50を、レーザー照射領域Xに搬送し、レーザー光による印画を完了した後に、他端側へ搬送する。
コンピュータ42は、入出力装置を備えたパーソナルコンピュータである。このコンピュータ42は、記憶装置に記憶されたプログラムに基づき、外部から入力される入力画像データや、キーボード42aに入力されるデータ等を処理し、その処理結果に応じた制御指令を制御基板41へ転送する。
このコンピュータ42の記憶装置には、テスト用画像50a1(図3(a)参照)を印画するためのデータや、後述するガンマ変換テーブル(ルックアップテーブル)等が記憶されている。
制御基板41は、コンピュータ42から入力される制御指令に応じて、レーザー装置10、ガルバノ制御部23及び搬送装置30等を制御する。
なお、制御部40の他例としては、マイコンやプログラマブルコントローラ、その他の制御回路等を用いて、前述した制御基板41及びコンピュータ42の機能を有する一体の制御回路とすることが可能である。
各較正用画像51は、図3(a)に示す一例によれば、所定濃度のグレースケール画像が印画された正方形状の下地51aと、該下地51a内に表示された記号51bとにより構成される。
複数の下地51aは、一端側から他端側へ一定の濃度間隔で段階的に濃くなるように帯状に並べられている。
図示例によれば、左端の下地51aは、最も濃度の薄いグレースケール画像(例えば、画素数が255の画像)が印画され、右端の下地51aは、最も濃度が濃いグレースケール画像(例えば、画素数が0の画像)が印画される。そして、これらの間では、左から右へ一つ下地51aが移る毎に、濃度が一定量濃くなるようになっている。
各記号51bには、下地51aが比較的濃い場合には、白抜きの記号が用いられ、下地が比較的薄い場合には、濃い黒色の記号が用いられる。
このガンマ変換テーブルは、入力画像データの濃度を示す0〜255の各画素値に対し、前記出力画像の濃淡を示す画素値を1対1で対応するように予め設定したルックアップテーブルとして、制御部40(詳細にはコンピュータ42)の記憶装置に記憶されている。
制御部40は、前記入力画像データを、前記ガンマ変換テーブルを用いてガンマ補正し、その補正後の値に対応するように、レーザー装置10の出力を調整する。したがって、レーザー装置10の出力は、前記入力画像データ(横軸)の濃淡変化に対し、直線的な比例関係で変化することになる。
この参照用部材60の一方又は両方の面の中央寄りには、該参照用部材60の外形よりも小さい矩形状の基準画像61が、予め印画されている。さらに、基準画像61内の中央寄りには、後述する較正用画像51(図3(a)参照)の少なくとも一部を含む大きさの開口部62が形成される。
この開口部62は、一つの較正用画像51の少なくとも一部を含むように形成されていればよく、特に好ましくは、一つの較正用画像51内に含まれる形状及び大きさに形成される。
このようにすれば、開口部62を、目標とする較正用画像51に重ね合わせた際に、この較正用画像51と、開口部62周囲の基準画像61とが隣接するため、これらの比較を容易に行うことができる。
先ず、制御部40は、所定の較正指令が入力されたことを条件に(ステップ1)、較正モードになり(ステップ2)、そうでなければ通常運転モードになる(ステップ2a)。通常運転モードでは、外部から取り込まれる入力画像データに応じた画像を印画媒体50に印画する通常の運転を行い(ステップ3a)、この後、処理をステップ1へ戻す。
なお、他例としては、初回の電源スイッチ操作により前記較正指令が制御部40に入力される態様や、予め設定された使用時間が経過したことを条件に自動的に前記較正指令が制御部40に入力される態様等とすることも可能である。
詳細に説明すれば、制御部40は、搬送装置30上の所定位置にテスト用の印画媒体50が載置されるのを図示しないセンサにより感知すると、搬送装置30を動作させて印画媒体50を一方向へ搬送する。そして、制御部40は、搬送中の印画媒体50がレーザー照射領域Xに到達したことを図示しないセンサにより感知すると、搬送装置30の動作を停止する。前記センサは、例えば、赤外線センサ等の非接触式センサとすればよい。
したがって、作業者等は、基準画像61と濃度が同一又は略同一である較正用画像51を容易に選択することができ、略同時に、選択した較正用画像51に対応する記号51bを認識することができる。
そして、制御部40は、記号51bが入力されると、次のステップ7へ処理を移行する。
図5中、中央列上段は、標準的な印画媒体50に、制御部40に予め記憶したテスト用の入力画像データに基づいて、テスト用画像50a1を印画した場合を示している。このテスト用画像50a1の印画では、前記テスト用の入力画像データを、直線的なガンマ変換テーブル(図5中のグラフ(G1') 参照)を用いてガンマ補正し、この補正値に応じて、レーザー装置10の出力を調整している。
較正後は、この関係(実線)を表にしたガンマ変換テーブルが制御部40に記憶され、このガンマ変換テーブルによる補正値に応じて、レーザー装置10の出力が較正される。
このため、テスト用画像50a2中では、No.2の較正用画像51の濃度が、テスト用画像50a1のNo.3の較正用画像51の濃度と同等になる。
したがって、発色し易い印画媒体50’が用いられた場合には、グラフ(G2)に示すように、入力画像データAよりも差分値d1だけ濃度が淡い入力画像データBを入力すれば、テスト用画像50a1のNo.3の較正用画像51(すなわち基準画像61)と同等の濃度aが得られることになる。
したがって、このように較正されたガンマ変換テーブルを用いて印画媒体50’へレーザー装置10によるレーザー光の照射をすれば、レーザー装置10の出力が適宜に減少し、標準的な印画媒体50を用いた場合と略同等の濃度aの印画を行うことができる。
このため、テスト用画像50a3中では、No.5の較正用画像51の濃度が、テスト用画像50a1のNo.3の較正用画像51の濃度と同等になる。
したがって、発色し難い印画媒体50”が用いられた場合には、グラフ(G3)に示すように、入力画像データAよりも差分値d2だけ濃度が濃い入力画像データCを入力すれば、テスト用画像50a1のNo.3の較正用画像51(すなわち基準画像61)と同等の濃度aが得られることになる。
したがって、このように較正されたガンマ変換テーブルを用いて印画媒体50”へレーザー装置10によるレーザー光の照射をすれば、レーザー装置10の出力が適宜に増加し、標準的な印画媒体50を用いた場合と略同等の濃度aの印画を行うことができる。
上述したテスト用画像50a1と参照用部材60は、図6に示すテスト用画像70及び参照用部材80に置換することが可能である。
各較正用画像71は、上記構成の各較正用画像51から記号51bを省いて、全面を同一濃度のグレースケール画像にしたものである。
さらに、この参照用部材80は、基準画像81の外側に位置する第2の開口部83を有する。この第2の開口部は、第1の開口部82が1つの較正用画像71に重ね合わせられた状態で、この較正用画像71に対応する記号72を内在するように配置される。
したがって、作業者等は、基準画像81と濃度が同一又は略同一である較正用画像71を容易に選択することができ、略同時に、選択した較正用画像71に対応する記号72を認識することができる。
すなわち、較正用画像51の他例としては、基準画像61の濃度を中心とした所定濃度範囲内(最薄が画素数255、最濃が画素数0でなくてもよい)にて、濃度が異なる複数の較正用画像51を濃度順に並べたものとすることも可能である。さらに好ましい態様としては、上記較正モードにおいて、前記所定濃度範囲が設定されるようにする。
この他例によれば、印画媒体の発色特性等に起因して複数の較正用画像51の濃度間隔が広くなりすぎて、基準画像61と同一又は略同一の濃度の較正用画像51を選択する際にその選択作業が困難になるようなことを防ぎ、より精度の高い比較及び選定が可能になる。さらに、上記較正モードにて複数の較正用画像51の濃度範囲を調整することも可能になる。
20:露光光学系
30:搬送装置
40:制御部
41:制御基板
42:コンピュータ
50,50’,50”:印画媒体
50a1:テスト用画像
51,71:較正用画像
60,80:参照用部材
61,81:基準画像
62:開口部
82:第1の開口部
83:第2の開口部
Claims (5)
- レーザーマーキング装置により、濃度の異なる複数の較正用画像とこの較正用画像毎に対応する記号とをテスト用画像として印画媒体に印画し、
参照用部材に予め印画された基準画像と、前記テスト用画像中の複数の較正用画像とを比較して、濃度が同一又は略同一である前記較正用画像を選択し、
この選択された前記較正用画像の記号に基づいて、予め記憶したガンマ変換テーブルを較正し、この較正されたガンマ変換テーブルに応じて、前記レーザーマーキング装置の出力を調整するようにしたレーザーマーキング装置の較正方法であって、
前記ガンマ変換テーブルの較正では、前記選択された前記較正用画像の濃度を、前記テスト用画像を特定の標準的な印画媒体に印画した場合における前記選択された記号に対応する較正用画像の濃度と比較して、これらの差分値を求め、
前記差分値がマイナスの場合に、この差分値に応じて、前記ガンマ変換テーブルの出力画像の濃度を減少させ、
前記差分値がプラスの場合に、この差分値に応じて、前記ガンマ変換テーブルの出力画像の濃度を増加させることを特徴とするレーザーマーキング装置の較正方法。 - 前記参照用部材は、板状に形成され、その表面及び/又は裏面に前記基準画像を有し、前記基準画像内には、前記較正用画像の少なくとも一部を含むように開口部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のレーザーマーキング装置の較正方法。
- 前記較正用画像は、濃度の異なる複数の下地と該下地毎に異なる前記記号とからなり、
前記複数の下地は、一定の濃度間隔で段階的に濃くなるように並べられ、
前記記号は、前記各下地内に設けられ、
前記下地が特定の濃度よりも濃い場合には、前記記号として白抜きの記号を用い、前記下地が前記特定の濃度よりも薄い場合には、前記記号として黒色の記号を用いることを特徴とする請求項1又は2記載のレーザーマーキング装置の較正方法。 - 複数の前記較正用画像の外側に、前記記号が表示され、
前記開口部を第1の開口部とし、
前記参照用部材には、第1の開口部を1つの前記較正用画像に重ね合わせた状態で、この較正用画像に対応する前記記号を内在するように、第2の開口部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のレーザーマーキング装置の較正方法。 - 前記レーザーマーキング装置は、所定のレーザー照射領域に設置される印画媒体にレーザー光を照射して画像を印画するレーザー装置と、前記レーザー装置を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、較正指令が入力されたことを条件に、前記レーザー装置の出力を較正するための較正モードになり、
前記較正モードでは、前記レーザー照射領域にセットされたテスト用の印画媒体に対し、前記レーザー装置からレーザー光を照射して、前記テスト用画像を印画するステップと、特定の前記較正用画像を示す前記記号が入力されるのを待つステップと、前記記号の入力があることを条件に、前記記号に応じて前記ガンマ変換テーブルの較正をして前記レーザ装置の出力を調整するステップとが実行されることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載のレーザーマーキング装置の較正方法。
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