JP2004050611A - 画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光材料に露光ビームを照射して画像を記録する際、べた部の濃度に影響を与えることなく、細線等のエッジ領域の色の滲みの防止を行う画像記録装置を提供する。
【解決手段】画像記録装置10は、シアン、マゼンタ、イエロの各色素を発色すべく、波長領域の異なる複数種類の露光ビームを感光材料Aに照射する複数の光源を有し、この光源から照射される露光ビームの少なくとも2種類は、露光ビームのビーム径が異なっている。また、記録すべき画像の画像データから画像内のエッジ度Fを画素毎に算出し、画像データから定まる露光ビームの露光量をエッジ度Fに応じて調整すべく、画像データをエッジ度に応じて調整する。この場合、記録材料Aの特性曲線において、発色濃度の再現範囲に対する露光量のダイナミックレンジが異なる2つの色素のうち、ダイナミックレンジの広い色素を発色させる露光ビームを、エッジ度に応じて調整する。
【選択図】図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光材料に露光ビームを照射して画像を記録する画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタや複写装置等のように、感光材料に露光ビームを照射してカラー画像を記録し出力する画像記録装置においては、感光材料に照射される露光ビームの露光量と感光材料の露光量に対する発色濃度特性とによって定まる画像濃度の高低によって画像が記録される。
しかし、露光ビームは、光強度分布を有するので、記録媒体上にライン状に直線を記録した場合、直線の幅方向に露光ビームの光強度分布に応じた濃度分布(濃度プロファイル)が生じる。この濃度プロファイルは、より詳しく言うと、光強度分布と感光材料の露光量に対する発色濃度特性とにより定まる。
【0003】
ところで、この濃度プロファイルが色素毎に僅かに異なる場合、最高濃度を有するべた部(内部領域)では、互いに隣接する濃度プロファイルが重なり合い色素が適切に混色されて所望の色が形成されるが、エッジ領域や文字等の細線領域において、濃度プロフィルの広い色素、例えばマゼンタの色素がエッジ領域で強くなり、色素が適切に混色せず色滲みが発生するといった問題がある。
特に、インクジェットプリンタのように黒の色材を有さず、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロ(Y)の色素の組み合わせによって色相のないグレーや黒の細い線を記録する画像記録装置では上記問題は大きな問題となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題に対して、特開2000−92334号公報では、1画素〜25画素程度の太さを有する細線、細線を組み合わせた格子状パターン、網点画像のようなドットの集合体等のパターンの色滲みと、べた部の色味、例えばグレー領域の色味を勘案してキャリブレーションLUT(ルックアップテーブル:参照テーブル)を設定することを提案している。
【0005】
しかし、キャリブレーションLUTは、上記細線、細線を組み合わせた格子状パターン、網点画像のようなドットの集合体等の色の滲みとべた部の色味とを同時に補正するので、両者を最適にすることはできない。例えば、細線の色滲みを解決しようとすると、べた部の色味および濃度が許容範囲からはずれ、最大濃度の低下を招くといった問題がある。
【0006】
一般に、細線等において生じる色の滲みは、感光材料の露光量に対する色素間の発色濃度の特性差、または、各色素を発色させるために感光材料に照射する露光ビームの光強度分布の差によって生じるものである。
そのため、感光材料の露光量に対する発色濃度の特性を色素間で揃えるために、感光材料に塗布されている乳剤の塗布量を調整することが考えられる。しかし、この場合、塗布量を多く使用して塗布量を調整するため、感光材料のコストが増大する。特に、光強度の弱い光を長時間露光する方式において感光材料の露光量に対する発色濃度の特性を各色素間で揃えても、光強度の強い露光ビームを用いて短時間で露光する場合、露光ビームの波長の違いや高照度不軌により、露光量に対する発色濃度の特性を各色素間で揃えることは困難である。
【0007】
一方において、露光ビームの光強度分布の差を小さくするために、露光ビームの径を十分に小さくし、これによって上記色の滲みを低減することもできる。しかし、この場合、露光ビームによる走査回数が増大するため、画像記録を短時間で効率よく行うことができない。また、短時間で効率よく画像記録を行うためには走査速度を増大させなければならず、装置コストが増大する。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点を解消するために、感光材料に露光ビームを照射して画像を記録する際、べた部の濃度に影響を与えることなく、細線等のエッジ領域の色の滲みを防止することができ、べた部の濃度調整を行うことのできる画像記録装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、感光材料に露光ビームを照射して画像を記録する画像記録装置であって、
異なる色素を発色すべく、波長領域の異なる複数種類の露光ビームを感光材料に照射する複数の光源を有し、
この光源から照射される露光ビームの少なくとも2種類は、露光ビームのビーム径が異なっていることを特徴とする画像記録装置を提供する。
【0010】
ここで、前記感光材料は、露光量に対する発色濃度の特性曲線において少なくとも2つの色素間で発色濃度の再現範囲に対する露光量のダイナミックレンジが異なるとともに、前記露光ビームのビーム径の差異は、前記ダイナミックレンジの色素間の差異に応じて予め定められており、前記ダイナミックレンジの異なる色素のうち、前記ダイナミックレンジの広い色素を発色すべく照射する露光ビームのビーム径が、前記ダイナミックレンジの狭い色素を発色すべく照射する露光ビームのビーム径に比べて小さいのが好ましい。
【0011】
また、前記複数種類の露光ビームは、シアン、マゼンタ、イエロの各色素をそれぞれを発色すべく照射する露光ビームであって、シアンの色素を発色すべく照射する露光ビームのビーム径は、マゼンタおよびイエロの各色素をそれぞれ発色すべく照射する2種類の露光ビームのビーム径に比べて大きいのも同様に好ましい。
【0012】
また、本発明は、感光材料に露光ビームを照射して画像を記録する画像記録装置であって、
異なる色素を発色すべく、波長領域の異なる複数種類の露光ビームを感光材料に照射する複数の光源と、
記録すべき画像の画像データから画像内の低濃度領域に隣接する高濃度領域における境界の度合いを表すエッジ度を画素毎に算出し、前記画像データから定まる露光ビームの露光量を前記エッジ度に応じて調整すべく、前記画像データを前記エッジ度に応じて調整するデータ調整手段と、を有することを特徴とする画像記録装置を提供する。
【0013】
ここで、前記感光材料は、露光量に対する発色濃度の特性曲線が少なくとも2つの色素間で異なり、前記データ調整手段は、感光材料における前記特性曲線の色素間の差異に応じて、少なくとも1種類の露光ビームによる露光量を調整すべく、前記画像データを前記エッジ度に応じて調整するのが好ましい。
その際、前記特性曲線において、少なくとも2つの色素間で発色濃度の再現範囲に対する露光量のダイナミックレンジが異なり、このダイナミックレンジが異なる色素のうち、ダイナミックレンジの広い色素を発色すべく照射する露光ビームを、前記エッジ度に応じて露光量の調整を行う露光ビームとし、前記データ調整手段は、この露光ビームによる露光量を前記エッジ度に応じて減じるように、前記画像データの調整を行うのが好ましい。
さらに、前記露光量の調整は、露光ビームの露光時間の調整、あるいは露光ビームの強度の調整によって行われるのが好ましい。
【0014】
また、前記エッジ度は、注目画素の画像データの値とこの注目画素を取り囲む複数の画素の画像データの値とを所定の重み付けを行い積算する演算処理によって算出されるのが好ましい。
さらに、前記データ調整手段は、前記エッジ度に重み付け関数を適用して得られる調整量を用いて画像データの調整を行うのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の画像記録装置について添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、以下に詳細に説明する。
図1は、本発明の画像記録装置の一実施形態である画像記録装置(以下、記録装置という)10を概念的に示した構成図である。
記録装置10は、感光性熱現像記録材料を記録媒体とし、この記録媒体を用いて、水等の画像形成溶媒の存在下で受像材料に画像を転写形成する装置である。なお、本発明の画像記録装置は、感光性熱現像記録材料を用いるものに限定はされず、ネガやリバーサルフィルムや印画紙等の銀塩写真感光材料等の各種の感光材料を用いるものでもよく、また、電子写真感光体や電子写真感光材料を用いるものでもよい。
【0016】
記録装置10は、感光性熱現像記録材料A(以下、記録材料Aとする)を供給する記録材料供給部12と、露光部14と、受像材料Rを供給する受像材料供給部16と、水塗布部18と、熱現像転写部20と、廃棄材料収容部22と、濃度測定装置24とを有して構成される。
【0017】
また、記録装置10の上面には、画像記録開始、(ハードコピー)出力枚数の設定、記録材料Aの種類やサイズ(幅)、色/濃度の調整、拡大/縮小倍率等の各種パラメータの操作指示、さらには、画像濃度の調整を行うために後述する露光ユニットの較正(キャリブレーション)の実行を入力することのできる、操作パネル23が配置される。また、記録装置10の上面には、キャリブレーション時に記録されるテストチャートの画像濃度を測定する濃度測定装置24が配置される。
操作パネル23は、例えば、各種パラメータ設定のための増減キー、テンキー、開始キー等の各種の操作指示を入力する操作キー、入力された指示や操作を表示する表示パネル、表示パネルに表示された選択肢の選択等を行う矢印キー等を有している。
【0018】
図1では、記録材料Aは、長尺な状態で(感光面を内側にして)ロール状に巻回された状態で、遮光性のマガジン28に収納されて記録装置10に装填される。
マガジン28の記録材料Aの取出口の近傍には、引き出しローラ対30およびカッタ32が配置される。記録材料Aは、引き出しローラ対30によって、作成するプリントに応じた長さだけ引き出され、カッタ32によって切断された後、下流(材料搬送方向の下流)の露光部14に搬送され、露光に供される。
【0019】
露光部14は、露光ユニット34と副走査搬送手段とから構成される。
露光ユニット34は、記録材料Aの赤(R)、緑(G)および青(B)の各感光層の露光に対応する3種の露光ビームの光源(R光源、G光源、B光源(図2参照))、光偏向器(図示されない)、fθレンズ(図示されない)、結像光学系(図示されない)等を有し、記録画像に応じて変調した露光ビームLを主走査方向(図1では紙面に対して垂直方向)に偏向して、搬送方向の所定の露光位置で露光する、公知の露光ビーム走査光学系である。3種の露光ビームLのうち、1種の露光ビームLは、後述するように、記録材料Aの色素間の特性差に応じて露光ビームLのビーム径が異なっている。
他方、副走査搬送手段も、公知のもので、図示例においては、搬送方向(図1では紙面内の上方向)に上記露光位置を挟んで配置され、記録材料Aを主走査方向と直交する副走査方向に搬送する、一対の搬送ローラ対38から構成される。記録材料供給部12から供給された記録材料Aは、副走査搬送部36の搬送ローラ対38によって副走査方向に搬送されつつ、記録する画像に応じて変調されて主走査方向に偏向された露光ビームLによって走査されることで、二次元的に走査露光され、潜像が記録されて下流に搬送される。
【0020】
図2は、露光ユニット34の各露光ビーム光源の露光制御系の概略を示すブロック図である。
図示例において、スキャナ(画像読取装置)、デジタルカメラなどの撮像手段または画像処理装置等の画像信号の供給源Fから供給された入力画像信号(MDi )は、信号変換部40で出力画像信号としての変調信号(MQ)に変換された後、ドライバ42に供給される。ドライバ42は、この変調信号に応じて、各露光ビームの光源を変調して駆動する。
なお、信号変換部40には、図示されないキャリブレーション変換部が接続されており、キャリブレーションの実行によって露光ビームLによって記録された所定の較正用テストチャートの濃度測定データ(較正用テストチャートは、濃度測定装置24にて測定される)と較正用テストチャートの目標濃度データとを用いて、入力画像信号(MDi )から変調信号(MQ)に変換する変換条件を演算し、必要に応じて信号変換部40に設定されている入力画像信号(MDi )から変調信号(MQ)への変換条件を表したLUT(ルックアップテーブル)を調整する。
【0021】
露光部14において潜像を記録された記録材料Aは、3つの搬送ローラ対48によって搬送され、水塗布部18において、画像形成溶媒としての水を塗布され、さらに、レジスト部50に搬送される。
【0022】
他方、受像材料Rは、受像面に色素固定材料が塗布されたもので、受像材料供給部16において、長尺な状態で(受像面を内側にして)ロール状に巻回された状態で、マガジン52に収納されて記録装置10に装填される。
マガジン52の取出し口の近傍には、引き出しローラ対54およびカッタ56が配置される。受像材料Rは、引き出しローラ対54によって、作成するプリントに応じた長さだけ引き出され、カッタ56によって切断された後に、3つの搬送ローラ対58によって搬送され、レジストローラ対60に供給される。なお、後述する剥離爪68による記録材料Aとの剥離を容易にするために、受像材料Rは、記録材料Aよりも、若干、長めに切断される。
【0023】
レジスト部50およびレジストローラ60は、共に、タイミングを合わせて記録材料Aおよび受像材料Rを搬送することにより、両者を重ね合わせて熱現像転写部20に搬送する。
【0024】
熱現像転写部20は、無端ベルトおよびローラからなるベルトコンベア62および64と、ベルトコンベア62(その無端ベルト)に内包されるように配置される、ヒータ66とを有して構成される。
2つのベルトコンベア62および64は、互いの無端ベルトによって記録材料Aと受像材料Rの積層体を挟持搬送する。この挟持搬送の際に、ヒータ66によって前記積層体が加熱されて記録材料Aに形成された潜像が発色して可視像化され、さらに、この画像が受像材料Rに転写される。
【0025】
熱現像転写部62の下流には、剥離爪68が配置される。
熱現像転写部62で熱現像および画像の転写を終了した記録材料Aと受像材料Rとの積層体の先端が、剥離爪68に至ると、剥離爪68が作動して両材料の間に入り、両者を剥離する。
【0026】
剥離爪68によって受像材料Rから剥離された記録材料Aは、搬送ローラ対70によって廃棄材料収容部22に送られる。
廃棄材料収容部22は、ドラム72と、ドラム72(記録材料Aの最外層)に巻き掛かるエンドレスベルト74と、このエンドレスベルト74を張架するローラ76,76…とからなる駆動手段を有する。使用済みの記録材料Aは、ドラム72に巻き取られ、所定量になった時点で、廃棄される。
【0027】
他方、記録材料Aが剥離された受像材料Rは、搬送ローラ対78,78…によって搬送され、さらに、排出ローラ80によって、画像の記録されたハードコピーとしてトレイ82に排出される。
なお、記録材料Aは、露光ビームLの照射する対数露光量に対する発色濃度の特性において、マゼンタの色素の発色濃度の再現範囲に対する露光量のダイナミックレンジが、シアンおよびイエロの色素の対応するダイナミックレンジに比べて広い特性を持った記録材料である。
【0028】
このような記録装置10において、露光ユニット34のR光源、G光源およびB光源から記録材料Aに照射される各露光ビームLのうち、少なくとも2種類の露光ビームのビーム径が異なっていることを特徴とする。
詳しく説明すると、シアンの色素を発色させるべく記録材料Aに照射されるR(赤)光の露光ビームとイエロの色素を発色させるべく記録材料Aに照射されるB(青)光の露光ビームの径とが同じになるように構成され、かつ、マゼンタの色素を発色させるべく記録材料Aに照射されるG(緑)光の露光ビームのビーム径が、R光の露光ビームのビーム径およびB光の露光ビームの径に比べて小さくするように構成されている。
このような露光ビームLのビーム径は、例えば、露光ユニット34において、記録材料A上に露光ビームを集束させて結像させる図示されない結像光学系に、孔径の異なるアパーチャを挿入することにより設定される。
【0029】
図3(a)には、G光の露光ビームL0 の光強度分布(破線)、R光およびB光の露光ビームL1 の光強度分布(実線)の一例が光強度を縦軸、位置xを横軸として示されている。図3(a)に示す露光ビームL0 および露光ビームL1 は、射出したトータルの積分光強度の値が同一となる光強度分布であり、ビーム径の狭い露光ビームL0 は、露光ビームL1 に対して最高強度が高くなっている。
図3(b)には、縦軸を対数光強度とした、露光ビームL0 および露光ビームL1 の対数光強度分布が示されている。なお、記録材料Aに記録される画像濃度は対数露光量によって定まるため、記録材料の対数露光量に対する発色濃度の特性が色素間で同じであり、かつ、露光ビームL0 ,L1 による露光時間が一定であるとすると、図3(b)に示す対数光強度の分布は、記録材料に記録される画像濃度の分布(濃度プロファイル)に対応する。図3(b)からわかるように、露光ビームL0 の対数光強度分布と露光ビームL1 の対数光強度分布とは、光強度分布が対数(log)で変化するため最高強度を持つ露光ビームL0 およびL1 の中心領域において露光ビームL0 およびL1 の差は小さく、中心領域から離れるほど差が大きくなっている。従って、記録材料の対数露光量に対する発色濃度の特性が色素間で同じであり、かつ、露光ビームL0 ,L1 による露光時間が一定であるとすると、記録材料に記録される画像濃度差は、露光ビームL0 およびL1 の中心領域では小さいが、中心領域から離れるほど大きくなるといえる。
【0030】
しかし、上述したように、記録材料Aにおける、対数露光量に対する発色濃度の特性は、マゼンタの色素の発色濃度の再現範囲に対する露光量のダイナミックレンジが、シアンおよびイエロの色素の、対応するダイナミックレンジに比べて広い。従って、露光時間が一定の条件では、上述した露光ビームL0 およびL1 の対数光強度分布が組み合わされることで、濃度プロファイルが色素によらず略同一のプロファイルを持つように構成される。
【0031】
図4(a)には、対数露光量に対する発色濃度の特性の一例として、縦軸に再現濃度を表す等価中性濃度を縦軸、対数露光量を横軸として表したシアンおよびイエロの特性曲線SC ,SY およびマゼンタの特性曲線SM が示されている。この場合、マゼンタの特性曲線SM の対数露光量のダイナミックレンジRM (略2.0)は、シアン、イエロの特性曲線SC ,SY の対数露光量のダイナミックレンジRCY(略1.5)に比べて広く、特性曲線SM の対数露光量に対する勾配が特性曲線SC ,SY の勾配に比べて低くなっている。
従って、図4(a)に示した特性曲線SC ,SY およびSM と、上述した露光ビームL0 ,L1 とを用いて組み合わされて形成される濃度プロファイル、すなわち、露光ビームL0 と特性曲線SC ,SY とを組み合わせて形成される濃度プロファイルL0 ・SC およびL0 ・SY と、露光ビームL1 と特性曲線SM とを組み合わせて形成される濃度プロファイルL1 ・SM とは、図5に示されるように、略同一の分布となっている。
【0032】
図5には、他の組み合わせによって形成される濃度プロファイルL0 ・SC ,L0 ・SY および濃度プロファイルL1 ・SM を同時に示しているが、いずれも、濃度プロファイルがお互いに近接しない。
なお、図5に示される濃度プロファイルは、一定の露光時間の条件を前提とするため、図5に示されるように、例えば、位置x0 上の点P’’は、露光ビームL0 上の点P(位置x0 )における対数光強度に対応した特性曲線SM 上の点P’における等価中性濃度によって定まり、また、位置x0 上の点Q’’は、露光ビームL1 上の点Q(位置x0 )における対数光強度に対応した特性曲線SC ,SY 上の点Q’における等価中性濃度によって定まる。
【0033】
このように、画像記録装置10では、記録材料Aの露光ビームLにより照射される対数露光量に対する発色濃度の特性において、マゼンタの色素の発色濃度の再現範囲に対する露光量のダイナミックレンジが、シアンおよびイエロの色素の対応するダイナミックレンジに比べて広い特性を持つことを利用して、露光ビームによって形成される濃度プロファイルが略同一となるように、露光ビームのビーム径の大小が設定されている。
従って、濃度プロファイルが色素間で略同一となるので、細線等のエッジ領域の色の滲みを防止することができる。
【0034】
また、この場合、露光ビームL0 と露光ビームL1 の露光位置の位置ずれが存在しても、図6(a)に示すように、露光ビームL0 または露光ビームL1 の中心位置を基準にして両側に、逆の色味を成すようにシアン、イエロとマゼンタとの画像濃度差が生じ(図6(a)の左側ではマゼンタの色味が強く、右側ではシアン、イエロの色味が強く)、色味の変動周期は短くなるので、画像濃度差は人間の目に視認されにくく、色ずれが目立ちにくい。
【0035】
一方、同一の露光ビームL0 あるいはL1 の一方を用いた場合、濃度プロファイルは図6(b)に示すように、左右両側で同じ色味が出るような画像濃度差の分布が形成されるので(図6(b)では、両側でマゼンタの色味が強い)、位置ずれが生じた場合、図6(c)のように、一方の側(図6(c)では左側)においてシアン、イエロとマゼンタとの画像濃度差が生じる。従って、図6(a)に示す場合に比べて色味の変動周期は長くなり、人間の目に画像濃度差は視認され易くなり、色ずれが目立ち易い。
【0036】
さらに、記録材料Aが露光ビームLにより隣接した露光位置に連続して露光される場合、露光ビームLは一部分が重なり合って露光され、しかも露光ビームL0 と露光ビームL1 の中心領域の対数光強度の差は小さいので、図7に示すように、隣接した露光位置8箇所を露光する時の光強度分布は、エッジ領域Re に挟まれた内部領域(べた部)Rinにおける光強度分布E(x)は、露光ビームL0 および露光ビームL1 にかかわらず略同じ分布となる。従って、G光に露光ビームL0 を用い、R光およびB光に露光ビームL1 を用いることで、内部領域(べた部)の濃度を変えることなく、エッジ領域Re の濃度プロファイルを変えることができる。すなわち、べた部の濃度を変えることなく、エッジ領域Re における色の滲みを抑制することができる。
以上より、細線等のエッジ領域の色の滲みを防止するとことができるほか、信号変換部40において入力画像信号から変調信号を生成するLUT(ルックアップテーブル)を変更してべた部の濃度調整を行うことができる。
【0037】
上記例では、記録材料Aの特性として図4(a)に示す特性曲線SC ,SM およびSY を例として説明したが、本発明においては、図4(a)に示す特性曲線SC ,SM およびSY は限定されず、図4(b)に示すような特性曲線SC ’,SM ’およびSY ’であってもよい。すなわち、対数露光量に対する等価中性濃度の勾配が大部分の領域において同等であり、肩領域等の一部の領域において前記勾配が異なる特性曲線SC ’,SM ’およびSY ’であってもよい。
【0038】
なお、本発明において、記録材料の露光量に対する発色濃度の特性曲線は、マゼンタに限らず少なくとも1つの色素の特性曲線における対数露光量のダイナミックレンジが、他の色素のダイナミックレンジと異なっていればよく、この場合、発色濃度の再現範囲に対する露光量のダイナミックレンジの広い色素を発色すべく照射する露光ビームのビーム径が、ダイナミックレンジの狭い色素を発色すべく照射する露光ビームのビーム径に比べて小さくなるように予め設定されていればよい。
また、図4(a)および(b)に示す各特性曲線は、等価中性濃度において最高濃度となる対数露光量の値が色素間で同一値となるように、各色素の特性曲線を対数露光量の軸に沿って平行シフトさせて揃えたものであってもよい。この平行シフト分の対数露光量は、図5における露光ビームの対数光強度分布を縦軸方向に平行シフトさせることによって、すなわち露光ビームの強度を調整することによって吸収することができる。
【0039】
また、本発明は、シアン、マゼンタ、イエロの各色素をそれぞれを発色させるべく照射する露光ビームLのうち、シアンの色素を発色させる露光ビームのビーム径が、マゼンタおよびイエロの各色素をそれぞれ発色させる2種類の露光ビームのビーム径に比べて大きくなるように設定してもよい。
記録される画像内に無色相の線画が記録される場合、イエロ、赤およびマゼンタの色相が含まれることを人間の心理として最も嫌う性質を利用して、シアンを発色させるべく照射するR光の露光ビームのビーム径を他の露光ビームのビーム径に比べて大きくなるように設定してもよい。これによって、細線を記録する際、好ましい細線の色味を実現することができる。
【0040】
上記例では、予め定められている記録材料Aの発色濃度の特性に応じて、露光ユニット34のR光源、G光源およびB光源から記録材料Aに照射する露光ビームのビーム径を予め設定するものであるが、記録材料Aの種類が変わり、記録材料Aの特性が変わる場合においても、露光ユニット34に替えて後述する露光ユニット34’を用いることにより、細線等のエッジ領域の色の滲みの防止とグレー領域等のべた部(内部領域)の濃度調整を両立して行うことができる。
【0041】
図8には、画像記録装置10において、露光ユニット34に替えて用いる露光ユニット34’の露光制御系の構成が示されている。
露光ユニット34’は、露光ユニット34における信号変換部40、ドライバ42および露光ビーム走査光学系と同一の構成部位を有する。なお、露光ユニット34’の上記同一の構成部位には同一の符号を付し、構成および機能についての説明は省略する。
露光ユニット34’は、データ調整部84を信号変換部40の前段階に有する点と、R光源、G光源およびB光源から射出して記録材料Aに照射される露光ビームLのビーム径がすべて同一となっている点が露光ユニット34と異なる。
データ調整部84は、スキャナ、デジタルカメラなどの撮像手段または画像処理装置等の画像信号の供給源Fから供給された入力画像信号(MDi )を用いて、露光ビームの光強度を調整するために入力画像信号を調整し、調整された入力画像信号を信号変換部40に供給する部位であり、本発明におけるデータ調整手段に対応する。
【0042】
データ調整部84は、記録すべき画像の入力画像信号MDi から画像内の低濃度領域に隣接する高濃度領域の境界(エッジ領域)の度合いを表すエッジ度を画素毎に算出し、この算出されたエッジ度に応じて、入力画像信号MDi から定まる露光ビームの光強度が調整されるように入力画像信号MDi を調整して画像信号MDを生成する。
【0043】
具体的には、図9(a),(b)に示すエッジ検出フィルタFilを用いて、注目画素の入力画像信号の値MDi (k,l)(k,lは注目画素の座標値)とこの注目画素を取り囲む複数の周辺画素の画像データの値MDi (m,n)(m=(k−1),k,(k+1)、n=(l−1),l,(l+1)かつ(m,n)=(k,l)を除く)とを所定の重み付けを行い積算する演算処理を行って画像上のエッジ度F(k,l)を算出し、このエッジ度F(k,l)を用いて入力画像信号MDi を下記式(1)に従って調整する。
MD(k,l) = MDi (k,l)+ α(F(k,l))  (1)
ここで、α(F(k,l))は、図10に示すような重み付け関数である。
【0044】
例えば、入力画像信号MDi の信号値を最高値255、最低値0とする8ビット信号とし、対数光強度がE0 −(logMDi ×100)(E0 は定数)に対応する場合を例として以下に説明する。この場合、信号値が大きくなるほど対数光強度が低下する。
【0045】
図9(a)に示すように、信号値255の白色領域に信号値0の1ラインで構成された細線(斜線部分)が形成される画像の入力画像信号MDi において、図9(b)に示す注目画素に−6.0、周辺画素に0.5または1.0の重み付け係数を持った3×3のウィンドウ状のエッジ検出フィルタFilを、前後左右に移動しながら、注目画素の信号値とこの注目画素を取り囲む8画素の信号値とを上記重み付け係数を用いて積算する演算処理を行う。例えば、図9(a)に示す位置にエッジ検出フィルタFilがある場合、演算処理の結果、F(k,l)=1020(=0×(−6)+4×255×(0.5)+2×255×(1.0)+2×0×(1.0))となる。従って、図10に示す重み付け関数α(F(k,l))は、16となる。図11には、図9(a)に示す入力画像信号MDi から式(1)に従って生成された画像信号MDの例が示されている。ここで、1ラインで構成された細線の信号値は、信号値0から16に調整され、対数光強度を低下させる方向に調整する。また、エッジ検出フィルタFilにおける注目画素の重み付け係数は−6.0、周辺画素の重み付け係数は0.5または1.0であるので、注目画素の信号値が小さく、周辺画素の信号値が高いほど、算出されるエッジ度Fは高くなる。すなわち、エッジ検出フィルタFilで算出されるエッジ度F(k,l)は、高濃度領域におけるエッジの程度を正の数値の大小によって表す指標である。
【0046】
また、重み付け関数α(F)は、図10に示すように、エッジ度Fがある範囲(128〜384)に位置する場合、エッジ度が高くなるに従って、露光ビームの光強度を減少するように信号値が調整される。また、この範囲を上回る信号値の場合、信号値の調整量は16を上限とし、露光ビームの光強度(露光量)の減少は一定とされる。一方、上記範囲を下回る信号値の場合、調整量は0となる。すなわち、露光ビームの光強度(露光量)は調整されない。
【0047】
なお、信号値255の白色領域に2ライン以上のライン幅で信号値0の線画が形成される場合、線のエッジ領域において、エッジ度Fは510(=2×255)の一定値を持つが、エッジ領域は2ライン以上のライン幅の領域に比べて相対的に小さくなるので、色の滲みが視認されることは少なくなる。一方、信号値255の白色領域に2ライン以下のライン幅で信号値0の線や孤立点が形成される画像の場合、エッジ度Fは510以上となり、この場合、エッジ領域の幅がライン幅や孤立点に比べて相対的に大きくなる。しかし、光強度分布が調整されるので色の滲みが視認されることは少ない。一方、エッジ度Fが負の場合、注目画素は隣接する低濃度領域と高濃度領域のうち低濃度領域に位置する画素となるので、信号値の調整は行われない。
このように、エッジ度F(k,l)に応じて露光ビームの光強度(露光量)を減じる方向に調整する。
【0048】
従って、エッジ度F(k,l)が小さくて入力画像信号MDi (k,l)が調整されない場合、図12に示す露光ビームL1 が記録媒体Aに照射されるとすると、入力画像信号MDi (k,l)が調整された場合、図12に示すように、対数光強度分布が露光ビームL1 と異なる露光ビームL2 が記録媒体Aに照射される。
すなわち、エッジ度F(k,l)に応じて対数光強度分布logE(x)を変化させる。
【0049】
このような入力画像信号MDi の調整は、記録材料Aにおける、シアン、マゼンタおよびイエロの3色素のうち、発色濃度の再現範囲に対する露光量のダイナミックレンジの広い色素(図4(a)の例ではマゼンタ)を発色させるべく射出する露光ビームに対応した入力画像信号MDi に対して行われる。
すなわち、記録材料Aにおける発色濃度の再現範囲に対する露光量のダイナミックレンジの広い色素を発色させる露光ビームに対して光強度を減じる調整を行うが、対応するダイナミックレンジの狭い色素を発色させる露光ビームに対して光強度の調整を行わない。
例えば、記録材料Aが、図4(a)に示すように特性曲線SC ,SM およびSY を有する場合、マゼンタを発色させるG光の露光ビームに対して、露光ビームの光強度の調整を行うように、入力画像信号MDi が調整される。
【0050】
図13は、図12に示す対数光強度分布と図4に示す特性曲線SC ,SM およびSY を組み合わせることで、記録媒体A上に形成される濃度プロファイルを例示している。
図13からわかるように、露光ビームL2 と特性曲線SM とを組み合わせて形成される濃度プロファイルL2 ・SM は、露光ビームL1 と特性曲線SM とを組み合わせて形成される濃度プロファイルL1 ・SM に比べて、露光ビームL1 と特性曲線SC ,SY とを組み合わせて形成される濃度プロファイルL1 ・SC およびL1 ・SY に近接した分布を形成することがわかる。従って、マゼンタを発色させるG光に露光ビームL2 を用い、シアンおよびイエロを発色させるR光およびB光に露光ビームL1 を用いることで、エッジ領域の色の滲みが視認されにくくなる。
なお、図13に示される濃度プロファイルは、一定の露光時間の条件を前提とするため、例えば、位置x0 上の点P’’は、露光ビームL2 上の点P(位置x0 )における対数光強度に対応した特性曲線SM 上の点P’における等価中性濃度によって定まり、また、位置x0 上の点Q’’は、露光ビームL1 上の点Q(位置x0 )における対数光強度に対応した特性曲線SC ,SY 上の点Q’における等価中性濃度によって定まる。
【0051】
このように、露光ビームユニット34’では、記録材料Aの対数露光量に対する発色濃度の特性において、マゼンタの色素の発色濃度の再現範囲に対する露光量のダイナミックレンジが、シアンおよびイエロの色素の対応するダイナミックレンジに比べて広い特性を持つことを利用して、露光ビームによって形成される濃度プロファイルが略同一あるいは近接するように、入力画像信号MDi が調整される。これにより、細線やエッジ領域の色の滲みを防止することができる。また、エッジ領域でないべた部等の領域の信号値は調整されないので、露光ビームのビーム径が色素間で異なっても、べた部の画像濃度に影響を与えることはない。従って、信号変換部40において行われる画像信号から変調信号への変換条件の較正を行って濃度調整を行う従来の濃度調整方法を利用して、べた部の濃度調整を行うことができる。
【0052】
また、図14(a),(b)には、信号値255の白色領域に2ライン分の線画(斜線部分)が信号値0にて形成される画像の入力画像信号MDi が、上記式(1)を用いることで画像信号MDに調整される例が示されている。この場合においても、図11と同様に2ライン分の信号値が0から16に変換されて調整される。
一方、図15は、信号値を調整しない場合に記録媒体Aに照射される2ライン分の光ビームL’の対数光強度分布と、信号値を16調整した場合に記録媒体Aに照射される2ライン分の露光ビームL’の対数光強度分布とを示している。
【0053】
図16からわかるように、露光ビームL2 ’と特性曲線SM とを組み合わせて形成される濃度プロファイルL2 ’・SM は、露光ビームL1 ’と特性曲線SM とを組み合わせて形成される濃度プロファイルL1 ’・SM に比べて、露光ビームL1 ’と特性曲線SC ,SY とを組み合わせて形成される濃度プロファイルL1 ’・SC およびL1 ’・SY に近接した分布を形成することがわかる。従って、マゼンタを発色させるG光に露光ビームL’を用い、シアンおよびイエロを発色させるR光およびB光に露光ビームL’を用いることで、エッジ領域の色の滲みが視認されにくくなる。なお、濃度プロファイルL0 ’・SM と濃度プロファイルL1 ’・SC およびL1 ’・SY との濃度差は、高濃度領域で増大する方向にあるが、高濃度ほど人間の視認性の感度は低下するため、色味の変化が視認されることは少ない。
なお、図16に示される濃度プロファイルは、一定の露光時間の条件を前提とするため、例えば、位置x0 上の点P’’は、露光ビームL2 ’上の点P(位置x0 )における対数光強度に対応した特性曲線SM 上の点P’における等価中性濃度によって定まり、また、位置x0 上の点Q’’は、露光ビームL1 ’上の点Q(位置x0 )における対数光強度に対応した特性曲線SC ,SY 上の点Q’における等価中性濃度によって定まる。
【0054】
上記例では、露光時間を一定にした状態で露光ビームの光強度を調整して記録材料Aに照射する露光量を調整する強度変調方式を用いたが、本発明においては、一定の光強度を持つ露光ビームを記録材料Aに照射する際の露光時間を調整して記録材料Aに照射する露光量を調整するパルス変調方式を用いてもよい。
また、記録材料Aの特性として図4(a)に示す特性曲線SC ,SM およびSY を例として説明したが、本発明においては、マゼンタに限らず少なくとも1つの色素の特性曲線における発色濃度に対する対数露光量のダイナミックレンジが、他の色素の対応するダイナミックレンジと異なっていればよく、この場合、発色濃度の再現範囲に対する露光量のダイナミックレンジの広い色素を発色すべく照射する露光ビームの光強度が、ダイナミックレンジの狭い色素を発色すべく照射する露光ビームの光強度に比べて小さくなるように、入力画像信号から求められるエッジ度Fに応じて入力画像信号を調整すればよい。
また、記録材料に形成される画像のシャープネスが色間で異なる場合、シャープネスの劣る色を発色させる露光ビームを、上述したダイナミックレンジの広い色素を発色すべく照射する露光ビームと同様に、露光量を調整する露光ビームとして取り扱い、形成される画像のシャープネスを調整することができる。
【0055】
以上、本発明の画像記録装置について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
【0056】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の画像記録装置は、各色素における記録材料の発色濃度の特性に応じて、各色素を発色させる露光ビームのビーム径が異なるので、あるいは、画像内の低濃度領域に隣接する高濃度領域における境界の度合いを表すエッジ度を画素毎に算出し、画像データから算出したエッジ度に応じて画像データの調整を行い露光ビームの露光量を調整するので、べた部の画像濃度に影響を与えることなく、エッジ領域の濃度プロファイルを色素間で略同一または近接させることができ、エッジ領域の色の滲みの防止とべた部の濃度調整を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像記録装置の一例の構成を概念的に示した構成図である。
【図2】図1に示す画像記録装置の露光ユニットの露光制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】(a)および(b)は、露光ユニットで照射される露光ビームの光強度分布および対数光強度分布の一例を示す図である。
【図4】(a)および(b)は、本発明の画像記録装置で用いられる記録材料の特性曲線の一例を示す図である。
【図5】露光ビームにより記録材料に形成される濃度プロファイルの一例を説明する図である。
【図6】(a)〜(c)は、露光ビームの位置ずれによる影響を説明する図である。
【図7】隣接する露光位置に照射する時の露光ビームの光強度分布を説明する図である。
【図8】本発明の画像記録装置に用いる露光ユニットの露光制御系の他の例を示すブロック図である。
【図9】(a)および(b)は、本発明の画像記録装置で用いるエッジ検出フィルタの一例を説明する図である。
【図10】本発明の画像記録装置で用いる重み付け関数の一例を説明する図である。
【図11】図9(b)に示すエッジ検出フィルタを用いて調整された画像信号の一例を示した図である。
【図12】本発明の画像記録装置で用いられる露光ビームの対数光強度分布の一例を示す図である。
【図13】図12に示す露光ビームにより記録材料に形成される濃度プロファイルの一例を説明する図である。
【図14】(a)は、入力画像信号の一例を示した図であり、(b)は、検出フィルタを用いて調整して生成された画像信号の一例を示した図である。
【図15】本発明の画像記録装置で用いられる露光ビームの対数光強度分布の他の例を示す図である。
【図16】図15に示す露光ビームにより記録材料に形成される濃度プロファイルの一例を説明する図である。
【符号の説明】
10 画像記録装置
12 記録材料供給部
14 露光部
16 受像材料供給部
18 水塗布部
20 熱現像転写部
22 廃棄材料収容部
23 操作パネル
24 濃度測定部
25 濃度計
26 白色基準板
34 露光ユニット
40 信号変換部
42 ドライバ
84 データ調整部

Claims (9)

  1. 感光材料に露光ビームを照射して画像を記録する画像記録装置であって、
    異なる色素を発色すべく、波長領域の異なる複数種類の露光ビームを感光材料に照射する複数の光源を有し、
    この光源から照射される露光ビームの少なくとも2種類は、露光ビームのビーム径が異なっていることを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記感光材料は、露光量に対する発色濃度の特性曲線において少なくとも2つの色素間で発色濃度の再現範囲に対する露光量のダイナミックレンジが異なるとともに、前記露光ビームのビーム径の差異は、前記ダイナミックレンジの色素間の差異に応じて予め定められており、
    前記ダイナミックレンジの異なる色素のうち、前記ダイナミックレンジの広い色素を発色すべく照射する露光ビームのビーム径が、前記ダイナミックレンジの狭い色素を発色すべく照射する露光ビームのビーム径に比べて小さい請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記複数種類の露光ビームは、シアン、マゼンタ、イエロの各色素をそれぞれを発色すべく照射する露光ビームであって、
    シアンの色素を発色すべく照射する露光ビームのビーム径は、マゼンタおよびイエロの各色素をそれぞれ発色すべく照射する2種類の露光ビームのビーム径に比べて大きい請求項1に記載の画像記録装置。
  4. 感光材料に露光ビームを照射して画像を記録する画像記録装置であって、
    異なる色素を発色すべく、波長領域の異なる複数種類の露光ビームを感光材料に照射する複数の光源と、
    記録すべき画像の画像データから画像内の低濃度領域に隣接する高濃度領域における境界の度合いを表すエッジ度を画素毎に算出し、前記画像データから定まる露光ビームの露光量を前記エッジ度に応じて調整すべく、前記画像データを前記エッジ度に応じて調整するデータ調整手段と、を有することを特徴とする画像記録装置。
  5. 前記感光材料は、露光量に対する発色濃度の特性曲線が少なくとも2つの色素間で異なり、
    前記データ調整手段は、感光材料における前記特性曲線の色素間の差異に応じて、少なくとも1種類の露光ビームによる露光量を調整すべく、前記画像データを前記エッジ度に応じて調整する請求項4に記載の画像記録装置。
  6. 前記特性曲線において、少なくとも2つの色素間で発色濃度の再現範囲に対する露光量のダイナミックレンジが異なり、
    このダイナミックレンジが異なる色素のうち、ダイナミックレンジの広い色素を発色すべく照射する露光ビームを、前記エッジ度に応じて露光量の調整を行う露光ビームとし、
    前記データ調整手段は、この露光ビームによる露光量を前記エッジ度に応じて減じるように、前記画像データの調整を行う請求項5に記載の画像記録装置。
  7. 前記露光量の調整は、露光ビームの露光時間の調整、あるいは露光ビームの強度の調整によって行われる請求項6に記載の画像記録装置。
  8. 前記エッジ度は、注目画素の画像データの値とこの注目画素を取り囲む複数の画素の画像データの値とを所定の重み付けを行い積算する演算処理によって算出される請求項4〜7のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  9. 前記データ調整手段は、前記エッジ度に重み付け関数を適用して得られる調整量を用いて画像データの調整を行う請求項4〜8のいずれか1項に記載の画像記録装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005271378A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Noritsu Koki Co Ltd プリント装置
JP2012150181A (ja) * 2011-01-17 2012-08-09 Kyocera Document Solutions Inc 画像形成装置および画像形成方法
JP2015229288A (ja) * 2014-06-05 2015-12-21 株式会社リコー 画像形成装置及び画像形成方法

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