JP3759854B2 - 画像読み取り装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像読み取り装置に関し、詳しくは、カラー写真感光材料からの反射光と透過光とに基づいて、カラー写真感光材料に記録された銀画像を読み取る画像読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀を利用した写真感光材料は近年ますます発展し、現在では簡易に高画質のカラー画像を入手することが可能となっている。たとえば通常カラー写真と呼ばれる方式ではカラーネガフィルムを用いて撮影を行い、現像後のカラーネガフィルムに記録された画像情報を光学的にカラー印画紙に焼き付けることでカラープリントを得る。近年ではこのプロセスは高度に発達し、大量のカラープリントを高効率で生産する大規模な集中拠点である所謂大ラボあるいは店舗に設置された小型、簡易のプリンタプロセッサである所謂ミニラボの普及により誰でもがカラー写真を手軽に楽しめるようになっている。
【0003】
現在普及しているカラー写真の原理は、減色法による色再現を採用している。一般的なカラーネガでは透過支持体上に青、緑、そして赤色領域に感光性を付与した感光素子であるハロゲン化銀乳剤を用いた感光性層を設け、それらの感光性層中には各々が補色となる色相であるイエロー、マゼンタそしてシアンの色素を形成する所謂カラーカプラーを組合せて含有させてある。撮影により像様の露光を施されたカラーネガフィルムは芳香族第一級アミン現像主薬を含有するカラー現像液中で現像される。この時、感光したハロゲン化銀粒子は現像主薬によって現像すなわち還元されて金属銀が生成し、同時に生成する現像主薬の酸化体と上記のカラーカプラーとのカップリング反応によって各色素が形成される。現像によって生じた金属銀(現像銀)と、未反応のハロゲン化銀とをそれぞれ漂白および定着処理によって取り除くことで色素画像を得る。同様な感光波長領域と発色色相の組合せを有する感光性層を反射支持体上に塗設したカラー感光材料であるカラー印画紙に現像処理後のカラーネガフィルムを通して光学的な露光を与え、これも同様の発色現像と漂白、定着処理とを施すことでオリジナルの光景を再現した、色素画像よりなるカラープリントを得ることができる。
【0004】
これらのシステムは現在広く普及しているが、その簡易性を高める要求はますます強くなりつつある。例えば、特開平6−295035号公報には、色素画像を形成することなく、青、赤、および緑の各色部分への像様露光を表す画像情報をハロゲン化銀カラー写真要素、即ち銀画像から抽出する画像形成の方法が記載されている。この方法によれば、カラー発色素材を用いることなく感光材料を設計することができると共に、カラー発色素材を用いたとしても発色させることなく画像を読み取ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カラー写真フィルムは、元来透過画像を形成するものであり、カラーペーパがバライタ層により効率良く光を反射するのに対し、入射した光を効率良く反射する機能を備えていないため、画像読み取り時の光のロスが多く、光量を多くするかまたは時間をかけて読み取りを行わないと、光電変換素子が充分な光を得て高SN比の信号を出力するのが困難である、という問題があった。
【0006】
また、支持体側(ベース側)から画像を読み取る場合には、コロイド銀からなるアンチハレーション層が光を減衰させるため、更に大量の光を照射するか読み取りに長時間かけなければ高SN比の信号を得ることができない、という問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたもので、一部分に熱を集中させることなく、高SN比の画像情報を読み取ることができる、画像読み取り装置を提供することを目的とする。また、大量の光を照射したり、長時間を要することなく画像を読み取ることができる画像読み取り装置を提供することを他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項4の発明は、透光性の支持体上に青感光性、緑感光性、及び赤感光性の感光性ハロゲン化銀乳剤を含有する少なくとも3種の写真感光性層を有し、画像が露光された後各写真感光性層内に銀画像が生じるように処理されたカラー写真感光材料に記録された画像を読み取る画像読み取り装置であって、前記カラー写真感光材料の乳剤面側及び支持体面側の各々に波長及び光量の少なくとも一方が異なる光を照射する光源と、前記カラー写真感光材料の乳剤面側及び支持体面側の各々から反射された光により反射画像を読み取ると共に、前記カラー写真感光材料を透過した光により透過画像を読み取るエリアセンサと、を含み、銀画像の生成度合いに応じて同一画像を複数回読み取るものである。
【0009】
請求項4の発明では、カラー写真感光材料の乳剤面側及び支持体面側の各々に、波長及び光量の少なくとも一方が異なる光を照射するようにしている。
【0010】
カラー写真感光材料の乳剤面側及び支持体面側の各々に波長が異なる光を照射することにより、乳剤面側及び支持体面側の反射画像、及び透過画像を同時に読み取ることができるので、長時間を要することなく画像を読み取ることができ、1つの読み取り画面に対して大量の光を長時間照射する必要がなくなるので、感光材料の熱損傷を防止することができる。また、カラー写真感光材料の乳剤面側及び支持体面側の各々に光量が異なる光を照射することにより、光の減衰が大きくなる支持体面側に照射する光量を多くする一方、乳剤面側に照射する光量を少なくすることができ、1つの読み取り画面に対して大量の光を照射する必要がなくなるので、感光材料の熱損傷を防止することができる。
【0011】
また、光源から乳剤面側及び支持体面側の各々に交互に光を照射し、乳剤面側及び支持体面側の反射画像を交互に読み取ると共に、透過画像と反射画像のいずれか一方とを同時に読み取れば、反射画像、透過画像を個々に読み取る場合より短時間に画像を読み取ることができる。
【0012】
さらに、前記カラー写真感光材料の種類に応じて、前記支持体面側に照射する光量と前記乳剤面側に照射する光量とを可変としたことにより、例えば、銀コロイドを用いたアンチハレーション層等が設けられているフィルムの場合、アンチハレーション層等により光が減衰される支持体面側の光量を乳剤面側の光量より多くすることにより、1つの読み取り画面に対して大量の光を照射する必要がなくなる。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、透光性の支持体上に青感光性、緑感光性、及び赤感光性の感光性ハロゲン化銀乳剤を含有する少なくとも3種の写真感光性層を有し、画像が露光された後各写真感光性層内に銀画像が生じるように処理されたカラー写真感光材料に記録された画像を読み取る画像読み取り装置であって、前記カラー写真感光材料の乳剤面側及び支持体面側の各々に光を照射する光源と、前記カラー写真感光材料の乳剤面側及び支持体面側の各々から反射された光により反射画像を読み取ると共に、前記カラー写真感光材料を透過した光により透過画像を読み取るエリアセンサと、を含み、銀画像の生成度合いに応じて同一画像を複数回読み取ることを特徴とするものである。
請求項1の発明のように、読み取りセンサとしてエリアセンサを用いることにより、ラインセンサに比較して光が一部分に集中することがないので、一部分に熱を集中させることなく画像を読み取ることができる。
【0014】
銀画像の位置の検出が困難なカラー写真感光材料に記録された銀画像をエリアセンサで読み取る場合には、隣り合う読み取り範囲が一部重複するように読み取れば、読み取り後に合成することにより画像の読み取りミスを無くすことができる。
【0015】
また、画像を合成する場合には、センサで読み取った画像の特徴量を抽出し、抽出した特徴量に基づいて反射画像及び透過画像の各々が一致するように合成すればよい。
【0016】
銀濃度が低過ぎると画像が読み取れない場合があるほか、銀画像濃度が高過ぎても画像の読み取りが困難になるが、銀画像の生成度合いに応じて、同一画像を複数回読み取り、銀画像濃度が低い部分については銀画像の生成が進行した後に読み取った画像情報を用い、銀画像濃度の高い部分については銀画像の生成初期に読み取った画像情報を用いることにより、高SN比の画像情報を得ることができる。
【0017】
本発明においては、赤色光(R光)、緑色光(G光)、青色光(B光)の各種波長の光の他、赤外光を用いて画像を読み取ることができる。
【0018】
なお、読み取りセンサは、前記カラー写真感光材料の乳剤面側からの反射光により反射画像情報を低解像度で読み取る低解像度用センサと、前記カラー写真感光材料の支持体面側からの反射光により反射画像情報を低解像度で読み取る低解像度用センサと、前記カラー写真感光材料を透過した透過光により透過画像情報を高解像度で読み取る高解像度用センサと、で構成することができる。
【0019】
また、読み取りセンサは、前記カラー写真感光材料の乳剤面側及び支持体面側の一方からの反射光により反射画像情報を低解像度で読み取ると共に、前記カラー写真感光材料を透過した透過光により透過画像情報を高解像度で読み取る兼用センサと、前記カラー写真感光材料の乳剤面側及び支持体面側の他方からの反射光により反射画像情報を低解像度で読み取る低解像度用センサと、で構成してもよい。このように、反射画像情報及び透過画像情報を読み取るセンサを兼用センサとすることにより、装置を簡単化してコストを抑えることができる。
【0020】
これら低解像度用センサ、高解像度用センサ、及び兼用センサは、例えば、カラー写真感光材料のコマ画像を1度に読み取ることができるエリアCCDや1ライン分に画像を読み取ることができるラインCCDを用いることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、支持体上に青感光性層(B層)、緑感光性層(G層)、及び赤感光性層(R層)の3種の写真感光性層を有するカラー写真フィルムを、色素情報を含まない銀画像が生じるように白黒現像し、現像した後、漂白、定着、及び水洗を行うことなく乾燥し、乾燥する前、または乾燥した後に、カラー写真フィルムに記録された銀画像を読み取る画像読み取り装置に本発明を適用した実施の形態について説明する。なお、白黒現像した場合には、赤色光(R光)、緑色光(G光)、青色光(B光)の各種波長の光源を用いることができるが、本実施の形態では赤外光を用いて銀画像を読み取る場合について説明する。なお、現像が停止していない状態若しくは現像中の状態の画像を読み取る場合には、R,G,B光を使用すると、読み取り光によってハロゲン化銀が感光される不具合が生じるが、IR光を用いた場合、その問題を回避することができる。
【0022】
図1には、画像処理システム10の全体構成が示されている。図1に示すように、画像処理システム10は、磁気情報読み取り部12、基準露光部14、APSフィルムを読み取り対象としたときに使用されるパーフォレーション検出センサ13、白黒現像部16、バッファ部18、フィルムスキャナ20、画像処理装置22、プリンタ部24、及びプロセッサ部26により構成されている。パーフォレーション検出センサ13は、発光素子と受光素子とを対向配置して構成されている。
【0023】
画像処理システム10は、ネガフィルムやリバーサルフィルム(ポジフィルム)等のカラー写真フィルムに記録されているフィルム画像(銀画像)を読み取って画像処理を施し、画像処理後の画像を印画紙にプリントするためのものであり、例えば135サイズの写真フィルム、110サイズの写真フィルム、及び透明な磁気層が形成された写真フィルム(240サイズの写真フィルム:所謂APSフィルム)、120サイズ及び220サイズ(ブローニサイズ)の写真フィルムのフィルム画像を処理対象とすることができる。写真フィルム28は、乳剤面側(B感光性層側)を上にして、図1において矢印A方向へ搬送される。なお、画像処理システムで、熱によって感熱紙に画像を形成したり、ゼログラフィーやインクジェット等によって普通紙等の記録媒体に画像を形成するようにしてもよい。
【0024】
磁気情報読み取り部12は、処理対象の写真フィルム28が図2に示すようなAPSフィルムの場合に、該APSフィルム28Aの画像コマの下に形成された磁気層30に記録された磁気情報を読み取る際に使用される。この磁気情報には、フィルム感度情報、DXコード等のフィルム種に関する情報も含まれる。
【0025】
また、APSフィルム28Aの先端側及び後端側には、図2に示すようにユーザ側で自由に使用可能な未露光エリアが設けられている。本実施の形態では、この未露光エリアを基準露光領域32として使用する。また、写真フィルム28が135サイズの写真フィルムの場合は、フィルムの先端側または後端側に存在する図3に示すような未露光部を基準露光領域32として使用する。
【0026】
パーフォレーション検出センサ13は、処理対象の写真フィルム28がAPSフィルムの場合に、パーフォレーションを検出し、制御部140によって検出したパーフォレーションに基づいて搬送ローラ15を制御することにより、後述する白黒現像部16において現像液を塗布する範囲を特定する。
【0027】
基準露光部14は、画像処理条件を決定する際に使用される画像情報を形成するために、基準露光領域32を基準露光する。なお、画像コマを読み取ったデータを記憶しておいて全画像コマ読み取り後に基準露光領域の画像情報を読み取って画像処理条件を決定してもよいが、画像コマを読み取る前に画像処理条件を決定すれば画像コマを読み取りながら画像処理することができるので、画像コマを読み取る前に画像処理条件を決定することができるように、写真フィルム28の先端側の基準露光領域32を基準露光することが好ましい。
【0028】
基準露光部14は、図4に示すように、露光部34及びLEDドライバ36により構成されている。露光部34は、複数のLED38が配列されたLED基板40のLED側に拡散板42を設け、さらに拡散板の光拡散側に、フィルム搬送方向に沿って光強度分布を生じさせるウェッジ44を設けて構成されている。
【0029】
LED基板40は、図5に示すように4つの領域に分かれており、図5において1番上の領域には赤色光(R光)を発光するLED46Rが配列され、上から2番目の領域には緑色光(G光)を発光するLED46Gが配列され、上から3番目の領域には青色光(B光)を発光するLED46Bが配列され、一番下の領域にはLED46R,LED46G,LED46Bが交互に配列されている。なお、グレイ露光部のR,G,Bの光量バランスは、D65等の標準的な昼光の色温度に近くなるように、LED46R,LED46G,LED46Bの個数を決めることが好ましい。
【0030】
LED基板40はLEDドライバ36と接続されており、LED基板40上の各LED38は、LEDドライバ36から所定の電流が供給されることにより一様に発光する。また、LEDドライバ36は、例えば磁気情報読み取り部12からフィルム感度情報を得ることにより、フィルム種に応じて各LEDに供給する電流を適正に制御することができる。
【0031】
各LEDから発光した光は拡散板42により拡散され、ウェッジ44を介して写真フィルム28に照射される。ウェッジ44は、写真フィルム28への露光量を変化させるようになっており、例えば図3に示すように写真フィルム28の搬送方向(矢印A方向)上流側から下流側へ向けて連続的に露光量が大きくなるようにする。なお、露光量は、段階的に大きくなるようにしてもよい。また、ウェッジ44の写真フィルム28の搬送方向上流側は、図6の線48で示すように、該搬送方向と略直交する方向に線状に露光することができるようになっている。なお、ウェッジ44を用いずに、各LEDに供給する電流をフィルム搬送方向に沿って徐々に大きくすることにより露光量を変化させてもよい。
【0032】
このように構成された基準露光部14により写真フィルム28の基準露光領域32は、図6に示すようにR光、G光、B光、及びR光、G光、B光がミックスされた光、すなわちグレイ光により基準露光される。また、写真フィルム28の搬送方向と略直交する方向に線状に露光される。この線48をトリガ線として検出することにより基準露光領域32が基準露光されたことを検出することができる。
【0033】
なお、基準露光部14は、例えば図7に示すようにLEDに代えてハロゲンランプ等の光源を用いて構成してもよい。図7に示す基準露光部14は、ハロゲンランプ50を備え、該ハロゲンランプ50の光照射側にはシャッタ52が配置されている。シャッタ52の光出射側には上下に拡散板54が取り付けられた拡散ボックス56、光をR光、G光、及びB光に分解する色分解フィルタ58、及び上記で説明したウェッジ44が順に配置されている。
【0034】
色分解フィルタ58は、入射光のうちR光のみ透過させるフィルタと、入射光のうちG光のみ透過させるフィルタと、入射光のうちB光のみ透過させるフィルタと、で構成され、図5のLED配列部位と対応する部位に配置されている。なお、LED46R,46G,46Bを交互に配列した部位にはD65等の標準的な昼光の色温度に近くなるような色温度変換フィルターを配置することが好ましい。これによって、図6と同様の基準露光を行うことができる。また、コストを削減するために、フィルタを配置せずにハロゲンランプの色温度とD65の色温度との関係に基づいて補正してもよい。
【0035】
白黒現像部16では、白黒現像を行うための現像液を写真フィルム28に塗布することにより白黒現像を行う。白黒現像部16の上流側には上記で説明したように、搬送ローラ15及びパーフォレーション検出センサ13が配置されている。白黒現像部16は、図8に示すように、現像液を写真フィルム28へ噴射するための噴射タンク62を備えている。
【0036】
この噴射タンク62の左下方には、この噴射タンク62に供給する為の現像液を貯留する現像液ボトル64が配置されており、この現像液ボトル64の上部に現像液を濾過する為のフィルタ66が配置されている。そして、途中にポンプ68が配置された送液パイプ70が、この現像液ボトル64とフィルタ66との間を繋いでいる。さらに、噴射タンク62の右側には、現像液ボトル64より送られた現像液を溜めるサブタンク72が配置されており、フィルタ66から送液パイプ74がサブタンク72にまで伸びている。従って、ポンプ68が作動すると、現像液ボトル64からフィルタ66側に現像液が送られると共に、フィルタ66を通過して濾過された現像液がサブタンク72に送られて、サブタンク72に現像液が一旦溜められるようになる。
【0037】
また、サブタンク72と噴射タンク62との間を繋ぐ送液パイプ76が、これらの間に配置されており、フィルタ66、サブタンク72、送液パイプ76等を介して、現像液ボトル64よりポンプ68で送られた現像液がこの噴射タンク62内に満たされることになる。この噴射タンク62の下部には、現像液ボトル64に循環パイプ78で繋がれたトレー80が配置されており、噴射タンク62より溢れ出した現像液をトレー80が集め、循環パイプ78を介して現像液ボトル64に戻すようになっている。また、この循環パイプ78は、サブタンク72内にまで突出して伸びた状態でサブタンク72に接続されており、サブタンク72内に溜まった必要以上の現像液を現像液ボトル64に戻すようになっている。
【0038】
さらに、図9及び図10に示すように、この噴射タンク62の壁面の一部であって写真フィルム28の搬送経路Eに対向した部分には、弾性変形可能な長方形状の薄板を屈曲して形成したノズル板82が設置されている。そして、図9及び図10に示すように、このノズル板82には、ノズル板82の長手方向である写真フィルム28の搬送方向Aと交差する方向に沿って、一定の間隔で複数のノズル孔84(例えば直径数十μm)が、写真フィルム28の幅方向全体にわたってそれぞれ形成され、これにより直線状に延びるノズル列が構成される。そして、このノズル列は、ノズル板82上に千鳥掛状で複数列配置されている。
【0039】
つまり、線状に配列された複数のノズル孔84により形成されるノズル列が、それぞれ噴射タンク62の長手方向に延びるように複数列設けられており、これらノズル列を構成するノズル孔84よりそれぞれ噴射タンク62内に満たされた現像液が写真フィルム28側に噴射されるように放出可能とされている。この噴射タンク62から現像液が噴射されることにより、略一定速度で搬送される写真フィルム28が白黒現像される。
【0040】
本実施の形態においては、写真フィルム28がAPSフィルムの場合には、パーフォレーションの位置により画像コマ位置が特定できるので、パーフォレーション検出センサ13によってパーフォレーションを検出して搬送ローラ15により写真フィルム28の搬送を制御することにより、図20(A)に示すように画像コマ毎に現像液を塗布する。また、写真フィルム28が135サイズの写真フィルムの場合は、塗布漏れを防止するため、搬送ローラ15により写真フィルム28の搬送を制御することにより、図20(B)に示すように前回の塗布範囲と一部重複するように現像液を塗布する。
【0041】
バッファ部18は、白黒現像部16で略一定速度となる写真フィルム28の搬送速度と、後述するフィルムキャリア86による写真フィルム28の搬送速度との速度差を吸収するためのものである。なお、白黒現像部16での搬送速度とフィルムキャリア86での搬送速度とを同一にする場合には、バッファ部を省略することができる。
【0042】
フィルムスキャナ20は、白黒現像部16により現像処理された写真フィルム28に記録されている画像を読み取り、該読み取りによって得られた画像データを出力するものであり、図1及び図11に示すように、フィルムキャリア86を備えている。
【0043】
フィルムキャリア86の上側には、図12に示すようにリング状にLED88を配置して構成され、写真フィルム28に光を照射する照明ユニット90Aが配置されている。なお、照明ユニット90Aから射出される光は図13に示すような赤外域の波長(中心波長が約950nm)の光(IR光)である。この照明ユニット90Aは、LEDドライバ92により駆動される。
【0044】
照明ユニット90Aの上側には、図11及び図15に示すように、写真フィルム28のB層から反射した光を結像させる結像レンズ94A、及び写真フィルム28のB層から反射した光を検出するエリアCCD96Aが、光軸Lに沿って順に配置されている。エリアCCD96Aは、各々赤外域に感度を有する多数のCCDセル(光電変換セル)がマトリクス状に配列されたモノクロのCCDであり、受光面が結像レンズ94Aの結像点位置に略一致するように配置されている。また、エリアCCD96Aは、画素ずらしユニット98A上に配置されている。さらに、エリアCCD96Aと結像レンズ94Aとの間にはブラックシャッタ100Aが設けられている。
【0045】
エリアCCD96AはCCDドライバ102Aを介してスキャナ制御部104に接続されている。スキャナ制御部104はCPU、ROM(例えば記憶内容を書換え可能なROM)、RAM、及び入出力ポートを備え、これらがバス等を介して互いに接続されて構成されている。スキャナ制御部104はフィルムスキャナ20の各部の動作を制御する。また、CCDドライバ102AはエリアCCD96Aを駆動するための駆動信号を生成し、エリアCCD96Aの駆動を制御する。
【0046】
フィルムキャリア86の下側には、照明ユニット90B、結像レンズ94B、画素ずらしユニット98B上に配置されたエリアCCD96B、CCDドライバ102Bが順に配置されている。これらは、前述した照明ユニット90A、結像レンズ94A、エリアCCD96A、CCDドライバ102Aと各々同一構成であるが、エリアCCD96Bは、照明ユニット90Bにより写真フィルム28に照射されたIR光のうち図15に示すような写真フィルム28のR層により反射された反射光、及び照明ユニット90Aにより写真フィルム28に照射された光のうち該写真フィルム28を透過した透過光の両方を検出する。なお、照明ユニット90Bから射出される光は、照明ユニット90Aから射出される光と同様の中心波長が約950nmのIR光である。
【0047】
銀コロイドを用いたアンチハレーション層は、漂白処理を施さない状態では広い波長域に吸収を有し、入射または出射する光を減衰させてしまう。写真フィルム28にこのようなアンチハレーション層が設けられている場合は、写真フィルム28の支持体面側を照射する照明ユニット90Bの照射光量を、写真フィルム28の乳剤面側を照射する照明ユニット90Aの照射光量よりも大きくする等、フィルム種に応じて、即ち、フィルムの層構成やアンチハレーション層の組成を判別して、支持体面側の照射光量と乳剤面側の照射光量を変える。銀コロイドを用いたアンチハレーション層の光透過率は約20%〜50%であり、支持体面側と乳剤面側とに同じ光量の光を照射すると、支持体面側でのエリアCCDの受光量は乳剤面側のエリアCCDの受光量の4%〜25%になる。従って、支持体面側を照射する照明ユニット90Bの照射光量を、乳剤面側を照射する照明ユニット90Aの照射光量に対し、例えば2倍〜4倍の大きさにするのが好ましい。
【0048】
また、照明ユニット90Bとフィルムキャリア86との間には、明補正用NDフィルタ106が配置されている。明補正用NDフィルタ106は、図14(A)に示すように、矢印B方向に沿って回転可能なターレット108上に設けられた複数(本実施形態では5個)の開口部のうち1つの開口部110を除いて、透過率が互いに異なるNDフィルタ112A〜112Dが各々嵌め込まれた構成となっている。
【0049】
フィルムキャリア86は、写真フィルム28に記録された画像の画面中心が光軸Lに一致する位置(読取位置)に位置決めされるように写真フィルム28を搬送する。また、フィルムキャリア86は、DXコード読み取りセンサ114、コマ検出センサ116、明補正用反射基準板118A、118B等を備えている。
【0050】
DXコード読み取りセンサ114は、図16に示すような135サイズの写真フィルム28に光学的に記録されたDXコード120を読み取る。コマ検出センサ116は、パーフォレーション検出センサ13と同様に対向配置した発光素子と受光素子とで構成され、パーフォレーションを検出することにより写真フィルム28の画像コマ位置の検出を行う。これにより画像の画面中心が光軸Lに一致する位置に位置決めされる。明補正用反射板118A、118Bは、写真フィルム28を挟んで対向する位置に配置されており、図14(B)に示すように、矢印C方向に沿って回転可能とされたターレット122上に設けられた複数(本実施形態では5個)の開口部のうち1つの開口部124を除いて、反射率が互いに異なる反射板126A〜126Dが各々嵌め込まれた構成となっている。
【0051】
写真フィルム28はフィルムキャリア86によって搬送され、画像の画面中心が光軸Lに一致する位置(読取位置)に位置決めされる。また、スキャナ制御部104は画像が読取位置に位置決めされている状態で、明補正用反射板118A、118Bの開口部124及び明補正用NDフィルタ106の開口部110が光軸L上に位置するようにターレット122、108を回転駆動させると共に、所定の読取条件に対応するエリアCCD96A、96Bの電荷蓄積時間t1、t2をCCDドライバ102A、102Bへ各々設定する。
【0052】
これにより、図17(E)に示すように照明ユニット90Aがスキャナ制御部104により点灯されると、写真フィルム28のB層側にIR光が照射され、写真フィルム28のB層から反射した光は図17(A)に示すようにエリアCCD96Aによって検出され(詳しくは光電変換された電荷が蓄積され)、図17(B)に示すように反射光量を表す信号としてエリアCCD96Aから出力される。
【0053】
また、これと同時に写真フィルム28を透過した光が図17(C)に示すようにエリアCCD96Bによって検出され、図17(D)に示すように透過光量を表す信号としてエリアCCD96Bから出力される。
【0054】
透過光及びB層からの反射光の検出が終了すると、図17(F)に示すように照明ユニット90Bがスキャナ制御部104により点灯され、写真フィルム28の支持体側にIR光が照射され、写真フィルム28のR層から反射した光は図17(C)に示すようにエリアCCD96Bによって検出され、図17(D)に示すように反射光量を表す信号としてエリアCCD96Bから出力される。
【0055】
なお、照明ユニット90A,90Bにより照射される光の光量及び点灯時間t4、t5、エリアCCD96A,96Bによる電荷蓄積時間t1、t2、t3は、後述する制御部140によるセットアップ演算により設定される。
【0056】
また、APSフィルムの場合には、現像部16で各コマに順に現像液を塗布した後、フィルムキャリア86の読み取り位置に各コマを停止させて画像を読み取ればよいが、135フィルムの場合には現像液を重ねて塗布すると共に、隣り合う読み取り範囲が一部重複するように読み取るので、画像読み取り完了後、次回の塗布範囲に現像液を塗布するためフィルムキャリア86は写真フィルム28を逆方向に搬送する。なお、この135フィルムの場合には、現像部16と読み取り部との距離を短くするために、バッファ部18を省略するのが好ましい。
【0057】
B層による反射光量は、B層(青感光性層)内に含まれる現像銀の量、すなわちB層の銀画像量に応じて変化する。従って、B層による反射光を光電変換することは白黒現像に代えてカラー現像した場合に得られるイエロー色素画像の画像情報を読み取ることに相当する。同様に、R層(赤感光性層)による反射光を光電変換することはカラー現像した場合に得られるシアン色素画像の画像情報を読み取ることに相当する。また、透過光を光電変換することはカラー現像した場合に得られるイエロー色素画像、緑感光性層内のマゼンタ色素画像、シアン色素画像がミックスされた画像を読み取ることに相当する。
【0058】
写真フィルム28がAPSフィルムの場合には、図20(A)に示すように、画像コマより若干広い範囲に現像液が塗布されるので、塗布範囲より少し狭い範囲で画像を読み取る。写真フィルム28が135サイズの写真フィルムの場合は、画像の位置が特定できないため、図20(B)に示すように、現像液の塗布範囲よりも広い範囲を読み取る。この場合には重複した範囲が読み取られることになるが、画像処理を施すことにより現画像を復元することができる。
【0059】
エリアCCD96A,96Bによる画像の読み取りは、銀画像の発生度合いに応じて複数回行ってもよい。例えば、画像が読取位置に位置決めされている状態で、照明ユニット90A,90Bを所定時間間隔で交互に点灯させ、同一画像を複数回読み取る。銀画像中の銀濃度は露光量に応じて増加するが、銀濃度が低過ぎると画像が読み取れない場合があるほか、銀濃度が高過ぎても画像の読み取りが困難になる。同一銀画像を上記のように複数回読み取り、銀濃度が低い部分については現像が進行した後に読み取った画像データを用い、銀濃度の高い部分については現像初期に読み取ったデータを用いる、というように複数の画像データから合成画像を作成することにより、1回の読み取りデータから画像を形成するよりも良好な画像を得ることができる。
【0060】
なお、本実施の形態では1箇所で画像の読み取りを行う構成としたが、上下1組のエリアCCDを写真フィルム28の搬送路に沿って所定間隔で直列に配置し、順次画像の読み取りを行ってもよい。また、本実施の形態ではセンサとしてエリアセンサであるエリアCCDを用いているが、エリアCCDに代えてラインセンサを用いることもできる。ラインセンサを用いる場合は、写真フィルム28を往復移動させて、同一画像を複数回読み取る。
【0061】
また、エリアCCD96Aは、図18に示すように画素ずらしユニット98A上に配置され、該画素ずらしユニット98Aにはピエゾドライバ99により駆動されるピエゾ素子101X,101Yが接続されている。このピエゾドライバ99によりピエゾ素子101X、101Yを図18においてX方向、Y方向に各々振動させることにより画素ずらしユニット98A、すなわちエリアCCD96AをX方向、Y方向へずらすことができる。これにより、例えば1/2画素分ずつX方向、Y方向へ順次エリアCCD96Aを移動させて画像を各々読み取ることにより、4倍の解像度で画像を読み取ることができる。なお、エリアCCD96Bについても同様の構成である。
【0062】
エリアCCD96A、96Bから出力された信号は、アンプ回路128A、128Bにより各々増幅され、A/D変換器130A、130Bによって反射光量を表すデジタルデータに各々変換され、相関二重サンプリング回路(CDS)132A、132Bに各々入力される。CDS132A、132Bは、フィードスルー信号のレベルを表すフィードスルーデータ及び各画素毎の信号のレベルを表す画素データを各々サンプリングし、各画素毎に画素データからフィードスルーデータを減算し、演算結果(各CCDセルでの蓄積電荷量に正確に対応するデータ)を、画像データとして画像処理装置22へ順次出力する。
【0063】
CDS132A、132Bから出力された画像データは、明暗補正部134A、134Bに各々入力される。明暗補正部134A,134Bでは、予め定めた暗補正データ及び明補正データにより明暗補正が行われる。
【0064】
明暗補正部134Aは、エリアCCD96Aの光入射側がブラックシャッタ100Aにより遮光されている状態で明暗補正部に入力されたデータ(エリアCCD96Aの各セルの暗出力レベルを表すデータ)を各セル毎に図示しないメモリに暗補正データとして記憶しておき、入力された画像データから、各画素毎に対応するセルの暗出力レベルを減ずることによって暗補正を行う。暗補正データの設定は、例えば装置の始業点検時や予め定めた所定時間毎、スキャン毎に行うが、暗出力レベル変動を補正できる頻度で行うことが望ましい。なお、明暗補正部134Bによる暗補正も上記と同様に行うことができる。
【0065】
また、明暗補正部134Aにより通常のカラー現像を行った写真フィルム28に記録された画像の画像データに対して明補正を行う場合には、まず、白色板等の反射率が高いものを用いてエリアCCD96Aにより反射光の読み取りを行い、入力されたデータ(このデータが表す各画素毎の濃度のばらつきは各セルの光電変換特性のばらつき、または光源のムラに起因する)に基づいて各セル毎にゲインを定め、明補正データとして図示しないメモリに記憶しておく。そして、入力された読取対象のコマ画像の画像データを、各セル毎に定めたゲインに応じて各画素毎に補正する。なお、明暗補正部134Bによる明補正も上記と同様に行うことができる。また、照明ユニット90Aからの透過光を読み取って明補正する場合には、照明ユニット90Aからの光が素抜けの状態で明補正を行う。
【0066】
しかしながら、白黒現像を行った写真フィルム28に記録された画像の画像データに対して明補正を行う場合において、白色板を用いたり、素抜け状態で明補正を行った場合、写真フィルム28に記録された画像濃度に比べて明るすぎてしまい、適正に明補正を行うことができない。このため、写真フィルム28の未露光部の濃度を明補正用の基準濃度とし、これに近い反射板又はフィルタが光軸L上に位置するようにして明補正を行うことが好ましい。これにより、白黒現像を行った写真フィルム28の明補正を適正に行うことができる。なお、明補正用の基準濃度の選択は後述する制御部140によるセットアップ演算により行われる。
【0067】
また、写真フィルム28の未露光部が光軸上に位置するようにして明補正を行うようにしてもよい。これにより、明補正用NDフィルタ106や明補正用反射板118A,118Bが不要となり、コストを抑えることができる。この場合、未露光部の読み取りにおいてエリアCCD96A、96Bの飽和点(リニアニティが取れる状態での最明点)に近くなるように、電荷蓄積時間や光量を設定し、その状態で複数回未露光部の読み取りを行ったときの平均値を明補正データとして図示しないメモリに記憶する。
【0068】
なお、高S/Nでの読み取りを行う場合には、コマ毎にプレスキャンを行い、そのコマの最明点を用いて電荷蓄積時間や光量を設定してもよいし、未露光部の読み取りデータに基づいて電荷蓄積時間や光量を設定し、1回目のスキャンによりオーバー露光ネガであると判断される場合にはさらに明るい条件(蓄積時間を長くする、光量を増加させる)で再度スキャンしてもよい。
【0069】
明暗補正部134A,134Bで明暗補正処理が施された画像データは、画像処理装置22へ各々出力される。
【0070】
エリアCCD96Aで読み取った画像データとエリアCCD96Bで読み取った画像データとの位置合わせは、写真フィルム28に設けられたパーフォレーション、DXコード、またはFNSコードを特徴量として抽出し、抽出したパーフォレーション、DXコード、またはFNSコードを基準に、これらの特徴量が重なり合うように画像データを位置合わせすることにより、読み取った反射画像及び透過画像を合成することができる。フレームや画像中のエッジ等の画像中の特徴量を基準に位置合わせを行ってもよい。
【0071】
また、エリアCCD96A、96Bにより、基準チャートとフィルムキャリア86に設けられた基準マークとを同時に読み込んで、各エリアCCDで画像を読み込んだ場合の画像中心の光軸中心からの変位量を求めて予め補正量を算出し、算出した補正量に応じて位置合わせを行ってもよい。なお、補正量は各エリアCCDに固有の値であるため、補正量の算出はセットアップ時に行う。
【0072】
画像処理装置22は、図1に示すように、フレームメモリ136、画像処理部138、及び制御部140を備えている。フレームメモリは各フレームのコマ画像の画像データを記憶可能な容量を有しており、フィルムスキャナ20から入力された画像データはフレームメモリ136に記憶される。フレームメモリ136に入力された画像データは、画像処理部138により画像処理が施される。
【0073】
画像処理部138は、制御部140によって各画像毎に決定されて通知された処理条件に従って種々の画像処理を行う。
【0074】
制御部140は、CPU142、ROM144(例えば記憶内容を書換え可能なROM)、RAM146、入出力ポート(I/O)148、ハードディスク150、キーボード152、マウス154、及びモニタ156を備え、これらがバスを介して互いに接続されて構成されている。制御部140のCPU142は、フレームメモリ136から入力された基準露光部の読み取りデータに基づいて、画像処理部138において行われる各種の画像処理のパラメータを演算(セットアップ演算)し、画像処理部138へ出力する。この演算は、以下のようにして行う。
【0075】
例えば、基準露光部32のR単色露光領域の反射光の読み取りデータと、R単色露光領域の透過光の読み取りデータとから、Rの反射濃度からRの透過濃度へ変換する変換特性f1を求める。各露光領域は前述したように写真フィルム28の搬送方向上流側から徐々に露光量が大きくなっているため、各露光領域の低濃度から高濃度のデータが得られる。従って、変換特性f1は、例えば透過光の読み取りデータから反射光の読み取りデータを除算した値を各濃度域毎に演算することにより、Rの反射濃度からRの透過濃度へ変換するための変換曲線を求めることができる。ここで、Rの反射濃度をDHR、Rの透過濃度をDTRとした場合、DTR=f1(DHR)である。
【0076】
同様にして、CPU142は、基準露光部32のB単色露光領域の反射光の読み取りデータと、B単色露光領域の透過光の読み取りデータとから、Bの反射濃度からBの透過濃度へ変換する変換特性f2を求める。ここで、Bの反射濃度をDHB、Bの透過濃度をDTBとした場合、DTB=f2(DHB)である。
【0077】
制御部140は、この求めた変換特性f1、f2のデータを画像処理部138のLUT(ルックアップテーブル)158に出力する。LUT158では、入力されたR画像、B画像の読み取りデータを各々log変換して反射濃度データに変換し、変換した反射濃度データを変換特性f1、f2により透過濃度データに変換する。このように変換特性を求めて透過濃度に変換するのは、中間濃度域では層内を光が2度通過することから反射濃度は透過濃度の約2倍になり、高濃度域では濃度が飽和する等、反射濃度と透過濃度とが非線形な関係にあるため反射読み取りと透過読み取りを混在させた場合にグレイバランス等を適正に補正することができなくなるためである。
【0078】
一方、G層の透過読み取りデータDTGは、R,G,B各層合計の透過濃度データに含まれているため、R,G,B各層合計の透過読み取りデータをDTRGBとした場合、DTG=DTRGB−DTR−DTBで表すことができる。この演算は、MTX(マトリクス)回路160により演算される。
【0079】
G単色露光領域におけるベース側から読み取ったR層の反射濃度、及び乳剤面側から読み取ったB層の反射濃度は、混色がないと仮定した場合には、その値は零となる。これは、G単色露光領域のR層、B層には現像銀が存在しないためR層、B層は全く反射しないと考えられるからである。しかしながら、R層、B層の反射読み取りデータは、下層(本実施の形態の場合G層)の影響を受けるため混色を生じており、このままでは濁った色再現となってしまう。同様に、R単色露光領域におけるB層の反射濃度、G層の透過濃度、B単色露光領域におけるR層、G層の透過濃度は、混色がないと仮定した場合には、その値は零となる。しかしながら、実際には前述したように各層は他の層の影響を受けるため混色が生ずる。
【0080】
そこで、各単色露光領域における各層の透過濃度を求めることにより、以下に説明するようにして混色の影響をなくす。まず、i色におけるj色の混色度合いを表す混色係数aijを演算する。ただし、i、j=1,2,3であり、1はR,2はG、3はBを各々表す。
【0081】
混色がない場合のR,G,Bの透過濃度のデータをR,G,Bとした場合、混色があるときのR,G,Bの透過濃度のデータR’,G’,B’は次の(1)式で示される。
【0082】
【数1】
Figure 0003759854
【0083】
【数2】
Figure 0003759854
【0084】
ここで、混色係数a12,a32は、G単色露光領域におけるR層の透過濃度DTR及びB層の透過濃度DTBから求めることができ、同様に、混色係数a13,a23は、B単色露光領域におけるR層の透過濃度DTR及びG層の透過濃度DTGから求めることができ、混色係数a21,a31は、R単色露光領域におけるG層の透過濃度DTG及びB層の透過濃度DTBから求めることができる。
【0085】
CPU142は、上記の混色係数で構成される(2)式の逆行列を計算して色補正係数を求め、MTX回路160へ出力する。
【0086】
なお、RGB単色露光を行わずに、任意のカラーチャートを予めフィルムに露光しておき、その読み取りデータと色再現目標値とから色補正係数を最小二乗法等で最適化して求めるようにしてもよい。すなわち、市販のカラーネガフィルムを用い、同じカメラで同じ被写体を連写することにより、複数(例えば、2コマ)の同じ絵柄の潜像を形成した未現像フィルムを用意し、1つのコマは白黒現像液で現像し、現像後、漂白、定着、及び水洗を行うことなく乾燥して白黒現像フィルムを得る。もう1つのコマはカラー現像液で現像し、現像後、漂白、定着、水洗、及び乾燥を行いカラー現像フィルムを得る。このカラー現像フィルムの画像を目標画像として色補正係数を求める。
【0087】
別途設けられたフィルムスキャナで白黒現像フィルムに記録された画像を3方向から読み取る。すなわち、白黒現像したフィルム101の乳剤層側及び支持体側に光(本実施の形態ではIR光)を照射し、各々から反射された光により上層(B層)の写真感光性層及び下層(R層)の写真感光性層の反射画像を各々読み取り、白黒現像したフィルムを透過した光によりB層の写真感光性層、R層の写真感光性層、及び中間層(G層)の写真感光性層の画像の各々を合成した透過画像を読み取る。B層及びR層の反射画像とRGB層の透過画像それぞれの画像データBr,Rr,RGBtを取り出し、3枚の画像が重ね合わされるように画素座標の修正を行う。特に、R層の反射画像は読み込み時に反転しているため、左右反転させて重ね合わされるようにする。画像の重ね合わせは、画像中に基準点を定め、該基準点の座標が一致するように各画像を回転変換、平行移動させることにより行う。フィルムスキャナから取り出され重ね合わされるように座標変換されたデータBr,Rr,RGBtは、グレースケールをリニアに変換するための変換器でそれぞれ線形変換されて、回帰演算装置にデータBr’,Rr’,RGBt’として入力される。
【0088】
また、同じ感度のフィルムスキャナでカラー現像フィルムの各感光層に記録された画像を透過画像として3色に色分解して読み取る。読み取られたデータR,G,Bは、変換器でそれぞれ線形変換されて、回帰演算装置に目標値であるデータR’,G’,B’として入力される。
【0089】
回帰演算装置では、線形変換された3層のデータRr’,RGBt’,Br’を目標値R’,G’,B’に一致させるために回帰分析を行いパラメータを演算する。白黒現像フィルムから読み取ったデータRr’,RGBt’,Br’は色成分(RGB成分)に分離されていないので、これによりカラー現像フィルムに記録された画像の色を基準にして色成分に分離する処理が行われる。
【0090】
即ち、回帰演算装置では、R、G、Bの3色の各々について、以下の式に示すように10個のパラメータak〜jk(ただしk=1、2、3であり、1はR、2はG、3はBを表す)を用意し、Rr’,RGBt’,Br’を目標値R’,G’,B’に変換するための3×10のマトリックスのパラメータを統計演算で求める。これにより、色補正係数として3×10行列式が得られる。
【0091】
【数3】
Figure 0003759854
【0092】
この(3)式は以下のように表される。
Figure 0003759854
なお、上記の例ではパラメータマトリックスのサイズを3×10行列としたが、3×3行列や3×9行列であってもよい。
【0093】
MTX回路160では、上記のいずれかの方法で求めた色補正係数を用いて混色のないR,G,Bの各データを演算し、LUT162へ出力する。LUT162では、グレイバランスの補正及びコントラストの補正を行う。CPU142では、このグレイバランスの補正、コントラストの補正を行うためのパラメータを決定する。
【0094】
すなわち、基準露光領域32のグレイ露光領域の読み取りデータと、予め定めた目標のグレイ濃度とから変換特性f3を求める。但し、一般の写真撮影では様々な色温度の光源により撮影されているため、基準露光領域32のグレイ露光領域の読み取りデータからグレイバランスを充分に補正することはできない。このため、コマ毎に撮影光源の光源補正係数を推定し、LUT162へ出力する。すなわち、LUT162では、この変換特性f3を階調変換特性の基準としてグレイバランスの補正を行い、さらに光源補正係数による補正を行うことにより階調バランスの補正を行う。また、白黒現像のコントラストは、基準カラー現像のコントラストと異なっているので、それを補正するためのコントラスト補正を行う。
【0095】
グレイバランスの補正やコントラストの補正が行われた画像データは、拡縮部164により所定の倍率に拡縮され、自動覆い焼き部166により覆い焼き処理が施され、シャープネス強調部168によりシャープネス強調処理が施される。なお、シャープネス強調処理は、低周波成分を除去し、高周波成分のみに基づいて行ってもよい。
【0096】
このようにして画像処理が施された画像データは、3D(3次元)LUT色変換部170によりモニタ154に表示するための画像データに変換されると共に、3DLUT変換部172によりプリンタ部24において印画紙にプリントするための画像データに変換される。
【0097】
プリンタ部24は、例えば画像メモリ、R,G,Bのレーザ光源、該レーザ光源の作動を制御するレーザドライバ等を含んで構成されている(何れも図示省略)。画像処理装置22から入力された記録用画像データは画像メモリに一旦記憶された後に読み出され、レーザ光源から射出されるR,G,Bのレーザ光の変調に用いられる。レーザ光源から射出されたレーザ光は、ポリゴンミラー、fθレンズを介して印画紙上を走査され、印画紙に画像が露光記録される。画像が露光記録された印画紙は、プロセッサ部26へ送られて発色現像、漂白定着、水洗、乾燥の各処理が施される。これにより、印画紙に露光記録された画像が可視化される。
【0098】
次に、本実施の形態の作用について、APSフィルムを処理する場合を例にとって説明する。
【0099】
まず、写真フィルム28の処理に先だって、前述した明暗補正を行い、明補正データ及び暗補正データを明暗補正部134A,134B内の図示しないメモリにセットしておく。そして、撮影済みの写真フィルム(APSフィルム)28が図1において矢印A方向に搬送されると、磁気情報読み取り部12において、磁気層30に記録された磁気情報、すなわち、フィルム感度等のフィルム種に関する情報が読み取られる。
【0100】
次に、写真フィルム28は、基準露光部14において、写真フィルム28の先端側に設けられた未露光エリアである基準露光領域32が図6に示すようにR,G,B,グレイの各色に低濃度域から高濃度域まで基準露光される。基準露光部14において基準露光された写真フィルム28は、白黒現像部16により白黒現像される。これにより、写真フィルム28のR,G,Bの各層内の撮影により感光されたハロゲン化銀が現像され、各色の銀画像が形成される。
【0101】
白黒現像された写真フィルム28は、バッファ部18を介してフィルムスキャナ20へ搬送され、コマ検出センサ116により基準露光領域32が検出されると、該基準露光領域32の中心部が光軸L上に位置するように位置決めされる。そして、スキャナ制御部104により明補正用NDフィルタ106の開口部110、明補正用反射板118A、1118Bの開口部124が各々光軸L上に位置するようにターレット108、122を回転させる。
【0102】
次に、スキャナ制御部104は、CCDドライバ102A,102Bに対して電荷蓄積時間t1、t2、t3を各々設定し、照明ユニット90A、90Bを点灯時間t4、t5で点灯させIR光を写真フィルム28に照射する。これにより、エリアCCD96A,96Bにより基準露光領域32の読み取りが行われる。すなわち、エリアCCD96AによりB層の反射光が、エリアCCD96BによりR層の反射光、各層の透過光が各々検出される。各検出信号は、アンプ回路128A,128Bにより各々増幅され、A/D変換器130A、130Bによってデジタルデータに各々変換され、CDS132A、132Bを介して明暗補正部134A,134Bへ出力され、該明暗補正部134A,134Bにより明暗補正処理が施される。明暗補正処理が施された画像データは画像処理装置22のフレームメモリへ出力され、制御部140へ出力される。制御部140のCPU142では、基準露光部32のR単色露光領域の反射光の読み取りデータ及び透過光の読み取りデータとから、Rの反射濃度からRの透過濃度へ変換する変換特性f1を、基準露光部32のB単色露光領域の反射光の読み取りデータ及び透過光の読み取りデータから、Bの反射濃度からBの透過濃度へ変換する変換特性f2を各々求め、LUT158へセットする。
【0103】
次に、CPU142は、変換特性f1、f2により求めた各単色露光領域の透過濃度データから混色係数を演算し、この混色係数で構成される行列の逆行列を計算して色補正係数を求め、MTX回路160へ出力する。次に、CPU142は、基準露光領域32のグレイ露光領域の読み取りデータと、予め定めた目標のグレイ濃度とから変換特性f3を求め、LUT162へセットする。このようにして色補正、グレイバランス等の補正を行うためのパラメータを基準露光データに基づいて算出し、画像処理部138へセットする。
【0104】
基準露光領域32の読み取りが終了すると、画像コマ1が光軸L上に位置するように位置決めされ、基準露光領域32の読み取りと同様に画像コマ1の読み取りが行われ、画像データが画像処理装置22へ出力される。そして、画像処理部138により、制御部140で設定された条件で画像処理が施される。すなわち、LUT158により、入力されたR画像、B画像のデータが各々log変換され、変換されたデータに対して変換特性f1、f2により透過濃度のデータに変換される。
【0105】
次に、MTX回路160により、入力された各画像データが色補正係数により各々色補正され、混色のないR,G,Bの各データが演算される。そして、LUT162により変換特性f3を階調変換特性の基準としてグレイバランスの補正、コントラストの補正が行われる。グレイバランス補正は、さらに必要に応じて光源補正係数による階調バランスの補正を含んだ形で行われる。グレイバランスの補正、コントラストの補正が行われた画像データは、拡縮部164により所定の倍率に拡縮され、自動覆い焼き部166により覆い焼き処理が施され、シャープネス強調部168によりシャープネス強調処理が施される。
【0106】
このようにして画像処理が施された画像データは、3DLUT色変換部170によりモニタ154に表示するための画像データに変換されると共に、3DLUT変換部172によりプリンタ部24において印画紙にプリントするための画像データに変換される。この画像処理が施された画像データは、プリンタ部24により印画紙に露光される。画像データに応じて露光された印画紙は、プロセッサ部26へ送られて発色現像、漂白定着、水洗、乾燥の各処理が施される。これにより、印画紙に露光記録された画像が可視化される。このようにして順次画像コマに記録された画像が読み取られて画像処理が施され、印画紙にプリントされる。
【0107】
本実施の形態では、カラー写真感光材料の乳剤面側及び支持体面側の各々に照射する光の光量を可変とし、写真フィルム28にコロイド銀からなるアンチハレーション層が設けられている場合には、写真フィルム28の乳剤面側を照射する照明ユニット90Aの照射光量を、写真フィルム28の支持体面側を照射する照明ユニット90Bの照射光量よりも小さくするので、1つの読み取り画面に対して大量の光を照射する必要がなくなり、感光材料の熱損傷を発生させることなく銀画像を読み取ることができる。
【0108】
また、読み取りセンサとしてエリアセンサを用いているので、ラインセンサと比較して光が一部分に集中することがなく、一部分に熱を集中させることなく銀画像を読み取ることができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、照明ユニット90A,90Bから同一波長の光(中心波長が約950nmのIR光)が照射される構成としたが、照明ユニット90A,90Bからそれぞれ異なる波長(例えば、850nmと1310nm)の光を照射する構成としてもよい。この場合には、反射光と透過光とを同時に検出することができる。すなわち、図21に示すように、結像レンズ94AとエリアCCD96Aとの間にハーフミラー91Aを配置し、中心波長が約950nmのIR光に感度を有するエリアCCD96Aに代えて、異なる各波長の光に感度を有するエリアCCD96A1、96A2をハーフミラー91Aによる光の分岐方向に配置すると共に、結像レンズ94BとエリアCCD96Bとの間にハーフミラー91Bを配置し、中心波長が約950nmのIR光に感度を有するエリアCCD96Bに代えて、異なる各波長の光に感度を有するエリアCCD96B1、96B2をハーフミラー91Bによる光の分岐方向に配置する。なお、エリアCCD96A1、96A2、96B1、96B2は、それぞれCCDドライバ102A1、102A2、102B1、102B2を介して、スキャナ制御部104に接続されている。なお、他の構成は第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0109】
照明ユニット90Aから射出される光をλA光、照明ユニット90Bから射出される光をλB光とすると、照明ユニット90Aがスキャナ制御部104により点灯されると、写真フィルム28のB層側にλA光が照射され、写真フィルム28のB層側から反射したλA光はλA光に感度を有するエリアCCD96A1によって検出されて反射光量を表す信号としてエリアCCD96A1から出力される。また、これと同時に写真フィルム28を透過したλA光がλA光に感度を有するエリアCCD96B1によって検出されて透過光量を表す信号としてエリアCCD96B1から出力される。
【0110】
一方、照明ユニット90Bがスキャナ制御部104により点灯されると、写真フィルム28の支持体側にλB光が照射され、写真フィルム28のR層側から反射したλB光はλB光に感度を有するエリアCCD96B2によって検出されて反射光量を表す信号としてエリアCCD96B2から出力される。また、これと同時に写真フィルム28を透過したλB光がλB光に感度を有するエリアCCD96A2によって検出されて透過光量を表す信号としてエリアCCD96A2から出力される。
【0111】
写真フィルム28の一方の側で検出する反射光と透過光とは波長が異なるので、照明ユニット90A,90Bを同時に点灯させて、反射光と透過光とを同時に検出することが可能である。即ち、写真フィルム28の乳剤面側及び支持体面側の反射画像と透過画像とを同時に読み取ることができる。これらの画像を同時に読み取ることで、エリアCCDごとに画像読み取りのタイミングがずれることによる読み取り誤差の発生を防止することができる。また、照明ユニット90A,90Bを所定時間間隔で交互に点灯させて、画像を読み取ってもよい。
【0112】
なお、エリアCCDは、所定波長の光のみを透過するフィルタを取り付けることにより所定波長の光に感度を有するようになるが、図21において、ハーフミラーに代えてダイクロイックミラーを用いた場合にはフィルタは不要である。
【0113】
また、上記では、エリアCCD96A2、96B2の2つのセンサにより透過画像を読み取るようにしたが、いずれか一方のみ配置して片方側からのみ透過画像を読み取るようにしてもよい。
【0114】
本実施の形態では、カラー写真感光材料の乳剤面側及び支持体面側の各々に異なる波長の光を照射するので、照明ユニット90A,90Bを同時に点灯させて、反射光と透過光とを同時に検出することが可能であり、長時間を要することなく画像を読み取ったり、1つの読み取り画面に対して長時間大量の光を照射する必要がなくなるので、感光材料の熱損傷を発生させることなく読み取ることができる。
【0115】
なお、上記第1及び第2の実施の形態では、白黒現像により銀画像を形成する例について説明したが、銀画像は実質的に銀画像であれば色素画像情報が含まれていてもよく、各層とも画像濃度の60%以上が銀画像に由来することが好ましい。したがって、カラーフィルムをカラー現像した色素情報を含む銀画像であってもよい。
【0116】
カラーフィルムをカラー現像した場合には、色素情報を含む銀画像は、赤外光を用いて色素画像を読み取らないで銀画像のみ読み取るようにすることができるが、上層の写真感光性層内の銀画像に含まれる色素と補色の光を上層の写真感光性層に照射する上層用光源と、下層の写真感光性層内の銀画像に含まれる色素と補色の光を下層の写真感光性層側に照射する下層用光源と、中間層の写真感光性層内の銀画像に含まれる色素と補色の光を上層の写真感光性層側または下層の写真感光性層側に照射する中間層用光源と、カラー写真フィルムの上層及び下層から反射された光、前記カラー写真フィルムを透過した光により画像情報を読み取る読取センサと、を設けて色素画像を読み取るようにしてもよい。
【0117】
具体的には、R光を用い反射光を検出することにより赤感光性層内のシアン色素画像と銀画像とに関する画像情報が得られ、G光を用いて透過光を検出することにより緑感光性層内のマゼンタ色素画像と銀画像とに関する画像情報を含む画像情報が得られ、B光を用い反射光を検出することにより青感光性層内のイエロー色素画像と銀画像とに関する画像情報が得られる。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項4記載の発明によれば、カラー写真感光材料の乳剤面側及び支持体面側の各々に波長及び光量の少なくとも一方が異なる光を照射するようにしたので、長時間を要することなく画像を読み取ったり、1つの読み取り画面に対して大量の光を照射する必要がなくなるので、感光材料の熱損傷を発生させることなく読み取ることができる、という効果を有する。
【0119】
また、請求項1記載の発明によれば、エリアセンサを用いたので、光を一部分に集中させることなく画像を読み取ることができるので、一部分に熱を集中さたときに発生する感光材料の熱損傷を発生させることなく、画像を読み取ることができる、という効果を有する。また、銀画像の生成度合いに応じて同一画像を複数回読み取るので、高SN比の画像情報を読み取ることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る画像処理システムの全体構成図である。
【図2】 APSフィルムの平面図である。
【図3】 135フィルムの平面図である。
【図4】 基準露光部の概略構成図である。
【図5】 LED基板の平面図である。
【図6】 APSフィルムの基準露光領域を示す図である。
【図7】 基準露光部の他の例を示す概略構成図である。
【図8】 現像部の概略構成図である。
【図9】 噴射タンクの斜視図である。
【図10】 噴射タンクの底面図である
【図11】 フィルムスキャナの概略構成図である。
【図12】 (A)は照明ユニットの底面図、(B)は照明ユニットの側面図である。
【図13】 照射光の波長を示す線図である。
【図14】 (A)は明補正用NDフィルタの平面図、(B)は明補正用反射板の平面図である
【図15】 IR光を用いた画像の読み取りについて説明するための図である。
【図16】 DXコードを示す図である
【図17】 画像の読み取りタイミングを示すタイミングチャートである。
【図18】 画素ずらしユニットの概略構成図である
【図19】 画像処理部の概略構成図である。
【図20】 (A)はAPSフィルムの読み取り範囲を示す平面図、(B)は135フィルムの読み取り範囲を示す平面図である。
【図21】 フィルムスキャナの他の構成を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 画像処理システム
12 磁気情報読み取り部(入力手段)
14 基準露光部(露光手段)
16 白黒現像部
18 バッファ部
20 フィルムスキャナ
22 画像処理装置
24 プリンタ部
26 プロセッサ部
90 照明ユニット
94 結像レンズ
96 エリアCCD(読み取りセンサ)
134 明暗補正部
136 フレームメモリ
138 画像処理部(画像処理手段)
140 制御部(演算手段)
150 ハードディスク(記憶手段)
158、162 LUT(補正手段)
160 MTX回路(補正手段)

Claims (8)

  1. 透光性の支持体上に青感光性、緑感光性、及び赤感光性の感光性ハロゲン化銀乳剤を含有する少なくとも3種の写真感光性層を有し、画像が露光された後各写真感光性層内に銀画像が生じるように処理されたカラー写真感光材料に記録された画像を読み取る画像読み取り装置であって、
    前記カラー写真感光材料の乳剤面側及び支持体面側の各々に光を照射する光源と、
    前記カラー写真感光材料の乳剤面側及び支持体面側の各々から反射された光により反射画像を読み取ると共に、前記カラー写真感光材料を透過した光により透過画像を読み取るエリアセンサと、
    を含み、
    銀画像の生成度合いに応じて同一画像を複数回読み取る画像読み取り装置。
  2. 前記光源から赤外光を照射する請求項1に記載の画像読み取り装置。
  3. 隣り合う読み取り範囲が一部重複するように、前記エリアセンサでカラー写真感光材料に記録された反射画像及び透過画像を読み取る請求項1または2に記載の画像読み取り装置。
  4. 前記光源は、前記カラー写真感光材料の乳剤面側及び支持体面側の各々に波長及び光量の少なくとも一方が異なる光を照射する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像読み取り装置。
  5. 前記カラー写真感光材料の種類に応じて、前記支持体面側に照射する光量と前記乳剤面側に照射する光量とを可変とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像読み取り装置。
  6. 前記エリアセンサで読み取った反射画像及び透過画像の特徴量を抽出し、抽出した特徴量に基づいて反射画像及び透過画像の各々が一致するように画像を合成する請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像読み取り装置。
  7. 前記カラー写真感光材料の乳剤面側及び支持体面側の各々に波長が異なる光を照射し、前記乳剤面側及び前記支持体面側の反射画像、及び前記透過画像を同時に読み取る請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像読み取り装置。
  8. 前記光源から前記乳剤面側及び支持体面側の各々に交互に光を照射し、前記乳剤面側及び前記支持体面側の反射画像を交互に読み取ると共に、前記透過画像と前記反射画像のいずれか一方とを同時に読み取る請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像読み取り装置。
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