JP3086352B2 - グレーバランス補正方法 - Google Patents

グレーバランス補正方法

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JP3086352B2
JP3086352B2 JP05027007A JP2700793A JP3086352B2 JP 3086352 B2 JP3086352 B2 JP 3086352B2 JP 05027007 A JP05027007 A JP 05027007A JP 2700793 A JP2700793 A JP 2700793A JP 3086352 B2 JP3086352 B2 JP 3086352B2
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  • Control Of Exposure In Printing And Copying (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はネガフィルムに記録され
た画像のグレーバランスを補正するためのグレーバラン
ス補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】カラー
ネガフィルムに記録された画像は画面全体としてB
(青)、G(緑)、R(赤)の3色光を透過させるが、
これらの3色光の透過割合は一般的に略等しいか、一定
の割合であることが経験則上知られている(エバンスの
理論)。このため、写真プリンタの殆どは、積分中性方
式と呼ばれる次の基本式に基づいて露光条件を決定して
いる。
【0003】 logEj =Kj +Aj ・Dj …(1) ただし、logEj は露光量の対数、Kj は感光材料、
写真プリンタ等によって定まる定数、Dj は画像の積算
透過濃度(LATD)、Aj は補正係数、jはR、G、
Bのいずれかの色光を表す。上記(1)式により、例え
ばRの透過光量が少ない(Rの積算透過濃度が高い)画
像に対してはRの露光量を大きくすることになるので、
上記で求めた露光量に基づいて印画紙へのプリントを行
った場合、ネガフィルムを透過して印画紙に照射される
R、G、Bの各露光光の全体的な光量が一致する。従っ
て、印画紙にプリントされた画像のR、G、Bの濃度値
の積算値が一定となり、画像全体としてはグレーバラン
スがとれることになる。
【0004】ところで、ネガフィルムでは撮影時の露光
量を変化させたときのR、G、Bの各色の濃度は、理論
的には図18(A)に示すように一定の濃度差で変化す
る。前記積分中性方式は、積算透過濃度が例えば各々R
0 、G0 、B0 である場合に、これらが一致するように
露光量を定めるものであるので、理論的には各色の濃度
変化の特性が一致するように露光量を定めることがで
き、プリントした画像中の最も低い濃度から最も高い濃
度に亘ってグレイバランスがとれるはずである。
【0005】しかしながら、現実には現像等の処理条件
の影響を受けて、前記ネガフィルムの濃度変化特性は傾
きが各色毎に異なっている(図18(B)参照)。この
濃度変化特性の傾きが各色毎に異なる場合、積分中性方
式により各色の積算透過濃度が一致するように露光量を
定めても、前記積算透過濃度よりも所定値以上濃度が高
い領域(例えば図18(C)の領域A)及び所定値以上
濃度が低い領域(例えば図18(C)の領域B)では各
色の濃度変化特性にずれが生じているのでグレーバラン
スがずれ、印画紙にプリントした画像の前記領域に対応
する部分の色が、撮影時の被写体の色と異なってしまう
という不都合が生ずる。
【0006】また、主要被写体の背景部分の面積が広
く、かつ前記背景部分の濃度が極端に高いまたは低い画
像では、積算透過濃度が主要被写体の濃度と大きく異な
っている。これは濃度フェリアと呼ばれ、前記積分中性
方式を適用して決定した露光量で前記画像を印画紙にプ
リントすると、濃度フェリアの影響を受けて印画紙にプ
リントした画像の主要被写体部分が露光不足または露光
過度となる。
【0007】さらに、主要被写体の背景部分の面積が広
く、かつ前記背景部分の色が主要被写体の色と著しく異
なる特定の色(例えば芝生の緑、海の青等)となってい
る画像では、前記特定の色の積算透過濃度が高く、画面
全体の色バランスが主要被写体の色バランスに対して大
きく偏倚している。これはカラーフェリアと呼ばれ、積
分中性方式を適用して決定した露光量で前記画像を印画
紙にプリントすると、カラーフェリアの影響を受けて印
画紙にプリントした画像中の主要被写体部分の色バラン
スが崩れる。これらは(1)式の積算透過濃度に代えて
画面全体の平均濃度を用いた場合にも同様に生ずる問題
である。
【0008】これに対し、従来の写真プリンタでは、露
光量の補正量を小さくする所謂ロアードコレクションに
よって上記濃度フェリア、カラーフェリアの発生を防止
するようにしている。しかしながら、このロアードコレ
クションでは太陽光以外の異種光源(例えば蛍光灯、タ
ングステン灯等)で撮影された画像に対する色バランス
の補正能力が低下し、適正なプリント結果を得ることが
できない。
【0009】また、画像中の高彩度と予測される部分の
データを除去して画像全体の積算透過濃度(または平均
濃度)を求めて露光量を決定する方法(特公昭59-29847
号公報参照)や、高彩度の測光データを無彩色となるよ
うに変換した後に露光量を決定する方法(特開昭59-298
47号公報参照)等も提案されているが、実際に高彩度で
あるのか異種光源で撮影された画像であるのかを正確に
判別することは困難であり、かつ複雑な処理を行う必要
があるという問題があった。
【0010】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、異種光源で撮影された画像に対する色バランスの補
正能力が低下することがなく、かつフェリアの影響を排
除することができるグレーバランス補正方法を得ること
が目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明は、ネガフィルムに記録された画
像を多数個の領域に分割して各領域毎にフィルムの色素
濃度に対応する3色の濃度値を各々測定し、濃度値の測
定値に基づいて各色毎に最大基準値を定め、前記各色の
最大基準値の変換後の値を一致させるための変換関係を
求め、前記求めた変換関係を用いて3色の測定値を変換
してグレーバランスを補正する。
【0012】また、請求項1記載の発明において、前記
変換関係は、各色の最大基準値の変換後の値が測定値の
3色の最大値の平均値に各々一致するように定めること
ができる。
【0013】請求項3記載の発明は、ネガフィルムに記
録された画像を多数個の領域に分割して各領域毎にフィ
ルムの色素濃度に対応する3色の濃度値を各々測定し、
濃度値の測定値に基づいて各色毎に最大基準値及び最小
基準値を定め、前記各色の最大基準値の変換後の値を一
致させかつ最小基準値の変換後の値を一致させるための
変換関係を求め、前記求めた変換関係を用いて3色の測
定値を変換してグレーバランスを補正する。
【0014】また、請求項3記載の発明において、前記
変換関係は、各色の最大基準値の変換後の値が測定値の
3色の最大値の平均値に各々一致し、かつ各色の最小基
準値の変換後の値が測定値の3色の最小値の平均値に各
々一致するように定めることができる。
【0015】また、請求項1乃至請求項4のいずれか1
項記載の発明において、前記画像の分割は、ネガフィル
ム上の領域の各々の面積が200μm平方以下となるよ
うに行うことが好ましい。
【0016】
【作用】写真撮影では殆どの被写体に白または白に近い
部分が含まれている。これは単に被写体の色が白い場合
に限らず、光源からの光を反射している部分についても
白く見えるためである。白は明度が最も大きな色である
ので、被写体が撮影されてネガフィルムに形成された画
像において、前記被写体の白または白に近い部分に対応
する領域は、前記画像内で3色の濃度値が最も高い領域
となる。なお、異種光源によって撮影した場合には、光
源からの光の色を反映して白から若干ずれる。例えば蛍
光灯を光源として撮影すると被写体の色に全体的に緑成
分が若干加わり、被写体が光を反射している部分に対応
するネガフィルムの画像中の所定領域の色にはマゼンダ
成分が若干加わることになるが、前記所定領域が画像内
で3色の濃度値が最も高い部分である確率は非常に高
い。
【0017】請求項1記載の発明では、ネガフィルムに
記録された画像を多数個の領域に分割して各領域毎にフ
ィルムの色素濃度に対応する3色の濃度値を各々測定
し、濃度値の測定値に基づいて各色毎に最大基準値を定
める。この最大基準値としては、例えば各色の測定値の
最大値をそのまま用いたり、ネガフィルムに付着した塵
埃や傷等の影響を小さくするために、最大値に近似した
基準値として、後述する実施例に示すように、画像を所
定数の区域に区分して各区域毎に測定値の最大値を求
め、各区域毎に予め定めた重みを用いて算出した各区域
毎の最大値の重み付き平均値を最大基準値として用いる
ことができる。また、例えば測定値のうち値の高い順で
上位特定個の測定値の平均値等を用いたり、最大値に近
い特定順位の測定値を用いたり、最大値に近い所定範囲
の順位の測定値の平均値を用いることもできる。
【0018】そして、各色の最大基準値の変換後の値を
一致させるための変換関係を求め、この変換関係を用い
て3色の測定値を変換する。これは白または白に近い部
分に対応する各色の最大基準値に基づいてグレーバラン
スを補正することに相当し、前記被写体の白または白に
近い部分に対応する領域の色が白となるように補正され
る。これにより、太陽光で撮影した画像において被写体
の白い部分が白となるように補正されることは勿論、異
種光源、例えば蛍光灯を光源として撮影された画像につ
いても、前述の緑成分が加わった白が白となるように、
すなわちグレーバランスがとれるように補正されること
になる。
【0019】また、最大基準値の大きさは、画像中の背
景部分が占める面積が大きくかつ濃度または色が主要被
写体と大きく異なっていても、これらの影響を受けて値
が変動することはない。従って、前記のように濃度フェ
リアやカラーフェリアが生じている画像であっても、こ
れらの影響を排除することができる。なお、白または白
に近い部分が全くない被写体を撮影した画像であって
も、画像中の各色の濃度値の最大値は、前記白または白
に近い部分の濃度値にほぼ等しくなることが統計的に知
られている。従って、最大基準値に基づいて補正を行え
ば、前記のような被写体を撮影した画像であっても色バ
ランスが適正となるように補正することができる。
【0020】請求項3記載の発明では、ネガフィルムに
記録された画像を多数個の領域に分割して各領域毎に3
色の濃度値を各々測定し、濃度値の測定値に基づいて各
色毎に最大基準値及び最小基準値を定める。この最小基
準値についても、例えば各色の測定値の最小値をそのま
ま用いたり、最小値に近似した基準値として、画像を所
定数の区域に区分して各区域毎に濃度値の最小値を求
め、各区域毎に予め定めた重みを用いて算出した各区域
毎の最小値の重み付き平均値を最小基準値として用いる
ことができる。また、例えば測定値のうち値の高い順で
下位特定個の測定値の平均値等を用いたり、最小値に近
い特定順位の濃度値を用いたり、最小値に近い所定範囲
の順位の測定値の平均値を用いることもできる。また、
ネガフィルムのベース濃度を用いるようにしてもよい。
【0021】そして本請求項3の発明では、各色の最大
基準値の変換後の値を一致させ、かつ最小基準値の変換
後の値を一致させるための変換関係を求め、この変換関
係を用いて3色の測定値を変換している。これは、白に
対応する各色の最大基準値と、黒に対応する各色の最小
基準値と、の2点が一致するように色バランスを補正す
ることであり、被写体の白または白に近い部分に対応す
る領域の色が白となり、かつ殆どの被写体に含まれる黒
または黒に近い部分に対応する領域の色が黒となるよう
に補正される。
【0022】前述のように請求項3の発明では、各色の
最大基準値が一致し、かつ各色の最小基準値が一致する
ように、すなわち、例として図1(A)に示すような各
色の濃度変化特性を、図1(B)に示すようにDmax
びDmin の2点で各々一致するように補正する。このた
め、従来のように積算透過濃度のみ(1点)を基準とし
て積算透過濃度が一致するように補正する場合と比較し
て、各色の濃度変化特性のずれが小さくなり、最大値と
最小値との間の中間的な濃度の場合にも適正な色バラン
スが得られる確率が非常に高くなる。従って、前記多数
個に分割した各領域の濃度に拘わらず全ての領域に亘っ
て適正な色バランスを得ることが可能となる。
【0023】また人間は、心理的な作用として、視野の
中で最も明るい部分を白、最も暗い部分を黒と判断す
る。このため、写真プリントで白であるべき部分に色が
ついていると非常に目立つ。これに対して本発明は、最
大基準値(白)及び最小基準値(黒)を基準として補正
を行うので、本発明を画像のプリントに適用すると、特
に被写体の白い部分及び黒い部分の色が正確に白及び黒
でプリントされることになる。従って、従来と比較して
人間の心理的な作用への適応度が高い補正方法であると
いえる。
【0024】なお、本請求項3の発明についても請求項
1の発明と同様に、異種光源で撮影された画像に対して
も適正なカラーバランスとなるように補正することがで
き、かつ濃度フェリアやカラーフェリアの影響を排除す
ることができることは言うまでもない。
【0025】また上記発明において、画像の分割は、ネ
ガフィルム上の領域の各々の面積が200μm平方以下
となるように行うことが好ましい。上記発明のように画
像を多数個に分割して各領域毎に濃度値を測定し、最大
基準値(または最小基準値)を求める場合、最大基準
値、最小基準値の大きさに影響を与える濃度値の最大値
(または最小値)の大きさは、分割する領域の大きさに
よって変化する。すなわち、分割し濃度値を測定する領
域の大きさを大きくすると、面積の小さい高濃度領域の
濃度が平均化されてしまうので、濃度値の測定値が小さ
くなり、正確な最大値を得ることができない。これは面
積の小さい低濃度領域についても同様である。
【0026】この問題は分割する領域の面積を非常に小
さくすれば解決されるが、本発明を適用してグレーバラ
ンスを補正する場合のデータ量が膨大となり処理時間が
非常に長くなるので、むやみに長くすることはできな
い。本願発明者は分割する領域の面積を種々の値に変更
して濃度値を測定し各々最大値及び最小値を求めた結
果、分割する領域の面積を200μm平方とすれば前記
面積を非常に小さくした場合の90%程度の値が得られ
誤差が小さいことを見出した。従って、分割する領域の
面積を200μm平方以下(処理時間も考慮すると小さ
過ぎないことが好ましい)とすれば、最大基準値及び最
小基準値として誤差の小さな値を得ることができる。
【0027】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0028】〔第1実施例〕図2には本第1実施例に係
る写真処理システム10が示されている。本写真処理シ
ステム10には、図示しないカメラによって所定数の画
像が撮影されたネガフィルム12が多数本持ち込まれ
る。持ち込まれた多数本のネガフィルム12は、スプラ
イシングテープ等によって繋ぎ合わされ、層状に巻き取
られた後に、本写真処理システム10のフィルムプロセ
ッサ14にセットされる。
【0029】フィルムプロセッサ14は、内部に発色現
像槽20、漂白槽22、漂白定着槽24、水洗槽26、
28、安定槽30が順に配置されており、これら各処理
槽内には各々所定の処理液が貯留されている。フィルム
プロセッサ14にセットされたネガフィルム12は、各
処理槽の内部に順次送り込まれ、各処理液に浸漬されて
発色現像、漂白、漂白定着、水洗、安定の各処理が施さ
れる。これにより、ネガフィルム12に潜像として記録
されていたネガ画像が可視化される。
【0030】また、安定槽30の下流側には乾燥部32
が配置されている。乾燥部32は図示しないファン及び
ヒータを備えており、ファンで生成された空気流をヒー
タで加熱して熱風とし、この熱風をネガフィルム12に
供給することによってネガフィルム12の表面に付着し
た水分を乾燥させるようになっている。フィルムプロセ
ッサ14で処理されたネガフィルム12は、一旦層状に
巻き取られた後にフィルム画像読取装置16へセットさ
れる。
【0031】図3に示すように、フィルム画像読取装置
16の内部には、フィルム搬送路に沿ってプレスキャン
部36、ファインスキャン部38が順次配置されてい
る。各スキャン部36、38では、後述するようにネガ
フィルム12に記録された画像の走査読み取りを各々行
う。フィルム搬送路の上流側には挿入検出センサ40が
設けられている。挿入検出センサ40は、発光素子40
Aと受光素子40Bとの対がフィルム搬送路を挟んで対
向配置されて構成されている。受光素子40Bは制御回
路42に接続されている。制御回路42は、受光素子4
0Bから出力される信号のレベルの変化に基づいて、フ
ィルム画像読取装置16のフィルム搬送路にネガフィル
ム12が挿入されたか否かを判断する。
【0032】挿入検出センサ40とプレスキャン部36
との間には、ネガフィルム12を挟持搬送する一対のロ
ーラ44、読取ヘッド46、コマ番号検出センサ48、
画面検出センサ50が順次配置されている。読取ヘッド
46、コマ番号検出センサ48及び画面検出センサ50
は各々制御回路42に接続されている。フィルム画像読
取装置16にセットされるネガフィルム12の中には、
裏面に透明な磁性材料が塗布されて磁気層が形成され、
この磁気層にコマ番号、フィルム種、DXコード等の情
報が磁気記録されていることがある。読取ヘッド46は
前記磁気層に磁気記録された情報を読取可能な位置に配
置されており、前記情報を読み取って制御回路42へ出
力する。
【0033】また、コマ番号検出センサ48及び画面検
出センサ50は前述の挿入検出センサ40と同様に発光
素子と受光素子の対で構成されている。ネガフィルム1
2の中にはコマ番号等の情報が光学的に(例えばバーコ
ード等によって)記録されているものがある。コマ番号
検出センサ48は前記光学的に記録されたコマ番号等の
情報を検出可能な位置に配置されており、検出したコマ
番号等の情報を制御回路42へ出力する。
【0034】また、画面検出センサ50はネガフィルム
12の幅方向中央部に対応する位置に配置されている。
ネガフィルム12に記録された画像と画像の間の非画像
部分は、濃度がネガフィルム12のベースの濃度である
ので、前記画像が記録された部分と比較して透過光量が
大きい。制御回路42は画面検出センサ50の受光素子
から出力される信号のレベルを監視し、レベルがベース
濃度に対応する所定レベルにまで大きくなったとき、及
び前記レベルがベース濃度に対応するレベルから低下し
たときに、ネガフィルム12に記録された画像のエッジ
が画面検出センサ50に対応したと判断し、エッジ検出
のタイミングに基づいてネガフィルム12に記録された
画面の位置(及びサイズ)を判断する。
【0035】一方、プレスキャン部36は、プレスキャ
ン部36を通過するネガフィルム12へ向けて光を射出
するように配置されたランプ52を備えている。ランプ
52はドライバ54を介して制御回路42に接続されて
おり、射出する光の光量が予め定められた所定値となる
ようにドライバ54から供給される電圧の大きさが制御
回路42によって制御される。ランプ52の光射出側に
はC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)の3
枚のCCフィルタから成るCCフィルタ群56、光拡散
ボックス58が順に配置されており、さらにフィルム搬
送路を挟んで結像レンズ60、CCDラインセンサ62
が順に配置されている。
【0036】CCフィルタ群56の各CCフィルタは、
CCDラインセンサ62におけるR、G、Bの3色の感
度のばらつきを補正するために、光路中への挿入量が予
め調整されている。CCフィルタ群56、光拡散ボック
ス58、ネガフィルム12及び結像レンズ60を順次透
過した光はCCDラインセンサ62の受光面に照射され
る。CCDラインセンサ62は、Rの光の光量を検出す
るセンサ、Gの光の光量を検出するセンサ及びBの光の
光量を検出するセンサが隣接配置されて成る多数のセン
サユニットが、ネガフィルム12の幅方向に沿って所定
間隔隔てて配列されて構成されている。
【0037】従って、CCDラインセンサ62は画像
を、前記センサユニットの間隔を1辺の大きさとする多
数個の画素に分割し、各画素毎に透過光量を検出する。
このCCDラインセンサ62で多数個に分割した各画素
の面積は200μm以下とされている。前記結像レンズ
60は、ネガフィルム12を透過した光のうち、ランプ
52から射出された光の光軸と交差しかつネガフィルム
12の幅方向に沿った1画素列(以下、この画素列に位
置を読取位置という)を透過した光を、CCDラインセ
ンサ62の受光面に結像させる。
【0038】CCDラインセンサ62の出力側には、増
幅器64、LOG変換器66、A/D変換器68が順に
接続されている。CCDラインセンサ62から出力され
た信号は、増幅器64で増幅され、LOG変換器66で
対数変換され(濃度値に対応するレベルに変換され
る)、A/D変換器68によって信号レベルに対応する
値のデジタルデータに変換される。A/D変換器68は
制御回路42に接続されており、前記変換されたデジタ
ルデータは濃度値データとして制御回路42に入力され
る。制御回路42は数面の画像の濃度データを保持可能
な画像バッファ70を備えており、入力された濃度値デ
ータを画像バッファ70に記憶する。また、制御回路4
2にはCRTディスプレイ72が接続されており、入力
された濃度値データを用いて処理を行って、ポジ画像を
ディスプレイ72に表示する。
【0039】また、プレスキャン部36とファインスキ
ャン部38との間には、搬送ローラ対74と従動ローラ
76とから成るローラ群と、従動ローラ78A、78
B、78Cから成るローラ群と、が所定間隔隔てて配置
されている。この2つのローラ群の間ではネガフィルム
12のループが形成される。このループにより、プレス
キャン部36におけるネガフィルム12の搬送速度と、
ファインスキャン部38におけるネガフィルム12の搬
送速度と、の差が吸収される。 搬送ローラ対74には
パルスモータ80が連結されている。パルスモータ80
はドライバ82を介して制御回路42に接続されてい
る。制御回路42はドライバ82を介してパルスモータ
80を駆動することにより、ネガフィルム12を搬送さ
せる。
【0040】一方、ファインスキャン部38はプレスキ
ャン部36とほぼ同一の構成とされている。すなわち、
ファインスキャン部38はネガフィルム12へ向けて光
を射出するランプ84を備えている。ランプ84はドラ
イバ86を介して制御回路42に接続されており、射出
する光が所定の光量となるようにドライバ86からの供
給電圧の大きさが制御回路42によって制御される。ラ
ンプ84の光射出側には3枚のCCフィルタから成るC
Cフィルタ群88、光拡散ボックス90が順次配置され
ており、さらにフィルム搬送路を挟んで結像レンズ9
2、CCDラインセンサ94が順次配置されている。
【0041】CCフィルタ群88の各CCフィルタも、
CCDラインセンサ94におけるR、G、Bの3色の感
度のばらつきを補正するために、光路への挿入量が予め
調整されている。結像レンズ92は、CCフィルタ群8
8、光拡散ボックス90、ネガフィルム12を透過した
光のうち、読取位置に位置している画素列を透過した光
をCCDラインセンサ94の受光面に結像させる。CC
Dラインセンサ94もCCDラインセンサ62と同様の
構成とされているが、センサユニットの間隔がCCDラ
インセンサ62よりも小さくされている。従って、CC
Dラインセンサ94はCCDラインセンサ62と比較し
て、画像をさらに細かくさらに多数個の画素に分割し、
各画素毎に透過光量を検出する。
【0042】CCDラインセンサ94の出力側には、増
幅器96、LOG変換器98、A/D変換器100が順
に接続されている。CCDラインセンサ94から出力さ
れた信号は、増幅器96で増幅され、LOG変換器98
で濃度値に対応するレベルに変換された後に、A/D変
換器100によってデジタルデータに変換される。A/
D変換器100は制御回路42に接続されており、変換
されたデジタルデータが濃度値データとして制御回路4
2に入力される。
【0043】入力された濃度値データは、前記と同様に
画像バッファ70に記憶される。また、制御回路42は
前記濃度値データに基づいて印画紙へのR、G、B3色
の露光量を算出する。制御回路42は後述するプリンタ
プロセッサ18のプリンタ部110と接続されており、
前記算出した露光量を表すデータを制御回路122へ転
送する。また、ファインスキャン部38の下流側には搬
送ローラ対102が配置されている。搬送ローラ対10
2にもパルスモータ104が連結されている。パルスモ
ータ104はドライバ106を介して制御回路42に接
続されている。制御回路42はドライバ106を介して
パルスモータ104を駆動することにより、ネガフィル
ム12を搬送させる。
【0044】一方、プリンタプロセッサ18には層状に
巻き取られた印画紙112を収納するマガジン114が
セットされている。印画紙112はマガジン114から
引き出され、カッタ部116を介してプリンタ部110
へ送り込まれる。プリンタ部110はフィルム画像読取
装置16の制御回路42から露光量データが転送される
と、該露光量データに基づいて印画紙112への画像の
露光を行う。
【0045】図4に示すように、プリンタ部110はR
の波長のレーザビームを射出する半導体レーザ118R
を備えている。半導体レーザ118Rのビーム射出側に
は、コリメータレンズ124R、音響光学素子(AO
M)133R、Gの波長の光のみ反射するダイクロイッ
クミラー134G、Bの波長の光のみ反射するダイクロ
イックミラー134B、ポリゴンミラー126が順に配
置されている。
【0046】AOM133は音響光学媒質を備えてお
り、この音響光学素子の対向する面には、入力された高
周波信号に応じて超音波を出力するトランスデューサ
と、音響光学媒質を通過した超音波を吸音する吸音体
と、が貼付されている。AOM133Rのトランスデュ
ーサはAOMドライバ120Rに接続されており、AO
Mドライバ120Rから高周波信号が入力されると、入
射されたレーザビームから1本のレーザビームを回折さ
せ、このレーザビームを記録用レーザビームとして射出
する。この記録用レーザビームがダイクロイックミラー
134G、134Bを介してポリゴンミラー126に入
射される。
【0047】AOMドライバ120Rは制御回路122
に接続されている。制御回路122ではAOMドライバ
120Rへ、入力された露光量データのうちRの露光量
データに応じた露光量制御信号を出力する。この露光量
制御信号は、図9に示すように周期t0 のパルス信号で
あり、パルス幅dは前記Rの露光量データの画素毎の露
光量に応じて変更される。AOMドライバ120Rは、
入力された露光量制御信号のレベルがハイレベルのとき
にAOM133Rに高周波信号を出力し、これに伴って
AOM133Rから記録用レーザビームが射出される。
従って、Rの露光量データに基づいて、周期t0 毎に印
画紙112に照射されるRの波長のレーザビームの光量
が変更されることになる。
【0048】また、プリンタ部110は、所定の波長の
レーザビームを射出する半導体レーザ118G、118
Bを備えている。半導体レーザ118Gのビーム射出側
には、波長変換素子124G、コリメータレンズ124
G、AOM133G、全反射ミラー136Gが順に配置
されている。AOM133GはAOMドライバ120G
を介して制御回路122に接続されている。制御回路1
22はAOMドライバ120GへGの露光量データに応
じた露光量制御信号を出力する。AOMドライバ120
GはAOMドライバ120Rと同様に露光量制御信号が
ハイレベルのときに高周波信号を出力する。
【0049】これにより、半導体レーザ118Gから射
出されたレーザビームは、波長変換素子124Gにより
Gの波長に変換されてAOM133Gに入射され、AO
Mドライバ120Gより高周波信号が入力されていると
きにAOM133Gから記録用レーザビームが射出さ
れ、全反射ミラー136Gで反射されダイクロイックミ
ラー134Gで反射されて、半導体レーザ118Rから
射出されたレーザビームと合波される。
【0050】また、半導体レーザ118Bのビーム射出
側にも、波長変換素子124B、コリメータレンズ12
4B、AOM133B、全反射ミラー136Bが順に配
置されている。AOM133BもAOMドライバ120
Bを介して制御回路122に接続されている。制御回路
122はAOMドライバ120BへBの露光量データに
応じた露光量制御信号を出力する。半導体レーザ118
Bから射出されたレーザビームは、波長変換素子124
BによりBの波長に変換されてAOM133Bに入射さ
れ、AOMドライバ120Gより高周波信号が入力され
ているときにAOM133Gから射出された記録用レー
ザビームが、全反射ミラー136Bで反射されダイクロ
イックミラー134Bで反射されて、半導体レーザ11
8Rから射出されたレーザビーム及び半導体レーザ11
8Gから射出されたレーザビームと合波される。
【0051】ダイクロイックミラー134G、134B
で合波されたレーザビームは、ポリゴンミラー126に
入射される。ポリゴンミラー126はポリゴンミラード
ライバ128を介して制御回路122に接続されてお
り、ポリゴンミラードライバ128によって回転駆動さ
れると共に、回転速度が制御される。ポリゴンミラー1
26に入射されたレーザビームは、ポリゴンミラー12
6の回転によって射出方向が順次変更され、図4の水平
方向に沿って走査される。ポリゴンミラー126のレー
ザビーム射出側にはミラー130が配置されている。ポ
リゴンミラー126で反射されたレーザビームは、ミラ
ー130によって図4における下方へ反射される。
【0052】ミラー130のレーザビーム射出側には、
走査レンズ138、ミラー140が順に配置されてい
る。ミラー130で反射されたレーザビームは、走査レ
ンズ138を透過してミラー140で反射される。ミラ
ー140のレーザビーム射出側には、長手方向が図4の
鉛直方向と一致するように印画紙112が配置されてお
り、ミラー140で反射されたレーザビームは印画紙1
12に照射される。また、印画紙112搬送路のレーザ
ビーム照射位置よりも下方には、印画紙112を挟持搬
送する搬送ローラ対142が配置されている。搬送ロー
ラ対142にはパルスモータ144が連結されている。
パルスモータ144はドライバ146を介して制御回路
122に接続されている。制御回路122はドライバ1
46を介してパルスモータ144を駆動することによ
り、印画紙112を図4の下方へ向けて搬送させる。
【0053】図2に示すように、プリンタ部110を通
過した印画紙112は、リザーバ部150へ送り込まれ
る。リザーバ部150は所定間隔隔てて一対のローラ1
52が設けられており、印画紙112はこの一対のロー
ラ152間でループが形成される。このループによっ
て、プリンタ部110と下流側のプロセッサ部154と
の搬送速度差が吸収される。プロセッサ部154には、
発色現像槽156、漂白定着槽158、水洗槽160、
162、164が順に配置されている。これら各処理槽
内には各々所定の処理液が貯留されている。印画紙11
2は各処理槽内へ順に送り込まれ、各処理液に浸漬され
て処理される。
【0054】プロセッサ部154の下流側には乾燥部1
66が設けられている。乾燥部166は図示しないファ
ンとヒータとによって生成した熱風を印画紙112に供
給する。これにより、印画紙112の表面に付着した水
分が乾燥される。乾燥部166を通過した印画紙112
は、カッタ部168でプリント毎に切断された後にプリ
ンタプロセッサ18の外部へ排出される。
【0055】次に本第1実施例の作用を説明する。フィ
ルムプロセッサ14にセットされたネガフィルム12
は、各処理槽内に送り込まれた後に乾燥部32に送り込
まれ、発色現像、漂白、漂白定着、水洗、安定、乾燥の
各処理が施される。これにより、カメラによって記録さ
れた潜像が可視化される。フィルムプロセッサ14で処
理されたネガフィルム12は、フィルム画像読取装置1
6にセットされる。
【0056】次に図5及び図6のフローチャートを参照
して、フィルム画像読取装置16のプレスキャン部36
の作用を説明する。ステップ200では、フィルム画像
読取装置16にネガフィルム12が挿入されたか否か
を、挿入検出センサ40から入力される信号に基づいて
判定する。フィルム画像読取装置16にネガフィルム1
2が挿入されたと判断するとステップ200の判定が肯
定され、ステップ202でネガフィルム12の搬送を開
始する。
【0057】次のステップ204ではネガフィルム12
に記録された画像のコマ番号等の情報の読取が可能な状
態となったか否か判定する。例えば情報がネガフィルム
12のエッジ部に光学的に(例えばバーコード等)記録
されている場合には、該記録部位がコマ番号検出センサ
48に対応したときにステップ204の判定が肯定され
る。また、情報がネガフィルムの裏面側に形成された透
明磁気層に磁気記録されている場合には、該情報の磁気
記録されている部分が読取ヘッド46に対応したときに
ステップ204の判定が肯定される。
【0058】ステップ204の判定が否定された場合に
はステップ206へ移行し、画面検出センサ50の配設
部位に対応する画面検出位置に画像が対応したか否か判
定する。ステップ206の判定も否定された場合にはス
テップ208へ移行し、画像読取位置に画像が到達した
か否か、より詳しくは読取位置に画像の先頭の画素列が
到達したか否か判定する。ステップ208の判定も否定
された場合にはステップ202へ戻り、ネガフィルム1
2の搬送を継続しながらステップ204、206、20
8の各判定を繰り返す。
【0059】ここで、ステップ204の判定が肯定され
るとステップ210へ移行し、コマ番号検出センサ48
または読取ヘッド46によるコマ番号等の情報の読み取
りを行い、読み取ったコマ番号を記憶する。また、ステ
ップ206の判定が肯定された場合にはステップ212
へ移行し、画面検出センサ50からの出力信号に基づい
て画面位置の検出及び画面サイズの検出を行い、次のス
テップ214で画面位置及びサイズをコマ番号を対応さ
せて記憶する。また、ステップ208の判定が肯定され
た場合には、ステップ216で画像の走査読取処理(後
述)を行い、次のステップ218でネガフィルム12が
終了したか否か判定する。ステップ218の判定が否定
された場合にはステップ202へ戻り、上記処理を繰り
返す。
【0060】上記により、プレスキャン部36は単一の
画像コマに対して、コマ番号の読み取り、画面位置及び
サイズの検出、画像の走査読取の各処理が順次行われ、
かつ各画像コマに対する上記各処理は並行して行われる
ことになる。
【0061】次に図6のフローチャートを参照してプレ
スキャン部36における走査読取処理の詳細について説
明する。なお、この処理を実行する際には読取位置に画
像の先頭の画素列が位置しており、ランプ52から射出
されCCフィルタ群56、光拡散ボックス58、ネガフ
ィルム12を透過した光のうち前記画素列を透過した光
が、結像レンズ60によってCCDラインセンサ62の
受光面に結像されており、CCDラインセンサ62から
出力された信号は、増幅器64で増幅され、LOG変換
器66で濃度値に対応するレベルに変換され、A/D変
換器68でデジタルデータに変換されて保持されてい
る。
【0062】ステップ250ではA/D変換器68か
ら、1画素列分の濃度値データを取込む。ステップ25
2では取り込んだ濃度値データを、ネガフィルム12の
幅方向に沿って配列された多数のセンサユニット毎の感
度にばらつきに応じて補正し、画像バッファ70に記憶
させる。ステップ254ではドライバ82を介してパル
スモータ80を駆動し、ネガフィルム12を画像列の間
隔に対応する所定量だけ搬送する。
【0063】次のステップ256では、1画面分の画像
の読み取りが終了したか否か判定する。ステップ256
の判定が否定された場合にはステップ250へ戻り、ス
テップ256の判定が肯定されるまでステップ250乃
至ステップ256の処理を繰り返す。これにより、ステ
ップ256の判定が肯定されステップ258へ移行する
ときには画像全面が走査され、単一の画像を3色(R、
G、B)に分解した画像の各々の画素毎の濃度を表すデ
ータ(以下、これらをそれぞれR画像データ、G画像デ
ータ、B画像データという)が画像バッファ70に記憶
されていることになる。
【0064】ステップ258では、ネガフィルム12の
ベース部分(図10参照)の濃度をR、G、Bの各色毎
に測定し、記憶する。ステップ260では画像バッファ
70に記憶されている各色の画像データのうち最も濃度
の小さい画素のデータを抽出する。ステップ262で
は、前記抽出したデータに基づいて、読み取りを行った
画像に対するファインスキャン部38のランプ84の最
適な光量を演算し、記憶する。これは、濃度値データの
最小値が非常に小さい場合には、ファインスキャン部3
8における画像の読み取りに際して、CCDラインセン
サ94からの出力信号のレベルが飽和する虞れがあるた
めである。
【0065】ステップ264では、画像バッファ70に
記憶されている各画像データの各画素の濃度値から、ス
テップ258で測定したネガフィルム12のベース濃度
を減算する補正を行う。次のステップ266では、画像
バッファ70に記憶されている各画像データの平均化を
行う。この平均化処理は、例えば、R、G、Bの各画像
データに対し、所定の画素の濃度値と周囲の画素の濃度
値とを比較し、値が大きく異なっている濃度値について
は周囲の画素の濃度値との平均値に置き換える処理を全
ての画素について行うことによって実現できる。これに
より、ネガフィルム12の表面に塵埃が付着していた
り、傷等が付いていた場合にも、これらによる影響を小
さくすることができる。ステップ268ではR、G、B
の各画像データを、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y
(イエロー)へ色素濃度変換し、C画像に対応するC画
像データ、M画像に対応するM画像データ、Y画像に対
応するY画像データを各々求める。次のステップ270
では、図10にも示すように、C、M、Yの各画像デー
タから、画像のエッジ部近傍に対応する画素のデータを
除くことにより、図10に想像線で囲んだ領域の切出し
を行う。ステップ272では画面を所定数nの区域、例
えば図10に破線で示すようにn=5×5=25個の区
域に分割する。
【0066】ステップ274では、分割した各区域毎
に、同一区域に属する複数の画素の濃度値の最大値C
max (i),Mmax (i),Ymax (i) (但し、iは各区域を識
別するための符号であり1〜nの値をもつ)を抽出す
る。ステップ276ではC濃度の最大基準値Cmax とし
て、上記で求めた各区域毎のC濃度の最大値Cmax (i)
を用いて各区域の重み付き平均値を以下の(2)式によ
って算出する。
【0067】
【数1】
【0068】但し、K(i) :区域iの重み また、上記と同様にして、M濃度の最大基準値として、
各区域毎のM濃度の最大値Mmax (i) の重み付き平均値
を算出し、Y濃度の最大基準値Ymax として、各区域毎
のY濃度の最大値Ymax (i) の重み付き平均値を算出す
る。なお、前記各区域の重みは、例えば主要被写体が存
在する確率の高い画面の中心部分に対応する区域の重み
が高くなるように定めることができる。また、ランプ5
2から射出される光の光量は光軸位置をピークとして周
BR>辺へ向かうに従って徐々に減衰する分布となってい
るが、この分布による影響も考慮して重みを定めるよう
にしてもよい。
【0069】ステップ278では、上記で求めた各色の
最大基準値Cmax 、Mmax 、Ymaxの平均値Dmax を次
の(3)式に従って算出する。
【0070】 Dmax =(Cmax +Mmax +Ymax )÷3 …(3) 次のステップ280では、以下の(4)式を満足するC
画像変換の係数AC を求める。
【0071】 Dmax =AC ・Cmax …(4) また、同様にM画像変換の係数AM 及びY画像変換の係
数AY についても、次の(5)、(6)式に従って求め
る。
【0072】 Dmax =AM ・Mmax …(5) Dmax =AY ・Ymax …(6) 次のステップ282では上記で求めたC画像変換の係数
C を用い、次の(7)式に示す変換式にC濃度として
0.0 〜 2.0の範囲の値を順次代入することによって、C
濃度をC’濃度に変換してC’画像を求めるためのルッ
クアップテーブルLUTc を作成し、記憶する。
【0073】 C’=AC ・C …(7) また、M、Yについても、(8)、(9)式に示すよう
に係数AM 及び係数AYを用いた変換式に同一の範囲の
値を順次代入することにより、M濃度をM’濃度に変換
してM’画像を求めるためのルックアップテーブルLU
Tm 、Y濃度をY’濃度に変換してY’画像を求めるた
めのLUTy を各々作成し、記憶する。
【0074】 M’=AM ・M …(8) Y’=AY ・Y …(9) なお、このルックアップテーブルを参照して、C濃度を
C’濃度に、M濃度をM’濃度に、Y濃度をY’濃度に
変換することは上記(7)、(8)、(9)式を用いて
変換することと等価である。上記各式の係数AC
M 、AY を求めるための(4)、(5)、(6)式
は、前述のように各々左辺の値が同一(Dmax)となっ
ている。
【0075】このため、(7)〜(9)式を用いて変換
することは、例として図11(A)乃至(C)に示すよ
うにCmax 、Mmax 、Ymax の値がばらついていたとし
ても、Cmax 、Mmax 、Ymax の変換後のC’濃度、
M’濃度、Y’濃度が平均値D max に一致するように変
換(濃度値を補正)することに等しい。従って、C’=
M’=Y’=Dmax のときには、プリント上ではC’+
M’+Y’が最も明るいグレー(白)になり、最も明る
い部位のグレーバランスがとれることになる。また、こ
の変換関係を利用して測光値の全てを変換しているた
め、最も明るい部分のグレーバランスを保ったまま、中
間濃度から低濃度までのグレーバランスを改善すること
ができる。
【0076】ステップ284では、ディスプレイ72に
画像表示するための演算として、各ルックアップテーブ
ルに従って、C画像データ、M画像データ、Y画像デー
タからC’画像データ、M’画像データ、Y’画像デー
タを求める。ステップ286では、C’、M’、Y’の
各画像データに基づいて、ポジ画像データ(R’画像、
G’画像、B’画像を重ね合わせた画像表すデータ)を
求め、このデータを用いてディスプレイ72にポジ画像
を表示する。この表示画像を参照することにより、例え
ばオペレータが露光量に対する色、濃度等の補正を指示
することも可能となる。
【0077】次に図7のフローチャートを参照して、フ
ァインスキャン部38における画像の読取処理について
説明する。ステップ300ではネガフィルム12の搬送
を行う。ステップ302では読取位置に画像の先頭の画
素列が到達したか否か判定する。ステップ302の判定
が否定された場合にはステップ300に戻り、ステップ
302の判定が肯定されるまで、ステップ300、30
2の処理を繰り返し、ネガフィルム12の搬送を継続す
る。
【0078】ステップ302の判定が肯定されるとステ
ップ304へ移行し、プレスキャン部36で予め求めら
れたランプ84の最適な光量を取込み、ランプ84に供
給する電圧が前記光量に応じた値となるように制御す
る。ステップ304の処理を行った後はランプの光量が
安定するまで若干待った後にステップ306へ移行し、
ステップ306〜312で画像の読取処理を行う。
【0079】すなわち、ステップ306ではA/D変換
器100から1画素列分の濃度値データを取込む。ステ
ップ308では取り込んだ濃度値データを、CCDライ
ンセンサ94の多数のセンサユニット毎の感度にばらつ
きに応じて補正し、補正したデータを画像バッファ70
に記憶する。ステップ310ではドライバ106を介し
てパルスモータ104を駆動し、ネガフィルム12を画
像列の間隔に対応する所定量だけ搬送する。なお、この
搬送量はセンサユニットの間隔に対応しており、プレス
キャン部36における搬送量よりも小さい。従って、本
ファインスキャン部38では、画像をより細密に多数の
画素に分割し、各画素の透過光量を測定する。
【0080】次のステップ312では、1画面分の画像
の読み取りが終了したか否か判定する。ステップ312
の判定が否定された場合にはステップ306へ戻り、ス
テップ312の判定が肯定されるまでステップ306乃
至ステップ312の処理を繰り返す。これにより、画像
バッファ70には単一の画像のR画像データ、G画像デ
ータ、B画像データが各々記憶される。次のステップ3
14ではシェーディング補正を行う。これは、ランプ8
4から射出される光の光量についても、光軸位置をピー
クとして周辺へ向かうに従って徐々に減衰する分布とな
っているためである。本ステップ314では、画像バッ
ファ70に記憶された画像データを予め測定された光量
の分布に応じて補正する。
【0081】ステップ316では画像バッファ70に記
憶された各画像データの画素毎の濃度値から、プレスキ
ャン部36で測定されたネガフィルム12のベース濃度
を減算する補正を行う。ステップ318ではR、G、B
の各画像データに対してC、M、Yへの色素濃度変換を
行って、C画像データ、M画像データ、Y画像データを
各々求める。
【0082】ところで、プレスキャン部36とファイン
スキャン部38とでは画像読取の各種の条件が異なって
いる。例えば前述のように、プレスキャン部36とファ
インスキャン部38とではCCDラインセンサのセンサ
ユニットの間隔が異なっており、画像読取時の搬送ピッ
チも異なっている。従って、プレスキャン部36で得た
画像データと、ファインスキャン部38で得た画像デー
タと、は画素の面積が異なっている。CCDラインセン
サの感度にも差異がある可能性がある。このため次のス
テップ320では、ステップ318で求めた画像データ
を、画素面積差等の各種の条件の差異に応じて補正す
る。
【0083】ステップ322では、プレスキャン部36
で作成したルックアップテーブルLUTc 、LUTm 、
LUTy を取り込む。次のステップ324では前記取り
込んだ各ルックアップテーブルを参照して、ファインス
キャン部38で求めたC画像データ、M画像データ、Y
画像データをC’画像データ、M’画像データ、Y’画
像データに変換する。なお、上記ルックアップテーブル
はC、M、Yの画像データからC’、M’、Y’の画像
データを高速で得るためのものであり、本発明はルック
アップテーブルを用いることに限定されるものではな
い。例えば、C、M、Yの画像データを構成する画素毎
のデータを上記(7)、(8)、(9)式のいずれかに
各々代入することによってC’、M’、Y’の画像デー
タを求めるようにしてもよい。
【0084】次のステップ326では、C’画像、M’
画像、Y’画像を表すC’、M’、Y’の各画像データ
を、ポジ画像であるR’画像、G’画像、B’画像を表
すR’、G’、B’の各画像データに変換する。なお、
この変換は、変換したポジ画像の濃度値の最大値と最小
値の差(濃度幅)が、印画紙112の感度幅に対応する
ように行う。
【0085】前述のように、C’画像データ、M’画像
データ、Y’画像データは各色の最大基準値が一致する
ように、すなわち濃度の最大値がほぼ一致するように色
バランスが補正されている。従って、R’画像、G’画
像、B’画像を重ね合わせた画像では、被写体の白また
は白に近い部分に対応する領域の色が白に対応した色と
なっており、異種光源で撮影されることにより前記部分
の色が白からずれていても、白に対応する色となるよう
に補正されている。また、濃度フェリアやカラーフェリ
アが生じている画像であっても前記最大基準値が変化す
ることは殆どないので、C’、M’、Y’の各画像のグ
レーバランスがとれており、R’、G’、B’の各画像
についてもフェリアの影響を受けてグレーバランスが崩
れることはない。
【0086】さらに本ステップ326では、R’、
G’、B’の各画像データの各画素毎の濃度値を指数変
換し、各画素に対するR、G、Bの露光量を表す露光量
データを求める。上記により、露光量データが表す光量
の分布は、ネガフィルム12にC’、M’、Y’の各画
像を重ね合わせた理想的な画像が記録されているものと
仮定し、前記画像に均一な光量の光を照射したときに前
記画像を透過した光の分布に等しくなる。
【0087】ステップ328では、上記により算出した
露光量データをプリンタ部110の制御回路122へ転
送する。ステップ330ではネガフィルム12に記録さ
れた全ての画像に対して露光量を求めたか否か判定す
る。ステップ330の判定が否定された場合にはステッ
プ300へ戻り、ステップ300乃至ステップ330の
処理を繰り返す。ステップ330の判定が肯定される
と、処理を終了する。
【0088】続いて、図8のフローチャートを参照し、
プリンタ部110における露光制御処理について説明す
る。ステップ350ではポリゴンミラー126の回転を
開始させる。ステップ352では、パルスモータ144
を介して印画紙112を搬送し、印画紙112の未露光
部分を露光位置に位置決めする。ステップ354では、
露光を行う画像に対応する露光量データを取り込む。次
のステップ356以降では、印画紙への画像の露光を行
う。すなわち、ステップ356では取り込んだ露光量デ
ータのうち、最初の1ラインに対応するRの露光量デー
タに応じた露光量制御信号をAOMドライバ120R
へ、Gの露光量データに応じた露光量制御信号をAOM
ドライバ120Gへ、Bの露光量データに応じた露光量
制御信号をAOMドライバ120Bへ、各々出力する。
【0089】AOMドライバ120R、G、Bは、各々
入力された露光量制御信号のレベルがハイレベルのとき
にAOM133R、G、Bへ高周波信号を出力する。こ
れにより、AOM133R、G、Bからは、各々露光量
制御信号のパルス周期t0 毎に前記パルス幅dに応じた
時間だけ記録用レーザビームが射出され、ダイクロイッ
クミラー134G、134Bによって合波されてポリゴ
ンミラー126に入射される。
【0090】印画紙112へのレーザビームの照射位置
は、ポリゴンミラー126の回転によって順次移動する
が、前記露光量制御信号のパルス周期t0 は、パルス周
期t 0 でのレーザビームの照射位置の移動量が、印画紙
112に記録する画像の画素間隔に対応するように定め
られている。従って、前記パルス幅dによって各画素に
ついてのレーザビームの照射時間が異なることになるの
で、露光量データに応じて1画素毎に露光量が変更され
ることになる。ポリゴンミラー126で反射されたレー
ザビームは、ミラー130、140で反射されて印画紙
112に照射され、ポリゴンミラー126によるレーザ
ビームの1走査で印画紙112への1画素列分(1ライ
ン分)の露光が行われる。
【0091】1ライン分の露光が行われるとステップ3
58へ移行し、ポリゴンミラー126の回転角が入射さ
れたレーザビームを走査開始位置へ反射する回転角とな
るまでの間に、パルスモータ144によって1ラインの
間隔に対応する所定量だけ印画紙112を搬送する。次
のステップ360では1画像分の露光が終了したか否か
判定する。ステップ360の判定が否定された場合には
ステップ356へ戻り、次の1ラインに対応する露光量
データに応じた露光量制御信号をAOMドライバ120
R、G、Bへ各々出力し、上記と同様にして次の1ライ
ンの露光を行う。
【0092】ステップ356乃至ステップ360の処理
を所定回繰り返すことによって、前記露光量データに応
じた画像の露光が行われる。1画像分の露光処理が終了
するとステップ360の判定が肯定され、ステップ36
2へ移行する。ステップ362では転送された全ての露
光データに対する露光が終了したか否か判定する。ステ
ップ362の判定が否定された場合にはステップ352
へ戻り、上記と同様にして次の画像に対する露光処理を
行う。ステップ362の判定が肯定されると、ステップ
364でポリゴンミラー126の回転を停止させ、本露
光制御処理を終了する。
【0093】露光制御処理の終了した印画紙112は、
カッタ部116によって未露光部分が切断されてマガジ
ン114内に巻戻されると共に、画像が露光された部分
はプロセッサ部154の各処理槽内に送り込まれた後に
乾燥部166に送り込まれ、発色現像、漂白定着、水
洗、乾燥の各処理が施され、プリンタ部110で露光さ
れた画像が可視化される。乾燥が終了した印画紙112
は画像コマ毎に切断されてプリンタプロセッサ18の機
体外に排出される。
【0094】〔第2実施例〕次に本発明の第2実施例に
ついて説明する。なお、本第2実施例は第1実施例と同
一の構成であるので同一の符号を付して説明を省略し、
以下、本第2実施例の作用として第1実施例と異なって
いる部分のみ説明する。
【0095】本第2実施例はプレスキャン部36におけ
る走査読取処理の一部(図6のフローチャートのステッ
プ274乃至ステップ284の処理)が第1実施例と異
なっている。すなわち、図12のフローチャートに示す
ように、ステップ274Aでは、分割した各区域毎に、
濃度値の最大値Cmax (i),Mmax (i),Ymax (i) に加え
て濃度値の最小値Cmin (i),Mmin (i),Ymin (i) も抽
出する。ステップ276Aでは、前記(2)式に従いC
濃度の最大基準値Cmax として、各区域毎のC濃度の最
大値Cmax (i) の重み付き平均値を算出すると共に、C
濃度の最小基準値Cmin として、上記で求めた各区域毎
のC濃度の最小値Cmin (i) を用いて各区域の重み付き
平均値を以下の(10)式によって算出する。
【0096】
【数2】
【0097】但し、K(i) :区域iの重みまた、上記と
同様にして、各区域毎のM濃度の最大値Mmax (i) 及び
最小値M min (i) に基づいてM濃度の最大基準値Mmax
及び最小基準値Mmin を算出し、各区域毎のY濃度の最
大値Ymax (i) 及び最小値Ymin (i) に基づいてY濃度
の最大基準値Ymax 及び最小基準値Ymin を算出する。
【0098】次のステップ278Aでは、上記で求めた
各色の最大基準値Cmax 、Mmax 、Ymax の平均値D
max を前記(3)式に従って算出すると共に、最小基準
値Cmi n 、Mmin 、Ymin の平均値Dmin を、次の(1
1)式に従って算出する。
【0099】 Dmin =(Cmin +Mmin +Ymin )÷3 …(11) ステップ280Aでは、次の(12)式の連立方程式を満
足するC画像変換の係数AC 及び定数BC を求める。
【0100】 Dmax =AC ・Cmax +BC min =AC ・Cmin +BC …(12) また、同様にM画像変換の係数AM 、定数BM 及びY画
像変換の係数AY 、定数BY についても、次の(13)、
(14)式に示す連立方程式に従って求める。
【0101】 Dmax =AM ・Mmax +BM min =AM ・Mmin +BM …(13) Dmax =AY ・Ymax +BY min =AY ・Ymin +BY …(14) 次のステップ282Aでは上記で求めたC画像変換の係
数AC 及び定数BC を用い、次の(15)式に示す変換式
にC濃度として0.0 〜 2.0の範囲の値を順次代入するこ
とによって、C濃度をC’濃度に変換してC’画像を求
めるためのルックアップテーブルLUTc を作成し、記
憶する。
【0102】 C’=AC ・C+BC …(15) また、M、Yについても、(16)、(17)式に示すよう
に係数AM 、定数BM 及び係数AY 、定数BY を用いた
変換式に同一の範囲の値を順次代入することにより、M
濃度をM’濃度に変換してM’画像を求めるためのルッ
クアップテーブルLUTm 、Y濃度をY’濃度に変換し
てY’画像を求めるためのLUTy を各々作成し、記憶
する。
【0103】 M’=AM ・M+BM …(16) Y’=AY ・Y+BY …(17) なお、このルックアップテーブルを参照して、C濃度を
C’濃度に、M濃度をM’濃度に、Y濃度をY’濃度に
変換することは上記(15)〜(17)式を用いて変換する
ことと等価である。上記各式の係数AC 、AM 、AY
び定数BC 、B M 、BY を求めるための(12)〜(14)
式は、前述のように各々左辺の値が同一(Dmax または
min )となっている。従って、(15)〜(17)式を用
いて変換することは、例として図13(A)乃至(C)
に示すようにCmax 、Mmax 、Y max の値及びCmin
min 、Ymin の値が各々ばらついていたとしても、C
ma x 、Mmax 、Ymax の変換後のC’濃度、M’濃度、
Y’濃度が平均値Dmax に一致し、Cmin 、Mmin 、Y
min 変換後のC’濃度、M’濃度、Y’濃度が平均値D
min に一致するように変換(濃度値を補正)することに
等しい。
【0104】従って、C’=M’=Y’=Dmax のとき
には、プリント上ではC’+M’+Y’が最も明るいグ
レー(白)になり、最も明るい部位のグレーバランスが
とれることになる。C’=M’=Y’=Dmin のときに
はプリント上ではC’+M’+Y’が最も暗いグレー
(黒)になり、最も暗い部位のグレーバランスがとれる
ことになる。さらに、この変換関係を利用して測光値の
全てを変換しているため、最も明るい部分及び最も暗い
部分のグレーバランスを保ったまま、中間濃度のグレー
バランスを改善することができる。
【0105】従って、本第2実施例で求めたC’、
M’、Y’の各画像データを用いて第1実施例と同様に
露光量データを演算し、この露光量データに応じて画像
の露光を行えば、濃度フェリアやカラーフェリア等の影
響を受けて色バランスが崩れることがなく、異種光源で
撮影された画像であっても画面全体に亘って適正な色バ
ランスとなっているプリントを得ることができる。ま
た、特に被写体の白い部分及び黒い部分が正確に白及び
黒となるようにプリントされるので、プリント結果に対
する人間の心理的な作用への適応度も高い。
【0106】なお、係数AC 、AM 、AY 及び定数
C 、BM 、BY の算出は、上記の方法に限定されるも
のではない。例えば、C濃度の変換に用いる係数AC
び定数B C を、各区域毎に抽出したC濃度の最大値C
max (i) 及び最小値Cmin (i) に基づいて、 Dmax =AC (i) ・Cmax (i) +BC (i) Dmin =AC (i) ・Cmin (i) +BC (i) …(18) (18)式のように各区域毎に係数AC (i) 及び定数BC
(i) を求め、次の(19)式に従って各区域毎の重みK
(i) を用いて重み付き平均値を求めるようにしてもよ
い。
【0107】
【数3】
【0108】M濃度の変換に用いる係数AM 、定数BM
及びY濃度の変換に用いる係数AY 、定数BY について
も、上記と同様にして算出することができる。
【0109】〔実験結果の説明〕次に、従来の積分中性
方式と請求項3の発明に対応するグレーバランス補正方
法とを比較する実験を行った結果の一例を説明する。図
15はRのフェリアが発生しているネガ画像の走査読取
を行った結果を、各画素のG濃度を横軸に、G濃度に対
するR濃度、G濃度に対するB濃度を縦軸にとり各画素
毎にプロットした図である。図15において、G濃度に
対するR濃度を表す点「*」の分布のうち縦軸側に大き
く偏倚しているグループは、画像中に広い面積を占める
赤い背景部分の画素を表している。
【0110】上記ネガ画像に対し積分中性方式を適用し
積算透過濃度に基づいて露光量を決定し、印画紙にプリ
ントしたときのプリント結果を図16に示す。図16で
は、図15で縦軸側に大きく偏倚していた点「*」のグ
ループが、原点を通り傾き「1」の直線に近い位置に移
動しており、この移動に伴って前記直線より横軸側に偏
倚した位置に点「*」が多数分布している。これによ
り、背景部分の色(赤)の影響を受けて主要被写体の色
バランスが崩れていることが理解できる。
【0111】これに対し、同じネガ画像を本発明のグレ
ーバランス補正方法を適用して露光量を決定し印画紙に
プリントしたときのプリント結果を表す図17では、原
点を通り傾き「1」の直線に近い位置にあるグレーバラ
ンスのとれたグループと、「*」の点で構成され色の比
率がRに大きく寄ったグループとに分かれており、主要
被写体の色バランスが崩れておらず、かつ背景部分の赤
も撮影時の色が再現されていることがわかる。このよう
に、本発明のグレーバランス補正方法を適用すると、従
来では適正なプリント結果を得ることができなかった画
像(例えばフェリアの発生している画像)に対しても、
適正なプリント結果を得ることが可能になる。
【0112】なお、上記実施例ではDmax を各色の最大
基準値Cmax 、Mmax 、Ymax の平均値とし、Dmin
各色の最小基準値Cmin 、Mmin 、Ymin の平均値とし
ていたが、Dmax 及びDmin は各色の濃度値を一致させ
るための単なる基準であり、上記に限定されるものでは
ない。例えば、画像毎に値を変化させず予め定めた一定
の値としてもよいし、前記Cmax 、Mmax 、Ymax のい
ずれか及びCmin 、M min 、Ymin のいずれかを使用す
るようにしてもよい。
【0113】また、上記実施例では、フィルム画像読取
装置16の各スキャン部36、38において、各々CC
Dラインセンサを用いて画像を走査読取するよう構成し
ていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例
として図14に示すように、測光センサがマトリクス状
に配列されて構成されるCCDエリアセンサ170を用
い、画像の各画素を透過した光の光量を1度に検出する
ようにしてもよい。
【0114】図14に示すプレスキャン部36は、CC
Dエリアセンサ170の測光センサがR、G、Bの各波
長に対して感度を有しており、結像レンズ60とCCD
エリアセンサ170との間にはRまたはGまたはBの波
長の光のみ透過させる3枚の分光フィルタから成る分光
フィルタ群172が配置されており、フィルタ駆動装置
174によって各分光フィルタをいずれか1つを光路中
に挿入することによって各色の透過光量を順次測定する
構成である。
【0115】なお、CCDラインセンサ62、94のよ
うに、Rの光の光量を検出するセンサ、Gの光の光量を
検出するセンサ及びBの光の光量を検出するセンサから
成るセンサユニットが、マトリクス状に配置されたエリ
アセンサであれば、分光フィルタ群172及びフィルタ
駆動装置174を省略することも可能である。
【0116】さらに、上記実施例では画素毎に露光量を
定め、プリンタ部110において画素毎に走査露光する
場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、一般的なプリンタで多数採用されている面露
光する場合に適用することも可能である。
【0117】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
では、画像を多数個の領域に分割して各領域毎にフィル
ムの色素濃度に対応する3色の濃度値を各々測定し、濃
度値の測定値に基づいて各色毎に最大基準値を定め、各
色の最大基準値の変換後の値を一致させるための変換関
係を求め、求めた変換関係を用いて3色の測定値を変換
してグレーバランスを補正するようにしたので、異種光
源で撮影された画像に対する色バランスの補正能力が低
下することがなく、かつフェリアの影響を排除すること
ができる、という優れた効果が得られる。
【0118】請求項3記載の発明では、画像を多数個の
領域に分割して各領域毎にフィルムの色素濃度に対応す
る3色の濃度値を各々測定し、濃度値の測定値に基づい
て各色毎に最大基準値及び最小基準値を定め、各色の最
大基準値の変換後の値を一致させかつ最小基準値の変換
後の値を一致させるための変換関係を求め、求めた変換
関係を用いて3色の測定値を変換してグレーバランスを
補正するようにしたので、異種光源で撮影された画像に
対する色バランスの補正能力が低下することがなく、か
つフェリアの影響を排除することができる、という優れ
た効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を説明するための、(A)は補正
前の各色の濃度変化特性、(B)は請求項3の発明を適
用して補正した濃度変化特性を示す線図である。
【図2】本実施例に係る写真処理システムの概略構成図
である。
【図3】フィルム画像読取装置の概略構成図である。
【図4】プリンタ部の概略構成を示す斜視図である。
【図5】フィルム画像読取装置のプレスキャン部のメイ
ンルーチンを説明するフローチャートである。
【図6】プレスキャン部の走査読取処理を説明するフロ
ーチャートである。
【図7】第1実施例のファインスキャン部における読取
処理を説明するフローチャートである。
【図8】プリンタ部における露光処理を説明するフロー
チャートである。
【図9】AOMドライバへ出力する露光量制御信号の波
形を示す線図である。
【図10】ネガフィルムの画面切出し、領域分割処理を
説明すると共にベース濃度測定領域を示すネガフィルム
の平面図である。
【図11】(A)乃至(C)は、第1実施例におけるC
濃度、M濃度、Y濃度をC’濃度、M’濃度、Y’濃度
に変換する処理を説明するための線図である。
【図12】第2実施例のプレスキャン部における読取処
理を説明するフローチャートである。
【図13】(A)乃至(C)は、第2実施例におけるC
濃度、M濃度、Y濃度をC’濃度、M’濃度、Y’濃度
に変換する処理を説明するための線図である。
【図14】スキャン部の構成として他の例を示す概略構
成図である。
【図15】実験結果の説明として、Rのフェリアが生じ
ているネガ画像の各画素毎の色バランスを表す色座標図
である。
【図16】実験結果の説明として、図15のネガ画像に
対し積分中性方式を適用してプリントした結果を表す色
座標図である。
【図17】実験結果の説明として、図15のネガ画像に
対し本発明を適用してプリントした結果を表す色座標図
である。
【図18】従来の問題点を説明するための、(A)はネ
ガ画像の各色の理想的な濃度変化特性、(B)は現実の
濃度変化特性、(C)は積算透過濃度が一致するように
補正した濃度変化特性を各々示す線図である。
【符号の説明】
16 フィルム画像読取装置 36 プレスキャン部 38 ファインスキャン部 42 制御回路 62 CCDラインセンサ 94 CCDラインセンサ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネガフィルムに記録された画像を多数個
    の領域に分割して各領域毎にフィルムの色素濃度に対応
    する3色の濃度値を各々測定し、 濃度値の測定値に基づいて各色毎に最大基準値を定め、 前記各色の最大基準値の変換後の値を一致させるための
    変換関係を求め、 前記求めた変換関係を用いて3色の測定値を変換してグ
    レーバランスを補正する、 グレーバランス補正方法。
  2. 【請求項2】 前記変換関係は、前記各色の最大基準値
    の変換後の値が前記測定値の3色の最大値の平均値に各
    々一致するように定めることを特徴とする請求項1記載
    のグレーバランス補正方法。
  3. 【請求項3】 ネガフィルムに記録された画像を多数個
    の領域に分割して各領域毎にフィルムの色素濃度に対応
    する3色の濃度値を各々測定し、 濃度値の測定値に基づいて各色毎に最大基準値及び最小
    基準値を定め、 前記各色の最大基準値の変換後の値を一致させかつ最小
    基準値の変換後の値を一致させるための変換関係を求
    め、 前記求めた変換関係を用いて3色の測定値を変換してグ
    レーバランスを補正する、 グレーバランス補正方法。
  4. 【請求項4】 前記変換関係は、前記各色の最大基準値
    の変換後の値が前記測定値の3色の最大値の平均値に各
    々一致し、かつ前記各色の最小基準値の変換後の値が前
    記測定値の3色の最小値の平均値に各々一致するように
    定めることを特徴とする請求項3記載のグレーバランス
    補正方法。
  5. 【請求項5】 前記画像の分割は、前記ネガフィルム上
    の前記領域の各々の面積が200μm平方以下となるよ
    うに行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいず
    れか1項記載のグレーバランス補正方法。
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