JP3556858B2 - フィルム画像読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はフィルム画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
プレスキャン部とファインスキャン部とを設け、ネガフィルムに記録された画像の走査読み取りを行う場合には、プレスキャン部におけるネガフィルムの搬送速度とファインスキャン部におけるネガフィルムの搬送速度との差を吸収することが必要である。
【0003】
本発明は、上記の点に鑑みて成されたもので、プレスキャン部におけるネガフィルムの搬送速度とファインスキャン部におけるネガフィルムの搬送速度との差を吸収することができるフィルム画像読取装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のフィルム画像読取装置は、ネガフィルムに記録された画像の走査読み取りを予め行うプレスキャン部と、該プレスキャン部における搬送速度よりも遅い搬送速度で画像の読み取り処理を行うファインスキャン部とがフィルム搬送路に沿って搬送方向に順次配置されると共に、前記プレスキャン部における前記ネガフィルムの搬送速度と前記ファインスキャン部における前記ネガフィルムの搬送速度との差を吸収する前記ネガフィルムのループが、前記プレスキャン部と前記ファインスキャン部との間に形成され、且つ、前記プレスキャン部の搬送方向上流側にコマ番号を検出するコマ番号検出センサと画像のエッジを検出する画面検出センサとを設け、前記画面検出センサのエッジ検出のタイミングに基づいて画面位置及びサイズを判断し、該画面位置及びサイズを前記コマ番号検出センサで検出されたコマ番号に対応させて記憶するようにしたものである。
【0005】
本発明のフィルム画像読取装置によれば、ネガフィルムに記録された画像の走査読み取りを行うプレスキャン部とファインスキャン部を設け、プレスキャン部とファインスキャン部との間にネガフィルムのループが形成されるようにしたので、プレスキャン部におけるネガフィルムの搬送速度とファインスキャン部におけるネガフィルムの搬送速度との差を吸収することができる。また、プレスキャン部の搬送方向上流側にコマ番号を検出するコマ番号検出センサと画像のエッジを検出する画面検出センサとを設け、画面検出センサのエッジ検出のタイミングに基づいて画面位置及びサイズを判断し、画面位置及びサイズをコマ番号検出センサで検出されたコマ番号に対応させて記憶するようにしたので、簡単な構成でファインスキャン部での搬送制御を行うことができ、停止位置合わせが容易になる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0007】
図1には本実施の形態のフィルム画像読取装置を備えた写真処理システム10が示されている。本写真処理システム10には、図示しないカメラによって所定数の画像が撮影されたネガフィルム12が多数本持ち込まれる。持ち込まれた多数本のネガフィルム12は、スプライシングテープ等によって繋ぎ合わされ、層状に巻き取られた後に、本写真処理システム10のフィルムプロセッサ14にセットされる。
【0008】
フィルムプロセッサ14は、内部に発色現像槽20、漂白槽22、漂白定着槽24、水洗槽26、28、安定槽30が順に配置されており、これら各処理槽内には各々所定の処理液が貯留されている。フィルムプロセッサ14にセットされたネガフィルム12は、各処理槽の内部に順次送り込まれ、各処理液に浸漬されて発色現像、漂白、漂白定着、水洗、安定の各処理が施される。これにより、ネガフィルム12に潜像として記録されていたネガ画像が可視化される。
【0009】
また、安定槽30の下流側には乾燥部32が配置されている。乾燥部32は図示しないファン及びヒータを備えており、ファンで生成された空気流をヒータで加熱して熱風とし、この熱風をネガフィルム12に供給することによってネガフィルム12の表面に付着した水分を乾燥させるようになっている。フィルムプロセッサ14で処理されたネガフィルム12は、一旦層状に巻き取られた後にフィルム画像読取装置16へセットされる。
【0010】
図2に示すように、フィルム画像読取装置16の内部には、フィルム搬送路に沿ってプレスキャン部36、ファインスキャン部38が順次配置されている。各スキャン部36、38では、後述するようにネガフィルム12に記録された画像の走査読み取りを各々行う。フィルム搬送路の上流側には挿入検出センサ40が設けられている。挿入検出センサ40は、発光素子40Aと受光素子40Bとの対がフィルム搬送路を挟んで対向配置されて構成されている。受光素子40Bは制御回路42に接続されている。制御回路42は、受光素子40Bから出力される信号のレベルの変化に基づいて、フィルム画像読取装置16のフィルム搬送路にネガフィルム12が挿入されたか否かを判断する。
【0011】
挿入検出センサ40とプレスキャン部36との間には、ネガフィルム12を挟持搬送する一対のローラ44、読取ヘッド46、コマ番号検出センサ48、画面検出センサ50が順次配置されている。読取ヘッド46、コマ番号検出センサ48及び画面検出センサ50は各々制御回路42に接続されている。フィルム画像読取装置16にセットされるネガフィルム12の中には、裏面に透明な磁性材料が塗布されて磁気層が形成され、この磁気層にコマ番号、フィルム種、DXコード等の情報が磁気記録されていることがある。読取ヘッド46は前記磁気層に磁気記録された情報を読取可能な位置に配置されており、前記情報を読み取って制御回路42へ出力する。
【0012】
また、コマ番号検出センサ48及び画面検出センサ50は前述の挿入検出センサ40と同様に発光素子と受光素子の対で構成されている。ネガフィルム12の中にはコマ番号等の情報が光学的に(例えばバーコード等によって)記録されているものがある。コマ番号検出センサ48は前記光学的に記録されたコマ番号等の情報を検出可能な位置に配置されており、検出したコマ番号等の情報を制御回路42へ出力する。
【0013】
また、画面検出センサ50はネガフィルム12の幅方向中央部に対応する位置に配置されている。ネガフィルム12に記録された画像と画像の間の非画像部分は、濃度がネガフィルム12のベースの濃度であるので、前記画像が記録された部分と比較して透過光量が大きい。制御回路42は画面検出センサ50の受光素子から出力される信号のレベルを監視し、レベルがベース濃度に対応する所定レベルにまで大きくなったとき、及び前記レベルがベース濃度に対応するレベルから低下したときに、ネガフィルム12に記録された画像のエッジが画面検出センサ50に対応したと判断し、エッジ検出のタイミングに基づいてネガフィルム12に記録された画面の位置(及びサイズ)を判断する。
【0014】
一方、プレスキャン部36は、プレスキャン部36を通過するネガフィルム12へ向けて光を射出するように配置されたランプ52を備えている。ランプ52はドライバ54を介して制御回路42に接続されており、射出する光の光量が予め定められた所定値となるようにドライバ54から供給される電圧の大きさが制御回路42によって制御される。ランプ52の光射出側にはC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)の3枚のCCフィルタから成るCCフィルタ群56、光拡散ボックス58が順に配置されており、さらにフィルム搬送路を挟んで結像レンズ60、CCDラインセンサ62が順に配置されている。
【0015】
CCフィルタ群56の各CCフィルタは、CCDラインセンサ62におけるR、G、Bの3色の感度のばらつきを補正するために、光路中への挿入量が予め調整されている。CCフィルタ群56、光拡散ボックス58、ネガフィルム12及び結像レンズ60を順次透過した光はCCDラインセンサ62の受光面に照射される。CCDラインセンサ62は、Rの光の光量を検出するセンサ、Gの光の光量を検出するセンサ及びBの光の光量を検出するセンサが隣接配置されて成る多数のセンサユニットが、ネガフィルム12の幅方向に沿って所定間隔隔てて配列されて構成されている。
【0016】
従って、CCDラインセンサ62は画像を、前記センサユニットの間隔を1辺の大きさとする多数個の画素に分割し、各画素毎に透過光量を検出する。このCCDラインセンサ62で多数個に分割した各画素の面積は200μm平方以下とされている。前記結像レンズ60は、ネガフィルム12を透過した光のうち、ランプ52から射出された光の光軸と交差しかつネガフィルム12の幅方向に沿った1画素列(以下、この画素列の位置を読取位置という)を透過した光を、CCDラインセンサ62の受光面に結像させる。
【0017】
CCDラインセンサ62の出力側には、増幅器64、LOG変換器66、A/D変換器68が順に接続されている。CCDラインセンサ62から出力された信号は、増幅器64で増幅され、LOG変換器66で対数変換され(濃度値に対応するレベルに変換される)、A/D変換器68によって信号レベルに対応する値のデジタルデータに変換される。A/D変換器68は制御回路42に接続されており、前記変換されたデジタルデータは濃度値データとして制御回路42に入力される。制御回路42は数面の画像の濃度データを保持可能な画像バッファ70を備えており、入力された濃度値データを画像バッファ70に記憶する。また、制御回路42にはCRTディスプレイ72が接続されており、入力された濃度値データを用いて処理を行って、ポジ画像をディスプレイ72に表示する。
【0018】
また、プレスキャン部36とファインスキャン部38との間には、搬送ローラ対74と従動ローラ76とから成るローラ群と、従動ローラ78A、78B、78Cから成るローラ群と、が所定間隔隔てて配置されている。この2つのローラ群の間ではネガフィルム12のループが形成される。このループにより、プレスキャン部36におけるネガフィルム12の搬送速度と、ファインスキャン部38におけるネガフィルム12の搬送速度と、の差が吸収される。搬送ローラ対74にはパルスモータ80が連結されている。パルスモータ80はドライバ82を介して制御回路42に接続されている。制御回路42はドライバ82を介してパルスモータ80を駆動することにより、ネガフィルム12を搬送させる。
【0019】
一方、ファインスキャン部38はプレスキャン部36とほぼ同一の構成とされている。すなわち、ファインスキャン部38はネガフィルム12へ向けて光を射出するランプ84を備えている。ランプ84はドライバ86を介して制御回路42に接続されており、射出する光が所定の光量となるようにドライバ86からの供給電圧の大きさが制御回路42によって制御される。ランプ84の光射出側には3枚のCCフィルタから成るCCフィルタ群88、光拡散ボックス90が順次配置されており、さらにフィルム搬送路を挟んで結像レンズ92、CCDラインセンサ94が順次配置されている。
【0020】
CCフィルタ群88の各CCフィルタも、CCDラインセンサ94におけるR、G、Bの3色の感度のばらつきを補正するために、光路への挿入量が予め調整されている。結像レンズ92は、CCフィルタ群88、光拡散ボックス90、ネガフィルム12を透過した光のうち、読取位置に位置している画素列を透過した光をCCDラインセンサ94の受光面に結像させる。CCDラインセンサ94もCCDラインセンサ62と同様の構成とされているが、センサユニットの間隔がCCDラインセンサ62よりも小さくされている。従って、CCDラインセンサ94はCCDラインセンサ62と比較して、画像をさらに細かくさらに多数個の画素に分割し、各画素毎に透過光量を検出する。
【0021】
CCDラインセンサ94の出力側には、増幅器96、LOG変換器98、A/D変換器100が順に接続されている。CCDラインセンサ94から出力された信号は、増幅器96で増幅され、LOG変換器98で濃度値に対応するレベルに変換された後に、A/D変換器100によってデジタルデータに変換される。A/D変換器100は制御回路42に接続されており、変換されたデジタルデータが濃度値データとして制御回路42に入力される。
【0022】
入力された濃度値データは、前記と同様に画像バッファ70に記憶される。また、制御回路42は前記濃度値データに基づいて印画紙へのR、G、B3色の露光量を算出する。制御回路42は後述するプリンタプロセッサ18のプリンタ部110と接続されており、前記算出した露光量を表すデータを制御回路122へ転送する。また、ファインスキャン部38の下流側には搬送ローラ対102が配置されている。搬送ローラ対102にもパルスモータ104が連結されている。パルスモータ104はドライバ106を介して制御回路42に接続されている。制御回路42はドライバ106を介してパルスモータ104を駆動することにより、ネガフィルム12を搬送させる。
【0023】
一方、プリンタプロセッサ18には層状に巻き取られた印画紙112を収納するマガジン114がセットされている。印画紙112はマガジン114から引き出され、カッタ部116を介してプリンタ部110へ送り込まれる。プリンタ部110はフィルム画像読取装置16の制御回路42から露光量データが転送されると、該露光量データに基づいて印画紙112への画像の露光を行う。
【0024】
図3に示すように、プリンタ部110はRの波長のレーザビームを射出する半導体レーザ118Rを備えている。半導体レーザ118Rのビーム射出側には、コリメータレンズ124R、音響光学素子(AOM)133R、Gの波長の光のみ反射するダイクロイックミラー134G、Bの波長の光のみ反射するダイクロイックミラー134B、ポリゴンミラー126が順に配置されている。
【0025】
AOM133は音響光学媒質を備えており、この音響光学素子の対向する面には、入力された高周波信号に応じて超音波を出力するトランスデューサと、音響光学媒質を通過した超音波を吸音する吸音体と、が貼付されている。AOM133RのトランスデューサはAOMドライバ120Rに接続されており、AOMドライバ120Rから高周波信号が入力されると、入射されたレーザビームから1本のレーザビームを回折させ、このレーザビームを記録用レーザビームとして射出する。この記録用レーザビームがダイクロイックミラー134G、134Bを介してポリゴンミラー126に入射される。
【0026】
AOMドライバ120Rは制御回路122に接続されている。制御回路122ではAOMドライバ120Rへ、入力された露光量データのうちRの露光量データに応じた露光量制御信号を出力する。この露光量制御信号は、図8に示すように周期t0のパルス信号であり、パルス幅dは前記Rの露光量データの画素毎の露光量に応じて変更される。AOMドライバ120Rは、入力された露光量制御信号のレベルがハイレベルのときにAOM133Rに高周波信号を出力し、これに伴ってAOM133Rから記録用レーザビームが射出される。従って、Rの露光量データに基づいて、周期t0毎に印画紙112に照射されるRの波長のレーザビームの光量が変更されることになる。
【0027】
また、プリンタ部110は、所定の波長のレーザビームを射出する半導体レーザ118G、118Bを備えている。半導体レーザ118Gのビーム射出側には、波長変換素子132G、コリメータレンズ124G、AOM133G、全反射ミラー136Gが順に配置されている。AOM133GはAOMドライバ120Gを介して制御回路122に接続されている。制御回路122はAOMドライバ120GへGの露光量データに応じた露光量制御信号を出力する。AOMドライバ120GはAOMドライバ120Rと同様に露光量制御信号がハイレベルのときに高周波信号を出力する。
【0028】
これにより、半導体レーザ118Gから射出されたレーザビームは、波長変換素子132GによりGの波長に変換されてAOM133Gに入射され、AOMドライバ120Gより高周波信号が入力されているときにAOM133Gから記録用レーザビームが射出され、全反射ミラー136Gで反射されダイクロイックミラー134Gで反射されて、半導体レーザ118Rから射出されたレーザビームと合波される。
【0029】
また、半導体レーザ118Bのビーム射出側にも、波長変換素子132B、コリメータレンズ124B、AOM133B、全反射ミラー136Bが順に配置されている。AOM133BもAOMドライバ120Bを介して制御回路122に接続されている。制御回路122はAOMドライバ120BへBの露光量データに応じた露光量制御信号を出力する。半導体レーザ118Bから射出されたレーザビームは、波長変換素子132BによりBの波長に変換されてAOM133Bに入射され、AOMドライバ120Gより高周波信号が入力されているときにAOM133Gから射出された記録用レーザビームが、全反射ミラー136Bで反射されダイクロイックミラー134Bで反射されて、半導体レーザ118Rから射出されたレーザビーム及び半導体レーザ118Gから射出されたレーザビームと合波される。
【0030】
ダイクロイックミラー134G、134Bで合波されたレーザビームは、ポリゴンミラー126に入射される。ポリゴンミラー126はポリゴンミラードライバ128を介して制御回路122に接続されており、ポリゴンミラードライバ128によって回転駆動されると共に、回転速度が制御される。ポリゴンミラー126に入射されたレーザビームは、ポリゴンミラー126の回転によって射出方向が順次変更され、図3の水平方向に沿って走査される。ポリゴンミラー126のレーザビーム射出側にはミラー130が配置されている。ポリゴンミラー126で反射されたレーザビームは、ミラー130によって図3における下方へ反射される。
【0031】
ミラー130のレーザビーム射出側には、走査レンズ138、ミラー140が順に配置されている。ミラー130で反射されたレーザビームは、走査レンズ138を透過してミラー140で反射される。ミラー140のレーザビーム射出側には、長手方向が図3の鉛直方向と一致するように印画紙112が配置されており、ミラー140で反射されたレーザビームは印画紙112に照射される。また、印画紙112搬送路のレーザビーム照射位置よりも下方には、印画紙112を挟持搬送する搬送ローラ対142が配置されている。搬送ローラ対142にはパルスモータ144が連結されている。パルスモータ144はドライバ146を介して制御回路122に接続されている。制御回路122はドライバ146を介してパルスモータ144を駆動することにより、印画紙112を図4の下方へ向けて搬送させる。
【0032】
図1に示すように、プリンタ部110を通過した印画紙112は、リザーバ部150へ送り込まれる。リザーバ部150には所定間隔隔てて一対のローラ152が設けられており、印画紙112はこの一対のローラ152間でループが形成される。このループによって、プリンタ部110と下流側のプロセッサ部154との搬送速度差が吸収される。プロセッサ部154には、発色現像槽156、漂白定着槽158、水洗槽160、162、164が順に配置されている。これら各処理槽内には各々所定の処理液が貯留されている。印画紙112は各処理槽内へ順に送り込まれ、各処理液に浸漬されて処理される。
【0033】
プロセッサ部154の下流側には乾燥部166が設けられている。乾燥部166は図示しないファンとヒータとによって生成した熱風を印画紙112に供給する。これにより、印画紙112の表面に付着した水分が乾燥される。乾燥部166を通過した印画紙112は、カッタ部168でプリント毎に切断された後にプリンタプロセッサ18の外部へ排出される。
【0034】
次に写真処理システムの作用を説明する。フィルムプロセッサ14にセットされたネガフィルム12は、各処理槽内に送り込まれた後に乾燥部32に送り込まれ、発色現像、漂白、漂白定着、水洗、安定、乾燥の各処理が施される。これにより、カメラによって記録された潜像が可視化される。フィルムプロセッサ14で処理されたネガフィルム12は、フィルム画像読取装置16にセットされる。
【0035】
次に図4及び図5のフローチャートを参照して、フィルム画像読取装置16のプレスキャン部36の作用を説明する。ステップ200では、フィルム画像読取装置16にネガフィルム12が挿入されたか否かを、挿入検出センサ40から入力される信号に基づいて判定する。フィルム画像読取装置16にネガフィルム12が挿入されたと判断するとステップ200の判定が肯定され、ステップ202でネガフィルム12の搬送を開始する。
【0036】
次のステップ204ではネガフィルム12に記録された画像のコマ番号等の情報の読取が可能な状態となったか否か判定する。例えば情報がネガフィルム12のエッジ部に光学的に(例えばバーコード等)記録されている場合には、該記録部位がコマ番号検出センサ48に対応したときにステップ204の判定が肯定される。また、情報がネガフィルムの裏面側に形成された透明磁気層に磁気記録されている場合には、該情報の磁気記録されている部分が読取ヘッド46に対応したときにステップ204の判定が肯定される。
【0037】
ステップ204の判定が否定された場合にはステップ206へ移行し、画面検出センサ50の配設部位に対応する画面検出位置に画像が対応したか否か判定する。ステップ206の判定も否定された場合にはステップ208へ移行し、画像読取位置に画像が到達したか否か、より詳しくは読取位置に画像の先頭の画素列が到達したか否か判定する。ステップ208の判定も否定された場合にはステップ202へ戻り、ネガフィルム12の搬送を継続しながらステップ204、206、208の各判定を繰り返す。
【0038】
ここで、ステップ204の判定が肯定されるとステップ210へ移行し、コマ番号検出センサ48または読取ヘッド46によるコマ番号等の情報の読み取りを行い、読み取ったコマ番号を記憶する。また、ステップ206の判定が肯定された場合にはステップ212へ移行し、画面検出センサ50からの出力信号に基づいて画面位置の検出及び画面サイズの検出を行い、次のステップ214で画面位置及びサイズをコマ番号を対応させて記憶する。また、ステップ208の判定が肯定された場合には、ステップ216で画像の走査読取処理(後述)を行い、次のステップ218でネガフィルム12が終了したか否か判定する。ステップ218の判定が否定された場合にはステップ202へ戻り、上記処理を繰り返す。
【0039】
上記により、プレスキャン部36は単一の画像コマに対して、コマ番号の読み取り、画面位置及びサイズの検出、画像の走査読取の各処理が順次行われ、かつ各画像コマに対する上記各処理は並行して行われることになる。
【0040】
次に図5のフローチャートを参照してプレスキャン部36における走査読取処理の詳細について説明する。なお、この処理を実行する際には読取位置に画像の先頭の画素列が位置しており、ランプ52から射出されCCフィルタ群56、光拡散ボックス58、ネガフィルム12を透過した光のうち前記画素列を透過した光が、結像レンズ60によってCCDラインセンサ62の受光面に結像されており、CCDラインセンサ62から出力された信号は、増幅器64で増幅され、LOG変換器66で濃度値に対応するレベルに変換され、A/D変換器68でデジタルデータに変換されて保持されている。
【0041】
ステップ250ではA/D変換器68から、1画素列分の濃度値データを取込む。ステップ252では取り込んだ濃度値データを、ネガフィルム12の幅方向に沿って配列された多数のセンサユニット毎の感度のばらつきに応じて補正し、画像バッファ70に記憶させる。ステップ254ではドライバ82を介してパルスモータ80を駆動し、ネガフィルム12を画素列の間隔に対応する所定量だけ搬送する。
【0042】
次のステップ256では、1画面分の画像の読み取りが終了したか否か判定する。ステップ256の判定が否定された場合にはステップ250へ戻り、ステップ256の判定が肯定されるまでステップ250乃至ステップ256の処理を繰り返す。これにより、ステップ256の判定が肯定されステップ258へ移行するときには画像全面が走査され、単一の画像を3色(R、G、B)に分解した画像の各々の画素毎の濃度を表すデータ(以下、これらをそれぞれR画像データ、G画像データ、B画像データという)が画像バッファ70に記憶されることになる。
【0043】
ステップ258では、ネガフィルム12のベース部分(図9参照)の濃度をR、G、Bの各色毎に測定し、記憶する。ステップ260では画像バッファ70に記憶されている各色の画像データのうち最も濃度の小さい画素のデータを抽出する。ステップ262では、前記抽出したデータに基づいて、読み取りを行った画像に対するファインスキャン部38のランプ84の最適な光量を演算し、記憶する。これは、濃度値データの最小値が非常に小さい場合には、ファインスキャン部38における画像の読み取りに際して、CCDラインセンサ94からの出力信号のレベルが飽和する虞れがあるためである。
【0044】
ステップ264では、画像バッファ70に記憶されている各画像データの各画素の濃度値から、ステップ258で測定したネガフィルム12のベース濃度を減算する補正を行う。次のステップ266では、画像バッファ70に記憶されている各画像データの平均化を行う。この平均化処理は、例えば、R、G、Bの各画像データに対し、所定の画素の濃度値と周囲の画素の濃度値とを比較し、値が大きく異なっている濃度値については周囲の画素の濃度値との平均値に置き換える処理を全ての画素について行うことによって実現できる。これにより、ネガフィルム12の表面に塵埃が付着していたり、傷等が付いていた場合にも、これらによる影響を小さくすることができる。
【0045】
ステップ268ではR、G、Bの各画像データを、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)へ色素濃度変換し、C画像に対応するC画像データ、M画像に対応するM画像データ、Y画像に対応するY画像データを各々求める。次のステップ270では、図9にも示すように、C、M、Yの各画像データから、画像のエッジ部近傍に対応する画素のデータを除くことにより、図9に想像線で囲んだ領域の切出しを行う。ステップ272では画面を所定数nの区域、例えば図9に破線で示すようにn=5×5=25個の区域に分割する。
【0046】
ステップ274では、分割した各区域毎に、同一区域に属する複数の画素の濃度値の最大値Cmax(i),Mmax(i),Ymax(i)(但し、iは各区域を識別するための符号であり1〜nの値をもつ)を抽出する。ステップ276ではC濃度の最大基準値Cmaxとして、上記で求めた各区域毎のC濃度の最大値Cmax(i) を用いて各区域の重み付き平均値を以下の(1)式によって算出する。
【0047】
【数1】
但し、K(i) :区域iの重み
また、上記と同様にして、M濃度の最大基準値として、各区域毎のM濃度の最大値Mmax(i) の重み付き平均値を算出し、Y濃度の最大基準値Ymaxとして、各区域毎のY濃度の最大値Ymax(i) の重み付き平均値を算出する。なお、前記各区域の重みは、例えば主要被写体が存在する確率の高い画面の中心部分に対応する区域の重みが高くなるように定めることができる。また、ランプ52から射出される光の光量は光軸位置をピークとして周辺へ向かうに従って徐々に減衰する分布となっているが、この分布による影響も考慮して重みを定めるようにしてもよい。
【0048】
ステップ278では、上記で求めた各色の最大基準値Cmax、Mmax、Ymaxの平均値Dmaxを次の(2)式に従って算出する。
【0049】
Dmax=(Cmax+Mmax+Ymax)÷3 …(2)
次のステップ280では、以下の(3)式を満足するC画像変換の係数ACを求める。
【0050】
Dmax=AC・Cmax …(3)
また、同様にM画像変換の係数AM及びY画像変換の係数AYについても、次の(4)、(5)式に従って求める。
【0051】
Dmax=AM・Mmax …(4)
Dmax=AY・Ymax …(5)
次のステップ282では上記で求めたC画像変換の係数ACを用い、次の(6)式に示す変換式にC濃度として0.0 〜 2.0の範囲の値を順次代入することによって、C濃度をC’濃度に変換してC’画像を求めるためのルックアップテーブルLUTc を作成し、記憶する。
【0052】
C’=AC・C …(6)
また、M、Yについても、(7)、(8)式に示すように係数AM及び係数AYを用いた変換式に同一の範囲の値を順次代入することにより、M濃度をM’濃度に変換してM’画像を求めるためのルックアップテーブルLUTm 、Y濃度をY’濃度に変換してY’画像を求めるためのLUTy を各々作成し、記憶する。
【0053】
M’=AM・M …(7)
Y’=AY・Y …(8)
なお、このルックアップテーブルを参照して、C濃度をC’濃度に、M濃度をM’濃度に、Y濃度をY’濃度に変換することは上記(6)、(7)、(8)式を用いて変換することと等価である。上記各式の係数AC、AM、AYを求めるための(3)、(4)、(5)式は、前述のように各々左辺の値が同一(Dmax)となっている。
【0054】
このため、(6)〜(8)式を用いて変換することは、例として図10(A)乃至(C)に示すようにCmax、Mmax、Ymaxの値がばらついていたとしても、Cmax、Mmax、Ymaxの変換後のC’濃度、M’濃度、Y’濃度が平均値Dmaxに一致するように変換(濃度値を補正)することに等しい。従って、C’=M’=Y’=Dmaxのときには、プリント上ではC’+M’+Y’が最も明るいグレー(白)になり、最も明るい部位のグレーバランスがとれることになる。また、この変換関係を利用して測光値の全てを変換しているため、最も明るい部分のグレーバランスを保ったまま、中間濃度から低濃度までのグレーバランスを改善することができる。
【0055】
ステップ284では、ディスプレイ72に画像表示するための演算として、各ルックアップテーブルに従って、C画像データ、M画像データ、Y画像データからC’画像データ、M’画像データ、Y’画像データを求める。ステップ286では、C’、M’、Y’の各画像データに基づいて、ポジ画像データ(R’画像、G’画像、B’画像を重ね合わせた画像を表すデータ)を求め、このデータを用いてディスプレイ72にポジ画像を表示する。この表示画像を参照することにより、例えばオペレータが露光量に対する色、濃度等の補正を指示することも可能となる。
【0056】
次に図6のフローチャートを参照して、ファインスキャン部38における画像の読取処理について説明する。ステップ300ではネガフィルム12の搬送を行う。ステップ302では読取位置に画像の先頭の画素列が到達したか否か判定する。ステップ302の判定が否定された場合にはステップ300に戻り、ステップ302の判定が肯定されるまで、ステップ300、302の処理を繰り返し、ネガフィルム12の搬送を継続する。
【0057】
ステップ302の判定が肯定されるとステップ304へ移行し、プレスキャン部36で予め求められたランプ84の最適な光量を取込み、ランプ84に供給する電圧が前記光量に応じた値となるように制御する。ステップ304の処理を行った後はランプの光量が安定するまで若干待った後にステップ306へ移行し、ステップ306〜312で画像の読取処理を行う。
【0058】
すなわち、ステップ306ではA/D変換器100から1画素列分の濃度値データを取込む。ステップ308では取り込んだ濃度値データを、CCDラインセンサ94の多数のセンサユニット毎の感度にばらつきに応じて補正し、補正したデータを画像バッファ70に記憶する。ステップ310ではドライバ106を介してパルスモータ104を駆動し、ネガフィルム12を画素列の間隔に対応する所定量だけ搬送する。なお、この搬送量はセンサユニットの間隔に対応しており、プレスキャン部36における搬送量よりも小さい。従って、本ファインスキャン部38では、画像をより細密に多数の画素に分割し、各画素の透過光量を測定する。
【0059】
次のステップ312では、1画面分の画像の読み取りが終了したか否か判定する。ステップ312の判定が否定された場合にはステップ306へ戻り、ステップ312の判定が肯定されるまでステップ306乃至ステップ312の処理を繰り返す。これにより、画像バッファ70には単一の画像のR画像データ、G画像データ、B画像データが各々記憶される。次のステップ314ではシェーディング補正を行う。これは、ランプ84から射出される光の光量についても、光軸位置をピークとして周辺へ向かうに従って徐々に減衰する分布となっているためである。本ステップ314では、画像バッファ70に記憶された画像データを予め測定された光量の分布に応じて補正する。
【0060】
ステップ316では画像バッファ70に記憶された各画像データの画素毎の濃度値から、プレスキャン部36で測定されたネガフィルム12のベース濃度を減算する補正を行う。ステップ318ではR、G、Bの各画像データに対してC、M、Yへの色素濃度変換を行って、C画像データ、M画像データ、Y画像データを各々求める。
【0061】
ところで、プレスキャン部36とファインスキャン部38とでは画像読取の各種の条件が異なっている。例えば前述のように、プレスキャン部36とファインスキャン部38とではCCDラインセンサのセンサユニットの間隔が異なっており、画像読取時の搬送ピッチも異なっている。従って、プレスキャン部36で得た画像データと、ファインスキャン部38で得た画像データと、は画素の面積が異なっている。CCDラインセンサの感度にも差異がある可能性がある。このため次のステップ320では、ステップ318で求めた画像データを、画素面積差等の各種の条件の差異に応じて補正する。
【0062】
ステップ322では、プレスキャン部36で作成したルックアップテーブルLUTc 、LUTm 、LUTy を取り込む。次のステップ324では前記取り込んだ各ルックアップテーブルを参照して、ファインスキャン部38で求めたC画像データ、M画像データ、Y画像データをC’画像データ、M’画像データ、Y’画像データに変換する。なお、上記ルックアップテーブルはC、M、Yの画像データからC’、M’、Y’の画像データを高速で得るためのものであり、本発明はルックアップテーブルを用いることに限定されるものではない。例えば、C、M、Yの画像データを構成する画素毎のデータを上記(6)、(7)、(8)式のいずれかに各々代入することによってC’、M’、Y’の画像データを求めるようにしてもよい。
【0063】
次のステップ326では、C’画像、M’画像、Y’画像を表すC’、M’、Y’の各画像データを、ポジ画像であるR’画像、G’画像、B’画像を表すR’、G’、B’の各画像データに変換する。なお、この変換は、変換したポジ画像の濃度値の最大値と最小値の差(濃度幅)が、印画紙112の感度幅に対応するように行う。
【0064】
前述のように、C’画像データ、M’画像データ、Y’画像データは各色の最大基準値が一致するように、すなわち濃度の最大値がほぼ一致するように色バランスが補正されている。従って、R’画像、G’画像、B’画像を重ね合わせた画像では、被写体の白または白に近い部分に対応する領域の色が白に対応した色となっており、異種光源で撮影されることにより前記部分の色が白からずれていても、白に対応する色となるように補正されている。また、濃度フェリアやカラーフェリアが生じている画像であっても前記最大基準値が変化することは殆どないので、C’、M’、Y’の各画像のグレーバランスがとれており、R’、G’、B’の各画像についてもフェリアの影響を受けてグレーバランスが崩れることはない。
【0065】
さらに本ステップ326では、R’、G’、B’の各画像データの各画素毎の濃度値を指数変換し、各画素に対するR、G、Bの露光量を表す露光量データを求める。上記により、露光量データが表す光量の分布は、ネガフィルム12にC’、M’、Y’の各画像を重ね合わせた理想的な画像が記録されているものと仮定し、前記画像に均一な光量の光を照射したときに前記画像を透過した光の分布に等しくなる。
【0066】
ステップ328では、上記により算出した露光量データをプリンタ部110の制御回路122へ転送する。ステップ330ではネガフィルム12に記録された全ての画像に対して露光量を求めたか否か判定する。ステップ330の判定が否定された場合にはステップ300へ戻り、ステップ300乃至ステップ330の処理を繰り返す。ステップ330の判定が肯定されると、処理を終了する。
【0067】
続いて、図7のフローチャートを参照し、プリンタ部110における露光制御処理について説明する。ステップ350ではポリゴンミラー126の回転を開始させる。ステップ352では、パルスモータ144を介して印画紙112を搬送し、印画紙112の未露光部分を露光位置に位置決めする。ステップ354では、露光を行う画像に対応する露光量データを取り込む。次のステップ356以降では、印画紙への画像の露光を行う。すなわち、ステップ356では取り込んだ露光量データのうち、最初の1ラインに対応するRの露光量データに応じた露光量制御信号をAOMドライバ120Rへ、Gの露光量データに応じた露光量制御信号をAOMドライバ120Gへ、Bの露光量データに応じた露光量制御信号をAOMドライバ120Bへ、各々出力する。
【0068】
AOMドライバ120R、G、Bは、各々入力された露光量制御信号のレベルがハイレベルのときにAOM133R、G、Bへ高周波信号を出力する。これにより、AOM133R、G、Bからは、各々露光量制御信号のパルス周期t0毎に前記パルス幅dに応じた時間だけ記録用レーザビームが射出され、ダイクロイックミラー134G、134Bによって合波されてポリゴンミラー126に入射される。
【0069】
印画紙112へのレーザビームの照射位置は、ポリゴンミラー126の回転によって順次移動するが、前記露光量制御信号のパルス周期t0は、パルス周期t0でのレーザビームの照射位置の移動量が、印画紙112に記録する画像の画素間隔に対応するように定められている。従って、前記パルス幅dによって各画素についてのレーザビームの照射時間が異なることになるので、露光量データに応じて1画素毎に露光量が変更されることになる。ポリゴンミラー126で反射されたレーザビームは、ミラー130、140で反射されて印画紙112に照射され、ポリゴンミラー126によるレーザビームの1走査で印画紙112への1画素列分(1ライン分)の露光が行われる。
【0070】
1ライン分の露光が行われるとステップ358へ移行し、ポリゴンミラー126の回転角が入射されたレーザビームを走査開始位置へ反射する回転角となるまでの間に、パルスモータ144によって1ラインの間隔に対応する所定量だけ印画紙112を搬送する。次のステップ360では1画像分の露光が終了したか否か判定する。ステップ360の判定が否定された場合にはステップ356へ戻り、次の1ラインに対応する露光量データに応じた露光量制御信号をAOMドライバ120R、G、Bへ各々出力し、上記と同様にして次の1ラインの露光を行う。
【0071】
ステップ356乃至ステップ360の処理を所定回繰り返すことによって、前記露光量データに応じた画像の露光が行われる。1画像分の露光処理が終了するとステップ360の判定が肯定され、ステップ362へ移行する。ステップ362では転送された全ての露光データに対する露光が終了したか否か判定する。ステップ362の判定が否定された場合にはステップ352へ戻り、上記と同様にして次の画像に対する露光処理を行う。ステップ362の判定が肯定されると、ステップ364でポリゴンミラー126の回転を停止させ、本露光制御処理を終了する。
【0072】
露光制御処理の終了した印画紙112は、カッタ部116によって未露光部分が切断されてマガジン114内に巻戻されると共に、画像が露光された部分はプロセッサ部154の各処理槽内に送り込まれた後に乾燥部166に送り込まれ、発色現像、漂白定着、水洗、乾燥の各処理が施され、プリンタ部110で露光された画像が可視化される。乾燥が終了した印画紙112は画像コマ毎に切断されてプリンタプロセッサ18の機体外に排出される。
【0073】
また、上記実施の形態では、フィルム画像読取装置16の各スキャン部36、38において、各々CCDラインセンサを用いて画像を走査読取するよう構成していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例として図11に示すように、測光センサがマトリクス状に配列されて構成されるCCDエリアセンサ170を用い、画像の各画素を透過した光の光量を1度に検出するようにしてもよい。
【0074】
図11に示すプレスキャン部36は、CCDエリアセンサ170の測光センサがR、G、Bの各波長に対して感度を有しており、結像レンズ60とCCDエリアセンサ170との間にはRまたはGまたはBの波長の光のみ透過させる3枚の分光フィルタから成る分光フィルタ群172が配置されており、フィルタ駆動装置174によって各分光フィルタをいずれか1つを光路中に挿入することによって各色の透過光量を順次測定する構成である。
【0075】
なお、CCDラインセンサ62、94のように、Rの光の光量を検出するセンサ、Gの光の光量を検出するセンサ及びBの光の光量を検出するセンサから成るセンサユニットが、マトリクス状に配置されたエリアセンサであれば、分光フィルタ群172及びフィルタ駆動装置174を省略することも可能である。
【0076】
さらに、上記実施の形態では画素毎に露光量を定め、プリンタ部110において画素毎に走査露光する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一般的なプリンタで多数採用されている面露光する場合に適用することも可能である。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ネガフィルムに記録された画像の走査読み取りを行うプレスキャン部とファインスキャン部を設け、プレスキャン部とファインスキャン部との間にネガフィルムのループが形成されるようにしたので、プレスキャン部におけるネガフィルムの搬送速度とファインスキャン部におけるネガフィルムの搬送速度との差を吸収することができると、という優れた効果が得られる。
また、本発明によれば、プレスキャン部の搬送方向上流側にコマ番号検出センサと画面検出センサとを設け、検出された画面位置及びサイズをコマ番号に対応させて記憶するようにしたので、簡単な構成でファインスキャン部での搬送制御を行うことができ、停止位置合わせが容易になる、という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のフィルム画像読取装置値を備えた写真処理システムの概略構成図である。
【図2】本実施の形態のフィルム画像読取装置の概略構成図である。
【図3】プリンタ部の概略構成を示す斜視図である。
【図4】フィルム画像読取装置のプレスキャン部のメインルーチンを説明するフローチャートである。
【図5】プレスキャン部の走査読取処理を説明するフローチャートである。
【図6】本実施の形態のファインスキャン部における読取処理を説明するフローチャートである。
【図7】プリンタ部における露光処理を説明するフローチャートである。
【図8】AOMドライバへ出力する露光量制御信号の波形を示す線図である。
【図9】ネガフィルムの画面切出し、領域分割処理を説明すると共にベース濃度測定領域を示すネガフィルムの平面図である。
【図10】(A)乃至(C)は、本実施の形態におけるC濃度、M濃度、Y濃度をC’濃度、M’濃度、Y’濃度に変換する処理を説明するための線図である。
【図11】スキャン部の構成として他の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
16 フィルム画像読取装置
36 プレスキャン部
38 ファインスキャン部
42 制御回路
62 CCDラインセンサ
94 CCDラインセンサ
Claims (1)
- ネガフィルムに記録された画像の走査読み取りを予め行うプレスキャン部と、該プレスキャン部における搬送速度よりも遅い搬送速度で画像の読み取り処理を行うファインスキャン部とがフィルム搬送路に沿って搬送方向に順次配置されると共に、
前記プレスキャン部における前記ネガフィルムの搬送速度と前記ファインスキャン部における前記ネガフィルムの搬送速度との差を吸収する前記ネガフィルムのループが、前記プレスキャン部と前記ファインスキャン部との間に形成され、
且つ、前記プレスキャン部の搬送方向上流側にコマ番号を検出するコマ番号検出センサと画像のエッジを検出する画面検出センサとを設け、前記画面検出センサのエッジ検出のタイミングに基づいて画面位置及びサイズを判断し、該画面位置及びサイズを前記コマ番号検出センサで検出されたコマ番号に対応させて記憶する、
フィルム画像読取装置。
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