JP2001222079A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

Info

Publication number
JP2001222079A
JP2001222079A JP2000365187A JP2000365187A JP2001222079A JP 2001222079 A JP2001222079 A JP 2001222079A JP 2000365187 A JP2000365187 A JP 2000365187A JP 2000365187 A JP2000365187 A JP 2000365187A JP 2001222079 A JP2001222079 A JP 2001222079A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
image
color
correction
color photographic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000365187A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Matama
徹 真玉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000365187A priority Critical patent/JP2001222079A/ja
Publication of JP2001222079A publication Critical patent/JP2001222079A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Exposure In Printing And Copying (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Facsimiles In General (AREA)
  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
  • Color Image Communication Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 白黒現像されたカラー写真フィルムに記録さ
れた画像を適正に色再現することができる画像処理装置
を提供する。 【解決手段】 画像処理システム10は、基準露光部1
4、白黒現像部16、フィルムスキャナ20、画像処理
装置22を含んで構成されている。基準露光部14は、
画像処理条件を決定する際に使用される画像情報を形成
するために、写真フィルム28の未露光部分を基準露光
領域としてR光、G光、B光、及びグレイ光により基準
露光する。フィルムスキャナ20は白黒現像部16によ
り白黒現像された基準露光領域を読み取る。画像処理装
置22の制御部140では、基準露光領域の読み取りデ
ータから色補正条件等の画像処理条件を演算する。画像
処理部138は、演算された画像処理条件に従って写真
フィルム28に記録されたコマ画像の画像処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像処理装置に係
り、特に、白黒現像中又は白黒現像後のカラー写真フィ
ルムに記録された画像の画像処理を行う画像処理装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】カラーネガフィルム、及びカラーリバー
サルフィルム等のカラー写真フィルムは、青色露光によ
りイエロー色素画像を形成する青感光性層、緑光露光に
よりマゼンタ色素画像を形成する緑感光性層、及び赤色
露光によりシアン色素画像を形成する赤感光性層を備え
ている。
【0003】カラーネガフィルムの写真処理の際には、
潜像を含有するハロゲン化粒子を銀へ還元する過程で現
像剤が酸化され、酸化された現像剤を用いて色素形成カ
ップラーとのカップリングにより色素画像が形成され
る。従来では、未現像のハロゲン化銀は定着工程により
除去され、また望ましくない現像銀像は漂白工程により
除去される。
【0004】近年ではこのようなカラーネガフィルムの
写真処理の簡易性を高める要求がますます強くなりつつ
ある。例えば、特開平6−295035号公報には、カ
ラー写真フィルムを白黒現像することにより色素画像を
形成することなく赤(R)、緑(G)、青(B)の各色
部分への像様露光を表す画像情報をハロゲン化銀カラー
写真要素、すなわち銀画像から抽出する画像形成の方法
が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常の
カラー写真フィルムは、基準現像されたときのR、G、
Bの透過濃度が適正な色階調の画像になるように設計さ
れている。すなわち、カラー写真フィルムは、色素画像
が適正になるように設計されているのであり、本来画像
情報としては用いない銀画像が適正になるように設計さ
れているわけではないため、カラー写真フィルムを白黒
現像して画像を読み取った場合、適正な色再現や階調再
現が得られない。
【0006】また、色素像と現像銀との比率はフィルム
種、露光レベル等によって異なるため、読み取った画像
を一律に補正することができない。
【0007】また、反射濃度と透過濃度とは非線形な関
係にあるため、反射読み取りと透過読み取りとの両方を
用いた場合、単純な補正ではグレイバランスを補正でき
ない。
【0008】また、反射読み取りにおいては下層の影響
を受けるため混色の問題が生じるが、その度合いがフィ
ルム種によって異なるため、一律に混色の補正を行うこ
とができない。
【0009】さらに、白黒現像後にカラー写真フィルム
に残存している不要物の濃度やハロゲン化銀の濃度、コ
ロイド銀で生成されたアンチハレーション層の濃度もフ
ィルム種によって異なるため、一律に補正することがで
きない。
【0010】本発明は、上記問題を解決すべく成された
ものであり、白黒現像されたカラー写真フィルムに記録
された画像を適正に色再現や階調再現を実現することが
できる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、透光性の支持体上に青感光
性、緑感光性、及び赤感光性の感光性ハロゲン化銀乳剤
を含有する少なくとも3種の写真感光性層を有し、画像
が露光された後各写真感光性層内に銀画像が生じるよう
に処理されたカラー写真感光材料に記録された画像を画
像処理する画像処理装置であって、前記カラー写真感光
材料の表側及び裏側に光を照射する光源と、前記カラー
写真感光材料の表側及び裏面から反射された光、前記カ
ラー写真感光材料を透過した光により画像情報を読み取
る読み取りセンサと、前記カラー写真感光材料の予め定
めた未露光領域を青、緑、赤の各色で露光する露光手段
と、前記各色で露光した領域における前記カラー写真感
光材料の表側及び裏面から反射された光、前記カラー写
真感光材料を透過した光に基づいて各色の画像情報を補
正するための補正条件を求める演算手段と、前記補正条
件により読み取った画像を補正する補正手段と、を含む
ことを特徴としている。
【0012】カラー写真感光材料は、透光性の支持体上
に青感光性、緑感光性、及び赤感光性の感光性ハロゲン
化銀乳剤を含有する少なくとも3種の写真感光性層を有
している。このようなカラー写真感光材料に撮影画像が
露光された後、各写真感光性層内に銀画像が生じるよう
に白黒現像処理又はカラー現像処理される。光源は、銀
画像が形成されたカラー写真感光材料の表側及び裏側に
光を照射する。この光源には、銀像により反射される波
長、例えば赤外域の波長の光(IR光)を照射するLE
D等により構成された光源を用いることができる。
【0013】読み取りセンサは、光源によりカラー写真
感光材料の表側及び裏面から反射された光、及び透過し
た光により画像情報を読み取る。すなわち、青(B)感
層、緑(G)感層、赤(R)感層の順に積層されたカラ
ー写真感光材料の場合、青感層の銀像により反射された
光によりB層の画像を、赤感層の銀像により反射された
光によりR層の画像を読み取る。なお、G層の画像は、
透過した光による3層合計の画像からR層の画像及びB
層の画像を減算することにより得ることができる。
【0014】なお、読み取りセンサは、前記カラー写真
感光材料の表側からの反射光により反射画像情報を低解
像度で読み取る表側低解像度用センサと、前記カラー写
真感光材料の裏側からの反射光により反射画像情報を低
解像度で読み取る裏側低解像度用センサと、前記カラー
写真感光材料を透過した透過光により透過画像情報を高
解像度で読み取る高解像度用センサと、で構成すること
ができる。
【0015】また、読み取りセンサは、前記カラー写真
感光材料の表側及び裏側の一方からの反射光により反射
画像情報を低解像度で読み取ると共に、前記カラー写真
感光材料を透過した透過光により透過画像情報を高解像
度で読み取る兼用センサと、前記カラー写真感光材料の
表側及び裏側の他方からの反射光により反射画像情報を
低解像度で読み取る低解像度用センサと、で構成しても
よい。このように、反射画像情報及び透過画像情報を読
み取るセンサを兼用センサとすることにより、装置を簡
単化してコストを抑えることができる。
【0016】この低解像度用センサ、高解像度用セン
サ、兼用センサは、例えばカラー写真感光材料のコマ画
像を1度に読み取ることができるエリアCCDや1ライ
ン分に画像を読み取ることができるラインCCDを用い
ることができる。
【0017】露光手段は、カラー写真感光材料の予め定
めた未露光領域を青、緑、赤の各色で、好ましくは各々
低濃度域から高濃度域まで単色露光(基準露光)する。
この露光手段には、例えば、青、緑、赤の各色に発光す
るLEDを予め定めた露光パターンに従って配置した光
源を用いることができる。
【0018】ところで、カラー写真感光材料の表側及び
裏側に照射された光の反射光は、下層の影響を受けるた
め、このままでは適正な色再現を行うことができない。
【0019】そこで、演算手段は、請求項3にも記載し
たように、例えば各色の混色を補正するための補正条件
を演算する。すなわち、各色で露光した領域におけるカ
ラー写真感光材料の表側及び裏面から反射された光、前
記カラー写真感光材料を透過した光に基づいて各色の画
像情報を補正するための補正条件を求める。例えば、R
層は、B層及びG層の影響を受けるため混色が生ずる
が、G色で単色露光した領域におけるR層の濃度及びB
層の濃度を求めれば、R層及びB層におけるG色の混色
の度合いを得ることができる。従って、各単色露光領域
における各層の濃度を求めることにより、各層における
混色の度合いを知ることができる。このため、演算手段
では、各単色露光領域における各層の濃度を求め、該求
めた各単色露光領域における各層の濃度値から、各層に
おける混色がなくなるように補正条件を定める。
【0020】補正手段は、このようにして求めた補正条
件により読み取った画像を補正する。これにより、銀画
像が生じるように処理されたカラー写真感光材料に記録
された画像を読み取る場合でも、カラー写真感光材料の
種類や経時変化、現像条件の変動に関わらず適正に色再
現や階調再現を実現することができる。
【0021】また、反射濃度と透過濃度とは一般に非線
形な関係にある。従って、反射光により得られた反射濃
度と透過光により得られた透過濃度とが混在した画像で
は、濃度を合成しても適正な色再現や階調再現とならな
い場合がある。
【0022】そこで、請求項2にも記載したように、演
算手段は、カラー写真感光材料の表側及び裏面から反射
された光により得られた反射濃度を、透過濃度に各々変
換するのが好ましい。すなわち、例えばR単色露光領域
によるR層の反射光及び透過光から、反射濃度から透過
濃度へ変換するための変換特性を求めることができ、同
様にB単色露光領域におけるB層の反射光及び透過光か
ら、反射濃度から透過濃度へ変換するための変換特性を
求めることができる。従って、この変換特性を用いて反
射濃度を透過濃度に変換し、各層の透過濃度に基づいて
補正条件を求めれば、さらに適正な色再現や階調再現を
実現することができる。
【0023】また、カラー写真フィルムは、通常のカラ
ー現像をした場合に良好な特性が得られるように設計さ
れている。一方、白黒現像したカラー写真フィルムを表
側及び裏面から反射された光、透過した光で読み取った
場合には、種々の要因により、その特性には非線形性が
存在する。具体的には、前述したように反射濃度と透過
濃度との関係が非線形性であったり、色素濃度と銀濃度
との比率が一定でないことに起因した非線形性があるた
めである。
【0024】そこで、請求項4記載の発明は、前記露光
手段により前記カラー写真感光材料の予め定めた未露光
領域をグレイ露光し、前記演算手段により、前記カラー
写真感光材料の表側及び裏面から反射された光、前記カ
ラー写真感光材料を透過した光に基づいてグレイバラン
ス及びコントラストを補正するための補正条件を求め、
前記補正手段で、前記補正条件により読み取った画像の
非線形性補正、グレイバランス補正、及びコントラスト
補正の少なくとも1つを行うことを特徴としている。
【0025】このグレイ露光は、例えば青、緑、赤の各
色に発光するLEDを交互に配置し、各々のLEDで発
光する光を拡散板等でミックスすることにより行うこと
ができる。そして、演算手段は、このグレイ露光された
領域の濃度が予め定めたグレイ濃度となるように補正条
件を求める。補正手段は、この求めた補正条件に従っ
て、読み取った画像の非線形性、グレイバランスやコン
トラストを補正する。
【0026】また、カラー写真感光材料の未露光部は、
グレイバランス条件がほぼ適正に反映されている場合が
多いため、請求項5にも記載したように、前記演算手段
により、前記カラー写真感光材料の未露光部分の表側及
び裏面から反射された光、前記カラー写真感光材料の未
露光部分の透過した光に基づいてグレイバランスを補正
するための補正条件を求め、前記補正手段で、前記補正
条件により読み取った画像のグレイバランスを補正する
ようにしてもよい。但し、未露光部からはコントラスト
に関する情報が得られないため、予め定めた補正値を用
いて補正する必要がある。
【0027】請求項6記載の発明は、透光性の支持体上
に青感光性、緑感光性、及び赤感光性の感光性ハロゲン
化銀乳剤を含有する少なくとも3種の写真感光性層を有
し、画像が露光された後各写真感光性層内に銀画像が生
じるように処理されたカラー写真感光材料に記録された
画像を画像処理する画像処理装置であって、前記カラー
写真感光材料の表側及び裏側に光を照射する光源と、前
記カラー写真感光材料の表側及び裏面から反射された
光、前記カラー写真感光材料を透過した光により画像情
報を読み取る読み取りセンサと、読み取った画像情報を
補正するための補正条件を設定する設定手段と、前記補
正条件により読み取った画像を補正する補正手段と、を
含むことを特徴としている。
【0028】設定手段は、読み取った画像情報を補正す
るための補正条件を設定する。この補正条件は、例えば
予め定めた補正条件を入力することにより設定すること
ができる。この補正条件には、例えばフィルムの製造者
等がフィルム毎に予め定めた画像処理パラメータ等を用
いることができる。
【0029】また、補正条件は、例えば請求項7に記載
したように、画像が露光された後各写真感光性層内に銀
画像が生じるように処理されたカラー写真感光材料に記
録された第1の画像が、各写真感光性層内に銀画像が生
じるように処理された後、銀画像を除去して色素画像が
生じるように処理されたカラー写真感光材料に記録され
た第2の画像に一致するように、予め決定することがで
きる。すなわち、補正条件を決定するに際し、同一の撮
影条件で画像が露光されたカラー写真感光材料を異なる
現像条件で処理した後、処理後の画像を各々読み取る。
なお、現像は、熱現像でも現像液を使用した通常の湿式
現像のいずれでもよい。
【0030】第1の画像は、白黒現像により漂白及び定
着を行うことなく生成することができる。なお、カラー
現像を行って漂白及び定着を行うことなく第1の画像を
生成してもよい。一方、第2の画像は、カラー現像によ
り漂白及び定着を行って生成する。
【0031】第1の画像及び第2の画像は、同一撮影条
件で同一被写体を複数コマ撮影した同一カラー写真フィ
ルムに撮影されているコマ画像を処理することにより、
効率良く生成することができる。
【0032】第1の画像読み取りでは、カラー写真感光
材料の乳剤層側及び支持体側から反射された光により上
層の写真感光性層及び下層の写真感光性層の反射画像を
各々読み取り、カラー写真感光材料を透過した光により
上層の写真感光性層、下層の写真感光性層、及び中間層
の写真感光性層の画像の各々を合成した透過画像を読み
取り、第2の画像読み取りでは、カラー写真感光材料を
透過した光により上層の写真感光性層、下層の写真感光
性層、及び中間層の写真感光性層各々の透過画像を青、
緑、赤の3色に分解して読み取ることができる。
【0033】そして、第1の画像読み取りにより得られ
た画像データが第2の画像読み取りにより得られた画像
データに一致するように補正条件が決定される。
【0034】この補正条件を設定することにより、銀画
像が生じるように簡易に処理された画像を読み取って得
られた画像データから、通常のカラー現像処理された画
像を読み取って得られた画像データを用いて画像形成し
た際の画像と一致する画像を形成することができる。
【0035】また、請求項8にも記載したように、前記
設定手段は、前記読み取りセンサにより読み取った複数
の画像情報に基づいて、前記カラー写真感光材料の種類
毎に前記補正条件を設定するようにしてもよい。すなわ
ち、読み取り画像をフィルム種毎に蓄積しておき、その
蓄積されたデータからフィルム種毎の画像処理パラメー
タを推定し、逐次更新する。例えば撮影画像データを平
均するとほぼグレイになることから、フィルム種毎に蓄
積された画像情報からそのフィルムのグレイバランスの
傾向を知ることができるため、これに基づいてグレイバ
ランスの補正を行うことができる。
【0036】また、請求項9にも記載したように、前記
カラー写真感光材料の種類毎に補正条件を記憶する記憶
手段と、前記カラー写真感光材料の種類を検出する検出
手段と、をさらに備え、前記補正手段は、検出されたカ
ラー写真感光材料の種類に対応する前記記憶手段に記憶
された補正条件により読み取った画像を補正するように
してもよい。
【0037】例えば、前述したようにカラー写真感光材
料の種類毎に上記のように未露光部分に各色の基準露光
を与え、この基準露光を与えた領域の読み取りデータか
ら予め求めておいた補正条件や、フィルムの製造者等が
フィルム毎に予め定めた補正条件、フィルム種毎に蓄積
しておいた画像情報に基づいて定めたフィルム種毎の補
正条件を記憶手段に予め記憶しておく。そして、カラー
写真感光材料の処理時には、検出手段により検出された
カラー写真感光材料の種類に対応する補正条件を記憶手
段から読み出し、該読み出した補正条件に従って画像処
理を行う。これにより、カラー写真感光材料の処理を行
う毎に基準露光や補正条件を求め直す必要がなく、処理
速度を高めることができる。
【0038】請求項10記載の発明は、透光性の支持体
上に青感光性、緑感光性、及び赤感光性の感光性ハロゲ
ン化銀乳剤を含有する少なくとも3種の写真感光性層を
有し、画像が露光された後各写真感光性層内に銀画像が
生じるように処理されたカラー写真感光材料に記録され
た画像を画像処理する画像処理装置であって、前記カラ
ー写真感光材料の表側及び裏側に光を照射する光源と、
前記カラー写真感光材料の表側及び裏面から反射された
光、前記カラー写真感光材料を透過した光により所定の
読み取り条件で画像情報を読み取る読み取りセンサと、
前記カラー写真感光材料の未露光部分の表側及び裏面か
ら反射された光、前記カラー写真感光材料の未露光部分
を透過した光に基づいて前記所定の読み取り条件を設定
する設定手段と、を含むことを特徴としている。
【0039】設定手段は、カラー写真感光材料の未露光
部分の表側及び裏面から反射された光、カラー写真感光
材料の未露光部分を透過した光に基づいて所定の読み取
り条件を設定する。この読み取り条件には、光源からフ
ィルムへ照射する光の光量、光源の点灯時間、読み取り
センサにCCD等を用いた場合には電荷蓄積時間、明暗
補正を行うために用いるフィルタの濃度等がある。
【0040】例えば、未露光部の読み取りにおいて読み
取りセンサの飽和点(リニアニティが取れる状態での最
明点)に近くなるように、電荷蓄積時間や光量、点灯時
間を設定する。これにより、高S/N比での読み取りを
行うことができる。
【0041】なお、読み取り条件をフィルム種毎に予め
定めて記憶手段に記憶しておき、検出したフィルム種に
対応する読み取り条件で読み取るようにしてもよい。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、カラー写真フィルムを色素
情報を含まない銀画像が生じるように白黒現像し、現像
した後、漂白、定着、及び水洗を行うことなく乾燥し、
乾燥する前、または乾燥した後に、カラー写真フィルム
に記録された銀画像を読み取る画像読み取り装置に本発
明を適用した実施の形態について説明する。なお、白黒
現像した場合には、赤色光(R光)、緑色光(G光)、
青色光(B光)の各種波長の光源を用いることができる
が、本実施の形態では赤外光(IR光)を用いて銀画像
を読み取る場合について説明する。なお、現像が停止し
ていない状態若しくは現像中の状態の画像を読み取る場
合には、R,G,B光を使用すると、読み取り光によっ
てハロゲン化銀が感光される不具合が生じるが、IR光
を用いた場合、その問題を回避することができる。
【0043】図1には、画像処理システム10の全体構
成が示されている。図1に示すように、画像処理システ
ム10は、磁気情報読み取り部12、基準露光部14、
白黒現像部16、バッファ部18、フィルムスキャナ2
0、画像処理装置22、プリンタ部24、及びプロセッ
サ部26により構成されている。
【0044】画像処理システム10は、ネガフィルムや
リバーサルフィルム(ポジフィルム)等のカラー写真フ
ィルムに記録されているフィルム画像(銀画像)を読み
取って画像処理を施し、画像処理後の画像を印画紙にプ
リントするためのものであり、例えば135サイズの写
真フィルム、110サイズの写真フィルム、及び透明な
磁気層が形成された写真フィルム(240サイズの写真
フィルム:所謂APSフィルム)、120サイズ及び2
20サイズ(ブローニサイズ)の写真フィルムのフィル
ム画像を処理対象とすることができる。写真フィルム2
8は、乳剤面側(B感光性層側)を上にして、図1にお
いて矢印A方向へ搬送される。なお、画像処理システム
で、熱によって感熱紙に画像を形成したり、ゼログラフ
ィーやインクジェット等によって普通紙等の記録媒体に
画像を形成するようにしてもよい。
【0045】磁気情報読み取り部12は、処理対象の写
真フィルム28が図2に示すようなAPSフィルムの場
合に該APSフィルム28Aの画像コマの下に形成され
た磁気層30に記録された磁気情報を読み取る際に使用
される。この磁気情報には、例えば、フィルム感度情
報、DXコード等のフィルム種に関する情報も含まれ
る。
【0046】また、APSフィルム28Aの先端側及び
後端側には、図2に示すようにユーザ側で自由に使用可
能な未露光エリアが設けられている。本実施の形態で
は、この未露光エリアを基準露光領域32として使用す
る。また、写真フィルム28が135サイズの写真フィ
ルムの場合は、フィルムの先端側又は後端側に存在する
図3に示すような未露光部を基準露光領域32として使
用する。
【0047】基準露光部14は、画像処理条件を決定す
る際に使用される画像情報を形成するために、基準露光
領域32を基準露光する。なお、画像コマを読み取った
データを記憶しておいて全画像コマ読み取り後に基準露
光領域32の画像情報を読み取って画像処理条件を決定
してもよいが、画像コマを読み取る前に画像処理条件を
決定すれば画像コマを読み取りながら画像処理すること
ができるので、画像コマを読み取る前に画像処理条件を
決定することができるように、写真フィルム28の先端
側の基準露光領域32を基準露光することが好ましい。
【0048】基準露光部14は、図4に示すように、露
光部34及びLEDドライバ36により構成されてい
る。露光部34は、複数のLED38が配列されたLE
D基板40のLED側に拡散板42が設けられ、さらに
拡散板42の光拡散側にフィルム搬送方向に沿って光強
度分布を生じさせるウェッジ44を設けて構成されてい
る。
【0049】LED基板40は、図5に示すように4つ
の領域に分かれており、図5において1番上の領域には
赤色光(R光)を発光するLED46Rが配列され(R
単色露光部)、上から2番目の領域には緑色光(G光)
を発光するLED46Gが配列され(G単色露光部)、
上から3番目の領域には青色光(B光)を発光するLE
D46Bが配列され(B単色露光部)、一番下の領域に
はLED46R,LED46G,LED46Bが交互に
配列されている(グレイ露光部)。
【0050】なお、グレイ露光部のR,G,Bの光量バ
ランスは、D65等の標準的な昼光の色温度に近くなる
ように、LED46R,LED46G,LED46Bの
個数を決めることが好ましい。
【0051】LED基板40はLEDドライバ36と接
続されており、LED基板40上の各LED38は、L
EDドライバ36から所定の電流が供給されることによ
り一様に発光する。また、LEDドライバ36は、例え
ば磁気情報読み取り部12からフィルム感度情報を得る
ことにより、フィルム種に応じて各LEDに供給する電
流を適正に制御することができる。
【0052】各LEDから発光した光は拡散板42によ
り拡散され、ウェッジ44を介して写真フィルム28に
照射される。ウェッジ44は、写真フィルム28への露
光量を変化させるようになっており、例えば図3に示す
ように写真フィルム28の搬送方向(矢印A方向)上流
側から下流側へ向けて連続的又は段階的に露光量が小さ
くなるようにする。なお、露光量は、連続的又は段階的
に大きくなるようにしてもよい。また、ウェッジ44の
写真フィルム28の搬送方向上流側は、図6の線48で
示すように、該搬送方向と略直交する方向に線状に露光
することができるようになっている。なお、ウェッジ4
4を用いずに、各LEDに供給する電流をフィルム搬送
方向に沿って徐々に小さくすることにより露光量を変化
させてもよい。
【0053】このように構成された基準露光部14によ
り写真フィルム28の基準露光領域32は、図6に示す
ようにR光、G光、B光、及びR光、G光、B光がミッ
クスされた光、すなわちグレイ光により基準露光され
る。また、写真フィルム28の搬送方向と略直交する方
向に線状に露光される。この線48をトリガ線として検
出することにより基準露光領域32が基準露光されたこ
とを検出することができる。
【0054】なお、基準露光部14は、例えば図7に示
すようにLEDに代えてハロゲンランプ等の光源を用い
て構成してもよい。図7に示す基準露光部14は、ハロ
ゲンランプ50を備え、該ハロゲンランプ50の光照射
側にはシャッタ52が配置されている。シャッタ52の
光出射側には上下に拡散板54が取り付けられた拡散ボ
ックス56、光をR光、G光、及びB光に分解する色分
解フィルタ58、及び上記で説明したウェッジ44が順
に配置されている。
【0055】色分解フィルタ58は、入射光のうちR光
のみ透過させるフィルタと、入射光のうちG光のみ透過
させるフィルタと、入射光のうちB光のみ透過させるフ
ィルタと、で構成され、図5のLED配列部位と対応す
る部位に配置されている。なお、LED46R,46
G,46Bを交互に配列した部位にはD65等の標準的
な昼光の色温度に近くなるような色温度変換フィルター
を配置することが好ましい。これによって、図6と同様
の基準露光を行うことができる。また、コストを削減す
るために、フィルタを配置せずにハロゲンランプの色温
度とD65の色温度との関係に基づいて補正してもよ
い。
【0056】白黒現像部16では、白黒現像を行うため
の現像液を写真フィルム28に塗布することにより白黒
現像を行う。白黒現像部16は、図8に示すように、現
像液を写真フィルム28へ噴射するための噴射タンク6
2を備えている。
【0057】この噴射タンク62の左下方には、この噴
射タンク62に供給する為の現像液を貯留する現像液ボ
トル64が配置されており、この現像液ボトル64の上
部に現像液を濾過する為のフィルタ66が配置されてい
る。そして、途中にポンプ68が配置された送液パイプ
70が、この現像液ボトル64とフィルタ66との間を
繋いでいる。
【0058】さらに、噴射タンク62の右側には、現像
液ボトル64より送られた現像液を溜めるサブタンク7
2が配置されており、フィルタ66から送液パイプ74
がサブタンク72にまで伸びている。
【0059】従って、ポンプ68が作動すると、現像液
ボトル64からフィルタ66側に現像液が送られると共
に、フィルタ66を通過して濾過された現像液がサブタ
ンク72に送られて、サブタンク72に現像液が一旦溜
められるようになる。
【0060】また、サブタンク72と噴射タンク62と
の間を繋ぐ送液パイプ76が、これらの間に配置されて
おり、フィルタ66、サブタンク72、送液パイプ76
等を介して、現像液ボトル64よりポンプ68で送られ
た現像液がこの噴射タンク62内に満たされることにな
る。
【0061】この噴射タンク62の下部には、現像液ボ
トル64に循環パイプ78で繋がれたトレー80が配置
されており、噴射タンク62より溢れ出した現像液をト
レー80が集め、循環パイプ78を介して現像液ボトル
64に戻すようになっている。また、この循環パイプ7
8は、サブタンク72内にまで突出して伸びた状態でサ
ブタンク72に接続されており、サブタンク72内に溜
まった必要以上の現像液を現像液ボトル64に戻すよう
になっている。
【0062】さらに、図9及び図10に示すように、こ
の噴射タンク62の壁面の一部であって写真フィルム2
8の搬送経路Eに対向した部分には、弾性変形可能な長
方形状の薄板を屈曲して形成したノズル板82が設置さ
れている。
【0063】そして、図9及び図10に示すように、こ
のノズル板82には、ノズル板82の長手方向である写
真フィルム28の搬送方向Aと交差する方向に沿って、
一定の間隔で複数のノズル孔84(例えば直径数十μ
m)が、写真フィルム28の幅方向全体にわたってそれ
ぞれ形成され、これにより直線状に延びるノズル列が構
成される。そして、このノズル列は、ノズル板82上に
千鳥掛状で複数列配置されている。
【0064】つまり、線状に配列された複数のノズル孔
84により形成されるノズル列が、それぞれ噴射タンク
62の長手方向に延びるように複数列設けられており、
これらノズル列を構成するノズル孔84よりそれぞれ噴
射タンク62内に満たされた現像液が写真フィルム28
側に噴射されるように放出可能とされている。
【0065】この噴射タンク62から現像液が噴射され
ることにより、略一定速度で搬送される写真フィルム2
8が白黒現像される。
【0066】バッファ部18は、白黒現像部16で略一
定速度となる写真フィルム28の搬送速度と、後述する
フィルムキャリア86による写真フィルム28の搬送速
度との速度差を吸収するためのものである。なお、白黒
現像部16での搬送速度とフィルムキャリア86での搬
送速度とを同一にする場合には、バッファ部を省略する
ことができる。
【0067】フィルムスキャナ12は、白黒現像部16
により現像処理された写真フィルム28に記録されてい
る画像を読み取り、該読み取りによって得られた画像デ
ータを出力するものであり、図1及び図11に示すよう
に、フィルムキャリア86を備えている。
【0068】フィルムキャリア86の上側には、図12
に示すようにリング状にLED88が配置され、写真フ
ィルム28に光を照射する照明ユニット90Aが配置さ
れている。なお、照明ユニット90Aから射出される光
は図13に示すような赤外域の波長(中心波長が約95
0nm)の光(IR光)である。この照明ユニット90
Aは、LEDドライバ92により駆動される。
【0069】照明ユニット90Aの上側には、図11及
び図15に示すような写真フィルム28のB層を反射し
た光を結像させる結像レンズ94A、写真フィルム28
のB層を反射した光を検出するエリアCCD96Aが、
光軸Lに沿って順に配置されている。エリアCCD96
Aは、各々赤外域に感度を有する多数のCCDセル(光
電変換セル)がマトリクス状に配列されたモノクロのC
CDであり、受光面が結像レンズ94Aの結像点位置に
略一致するように配置されている。また、エリアCCD
96Aは、画素ずらしユニット98A上に配置されてい
る。さらに、エリアCCD96Aと結像レンズ94Aと
の間にはブラックシャッタ100Aが設けられている。
【0070】エリアCCD96AはCCDドライバ10
2Aを介してスキャナ制御部104に接続されている。
スキャナ制御部104はCPU、ROM(例えば記憶内
容を書換え可能なROM)、RAM及び入出力ポートを
備え、これらがバス等を介して互いに接続されて構成さ
れている。スキャナ制御部104はフィルムスキャナ2
0の各部の動作を制御する。また、CCDドライバ10
2AはエリアCCD96Aを駆動するための駆動信号を
生成し、エリアCCD96Aの駆動を制御する。
【0071】フィルムキャリア86の下側には、照明ユ
ニット90B、結像レンズ94B、画素ずらしユニット
98B上に配置されたエリアCCD96B、CCDドラ
イバ102Bが順に配置されている。これらは、前述し
た照明ユニット90A、結像レンズ94A、エリアCC
D96A、CCDドライバ102Aと各々同一構成であ
るが、エリアCCD96Bは、照明ユニット90Bによ
り写真フィルム28に照射されたIR光のうち図15に
示すような写真フィルム28のR層により反射された反
射光及び照明ユニット90Aにより写真フィルム28に
照射された光のうち該写真フィルム28を透過した透過
光を検出する。
【0072】また、照明ユニット90Bとフィルムキャ
リア86との間には、明補正用NDフィルタ106が配
置されている。明補正用NDフィルタ106は、図14
(A)に示すように、矢印B方向に沿って回転可能とさ
れたターレット108上に設けられた複数(本実施形態
では5個)の開口部のうち1つの開口部110を除い
て、透過率が互いに異なるフィルタ112A〜112D
が各々嵌め込まれた構成となっている。
【0073】フィルムキャリア86は、写真フィルム2
8に記録された画像の画面中心が光軸Lに一致する位置
(読取位置)に位置決めされるように写真フィルム28
を搬送する。
【0074】また、フィルムキャリア86は、DXコー
ド読み取りセンサ114、コマ検出センサ116、明補
正用反射板118A、118B等を備えている。DXコ
ード読み取りセンサ114は、図16に示すような13
5サイズの写真フィルム28に光学的に記録されたDX
コード120を読み取る。コマ検出センサ116は、写
真フィルム28の画像コマ位置の検出を行う。これによ
り画像の画面中心が光軸Lに一致する位置に位置決めさ
れる。
【0075】明補正用反射板118A、118Bは、写
真フィルム28を挟んで対向する位置に配置されてお
り、図14(B)に示すように、矢印C方向に沿って回
転可能とされたターレット122上に設けられた複数
(本実施形態では5個)の開口部のうち1つの開口部1
24を除いて、反射率が互いに異なる反射板126A〜
126Dが各々嵌め込まれた構成となっている。
【0076】写真フィルム28はフィルムキャリア86
によって搬送され、画像の画面中心が光軸Lに一致する
位置(読取位置)に位置決めされる。また、スキャナ制
御部104は画像が読取位置に位置決めされている状態
で、明補正用反射板118A、118Bの開口部124
及び明補正用NDフィルタ106の開口部110が光軸
L上に位置するようにターレット122、108を回転
駆動させると共に、所定の読取条件に対応するエリアC
CD96A、96Bの電荷蓄積時間t1、t2をCCD
ドライバ102A102Bへ各々設定する。
【0077】これにより、図17(E)に示すように照
明ユニット90Aがスキャナ制御部104により点灯さ
れると、写真フィルム28のB層側にIR光が照射さ
れ、写真フィルム28のB層を反射した光は図17
(A)に示すようにエリアCCD96Aによって検出さ
れ(詳しくは光電変換された電荷が蓄積され)、図17
(B)に示すように反射光量を表す信号としてエリアC
CD96Aから出力される。
【0078】また、これと同時に写真フィルム28を透
過した光が図17(C)に示すようにエリアCCD96
Bによって検出され(詳しくは光電変換され)、図17
(D)に示すように透過光量を表す信号としてエリアC
CD96Bから出力される。
【0079】透過光及びR層の反射光の検出が終了する
と、図17(F)に示すように照明ユニット90Bがス
キャナ制御部104により点灯され、写真フィルム28
のベース層側にIR光が照射され、写真フィルム28の
R層を反射した光は図17(C)に示すようにエリアC
CD96Bによって検出され(詳しくは光電変換さ
れ)、図17(D)に示すように反射光量を表す信号と
してエリアCCD96Bから出力される。
【0080】なお、照明ユニット90A,90Bにより
照射される光の光量及び点灯時間t4、t5、エリアC
CD96A,96Bによる電荷蓄積時間t1、t2、t
3は、後述する制御部140によるセットアップ演算に
よりフィルム種等に応じて最適に設定される。
【0081】なお、B層による反射光量は、B層(青感
光性層)内に含まれる現像銀の量、すなわちB層の銀画
像量に応じて変化する。従って、B層による反射光を光
電変換することはの白黒現像に代えてカラー現像した場
合に得られるイエロー色素画像の画像情報を読み取るこ
とに相当する。同様に、R層(赤感光性層)による反射
光を光電変換することはカラー現像した場合に得られる
シアン色素画像の画像情報を読み取ることに相当する。
また、透過光を光電変換することはカラー現像した場合
に得られるイエロー色素画像、緑感光性層内のマゼンタ
色素画像、シアン色素画像がミックスされた画像を読み
取ることに相当する。
【0082】また、エリアCCD96Aは、図18に示
すように画素ずらしユニット98A上に配置され、該画
素ずらしユニット98Aにはピエゾドライバ99により
駆動されるピエゾ素子101X,101Yが接続されて
いる。このピエゾドライバ99によりピエゾ素子101
X、101Yを図18においてX方向、Y方向に各々振
動させることにより画素ずらしユニット98A、すなわ
ちエリアCCD96AをX方向、Y方向へずらすことが
できる。これにより、例えば1/2画素分ずつX方向、
Y方向へ順次エリアCCD96Aを移動させて画像を各
々読み取ることにより、4倍の解像度で画像を読み取る
ことができる。なお、エリアCCD96Bについても同
様の構成である。
【0083】エリアCCD96A、96Bから出力され
た信号は、アンプ回路128A、128Bにより各々増
幅され、A/D変換器130A、130Bによって反射
光量を表すデジタルデータに各々変換され、相関二重サ
ンプリング回路(CDS)132A、132Bに各々入
力される。CDS132A、132Bは、フィードスル
ー信号のレベルを表すフィードスルーデータ及び各画素
毎の信号のレベルを表す画素データを各々サンプリング
し、各画素毎に画素データからフィードスルーデータを
減算し、演算結果(各CCDセルでの蓄積電荷量に正確
に対応するデータ)を、画像データとして画像処理装置
22へ順次出力する。
【0084】CDS132A、132Bから出力された
画像データは、明暗補正部134A、134Bに各々入
力される。明暗補正部134A,134Bでは、予め定
めた暗補正データ及び明補正データにより明暗補正が行
われる。
【0085】明暗補正部134Aは、エリアCCD96
Aの光入射側がブラックシャッタ100Aにより遮光さ
れている状態で明暗補正部に入力されたデータ(エリア
CCD96Aの各セルの暗出力レベルを表すデータ)を
各セル毎に図示しないメモリに暗補正データとして記憶
しておき、入力された画像データから、各画素毎に対応
するセルの暗出力レベルを減ずることによって暗補正を
行う。暗補正データの設定は、例えば装置の始業点検時
や予め定めた所定時間毎、スキャン毎に行うが、暗出力
レベル変動を補正できる頻度で行うことが望ましい。な
お、明暗補正部134Bによる暗補正も上記と同様に行
うことができる。
【0086】また、明暗補正部134Aにより通常のカ
ラー現像を行った写真フィルム28に記録された画像の
画像データに対して明補正を行う場合には、まず、白色
板等の反射率が高いものを用いてエリアCCD96Aに
より反射光の読み取りを行い、入力されたデータ(この
データが表す各画素毎の濃度のばらつきは各セルの光電
変換特性のばらつきに起因する)に基づいて各セル毎に
ゲインを定め、明補正データとして図示しないメモリに
記憶しておく。そして、入力された読取対象のコマ画像
の画像データを、各セル毎に定めたゲインに応じて各画
素毎に補正する。なお、明暗補正部134Bによる明補
正も上記と同様に行うことができる。また、照明ユニッ
ト90Aからの透過光を読み取って明補正する場合に
は、照明ユニット90Aからの光が素抜けの状態で明補
正を行う。
【0087】しかしながら、白黒現像を行った写真フィ
ルム28に記録された画像の画像データに対して明補正
を行う場合において、白色板を用いたり、素抜け状態で
明補正を行った場合、写真フィルム28に記録された画
像濃度に比べて明るすぎてしまい、適正に明補正を行う
ことができない。このため、写真フィルム28の未露光
部の濃度を明補正用の基準濃度とし、これに近い反射板
又はフィルタが光軸L上に位置するようにして明補正を
行うことが好ましい。これにより、白黒現像を行った写
真フィルム28の明補正を適正に行うことができる。な
お、明補正用の基準濃度の選択は後述する制御部140
によるセットアップ演算により行われる。
【0088】また、写真フィルム28の未露光部が光軸
上に位置するようにして明補正を行うようにしてもよ
い。これにより、明補正用NDフィルタ106や明補正
用反射板118A,118Bが不要となり、コストを抑
えることができる。この場合、未露光部の読み取りにお
いてエリアCCD96A、96Bの飽和点(リニアニテ
ィが取れる状態での最明点)に近くなるように、電荷蓄
積時間や光量を設定し、その状態で複数回未露光部の読
み取りを行ったときの平均値を明補正データとして図示
しないメモリに記憶する。
【0089】なお、高S/Nでの読み取りを行う場合に
は、コマ毎にプレスキャンを行い、そのコマの最明点を
用いて電荷蓄積時間や光量を設定してもよいし、未露光
部の読み取りデータに基づいて電荷蓄積時間や光量を設
定し、1回目のスキャンによりオーバー露光ネガである
と判断される場合にはさらに明るい条件(蓄積時間を長
くする、光量を増加させる)で再度スキャンしてもよ
い。
【0090】明暗補正部134A,134Bで明暗補正
処理が施された画像データは、画像処理装置22へ各々
出力される。
【0091】画像処理装置22は、図1に示すように、
フレームメモリ136、画像処理部138、及び制御部
140を備えている。フレームメモリは各フレームのコ
マ画像の画像データを記憶可能な容量を有しており、フ
ィルムスキャナ20から入力された画像データはフレー
ムメモリ136に記憶される。フレームメモリ136に
入力された画像データは、画像処理部138により画像
処理が施される。
【0092】画像処理部138は、制御部140によっ
て各画像毎に決定されて通知された処理条件に従って種
々の画像処理を行う。
【0093】制御部140は、CPU142、ROM1
44(例えば記憶内容を書換え可能なROM)、RAM
146、入出力ポート(I/O)148、ハードディス
ク150、キーボード152、マウス154、及びモニ
タ156を備え、これらがバスを介して互いに接続され
て構成されている。制御部140のCPU142は、フ
レームメモリ136から入力された基準露光部の読み取
りデータに基づいて、画像処理部138において行われ
る各種の画像処理のパラメータを演算(セットアップ演
算)し、画像処理部138へ出力する。この演算は、以
下のようにして行う。
【0094】例えば、基準露光領域32のR単色露光領
域の反射光の読み取りデータと、R単色露光領域の透過
光の読み取りデータとから、Rの反射濃度からRの透過
濃度へ変換する変換特性f1を求める。各露光領域は前
述したように写真フィルム28の搬送方向上流側から徐
々に露光量が小さくなっているため、各露光領域の高濃
度から低濃度のデータが得られる。従って、変換特性f
1は、例えば透過光の読み取りデータから反射光の読み
取りデータを除算した値を各濃度域毎に演算することに
より、Rの反射濃度からRの透過濃度へ変換するための
変換曲線を求めることができる。ここで、Rの反射濃度
をDHR、Rの透過濃度をDTRとした場合、DTR=f1
(DHR)である。
【0095】同様にして、CPU142は、基準露光領
域32のB単色露光領域の反射光の読み取りデータと、
B単色露光領域の透過光の読み取りデータとから、Bの
反射濃度からBの透過濃度へ変換する変換特性f2を求
める。ここで、Bの反射濃度をDHB、Bの透過濃度をD
TBとした場合、DTB=f2(DHB)である。
【0096】制御部140は、この求めた変換特性f
1、f2のデータを画像処理部138のLUT(ルック
アップテーブル)158に出力する。LUT158で
は、入力されたR画像、B画像の読み取りデータを各々
log変換して反射濃度データにし、変換した反射濃度
データを変換特性f1、f2により透過濃度データに変
換する。このように変換特性を求めて透過濃度に変換す
るのは、中間濃度域では層内を光が2度通過することか
ら反射濃度は透過濃度の約2倍になり、高濃度域では濃
度が飽和する等、反射濃度と透過濃度とが非線形な関係
にあるため反射読み取りと透過読み取りを混在させた場
合にグレイバランス等を適正に補正することができなく
なるためである。
【0097】一方、G層の透過読み取りデータDTGは、
R,G,B各層合計の透過濃度データに含まれているた
め、R,G,B各層合計の透過読み取りデータをDTRGB
とした場合、DTG=DTRGB−DTR−DTBで表すことがで
きる。この演算は、MTX(マトリクス)回路160に
より演算される。
【0098】G単色露光領域におけるベース層側から読
み取ったR層の反射濃度、及び乳剤面側から読み取った
B層の反射濃度は、混色がないと仮定した場合には、そ
の値は零となる。これは、G単色露光領域のR層、B層
には現像銀が存在しないためR層、B層は全く反射しな
いと考えられるからである。しかしながら、R層、B層
の反射読み取りデータは、下層(本実施の形態の場合
G)の影響を受けるため混色が生じており、このままで
は濁った色再現となってしまう。同様に、R単色露光領
域におけるB層の反射濃度、G層の透過濃度、B単色露
光領域におけるR層、G層の透過濃度は、混色がないと
仮定した場合には、その値は零となる。しかしながら、
実際には前述したように各層は他の層の影響を受けるた
め混色が生ずる。
【0099】そこで、各単色露光領域における各層の透
過濃度を求めることにより、以下に説明するようにして
混色の影響をなくす。まず、i色におけるj色の混色度
合いを表す混色係数aijを演算する。ただし、i、j
=1,2,3であり、1はR,2はG、3はBを各々表
す。
【0100】混色がない場合のR,G,Bの透過濃度の
データをR,G,Bとした場合、混色があるときのR,
G,Bの透過濃度のデータR’,G’,B’は次式で示
される。
【0101】 R’= R+a12・G+a13・B G’=a21・R+ G+a23・B B’=a31・R+a32・G+ B …(1)
【0102】
【数1】
【0103】ここで、混色係数a12,a32は、G単
色露光領域におけるR層の透過濃度DTR及びB層の透過
濃度DTBから求めることができ、同様に、混色係数a1
3,a23は、B単色露光領域におけるR層の透過濃度
TR及びG層の透過濃度DTGから求めることができ、混
色係数a21,a31は、R単色露光領域におけるB層
の透過濃度DTB及びG層の透過濃度DTGから求めること
ができる。
【0104】CPU142は、上記の混色係数で構成さ
れる(2)式の逆行列を計算して色補正係数を求め、M
TX回路160へ出力する。なお、R,G,B単色露光
を行わずに、任意のカラーチャートを予め露光してお
き、その読み取りデータと色再現目標値とから色補正係
数を最小二乗法等で最適化して求めるようにしてもよ
い。
【0105】MTX回路160では、この補正係数を用
いて混色のないR,G,Bの各データを演算し、LUT
162へ出力する。LUT162では、グレイバランス
の補正及びコントラストの補正を行う。CPU142で
は、このグレイバランスの補正、コントラストの補正を
行うためのパラメータを決定する。
【0106】すなわち、基準露光領域32のグレイ露光
領域の読み取りデータと、予め定めた目標のグレイ濃度
とから変換特性f3を求める。但し、一般の写真撮影で
は様々な色温度の光源により撮影されているため、基準
露光領域32のグレイ露光領域の読み取りデータからグ
レイバランスを十分に補正することはできない。このた
め、コマ毎に撮影光源の光源補正係数を推定し、LUT
162へ出力する。すなわち、LUT162では、この
変換特性f3を階調変換特性の基準としてグレイバラン
スの補正を行い、さらに光源補正係数による補正を行う
ことにより階調バランスの補正を行う。また、白黒現像
のコントラストは、基準カラー現像のコントラストと異
なっているので、それを補正するためのコントラスト補
正を行う。
【0107】グレイバランスの補正やコントラストの補
正が行われた画像データは、拡縮部164により所定の
倍率に拡縮され、自動覆い焼き部166により覆い焼き
処理が施され、シャープネス強調部168によりシャー
プネス強調処理が施される。
【0108】このようにして画像処理が施された画像デ
ータは、3D(3次元)LUT色変換部170によりモ
ニタ154に表示するための画像データに変換されると
共に、3DLUT変換部172によりプリンタ部24に
おいて印画紙にプリントするための画像データに変換さ
れる。
【0109】プリンタ部24は、例えば画像メモリ、
R,G,Bのレーザ光源、該レーザ光源の作動を制御す
るレーザドライバ等を含んで構成されている(何れも図
示省略)。画像処理装置22から入力された記録用画像
データは画像メモリに一旦記憶された後に読み出され、
レーザ光源から射出されるR,G,Bのレーザ光の変調
に用いられる。レーザ光源から射出されたレーザ光は、
ポリゴンミラー、fθレンズを介して印画紙上を走査さ
れ、印画紙に画像が露光記録される。画像が露光記録さ
れた印画紙は、プロセッサ部26へ送られて発色現像、
漂白定着、水洗、乾燥の各処理が施される。これによ
り、印画紙に露光記録された画像が可視化される。
【0110】次に本実施の形態の作用について、APS
フィルムを処理する場合を例にとって説明する。
【0111】まず、写真フィルム28の処理に先だっ
て、前述した明暗補正を行い、明補正データ及び暗補正
データを明暗補正部134A,134B内の図示しない
メモリにセットしておく。
【0112】そして、撮影済みの写真フィルム(APS
フィルム)28が図1において矢印A方向に搬送される
と、磁気情報読み取り部12において、磁気層30に記
録された磁気情報、すなわち、フィルム感度等のフィル
ム種に関する情報が読み取られる。
【0113】次に、写真フィルム28は、基準露光部1
4において、写真フィルム28の先端側に設けられた未
露光エリアである基準露光領域32が図6に示すように
R,G,B,グレイの各色に低濃度域から高濃度域まで
基準露光される。
【0114】基準露光部14において基準露光された写
真フィルム28は、白黒現像部16により白黒現像され
る。これにより、写真フィルム28のR,G,Bの各層
内の撮影により感光されたハロゲン化銀が現像され、各
色の銀画像が形成される。
【0115】白黒現像された写真フィルム28は、バッ
ファ部18を介してフィルムスキャナ20へ搬送され、
コマ検出センサ116により基準露光領域32が検出さ
れると、該基準露光領域32の中心部が光軸L上に位置
するように位置決めされる。
【0116】そして、スキャナ制御部104により明補
正用NDフィルタ106の開口部110、明補正用反射
板118A、1118Bの開口部124が各々光軸L上
に位置するようにターレット108、122を回転させ
る。
【0117】次に、スキャナ制御部104は、CCDド
ライバ102A,102Bに対して電荷蓄積時間t1、
t2、t3を各々設定し、照明ユニット90A、90B
を点灯時間t4、t5で点灯させIR光を写真フィルム
28に照射する。これにより、エリアCCD96A,9
6Bにより基準露光領域32の読み取りが行われる。す
なわち、エリアCCD96AによりB層の反射光が、エ
リアCCD96BによりR層の反射光、各層の透過光が
各々検出される。
【0118】各検出信号は、アンプ回路128A,12
8Bにより各々増幅され、A/D変換器130A、13
0Bによってデジタルデータに各々変換され、CDS1
32A、132Bを介して明暗補正部134A,134
Bへ出力され、該明暗補正部134A,134Bにより
明暗補正処理が施される。
【0119】明暗補正処理が施された画像データは画像
処理装置22のフレームメモリへ出力され、制御部14
0へ出力される。制御部140のCPU142では、基
準露光部32のR単色露光領域の反射光の読み取りデー
タ及び透過光の読み取りデータとから、Rの反射濃度か
らRの透過濃度へ変換する変換特性f1を、基準露光部
32のB単色露光領域の反射光の読み取りデータ及び透
過光の読み取りデータから、Bの反射濃度からBの透過
濃度へ変換する変換特性f2を各々求め、LUT158
へセットする。
【0120】次に、CPU142は、変換特性f1、f
2により求めた各単色露光領域の透過濃度データから混
色係数を演算し、この混色係数で構成される行列の逆行
列を計算して色補正係数を求め、MTX回路160へ出
力する。次に、CPU142は、基準露光領域32のグ
レイ露光領域の読み取りデータと、予め定めた目標のグ
レイ濃度とから変換特性f3を求め、LUT162へセ
ットする。
【0121】このようにして色補正、グレイバランス等
の補正を行うためのパラメータを基準露光データに基づ
いて算出し、画像処理部138へセットする。
【0122】基準露光領域32の読み取りが終了する
と、画像コマ1が光軸L上に位置するように位置決めさ
れ、基準露光領域32の読み取りと同様に画像コマ1の
読み取りが行われ、画像データが画像処理装置22へ出
力される。
【0123】そして、画像処理部138により、制御部
140で設定された条件で画像処理が施される。すなわ
ち、LUT158により、入力されたR画像、B画像の
データが各々log変換され、変換されたデータに対し
て変換特性f1、f2により透過濃度のデータに変換さ
れる。
【0124】次に、MTX回路160により、入力され
た各画像データが色補正係数により各々色補正され、混
色のないR,G,Bの各データが演算される。そして、
LUT162により変換特性f3を階調変換特性の基準
としてグレイバランスの補正、コントラストの補正が行
われる。グレイバランス補正は、さらに必要に応じて光
源補正係数による階調バランスの補正を含んだ形で行わ
れる。
【0125】グレイバランスの補正、コントラストの補
正が行われた画像データは、拡縮部164により所定の
倍率に拡縮され、自動覆い焼き部166により覆い焼き
処理が施され、シャープネス強調部168によりシャー
プネス強調処理が施される。
【0126】このようにして画像処理が施された画像デ
ータは、3DLUT色変換部170によりモニタ154
に表示するための画像データに変換されると共に、3D
LUT変換部172によりプリンタ部24において印画
紙にプリントするための画像データに変換される。
【0127】この画像処理が施された画像データは、プ
リンタ部24により印画紙に露光される。画像データに
応じて露光された印画紙は、プロセッサ部26へ送られ
て発色現像、漂白定着、水洗、乾燥の各処理が施され
る。これにより、印画紙に露光記録された画像が可視化
される。このようにして順次画像コマに記録された画像
が読み取られて画像処理が施され、印画紙にプリントさ
れる。
【0128】このように、本実施の形態では、APSフ
ィルムの先端部分に設けられた未露光領域を各色の光で
基準露光し、該基準露光した領域の読み取りデータに基
づいて色補正や階調変換特性を補正するため、カラー写
真フィルムを白黒現像した場合でもフィルム種や経時変
化、現像条件の変動に関わらず適正な色再現及び階調再
現を実現することができる。
【0129】また、透過読み取りとR層の反射読み取り
を共通のエリアCCDを用いてい入るため、構成を簡単
化することができると共に読み取り手段の位置合わせを
簡略化することができる。
【0130】なお、135フィルムの場合は、APSフ
ィルムのようにユーザ側で自由に使用できる未露光領域
が定義されていないため、先頭のコマ位置は現像しない
と検出できない。従って、上記のように基準露光を与え
ようとすると誤って先頭コマを露光する恐れがあり好ま
しくない。
【0131】このため、135フィルムの場合には、予
めフィルム種毎、あるいは複数のフィルム種でグルーピ
ングしたチャネル毎に色補正条件、階調補正条件等の画
像処理条件、光源の光量、光源の点灯時間、エリアCC
Dの電荷蓄積時間等の読み取り制御条件などを設定して
ハードディスク150に記憶しておき、DXコード読み
取りセンサ114によりDXコードを読み取り、このD
Xコードに対応したチャネルの画像処理条件、読み取り
制御条件により画像の読み取り及び画像処理を行うよう
にする。
【0132】これらの条件の設定は、例えば以下のよう
にして行う。すなわち、図20に示すようにモニタ15
6にメニューを表示し、このメニューから操作者が6番
のチャネル登録を選択された場合にはチャネル登録画面
を表示させ、チャネル番号とチャネル名の入力、及び未
露光のフィルムのセットを促す。ここで操作者が未露光
フィルムを装置にセットし、任意のチャネル番号、チャ
ネル名を入力すると、基準露光部14により前述した基
準露光が与えられ、各画像処理条件、読み取り制御条件
が演算され、ハードディスク150に記憶される。
【0133】また、135フィルムでも、DXコードが
ないものや、使用比率が低いものに対しては未露光部の
読み取りを行い、該読み取りデータから画像処理条件、
読み取り制御条件を演算する。未露光部は、そのフィル
ムのグレイバランス条件がほぼ適正に反映されているこ
とが多いため、この未露光部の読み取りデータが目標と
するグレイの値と一致するようにLUT162を設定す
ることでグレイバランスをほぼ補正することができる。
白黒現像後のカラー写真フィルムの未露光部はそのフィ
ルム種によって大きく異なるため、特に有効となる。た
だし、階調バランスの崩れやコントラストはこれでは補
正できないため、階調変換特性f3や色補正係数は、デ
フォルト値を用いるか、コマ画像の画像データから自動
的に設定する必要がある。
【0134】すなわち、135フィルムの場合の処理
は、以下のようになる。例えば、図21に示すように、
ステップ200でDXコードを取得し、次のステップ2
02で該DXコードに対応するチャネルが登録されてい
るか否か、すなわち該DXコードに対応する画像処理条
件、読み取り条件がハードディスク150に記憶されて
いるか否かを判断する。
【0135】そして、チャネル登録されていると判断し
た場合には、ステップ202で肯定され、ステップ20
4でハードディスク150から取得したDXコードに対
応する画像処理条件、読み取り条件を読み出して画像処
理部138へセットする。
【0136】一方、チャネル登録されていないと判断し
た場合には、ステップ202で否定され、ステップ20
6で未露光部の読み取りを行い、該読み取りデータから
読み取り制御条件を演算し、該読み取り条件により画像
の読み取りを行う。
【0137】このように、チャネル登録されている場合
には、経時変化や現像条件の変動には対応できないが、
フィルム種の特性差に応じた補正を行うことができる。
【0138】なお、画像処理中の色補正条件を表す色補
正係数は、例えば以下のようにして予め定める。すなわ
ち、市販のカラーネガフィルムを用い、同じカメラで同
じ被写体を連写することにより、複数(例えば、2コ
マ)の同じ絵柄の潜像を形成した未現像フィルムを用意
する。撮影はフィルム濃度の画質への影響を見るため、
標準露光とオーバー露光の2条件で行うのが好ましい。
【0139】1つのコマは白黒現像液で現像し、現像
後、漂白、定着、及び水洗を行うことなく乾燥して白黒
現像フィルムを得る。白黒現像フィルムは、白黒に発色
しており一見したところ色情報を殆ど持っていないが、
白黒現像フィルムを裏側から読み取った画像と表側から
読み取った画像とは異なっており、色情報を含んでい
る。もう1つのコマはカラー現像液で現像し、現像後、
漂白、定着、水洗、及び乾燥を行いカラー現像フィルム
を得る。このカラー現像フィルムの画像が目標画像とな
る。
【0140】次に、フィルムスキャナで白黒現像フィル
ムに記録された画像を3方向から読み取る。すなわち、
白黒現像したフィルムの乳剤層側及び支持体側に光(本
実施の形態ではIR光)を照射し、各々から反射された
光により上層(B層)の写真感光性層及び下層(R層)
の写真感光性層の反射画像を各々読み取り、白黒現像し
たフィルムを透過した光によりB層の写真感光性層、R
層の写真感光性層、及び中間層(G層)の写真感光性層
の画像の各々を合成した透過画像を読み取る。
【0141】そして、B層及びR層の反射画像とRGB
層の透過画像それぞれのデータBr,Rr,RGBtを
取り出し、3枚の画像が重ね合わされるように画素座標
の修正を行う。特に、R層の反射画像は読み込み時に反
転しているため、左右反転させて重ね合わされるように
する。画像の重ね合わせは、画像中に基準点を定め、該
基準点の座標が一致するように各画像を回転変換、平行
移動させることにより行う。フィルムスキャナから取り
出され重ね合わされるように座標変換されたデータB
r,Rr,RGBtは、グレースケールをリニアに変換
するための変換器でそれぞれ線形変換されて、回帰演算
装置にデータBr’,Rr’,RGBt’として入力さ
れる。
【0142】また、フィルムスキャナでカラー現像フィ
ルムの各感光層に記録された画像を透過画像として3色
に色分解して読み取る。読み取られたデータR,G,B
は、変換器でそれぞれ線形変換されて、回帰演算装置に
目標値であるデータR’,G’,B’が入力される。
【0143】回帰演算装置では、線形変換された3層の
データRr’,RGBt’,Br’を目標値R’,
G’,B’に一致させるために回帰分析を行いパラメー
タを演算する。白黒現像フィルムから読み取ったデータ
Rr’,RGBt’,Br’は色成分(RGB成分)に
分離されていないので、これによりカラー現像フィルム
に記録された画像の色を基準にして色成分に分離する処
理が行われる。
【0144】即ち、回帰演算装置では、R、G、Bの3
色の各々について、以下の式に示すように10個のパラ
メータak〜jk(ただしk=1、2、3で1はR、2
はG、3はBを表す)を用意し、Rr’,RGBt’,
Br’を目標値R’,G’,B’に変換するための3×
10のマトリックスのパラメータを統計演算で求める。
【0145】
【数2】
【0146】この(3)式は以下のように表される。 R’=a1Rr’+b1RGBt’+c1Br’+d1
Rr’2+e1RGBt’2+f1・Br’2+g1R
r’・RGBt’+h1RGBt’・Br’+i1B
r’・Rr’+j1 G’=a2Rr’+b2RGBt’+c2Br’+d2
Rr’2+e2RGBt’2+f2・Br’2+g2R
r’・RGBt’+h2RGBt’・Br’+i2B
r’・Rr’+j2 B’=a3Rr’+b3RGBt’+c3Br’+d3
Rr’2+e3RGBt’2+f3・Br’2+g3R
r’・RGBt’+h3RGBt’・Br’+i3B
r’・Rr’+j2 なお、上記の例ではパラメータマトリックスのサイズを
3×10行列としたが、3×3行列や3×9行列であっ
てもよい。、このようにしてフィルム種毎に上記のパラ
メータを演算する。得られたパラメータはハードディス
ク150に記憶されると共に、処理するフィルム種に応
じた3×10行列式が色補正係数としてMTX160へ
出力される。これにより、MTX160で色補正が行わ
れる。
【0147】なお、本実施の形態では、エリアCCDを
用いた構成について説明したが、ラインCCDを用いた
構成においても本発明を適用可能である。この場合、読
み取り制御条件として副走査速度、すなわち写真フィル
ム28の搬送速度を含め、該副走査速度を電荷蓄積時間
に応じて制御する必要がある。
【0148】なお、上記では白黒現像により銀画像を形
成する例について説明したが、銀画像は、実質的に銀画
像であれば色素画像情報が含まれていてもよく、画像濃
度の60%以上が現像銀に由来するものであればよい。
したがって、カラーフィルムをカラー現像した色素情報
を含む銀画像であってもよい。
【0149】カラーフィルムをカラー現像した場合に
は、色素情報を含む銀画像は、赤外光を用いて色素画像
を読み取らないで銀画像のみ読み取るようにすることが
できるが、上層の写真感光性層内の銀画像に含まれる色
素と補色の光を上層の写真感光性層に照射する上層用光
源と、下層の写真感光性層内の銀画像に含まれる色素と
補色の光を下層の写真感光性層側に照射する下層用光源
と、中間層の写真感光性層内の銀画像に含まれる色素と
補色の光を上層の写真感光性層側または下層の写真感光
性層側に照射する中間層用光源と、カラー写真フィルム
の上層及び下層から反射された光、前記カラー写真フィ
ルムを透過した光により画像情報を読み取る読取センサ
と、を設けて色素画像を読み取るようにしてもよい。具
体的には、R光を用い反射光を検出することにより赤感
光性層内のシアン色素画像と銀画像とに関する画像情報
が得られ、G光を用いて透過光を検出することにより緑
感光性層内のマゼンタ色素画像と銀画像とに関する画像
情報を含む画像情報が得られ、B光を用い反射光を検出
することにより青感光性層内のイエロー色素画像と銀画
像とに関する画像情報が得られる。
【0150】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
銀画像が生じるように処理されたカラー写真感光材料に
記録された画像でも適正に色再現することができる、と
いう効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る画像処理システムの全体構
成図である。
【図2】 APSフィルムの平面図である。
【図3】 135フィルムの平面図である。
【図4】 基準露光部の概略構成図である。
【図5】 LED基板の平面図である。
【図6】 APSフィルムの基準露光領域を示す図であ
る。
【図7】 基準露光部の他の例を示す概略構成図であ
る。
【図8】 白黒現像部の概略構成図である。
【図9】 噴射タンクの斜視図である。
【図10】 噴射タンクの底面図である
【図11】 フィルムスキャナの概略構成図である。
【図12】 (A)は照明ユニットの底面図、(B)は
照明ユニットの側面図である。
【図13】 照射光の波長を示す線図である。
【図14】 (A)は明補正用NDフィルタの平面図、
(B)は明補正用反射板の平面図である
【図15】 IR光を用いた画像の読み取りについて説
明するための図である。
【図16】 DXコードを示す図である
【図17】 画像の読み取りタイミングを示すタイミン
グチャートである。
【図18】 画素ずらしユニットの概略構成図である
【図19】 画像処理部の概略構成図である。
【図20】 チャネル登録を行うための画面構成の概略
を示す図である。
【図21】 135フィルムを処理する場合の処理条件
を決定する制御の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 画像処理システム 12 磁気情報読み取り部(入力手段) 14 基準露光部(露光手段) 16 白黒現像部 18 バッファ部 20 フィルムスキャナ 22 画像処理装置 24 プリンタ部 26 プロセッサ部 90 照明ユニット 94 結像レンズ 96 エリアCCD(読み取りセンサ) 134 明暗補正部 136 フレームメモリ 138 画像処理部 140 制御部(演算手段) 150 ハードディスク(記憶手段) 158、162 LUT(補正手段) 160 MTX回路(補正手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/46 H04N 1/46 Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性の支持体上に青感光性、緑感光
    性、及び赤感光性の感光性ハロゲン化銀乳剤を含有する
    少なくとも3種の写真感光性層を有し、画像が露光され
    た後各写真感光性層内に銀画像が生じるように処理され
    たカラー写真感光材料に記録された画像を画像処理する
    画像処理装置であって、 前記カラー写真感光材料の表側及び裏側に光を照射する
    光源と、 前記カラー写真感光材料の表側及び裏面から反射された
    光、前記カラー写真感光材料を透過した光により画像情
    報を読み取る読み取りセンサと、 前記カラー写真感光材料の予め定めた未露光領域を青、
    緑、赤の各色で露光する露光手段と、 前記各色で露光した領域における前記カラー写真感光材
    料の表側及び裏面から反射された光、前記カラー写真感
    光材料を透過した光に基づいて各色の画像情報を補正す
    るための補正条件を求める演算手段と、 前記補正条件により読み取った画像を補正する補正手段
    と、 を含む画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記演算手段は、前記カラー写真感光材
    料の表側及び裏面から反射された光により得られた反射
    濃度を、透過濃度に各々変換した後に前記補正条件を求
    めることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記補正条件は、前記各色の混色を補正
    するための条件であることを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記露光手段は、前記カラー写真感光材
    料の予め定めた未露光領域をグレイ露光し、前記演算手
    段は、前記カラー写真感光材料の表側及び裏面から反射
    された光、前記カラー写真感光材料を透過した光に基づ
    いてグレイバランス及びコントラストを補正するための
    補正条件をさらに求め、前記補正手段は、前記補正条件
    により読み取った画像の非線形性補正、グレイバランス
    補正、及びコントラスト補正の少なくとも1つを行うこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記
    載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記演算手段は、前記カラー写真感光材
    料の未露光部分の表側及び裏面から反射された光、前記
    カラー写真感光材料の未露光部分を透過した光に基づい
    てグレイバランスを補正するための補正条件をさらに求
    め、前記補正手段は、前記補正条件により読み取った画
    像のグレイバランスを補正することを特徴とする請求項
    1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 透光性の支持体上に青感光性、緑感光
    性、及び赤感光性の感光性ハロゲン化銀乳剤を含有する
    少なくとも3種の写真感光性層を有し、画像が露光され
    た後各写真感光性層内に銀画像が生じるように処理され
    たカラー写真感光材料に記録された画像を画像処理する
    画像処理装置であって、 前記カラー写真感光材料の表側及び裏側に光を照射する
    光源と、 前記カラー写真感光材料の表側及び裏面から反射された
    光、前記カラー写真感光材料を透過した光により画像情
    報を読み取る読み取りセンサと、 読み取った画像情報を補正するための補正条件を設定す
    る設定手段と、 前記補正条件により読み取った画像を補正する補正手段
    と、 を含む画像処理装置。
  7. 【請求項7】 画像が露光された後各写真感光性層内に
    銀画像が生じるように処理されたカラー写真感光材料に
    記録された第1の画像が、各写真感光性層内に銀画像が
    生じるように処理された後、銀画像を除去して色素画像
    が生じるように処理されたカラー写真感光材料に記録さ
    れた第2の画像に一致するように、前記補正条件が予め
    決定されることを特徴とする請求項6記載の画像処理装
    置。
  8. 【請求項8】 前記設定手段は、前記読み取りセンサに
    より読み取った複数の画像情報に基づいて、前記カラー
    写真感光材料の種類毎に前記補正条件を設定することを
    特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 前記カラー写真感光材料の種類毎に補正
    条件を記憶する記憶手段と、前記カラー写真感光材料の
    種類を検出する検出手段と、をさらに備え、前記補正手
    段は、検出されたカラー写真感光材料の種類に対応する
    前記記憶手段に記憶された補正条件により読み取った画
    像を補正することを特徴とする請求項1乃至請求項8の
    何れか1項に記載の画像処理装置。
  10. 【請求項10】 透光性の支持体上に青感光性、緑感光
    性、及び赤感光性の感光性ハロゲン化銀乳剤を含有する
    少なくとも3種の写真感光性層を有し、画像が露光され
    た後各写真感光性層内に銀画像が生じるように処理され
    たカラー写真感光材料に記録された画像を画像処理する
    画像処理装置であって、 前記カラー写真感光材料の表側及び裏側に光を照射する
    光源と、 前記カラー写真感光材料の表側及び裏面から反射された
    光、前記カラー写真感光材料を透過した光により所定の
    読み取り条件で画像情報を読み取る読み取りセンサと、 前記カラー写真感光材料の未露光部分の表側及び裏面か
    ら反射された光、前記カラー写真感光材料の未露光部分
    を透過した光に基づいて前記所定の読み取り条件を設定
    する設定手段と、 を含む画像処理装置。
JP2000365187A 1999-11-30 2000-11-30 画像処理装置 Pending JP2001222079A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000365187A JP2001222079A (ja) 1999-11-30 2000-11-30 画像処理装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-340581 1999-11-30
JP34058199 1999-11-30
JP2000365187A JP2001222079A (ja) 1999-11-30 2000-11-30 画像処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001222079A true JP2001222079A (ja) 2001-08-17

Family

ID=26576737

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000365187A Pending JP2001222079A (ja) 1999-11-30 2000-11-30 画像処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001222079A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7043076B2 (en) Image processing system
US20050141046A1 (en) Image reading apparatus, image recording medium and image forming apparatus
JP3377278B2 (ja) インデックスプリント作成装置
US6330051B1 (en) Image processing apparatus
JP2001268324A (ja) 光源装置、原稿読取装置及び方法
US6618512B1 (en) Image reading apparatus
JP2000209396A (ja) 画像読取方法および装置
JP3171974B2 (ja) 画像読取方法
JP3086352B2 (ja) グレーバランス補正方法
JP2001222079A (ja) 画像処理装置
JPH11258712A (ja) プリンタ及び写真焼付装置のセットアップ方法、並びに、プリントシステム及び写真焼付システム、並びに、プリンタ及び写真焼付装置のセットアップシステム
JP3759854B2 (ja) 画像読み取り装置
JP2001154282A (ja) 画像処理装置
JP2001154281A (ja) 画像処理装置
JP3319623B2 (ja) グレーバランス補正方法
JP2001154293A (ja) 画像読み取り装置、画像記録媒体、及び画像形成装置
JP3919029B2 (ja) 画像記録装置
JPH11195047A (ja) 画像処理装置
JP3903103B2 (ja) 写真プリントの作成方法
JP2003110801A (ja) 画像読取装置
JPH08321963A (ja) 画像変換情報の作成方法及び画像形成方法
JP3785234B2 (ja) 画像処理装置
JP2001223861A (ja) 画像読取装置および画像読取方法
JP2002209059A (ja) 画像読取装置
JPH10268433A (ja) 画像記録方法