JP4188925B2 - 原稿読取装置およびそれを備えてなる画像形成装置、原稿読取装置の調整方法 - Google Patents

原稿読取装置およびそれを備えてなる画像形成装置、原稿読取装置の調整方法 Download PDF

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この発明は、原稿読取装置およびそれを備えてなる画像形成装置、原稿読取装置の調整方法に関する。より詳細には、原稿の表裏両面をそれぞれ異なる読取部で読み取るように構成された原稿読取装置およびそれを備えてなる画像形成装置、原稿読取装置の調整方法に関する。
イメージスキャナ、デジタル複写機やファクシミリ装置におけるスキャナ等において、表裏各面に専用の読取部を設けて原稿の表裏両面を同時に読取ることが可能なようにした画像読取装置が知られている。また、搬送路を通過する原稿の両面を同時読み取りするモード(搬送原稿読取モード)だけでなく、原稿載置台上に載置された原稿を走査して読み取るモード(固定原稿読取モード)を備えて選択的に使用できる画像読取装置が知られている。表裏各面に専用の読取部を設けることにより、一つの読取部で原稿の表裏を反転させて読み取る装置に比べて両面原稿の読み取り時間を短縮することができ、さらに、原稿搬送経路を単純化して原稿の傷みを軽減することができる。また、搬送原稿読取モードと固定原稿読取モードを選択自在にすることにより、ブック原稿や片面原稿は固定原稿読取モードで読取可能にし、シート状の原稿に対しては原稿走査部のリターン時間の制約を受けずに原稿送り間隔を設定でき、さらに両面の同時読み取りによって読み取り時間を短縮することができる。勿論、シート状の片面原稿も搬送原稿読取モードで読取可能である。
この種の画像読取装置では、基準原稿に対して所定の読取結果が得られるように画像読取部の調整を行う必要がある。調整は、読取部の素の特性に対し、基準の特性が得られるような補正特性を決定する作業に帰着する。補正としては、画像読取部の各画素の感度ばらつきや原稿照明の照度むらを補正するためのシェーディング補正、原稿の明部から暗部にいたる階調性を補正するガンマ補正、カラーの画像読取装置においては照明光源のスペクトル特性やカラーフィルタ特性を補正する色補正などが代表的なものとして挙げられる。このうち、シェーディング補正については、原稿読取装置に装着された基準白板を照明して読み取り、補正を行う方式が一般的である。これに対して、ガンマ補正や色補正は基準濃度のグレースケールやカラーパッチの原稿を読み取って調整を行う方式が一般的であり、この場合、調整のための基準原稿が必要である。基準原稿は、濃度や色あいを厳重に管理して製造された印刷物を用いなければならないため、通常の印刷物に比べて高価である。
調整のために基準原稿を搬送原稿読取モードで搬送すると、チャートが傷み、使用していくうちにつれてチャートとして利用できなくなる。基準原稿は、原稿読取装置のスペックよりも厚い用紙に印刷されたものが多い。一方、原稿読取装置の小型化のため、一般的に原稿搬送路は湾曲部を有している。湾曲部を通過する際の屈曲によってチャートが傷みやすい。さらに、用紙のコシによって搬送路の湾曲部に強く接触し、チャートの表面が側壁に擦られて傷つきやすい。
また、前述の画像読取装置においては、一方の面と他方の面用の二つの読取部を調整する必要がある。また、表裏両面の画像に差が生じないように、二つの読取部の特性の違いを許容範囲内に収める必要がある。そこで、二つの読取部の基準白レベル調整の作業を簡易化し、表裏で差のない画像を提供するための読取レベル調整方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−1224389号公報
読取部の調整は、原稿読取装置の製造工程で必須のものである。また、市場においても読取に関連するパーツの修理、交換の際、あるいは厳密な読取特性が要求される用途における経時変化の影響を取り除くために読取部の調整が必要とされる。しかし、前述のように、調整に用いる基準原稿は高価であり、再利用回数が少ないと調整コストがかさむという課題があった。しかし、搬送原稿モードのみで原稿を読み取るように設計された読取部を調整するためには、基準原稿を原稿搬送路に通さなければならなかった。これを回避するために、一方の面と他方の面の各読取部の基準白レベルの調整を簡易化する方法が開示されている(例えば、特許文献1)。しかし、基準白レベルの調整だけでは二つの読取部の特性の違いを精度よく調整することはできない。ガンマ補正や、色補正を行うためには基準原稿の使用が不可欠である。
高価な基準原稿の傷みを抑制して再利用回数を増やし、調整コストを抑制すると共に一方の面と他方の面の二つの読取部の特性を精度よく調整して、互いの特性の違いを許容範囲内に収めることのできる調整方法が望まれている。
この発明は、原稿の表裏いずれか一方の面を読み取る第1画像読取部と第1画像読取部と異なる側の面を読み取る第2画像読取部とを有する原稿読取装置において、読取特性を調整するための基準原稿を第1画像読取部に読み取らせて読み取り結果を所定の値にするように第1補正特性を決定する第1特性調整部と、決定した第1補正特性を適用した第1画像読取部で第2画像読取部調整用の原稿を読み取らせた結果と第2画像読取部調整用原稿を第2画像読取部で読み取らせた結果とを一致させるように第2画像読取部の第2補正特性を決定する第2特性調整部とを備えることを特徴とする原稿読取装置を提供する。
また、この発明は、湾曲部と湾曲部に続く直進部とを含む原稿搬送路と、原稿を搬送して原稿搬送路を通過させる原稿搬送手段と、原稿の一方の面を読み取るように配置される第3画像読取部と、原稿搬送路の直進部を通過する原稿の一方の面と反対側の面を読み取るように配置される第4画像読取部と、第4画像読取部よりも上流側の搬送路直進部に基準原稿を挿入するための挿入部と、読取特性を調整するための基準原稿を第3画像読取部に読み取らせて読み取り結果を所定の値にするように第3補正特性を決定する第3特性調整部と、挿入部から裏向きに挿入された基準原稿を第4画像読取部で読み取らせて読み取り結果を所定の値にするように第4補正特性を決定する第4特性調整部とを備える原稿読取装置を提供する。
この発明の原稿読取装置は、読取特性を調整するための基準原稿を第1画像読取部に読み取らせて読み取り結果を所定の値にするように第1補正特性を決定する第1特性調整部と、決定した第1補正特性を適用した第1画像読取部で第2画像読取部調整用の原稿を読み取らせた結果と第2画像読取部調整用原稿を第2画像読取部で読み取らせた結果とを一致させるように第2画像読取部の第2補正特性を決定する第2特性調整部とを備えるので、高価な基準原稿を第1画像読取部を調整するための基準原稿のみに使用し、第2画像読取部を調整するための第2画像読取部調整用原稿には別の安価な原稿を用いることができる。従って、高価な原稿の再利用回数が、少なくとも従来の2倍になり、調整コストを抑制することができる。
さらにまた、この発明の原稿読取装置は、第4画像読取部よりも上流側の搬送路直進部に基準原稿を挿入するための挿入部と、挿入部から裏向きに挿入された基準原稿を第4画像読取部で読み取らせて読み取り結果を所定の値にするように第4補正特性を決定する第4特性調整部とを備えるので、第4画像読取部の調整の際、基準原稿は搬送路の直進部を通るだけで湾曲部を通過しないため、基準原稿の傷みを抑制することができる。従って、高価な基準原稿の再利用回数を従来よりも増やして調整コストを抑制することができる。
この発明の原稿読取装置は、原稿の表裏いずれか一方の面を読み取るための第1画像読取部と、第1画像読取部と異なる側の面を読み取るための第2画像読取部とを備えている。第1画像読取部の特性を調整するために、基準原稿を用いる。ここで、第1画像読取部の特性の調整とは、基準原稿に対して所定の読取結果が得られるように画像読取部のパラメータを設定することをいう。前記特性調整は、ガンマ補正を含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。色補正を含んでいてもよい。あるいは、シェーディング補正などを含んでいてもかまわない。これらの特性調整のために用いる基準原稿は、基準原稿を含むが、これ以外の原稿をさらに用いてもよい。例えば、ガンマ補正の調整に基準原稿を用いる場合、第1特性調整部は、基準原稿を第1画像読取部で読み取った結果が所定の値になるように第1画像読取部のガンマ特性を設定する。第1画像読取部の調整をした後、第2補正特性を決定する。第2画像読取部の調整には、基準原稿を用いない。その代わりに、第2画像読取部調整用原稿を用いる。まず、第1画像読取部で第2画像読取部調整用原稿を読み取り、その結果を記憶する。次に、第2画像読取部調整用原稿を裏側に向けて搬送し、第2画像読取部で読み取る。第2特性調整部は、前述のようにして同一の第2画像読取部調整用原稿を第1画像読取部で読み取った結果と第2画像読取部で読み取った結果とを一致させるように第2補正特性を決定する。
また、この発明の原稿読取装置は、原稿を搬送する搬送路と原稿を載置する原稿載置台とをさらに備え、前記第1画像読取部が、搬送路を通過する原稿の一方の面を読み取る搬送原稿読取モードと原稿載置台上に置かれた原稿を走査して読み取る固定原稿読取モードとを有し、前記第2画像読取部が、搬送路を通過する原稿の他方の面を読み取るように配置され、前記第1特性調整部は、前記固定原稿読取モードで前記基準原稿を第1画像読取部が読み取った結果が所定の値になるように第1補正特性を決定し、前記第2特性調整部は、搬送された前記第2画像読取部調整用原稿を第1画像読取部が搬送原稿読取モードで読み取った結果と前記読み取りに対して表裏逆向きに搬送された前記第2画像読取部調整用原稿を第2画像読取部で読み取った結果とを一致させるように第2補正特性を決定するようにしてもよい。
このようにすれば、第1画像読取部の特性調整においては、固定原稿読取モードで基準原稿を読み取るので、原稿を傷めることなく第1画像読取部の調整を行うことができる。
また、第2特性調整部が、基準原稿の表面を透明な保護シートで覆った第2画像読取部調整用原稿を読み取って第2補正特性を決定するようにしてもよい。このようにすれば、搬送原稿読取モードで調整を行う第2画像読取部の調整において、第2画像読取部調整用原稿の表面が保護シートで覆われているので、原稿の傷みを抑制することができる。従って、基準原稿の再利用回数を増やして調整コストを低減することができる。
また、この発明は、前述の原稿読取装置と、画像データを印字する画像印字装置とを備え、画像印字装置が、予め記憶された画像データを印字することにより第2画像読取部調整用原稿を作成することを特徴とする画像形成装置を提供する。この発明の画像形成装置は、画像印字装置によって安価に第2画像読取部調整用原稿を作成することができ、市場での調整においても、第2画像読取部調整用原稿の入手が容易である。
あるいは、この発明は、前述の原稿読取装置と、原稿読取装置で読み取った画像を印字する画像印字装置とを備え、画像印字装置が、特性調整後の第1画像読取部で基準原稿を読み取って画像印字装置で印字することにより第2画像読取部調整用原稿を作成することを特徴とする画像形成装置を提供する。この発明の画像形成装置は、調整後の第1画像読取部で基準原稿を読み取ってコピーを作成することにより安価に第2画像読取部調整用原稿を作成することができ、市場での調整においても、第2画像読取部調整用原稿の入手が容易である。
さらにまた、この発明は、湾曲部と湾曲部に続く直進部とを含む原稿搬送路と、原稿を搬送して原稿搬送路を通過させる原稿搬送手段と、原稿の一方の面を読み取るように配置される第3画像読取部と、原稿搬送路の直進部を通過する原稿の一方の面と反対側の面を読み取るように配置される第4画像読取部と、第4画像読取部よりも上流側の搬送路直進部に基準原稿を挿入するための挿入部と、読取特性を調整するための基準原稿を第3画像読取部に読み取らせて読み取り結果を所定の値にするように第3補正特性を決定する第3特性調整部と、挿入部から裏向きに挿入された基準原稿を第4画像読取部で読み取らせて読み取り結果を所定の値にするように第4補正特性を決定する第4特性調整部とを備える原稿読取装置を提供する。
ここで、原稿搬送手段は原稿を搬送して搬送路中を通過させる手段であって、例えば、給紙、搬送、排出のための各ローラで構成することができる。また、前記ローラはモータ等の駆動手段によって駆動すればよい。
前記原稿読取装置が、原稿を載置する原稿載置台をさらに備え、前記第3画像読取部が、搬送路を通過する原稿の一方の面を読み取る搬送原稿読取モードと原稿載置台上に置かれた原稿を走査して読み取る固定原稿読取モードとを有し、前記第3特性調整部は、前記固定原稿読取モードで前記基準原稿を第3画像読取部が読み取った結果が所定の値になるように第3補正特性を決定するようにしてもよい。このようにすれば、第3画像読取部の特性調整においては、固定原稿読取モードで基準原稿を読み取るので、原稿を傷めることなく第3画像読取部の調整を行うことができ、さらに第4画像読取部の調整の際、基準原稿は搬送路の直進部を通るだけで湾曲部を通過しないため、基準原稿の傷みを抑制することができる。
また、前記第4特性調整部が、挿入部から挿入された基準原稿を原稿搬送手段で搬送させて第4画像読取部で読み取らせるようにしてもよい。
あるいは、前記第4特性調整部が、挿入部から挿入された基準原稿を手動で搬送させて第4画像読取部で読み取らせるようにしてもよい。
また、異なる観点から、この発明は、原稿の一方の面を読み取るための第1画像読取部で基準原稿を第1画像読取部に読み取らせて読み取り結果を所定の値にするように第1画像読取部の補正特性を決定する工程と、第1補正特性を適用した第1画像読取部で第2画像読取部調整用原稿を読み取らせた結果と一方の面と反対側の原稿面を読み取るための第2画像読取部を用いて第2画像読取部調整用原稿を読み取った結果とを一致させるように第2画像読取部の補正特性を決定する工程とを備える原稿読取装置の調整方法を提供する。
さらにまた、この発明は、原稿の一方の面を読み取るための第3画像読取部で基準原稿を読み取らせて読み取り結果を所定の値にするように第3画像読取部の補正特性を決定する工程と、原稿の他方の面を読み取るための第4画像読取部から上流側へ略直線状に延びる原稿搬送路の途中に設けた挿入部から前記基準原稿を裏側に向けて挿入させる工程と、挿入された基準原稿を第4画像読取部で読み取らせて読み取り結果を所定の値にするように第4画像読取部の補正特性を調整する工程とを備える原稿読取装置の調整方法を提供する。
以下、図面に示す実施形態に基づいてこの発明を詳述する。
(実施形態の構成)
図1は、この発明に係る原稿読取装置の機械的な構成の概略を模式的に示す説明図である。図1(a)は正面側からの図、図1(b)は、図1(a)の矢印Aに示す方向から見た図である。図1(a)に示すように、原稿読取装置は、下部の原稿載置台3と上部の原稿搬送装置2から構成される。原稿載置台3は、その内部に第1画像読取部としての第1読取6を収容し、天面にプラテン20を有する。プラテン20に原稿を置くために、原稿搬送装置2は、図1(b)に示すヒンジ部25を旋回軸とし、ヒンジ部の反対側即ち操作者の操作位置から見て手前側の部分を上方に持ち上げて旋回させることができる。これによって、プラテン面を開放し、原稿を載置あるいは交換可能にすると共に、厚みのある原稿をプラテン20上に置いて読み取ることができるようになっている。第1読取手段6は、図示しない駆動手段によって矢印Aの方向に移動し、読取面を下側にしてプラテン20上に置かれた原稿を走査して読み取る。これが、固定原稿読取モードである。この実施形態の前記第1読取手段6は、密着型イメージセンサで構成されるが、CCDリニアセンサと縮小光学系を用いて構成することも可能である。
さらに、シート状の原稿を読み取るための搬送原稿読取モードについて説明する。搬送原稿読取モードでは、予め第1読取手段6を、図1(a)に示す原稿搬送ローラ23に対向する位置に移動し、その後に停止させておく。操作者は、第1読取手段6に読み取らせる原稿面を上向きにして原稿搬送装置2の原稿給紙トレイ21にセットする。操作者が図示しない読取スタートキーを押すと、原稿給紙トレイ21にセットされた原稿の最も上のシート表面にピックアップローラ22aが圧接し、最も上の原稿を給紙して原稿給紙ローラ22へと導く。先端が給紙ローラ22に達した原稿は、下側のローラでシートの重ね送りが防止され、上側のシートから一枚ずつ原稿搬送路の湾曲部29へ給送される。給送された原稿は、原稿搬送路の湾曲部29を通過し、搬送ローラ23を通過する。このとき、第1読取手段6は、通過する原稿の一方の面を読み取る。さらに、原稿は原稿搬送路の直進部30を通過し、原稿24搬送ローラ、第2読取手段7、原稿排紙ローラ26を経て原稿排紙トレイ27に排出される。前述したピックアップローラ22a、原稿給紙ローラ22、原稿搬送ローラ23、24及び原稿排紙ローラ26からなる原稿搬送手段は、図示しない駆動手段によって駆動される。また、両面原稿が第2読取手段7を通過するときに、第2読取手段7は、通過する第1読取手段の読取面と異なる側の原稿面を読み取る第2画像読取部である。ここで、第2読取手段7は、密着型イメージセンサを用いて構成される。
図2は、この実施の形態の原稿読取装置1の機能的なブロック構成を示すブロック図である。図2に示すように、原稿読取装置1は、搬送原稿読取モードで原稿を搬送する原稿搬送装置2と、固定原稿読取モード時にプラテン上の原稿が置かれる原稿載置台3、前記原稿搬送装置2あるいは原稿載置台3の駆動手段や読取部を制御する制御部4から構成される。原稿搬送装置2は、搬送原稿読取モードにおいて第1読取手段と異なる原稿面を読み取る第2読取手段7、原稿を搬送するための第2駆動手段9を有する。また、原稿載置台は、第1読取手段としての第1読取手段6、第1読取手段6を移動させるための第1駆動手段8を有する。制御部4は、第1読取手段6あるいは前記第2読取手段7で読み取った原稿の画像信号を処理する画像処理手段10、処理した画像を画像データとして記憶する画像メモリ11、前記前記原稿搬送装置2の第2駆動手段9あるいは原稿載置台3の第1駆動手段8を制御するための制御手段12を有する。
さらに、この実施形態の原稿読取装置1は、読み取った画像を印字するための印字装置5を備えた画像形成装置の一部として構成されている。
次に、第1読取手段6および第2読取手段7の調整方法について、説明する。読み取った原稿に忠実な画像データを得ようとすると、第1読取手段6あるいは第2読取手段7のセンサの固体ばらつきや、読取特性の補正が必要である。読取特性の補正処理は、主として画像処理手段10が行う。画像処理手段10、制御手段12を含む制御部は、例えば、ASICを含む電子回路と、前記ASICおよび電子回路中の各素子の機能を設定やデータ処理を行うためのCPUと、CPUに実行させる処理プログラムを格納するROM等で構成することができる。また、画像メモリ11としてのDRAMを有する。前記処理プログラムには、画像処理手段10を前記第1特性調整部として機能させるためのプログラムや、第2特性調整部として機能させるためのプログラムを含む。また、画像処理手段10を前記第3特性調整部として機能させるためのプログラムや、第4特性調整部として機能させるためのプログラムを含んでいてもよい。
第1および2特性調整部が行う調整処理は、例えば、以下のようなものである。
(基準原稿を用いた第1読取手段の調整)
まず、第1読取手段の調整について説明する。図5は、第1読取手段の調整に用いる基準原稿のパターンの一例を示す説明図である。図5に示すように、基準原稿は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の各有彩色の12段階の階調パターンと、無彩色の24段階のグレースケールで構成される。YMCRGBの階調パターンは、各色ことに縦の一列に並んでおり、上側のものほど低濃度、下側のものほど高濃度のパッチが並んでいる。グレーは階調数が多いために2列にわたってパッチが並んでおり、縦(列)方向については、上側ほど低濃度、下側ほど高濃度であり、横(行)方向については、右側が左側より低濃度である。なお、図5はパターンの一実施形態であって、本願発明は、このパターンを用いた調整に限定されるものではない。なお、図5は、図面の制約上パッチの階調表現のためにドットの粗いパターンを用いているが、実際の基準原稿は、実質的に均一な濃度のパッチが印刷された印刷物である。
また、基準原稿は生産工程や市場での調整用に複数の印刷物が作成されるが、印刷物の濃度、色調は個体間のばらつきを許容範囲内に収めるよう厳重に管理される。また、再現色範囲を広くし、色調を安定させるために、台紙の色調、材質も厳重に管理される。このため、基準チャートの製造コストは通常の印刷物に比べて高価である。また、他方の面からの光の透過を防ぎ、原稿の折れあるいは曲げ強度を確保するために台紙は厚手の用紙が用いられる。以上が、第1読取手段6の調整に用いる基準原稿である。
前述の基準原稿を用いた第1読取手段6の調整手順の一例を以下に説明する。調整の処理は、図2の制御部4、特に画像処理手段10によって実現される。また、調整のために基準原稿を読み込む動作は、制御手段12が第1駆動手段8を駆動することによって実現される。図7は、第1読取手段6の調整手順を示すフローチャートである。図7に示すように、調整処理では、まず調整者に対し、前述の基準原稿をプラテン20上に置くように図示しない表示部にメッセージを表示するなどして調整者に報知する(ステップS20)。
調整者が原稿を所定位置に置き、図示しないキー入力手段を操作して知らせたことを検出することにより第1読取手段6の調整用の読み取りを開始する(ステップS21)。制御手段12が、第1駆動手段8を駆動して第1読取手段6を走査させ、プラテン20上の基準原稿を読み取る(ステップS22)。読み取られた画像信号は、第1読取手段6から画像処理手段10に入力される。画像処理手段10は、読取箇所によるばらつきを抑えるために基準原稿の各パッチ領域内での読取値の平均を計算する。第1読取手段6は、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のセンサを備えたフルカラーセンサであり、各パッチについてRGB各センサの読取の平均値Rin(j)、Gin(j)、Bin(j)を計算する(ステップS23)。
ガンマ補正はガンマ補正テーブルで行う。ガンマ補正テーブルとは、入力値Rin、Gin,Bin(これらの値の範囲は、例えば0〜255である)の値それぞれに対し出力値Rout,Gout,Boutを割り当て、入力値に対応する出力値を出力するよう構成されたテーブルである。ガンマ補正テーブルを決定するには、以下の手順で行う。まず24個のグレースケールの読取値のうち、濃度差が少ない2個を除いた22個の読取値を使用し、この22点についてR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各センサの読取値に対するガンマ補正式YR = aRXR + bR、YG = aGXG + bG、、YB = aBXB + bBの各数式の係数aR、bR、aG、bG、aB、bBを計算する。図6は、R(レッド)センサの読取値に対する目標値の関係を示すグラフである。各読取値Rin(j)(j=0〜22)(Rin(0)=0とする)に対して、パッチ間の階調から一次補間によって以下のようにガンマ補正式を導き出す。
Rのガンマ補正式は、入力をXR、出力をYRとすると、
YR = aRXR + bR
aR(n) = (Rtarget(n+1) - Rtarget(n))/( Rin(n+1) - Rin(n))
bR(n) = YR (n) - aRXR (n)
ここで、n=0〜21、Rtarget(j)は目標値
目標値Rtarget(j)は、基準原稿の各グレーパッチを読んだときのRGB各センサからの出力の目標値であり、制御部4に予め定められて記憶された値である。
このようにして各nの値に対してYR = aR(n) XR + bR(n)を決定する。次に、求めたガンマ補正式に基づいてガンマ補正テーブルへ入力される0〜255までの各入力値Rinに対応する出力値Routのそれぞれの値を設定する。
出力値Routは、Rin(n)からRin(n+1)の範囲内の値となる入力値Rinに対してaR(n)in+ bR(n)が設定される。例えばRin(1)=10、Rin(2)=20とすると、テーブルへの入力値Rinが10〜20の範囲内にあるRinの値に対応するテーブルからの出力値Routは aR(1)in+ bR(1)に設定する。
G、Bについても同様にしてガンマ補正テーブルを設定する。即ち、
Gのガンマ補正式は、入力をXG、出力をYGとすると、
YG = aGXG + bG
aG(n) = (Gtarget(n+1) - Gtarget(n))/( Gin(n+1) - Gin(n))
bG(n) = YG (n) - aGXG (n)
ここで、n=0〜21、Gtarget(j)は目標値
Bのガンマ補正式は、入力をXB、出力をYBとすると、
YB = aBXB + bB
aB(n) = (Btarget(n+1) - Btarget(n))/( Bin(n+1) - Bin(n))
bB(n) = YB (n) - aBXB (n)
ここで、n=0〜21、Btarget(j)は目標値
このようにして各色22個、合計66個のガンマ補正式及びガンマ補正テーブルを設定する。(ステップS24)。
次に、画像処理手段10は、CMYRGBの計6色についての各12個の階調パッチと、Kについての24個の階調パッチの各読取値から色補正係数を計算する。まず、前記各パッチの読取値(Rin(k)、Gin(k)、Bin(k))をガンマ補正テーブルの入力値として出力値を得る。そして得た出力値はガンマ補正後の読取値(f(Rin(k))、f(Gin(k))、f(Bin(k)))として下記式、
Figure 0004188925
で計算した値R’k、G’k、B’kと予め定められて記憶された目標値(Rtarget(k)、Gtarget(k)、Btarget(k))との誤差が最も近くなるような3×3行列の係数を求める。96個のパッチの読取値から、9個の係数の各値を求める処理である。係数を求めるには、多変数の最小自乗法を適用する(ステップS25)。あるいは種々の係数の組み合わせを全て確認して、最も誤差が小さくなる係数の組み合わせを選択してもよい。
第1読取手段の調整は、前述のガンマ補正、色補正以外にも、例えばシェーディング補正や読取領域調整などが考えられるが、この発明の課題は、第2画像読取部調整用原稿に関するものであるので他の調整方法についてはこれ以上の詳細は説明しない。ガンマ補正及び色補正用の第2画像読取部調整用原稿に対する手法は、他の調整用原稿に対しても当業者にとって容易に適用が可能である。
以上のように、第1読取手段6の調整は、濃度、色合いが管理された高価な基準原稿を用いて行う必要がある。基準原稿を傷めないためには、固定原稿読取モードで調整を行うことが好ましいが、かならずしもこれに限定されるものではない。
(第2画像読取部調整用原稿を用いた第2読取手段の調整)
次に、第2読取手段7の調整について説明する。第2読取手段7についても、第1読取手段6と同様の調整が必要である。原稿の表裏で読取特性が大きく異なることは許されないので、調整用の原稿には第1読取手段6と同様の原稿を使用することが好ましい。しかし、第2読取手段7による原稿の読み取りは、搬送原稿読取モードのみである。高価な基準原稿を搬送原稿読取モードで読み取らせると、原稿搬送路の湾曲部29を通過する際に台紙が曲げられて傷んだり、搬送路の側壁に原稿表面が擦れて傷んだりしやすい。基準原稿を用いなくても精度のよい調整ができれば好適である。
第1読取手段6は、絶対基準としての基準原稿に対する絶対出力の調整を行った。第2読取手段7についても同様の手法がとり得るが、これとは異なる観点から調整済の第1読取手段6に第2読取手段7の特性を揃えるように調整することも可能である。この場合は、絶対的な基準原稿は必要とせず、第1読取手段6と第2読取手段7とで同一原稿を読み取って実質的に同一出力が得られるように調整すればよい。
図8は、第2読取手段の調整に第1読取手段の調整とは異なる原稿を用いる調整手法の一例を示すフローチャートである。図8に示すステップS1〜6は、図7に示す第1読取手段の調整手順ステップS20〜25のステップにそれぞれ対応する。ステップS1〜6は、固定原稿読取モードで実行することが好ましい。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、固定原稿読取モードを備えない原稿読取装置であっても第1読取手段6の調整だけは基準原稿を用いて行い、第2読取手段7の調整は第2画像読取部調整用原稿を用いるようにしてもよい。これによって、基準原稿の使用頻度は、第1読取手段6と第2読取手段7の両方の調整に用いる場合に比べて半分にすることができる。
次に、第2読取手段7の調整を行うが、その第1段階として第2画像読取部調整用原稿を第1読取手段6で読み取った値を記憶する。画像形成装置においては、第2画像読取部調整用原稿の入手が容易なように、予め第2画像読取部調整用原稿の印字パターンを記憶させておき印字部で自己印字するようにしてもよい。この場合の印字パターンとしては、例えば図5に示すパターンと同様のものを用いてもよい。あるいは、印字部の性能が不十分であれば、基準原稿よりも階調の段階を減らしてもよい。また、調整終了後の第1読取手段6で基準原稿を読み取ったコピーを第2画像読取部調整用原稿として用いてもよい。
あるいはまた、基準原稿の痛みを抑制するために、原稿の表面を透明な保護シートで覆い、これを第2画像読取部調整用原稿としてもよい。
第1読取手段6による第2画像読取部調整用原稿の読み取りは、搬送原稿読取モードで行うことが好ましい。搬送原稿読取モードで読み取った原稿の表裏の画像の特性を一致させる目的にかなうからである。しかし、これに限定されるものではなく、固定原稿読取モードで行ってもよい。この実施の形態では、搬送原稿読取モードでの読み取りを行う。まず調整者に対し、第2画像読取部調整用原稿を第1読取手段6に読み取らせる向きに原稿給紙トレイ21にセットするように図示しない表示部にメッセージを表示するなどして調整者に報知する(ステップS7)。
調整者が原稿を所定の向きにセットし、図示しないキー入力手段を操作して知らせたことを検出することにより第2読取手段7調整用の第1段階である第1読取手段6による原稿搬送読取が開始される(ステップS8)。画像処理手段10は、以降の読み取りに、決定されたガンマ補正テーブルと色補正係数(前記ステップS5,6)を用いるように設定する(ステップS9)。そして、制御手段12が、第2駆動手段9を駆動して第2画像読取部調整用原稿を搬送し、第1読取手段6が原稿搬送路を通過する第2画像読取部調整用原稿を読み取る(ステップS10)。そして、第2画像読取部調整用原稿のパッチ読取箇所によるばらつきを抑えるために第2画像読取部調整用原稿の各パッチ領域内での読取値の平均を計算する。求められた各パッチの読取値Rin2(m),Gin2(m),Bin2(m)(m=1〜96)を一時的に記憶しておく。
次に調整者に対し、第2画像読取部調整用原稿を第2読取手段7に読み取らせる向きに原稿給紙トレイ21にセットするように図示しない表示部にメッセージを表示するなどして調整者に報知する(ステップS12)。
調整者が原稿を所定の向きにセットし、図示しないキー入力手段を操作して知らせたことを検出することにより第2読取手段7調整用の第2段階である第2読取手段7による原稿搬送読取が開始される(ステップS13)。そして、制御手段12が、第2駆動手段9を駆動して第2画像読取部調整用原稿を搬送し、第2読取手段7が原稿搬送路を通過する第2画像読取部調整用原稿を読み取る(ステップS14)。画像処理手段10は、第2画像読取部調整用原稿のパッチ読取箇所によるばらつきを抑えるために第2画像読取部調整用原稿の各パッチ領域内での読取値の平均を計算する。求められた各パッチの読取値をRin3(m),Gin3(m),Bin3(m)(m=1〜96)とする(ステップS15)。
第2読取手段7で読み取った各パッチの読取値Rin3(m),Gin3(m),Bin3(m)が、第1読取手段6で読み取った同じパッチの読取値Rin2(m),Gin2(m),Bin2(m)と等しくなるようにガンマ補正テーブルと色補正係数とを決定する。まず、ガンマ補正テーブルについては、96個のパッチのうち、24個のグレーパッチを用いて補正テーブルを求める。24個のうち、濃度差が少ない2個を除いた22個の読取値を使用し、この22点についてR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各センサの読取値に対するガンマ補正テーブルを設定する。ガンマ補正テーブルを設定するには、以下の手順で行う。まず24個のグレースケールの読取値のうち、濃度差が少ない2個を除いた22個の読取値を使用し、この22点についてR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各センサの読取値に対するガンマ補正式YR = aRXR + bR、YG = aGXG + bG、、YB = aBXB + bBの各数式の係数aR、bR、aG、bG、aB、 bBを計算する。図6は、R(レッド)センサの読取値に対する目標値の関係を示すグラフである。各読取値Rin(j)(j=0〜22)(Rin(0)=0とする)に対して、パッチ間の階調から一次補間によって以下のようにガンマ補正式を導き出す。
Rのガンマ補正式は、入力をXR、出力をYRとすると、
YR = aRXR + bR
aR(n) = (Rtarget(n+1) - Rtarget(n))/( Rin(n+1) - Rin(n))
bR(n) = YR (n) - aRXR (n)
ここで、n=0〜21、Rin2(j)は第1読取手段6による読取値であって、第2読取手段7の目標値である。
目標値Rtarget(j)は、基準原稿の各グレーパッチを読んだときのRGB各センサからの出力の目標値であり、制御部4に予め定められて記憶された値である。
このようにして各nの値に対してYR = aR(n) XR + bR(n)を決定する。次に、求めたガンマ補正式に基づいて補正テーブルへの0〜255までの各入力値Rinに対してそれぞれ出力値Routを設定する。
出力値Routは、Rin(n)からRin(n+1)の間の入力値に対してaR(n)in+ bR(n)を設定する。例えばRin(1)=10、Rin(2)=20とすると、テーブルへの入力値Rinが10〜20の範囲に対応するテーブルからの出力値Routを aR(1)in+ bR(1)に設定する。
G、Bについても同様にしてガンマ補正テーブルを設定する。即ち、
Gのガンマ補正式は、入力をXG、出力をYGとすると、
YG = aGXG + bG
aG(n) = (Gin2(n+1) - Gin2(n))/( Gin3(n+1) - Gin3(n))
bG(n) = YG (n) - aGXG (n)
Bのガンマ補正式は、入力をXB、出力をYBとすると、
YB = aBXB + bB
aB(n) = (Bin2(n+1) - Bin2(n))/( Bin3(n+1) - Bin3(n))
bB(n) = YB (n) - aBXB (n)
このようにして各色22個、合計66個のガンマ補正式及びガンマ補正テーブルを設定する。(ステップS16)。
次に、画像処理手段10は、CMYRGBKについての96個の階調パッチの各読取値から色補正係数を計算する。まず、前記各パッチの読取値(Rin3(m)、Gin3(m)、Bin3(m))をガンマ補正テーブルの入力値として出力値を得る。そして出力値をガンマ補正後の読取値(f(Rin3(m))、f(Gin3(m))、f(Bin3(m)))として下記式、
Figure 0004188925
で計算した値Rm、Gm、Bmと予め定められて記憶された目標値(Rin2(m)、Gin2(m)、Bin2(m))との誤差が最も近くなるような3×3行列の係数を求める。96個のパッチの読取値から、9個の係数の各値を求める処理である。係数を求めるには、多変数の最小自乗法を適用する(ステップS17)。あるいは種々の係数の組み合わせを全て確認して、最も誤差が小さくなる係数の組み合わせを選択してもよい。
(基準原稿を用いた第2読取手段の調整)
前述の第2画像読取部調整用原稿を用いた第2読取手段7の調整手法とは別に、基準原稿の傷みを抑制し第2読取手段の調整を可能にする手法の実施形態について説明する。図3は、この実施形態に係る原稿搬送装置の構成を示す説明図である。図3(a)に示すように、原稿搬送装置2は、原稿搬送路湾曲部29が終了し、直進部30が始まる箇所に原稿の挿入部を構成するための原稿挿入フラップ28を有する。原稿挿入フラップ28は、通常は図3(b)に示すように閉じた状態にあり、原稿搬送路の直進部30の一部を構成する。第2読取手段7の調整時は、図3(a)に示すように、原稿挿入フラップ28を開く。そして、開口部から基準原稿S1を原稿搬送路の直進部30に挿入する。挿入された基準原稿S1は、原稿搬送路の直進部30を通過し、第2読取手段7を通過して、原稿排紙トレイ27へ排出される。搬送中に屈曲することがないので、原稿の傷みが抑制される。
原稿の搬送は、調整用の専用動作モードで行ってもよい。即ち、調整者が原稿挿入フラップ28を開いて開口部から基準原稿S1を原稿搬送路の直進部30に挿入した後、例えば、図示しないキー入力手段を操作すると制御手段12がキー操作に応答して第2駆動手段9を駆動し、原稿を搬送し、第2読取手段7の読み取りを行うようにしてもよい。
この実施形態において、第1読取手段6は、前述第3画像読取部に対応し、第1読取手段6の調整は図7に示す調整手順で行う。このとき、制御部4は、第3特性調整部として機能する。第2読取手段7は、前述の第4画像読取部に対応し、第2読取手段7の調整は制御部4が第4特性調整部として機能して実現される。
図9は、第2読取手段7の調整に原稿搬送路途から挿入した基準原稿を用いる調整手法の一例を示すフローチャートである。図9に示すように、まず、制御部4は、調整者に対して、基準原稿を原稿搬送装置2の先端部を原稿挿入フラップ28から挿入するように図示しない表示部にメッセージを表示するなどして調整者に報知する(ステップS32)。
調整者が原稿を所定の位置にセットし(図3(a)参照)、原稿セット後に原稿挿入フラップ28をもとの位置に戻して原稿搬送装置2を閉じ(図3(b)参照)、図示しないキー入力手段を操作して知らせたことを検出することにより、第2読取手段7調整用の第2段階である第2読取手段7による原稿搬送読取が開始される(ステップS33)。そして、制御手段12が、第2駆動手段9を駆動して挿入された基準原稿を搬送して原稿搬送路の直進部30を通過させ、第2読取手段7が原稿搬送路を通過する基準原稿を読み取る(ステップS34)。画像処理手段10は、基準原稿のパッチ読取箇所によるばらつきを抑えるために基準原稿の各パッチ領域内での読取値の平均を計算する。求められた各パッチの読取値をRin3(m),Gin3(m),Bin3(m)(m=1〜96)とする(ステップS35)。
第2読取手段7で読み取った各パッチの読取値Rin3(m),Gin3(m),Bin3(m)が、第1読取手段6で読み取った同じパッチの読取値Rin2(m),Gin2(m),Bin2(m)と等しくなるようにガンマ補正テーブルと色補正係数とを決定する。ガンマ補正テーブルを設定するには、以下の手順で行う。まず24個のグレースケールの読取値のうち、濃度差が少ない2個を除いた22個の読取値を使用し、この22点についてR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各センサの読取値に対するガンマ補正式YR = aRXR + bR、YG = aGXG + bG、、YB = aBXB + bBの各数式の係数aR、bR、aG、bG、aB、 bBを計算する。図6は、R(レッド)センサの読取値に対する目標値の関係を示すグラフである。各読取値Rin(j)(j=0〜22)(Rin(0)=0とする)に対して、パッチ間の階調から一次補間によって以下のようにガンマ補正式を導き出す。
Rのガンマ補正式は、入力をXR、出力をYRとすると、
YR = aRXR + bR
aR(n) = (Rtarget(n+1) - Rtarget(n))/( Rin(n+1) - Rin(n))
bR(n) = YR (n) - aRXR (n)
ここで、n=0〜21、Rin2(j)は第1読取手段6による読取値であって、第2読取手段7の目標値である。
目標値Rtarget(j)は、基準原稿の各グレーパッチを読んだときのRGB各センサからの出力の目標値であり、制御部4に予め定められて記憶された値である。
このようにして各nの値に対してYR = aR(n) XR + bR(n)を決定する。次に、求めたガンマ補正式に基づいて補正テーブルへの0〜255までの各入力値Rinに対してそれぞれ出力値Routを設定する。
出力値Routは、Rin(n)からRin(n+1)の間の入力値に対してaR(n)in+ bR(n)を設定する。例えばRin(1)=10、Rin(2)=20とすると、テーブルへの入力値Rinが10〜20の範囲に対応するテーブルからの出力値Routを aR(1)in+ bR(1)に設定する。
G、Bについても同様にしてガンマ補正テーブルを設定する。即ち、
Gのガンマ補正式は、入力をXG、出力をYGとすると、
YG = aGXG + bG
aG(n) = (Gin2(n+1) - Gin2(n))/( Gin3(n+1) - Gin3(n))
bG(n) = YG (n) - aGXG (n)
Bのガンマ補正式は、入力をXB、出力をYBとすると、
YB = aBXB + bB
aB(n) = (Bin2(n+1) - Bin2(n))/( Bin3(n+1) - Bin3(n))
bB(n) = YB (n) - aBXB (n)
このようにして各色22個、合計66個のガンマ補正式及びガンマ補正テーブルを決定する。(ステップS36)。
次に、画像処理手段10は、CMYRGBKについての96個の階調パッチの各読取値から色補正係数を計算する。まず、前記各パッチの読取値(Rin3(m)、Gin3(m)、Bin3(m))をガンマ補正テーブルの入力値として出力値を得る。そして出力値をガンマ補正後の読取値(f(Rin3(m))、f(Gin3(m))、f(Bin3(m)))として下記式、
で計算した値Rm、Gm、Bmと予め定められて記憶された目標値(Rin2(m)、Gin2(m)、Bin2(m))との誤差が最も近くなるような3×3行列の係数を求める。96個のパッチの読取値から、9個の係数の各値を求める処理である。係数を求めるには、多変数の最小自乗法を適用する(ステップS37)。あるいは種々の係数の組み合わせを全て確認して、最も誤差が小さくなる係数の組み合わせを選択してもよい。
あるいは、調整者が手動で基準原稿を移動させ、第2読取手段7で基準原稿のパッチを読み取らせるようにしてもよい。この場合、パッチの読取位置をわかりやすくするために、原稿搬送装置2の他方の面にマークMを付しておき、基準原稿S1にもマークMに対応する目印をつけておけばよい。
図4は、手動で原稿を移動させる場合の原稿送り装置のマークMと基準原稿S1の位置あわせの様子を示す説明図である。図4(a)は原稿送り装置を側面からみた説明図であり、図4(b)は、図4(a)の矢印Aの方向から見たマークMと原稿の目印の位置関係を示す説明図である。原稿送り装置には、挿入部の近傍にマークMを付しておく。基準原稿S1のマークMと対向する側に、搬送方向のパッチのならびに対応した目印を付しておく。これら原稿上の目印を順次マークMに合わせるように基準原稿S1を繰り返し移動させ、図示しないキー入力手段を操作することにより他方の面読取部7にパッチの読み取りを行わせる。搬送方向に並ぶ各パッチについて順次手動での原稿移動とキー操作による読取を繰り返す。この実施形態によれば、手動で原稿を移動させるので、原稿の傷みが抑制できる。
この発明に係る原稿読取装置の機械的な構成の概略を模式的に示す説明図である。 この実施の形態の原稿読取装置の機能的なブロック構成を示すブロック図である。 この実施形態に係る原稿搬送装置の構成を示す説明図である。 手動で原稿を移動させる場合の原稿送り装置のマークMと基準原稿S1の位置あわせの様子を示す説明図である。 第1読取手段の調整に用いる基準原稿のパターンの一例を示す説明図である。 R(レッド)センサの読取値に対する目標値の関係を示すグラフである。 第1読取手段6の調整手順を示すフローチャートである。 第2読取手段の調整に第1読取手段の調整とは異なる原稿を用いる調整手法の一例を示すフローチャートである。 、第2読取手段7の調整に原稿搬送路途から挿入した基準原稿を用いる調整手法の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 原稿読取装置
2 原稿搬送装置
3 原稿載置台
4 制御部
5 印字装置、画像印字装置
6 第1読取手段
7 第2読取手段
8 第1駆動手段
9 第2駆動手段
10 画像処理手段
11 画像メモリ
12 制御手段
20 プラテン
21 原稿給紙トレイ
22 原稿給紙ローラ
22a ピックアップローラ
23,24 原稿搬送ローラ
25 ヒンジ
26 原稿排紙ローラ
27 原稿排紙トレイ
28 原稿挿入フラップ
29 原稿搬送路 湾曲部
30 原稿搬送路 直進部
S1 基準原稿

Claims (5)

  1. 原稿の表裏いずれか一方をそれぞれ読み取る第1画像読取部および第2画像読取部と、
    第1画像読取部の補正特性(第1補正特性)を決定する第1特性調整部と、
    第2画像読取部の補正特性(第2補正特性)を決定する第2特性調整部と、
    原稿を搬送するための搬送路と、
    原稿を載置するための原稿載置台とを備え、
    第1画像読取部は、搬送路を通過する原稿の一方の面を読み取る搬送原稿読取モードと原稿載置台上に置かれた原稿を走査して読み取る固定原稿読取モードとを有し、
    第2画像読取部は、前記原稿の他方の面を読み取る搬送原稿読取モードのみを有し、
    前記第1特性調整部は、第1補正特性を調整するための基準原稿を第1画像読取部が固定原稿読取モードで読み取った結果が所定の値になるように第1補正特性を決定し、
    第2特性調整部は、決定された第1補正特性かつ搬送原稿読取モードで第1画像読取部が第2画像読取部調整用原稿を読み取った結果と前記原稿を第2画像読取部が読み取った結果とを一致させるように第2補正特性を決定することを特徴とする原稿読取装置。
  2. 前記第2特性調整部は基準原稿の表面を透明な保護シートで覆った第2画像読取部調整用原稿を読み取って第2補正特性を決定する請求項記載の原稿読取装置。
  3. 請求項1記載の原稿読取装置と、
    画像データを印字する画像印字装置とを備え、
    前記画像印字装置は予め記憶された画像データを印字することにより第2画像読取部調整用原稿を作成することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1記載の原稿読取装置と、
    原稿読取装置で読み取った画像を印字する画像印字装置とを備え、
    前記画像印字装置は特性調整後の第1画像読取部で基準原稿を読み取って画像印字装置で印字することにより第2画像読取部調整用原稿を作成することを特徴とする画像形成装置。
  5. 搬送路を通過する原稿の一方の面を読み取る搬送原稿読取モードと原稿載置台上に置かれた原稿を走査して読み取る固定原稿読取モードとを有する第1画像読取部に固定原稿読取モードで基準原稿を読み取らせ読み取り結果を所定の値にするように第1画像読取部の補正特性を決定する工程と、
    決定された第1画像読取部の補正特性でかつ搬送原稿読取モード第1画像読取部に第2画像読取部調整用原稿を読み取らせた結果と搬送路を通過する原稿の他方の面を読み取るための第2画像読取部を用いて第2画像読取部調整用原稿を読み取った結果とを一致させるように第2画像読取部の補正特性を決定する工程とを備える原稿読取装置の調整方法。
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