JP6691194B2 - 半導体モールド用離型フィルム - Google Patents

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本発明は、凹凸部分に対する優れた追従性を発揮して樹脂の流れ出しを抑制でき、かつ、高い離型性を発揮することができる半導体モールド用離型フィルムに関する。
半導体製品の製造においては、金型を用いて半導体チップを樹脂で封止し、成型品とする半導体モールド工程が行われる。この半導体モールド工程において、金型内面を離型フィルムで被覆した状態で樹脂成型を行うことにより、生産性を向上させ、樹脂による金型の汚染を防ぐことが行われている。従来、半導体モールド用離型フィルムとしては、フッ素系フィルムが一般的であったが、コスト面での問題、熱収縮によるシワ発生、廃棄時にはフッ素系ガスが発生するため焼却処理できないという環境面での問題等を抱えており、基材としてフッ素系フィルムを使用しない新たな離型フィルムが求められている。
これに対して、基材の表面に離型層を積層した構造の半導体モールド用離型フィルムが提案されている。例えば特許文献1には、延伸ポリエステル樹脂フィルムからなる基材フィルムの少なくとも片面に、フッ素樹脂からなるフィルムが積層されてなる積層フィルムである半導体チップ封止用離型フィルムが記載されている。
半導体モールド工程に用いる金型にはランナー部のような凹凸部分がある。金型の外側への樹脂の溢れ出し(以下、単に「樹脂の流れ出し」ともいう。)を防止するために、半導体モールド用離型フィルムには凹凸部分に対する優れた追従性が求められる。しかしながら、従来の半導体モールド用離型フィルムでは、凹凸部分に対する優れた追従性と離型性とを両立することが困難であるという問題があった。
特開2006−49850号公報
本発明は、上記現状に鑑み、凹凸部分に対する優れた追従性を発揮して樹脂の流れ出しを抑制でき、かつ、高い離型性を発揮することができる半導体モールド用離型フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、基材と、ベースポリマーと低極性ポリマーとを含有する離型層とを有する半導体モールド用離型フィルムであって、前記離型層は、JIS K 7127に従って25℃において測定した引張破断伸びが130〜500%である半導体モールド用離型フィルムである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、柔軟性の高い基材を採用し、金型に対する追従性を改善した半導体モールド用離型フィルムを検討した。しかしながら、柔軟性の高い基材を採用して金型に対する追従性を改善すると、離型性が低下してしまうという問題が生じた。この原因についてより詳しく検討したところ、金型の凹凸部分によく追従した離型フィルムでは、離型フィルムの変形により離型層の一部にひび割れが生じ、該ひび割れにモールド樹脂が浸透し、剥がれにくくなっていることを見出した。
本発明者らは、更に鋭意検討の結果、離型層の引張破断伸びを一定範囲に制御することにより、凹凸部分に対する優れた追従性を発揮して樹脂の流れ出しを抑制でき、かつ、高い離型性を発揮することができる半導体モールド用離型フィルムを提供できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の半導体モールド用離型フィルム(以下、単に「離型フィルム」ともいう。)は、離型層を有する。
上記離型層はJIS K 7127に従って25℃において測定した引張破断伸び(以下、単に「引張破断伸び」ともいう。)が130〜500%である。離型層の引張破断伸びを130%以上とすることにより、金型の凹凸部分に追従した場合にでも離型層のひび割れの発生を防止し、優れた離型性を発揮することができる。一方、離型層の引張破断伸びが大きすぎると、ひび割れの問題は発生しないものの、金型からの剥離時に離型層がモールド樹脂に密着してしまい、離型不良が発生する。離型層の引張破断伸びを500%以下とすることにより、実用的な剥離性を発揮することができる。上記離型層の引張破断伸びの好ましい上限は300%である。
上記離型層は、ベースポリマーと低極性ポリマーとを含有する。上記低極性ポリマーを含有することにより上記離型層に優れた離型性を付与するとともに、ベースポリマーにより離型層の引張破断伸びを上記範囲に調整する。
上記低極性ポリマーは、上記離型層に優れた離型性を付与する成分である。
上記低極性ポリマーとしては、例えば、シリコーン化合物、フッ素化合物、長鎖アルキル側鎖を有するポリマー、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。これらの低極性ポリマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記低極性ポリマーのなかでも、上記ベースポリマーが硬化性樹脂を原料とする場合には、該硬化性樹脂と架橋可能な官能基を有するシリコーン化合物(以下、単に「官能基含有シリコーン化合物」ともいう。)が好適である。官能基含有シリコーン化合物は、硬化性樹脂と組み合わせることにより、該硬化性樹脂を硬化して離型層を形成する際に、硬化性樹脂と反応して取り込まれることから、離型層からブリードアウトして金型や半導体製品を汚染することを防止することができる。
上記官能基含有シリコーン化合物のシリコーン骨格は特に限定はされず、D体、DT体のいずれでもよい。また、上記官能基含有シリコーン化合物は、該官能基をシリコーン骨格の側鎖又は末端に有することが好ましい。
上記官能基含有シリコーン化合物の官能基は、上記ベースポリマーに応じて適当なものを選択して用いる。例えば、ベースポリマーが分子内に(メタ)アクリル基を有する光硬化性樹脂である場合には、該(メタ)アクリル基と架橋可能な官能基、例えばビニル基、(メタ)アクリル基、アリル基、マレイミド基等の不飽和二重結合を含む官能基を選択する。
上記官能基含有シリコーン化合物のなかでも、高い離型性が得られ、特に耐熱性にも優れることから、下記一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)で表される、シロキサン骨格に(メタ)アクリル基を有するシリコーン化合物が好適である。
Figure 0006691194
式中、X、Yは0〜1200の整数を表し、Rは不飽和二重結合を有する官能基を表す。
上記官能基含有シリコーン化合物のうち市販されているものは、例えば、信越化学工業社製のX−22−164、X−22−164AS、X−22−164A、X−22−164B、X−22−164C、X−22−164E等の両末端にメタクリル基を有するシリコーン化合物や、信越化学工業社製のX−22−174DX、X−22−2426、X−22−2475等の片末端にメタクリル基を有するシリコーン化合物や、ダイセルサイテック社製のEBECRYL350、EBECRYL1360等のアクリル基を有するシリコーン化合物や、東亞合成社製のAC−SQ TA−100、AC−SQ SI−20等のアクリル基を有するシリコーン化合物や、東亞合成社製のMAC−SQ TM−100、MAC−SQ SI−20、MAC−SQ HDM等のメタクリル基を有するシリコーン化合物等が挙げられる。
上記離型層における上記低極性ポリマーの配合量は特に限定されないが、上記ベースポリマー100重量部に対して、好ましい下限が0.5重量部、好ましい上限が10重量部である。この範囲内であると、上記離型層に充分な離型性を付与できるとともに、上記ベースポリマーとの組み合わせにより離型層の引張破断伸びを130〜500%に容易に調整することができる。上記低極性ポリマーの配合量のより好ましい下限は2重量部、より好ましい上限は3重量部である。
上記ベースポリマーとしては、上記低極性ポリマーとの組み合わせにより離型層の引張破断伸びを130〜500%に調整できるものであれば特に限定されず、種々のポリマーを用いることができる。なかでも、ウレタン(メタ)アクリレート等を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物は、塗工法により容易に離型層を調製できることから好適である。
上記ベースポリマーの原料となる硬化性樹脂としては、例えば、反応性ポリウレタン(メタ)アクリレートと、多官能ウレタン(メタ)アクリレートとの混合樹脂等が好適である。分子内に(メタ)アクリル基を有するウレタン(メタ)アクリレートは、光開始剤と組み合わせることにより容易に光硬化させて硬化物を得ることができる。また、反応性ポリウレタン(メタ)アクリレートに多官能ウレタン(メタ)アクリレートを組み合わせることにより、架橋率の高い硬化物を生成することができ、その配合比によって種々の引張破断伸びの離型層を調製することができる。
なお、本明細書において反応性ポリウレタン(メタ)アクリレートとは、ウレタン(メタ)アクリレートのポリマーに更に反応性基が存在する反応性ポリマーを意味する。
上記離型層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は10μmである。上記離型層の厚さが0.1μm未満であると、上記離型層の離型性が充分に発揮されないことがある。上記離型層の厚さが10μmを超えると、高コストとなってしまううえ、塗工工程での乾燥不良等の不具合が生じることがある。上記離型層の厚さのより好ましい下限は0.3μm、より好ましい上限は5μmである。
上記基材としては特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体・ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリメチルメタクリレート、メタクリル・スチレン共重合体、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテルエテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾール等からなるフィルムを用いることができる。
なかでも、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含有する層(以下、「ポリブチレンテレフタレート層」ともいう。)を少なくとも1層有する単層構造又は多層構造のポリブチレンテレフタレート系フィルムは、高温の成型条件における柔軟性が高く、金型に対して充分な追従性を発現することができ、樹脂の流れ出しを抑制し、製品外観の不良を抑制することができることから好適である。
本明細書においてポリブチレンテレフタレート樹脂は、1,4−ブタンジオール(ジオール成分)と、テレフタル酸又はテレフタル酸ジメチル(酸成分)との重縮合反応によって得られるポリブチレンテレフタレートのほか、上記ジオール成分及び/又は上記酸成分にそれぞれコモノマーを添加し、重縮合反応によって得られる変性ポリブチレンテレフタレートであってもよい。
上記ジオール成分のコモノマーとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。上記酸成分のコモノマーとしてはイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。ジオール成分のコモノマーおよび酸成分のコモノマーはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、上記ポリブチレンテレフタレート樹脂は、ポリブチレンテレフタレートとポリアルキレングリコールとの共重合体等のPBTエラストマー(ハードセグメントとソフトセグメントの共重合物)も用いることができる。
上記ポリブチレンテレフタレート層は、上記ポリブチレンテレフタレート、変性ポリブチレンテレフタレート、PBTエラストマーのそれぞれを単独で含有してもよく、これらの2種以上を組み合わせて含有してもよい。
上記ポリブチレンテレフタレート層は、示差走査熱量計を用いて測定した融点が200℃以上であることが好ましい。融点が200℃以上のポリブチレンテレフタレート樹脂を用いることにより、200℃未満の通常の熱プレス条件では溶融したり破壊されたりすることがなく、優れた離型性を発揮することができる。上記融点は220℃以上であることがより好ましい。
なお、示差走査熱量計として、例えば、DSC 2920(TAインスツルメント社製)等が挙げられる。
上記ポリブチレンテレフタレート層中におけるポリブチレンテレフタレート樹脂の含有量の好ましい下限は60重量%、より好ましくは70重量%、更に好ましくは80重量%である。ポリブチレンテレフタレート樹脂を60重量%以上含有することにより、高温の成型条件でも樹脂の流れ出しを抑制し、製品外観の不良を抑制するという本願発明の優れた効果を確実に発揮することができる。上記ポリブチレンテレフタレート樹脂の含有量の上限は特に限定されず、100重量%がポリブチレンテレフタレート樹脂であってもよい。
上記ポリブチレンテレフタレート層は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記ポリブチレンテレフタレート樹脂以外の熱可塑性樹脂又はゴム成分を含有してもよい。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエステル等が挙げられる。
上記ゴム成分は特に限定されず、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体(EPM、EPDM)、ポリクロロプレン、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。
上記ポリブチレンテレフタレート層は、本発明の効果を損なわない範囲で、安定剤、繊維、無機充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機物、高級脂肪酸塩等の添加剤を含有してもよい。
上記基材の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は200μmである。上記支持層の厚さが10μm未満であると、強度が損なわれ、熱プレス時又は剥離時に離型フィルムが破壊することがある。上記基材の厚さが200μmを超えると、高温の成型条件における離型フィルムの柔軟性が低下し、金型に対する追従性が低下して、樹脂の流れ出しを抑制できないことがある。上記基材の厚さのより好ましい下限は30μm、より好ましい上限は100μmである。
本発明の離型フィルムは、離型フィルムの170℃における弾性率の好ましい下限が20MPa、好ましい上限が150MPaである。離型フィルムの170℃における弾性率が20MPa未満であると、金型への吸着時又は熱プレス時に離型フィルムにシワが発生し、このシワが成型品に転写したり、熱プレス時に離型フィルムに破れが発生したりしてしまうことがある。離型フィルムの170℃における弾性率が150MPaを超えると、高温の成型条件における離型フィルムの柔軟性が低下し、金型に対する追従性が低下して、樹脂の流れ出しを抑制できないことがある。離型フィルムの170℃における弾性率のより好ましい下限は40MPa、より好ましい上限は70MPaである。
なお、本明細書中、170℃における弾性率は、万能試験機(例えば、島津製作所社製のAUTOGRAPH AGS−X等)を使用することにより測定することができる。
本発明の離型フィルムを製造する方法は特に限定されないが、製膜した基材上に、離型層の原料となる硬化性樹脂組成物を塗布し、熱硬化又は光硬化させる方法等が挙げられる。
上記基材を製膜する方法は、例えば、水冷式又は空冷式共押出インフレーション法、共押出Tダイ法で製膜する方法等が挙げられる。なかでも、共押出Tダイ法で製膜する方法が好ましい。
本発明の離型フィルムは、半導体モールド工程において、金型内面を被覆することで、生産性を向上させ、樹脂による金型の汚染を防ぐために用いられることが好ましい。本発明の離型フィルムは、金型のランナー部の凹凸部分に対する優れた追従性を発揮して樹脂の流れ出しを抑制でき、該追従により離型フィルムが変形しても離型層にひび割れが発生することもなく、優れた離型性を発揮することができる。
本発明の離型フィルムの用途は上記用途に限定されず、例えば、プリプレグ又は耐熱フィルムを介して基板に銅張積層板又は銅箔を熱プレスし、プリント配線基板、フレキシブルプリント基板又は多層プリント配線板を製造する際に、熱プレス板と、得られたプリント配線基板、フレキシブルプリント基板又は多層プリント配線板との接着を防ぐために用いられてもよいし、熱硬化性接着剤を介して、銅回路を形成した基板にカバーレイフィルムを熱プレスにより接着し、フレキシブルプリント基板を製造する際に、熱プレス板と上記カバーレイフィルムとの接着、又は、上記カバーレイフィルム同士の接着を防ぐために用いられてもよい。
本発明によれば、凹凸部分に対する優れた追従性を発揮して樹脂の流れ出しを抑制でき、かつ、高い離型性を発揮することができる半導体モールド用離型フィルムを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
ポリブチレンテレフタレート(PBT)75重量部と、PBTエラストマー(ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合物)25重量部の混合樹脂を押出機(ジーエムエンジニアリング社製、GM30−28(スクリュー径30mm、L/D28))を用いてTダイ幅400mmにて押出し、厚さ50μmの基材を形成した。
次いで、ベースポリマーとして反応性ポリウレタンアクリレート(UN−5500、根上工業社製)100重量部と10官能のウレタンアクリレート(U−10PA、根上工業社製)5重量部、低極性ポリマーとしてシリコンジアクリレート(EBECRYL350、ダイセル・オルネクス社製)2重量部、及び、光開始剤としてα−ヒドロキシアルキルフェノン(イルガキュア127、BASF社製)3重量部を混合した硬化性樹脂組成物を、得られた基材上に塗工し、波長365nmの紫外線を積算光量2000mJの強度で照射して光硬化させて、厚さ3.5μmの離型層を形成した。
得られた離型層について、ピンセットを用いて0.1gサンプルを採取し、酢酸エチルに浸した状態で24時間振とう器にかけた後、未溶融物質を取り出して、オーブンを用いて110℃2時間乾燥させた残物質の質量を測定する方法によりゲル分率を測定したところ、83%であった。
離型層を調製したのと同様の硬化性樹脂組成物を、離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗工した後、波長365nmの紫外線を積算光量2000mJの強度で照射して光硬化させて、厚さ50μmの測定用サンプルを得た。
得られた測定用サンプルについて、JIS K 7127に従って25℃における引張破断伸びを測定したところ420%であった。
(実施例2、3、比較例1、2)
離型層の形成において、離型層用塗工液中の反応性ポリウレタンアクリレートと10官能のウレタンアクリレートの配合量を表1のようにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた離型フィルムについて下記の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)モールド樹脂剥離力の評価
離型フィルムの離型層側にモールド樹脂タブレットをセットし、その上に50μmPETフィルム(東レ社製ルミラー)を乗せて170℃、220kNで2分間熱プレスした後、試験速度500mm/分で180°剥離試験を行い、剥離力を測定した。
(2)モールド実機評価
離型フィルムを用いて、モールド成型装置による成型加工を行った。ここで、モールド樹脂としてエポキシ樹脂を用い、モールド成型時の温度を170℃とした。加工後、半導体パッケージと離型フィルムの剥離の様子を観察し、以下の基準により実機評価とした。
○:張り付きが発生せず、スムーズに剥離した。
△:やや張り付きが発生したが、フィルムの残留は見られなかった。
×:張り付きが発生し、自然に剥離することができなかった。
なお、ランナー部における離型フィルムの離型層を顕微鏡により観察したところ、比較例2の離型フィルムの離型層には細かなひび割れが認められた。
Figure 0006691194
本発明によれば、凹凸部分に対する優れた追従性を発揮して樹脂の流れ出しを抑制でき、かつ、高い離型性を発揮することができる半導体モールド用離型フィルムを提供することができる。

Claims (2)

  1. 基材と、ベースポリマーと長鎖アルキル側鎖を有するポリマーとを含有する離型層とを有する半導体モールド用離型フィルムであって、
    前記離型層は、JIS K 7127に従って25℃において測定した引張破断伸びが130〜500%であることを特徴とする半導体モールド用離型フィルム。
  2. 基材と、ベースポリマーとシクロオレフィンポリマーとを含有する離型層とを有する半導体モールド用離型フィルムであって、
    前記離型層は、JIS K 7127に従って25℃において測定した引張破断伸びが130〜500%であることを特徴とする半導体モールド用離型フィルム。
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