JP2019050420A - 半導体モールド用離型フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、更に鋭意検討の結果、離型層の引張破断伸びを一定範囲に制御することにより、凹凸部分に対する優れた追従性を発揮して樹脂の流れ出しを抑制でき、かつ、高い離型性を発揮することができる半導体モールド用離型フィルムを提供できることを見出し、本発明を完成した。
上記離型層はJIS K 7127に従って25℃において測定した引張破断伸び(以下、単に「引張破断伸び」ともいう。)が130〜500%である。離型層の引張破断伸びを130%以上とすることにより、金型の凹凸部分に追従した場合にでも離型層のひび割れの発生を防止し、優れた離型性を発揮することができる。一方、離型層の引張破断伸びが大きすぎると、ひび割れの問題は発生しないものの、金型からの剥離時に離型層がモールド樹脂に密着してしまい、離型不良が発生する。離型層の引張破断伸びを500%以下とすることにより、実用的な剥離性を発揮することができる。上記離型層の引張破断伸びの好ましい上限は300%である。
上記低極性ポリマーとしては、例えば、シリコーン化合物、フッ素化合物、長鎖アルキル側鎖を有するポリマー、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。これらの低極性ポリマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記官能基含有シリコーン化合物の官能基は、上記ベースポリマーに応じて適当なものを選択して用いる。例えば、ベースポリマーが分子内に(メタ)アクリル基を有する光硬化性樹脂である場合には、該(メタ)アクリル基と架橋可能な官能基、例えばビニル基、(メタ)アクリル基、アリル基、マレイミド基等の不飽和二重結合を含む官能基を選択する。
なお、本明細書において反応性ポリウレタン(メタ)アクリレートとは、ウレタン(メタ)アクリレートのポリマーに更に反応性基が存在する反応性ポリマーを意味する。
なかでも、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含有する層(以下、「ポリブチレンテレフタレート層」ともいう。)を少なくとも1層有する単層構造又は多層構造のポリブチレンテレフタレート系フィルムは、高温の成型条件における柔軟性が高く、金型に対して充分な追従性を発現することができ、樹脂の流れ出しを抑制し、製品外観の不良を抑制することができることから好適である。
上記ジオール成分のコモノマーとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。上記酸成分のコモノマーとしてはイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。ジオール成分のコモノマーおよび酸成分のコモノマーはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、上記ポリブチレンテレフタレート樹脂は、ポリブチレンテレフタレートとポリアルキレングリコールとの共重合体等のPBTエラストマー(ハードセグメントとソフトセグメントの共重合物)も用いることができる。
上記ポリブチレンテレフタレート層は、上記ポリブチレンテレフタレート、変性ポリブチレンテレフタレート、PBTエラストマーのそれぞれを単独で含有してもよく、これらの2種以上を組み合わせて含有してもよい。
なお、示差走査熱量計として、例えば、DSC 2920(TAインスツルメント社製)等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエステル等が挙げられる。
上記ゴム成分は特に限定されず、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体(EPM、EPDM)、ポリクロロプレン、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。
なお、本明細書中、170℃における弾性率は、万能試験機(例えば、島津製作所社製のAUTOGRAPH AGS−X等)を使用することにより測定することができる。
上記基材を製膜する方法は、例えば、水冷式又は空冷式共押出インフレーション法、共押出Tダイ法で製膜する方法等が挙げられる。なかでも、共押出Tダイ法で製膜する方法が好ましい。
ポリブチレンテレフタレート(PBT)75重量部と、PBTエラストマー(ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合物)25重量部の混合樹脂を押出機(ジーエムエンジニアリング社製、GM30−28(スクリュー径30mm、L/D28))を用いてTダイ幅400mmにて押出し、厚さ50μmの基材を形成した。
得られた測定用サンプルについて、JIS K 7127に従って25℃における引張破断伸びを測定したところ420%であった。
離型層の形成において、離型層用塗工液中の反応性ポリウレタンアクリレートと10官能のウレタンアクリレートの配合量を表1のようにした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
実施例及び比較例で得られた離型フィルムについて下記の評価を行った。結果を表1に示した。
離型フィルムの離型層側にモールド樹脂タブレットをセットし、その上に50μmPETフィルム(東レ社製ルミラー)を乗せて170℃、220kNで2分間熱プレスした後、試験速度500mm/分で180°剥離試験を行い、剥離力を測定した。
離型フィルムを用いて、モールド成型装置による成型加工を行った。ここで、モールド樹脂としてエポキシ樹脂を用い、モールド成型時の温度を170℃とした。加工後、半導体パッケージと離型フィルムの剥離の様子を観察し、以下の基準により実機評価とした。
○:張り付きが発生せず、スムーズに剥離した。
△:やや張り付きが発生したが、フィルムの残留は見られなかった。
×:張り付きが発生し、自然に剥離することができなかった。
なお、ランナー部における離型フィルムの離型層を顕微鏡により観察したところ、比較例2の離型フィルムの離型層には細かなひび割れが認められた。
Claims (3)
- 基材と、ベースポリマーと低極性ポリマーとを含有する離型層とを有する半導体モールド用離型フィルムであって、
前記離型層は、JIS K 7127に従って25℃において測定した引張破断伸びが130〜500%であることを特徴とする半導体モールド用離型フィルム。 - 離型層は、ベースポリマーとしてウレタン(メタ)アクリレートを、低極性ポリマーとして不飽和二重結合を含む官能基を有するシリコーン化合物を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする請求項1記載の半導体モールド用離型フィルム。
- ウレタン(メタ)アクリレートは、反応性ポリウレタン(メタ)アクリレートと、多官能ウレタン(メタ)アクリレートとの混合樹脂であることを特徴とする請求項2記載の半導体モールド用離型フィルム。
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