以下、本発明のダブルデッキエレベータの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<実施形態1>
〔全体構成〕
実施形態1に係るダブルデッキエレベータ10は、図1に示すように、上梁12A、下梁12B、および上梁12Aと下梁12Bとを連結する2つの立枠12C,12Dを含み、正面視で、縦方向に(上下方向に)長い略長方形をした外かご枠12を有する。
外かご枠12内側には、上かご14と下かご16とが上下方向に並んで設けられている。
外かご枠12には、従動シーブ18が取り付けられており、上かご14よりも上方で従動シーブ18に掛けられて折り返されたワイヤロープ20の一端部が上かご14に連結され、他端部が下かご16に連結されている。これにより、従動シーブ18に掛けられたワイヤロープ20の一端側で上かご14が吊り下げられ、他端側で下かご16が吊り下げられた構成となっている。従動シーブ18は、後述するように、下かご16の上下移動に伴って走行するワイヤロープ20に従動して回転するシーブである。なお、上かご14と下かご16とは、上梁12Aと下梁12Bとの間に設置された、一対のガイドレール(不図示)によって、上下方向に移動自在に案内されている。
外かご枠12における下かご16の下方には、下かご16を上下方向に移動させるための移動ユニット22が取り付けられている。移動ユニット22は、上下に変位するアクチュエータ24Aを有するねじ式ジャッキ24(以下、単に「ジャッキ24」と言う。)とジャッキ24を駆動するモータ26とを有し、前記アクチュエータ24Aの上端部が下かご16の下端部に連結されている。
モータ26には、その出力軸の回転角を検出するロータリエンコーダ27(図3)が設けられており、ロータリエンコーダ27からの出力結果に基づいて、前記出力軸の回転角(回転回数)を制御することにより、アクチュエータ24Aの上下方向の変位量の制御が可能となっている。
ジャッキ24を駆動して、下かご16を上方へ移動させると、従動シーブ18に掛けられたワイヤロープ20で下かご16と連結された上かご14は、その自重により、下かご16の移動距離と同じ距離分下方へ移動する。これにより、上かご14と下かご16の上下方向における間隔(以下、「かご間隔」と言う。)を短くすることができる。
一方、ジャッキ24を駆動して、下かご16を下方へ移動させると、上かご14は、引き上げられるため、かご間隔を長くすることができる。
このように、移動ユニット22は、下かご16を上下方向に移動させることにより、かご間隔を変更するかご間隔変更手段として機能する。
ここで、かご間隔とは、下かご16の床面16Aと上かご14の床面14Aとの間の上下方向における距離(D)を言う。本例において、調整されるべきかご間隔Dは、例えば、D1、D2、D3、D4の4通りとする。すなわち、ダブルデッキエレベータ10が設置される建築物において、下かご14と上かご16とが同時に着床される二つの階の間の階高は4通り存在することとする。
上かご14と下かご16とは略同じ重量であるため、上かご14とワイヤロープ20でつるべ式に吊り下げられた下かご16を上下移動するジャッキ24には、上かご14と下かご16のいずれにも乗客が乗車していない状態では、あまり荷重が掛からない。しかし、下かご16に乗客が乗車すると、ジャッキ24にはその分の荷重が下向きに掛かり、上かご14に乗客が乗車すると、ジャッキ24にはその分の荷重が上向きに掛かる。よって、ジャッキ24は、上かご14と下かご16とにおける乗客数の差等に起因する重量アンバランスによって生じる荷重を支持する支持手段としても機能する。
かご間隔Dを正確に調整するため、本実施形態では、上かご14と下かご16の、外かご枠12に対する上下方向の絶対位置を検出する絶対位置検出手段を有している。
この絶対位置検出手段として、ダブルデッキエレベータ10は、アブソリュートタイプの磁気式リニアスケール28(以下、「磁気スケール28」と言う。)を備えている。
磁気スケール28は、一端部から他端部に至る間の絶対位置(距離)情報を、例えば、0.5mmの分解能で、磁気パターン(磁気目盛り)として記録した記録テープである磁気テープ30と磁気テープ30から前記磁気目盛りを読み取る2台の読取ユニット32,34とを含む。この磁気スケール28には、例えば、エルゴエレクトロニク株式会社製の「アブソリュート磁気スケール LIMAXシリーズ」など、公知のものを用いることができる。
磁気テープ30は、外かご枠12に、長さ方向が上下方向となるように取り付けられている。本例では、上梁12Aと下梁12Bとの間に、張架されている。なお、磁気テープ30は、上梁12Aと下梁12Bに限らず、例えば、立枠12Dの上部と下部にそれぞれ支持ブラケット(不図示)を固定し、当該支持ブラケット間に張架することとしても構わない。
この張架の態様としては、例えば、磁気テープ30の上端を、立枠12Dの上部に固定された前記支持ブラケット(不図示)または上梁12Aに固定する一方、磁気テープ30の下端と立枠12Dの下部に固定された前記支持ブラケット(不図示)または下梁12Bとを引張コイルばね(不図示)で連結して、磁気テープ30に一定の張力が掛かった状態で掛け渡すようにすることが考えられる。
また、引張コイルばねに代えて、磁気テープ30の下端に錘(不図示)を吊り下げることにより、一定の張力が掛かった状態で磁気テープ30を取り付けるようにしても構わない。
張架に限らず、例えば、上かご14と下かご16を上下方向に案内する上記したガイドレール(不図示)の、上かご14と下かご16の案内に支障をきたさない面に貼着しても構わない。
本例において、磁気テープ30は、目盛りが下から上に目盛られた状態となる向き(すなわち、上側程、目盛りの値が大きくなる向き)に取り付けられている。なお、磁気テープ30を外かご枠12に取り付ける向きは、この逆であっても構わない。
読取ユニット32は上かご14に固定され、もう一方の読取ユニット34は下かご16に固定されている。なお、読取ユニット32,34各々の上かご14、下かご16に対する上下方向における固定位置は任意である。読取ユニット32,34各々の上かご14、下かご16に対する固定位置は、上かご14と下かご16が移動ユニット22によって上下に移動される際、読取ユニット32,34各々が、磁気テープ30に沿って移動でき、磁気テープ30に記録された磁気目盛りを読み取ることができるような位置であれば構わない。
上記のようにして設けられた磁気スケール28において、読取ユニット32で読み取られる磁気目盛りの値が、読取時における上かご14の外かご枠12に対する上下方向の絶対位置を指標し、読取ユニット34で読み取られる磁気目盛りの値が、読取時における下かご16の外かご枠12に対する上下方向の絶対位置を指標する。すなわち、磁気スケール28によって、上かご14と下かご16の外かご枠12に対する上下方向の絶対位置を検出することができる。
また、読取ユニット32と読取ユニット34が読み取った磁気目盛りの値(以下、「目盛値」と言う。)の差分(以下、「目盛差」と言う。)は、かご間隔Dと一対一で対応するため、かご間隔Dを指標する。図1に示すように、上かご14と下かご16各々の床面14A,16Aから同じ高さに読取ユニット32,34がそれぞれ固定されている場合、前記目盛差は、かご間隔Dと等しくなる。読取ユニット32,34が読み取る目盛値が参照されて、後述するようにかご間隔Dが目的階の階高に調整される。
上記のように、上かご14、下かご16等が設けられた外かご枠12が昇降する昇降路36上部には、機械室38が設けられており、機械室38には、巻上機40が設置されている。巻上機40は、巻上機モータ40A(図3)、巻上機モータ40Aの出力軸(不図示)に設けられた綱車40B、および前記出力軸と同軸上に設けられたロータリエンコーダ40C等を含む。ロータリエンコーダ40Cには、例えば、マルチターン型アブソリュートタイプのものを用いることができる。
巻上機40に隣接して、そらせ車42が設置されており、巻上機40の綱車40Bとそらせ車42には、主ロープ44が掛けられている。
主ロープ44の一端部には外かご枠12が連結されており、他端部にはカウンタウエイト46が連結されている。
上記の構成において、巻上機モータ40A(図3)を駆動源として、綱車40Bが回転されると、外かご枠12、ひいては上かご14および下かご16とカウンタウエイト46とは、昇降路36内を互いに反対向きに昇降する。
外かご枠12の昇降路36内での上下方向における位置を検出するかご枠検出手段48、上かご14の昇降路36内での上下方向における位置を検出する上かご検出手段50、および下かご16の昇降路36内での上下方向における位置を検出する下かご検出手段52が設けられている。
かご枠検出手段48は、外かご枠12に固定されたフォトセンサ54Aと昇降路36の側壁36Aに固定された遮光板56Aを含む。
上かご検出手段50は、上かご14に固定されたフォトセンサ54Bと昇降路36の側壁36Aに固定された遮光板56Bを含む。
下かご検出手段52は、下かご16に固定されたフォトセンサ54Cと昇降路36の側壁36Aに固定された遮光板56Cを含む。
フォトセンサ54A、54B、54Cは、いずれも基本的に同じ構成なので、これらを区別する必要のない場合は、アルファベットの添え字(A、B、C)を省略して説明する。また、遮光板56A、56B、56Cについても同様とする。
フォトセンサ54は、図2に示すように、発光素子542と受光素子544とが対向して設けられてなる透過型のフォトセンサであり、発光素子542と受光素子544の対向領域に相対的に進入する遮光板56を検出する構成となっている。
図1に戻り、遮光板56A、56B、56C各々の上下方向における固定位置について説明する。
先ず、遮光板56B、56Cについて説明すると、遮光板56Bは、上かご14が目的階に着床した状態のときに、フォトセンサ54Bで検出される位置に固定されている。
遮光板56Cは、下かご16が目的階に着床したときに、フォトセンサ54Cで検出される位置に固定されている。
よって、フォトセンサ54B、54Cが遮光板56B、56Cをそれぞれ検出しているか否かによって、上かご14、下かご16の各々が目的階に着床しているかどうかを判断することができる。
遮光板56Aは、上かご14および下かご16が同時に各々の目的階に着床しており、かつ、ワイヤロープ20の長さが基準長であるときに、フォトセンサ54Aで検出される位置に固定されている。ここで基準長とは、ダブルデッキエレベータ10の建物への設置が完了した時点であって、上かご14および下かご16に乗客等が乗っていない状態におけるワイヤロープ20の長さをいう。換言すれば、基準長は、設計仕様で規定されるワイヤロープ20の長さである。
遮光板56Bと遮光板56Cは、上かご14と下かご16とが同時に着床する二つの目的階毎に、一対として設けられている。また、当該一対の遮光板56B,56Cに対応させて、遮光板56Aが設けられている。すなわち、遮光板56Aは、外かご枠12の昇降路36内の上下方向における目標停止位置毎に設けられている。
上記の構造を有するダブルデッキエレベータ10は、主制御装置58と副制御装置66とによって、運転制御等がなされる。
主制御装置58は、機械室38に設置されており、巻上機40の巻上機モータ40A(図3)などの駆動制御を行う。主制御装置58は、巻上機40のロータリエンコーダ40Cからの出力値(回転角)に基づき、巻上機モータ40Aを回転制御して、外かご枠12を昇降させる。
主制御装置58は、図3に示すように、CPU60にRAM62やROM64が接続された構成を有している。
ROM64は、図4に示すように、昇降テーブル640を有する。昇降テーブル640は、下かご16と上かご14が同時に着床する階(目的階)の組毎に、ロータリエンコーダの目標回転角およびかご間隔識別情報を対応付けて記憶したテーブルである。当該対応付けの各々はID(001、002、003、…)で識別される。
目標回転角は、外かご枠12の昇降制御において、CPU60により参照される。CPU60は、ロータリエンコーダ40Cからの出力値(回転角)が、目的階に対応する目標回転角(E1、E2、E3、…のいずれか)と一致するまで、巻上機モータ40Aを回転駆動させ、一致した状態で巻上機モータ40Aを停止させる。これにより、外かご枠12は、昇降路36内の上下方向において、上かご14と下かご16が各々の目的階に同時に着床することができる位置(目標停止位置)に停止されることとなる。目標回転角は、昇降路36内の上下方向における外かご枠12の目標停止位置と一対一で対応しているため、目標回転角は、目標停止位置に他ならない。
昇降テーブル640内の目標回転角の各々は、データ取得運転の際に格納される。データ取得運転では、実際に外かご枠12を昇降させ、かご枠検出手段48各々によって外かご枠12が検出されたときにロータリエンコーダ40Cが出力する各出力値(回転角)を昇降テーブル640に格納する。データ取得運転は、ダブルデッキエレベータ10が、建築物に設置されたとき、およびその後、定期的に行われ、昇降テーブル640の目標回転角は適時に更新される。
かご間隔識別情報d1、d2、d3、d4は、かご間隔D1、D2、D3、D4をそれぞれ特定するものである。例えば、下かご16の目的階が1、上かご14の目的階が2の場合、かご間隔DはD1に調整されるべきであるので、昇降テーブル640のかご間隔識別情報のID=001に対応する欄には「d1」が記憶されている。
図3に戻り、CPU60は、ROM64に格納された各種制御プログラムを実行することにより、巻上機モータ40Aなどを統括的に制御して、円滑な外かご枠12(上かご14、下かご16)の昇降路36における昇降動作等による運転を実現する。また、主制御装置58(のCPU60)は、副制御装置66に対し、所定のタイミングで後述する「かご間隔調整指令」、「初期位置取得指令」、「伸び量送信指令」等の種々の実行指令等を出す。
RAM62は、CPU60が各種制御プログラムを実行する際のワークメモリとして用いられる。
副制御装置66は、図1に示すように、外かご枠12に設置されている。副制御装置66は、移動ユニット22を駆動制御して、かご間隔Dを調整する。副制御装置66は、図3に示すように、CPU68とCPU68に接続されたROM70およびRAM72を有している。ROM70は、CPU68が実行する各種プログラムを格納している他、各種の情報を記憶するテーブルや記憶領域を有している。
RAM72は、CPU68が各種プログラムを実行する際のワークメモリとして用いられる他、各種の記憶領域を有している。
ROM70は、図5(a)に示すように、かご間隔情報テーブル700を有する。かご間隔情報テーブル700は、かご間隔識別情報d1、d2、d3、d4とそれぞれに対応する目盛差ΔS1、ΔS2、ΔS3、ΔS4とを対応付けて記憶している。目盛差ΔS1〜ΔS4を以下、「基準目盛差」と言う。基準目盛差ΔS1〜ΔS4の各々は、必要とされるかご間隔精度を考慮して、許容される幅をもったものとされている。主制御装置58からかご間隔識別情報(d1、d2、d3、d4のいずれか)を含むかご間隔調整指令を受け取ると、CPU68は、かご間隔情報テーブル700から、対応する基準目盛差(ΔS1、ΔS2、ΔS3、ΔS4のいずれか)を読み出す。そして、CPU68は、読取ユニット32,34が読み取る目盛値から得られる目盛差が基準目盛差の範囲に入るように、移動ユニット22を制御して、上かご14と下かご16を上下方向に移動させる。これにより、かご間隔Dが、上下二つの目的階の階高に適合したかご間隔(D1〜D4のいずれか)に調整される。
しかしながら、上かご14と下かご16を吊り下げているワイヤロープ20には、常に、張力が掛かっており、この張力のため、ワイヤロープ20には、時間の経過につれて伸びが生じる。また、上かご14に乗車する乗客の体重等によって、一時的に伸びが生じる。このため、かご間隔Dが正確に調整された状態で、外かご枠12を目標停止位置に停止させたとしても、上かご14と下かご16は、それぞれの目的階との間で、上下方向にずれが生じてしまう。そこで、外かご枠12の昇降制御における目標停止位置を補正して、当該ずれを解消するため、ワイヤロープ20の伸び量を把握する必要がある。
さらに、経年変化によって伸びたワイヤロープ20を切り詰めたり、あるいは、新しいワイヤロープと交換したりする維持管理のためにも、ワイヤロープ20の伸び量を把握する必要がある。
そこで、本実施形態では、磁気スケール28を利用して、ワイヤロープ20の伸び量を取得している。伸び量の取得のために、ROM70、RAM72は、さらに、磁気スケール28の読取ユニット32,34が読み取った目盛値を記憶する記憶領域等を有している。
ROM70は、図5(b)に示すように、読取ユニット32,34が読み取った目盛値を記憶する領域として、読取ユニット32(上かご)、読取ユニット34(下かご)毎に、初期位置記憶領域701,702を有する。
RAM72は、図5(c)に示すように、読取ユニット32,34が読み取った目盛値を記憶する領域として、読取ユニット32(上かご)、読取ユニット34(下かご)毎に、経時位置記憶領域721,722を有する。すなわち、ROM70およびRAM72は、磁気スケール28の読取ユニット32,34が読み取った目盛値(絶対位置)を、それぞれ区別して記憶する記憶手段として機能する。初期位置記憶領域701,702と経時位置記憶領域721,722とは、読取ユニット32,34による読み取りのタイミングに応じてROM70またはRAM72内に設けられている記憶領域であるが、当該タイミングについては後述する。
RAM72は、また、図5(f)に示すように、初期位置記憶領域701,702、経時位置記憶領域721,722に記憶された絶対位置の各々に基づき、後述のようにして算出される伸び量を記憶する伸び量記憶領域723を有する。
〔伸び量取得処理〕
次に、副制御装置66で実行されるワイヤロープ20の伸び量取得処理を、図6、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
先ず、初期位置取得処理について、図6を参照しながら説明する。
図6に示すように、主制御装置58から、初期位置取得指令を受け取ると(ステップS10でYES)、副制御装置66のCPU68(図3)は、上かご14、下かご16が停止中か否かを確認する(ステップS11)。
なお、初期位置取得指令は、主制御装置58から、副制御装置66に対し、例えば、(i)ダブルデッキエレベータ10の建物への設置が完了したときや、(ii)ワイヤロープ20の切り詰めがなされた直後や、(iii)ワイヤロープ20が新品と交換された直後等のタイミングで発せられる。いずれも、ワイヤロープ20が前記基準長の長さに調整された状態で取り付けられた直後のタイミングである。ここで、取り付けられたワイヤロープ20が当該基準長の長さにある状態を「初期状態」とする。すなわち、初期位置取得指令は、主制御装置58から、副制御装置66に対し、ワイヤロープ20が初期状態にあるタイミングで発せられる。
また、ワイヤロープ20の伸び量を取得する上記目的から、ワイヤロープ20に伸びを生じさせる他の要因(外乱)を除くため、初期位置取得指令は、以下のタイミングでなされることが好ましい。すなわち、上かご14および下かご16に乗客等が乗車しておらず、かつ、外かご枠12が停止しているタイミングである。
ステップS11で、上かご14、下かご16が停止中でないと判断した場合は(ステップS11でNO)、停止するのを待って、停止中と判断した場合は(ステップS11でYES)、そのまま、ステップS12へ進む。
ステップS12では、CPU68は、読取ユニット32および読取ユニット34から、それぞれ、上かご14の絶対位置(目盛値)と下かご16の絶対位置(目盛値)を取得する。
そして、取得した上かご14の絶対位置と下かご16の絶対位置を、それぞれ、ROM70の初期位置記憶領域701,702(図5(b))に記憶して(ステップS13)、このプログラムを終了する。すなわち、初期位置記憶領域701,702には、上記(i)〜(iii)のタイミングで、読取ユニット32,34で読み取られた絶対位置が記憶される。
ここで、初期位置記憶領域701,702にそれぞれ記憶された絶対位置(目盛値)を、以降、「初期位置」と称することとする。また、初期位置記憶領域701,702に記憶された初期位置をそれぞれ、図5(d)に示すように、「U1」、「L1」として、以下説明する。
続いて、副制御装置66で実行される伸び量算出処理を、図7に基づいて説明する。
図7に示すように、主制御装置58から、「伸び量送信指令」を受け取ると(ステップS20でYES)、副制御装置66のCPU68(図3)は、上かご14、下かご16が停止中か否かを確認する(ステップS21)。なお、「伸び量送信指令」は、主制御装置58から、副制御装置66に対し、上記(i)〜(iii)に示すワイヤロープ20の長さが前記基準長に調整された状態で取り付けられた直後のタイミング(第1の時点)よりも後の、例えば、(a)ダブルデッキエレベータ10の、毎日における稼動開始時や、(b)毎日における深夜閑散時の所定時刻や、(c)1週間間隔や、(d)1箇月間隔等のタイミング(第2の時点)で発せられる。
また、「伸び量送信指令」を発するタイミングは、等時間間隔に限らず、(e)上記(i)ダブルデッキエレベータ10の建物への設置が完了してしばらくの間や、上記(iii)ワイヤロープ20が新品と交換されてしばらくの間などのワイヤロープ20が新しい間は、ワイヤロープ20の伸びの進行が比較的速いため、この間は、時間間隔を短くし、前記伸びの進行が鈍化するにつれて時間間隔を長くすることとしても構わない。
あるいは、乗客等の重量による伸びを考慮する場合は、(f)ある目的階から次の目的階へ昇降する間であって、当該次の目的階へ向けた昇降の開始直前のタイミングでも構わない。開始直前とは、前記ある目的階における乗客の乗降が終了して、かご扉(不図示)が閉じられた後、昇降が始まる前を言う。かご内における乗客の移動が済んでいるため、乗客移動に伴うかごの上下動(ワイヤロープ20の伸縮)もほぼ収束していると考えられるからである。
上かご14、下かご16が停止中でない場合は(ステップS21でNO)、停止するのを待って、停止中であれば(ステップS21でYES)、そのまま、ステップS22へ進む。
ステップS22では、CPU68は、読取ユニット32および読取ユニット34から、それぞれ、上かご14の絶対位置(目盛値)と下かご16の絶対位置(目盛値)を取得する。
そして、取得した上かご14の絶対位置と下かご16の絶対位置を、それぞれ、RAM72の経時位置記憶領域721,722(図5(c))に記憶する(ステップS23)。すなわち、経時位置記憶領域721,722には、上記(a)〜(f)のタイミングで、読取ユニット32,34で読み取られた絶対位置が上書きで記憶される。
ここで、経時位置記憶領域721,722にそれぞれ記憶された絶対位置を、以降、「経時位置」と称することとする。また、経時位置記憶領域721,722に記憶された経時位置をそれぞれ、図5(e)に示すように、「U2」、「L2」として、以下説明する。
次に、CPU68は、下かご16の経時位置L2と下かご16の初期位置L1の差分ΔLを算出する(ステップS24)。
ΔL=(L2)−(L1) …(1)
算出した差分ΔLと上かご14の初期位置U1とから、ワイヤロープ20に伸びが生じていないと仮定した場合の上かご14の推定位置Usを算出する(ステップS25)。ここで、「推定位置」は、経時位置記憶領域721,722にそれぞれ記憶されている絶対位置(経時位置)が、読取ユニット32,34で読み取られた時点における推定位置である。
Us=(U1)−(ΔL) …(2)
式(2)は、ワイヤロープ20に伸びが生じていないとすると、上かご14は、下かご16の変位量(ΔL)と同じ量変位したところに位置することになることに基づく。
上かご14の経時位置U2と算出した推定位置Usとの差分ΔUを算出する(ステップS26)。
ΔU=(Us)−(U2) …(3)
本例の場合、差分ΔUが、ワイヤロープ20の伸び量ΔRになるので、ΔUを、そのまま、ワイヤロープ20の伸び量ΔRとして、RAM72の伸び量記憶領域723(図5(f))に記憶する(ステップS27)。
すなわち、ワイヤロープ20に伸びが生じていないとした場合(ワイヤロープ20が基準長のままであるとした場合)の上かご14の推定位置(目盛値)から、上かご14の現実の経時位置(目盛値)を減算することによりワイヤロープ20において、初期位置の検出時(第1の時点)から経時位置の検出時(第2の時点)に至る間にワイヤロープ20に生じた伸び量(経年変化による伸び量)、または、初期位置の検出時(第1の時点)に対する経時位置の検出時(第2の時点)の伸び量(経年変化と乗客等の重量の影響とによる伸び量)が算出されるのである。
このように、ステップS12,S13(図6)、およびステップS22〜S27(図7)がワイヤロープ20に生じた伸び量の取得手段として機能し、伸び量ΔRが取得される。
ワイヤロープ20の伸び量ΔRをROM72に記憶すると(ステップS27)、当該伸び量ΔRを主制御装置58へ送信する(ステップS28)。主制御装置58へ送信するのは、後述する外かご枠12の目標停止位置(目標回転角)補正処理に資するためである。
なお、上記の例において磁気テープ30は、目盛りが下から上に目盛られた状態となる向き(すなわち、上側程、目盛りの値が大きくなる向き)に取り付けたが、この逆に、目盛りが上から下に目盛られた状態となる向き(すなわち、下側程、目盛りの値が大きくなる向き)に取り付けた場合には、上記差分ΔUは負の値で算出されるため、その絶対値|ΔU|をワイヤロープ20の伸び量ΔRとして、ROM72の伸び量記憶領域723(図5(f))に記憶する。
また、保守用の携帯端末(不図示)を、副制御装置66に接続して、RAM72から伸び量を読み出し、読み出された伸び量を当該携帯端末のモニタ画面に表示させることによって、保守管理の作業員が、ワイヤロープ20の経年変化による伸び量を知ることができる。当該伸び量は、ワイヤロープ20を切り詰めたり、あるいは、新しいワイヤロープと交換したりする時期の策定に資することができる。もっとも、この場合は、上かご14と下かご16の両方が、空の状態(乗客等が乗っていない状態)で取得した絶対位置(ステップS22)に基づく伸び量であることが好ましい。
あるいは、上記携帯端末は、主制御装置58に接続して、主制御装置58から副制御装置66のRAM72に記憶された伸び量を読み出すようにしても構わない。
以上説明したように、本実施形態に係るダブルデッキエレベータ10によれば、外かご枠12と外かご枠12内側に設けられた上かご14、下かご16とに設置した磁気スケール28のみの検出結果に基づいて、ワイヤロープ20の伸び量を取得することができる。
また、以上の説明から首肯されるように、初期位置および経時位置を検出する際の上かご14と下かご16の外かご枠12内における上下方向の位置は任意である。このため、必要なとき即座に、ワイヤロープの伸び量を取得することができる。
なお、上記の例では、下かご16の経時位置L2と下かご16の初期位置L1の差分ΔL、および上かご14の初期位置U1から、上かご14の推定位置Usを割り出し、当該推定位置Usと上かご14の経時位置U2からワイヤロープ20の伸び量ΔR(ΔU)を算出したが、この逆としても構わない。
すなわち、上かご14の経時位置U2と上かご14の初期位置U1の差分ΔU、および下かご16の初期位置L1から、下かご16の推定位置Lsを割り出し、当該推定位置Lsと下かご16の経時位置L2からワイヤロープ20の伸び量ΔR(ΔL)を算出するようにしても構わない。
また、上記の例では、副制御装置66は、主制御装置58からの指令によってワイヤロープ20の伸び量の取得に必要な処理を実行したが、主制御装置58からの指令によらず、副制御装置66自身がタイミングを図って、ワイヤロープ20の伸び量の取得処理(ステップS12、S13、S22〜S27)を実行するようにしても構わない。
〔目標停止位置(目標回転角)補正処理〕
求められたワイヤロープ20の伸び量ΔRに基づく、外かご枠12の目標停止位置(目標回転角)の補正について、図1および図8を参照しながら説明する。
図1に示すのは、ワイヤロープ20が基準長の長さであり、かご枠検出手段48によって外かご枠12が、上かご検出手段50によって上かご14が、下かご検出手段52によって下かご16が、それぞれ検出されている状態である。
図1は、例えば、下かご16が3階、上かご14が4階にそれぞれ着床されている状態を示しているとして説明する。この場合、ロータリエンコーダ40Cから出力で検出される回転角はE3であり(図4)、外かご枠12は目標停止位置に停止されている。
図1に示す状態から、ワイヤロープ20がΔR伸びた状態を想定する。この想定した状態で、仮に、下かご16を3階に着床させた場合を図8(a)に示す。ワイヤロープ20の伸び量ΔR分、上かご14が着床位置から下方へずれている。また、かご間隔Dもかご間隔D2よりもΔR分短くなっている。
磁気スケール28の検出結果に基づいて、移動ユニット22を制御し、上かご14と下かご16を上下方向に移動させて、かご間隔をD2に調整した状態を図8(b)に示す。上かご14は上向きに、下かご16は下向きに、それぞれ(ΔR/2)分変位されて、かご間隔がD2に調整される。
かご間隔が適正に調整され、外かご枠12が目標停止位置に停止されても、ワイヤロープ20がΔR伸びた状態では、上かご14と下かご16は、それぞれ、着床位置から下方へ(ΔR/2)分ずれてしまう(図8(b))。
換言すると、かご間隔D2に調整された上かご14と下かご16とが、外かご枠12の上下方向において、初期状態の(基準長の)ワイヤロープ20で吊り下げられた位置から現状の(ステップS22(図7)が実行されたときの状態での)ワイヤロープ20で吊り下げられた位置まで下方へ変位量(ΔR/2)分変位していることとなる。なお、言うまでも無く、かご間隔D2に限らず、かご間隔Dがいずれの大きさであっても、上かご14と下かご16とは、(ΔR/2)の変位量分下方へ変位している。すなわち、外かご枠12における上下方向の任意の位置において、初期状態のワイヤロープ20に吊り下げられた上かご14と下かご16に対する現状のワイヤロープ20に吊り下げられた上かご14と下かご16の下方への変位量(以下、「現状変位量」と言う。)が(ΔR/2)となっている。
そこで、外かご枠12の目標停止位置をワイヤロープ20の伸び量ΔRに応じた距離分、上方へ補正する。本例では、(ΔR/2)に相当する現状変位量分、上方へ補正する。具体的には、昇降テーブル640(図4)において、ID=003で識別される目標回転角E3を(ΔR/2)に相当する現状変位量分補正する。ここで、現状変位量(本例では、(ΔR/2))に相当する綱車40Bの回転量を補正回転量と言うこととする。なお、現状変位量と補正回転角との関係は、綱車40Bの直径等から容易に求められる。
補正された目標回転角(補正された目標停止位置)で外かご枠12が停止された状態を図8(c)に示す。外かご枠12が補正前の目標停止位置から上方へ(ΔR/2)分変位したところで停止され、上かご14と下かご16とがそれぞれ目的階(本例では、4階と3階)に着床されている。
上記目標回転角補正処理を含む、外かご枠12の昇降制御について、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
当該昇降制御プログラムは、上かご14、下かご16のかご内呼びや各階の乗り場呼びの状況から、次の目的階が決定された後に実行される。
主制御装置58のCPU60(図3)は、副制御装置66(図3)へ「伸び量送信指令」を送信する(ステップS30)。「伸び量送信指令」を受信した副制御装置66は、上述の伸び量算出処理(図7)を実行して、取得した伸び量ΔRを主制御装置58へ送信する(図7、ステップS28)。なお、この伸び量算出処理は、上述したように、現在の停止階において乗客の乗降が終了して、かご扉(不図示)が閉じられた状態で実行されることが好ましい。
CPU60は、副制御装置66から伸び量ΔRを受信すると(ステップS31でYES)、伸び量ΔRから現状変位量(ΔR/2)に相当する補正回転量ΔEを算出する(ステップS32)。このように、ステップS12,S13(図6)、ステップS22〜S27(図7)、およびステップS32は、上述したように伸び量取得手段として機能するステップS12,S13(図6)、ステップS22〜S27(図7)で得られた伸び量ΔRから現状変位量(ΔR/2)を取得する(ステップS32)現状変位量取得手段として機能し、取得された現状変位量(ΔR/2)から、補正回転量ΔEが算出される(ステップS32)。
CPU60は、昇降テーブル640(図4)から次の目的階停止に対応する目標回転角E(E1、E2、E3、…のいずれか)を読み出し(ステップS33)、読み出した目標回転角Eに補正回転量ΔEを加えて補正後の目標回転角Eh(=E+ΔE)とする(ステップS34)。このように、ステップS32〜S34は、伸び量ΔRに応じた現状変位量に相当する補正回転量ΔEの分、目標停止位置である目標回転角を補正する目標停止位置(目標回転角)補正手段として機能する。
そして、CPU60は巻上機モータ40Aを起動して外かご枠12の昇降を開始し(ステップS35)、ロータリエンコーダ40Cからの出力値(回転角)を参照して、目標回転角Ehが検出されるまで(ステップS36でYES)、巻上機モータ40Aを回転させて、外かご枠12を目的階まで昇降させる(ステップS37)。
なお、次の目的階が決定されると、主制御装置58のCPU60は、上記「伸び量送信指令」の送信(ステップS30)に前後して、前記かご間隔識別情報(d1、d2、d3、d4のいずれか)を含むかご間隔調整指令を副制御装置60に送信する。かご間隔調整指令を受け取ると、副制御装置66は、外かご枠12の目的階までの昇降が終了するまで(ステップS37)に、上述したようにして、かご間隔Dを調整する。
外かご枠12の昇降が停止されると(ステップS37)、主制御装置58は、上かご検出手段50が上かご14を検出し、下かご検出手段52が下かご16を検出していることを条件として、必要に応じ、それぞれのかご扉(不図示)を開く。
以上説明したように、実施形態1に係るダブルデッキエレベータ10によれば、上かご14と下かご16を吊り下げるワイヤロープ20の伸び量ΔRが取得され(図7、ステップS26、S27)、伸び量ΔRに対応する現状変位量分(補正回転量ΔEの分)、目標停止位置である目標回転角が補正される。これにより、補正後の目標停止位置に外かご枠12が停止されると、上下二つの目的階の階高にかご間隔が調整された上かご14と下かご16は、ワイヤロープ20の伸びにかかわらず、それぞれの目的階に可能な限り正確に着床されることとなる。
なお、上記の例では、ステップS32〜S34を、現在の停止階から次の目的階へ向けての昇降が開始される(ステップS35)前に実行したが、昇降開始後であって、昇降テーブル640(図4)に記憶されている目標回転角(目標停止位置)に到達する以前に、実行しても構わない。この場合であっても、外かご枠12は、補正後の目標停止位置に停止されることとなる。要は、外かご枠12が、上かご14と下かご16がそれぞれ着床されている目的階から次の目的階に対応する目標回転角(昇降テーブル640に記憶されている目標回転角)に到達する以前に、当該目標回転角(目標停止位置)が補正されれば構わないのである。
<実施形態2>
実施形態1に係るダブルデッキエレベータ10は、上かご14と下かご16の一方を(本例では、下かご16を)、ジャッキ24で上下方向に移動させるジャッキ式のダブルデッキエレベータであったが、実施形態2に係るダブルデッキエレベータ74は、図10に示すように、上かご14と下かご16とを連結するワイヤロープ20が、外かご枠12の上梁12Aに設置された副巻上機76の駆動シーブ76Aに掛けられて、駆動シーブ76Aをモータ76Bで回転駆動することにより、かご間隔を変更するトラクション式のダブルデッキエレベータである。
実施形態2に係るダブルデッキエレベータ74は、上かご14と下かご16のかご間隔を変更するための駆動方式が異なる以外は、実質的に、実施形態1のダブルデッキエレベータ10と同じ構成である。よって、図10において、図1に示したダブルデッキエレベータ10と実質的に同じ構成には、同じ符号を付して、その説明については省略する。
ダブルデッキエレベータ74の有する副制御装置66も、設置位置は異なるものの、実施形態1のものと同様である。また、実施形態2において、副制御装置66のCPU68で実行される初期位置取得プログラム、および伸び量算出プログラムも、図6、図7に示すフローチャートに基づいて説明したものと同様であり、主制御装置58のCPU60で実行される昇降制御プログラムも、図9に示すフローチャートに基づいて説明したものと同様であるので、その説明についても省略する。
以上、本発明に係るダブルデッキエレベータを実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態とすることもできる。
(1)上記実施形態では、上かご14と下かご16とを外かご枠12内で吊り下げる索状体として、ワイヤロープ20を用いたが、上かご14と下かご16とを吊り下げる索状体は、ワイヤロープに限らず、例えば、スチールコード等の心線入りのゴムベルトや炭素繊維からなるベルトを用いても構わない。要は、本発明は、経年変化によって伸びが生じたり、乗客等の荷重によって伸びが生じたりするような索状体で上かごと下かごを吊り下げた構成を有するダブルデッキエレベータに適用できるのである。
(2)上記実施形態では、上かご14と下かご16の外かご枠12に対する上下方向の絶対位置を検出する検出手段として磁気スケール28を用いたが、これに限らず、例えば、以下のものを用いても構わない。
(a)光学式1次元コード位置(距離)センサ
1次元コードを用いた光学式の記録テープを含む光学式1次元コード位置(距離)センサを用いても構わない。1次元コードとしては、例えば、バーコードを用いることができる。
バーコードテープは、その一端部から他端部に至る間の絶対位置(距離)情報がバーコードで記録された光学式テープである。前記光学式1次元コード位置(距離)センサは、バーコードテープに記録されたバーコードを光学的に読み取る読取ユニットであるバーコードリーダを含む。
磁気スケール28に代えて、前記光学式1次元コード位置(距離)センサを用いる場合は、磁気テープ30の代わりに、上記バーコードテープを張架し、読取ユニット32、34に代えて前記バーコードテープに記録されたバーコードを読み取るバーコードリーダをそれぞれ、上かご14と下かご16に設置する。この光学式1次元コード位置(距離)センサには、例えば、ジック株式会社の光学式リニア距離センサOLMを用いることができる。
(b)光学式2次元コード位置(距離)センサ
2次元コードを用いた光学式の記録テープを含む光学式2次元コード位置(距離)センサを用いても構わない。2次元コードとしては、例えば、マトリックス型2次元コードを用いることができる。
2次元コードテープは、位置情報データビットが小面積の上に高密度で2次元に分割されて印刷された光学式テープである。磁気テープ30に代えて、2次元コードテープを用いる場合は、当該2次元コードテープの長さ方向の位置情報を利用する。前記光学式2次元コード位置(距離)センサは、2次元コードテープに記録された位置情報(例えば、データマトリックスコード)を光学的に読み取る読取ユニットである読取ヘッドを含む。この光学式2次元コード位置(距離)センサには、例えば、株式会社ピーアンドエフのデータマトリックス位置決めセンサPCVを用いることができる。
(3)さらに、上かご14と下かご16の外かご枠12に対する上下方向の絶対位置を検出する検出手段として、下記のものを用いても構わない。
(a)レーザ距離センサ
TOF(Time Of Flight)方式(光源から出射された光(レーザ光)が測定対象物により反射されて戻ってくるまでの時間を計測し、演算処理により、光源から測定対象物までの距離に換算する測定方式)のレーザ距離センサを用いても構わない。
レーザ距離センサを2台用意し、1台を上かご14に設置し、もう1台を下かご16に設置する。そして、2台のレーザ距離センサに共通する測定対象物として、一つのレーザ反射板を、外かご枠12の上下方向における特定位置、例えば、上梁12Aまたは下梁12Bに固定する。そして、2台のレーザ距離センサで、レーザ反射板までの距離を測定する。測定される距離は、外かご枠12の上下方向における特定位置(本例では、上梁12Aまたは下梁12B)からの上かご14と下かご16の上下方向の距離であり、上かご14と下かご16の外かご枠12に対する上下方向における絶対位置に他ならないため、上記の検出手段として用いることができる。
なお、レーザ反射板は、上梁12A、下梁12Bに限らず、外かご枠12の他の部位に固定しても構わない。
また、レーザ反射板を上かご14と下かご16の各々に固定し、レーザ距離センサを上梁12Aまたは下梁12Bに設けることとしても構わない。
(b)超音波距離センサ
超音波を測定対象物に向け発信し、その反射波を受信することにより、測定対象物までの距離を検出する(超音波の発信から受信までに要した時間と音速とに基づいてセンサから測定対象物までの距離を算出する)超音波距離センサを用いても構わない。
超音波距離センサの上記検出手段としての利用態様は、上記レーザ距離センサと同様である。すなわち、上かご14と下かご16にそれぞれ超音波距離センサを設置し、両超音波距離センサに共通する測定対象物として、例えば、上梁12Aまたは下梁12Bに音波反射板を固定する。そして、両超音波距離センサで、音波反射板までの距離を測定するのである。
なお、(i)音波反射板は、上梁12A、下梁12Bに限らず、外かご枠12の他の部位に固定しても構わないこと、(ii)音波反射板を上かご14と下かご16の各々に固定し、超音波距離センサを上梁12Aまたは下梁12Bの設けても構わないことは、上記レーザ距離センサを用いた場合と同様である。
また、レーザ距離センサや超音波距離センサに限らず、他の種類の距離センサ、例えば、赤外線距離センサ等を用いても構わない。
(4)上記実施形態では、従動シーブ18(図1)または駆動シーブ76A(図10)に掛けられて折り返されたワイヤロープ20の一端部を上かご14に直接連結し、他端部を下かご16に直接連結して、上かご14と下かご16を吊り下げることとしたが、上かご14と下かご16のワイヤロープによる吊り下げ態様はこれに限らず、例えば、ワイヤロープの一端部(第1端部)と他端部(第2端部)をそれぞれ外かご枠に固定し、駆動シーブから前記第1端部に至るワイヤロープ部分に第1の動滑車を掛け、前記第2端部に至るワイヤロープ部分に第2の動滑車を掛けて、第1の動滑車に上かごを連結し、第2の動滑車に下かごを連結することにより、上・下かごをワイヤロープで吊り下げる構成としても構わない。
図11(変形例1)、図12(変形例2)は、このような吊り下げ態様とした構成とする場合におけるローピングの概念図である。なお、当該吊り下げ態様を説明するに際し、上かごと下かごを上下方向に配置した現実の配置図とすると、ワイヤロープの取り回しが非常に複雑となって、理解の妨げとなるため、図11、図12では、便宜上、上かご81,96と下かご82,98を左右に並べた図としている。
(a)図11に示す変形例1は、副巻上機78の駆動シーブ78Aに掛けられて折り返されたワイヤロープ79の第1端部79Aと第2端部79Bを外かご枠(全体は不図示)の構成部材である外かご部材80に固定し、駆動シーブ78Aから第1端部79A側で上かご81を、第2端部79B側で下かご82を吊り下げた構成としたものである。なお、第1端部79Aと第2端部79Bは、同一の外かご部材に限らず、ワイヤロープの取り回し次第では、異なる外かご部材に固定しても構わない。
駆動シーブ78Aから第1端部79Aに至るワイヤロープ79部分は、図11に示すように、外かご部材80に固定された定滑車83と上かご81に取り付けられた動滑車84,85とに掛け渡されている。一方、駆動シーブ78Aから第2端部79Bに至るワイヤロープ79部分も、外かご部材80に固定された定滑車86と下かごに取り付けられた動滑車87,88とに掛け渡されている。
上記の構成において、駆動シーブ78Aが回転駆動されると、上かご81と下かご82とは、上下方向において、相反する向きに、同じ距離移動する。
この場合、駆動シーブ78Aを中心として、上かご81と下かご82とは、共に、それぞれが2個の動滑車84,85、動滑車87,88を介して吊り下げられたローピングとなっているため、駆動シーブ78Aの周速(ワイヤロープ79の走行速度)をS、上・下かご81,82の移動速度をKとすると、SとKとは、S:K=4:1の関係となる。換言すると、駆動シーブ78Aから繰り出された(駆動シーブ78Aに引き込まれた)、ワイヤロープ79の長さをLR、そのときの上・下かご81,82の移動距離をLKとすると、LRとLKとは、LR:LK=4:1の関係となる。
したがって、図11に示すようにローピングされた構成の場合、本例において、前記式(3)で求められる、上かご81の経時位置U2と算出した推定位置Usとの差分ΔUは、そのままでは、ワイヤロープ79の伸び量とはならず、これを4倍した4ΔUが、ワイヤロープ79の伸び量となる。
よって、本例の場合、副制御装置66のCPU68は、4ΔUを、ワイヤロープ79の伸び量ΔRとして、RAM72の伸び量記憶領域723(図5(f))に記憶する。
ここで、あらためて、シーブ(従動シーブ18、駆動シーブ76A、駆動シーブ78A)に掛けられて折り返されたワイヤロープ(ワイヤロープ20、ワイヤロープ79)の一端側で上かご(上かご14、上かご81)が吊り下げられ、他端側で下かご(下かご16、下かご82)が吊り下げられた構成において、シーブの周速Sに対する上・下かごの移動速度Kの比を減速比G(=S/K)とする。
そうすると、
ΔR=G×ΔU …(4)
となる。
実施形態1(実施形態2)の場合は、減速比G=1であるため、前記式(3)で算出されるΔUが、そのままΔR(=1×ΔU)となった。これに対し、変形例1の場合は、減速比G=4であるため、ΔR=4ΔUとなるのである。
また、ここまでの説明から明らかなように、上かご14の経時位置U2と算出した推定位置Usとの差分ΔU(式(3))の半分が、現状変位量である。
よって、現状変位量を伸び量ΔRで表すと、(4)式から、
現状変位量=(ΔU/2)={(ΔR/G)/2} …(5)
となる。
実施形態1(実施形態2)の場合は、減速比G=1であるため、現状変位量=(ΔR/2)であった(図9、ステップS32)。これに対し、変形例1の場合は、減速比4であるため、現状変位量=(ΔR/8)となる。よって、変形例1における、外かご枠12の目標停止位置(目標回転角)の補正処理では、当該現状変位量(=(ΔR/8))に相当する補正回転量ΔEを算出して(図9、ステップS32)、当該補正回転量ΔEと昇降テーブル640(図4)から読み出した目標回転角E(図9、ステップS33)とで、補正後の目標回転角Eh(=E+ΔE)が設定される(図9、ステップS34)。
(b)図12に示す変形例2は、変形例1と同様、副巻上機90の駆動シーブ90Aに掛けられて折り返されたワイヤロープ92の第1端部92Aと第2端部92Bを外かご枠(全体は不図示)の構成部材である外かご部材94に固定し、駆動シーブ90Aから第1端部92A側で上かご96を、第2端部92B側で下かご98を吊り下げた構成としたものである。なお、第1端部92Aと第2端部92Bは、同一の外かご部材に限らず、ワイヤロープの取り回し次第では、異なる外かご部材に固定しても構わない。
駆動シーブ90Aから第1端部92Aに至るワイヤロープ92部分は、図12に示すように、外かご部材94に固定された定滑車100,102と上かご96に取り付けられた動滑車104,106,108とに掛け渡されている。一方、駆動シーブ90Aから第2端部92Bに至るワイヤロープ92部分も、外かご部材94に固定された定滑車110,112と下かご98に取り付けられた動滑車114,116,118とに掛け渡されている。
上記の構成において、駆動シーブ90Aが回転駆動されると、上かご96と下かご98とは、上下方向において、相反する向きに、同じ距離移動する。
この場合、駆動シーブ90Aを中心として、上かご96と下かご98とは、共に、それぞれが3個の動滑車104,106,108、動滑車114,116,118を介して吊り下げられたローピングとなっているため、減速比G=6となる。
よって、変形例2の場合、上記式(4)に基づき、前記式(3)で求められるΔUを6倍した値が伸び量ΔRとして、RAM72の伸び量記憶領域723(図5(f))に記憶される。
また、伸び量ΔRに応じた現状変位量が上記式(5)から算出され、当該現状変位量(=(ΔR/12))に相当する補正回転量ΔEが算出され(図9、ステップS32)、当該補正回転量ΔEと昇降テーブル640(図4)から読み出した目標回転角E(図9、ステップS33)とで、補正後の目標回転角Eh(=E+ΔE)が設定される(図9、ステップS34)。
(c)上記変形例1,2では、駆動シーブに掛けられたワイヤロープの両固定端に至る間にそれぞれ複数個の(上記の例では、2個または3個)の動滑車を掛けて、これら動滑車に上かごまたは下かごを連結する構成としたが、駆動シーブに掛けられたワイヤロープの両固定端に至る間に設ける動滑車の個数は1個であっても構わない。
この場合、上記した減速比はG=2となるため、上記式(4)に基づき、前記式(3)で求められるΔUを2倍した値が伸び量ΔRとして、RAM72の伸び量記憶領域723(図5(f))に記憶されることとなる。
また、伸び量ΔRに応じた現状変位量は、上記式(5)から、(ΔR/4)となる。
(5)実施形態2、および変形例1,2では、上かご14,81,96よりも上に設けた駆動シーブ76A、78A,90Aに掛けられて下方へ折り返されたワイヤロープ20,79,92の一端側で上かご14,81,96を吊り下げ、他端側で下かご16,82,98を吊り下げる構成としたが(図10、図11、図12)、これに限らず、例えば、図13に示す変形例3のように、駆動シーブ120A(副巻上機120)を下かご122よりも下に設け、駆動シーブ120Aに掛けられたワイヤロープ124を上方へ折り返し、ワイヤロープ124の一端側で上かご126を吊り下げ、他端側で下かご122を吊り下げる構成としても構わない。図13は、図11、図12に倣った図である。
変形例3は、副巻上機120の駆動シーブ120Aに掛けられて折り返されたワイヤロープ124の第1端部124Aと第2端部124Bを外かご枠(全体は不図示)の構成部材である外かご部材128に固定し、駆動シーブ120Aから第1端部124A側で上かご126を、第2端部124B側で下かご122を吊り下げた構成としたものである。なお、第1端部124Aと第2端部124Bは、同一の外かご部材に限らず、ワイヤロープの取り回し次第では、異なるかご部材に固定しても構わない。
駆動シーブ120Aから第1端部124Aに至るワイヤロープ124部分は、図13に示すように、外かご部材128に固定された定滑車130と上かご126に取り付けられた2個の動滑車132,134とに掛け渡されている。一方、駆動シーブ120Aから第2端部124Bに至るワイヤロープ124部分も、外かご部材128に固定された定滑車136と下かご122に取り付けられた2個の動滑車138,140とに掛け渡されている。
上記の構成において、駆動シーブ120Aが回転駆動されると、上かご126と下かご122とは、上下方向において、相反する向きに、同じ距離移動する。
なお、駆動シーブを、実施形態2、および変形例1,2では、上かごよりも上方に設け、変形例3では、下かごよりも下方に設けたが、これに限らず、駆動シーブは、上下方向において、上かごと同等の位置、下かごと同等の位置、または上かごと下かごの間に設けることとしても構わない。また、駆動シーブに対し、ワイヤロープが、上方へ折り返されるか、下方へ折り返されるかは、滑車との位置関係等で決まるものであり、ここまでに示した例に限定されるものではない
(6)上記実施形態では、初期位置U1、L1と経時位置U2、L2から、式(1)、式(2)、式(3)、および式(4)によってワイヤロープ20の伸び量ΔRを算出し、当該伸び量ΔRから現状変位量を取得したが(ステップS32(図9)、式(5))、これに限らず、初期位置U1、L1と経時位置U2、L2から、以下に記すように直接的に現状変位量を取得するようにしても構わない。
実施形態1のダブルデッキエレベータ10(図1)では、上述した通り、移動ユニット22によって、上かご14と下かご16が上下方向に移動されると、上かご14と下かご16は、それぞれ、上下方向反対向きに同じ距離移動する。
よって、読取ユニット32(上かご14)で読み取られる目盛値が増加するとその増加分だけ、読取ユニット34(下かご16)で読み取られる目盛値が減少し、これとは逆に、読取ユニット32(上かご14)で読み取られる目盛値が減少するとその減少分だけ、読取ユニット34(下かご16)で読み取られる目盛値が増加する。
したがって、仮にワイヤロープ20に伸びが生じないとすると、読取ユニット32と読取ユニット34で同時に読み取られる目盛値の合計は、常に、一定の値となる。
ワイヤロープ20に伸びが生じると、上かご14と下かご16の各々は、外かご枠12に対し、相対的に下方へ変位する。上かご14と下かご16の当該変位量の和が、(U1+L1)の値と(U2+L2)の値の差となって現れる。よって、当該和の半分が現状変位量(「ΔH」とする。)となる。
現状変位量ΔH={(U1+L1)−(U2+L2)}/2 …(6)
以上のことは、実施形態2(図10)、変形例1(図11)、変形例2(図12)、および変形例3(図13)でも同様である。
よって、実施形態1、実施形態2、変形例1、変形例2、および変形例3において、式(6)に基づいて、初期位置U1、L1と経時位置U2、L2から現状変位量が直接、取得されることとなる。
現状変位量ΔHを用いる場合の外かご枠12の昇降制御を、図14、図15に示すフローチャートに基づいて説明する。
図14に示すように、主制御装置58のCPU60(図3)は、副制御装置66(図3)へ「現状変位量送信指令」を送信する(ステップS50)。「現状変位量送信指令」を副制御装置66へ送信するタイミングは、「伸び量送信指令」を送信する(図9、ステップS30)上記したタイミング(a)〜(e)の内、(e)のタイミングである。すなわち、ある目的階から次の目的階へ昇降する間であって、当該次の目的階へ向けた昇降の開始直前のタイミングである。
図15に示すように、主制御装置58から、「現状変位量送信指令」を受け取ると(ステップS40でYES)、副制御装置66のCPU68(図3)は、ステップS41、S42、S43を実行する。ステップS41、S42、S43は、それぞれ、既に説明した図7のステップS21、S22、S23と同じ処理なので、その説明については省略する。
ステップS43が終了すると、副制御装置66のROM70(図3)の初期位置記憶領域701,702(図5(b))、およびRAM72(図3)の経時位置記憶領域721,722(図5(c))には、それぞれ、U1、L1、U2、L2が記憶されている(図5(d)、図5(e))。
副制御装置66は、U1、L1、U2、L2から上記式(6)によって、現状変位量ΔHを算出する(ステップS44)。このように、ステップS12、S13(図6)、ステップS42、S43、S44は、現状変位量取得手段として機能する。
算出によって取得した現状変位量ΔHを主制御装置58へ送信する(ステップS45)。
図14に戻り、主制御装置58のCPU60(図3)は、副制御装置66から、現状変位量ΔHを受信すると(ステップS51でYES)、受信した現状変位量ΔHに相当する補正回転量ΔEを算出する(ステップS52)。
以降、ステップS34〜S37を実行して、外かご枠12を目的階まで昇降させる。図14に示すステップS34〜S37は、既に説明した図9のステップS33〜S37と同じ処理なので、図14において図9と同じステップ番号を付して、その説明については省略する。
なお、実施形態1、実施形態2において磁気テープ30は、目盛りが下から上に目盛られた状態となる向き(すなわち、上側程、目盛りの値が大きくなる向き)に取り付けたが、この逆に、目盛りが上から下に目盛られた状態となる向き(すなわち、下側程、目盛りの値が大きくなる向き)に取り付けた場合には、現状変位量ΔHは負の値で算出されるため、その絶対値|ΔH|を外かご枠12の昇降制御に用いることとする。この場合でも、現状変位量ΔHを取得する式を次式(7)にすれば、絶対値をとることなく、そのままの値を用いることができる。
現状変位量ΔH={(U2+L2)−(U1+L1)}/2 …(7)
(7)上記実施形態1では、上かごと下かごを上下方向に移動させる方式としてジャッキ式を用いたが、これに限らず、実施形態2や変形例1,2,3のようなトラクション式を採用しても構わない。また、これとは逆に、実施形態2や変形例1,2,3において、ジャッキ式を採用しても構わない。
(8)上記実施形態において、調整されるかご間隔は4通り(D1、D2、D3、D4)であったが、これに限らないことを勿論である。ダブルデッキエレベータが設置される建築物の設計に合わせて、2通り、3通り、または5通り以上に設定することができる。あるいは、前記建築物における全ての階床間ごとに、調整されるべきかご間隔Dを設定しても構わない。例えば、10階建ての建築物の場合、かご間隔Dは9通り(D1〜D9)に設定される。建築物における階高は必ずしも設計図のとおりにならないからである。