JP6680332B2 - 樹脂積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ素樹脂層を有する樹脂積層体に関する。
フッ素樹脂は、耐熱性、絶縁性、難燃性、耐候性、防湿性、防汚性等の特性に優れることから、これらの特性を生かし、耐蝕材料、ライニング材料、絶縁材料、被覆材料、ガスバリア材等としてフッ素樹脂フィルムの利用が進められている。
しかし、フッ素樹脂フィルムは、その撥水撥油性のため接着性に難があり、フッ素樹脂フィルムを他の部材と接着させても、フッ素樹脂フィルムが容易に剥離してしまうという課題を有している。このため、フッ素樹脂フィルムの接着性の改善についての検討が行われている。
フッ素樹脂フィルムの接着性改善方法としては、例えば、金属ナトリウム含有の表面改質剤を用いてフッ素樹脂フィルムの表面の改質を行う方法がある。これは、金属ナトリウムの還元力を利用してフッ素樹脂フィルムの表面に官能基を形成する方法であり、官能基により表面自由エネルギーが高くなるため、フッ素樹脂フィルムの接着性が向上する。
他の表面改質方法としては、フッ素樹脂フィルムの表面にコロナ放電処理、プラズマ処理、真空プラズマ処理等を施して粗面とし、接着面積を増加させることにより接着性を向上させる物理的方法がある。中でも、特許文献1で開示されるように、高真空下でアルゴンガス等の不活性ガスを存在させながら、フッ素樹脂フィルムの表面にスパッタリングやイオンプレーティングを施してエッチングする方法は、コロナ放電処理等よりもさらに高い接着性向上効果を得ることができるとされる。
また上述の方法の他に、例えば特許文献2では、フッ素樹脂フィルム上に紫外線吸収型アクリル系樹脂およびカチオン系ポリマーを主成分とする材料を塗布し、その塗布層を硬化させて被覆層を形成することにより、被覆層に対するフッ素樹脂フィルムの接着性を向上させる方法が開示されている。特許文献3では、珪素酸化物およびアルカリ土類金属のフッ化物をプラスチックフィルム上に真空蒸着させて薄膜層を形成することで、フッ化物含有の薄膜層の接着性を向上させる方法が開示されている。
特開平5−043721号公報 特開平7−214732号公報 特開平8−224795号公報
しかし、上述の表面処理方法では、フッ素樹脂フィルムの接着性の改善効果が十分に得られず、フッ素樹脂フィルムと他の部材との初期接着力が向上しても、経時によりフッ素樹脂フィルムの接着性が低下して剥離するという問題がある。
また、フッ素樹脂の種類によっては、上述の方法では接着性の改善が図りにくいという課題も有している。例えば、フッ素樹脂の中でもポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略する場合がある。)は、他のフッ素樹脂よりも耐薬品性が高く、動摩擦係数が低いという特長を有し、またポリクロロトリフルオロエチレン(以下、PCTFEと略する場合がある。)は、他のフッ素樹脂よりもガスバリア性が高く透明性、防湿性に優れるという特長を有していることから、これらのフッ素樹脂を用いたフィルムやシートは産業資材、医療資材として更なる用途展開が期待される。しかし、PTFE、PCTFEは特に接着性が悪く、これらのフッ素樹脂から形成されるフィルムに対しては、上述した従来の方法を用いても接着性の向上が十分に図れない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フッ素樹脂層の接着性を向上させることが可能な樹脂積層体の製造方法および樹脂積層体を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、フッ素樹脂層の一方の面に接着樹脂層を有する樹脂積層体の製造方法であって、上記フッ素樹脂層の上記一方の面に電子線硬化性樹脂組成物を塗布する塗布工程と、上記フッ素樹脂層の上記電子線硬化性樹脂組成物が塗布された面側から電子線を照射し、上記電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて上記接着樹脂層を形成する照射工程と、を有することを特徴とする樹脂積層体の製造方法を提供する。
本発明によれば、照射工程において電子線硬化性樹脂組成物の塗布層を介してフッ素樹脂層に電子線を照射することで、電子線硬化性樹脂組成物の硬化により接着樹脂層が形成されるのと同時に、フッ素樹脂層内にラジカル等の反応活性種が生じ、上記反応活性種と電子線硬化性樹脂組成物内の重合性官能基とが反応することで、フッ素樹脂層と接着樹脂層との間に架橋結合が形成される。これにより、接着樹脂層およびフッ素樹脂層間の層間接着強度を向上させることができる。
上記発明においては、上記フッ素樹脂層が、ポリテトラフルオロエチレンまたはポリクロロトリフルオロエチレンにより形成されたものであることが好ましい。PTFEまたはPCTFEに電子線を照射すると、分子内において発生する反応活性種により分子鎖の切断が促進され、分子鎖の切断部分と電離線硬化性樹脂との反応により架橋結合が形成されるため、フッ素樹脂層と接着樹脂層との層間接着強度をより向上させることができるからである。
上記発明の場合、上記照射工程により照射される電子線の照射線量が5MGy以上20MGy未満の範囲内であることが好ましい。フッ素樹脂層への過剰な電子線照射を抑制しつつ、フッ素樹脂の分子内における分子鎖の切断を促進させることができ、PTFEまたはPCTFEにより形成されたフッ素樹脂層と接着樹脂層との層間接着強度をより向上させることができるからである。
上記発明においては、上記照射工程後に、上記接着樹脂層上に機能層を形成する機能層形成工程を有することが好ましい。機能層に対するフッ素樹脂層の接着性を向上させることができ、機能層の種類に応じて樹脂積層体に所望の機能を付加することができるからである。
また、本発明は、フッ素樹脂層の一方の面に接着樹脂層を有する樹脂積層体であって、上記フッ素樹脂層が、ポリテトラフルオロエチレンまたはポリクロロトリフルオロエチレンにより形成されたものであり、上記接着樹脂層は電離放射線硬化性樹脂を含むことを特徴とする樹脂積層体を提供する。
本発明によれば、PTFEまたはPCTFEにより形成されたフッ素樹脂層上に、電離放射線硬化性樹脂を含む接着樹脂層が形成されていることから、上記接着樹脂層および上記フッ素樹脂層の層間接着強度が向上し、上記フッ素樹脂層の剥離を防止することができる。
上記発明においては、上記フッ素樹脂層と上記接着樹脂層との層間接着強度が200gf/cm以上であることが好ましい。フッ素樹脂層および接着樹脂層の層間において剥離が生じにくくなるからである。
上記発明においては、上記接着樹脂層上に機能層を有することが好ましい。機能層に対するフッ素樹脂層の接着性が向上し、機能層の種類に応じて樹脂積層体に所望の機能を付加することができるからである。
本発明においては、フッ素樹脂層の接着性を向上させることが可能であるという効果を奏する。
本発明の樹脂積層体の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明における樹脂積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明の樹脂積層体の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の樹脂積層体の製造方法および樹脂積層体について詳細に説明する。
A.樹脂積層体の製造方法
まず、本発明の樹脂積層体の製造方法について説明する。本発明の樹脂積層体の製造方法は、フッ素樹脂層の一方の面に接着樹脂層を有する樹脂積層体の製造方法であって、上記フッ素樹脂層の上記一方の面に電子線硬化性樹脂組成物を塗布する塗布工程と、上記フッ素樹脂層の上記電子線硬化性樹脂組成物が塗布された面側から電子線を照射し、上記電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて上記接着樹脂層を形成する照射工程と、を有することを特徴とする。
本発明の樹脂積層体の製造方法について、図を参照して説明する。図1は本発明の樹脂積層体の製造方法の一例を示す工程図である。
まず、フッ素樹脂層1を準備し(図1(a))、フッ素樹脂層1の一方の面に電子線硬化性樹脂組成物2Aを塗布する(図1(b))。続いて、フッ素樹脂層1の電子線硬化性樹脂組成物2Aが塗布された面側から電子線Xを照射し(図1(c))、フッ素樹脂層1上の電子線硬化性樹脂組成物2Aを硬化して接着樹脂層2を形成する(図1(d))。このとき電子線Xがフッ素樹脂層1に到達することにより、接着樹脂層2が形成されるのと同時に、フッ素樹脂層1と接着樹脂層2との層間には架橋結合が形成され、目的とする樹脂積層体10が得られる。
なお、図1(b)が塗布工程、図1(c)、(d)が照射工程である。
本発明によれば、照射工程にて、電子線硬化性樹脂組成物の塗布層を介してフッ素樹脂層に電子線が照射されることで、電子線硬化性樹脂組成物の硬化による接着樹脂層の形成と同時に、接着樹脂層に対するフッ素樹脂層の接着性を向上させることが可能である。
すなわち、フッ素樹脂層の表面に塗布した電子線硬化性樹脂組成物を電子線の照射により硬化させる際に、フッ素樹脂層にも電子線が照射されることで、フッ素樹脂の分子内にラジカル等の反応活性種が発生する。このときフッ素樹脂層と電子線硬化性樹脂組成物の塗布層との界面では、上記反応活性種と電子線硬化性樹脂組成物に含まれる重合性官能基との反応により架橋結合が形成される。これにより、フッ素樹脂層および接着樹脂層間の層間接着強度が向上し、フッ素樹脂層の接着性の向上を図ることが可能となるのである。
なお、フッ素樹脂層の接着性を向上させる方法として、フッ素樹脂層上に感圧接着層を形成する方法も想定される。しかし、フッ素樹脂層および感圧接着層間に所望の層間接着強度を得るためには、感圧接着層を厚膜にする必要があるところ、感圧接着層は劣化や凝集破壊が生じやすく、また、膜厚が大きくなると端面にタックが生じやすくなるため、加工や製品に不具合を生じる場合がある。中でも、接着性の劣るフッ素樹脂をフッ素樹脂層として用いる場合は、層間接着強度を向上させるために感圧接着層の膜厚をさらに大きくする必要があることから、上述の不具合が生じやすくなる。
これに対し、本発明によれば、フッ素樹脂層および接着樹脂層間で形成される架橋結合により、接着樹脂層の膜厚が小さくても所望の層間接着強度を得ることが可能となるという特長を有する。また、後述する理由により、PTFE、PCTFE等の接着性の劣るフッ素樹脂層に対しても、接着樹脂層の膜厚を小さくしてフッ素樹脂層の接着性を向上させることが可能であるため、得られる樹脂積層体において上述の不具合が生じにくいという特長を有する。
以下、本発明の樹脂積層体の製造方法の各工程について説明する。
1.塗布工程
本発明の塗布工程は、フッ素樹脂層の一方の面に電子線硬化性樹脂組成物を塗布する工程である。
(1)フッ素樹脂層
本発明におけるフッ素樹脂層としては、本発明により得られる樹脂積層体の用途に適した表面滑性、絶縁性、ガスバリア性、耐薬品性、その他の種々の性質を示すものであればよい。このようなフッ素樹脂層としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体からなるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレンまたはプロピレンとの共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体(ECTFE)、パーフルオロエチレンプロピレン共重合(PFEP)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等のフッ素樹脂の1種またはそれ以上から形成されたフィルム、シートを使用することができる。
中でも本発明においては、上記フッ素樹脂層が、電子線照射によりフッ素樹脂の分子内において生じた反応活性種により、分子鎖の切断が分子内の架橋形成よりも優先的に起こるフッ素樹脂から形成されるもの、すなわち電子線崩壊性のフッ素樹脂から形成される層であることが好ましい。その理由については以下の通りである。
本発明者らが電子線照射によるフッ素樹脂層および樹脂接着層間の接着性について鋭意検討を行った結果、電子線崩壊性のフッ素樹脂においては、電子線硬化性樹脂組成物の塗布側から電子線を照射することにより、フッ素樹脂内に生じた反応活性種による架橋以外に、分子鎖の切断部分と電子線硬化性樹脂との反応によっても架橋結合が形成されることを知得した。このため、電子線崩壊性のフッ素樹脂から形成されるフッ素樹脂層を用いることで、接着樹脂層との層間に架橋結合が多く形成されることとなり、層間接着強度をより向上させることが可能であるからである。
電子線崩壊性のフッ素樹脂としては、例えばPTFE、PCTFE、PFA、PFEP等が挙げられる。中でも、本発明においてはフッ素樹脂層がPTFEまたはPCTFEにより形成されたものであることが好ましい。PTFEまたはPCTFEは電子線崩壊性でありフッ素樹脂の中でも特に接着性に劣ることから、本発明の製造方法を用いることによる効果をより奏することができるからである。
上記フッ素樹脂層は、接着性改善のために表面に任意の層を有していてもよい。任意の層としては、例えば、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、蒸着アンカーコート剤層等が挙げられる。これらの任意の層は、フッ素樹脂層の一方の面に形成することが好ましい。
フッ素樹脂層の膜厚としては、フッ素樹脂の物性を発揮できる大きさであれば特に限定されないが、例えば10μm〜300μmの範囲内が望ましく、中でも30μm〜150μmの範囲内が望ましい。フッ素樹脂層の膜厚が上記範囲よりも小さいと、本発明により得られる樹脂積層体がフッ素樹脂の特性を十分に示すことができない場合があるからである。また、フッ素樹脂の種類によっては、電子線照射によりフッ素樹脂層が劣化して、耐熱性、絶縁性、難燃性、耐候性、防湿性等の物性が、使用するフッ素樹脂から想定される物性よりも低下する場合があるからである。一方、上記範囲よりも大きいと、フッ素樹脂の使用量が増加するため製造コストが高くなるからである。
なお、フッ素樹脂層の膜厚は、例えば(株)ミツトヨ製 デジマティックマイクロメータで測定することができる。
フッ素樹脂層の製造方法としては特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削(スカイブ)法、インフレーション法等の成膜方法を用いる方法、2種以上のフッ素樹脂を使用して多層共押し出しにより成膜する方法、2種以上のフッ素樹脂を混合したものを用いて成膜する方法等が挙げられる。また、必要に応じて、上述の方法により製造されたフッ素樹脂層は、テンター方式、チューブラー方式等で1軸または2軸方向に延伸してもよい。
(2)電子線硬化性樹脂組成物
本工程において使用される電子線硬化性樹脂組成物は、電子線照射により硬化して、接着樹脂層を形成するものであり、分子中にラジカル重合性および/またはカチオン重合性結合を有する単量体、低重合度の重合体、反応性重合体を適宜混合したものである。
電子線硬化性樹脂としては、一般に使用されるものを用いることができるが、中でも電子線照射により硬化して得られる接着樹脂層がフッ素樹脂層と同程度の弾性および伸び特性を有するものであることが好ましい。また、後述するように接着樹脂層の上にさらに機能層が形成される場合は、機能層との接着性や追従性が良好なものが好ましい。
このような電子線硬化性樹脂としては、電子線照射を受けた際に直接、重合や二量化等の反応を起こす重合性官能基を有するモノマー、ダイマー、オリゴマーおよびポリマーを用いることができる。例えば、アクリル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合性のモノマーやオリゴマーを挙げることができる。
重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味し、他の類似するものも同様の意である。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、上記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N−アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系などが挙げられる。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えばポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、電子線硬化性樹脂として、エチレン性不飽和結合を有するポリマーを用いることもできる。上記ポリマーは、一分子内にエチレン性不飽和結合と共に付加又は縮合反応を起こし得る極性基を有するモノマーまたはオリゴマーをラジカル(共)重合させて中間体ポリマーを合成した後、一分子内にエチレン性不飽和結合と共に、中間体ポリマーの極性基と反応し得る官能基を有する化合物を反応させることによって得られる。そのようなラジカル重合性基と極性基を有するモノマーまたはオリゴマーとしては、エポキシ(メタ)アクリレート類、グリシジル(メタ)アクリレート類、グリセロールモノ(メタ)アクリレート類、グリセロールジ(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びそのカプロラクトン変性品、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びそのカプロラクトン変性品、リン酸(メタ)アクリレート類、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート類、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート類、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体の(メタ)アクリレート類、コハク酸アクリレート類、アクリルアミド等を例示することができる。また、中間体ポリマーにエチレン性不飽和結合のペンダント構造を導入するために用いる化合物としては、エチレン性不飽和結合と共に極性基を有するモノマーまたはオリゴマーの中から、中間体ポリマーの極性基と反応可能なものを選択し用いることができる。
中でも本発明においては、電子線硬化性樹脂として、ポリエステル系ポリオールを主原料とした多官能のウレタンアクリレート化合物(オリゴマー)を用いることが好ましい。上述のウレタンアクリレート化合物は、フッ素樹脂と複数個所で架橋した上、その後の熱・加工伸縮応力に対し柔軟に追随する高い引張り伸度を有するからである。
電子線硬化性樹脂組成物は、得られる接着樹脂層の物性に応じて任意の添加剤を配合することができる。任意の添加剤としては、例えば、光安定剤や熱安定剤等の耐候性改善剤、消泡剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、可塑剤、界面活性剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、色素、体質顔料、光拡散剤、カップリング剤等を挙げることができる。
なお、電子線照射により硬化するものであることから、本発明における電子線硬化性樹脂組成物には重合開始剤は含まれない。
電子線硬化性樹脂組成物は、低分子材料を含まないことが好ましい。本発明により得られる樹脂積層体を食品や薬剤等を内包する食品用資材、医療資材として用いる際に、接着樹脂層から低分子材料が溶出し、内包物の安全性が損なわれる可能性があるからである。
ここで、低分子材料とは、未反応のモノマーやオリゴマー、各種溶剤、紫外線重合開始剤のような光崩壊ラジカル発生材料、フタル酸エステル類等の可塑剤、添加剤等のことをいい、分子量が 1000以下である材料をいう。
本発明において、「電子線硬化性樹脂組成物が低分子材料を含まない」とは、低分子材料を実質的に含まないことをいい、不純物としての低分子材料が含まれる場合は除かれるものとする。具体的には、「電子線硬化性樹脂組成物が低分子材料を含まない」とは、電子線硬化性樹脂組成物の全体量中に含有される低分子材料の割合が0.5質量%以下、好ましくは0.05質量%以下であることをいう。
(3)塗布方法
本工程において、フッ素樹脂層の一方の面に電子線硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては、所望の膜厚の塗布層を形成することが可能であれば特に限定されず、電子線硬化性樹脂組成物の材料に応じて適宜選択される。塗布方法としては、例えば、スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースロールコート法、コンマコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法等の公知の方式が挙げられる。
なお、上記電子線硬化性樹脂組成物は、溶剤を用いずに上述の方法を用いてフッ素樹脂層上に直接塗布される。
本工程において形成される塗布層の膜厚としては、照射工程において照射される電子線がフッ素樹脂層に到達可能な大きさであることが好ましく、電子線の照射条件、電子線の減衰傾向等に応じて適宜選択されるが、例えば、2μm〜50μmの範囲内が好ましく、中でも5μm〜25μmの範囲内が好ましい。塗布層の膜厚が上記範囲よりも大きいと、上記塗布層の透過中に電子線のエネルギーが十分に減衰されてしまい、電子線がフッ素樹脂層に到達できない、または到達できても電子線のエネルギーが小さく、塗布層とフッ素樹脂層との間に架橋結合が形成されない場合があるからである。一方、塗布層の膜厚が上記範囲よりも小さいと、接着層としての機能を果たせない場合があるからである。
2.照射工程
本発明における照射工程は、上記フッ素樹脂層の上記電子線硬化性樹脂組成物が塗布された面側から電子線を照射し、上記電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて上記接着樹脂層を形成する工程である。
本工程において使用される電子線の照射条件としては、電子線硬化性樹脂組成物の塗布層を介してフッ素樹脂層にも電子線を照射させることができ、フッ素樹脂層と電子線硬化性樹脂組成物の塗布層との間に架橋結合を形成することが可能な条件であればよく、電子線硬化性樹脂組成物の種類、塗布層の膜厚等により適宜設定することができる。
電子線源としては特に限定されないが、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
電子線の照射線量としては、電子線硬化性樹脂組成物の塗布層内において十分な架橋が得られる量であり、且つ、フッ素樹脂層にも電子線を照射させることができ、フッ素樹脂層と上記塗布層との界面にて架橋結合の形成が可能な量であればよく、上記塗布層の膜厚、フッ素樹脂の種類に応じて適宜設定することができる。具体的には、電子線の照射線量は、5MGy以上20MGy未満が好ましく、特に9MGy〜16MGyの範囲内が好ましい。
電子線の照射線量を上記範囲内とすることで、フッ素樹脂層への過剰な電子線照射を抑制しつつ、フッ素樹脂層と接着樹脂層との間に架橋結合を形成させることが可能だからである。また、フッ素樹脂層が電子線崩壊性のフッ素樹脂から形成されたものである場合、上記照射線量とすることで、上記フッ素樹脂の分子内において反応活性種による分子鎖の切断を促進させ、分子鎖の切断箇所と電子線硬化性樹脂組成物に含まれる重合性官能基との反応により架橋結合を形成させることができ、接着樹脂層およびフッ素樹脂層間の層間接着強度をより向上させることが可能となるからである。
なお、電子線の照射線量が上記範囲よりも小さいと、フッ素樹脂の分子内に発生する反応活性種の数が減少する、電子線崩壊性のフッ素樹脂内において分子鎖の切断が促進されない等の理由から、フッ素樹脂層および接着樹脂層間に形成される架橋結合の割合が減少し、層間接着強度が十分に得られない場合がある。一方、電子線の照射線量が上記範囲よりも大きいと、高エネルギーの電子線がフッ素樹脂層に照射されることとなり、フッ素樹脂の種類によっては劣化が生じる場合があるからである。
また、電子線照射の際の加速電圧については、電子線硬化性樹脂組成物の塗布層の膜厚、フッ素樹脂層内での電子線の透過深度、電子線硬化性樹脂組成物やフッ素樹脂の種類に応じて適宜設定することができる。
ここで、加速電圧が高いほど電子線の透過能力が増加することから、照射した電子線が電子線硬化性樹脂組成物の塗布層内を透過して、塗布層およびフッ素樹脂層との界面に到達したときの電子線の減衰率が5%以上60%以下となるように、加速電圧に設定することが好ましい。具体的には、加速電圧が50kV〜400kVの範囲内、中でも100kV〜250kVの範囲内が好ましい。これにより、フッ素樹脂層内にも電子線が透過することとなり、フッ素樹脂の分子内に反応活性種を発生させることができ、また、フッ素樹脂層が電子線崩壊性のフッ素樹脂から成る場合では、フッ素樹脂の分子内において反応活性種による分子鎖の切断を促進させることができるからである。
なお、電子線の照射回数は1回でもよく複数回行ってもよい。電子線を複数回照射する場合、照射される電子線の照射線量の総和が上述の規定範囲内となればよい。
電子線の照射環境下の酸素濃度は100ppm以下とすることが好ましい。酸素存在下で電子線を照射するとオゾンが発生するため装置や環境に悪影響を及ぼす場合があるからである。
なお、酸素濃度を100ppm以下とするには、真空下または窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下において電子線照射を行えばよく、例えば、電子線照射装置内を窒素充填することにより、酸素濃度100ppm以下を達成することができる。
本工程において、電子線はフッ素樹脂層の電子線硬化性樹脂組成物が塗布された面側から照射される。フッ素樹脂層の電子線硬化性樹脂組成物が塗布されていない面側から電子線を照射すると、高エネルギーの電子線がフッ素樹脂層に照射されることとなり、フッ素樹脂の種類によっては劣化が生じる場合がある。
本工程において形成される接着樹脂層は、電子線硬化性樹脂組成物の塗布層が硬化されて成るものであり、その接着力については、本発明により得られる樹脂積層体の用途に応じて適宜設計することができる。
接着樹脂層の膜厚については、上述した電子線硬化性樹脂組成物の塗布層の膜厚と同様である。
3.任意工程
本発明においては、塗布工程および照射工程によりフッ素樹脂層の一方の面に接着樹脂層を形成した後、上記フッ素樹脂層の接着樹脂層が形成されていない面に対して同様に塗布工程および照射工程を行ってもよい。これにより、図2で例示するように、フッ素樹脂層1の両面に接着樹脂層2を有する樹脂積層体を形成することができるからである。
本発明は、上述の工程の他、必要に応じて任意の工程を有することができる。以下、本発明において想定される任意工程について説明する。
(1)機能層形成工程
本発明は、上記照射工程後に、上記接着樹脂層上に機能層を形成する機能層形成工程を有することが好ましい。機能層との接着、複合、同時成型を行うことで、機能層に対するフッ素樹脂層の接着性を向上させることができ、機能層の種類に応じて得られる樹脂積層体に所望の機能を付加することができるからである。
ここで、機能層とは、本発明により得られる樹脂積層体に対し、所望の機能を付与することが可能なものであればよく、機能層の材料に応じて適宜設計される。所望の機能とは、例えば自己支持性、成型性、接着性付与機能、熱可塑性、伸縮性等が挙げられる。
なお、接着性付与機能とは、接着樹脂層よりも強い接着性を示す機能層を設けることにより、本発明により得られる樹脂積層体全体の接着性をさらに向上させる機能をいう。
これらの機能を付与することが可能な機能層としては、例えば、熱可塑性樹脂層、ゴム基材層、紙、金属、グラファイト繊維、セラミック等が挙げられる。
機能層の膜厚としては、所望の機能を発揮することが可能な大きさであれば特に限定されず、機能層の種類に応じて適宜設計することができる。
以下、機能層のうち、熱可塑性樹脂層およびゴム基材層について説明する。
(a)熱可塑性樹脂層
熱可塑性樹脂層としては、上述した所望の機能を付与することが可能なものであればよく、透明性はあってもなくてもよい。
熱可塑性樹脂層の材料としては、特に限定されず、付与する機能に応じて適宜選択される。例えばポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン共重合体樹脂、塩化酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)、アイオノマー樹脂、オレフィン−αオレフィン共重合体樹脂等を用いることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
熱可塑性樹脂層の形成方法としては、接着樹脂層上に形成可能な方法であれば特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂を接着樹脂層上に押出してコーティングする押出法、接着樹脂層と支持基材層との層間に、溶融した熱可塑性樹脂を流して熱可塑性樹脂を形成するサンドイッチラミネート法等が挙げられる。
(b)ゴム基材層
ゴム基材層としては、上述した所望の機能を付与することが可能なものであればよく、例えば、任意の合成ゴムや天然ゴムを主原料とし、これに必要に応じて任意の配合剤を混練して得られるゴム樹脂組成物を、公知の成形方法によって、シート状、ゴム栓状等の任意の形状に成形されたものが挙げられる。
上記ゴム基材層の主原料となる合成ゴムとしては、例えば、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、ジビニルベンゼン共重合ブチルゴムなどのブチル系ゴム、イソプレンゴム、イソプレン−イソブチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム等の樹脂が挙げられる。
上記接着樹脂層上にゴム基材層を形成する方法としては、特に限定されないが、例えばフッ素樹脂層の一方の面に形成された接着樹脂層上にゴム基材層を重ね合わせ、加熱圧着する方法が挙げられる。また、ゴム基材層として未加硫のゴムシートを用い、フッ素樹脂層の一方の面に形成された接着樹脂層上にゴム基材層を重ね合わせ、金型内に配置して加硫成形し、同時に加熱圧着ラミネートする方法が挙げられる。このとき得られる樹脂積層体は、ゴム基材層を備えた層状のものであってもよく、接着樹脂層を介してゴム成型体の表面にフッ素樹脂層が被覆された成型体状のものであってもよい。
本工程における加硫条件、加熱圧着条件等については、使用するゴム基材層の種類や加硫状態、フッ素系脂フィルムの融点、厚さ等に応じて適宜に設定することができ、例えば、特開2013−107961号公報に開示される条件とすることができる。
(2)表面処理工程
本発明は、上記塗布工程の前に上記フッ素樹脂層の表面を粗面とする表面処理工程を有することが好ましい。フッ素樹脂層の表面を粗面とすることで、電子線硬化性樹脂組成物との接触面積が増加し、フッ素樹脂層および接着樹脂層の層間により多くの架橋結合を形成させることができるため、層間接着強度をより向上させることが可能となるからである。
本工程における表面処理方法としては、フッ素樹脂層の表面に凹凸を付して粗面とすることが可能な方法であれば特に限定されないが、金属ナトリウム含有の表面改質剤を用いる方法ではフッ素樹脂層の変色や透明性が低下する場合があることから、表面処理によりフッ素樹脂層の変色や透明性の低下が生じない方法であることが好ましい。
このような表面処理方法としては、物理的処理であってもよく、機械的処理であってもよく、適宜選択が可能である。物理的処理としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、真空プラズマ処理、オゾン処理、紫外線処理、電子線照射、火炎処理、スパッタリング等が挙げられる。また、機械的処理としては、例えばラビング処理等が挙げられる。
表面処理後のフッ素樹脂層の表面粗度については、特に限定されず、フッ素樹脂の種類、接着性等に応じて適宜設計することができる。
4.樹脂積層体
本発明により得られる樹脂積層体は、フッ素樹脂層の一方の面に接着樹脂層を有するものである。
上記樹脂積層体は、フッ素樹脂層と接着樹脂層との層間接着強度が高いことが好ましく、具体的には200gf/cm以上、中でも300gf/cm以上、特に400gf/cm以上であることが好ましい。フッ素樹脂層と接着樹脂層との層間接着強度が上記範囲よりも小さいと、フッ素樹脂層と接着樹脂層との間で剥離が生じやすくなるからである。
なお、上記層間接着強度は、JIS−K−6854−3 1999(T型剥離試験法)に準じて測定される値であり、テンシロン(オリエンテック社製引張試験機 RTA−250)を用い、標準ロードセルで20%加重しながら毎分100mmの速度で剥離し、試験片の剥離開始側端部からT型剥離強度が安定する上記試験片の長さ方向30mm長の位置における剥離強度の平均値を層間接着強度とする。
また、本発明により得られる樹脂積層体は、実質的に低分子材料を含まないことが好ましい。その理由および低分子材料についての詳細は、上述した「1.塗布工程 (2)電子線硬化性樹脂組成物」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。なお、低分子材料には、「1.塗布工程 (2)電子線硬化性樹脂組成物」の項で挙げた材料の他、接着樹脂層内の未硬化反応材料、フッ素樹脂層内の分解未反応材料等も含まれる。
ここで、樹脂積層体が実質的に低分子材料を含まないとは、具体的には、接着樹脂層1cmあたりから溶出される低分子材料の溶出量が5mg/cm以下、好ましくは0.5mg/cm以下であることをいう。
なお、低分子材料の溶出量は、プラスチック食品容器や医薬品容器、医療器具の溶出物試験法(日本薬局方プラスチック製医薬品容器試験法)により測定される。
本発明により得られる樹脂積層体は、図1(d)で示すようにフッ素樹脂層1の片面に接着樹脂層2を有するものであってもよく、図2で示すようにフッ素樹脂層1の両面に接着樹脂層2が形成されたものであってもよい。
また、接着樹脂層上に形成される任意の層は、単層であってもよく、複数種類の任意の層が積層されていてもよい。
B.樹脂積層体
次に、本発明の樹脂積層体について説明する。本発明の樹脂積層体は、フッ素樹脂層の一方の面に接着樹脂層を有する樹脂積層体であって、上記フッ素樹脂層が、PTFEまたはPCTFEにより形成されたものであり、上記接着樹脂層は電離放射線硬化性樹脂を含むことを特徴とするものである。
本発明の樹脂積層体について、図を参照して説明する。図3は本発明の樹脂積層体の一例を示す概略断面図である。樹脂積層体10は、PTFEまたはPCTFEにより形成されたフッ素樹脂層1の一方の面に、電離放射線硬化性樹脂を含む接着樹脂層2を有するものである。
本発明によれば、電離放射線硬化性樹脂を含む接着樹脂層がPTFEまたはPCTFEにより形成されたフッ素樹脂層上に形成されていることから、上記接着樹脂層および上記フッ素樹脂層の層間接着強度が向上し、上記フッ素樹脂層の剥離を防止することができる。
以下、本発明の樹脂積層体の各構成について説明する。
1.フッ素樹脂層
本発明におけるフッ素樹脂層は、PTFEまたはPCTFEにより形成されたものである。
なお、上記フッ素樹脂層のその他の詳細については、「A.樹脂積層体の製造方法」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.接着樹脂層
本発明における接着樹脂層は、フッ素樹脂層の一方の面に有するものであり、電離放射線硬化性樹脂を含むものである。
本発明において、接着樹脂層に含まれる電離放射線硬化性樹脂は、接着樹脂層とフッ素樹脂層との層間接着強度が後述する範囲内を示すものであればよく、例えば電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。中でも電子線硬化性樹脂であることが好ましい。
なお、電子線硬化性樹脂の組成、および接着樹脂層のその他の詳細については、「A.樹脂積層体の製造方法」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.任意の層
本発明の樹脂積層体は、接着樹脂層上に機能層を有していてもよい。接着樹脂層上に機能層を有することが好ましい理由、ならびに機能層の詳細については、「A.樹脂積層体の製造方法」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
4.その他
本発明においては、フッ素樹脂層と上記接着樹脂層との層間接着強度が200gf/cm以上であることが好ましい。その理由等については、「A.樹脂積層体の製造方法」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、電子線硬化性樹脂により形成された接着樹脂層とPTFEまたはPCTFEにより形成されたフッ素樹脂層との層間接着強度が上記範囲内を示すことで、本発明の樹脂積層体が「A.樹脂積層体の製造方法」の項で説明した製造方法により形成されたものであると推量することができる。
本発明の樹脂積層体に関するその他の詳細については、上述の「A.樹脂積層体の製造方法」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明の樹脂積層体の用途としては、特に限定されないが、フッ素樹脂層の示す物性に応じて、産業資材、食品用資材、医療資材として用いることができる。本発明の樹脂積層体は具体的に、飲食品、医薬品、電子部材等の包装材、注射器の滑栓や医薬バイアルの栓等の種々のゴム製品のラミネート材、ディスプレイの表示素子の劣化を抑えるための封止材等の周辺部材として用いることができる。また、本発明の樹脂積層体はドライクリーニング等の耐薬品・耐熱性の必要なIDタグの封止材、放熱・耐熱板、ファン、チラーのボード、パイプ、軸、軸受け等として用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1−1〜1−4]
(塗布工程)
フッ素樹脂層A(PTFEスカイプ製膜フィルム、厚さ50μm、ニチアス社製)の片面に、下記組成から成る電子線硬化性樹脂組成物Dを15g/mの厚さとなるように塗布した。
<電子線硬化性樹脂組成物D>
・紫光UV−3200B(イソホロンジイソシアネートと、ポリエステル系ポリオールおよび3−メチル−1,5ペンタメチレンジオールならびにアジピン酸およびイソフタル酸の反応物と、2−ヒドロキシエチルアクリレートを主原料とする残存イソシアネートを有する硬化時に柔軟性を有する2〜3官能ウレタンアクリレート反応物とを含む。日本合成化学工業社製) … 80質量部
・アクリロイルモルフォリン … 20質量部
(照射工程)
電子線照射装置を用いて、電子線硬化性樹脂組成物Dの塗布面側から表1に示す照射条件A〜Dのいずれかの条件で電子線を照射し、電子線硬化性樹脂組成物Dの塗布層を硬化させて接着樹脂層を形成し、樹脂積層体1−1〜1−4を得た。
Figure 0006680332
[実施例1−5〜1−8]
電子線硬化性樹脂組成物Dに換えて、下記の組成を有する電子線硬化性樹脂組成物Eを用いたこと以外は実施例1−1〜1−4と同様にして樹脂積層体1−5〜1−8を得た。
<電子線硬化性樹脂組成物E>
・紫光UV−3200B(イソホロンジイソシアネートと、ポリエステル系ポリオールおよび3−メチル−1,5ペンタメチレンジオールならびにアジピン酸およびイソフタル酸の反応物と、2−ヒドロキシエチルアクリレートを主原料とする残存イソシアネートを有する硬化時に柔軟性を有する2〜3官能ウレタンアクリレート反応物とを含む。日本合成化学工業社製) … 70質量部
・アクリロイルモルフォリン … 30質量部
[実施例1−9〜1−12]
電子線硬化性樹脂組成物Dに換えて、下記の組成を有する電子線硬化性樹脂組成物Fを用いたこと以外は実施例1−1〜1−4と同様にして樹脂積層体1−9〜1−12を得た。
<電子線硬化性樹脂組成物F>
・紫光UV−3200B(イソホロンジイソシアネートと、ポリエステル系ポリオールおよび3−メチル−1,5ペンタメチレンジオールならびにアジピン酸およびイソフタル酸の反応物と、2−ヒドロキシエチルアクリレートを主原料とする残存イソシアネートを有する硬化時に柔軟性を有する2〜3官能ウレタンアクリレート反応物とを含む。日本合成化学社製) … 80質量部
・フェノキシエチルアクリレート … 20質量部
[実施例2−1〜2−4]
フッ素樹脂層Aに換えてフッ素樹脂層B(PTFEキャスト製膜フィルム、厚さ43μm、中興化成工業社製)を用いたこと以外は実施例1−1〜1−4と同様にして樹脂積層体2−1〜2−4を得た。
[実施例2−5〜2−8]
電子線硬化性樹脂組成物Dに換えて、電子線硬化性樹脂組成物Eを用いたこと以外は実施例2−1〜2−4と同様にして樹脂積層体2−5〜2−8を得た。
[実施例2−9〜2−12]
電子線硬化性樹脂組成物Dに換えて、電子線硬化性樹脂組成物Fを用いたこと以外は実施例2−1〜2−4と同様にして樹脂積層体2−9〜2−12を得た。
[実施例3−1〜3−4]
フッ素樹脂層Aに換えてフッ素樹脂層C(PCTFEキャスト製膜フィルム、厚さ50μm、ダイキン社製)を用いたこと以外は実施例1−1〜1−4と同様にして樹脂積層体3−1〜3−4を得た。
[実施例3−5〜3−8]
電子線硬化性樹脂組成物Dに換えて、電子線硬化性樹脂組成物Eを用いたこと以外は実施例3−1〜3−4と同様にして樹脂積層体3−5〜3−8を得た。
[実施例3−9〜3−12]
電子線硬化性樹脂組成物Dに換えて、電子線硬化性樹脂組成物Fを用いたこと以外は実施例3−1〜3−4と同様にして樹脂積層体3−9〜3−12を得た。
[実施例4−1〜4−4]
(表面処理工程)
塗布工程の前に、フッ素樹脂層Aの片面に対し、13.56MHzの真空プラズマ装置を用いて10−5Torrに減圧し、アルゴンガス雰囲気下で30秒間、エッチング処理を行った。
フッ素樹脂層Aのエッチング面に電子線硬化性樹脂組成物Dを塗布したこと以外は、実施例1−1〜1−4と同様にして樹脂積層体4−1〜4−4を得た。
[実施例4−5〜4−8]
実施例4−1〜4−4と同様に表面処理工程を行ったこと以外は、実施例1−5〜1−8と同様にして樹脂積層体4−5〜4−8を得た。
[実施例4−9〜4−12]
実施例4−1〜4−4と同様に表面処理工程を行ったこと以外は、実施例1−9〜1−12と同様にして樹脂積層体4−9〜4−12を得た。
[実施例5−1〜5−4]
塗布工程の前に、フッ素樹脂層Bの片面に対し、実施例4−1〜4−4と同じ条件で表面処理工程を行ったこと以外は、実施例2−1〜2−4と同様にして樹脂積層体5−1〜5−4を得た。
[実施例5−5〜5−8]
実施例5−1〜5−4と同様に表面処理工程を行ったこと以外は、実施例2−5〜2−8と同様にして樹脂積層体5−5〜5−8を得た。
[実施例5−9〜5−12]
実施例5−1〜5−4と同様に表面処理工程を行ったこと以外は、実施例2−9〜2−12と同様にして樹脂積層体5−9〜5−12を得た。
[実施例6−1〜6−4]
塗布工程の前に、フッ素樹脂層Cの片面に対し、実施例4−1〜4−4と同じ条件で表面処理工程を行ったこと以外は、実施例3−1〜3−4と同様にして樹脂積層体6−1〜6−4を得た。
[実施例6−5〜6−8]
実施例6−1〜6−4と同様に表面処理工程を行ったこと以外は、実施例3−5〜3−8と同様にして樹脂積層体6−5〜6−8を得た。
[実施例6−9〜6−12]
実施例6−1〜6−4と同様に表面処理工程を行ったこと以外は、実施例3−9〜3−12と同様にして樹脂積層体6−9〜6−12を得た。
[比較例1−1]
(表面処理工程)
塗布工程の前に、フッ素樹脂層Aの片面に対し、13.56MHzの真空プラズマ装置を用いて10−5Torrに減圧し、アルゴンガス雰囲気下で30秒間、エッチング処理を行った。
(塗布工程)
電子線硬化性樹脂組成物Dに光重合開始剤(イルガキュア184 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)社製)4質量部を十分に分散および溶解させて紫外線硬化性樹脂組成物Gを調製し、フッ素樹脂層Aのエッチング面に15g/mの厚さとなるように塗布した。
(硬化工程)
紫外線照射装置を用いて、出力80W/cm、高圧水銀UV灯下、積算光量800mJ/cmで、塗布面側から紫外線を照射し、紫外線硬化性樹脂組成物Gの塗布層を硬化させて接着樹脂層を形成し、樹脂積層体7−1を得た。
[比較例1−2]
紫外線硬化性樹脂組成物Gに換えて、電子線硬化性樹脂組成物Eに光重合開始剤(イルガキュア184 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)社製)4質量部を十分に分散および溶解させて調製した紫外線硬化性樹脂組成物Hを用いたこと以外は、比較例1−1と同様にして樹脂積層体7−2を得た。
[比較例1−3]
紫外線硬化性樹脂組成物Gに換えて、電子線硬化性樹脂組成物Fに光重合開始剤(イルガキュア184 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)社製)4質量部を十分に分散および溶解させて調製した紫外線硬化性樹脂組成物Iを用いたこと以外は、比較例1−1と同様にして樹脂積層体7−3を得た。
[比較例2−1]
フッ素樹脂層Aに換えてフッ素樹脂層Bを用いたこと以外は、比較例1−1と同様にして樹脂積層体8−1を得た。
[比較例2−2]
フッ素樹脂層Aに換えてフッ素樹脂層Bを用いたこと以外は、比較例1−2と同様にして樹脂積層体8−2を得た。
[比較例2−3]
フッ素樹脂層Aに換えてフッ素樹脂層Bを用いたこと以外は、比較例1−3と同様にして樹脂積層体8−3を得た。
[比較例3−1]
フッ素樹脂層Aに換えてフッ素樹脂層Cを用いたこと以外は、比較例1−1と同様にして樹脂積層体9−1を得た。
[比較例3−2]
フッ素樹脂層Aに換えてフッ素樹脂層Cを用いたこと以外は、比較例1−2と同様にして樹脂積層体9−2を得た。
[比較例3−3]
フッ素樹脂層Aに換えてフッ素樹脂層Cを用いたこと以外は、比較例1−3と同様にして樹脂積層体9−3を得た。
[評価1]
実施例および比較例の樹脂積層体を15mm巾の短冊状に切断し、接着樹脂層上にガムテープを貼合して補強したサンプルを作製した。各サンプルについて、T型剥離試験を行い、測定されたT型剥離強度をフッ素樹脂層と接着樹脂層との層間接着強度とした。T型剥離試験は、JIS−K−6854−3 1999(T型剥離試験法)に準じて、テンシロン(オリエンテック社製引張試験機RTA−250)を用い、標準ロードセルで20%加重しながら毎分100mmの速度で剥離して行った。剥離強度は、サンプルの剥離開始側に位置するサンプルの端部からT型剥離強度が安定する位置(サンプルの端部から長さ方向30mmの位置)での強度の平均値を記録した。
実施例1(1−1〜1−12)、実施例2(2−1〜2−12)、および実施例3(3−1〜3−12)についての評価結果を表2に、実施例4(4−1〜4−12)、実施例5(5−1〜5−12)、および実施例6(6−1〜6−12)についての評価結果を表3に、比較例1(1−1〜1−3)、比較例2(2−1〜2−3)、および比較例3(3−1〜3−3)についての評価結果を表4に示す。
Figure 0006680332
Figure 0006680332
Figure 0006680332
表2〜表4より、紫外線照射をして樹脂積層体を形成した比較例1〜3の各比較例については、フッ素樹脂層の表面処理を行っても、接着樹脂層とフッ素樹脂層との層間接着強度が電子線照射により樹脂積層体を形成した実施例1〜6の各実施例と比較して低い値を示した。
[実施例7−1]
樹脂積層体1−3の樹脂積層体の接着樹脂層上に、オレフィン系接着性樹脂(モディックP596 三菱化学社製)を押出して熱可塑性樹脂層を形成し、熱可塑性樹脂層上に無延伸PPフィルム(ZK99S 東レ社製)を貼り合せて、樹脂積層体10−1を得た。
[実施例7−2]
樹脂積層体1−3の樹脂積層体に換えて、樹脂積層体1−11を用いたこと以外は、実施例7−1と同様にして樹脂積層体10−2を得た。
[実施例8−1]
樹脂積層体2−3の樹脂積層体の接着樹脂層上に、オレフィン系接着性樹脂(モディックP596 三菱化学社製)を押出して熱可塑性樹脂層を形成し、熱可塑性樹脂層上に無延伸PPフィルム(ZK99S 東レ社製)を貼り合せて、樹脂積層体10−3を得た。
[実施例8−2]
樹脂積層体2−3の樹脂積層体に換えて、樹脂積層体2−11を用いたこと以外は、実施例8−1と同様にして樹脂積層体10−4を得た。
[比較例4]
実施例4において実施した表面処理工程と同条件にて、片面をエッチングしたフッ素樹脂層Aのエッチング面に、オレフィン系接着性樹脂(モディックP596 三菱化学社製)を押出して熱可塑性樹脂層を形成し、熱可塑性樹脂層上に無延伸PPフィルム(ZK99S 東レ社製)を貼り合せて、樹脂積層体10−5を得た。
[比較例5]
実施例5において実施した表面処理工程と同条件にて、片面をエッチングしたフッ素樹脂層Bのエッチング面に、比較例4と同様にして熱可塑性樹脂層を形成し、熱可塑性樹脂層上に無延伸PPフィルム(ZK99S 東レ社製)を貼り合せて、樹脂積層体10−6を得た。
[評価2]
実施例7−1〜7−2、および実施例8−1〜8−2で得られた樹脂積層体では、フッ素樹脂層、接着樹脂層、熱硬化性樹脂層および無延伸PPフィルムの各層間において剥離が生じなかった。一方、比較例4〜5で得られた樹脂積層体では、フッ素樹脂層と熱可塑性樹脂層間で剥離が生じた。
1 … フッ素樹脂層
2 … 接着樹脂層
2A … 電子線硬化性樹脂組成物
10 … 樹脂積層体

Claims (3)

  1. フッ素樹脂層の一方の面に接着樹脂層を有する樹脂積層体であって、
    前記フッ素樹脂層が、電子線崩壊性のフッ素樹脂により形成されたものであり、前記電子線崩壊性のフッ素樹脂が、テトラフルオロエチレンの単独重合体であるポリテトラフルオロエチレンまたはクロロトリフルオロエチレンの単独重合体であるポリクロロトリフルオロエチレンであり、
    前記接着樹脂層は電子線硬化性樹脂を含み、重合性開始剤もしくはその残渣を含まないことを特徴とする樹脂積層体。
  2. 前記フッ素樹脂層と前記接着樹脂層との層間接着強度が200gf/cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂積層体。
  3. 前記接着樹脂層上に機能層を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂積層体。
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