JP3755851B2 - 複合ゴムフィルムおよびその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複合ゴムフィルムおよびその製造法に関し、より詳しくはゴムフィルムと合成樹脂製の基材フィルムとの積層体からなり、その層間剥離強度が優れ、各種分野のシール材やクッション材として使用可能な複合ゴムフィルムを提供する。
【0002】
【従来の技術】
ゴムフィルムは、優れたクッション性を有しているため、産業上の広い分野でシール材やクッション材等に使用されている。しかし、ゴムフィルムは柔軟であるため、装置や部品に組み込む場合の作業性に劣っていた。一方、合成樹脂フィルム、例えばオレフィン系樹脂、ガラス転移点70℃以上のエンジニアリングプラスチックまたはフッ素系樹脂からなるフィルムは、ゴムフィルムに比べて硬く、寸法安定性が良好で、装置や部品に組み込む場合の作業性に優れており、かつ滑り性が良好であるため、広い分野で利用されている。しかし、これらの合成樹脂フィルムは、弾力性やシール性が低いため、シール材やクッション材としては不適当であった。
【0003】
したがって、ゴムフィルムと合成樹脂フィルムとを複合することによって、両者の欠点を補い、シール材やクッション材として使用でき、しかも作業性に優れた素材が得られる。しかしながら、ゴムフィルムは合成樹脂フィルムとの接着性に劣るため、両者を複合するには高価な接着剤や粘着剤を必要とし、またその接着力も充分でないため、高度な接着性が要求される分野へは適用できなかった。また、接着剤や粘着剤を用いることは、その耐熱性が問題になり、また貼合わせのための工数や厚みが増加したりする等の問題があり、適用範囲が限定されていた。
【0004】
なお、シリコーンゴムの他の素材に対する接着性を向上する手段として、シリコーンゴムにアリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレートを配合すること(特開昭54−162751号公報参照)、ヘキサビニルジシロキサン、ジメチルテトラビニルジシロキサン等のオルガノシロキサンを配合すること(特公平3−111452号公報参照)、アルケニルカーボネート基含有化合物およびメルカプトアセテート基含有化合物のいずれか一方または両者を配合すること(特開平8−120177号公報参照)等が知られているが、これらの方法を他のゴムフィルムと合成樹脂フィルムとの複合に適用しても、接着性の向上効果はなく、実用的でなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、オレフィン系樹脂、ガラス転移点70℃以上のエンジニアリングプラスチックまたはフッ素系樹脂からなる合成樹脂フィルムを基材フィルムとし、その表面に任意のゴムフィルムを接着剤や粘着剤によらずに直接一体化した複合ゴムフィルムであって、基材フィルムおよびゴムフィルム間の接着性に優れ、シール材やクッション材として利用でき、かつ前記の組み込み作業性に優れた複合ゴムフィルムおよびその製造法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の複合ゴムフィルムは、基材フィルムの少なくとも片面にゴムフィルムを積層してなる複合ゴムフィルムにおいて、上記の基材フィルムとゴムフィルムとが架橋により結合し、その層間剥離強度が4N/20mm以上であることを特徴とする。なお、上記の層間剥離強度は、ゴムフィルムと基材フィルムの界面にナイフを入れ、その部分をトルエンに浸漬して界面剥離を発生させ、JIS K6854に準じてT型剥離法で測定される。
【0007】
ただし、上記の層間剥離強度は、ゴムフィルムを構成するゴム組成物に接着性改良剤としてラジカル反応に対して活性な官能基を含む化合物である多価アルコールのアクリル酸エステルおよび多価アルコールのメタクリル酸エステルの少なくとも一方を配合し、その種類や配合量を選択することにより、かつ上記のゴムフィルムを電子線で架橋し、また基材フィルムに対する活性線処理や易接着層の積層等を付加することにより、4N/20mm以上、好ましくは6N/20mm以上、特に好ましくは8N/20mm以上、最も好ましくは10N/20mm以上に設定される。10N/20mm以上に設定された場合は、両フィルムの界面にナイフで切り込みを入れ、その部分に指で応力を加えても剥離が起きない。
【0008】
したがって、この発明の複合ゴムフィルムは、基材フィルムとゴムフィルムの界面で容易に剥離することがなく、ゴムフィルム層を備えることによりシール材やクッション材として利用でき、また基材フィルム層を備えることにより、取扱が容易となって前記の組み込み作業性に優れ、しかも接着剤を有しないため、その塗布工程が不要であり、接着剤層による厚みの増大がない。
【0009】
基材フィルムとしては、請求項1記載のオレフィン系樹脂からなるフィルム、請求項2記載のガラス転移点70℃以上のエンジニアリングプラスチックからなるフィルム、および請求項3記載のフッ素系樹脂からなるフィルムをそれぞれ用いることができる。
【0010】
また、この発明の複合フィルムの製造法は、請求項4に記載のごとく、前記した基材フィルムの少なくとも片面に、接着性改良剤が配合された未架橋のゴム組成物をフィルム状に積層し、次いで電子線照射による架橋処理をすることを特徴とする。上記の接着性改良剤としては、前記のとおり、多価アルコールのアクリル酸エステルおよび多価アルコールのメタクリル酸エステルの少なくとも一方が用いられる。
【0011】
第一の基材フィルムを構成するオレフィン系樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリヘキセン、ポリメチルペンテン等の単独重合体およびこれらの共重合体のいずれでもよい。なお、50モル%以下であれば、オレフィン系以外のモノマー、例えば酢酸ビニルやビニルアルコール等を共重合したものであってもよい。そして、基材フィルムは、延伸フィルムおよび未延伸フィルムのいずれでもよい。また、その製造方法も何ら制限されない。
【0012】
このオレフィン系樹脂からなるフィルムを基材フィルムとしてゴムフィルムと複合することにより、寸法安定性や滑り性が向上するが、特に炭素数2〜4のポリオレフィンおよびその共重合体を用いた場合は熱接着性が良好になり、また超高分子量ポリエチレンを用いた場合は摺動性が良好になる。また、ポリメチルペンテンを用いた場合は離型性が、またビニルアルコール共重合体を用いた場合はガスバリヤ性がそれぞれ良好になる。
【0013】
第二の基材フィルムを構成するエンジニアリングプラスチックは、ガラス転移点が70℃以上のものであればよく、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドエステル、アラミド、全芳香族ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルホン等が例示される。なお、これらの樹脂は共重合体であってもよい。そして、基材フィルムは、単層または複層のいずれでもよく、複層の場合は他の樹脂からなる層を含ませることができる。また、延伸フィルムまたは未延伸フィルムのいずれでもよい。また、製造方法も任意である。
【0014】
このエンジニアリングプラスチックからなる基材フィルムをゴムフィルムと複合することにより、寸法安定性が向上すると共に、耐熱性および耐薬品性が向上する。
【0015】
第三の基材フィルムを構成するフッ素系樹脂は、フッ素を含むモノマーの重合体であればよく、ポリテトラフルオロエチレン(PYFE)、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロエチレンとの共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレンとパーフルオルアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)等が例示される。そして、基材フィルムは、延伸フィルムおよび未延伸フィルムのいずれでもよい。また、製造方法も任意である。
【0016】
このフッ素系樹脂からなる基材フィルムをゴムフィルムと複合することにより、寸法安定性が向上すると共に、腰が強くなり、かつ耐熱性、耐薬品性および離型性が更に向上する。
【0017】
上記のオレフィン系樹脂、エンジニアリングプラスチックおよびフッ素系樹脂からなる基材フィルムの厚みは、特に制限されないが、5〜500μmのものが好適であり、特に20〜300μmが好ましい。
【0018】
これらの基材フィルムは、請求項5に記載のごとく、活性線であらかじめ表面処理を施すことが好ましく、これによってゴムフィルムとの接着性が一層向上する。活性線処理としては、電子線やγ線のような放射線処理、紫外線処理、コロナ放電処理、プラズマ処理および火炎処理等が挙げられる。これらの処理は、いずれか一種を単独で行ってもよく、また複数種類の処理を併用してもよい。処理の雰囲気は、特に限定されないが、不活性ガスや還元性ガスの雰囲気が好ましい。また、処理時に少量の有機物ガスが共存してもよい。
【0019】
また、上記の基材フィルムは、請求項6に記載のごとく、ポリエステル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、ポリアクリル系ポリマーまたはこれらの混合物からなる易接着層をあらかじめ積層することができ、これによってゴムフィルムとの接着性を一層向上させることができる。
【0020】
なお、上記の活性線処理や易接着層の積層は、製膜時に行うインライン法または製膜後に行うオフライン法のいずれで行ってもよい。また、易接着層を積層した後、この易接着層の表面を活性線で処理してもよい。
【0021】
上記の基材フィルムと複合されるゴムフィルムは、天然ゴム(NR)、シリコーンゴム(Q)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の任意のゴムまたはこれらの混合物に接着性改良剤を配合したゴム組成物で成形される。なお、基材フィルムとして前記のエンジニアリングプラスチックを用いる場合は、ゴムの中でも耐熱性の優れたシリコーンゴムやフッ素系ゴムの使用が好ましい。
【0022】
接着性改良剤としては、前記のごとく、ラジカル反応に対して活性な反応基を含む化合物が用いられる。この化合物としては、アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体およびアリル誘導体等が例示されるが、中でも不飽和結合を2個以上、特に3個以上有する誘導体が好ましい。これらの化合物は、ゴムの共架橋剤として広く使用されているが、この発明では多価アルコールのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルが用いられる。
【0023】
上記多価アルコールのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルは、2個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールのアルコール性水酸基2個以上をアクリル酸やメタクリル酸でエステル化したエステル化合物であり、例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3ブタンジオールジアクリレート、1,3ブタンジオールジメタクリレート、1,4ブタンジオールアクリレート、1,4ブタンジオールメタクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2,2′ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2′ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロン、グリセリンジメタクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、テトラメチロールメタンジアクリレート、テトラメチロールメタンジメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールテトラメタクリレート、ダイマージオールジアクリレート、ダイマージオールジメタクリレート等が挙げられ、特に3個以上のアリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを含む化合物が好ましい。なお、上記の化合物は、アクリル酸およびフタクリル酸のそれぞれの単独エステル化合物を例示したが、アクリル酸とメタクリル酸の混合エステルの形であってもよい。
【0025】
上記ゴムフィルムの接着性改良剤は、いずれか一種を単独で用いてもよく、また二種以上を併用してもよい。また、この発明に用いられる接着改良剤は、上記の例示化合物に限定されるものではない。
【0026】
上記接着性改良剤の配合量は、全ゴム成分100重量部に対して0.2〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部であり、0.2重量部未満では基材フィルムとの接着強度が不十分となり、反対に20重量部を超えると上記接着強度の向上効果が飽和に達し、かつゴムの物性が低下する。なお、必要に応じて補強性充填剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、離型剤、難燃剤、チクソトロピー性付与剤、充填剤用分散剤等を配合することができる。また、上記の接着性改良剤による接着性向上効果を促進させるための接着性向上促進剤として、過酸化物を配合することができる。
【0027】
ゴムに上記配合剤を配合する方法は、特に限定されず、例えばゴムコンパウンドを作製する際に2本ロール、バンバリーミキサー、ドウミキサー(ニーダー)などのゴム練り機を用いて行ってもよく、またゴムを溶剤に溶解し、流延法で製膜する場合は、ゴムコンパウンドを溶媒に溶解して溶液を作製する際、または溶液にした後のいずれで添加配合してもよい。
【0028】
基材フィルムにゴムフィルムを積層する方法は任意であり、例えばゴム組成物を溶媒に溶解した溶液を基材フィルムの表面に塗工、乾燥してゴムの薄膜を形成する方法、ゴム組成物を高圧下で基材フィルムの表面に押出してゴムの薄膜を形成する方法およびカレンダー法等が挙げられる。液状シリコーンゴムのような液状ゴムを用いる場合は、溶剤で希釈することなく塗工することができる。また、ポリエステルフィルム等の支持フィルムおよびゴムフィルムの積層体のゴムフィルム面に基材フィルムを積層する方法(以下、「支持フィルム法」という)を用いることもできる。
【0029】
上記の支持フィルム法は、支持フィルムとして熱や溶媒に安定なフィルムを使用することにより、熱や溶剤による基材フィルムの伸縮変形を防止できる点で好ましい。この支持フィルム法では、支持フィルムが最終的に剥離されるが、その剥離時期はゴムの架橋前または架橋後のいずれでもよい。用いる支持フィルムとしては、ポリエステル系フィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートは特性と経済性のバランスが良好である。支持フィルムの厚みも特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレートの場合は25〜100μmが好ましい。また、この支持フィルムは、その表面形状をゴム表面に転写できるので、支持フィルムの表面粗度を変えることにより、複合ゴムフィルムのゴム表面の粗度を種々に制御することができる。
【0030】
一方、基材フィルムにゴムフィルムを直接積層する場合にゴムフィルムの表面粗度を制御する方法としては、未架橋のゴムフィルム面に刻印ロールを圧接する方法または未架橋のゴムフィルム面に表面粗度の異なるフィルムまたは布帛からなるカバーシートを重ねる方法等を採用することができる。
【0031】
架橋には電子線が用いられる。この電子線による方法は、過酸化物等のラジカル発生のための添加物を配合する必要がなく、これらの添加物の残渣によるゴム物性の低下がなく、しかも効率的に架橋でき、生産性が高いので好適である。
【0032】
この発明において、上記の支持フィルムやカバーシートは最終的に剥離されるので、ゴムフィルムと基材フィルムの界面接着力よりもゴムフィルムと支持フィルムもしくはカバーシートの界面接着力を弱くする必要がある。すなわち、ゴムフィルムの両面の接着性に差をつける必要がある。前記の電子線を用いる方法は、その照射方法や照射条件の最適化で上記の接着性に差をつけることができる点においても好ましい方法である。
【0033】
【発明の実施の形態】
実施形態1
シリコーンゴムコンパウンド、エチレンプロピレンジエンゴムコンパウンド、クロロプレンゴムコンパウンド等のゴムコンパウンドをトルエンに溶解し、このゴム溶液に接着性改良剤として多価アルコールのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等を添加、攪拌し、得られたゴム溶液を、マット加工が施されたポリエチレンテレフタレート製支持フィルムの加工面に塗布し、オーブンで乾燥した後、そのゴム面に、放射線処理やコロナ放電処理、プラズマ処理等の活性線処理が施されたオレフィン系樹脂製基材フィルムの処理面を重ね、得られた積層体に基材フィルム側から電子線を照射してプレ架橋を行い、上記の支持フィルムを剥離したのち、再びゴムフィルム側から電子線照射によるポスト架橋を行ってオレフィン系樹脂からなる基材フィルムと任意のゴムフィルムとからなる複合ゴムフィルムを得る。
【0034】
この実施形態では、支持フィルムを用い、かつ架橋を電子線照射によって行うので、厚みが均一な複合ゴムフィルムを経済的に製造することができる。また、電子線照射によるプレ架橋を基材フィルム側から行うので支持フィルムを円滑に剥離することができ、この剥離によって支持フィルムのマット加工面がゴム面に良好に転写される。そして、この剥離後にゴムフィルム側から再び電子線照射によるポスト架橋を行うので、架橋を完結させることができ、T型剥離法による剥離強度10N/20mm以上の複合ゴムフィルムが容易に得られる。
【0035】
得られた複合ゴムフィルムは、基材フィルムの面を接着面として使用することにより、市販の汎用接着剤で所望の機材に容易に接着することができ、ゴムフィルムと基材フィルムの層間剥離強度が強いため、この界面から外力で剥離されることがなく、実用的である。また、ゴムフィルムと基材フィルムとからなる複合体であり、ゴムフィルム単体に比べて腰が強いため、任意の装置に組み込む際の作業性に優れる。したがって、ゴムフィルムの優れたクッション性を十分に活かしてシール材やクッション材として使用できる。なお、支持フィルムとしてマット加工がされてない汎用ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した場合は、平滑なゴム面が得られる。
【0036】
実施形態2
実施形態1のゴムコンパウンドに前記の接着性改良剤を添加配合して混練し、これを支持フィルムのマット加工面にカレンダー法でフィルム状に積層し、更にそのゴム面に実施形態1の基材フィルムを重ねて積層し、得られた積層体に実施形態1と同様に架橋処理を施して複合ゴムフィルムを製造する。この複合ゴムフィルムは、実施形態1の複合ゴムフィルムと同様の性能を備え、同じ用途に使用することができる。
【0037】
実施形態3
ゴムコンパウンドとして特に耐熱性シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性に優れたゴムのコンパウンドを用いる以外は実施形態1と同様にしてゴム溶液を調製し、このゴム溶液を、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン等のガラス転移点が70℃以上のエンジニアリングプラスチックからなり、あらかじめ前記の活性線で処理された基材フィルムの処理面に塗布し、オーブンで乾燥し、そのゴム面に、目付け用織物またはあらかじめエンボス加工が施されたポリエチレンフィルム等のカバーシートを重ね、以下、実施形態1と同様にプレ架橋、カバーシートの剥離およびポスト架橋を行ってエンジニリアリングプラスチックフィルムと耐熱性ゴムとからなる複合ゴムフィルムを製造する。この複合ゴムフィルムは、実施形態1と同様に層間剥離強度が強く、取扱い性が良好で、かつクッション性を有すると共に、耐熱性に優れるため、耐熱性が要求される分野での使用に好適である。
【0038】
実施形態4
実施形態3において、基材フィルムを活性線で処理する代わりにポリエステル樹脂等の積層による易接着処理を行い、この処理面にゴム溶液を塗布する以外は実施形態3と同様にして、複合ゴムフィルムを製造する。得られた複合ゴムフィルムは、実施形態3と同様の性能を備え、同じ分野の使用に好適である。
【0039】
実施形態5
実施形態3のゴムコンパウンドに過酸化物および接着性改良剤を添加して混練し、カレンダー法でフィルム状に成形しながら実施形態3の基材シート上に積層し、更にそのゴム面に実施形態3のカバーシートを積層し、以下、実施形態3と同様の架橋処理を行って耐熱性の複合ゴムフィルムを製造する。
【0040】
実施形態6
実施形態3において、基材フィルムとしてフッ素系樹脂からなるフィルムを用い、かつカバーシートに代えて支持フィルム(マット加工が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム)を用い、支持フィルム上にゴム溶液を塗布して乾燥し、そのゴム面に基材フィルムを重ねる以外は実施形態3と同様にしてフッ素系樹脂からなる基材フィルムと耐熱性ゴムフィルムとからなる複合ゴムフィルムを製造する。この複合ゴムフィルムは、耐熱性に優れると共に、基材フィルム面の摺動性と離型性に優れている。
【0041】
実施形態7
実施形態5と同様に実施形態3のゴムコンパウンドに過酸化物および接着性改良剤を添加して混練し、カレンダー法でフィルム状に成形しながら実施形態6の支持フィルム上に積層し、更にそのゴム面に実施形態6の基材フィルムを重ね、以下は実施形態3と同様に架橋処理を行って実施形態6と同様の複合ゴムフィルムを製造する。
【0042】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を詳述する。なお、以下の記載で「部」は重量部を示す。
【0043】
実施例1
市販の高強度型シリコーンゴムコンパウンドおよび市販の一般成形用シリコーンゴムコンパウンドを60:40の重量比で配合し、2本ロールを用い、100〜200℃の温度で混練して厚み3mmのゴムシートを成形し、この未加硫のゴムシートを1cm角の大きさに裁断し、得られた細片をトルエンに対する重量比率が23%となるように秤量し、トルエンと共に真空脱泡装置付き攪拌機に投入し、大気圧下で15時間攪拌して上記細片をトルエンに溶解した後、該溶液にトリメチロールプロパントリメタクリレートを、シリコーンゴムコンパウンド100部に対して2部となるように添加し、均一に攪拌した後、真空脱泡装置を駆動し、ゲージ圧が−750mmHgの真空下で更に20分間攪拌し、脱泡した。
【0044】
次いで、上記の溶解、脱泡で得られたシリコーンゴム溶液をロールコーターに供給し、サンドマット加工を施した厚み0.075mmのポリエチレンテレフタレートからなる支持フィルムのマット加工面に乾燥後厚みが0.15mmとなるように塗布し、続いてオーブンに導入し、80℃で乾燥し、そのゴム面にコロナ処理を施した低密度ポリエチレンからなる厚み0.1mmの基材フィルムのコロナ処理面を重ね、圧着ロールを用い圧力49N/cmで押さえて連続的に積層し、得られた積層体を更に連続して電子線照射装置に導入し、基材フィルム側から150KV、10Mrad の電子線を照射してプレ架橋処理を行い、しかるのち支持フィルムを剥離し、シリコーンゴムフィルムとポリエチレンフィルムからなる総厚みが0.25mmの複合体を得、これをロール状に巻取った。そして、上記の複合体を再び電子線照射装置に導入し、ゴムフィルム側から200KV、10Mrad の電子線を照射してポスト架橋を行い、支持フィルムのマット加工面が良好に転写された複合ゴムフィルムを得た。
【0045】
得られた複合ゴムフィルムは、そのシリコーンゴムフィルムとポリエチレンフィルムの界面にナイフを入れ、その部分に指で応力を加えても界面剥離は生じない程度に層間剥離強度が強いものであった。また、上記のナイフで切り込みを入れた部分をトルエンに浸漬して界面剥離を発生させ、JIS K6854に準じてT型剥離法で剥離強度を測定したところ、10N/20mmの強度でシリコーンゴムの破壊が起こり、剥離強度は10N/20mm以上と判断された。また、この複合ゴムフィルムは、ゴムフィルム単独のものに比べて腰があり、取扱い性に優れており、またポリエチレンフィルム面を基材に接触させ、熱圧着することで熱接着が可能であり、汎用性の高いものであった。
【0046】
比較例1
実施例1において、トリメチロールプロパントリメタクリレートの添加を省略する以外は実施例1と同様にして比較例1の複合ゴムフィルムを製造したところ、その層間剥離強度は0.1N/20mmと低く、弱い外力で容易に層間剥離が発生するため、実用性に劣っていた。
【0047】
実施例2
実施例1において、市販の高強力型シリコーンゴムコパウンド、市販の一般成形用シリコーンゴムコンパウンドおよび市販の導電型シリコーンゴムコンパウンドを70:10:20の比率で混練すること、基材フィルムとしてプラズマ処理した厚み0.050mmの超高分子量ポリエチレンフィルムを用い、プラズマ処理面をシリコーンゴム面に向けて重ねること、およびプレ架橋時に電子線照射の加速電圧を200KVに、エネルギを10Mrad に設定する以外は、実施例1と同様にして実施例2の複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は、実施例1と同様に強く、T型剥離法による剥離強度は、11N/20mmでゴムが破壊する程度であった。また、この実施例2の複合ゴムフィルムは、ゴムフィルム単独に比べて腰があり、取扱い性が良好であると共に、超高分子量ポリエチレン面の摺動性に優れ、例えばカメラのレンズの遮光リングとして好適であった。
【0048】
比較例2
実施例2において、トリメチロールプロパントリメタクリレートの添加を省略する以外は実施例2と同様にして比較例2の複合ゴムフィルムを製造したところ、その層間剥離強度は0.5N/20mmと低く、弱い外力で容易に層間剥離が発生するため、実用性に劣っていた。
【0049】
実施例3
実施例2のトリメチロールプロパントリメタクリレートに代えてペンタエリスリトールテトラアクリレートをシリコーンゴムコンパウンド100部当たり2部添加すること、シリコーンゴムの厚みを0.050mmに設定すること、基材フィルムとしてプラズマ処理したエチレン・ビニルアルコール共重合体(ビニルアルコールの共重合比32モル%)からなるフィルムを用い、そのプラズマ処理面をゴム面に重ねること、およびプレ架橋処理条件を170KV、8Mrad に変更すること以外は実施例2と同様にして実施例3の複合ゴムフィルムを製造した。その界面剥離強度は、実施例1、2と同様に強く、取扱い性に優れており、またガスバリアー性にも優れ、実用性の高いものであった。
【0050】
比較例3
実施例3において、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの添加を省略する以外は、実施例3と同様にして比較例3の複合ゴムフィルムを製造したところ、その層間剥離強度は0.5N/20mmと低く、実用性に劣っていた。
【0051】
実施例4
ゴムとしてEPDM(エチレン含有量34%)を用い、下記表1の配合で常法により混練した。表中、老化防止剤Aは2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩を、老化防止剤Bは4,4−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンをそれぞれ意味する。
表 1
EPDM 100.0部
ポリエチレングリコール 2.5部
ステアリン酸 0.5部
老化防止剤A 1.5部
老化防止剤B 0.7部
フェノールホルムアルデヒド樹脂 2.0部
MAFカーボン 30.0部
FTカーボン 40.0部
ナフテン系可塑剤 15.0部
N,N′−mフェニレンジマレイミド 1.5部
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン 5.0部
【0052】
上記の混練ゴムを厚さ3mmのシートに成形した。この未加硫のゴムシートを切断して1cm角の細片とし、この細片をトルエンに対する重量比率が30%となるように秤量し、トルエンと共に真空脱泡装置付き攪拌機に投入し、大気圧下で15時間攪拌して上記細片をトルエンに溶解した後、該溶液にトリメチロールプロパントリメタクリレートを、EPDMゴム100部に対して5部となるように添加し、均一に攪拌した後、真空脱泡装置を駆動し、ゲージ圧−750mmHgの真空下で更に20分間攪拌し、脱泡した。
【0053】
得られたEPDMゴム溶液を用い、実施例2と同様にして未架橋のEPDMからなるゴムフィルム、超高分子量ポリエチレンフィルムの基材フィルムおよびポリエチレンテレフタレートの支持フィルムの積層体を製造し、この積層体を電子線照射装置に導き、基材フィルムの側から250KV、20Mrad の電子線を照射してプレ架橋を行い、続いて支持フィルム側から250KV、15Mrad の電子線を照射してポスト架橋を行い、しかるのち支持フィルムを剥離して実施例4の複合ゴムフィルムを得た。その層間剥離強度は9N/20mmと高く、取扱い性と摺動性に優れ、実用的であった。
【0054】
比較例4
実施例4において、トリメチロールプロパントリメタクリレートの添加を省略する以外は、実施例4と同様にして比較例4の複合ゴムフィルムを得た。その層間剥離強度は1N/20mmと低く、実用性に欠けていた。
【0055】
実施例5
実施例4において、EPDMに代えてクロロプレンゴムを用いる以外は実施例4と同様にして実施例5の複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は8N/20mmと高く、実用的であった。
【0056】
比較例5
実施例5において、トリメチロールプロパントリメタクリレートの添加を省略する以外は、実施例5と同様にして比較例5の複合ゴムフィルムを得た。その層間剥離強度は0.4N/20mmと低く、実用性の劣るものであった。
【0057】
実施例6
実施例1において、低密度ポリエチレンフィルムに代えて電子線照射で表面処理した厚み0.05mmのポリメチルペンテンフィルムを基材フィルムに用いる以外は、実施例1と同様にして実施例6の複合ゴムフィルムを得た。その層間剥離強度は実施例1と同様に優れていた。また、取扱い性に優れ、かつ基材フィルム(ポリメチルペンテンフィルム)の面が離型性に優れる点で実用性が高いものであった。
【0058】
比較例6
実施例6において、トリメチロールプロパントリメタクリレートの添加を省略する以外は実施例6と同様にして比較例6の複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は0.1N/20mmと低く、実用性に劣っていた。
【0059】
実施例7
実施例1において、サンドマット加工を施したポリエチレンテレフタレートフィルムに代えて汎用のポリエチレンテレフタレートフィルムを支持フィルムに用いる以外は、実施例1と同様にして実施例7の複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は実施例1と同様に高く、実用性に優れると共に、ゴム表面の平滑度が高く、光沢が優れていた。
【0060】
実施例8
市販の中強力型シリコーンゴムコンパウンド100部にトリメチロールプロパントリアクリレートを2部添加して2本ロールで混練し、このゴムコンパウンドを、厚みが0.050mmのサンドマット加工したポリエチレンテレフタレートフィルム(支持フィルム)上にカレンダー法で厚みが0.30mmとなるように積層し、更にゴムフィルム面に、プラズマ処理した厚み0.05mmの超高分子量ポリエチレンフィルム(基材フィルム)のプラズマ処理面を重ねて積層した。次いで、この積層体を電子線照射装置に導き、基材フィルム側から250KV、15Mrad の電子線を照射してプレ架橋を行い、しかるのち支持フィルムを剥離してシリコーンゴムと超高分子量ポリエチレンフィルムとからなる総厚み0.30mmの複合体を得、これをロール状に巻取った。そして、再び電子線照射装置に導き、ゴムフィルム側から250KV、10Mrad の電子線を照射してポスト架橋を行い、実施例8の複合ゴムフィルムを得た。その層間剥離強度は13N/20mmを超える高度のものであり、実用性に優れていた。
【0061】
実施例9
市販の耐熱性シリコーンゴムコンパウンド2本ロールで混練し、厚み3mmのゴムシートを成形し、この未加硫のゴムシートを1cm角の大きさに裁断し、得られた細片をトルエンに対する重量比率が35%となるように秤量し、トルエンと共に真空脱泡装置付き攪拌機に投入し、大気圧下で15時間攪拌して上記細片をトルエンに溶解した後、該溶液にペンタエリスリトールテトラアクリレートを、シリコーンゴムコンパウンド100部に対して2部となるように添加し、均一に攪拌した後、真空脱泡装置を駆動し、ゲージ圧が−750mmHgの真空下で更に20分間攪拌し、脱泡した。
【0062】
得られたシリコーンゴム溶液をロールコーターに供給し、基材フィルムに塗布した。基材フィルムとして市販のポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン 200H」、ガラス転移点250℃以上、厚み0.050mm)に電子線照射による表面処理を施したものを用い、その処理面に上記ゴム溶液を乾燥後の厚みが0.20mmとなるように塗布し、続いてオーブンに導入して80℃で乾燥し、上記のゴム面に低密度ポリエチレンからなり片面にエンボス加工で微細な凹凸を形成した厚み0.1mmのカバーシートの加工面を重ね、圧着ロールを用い圧力49N/cmで押さえながら連続的に積層し、得られた積層体を電子線照射装置に導入し、基材フィルムの側から150KV、15Mrad の電子線を照射してプレ架橋処理を行い、しかるのち、カバーシートを剥離してシリコーンゴムフィルムとポリイミドフィルムとからなる総厚みが0.25mmの複合体を得、これをロール状に巻取った。そして、上記の複合体を再び電子線照射装置に導入し、ゴムフィルム側から200KV、10Mrad の電子線を照射してポスト架橋を行い、カバーシートのエンボス加工面が良好に転写された複合ゴムフィルムを得た。
【0063】
得られた複合ゴムフィルムは、そのシリコーンゴムフィルムとポリイミドフィルムの界面にナイフを入れ、その部分に指で応力を加えても界面剥離は生じない程度に層間剥離強度が強く、T型剥離法で測定した剥離強度は10N/20mmでシリコーンゴムの破壊が起こることから10N/20mm以上と判断された。また、この複合ゴムフィルムは、ゴムフィルム単独のものに比べて腰があり、取扱い性に優れており、また耐熱性にも優れ、高度な耐熱性が要求される分野のシール材やクッション材として実用性の高いものであった。
【0064】
比較例7
実施例9において、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの添加を省略する以外は実施例9と同様にして複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は0.1N/20mmと低く、弱い外力で層間剥離が起こり、実用性に欠けていた。
【0065】
実施例10
実施例9と同じ方法で調製したシリコーンゴム溶液をロールコーターに供給し、サンドマット加工を施した厚み0.075mmのポリエチレンテレフタレートからなる支持フィルムのマット加工面に乾燥後厚みが0.15mmとなるように塗布し、続いて80℃で乾燥し、そのゴム面に基材フィルムを積層した。基材フィルムとしては、市販のポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン100H」、ガラス転移点250℃以上、厚み0.025mm)の片面にプラズマ処理を施したものを用い、そのプラズマ処理面をゴム面に重ね、圧着ロールを用いて圧力49N/cmで押さえながら積層した。得られた積層体を電子線照射装置に導入し、基材フィルム側から200KV、10Mradの電子線を照射してプレ架橋処理を行い、しかるのち上記の支持フィルムを剥離してシリコーンゴムフィルムとポリイミドフィルムからなる総厚みが0.175mmの複合体を得、これをロール状に巻取った。そして、再び電子線照射装置に導入し、ゴムフィルム側から200KV、10Mradの電子線を照射してポスト架橋を行い、支持フィルムのマット加工面が良好に転写された複合ゴムフィルムを得た。その層間剥離強度は実施例9と同様に高度であった。
【0066】
比較例8
実施例10において、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの添加を省略する以外は実施例10と同様にして複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は0.1N/20mmと低く、実用性が劣っていた。
【0067】
実施例11
実施例10において、シリコーンゴムコンパウンドに代えて市販のフッ素ゴムコンパウンドを用いること、基材フィルムとして市販のポリイミドフィルムにポリエステル樹脂の塗布による易接着処理を施したものを用いること、およびゴムフィルムの厚みを0.1mmにすること以外は実施例10と同様にして未架橋のフッ素ゴムを含む積層体を製造し、この積層体を電子線照射装置に導入し、基材フィルム側から200KV、20Mradの電子線を照射して架橋処理を行い、しかるのち上記の支持フィルムを剥離してフッ素ゴムフィルムとポリイミドフィルムからなる複合ゴムフィルムを得た。その層間剥離強度は8N/20mmと高く、かつ耐熱性に優れた実用性の高いものであった。
【0068】
比較例9
実施例11において、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの添加を省略する以外は実施例11と同様にして複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は0.2N/20mmと低く、実用性に欠けていた。
【0069】
実施例12
実施例9において、基材フィルムとして、ポリフェニレンサルファイドフィルム( 東レ社製「トレリナー」、ガラス転移点92℃、厚み0.050mm)にポリエステル樹脂の塗布による易接着処理を施したもの用い、その処理面にシリコーンゴムフィルムを重ねる以外は実施例9と同様にして実施例12の複合ゴムフィルムを得た。その層間剥離強度は、実施例9と同様に10N/20mmを超える強さであり、かつ耐熱性にも優れ、高い実用性を備えていた。
【0070】
比較例10
実施例12において、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの添加を省略する以外は実施例12と同様にして複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は0.2N/20mmと低く、実用性に欠けていた。
【0071】
実施例13
ゴムコンパウンドとして市販のフッ素ゴムコンパウンド100部に対して2部の2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび3部のトリメチロールプロパントリメタクリレートを添加した配合物を、支持フィルムとして厚み0.075mmの市販の汎用ポリエステルフィルムを、基材フィルムとして実施例12のポリフェニレンサルファイドフィルムにプラズマ処理を施したものをそれぞれ用い、フッ素ゴムコンパウンドをカレンダー法で厚み0.03mmに成形して実施例11と同じ構成の積層体を作り、この積層体を電子線照射装置に導き、基材フィルム側から250KV、15Mradの電子線を照射してプレ架橋処理を行い、更に支持フィルム側から250KV、15Mrad の電子線を照射してポスト架橋処理を行い、しかるのち上記の支持フィルムを剥離してフッ素ゴムフィルムとポリフェニレンサルファイドフィルムからなる複合ゴムフィルムを得た。その層間剥離強度は9N/20mmと高く、実用性に優れていた。また、ゴムフィルム表面は、実施例11に比べて平滑で、光沢が優れていた。
【0072】
比較例11
実施例13において、トリメチロールプロパントリメタクリレートの添加を省略する以外は実施例13と同様にして複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は0.3N/20mmと低く、実用性に欠けていた。
【0073】
実施例14
実施例9において、電子線照射をしたポリイミドフィルムに代え、市販の熱可塑性ポリイミドフィルム(三井化学社製「レグラス」、ガラス転移点230℃、厚み0.050mm)にプラズマ処理をしたものを基材フィルムとして用い、その他は実施例9と同様にして実施例14の複合ゴムフィルムを得た。その層間剥離強度は10N/20mmを超える強さであり、かつ耐熱性に優れた実用性の高いものであった。
【0074】
比較例12
実施例14において、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの添加を省略する以外は実施例14と同様にして複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は0.2N/20mmと低く、実用性に欠けていた。
【0075】
実施例15
実施例9において、その電子線照射をしたポリイミドフィルムに代え、市販のポリカーボネートフィルム(三菱ガス化学社製「ユーピロンフィルム」、ガラス転移点142℃、厚み0.10mm)にプラズマ処理をしたものを基材フィルムとして用いる以外は、実施例9と同様にして実施例15の複合ゴムフィルムを得た。その層間剥離強度は、実施例9と同様に10N/20mmを超える強さであり、実用性に優れていた。
【0076】
比較例13
実施例15において、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの添加を省略する以外は実施例15と同様にして複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は0.2N/20mmと低く、実用性に欠けていた。
【0077】
実施例16
実施例9において、その電子線照射をしたポリイミドフィルムに代え、市販のポリエーテルエーテルケトンフィルム(三井化学社製「TALPA−2000」、ガラス転移点143℃、厚み0.025mm)に電子線を照射したものを基材フィルムとして用いる以外は、実施例9と同様にして実施例16の複合ゴムフィルムを得た。その層間剥離強度は実施例9と同様に10N/20mmを超える強さであり、実用性に優れていた。
【0078】
比較例14
実施例16において、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの添加を省略する以外は実施例16と同様にして複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は0.2N/20mmと低く、実用性が劣るものであった。
【0079】
実施例17
実施例9と同様にして得られた耐熱性のシリコーンゴム溶液をロールコーターに供給し、サンドマット加工を施した厚み0.075mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持フィルム)のマット加工面に乾燥後厚みが0.20mmとなるように塗布し、続いてオーブンに導入して80℃で乾燥し、そのゴム面に、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)からなり、プラズマ処理した厚み0.050mmの基材フィルムのプラズマ処理面を重ね、圧着ロールで圧力49N/cmで押さえて連続的に積層した。
【0080】
得られた積層体を電子線照射装置に導入し、基材フィルム側から250KV、15Mrad の電子線を照射してプレ架橋処理を行い、支持フィルムを剥離してシリコーンゴムとPFAからなる厚み0.25mmの複合体とし、これをロール状に巻取った。次いで、この複合体を再び電子線照射装置に導入し、ゴムフィルム側から200KV、10Mradの電子線を照射してポスト架橋処理を行い、実施例17の複合ゴムフィルムを得た。
【0081】
この複合ゴムフィルムのゴム面には、支持フィルムのマット加工面が良好に転写されていた。また、界面にナイフで切り込みを入れ、その部分に指で応力を加えても界面剥離は起きず、またT型剥離法による剥離強度は10N/20mmを超える大きさであった。そして、ゴムフィルム単独のものに比べて腰があり、取扱い性に優れ、また耐熱性が高く、かつ基材フィルム面の摺動性と離型性が良好であり、高度な耐熱性が要求される分野のシール材やクッション材として好適であった。
【0082】
比較例15
実施例17において、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの添加を省略する以外は実施例17と同様にして複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は0.1N/20mmと低く、弱い外力で層間剥離が起こるため、実用性が劣るものであった。
【0083】
実施例18
実施例17において、シリコーンゴムコンパウンドに代えて市販のフッ素ゴムコンパウンドを用いる以外は実施例17と同様にして複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は12N/20mmと高く、かつ耐熱性に優れており、実用性の高いものであった。
【0084】
比較例16
実施例18において、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの添加を省略する以外は実施例18と同様にして複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は0.5N/20mmと低く、実用性に欠けていた。
【0085】
実施例19
実施例17において、ペンタエリスリトールテトラアクリレートに代えてトリメチロールプロパントリメタクリレートを用い、基材フィルムのPFAフィルムにポリエステル樹脂からなる易接着層を積層する以外は実施例17と同様にして複合ゴムフィルムを製造した。この複合ゴムフィルムは、層間剥離強度が実施例17と同程度の実用性の高い複合ゴムフィルムであった。
【0086】
比較例17
実施例19において、トリメチロールプロパントリメタクリレートの添加を省略する以外は実施例19と同様にして複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は0.2N/20mmと低く、実用性が劣っていた。
【0087】
実施例20〜22
実施例17において、PFAフィルムに代え、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロエチレンの共重合体(FEP)からなるフィルム、テトラフルオロエチレンとエチレンとの共重合体(ETFE)からなるフィルムおよびポリビニリデンフルオライド(PVDF)からなるフィルムをそれぞれ用い、これらにプラズマ処理を施す以外は実施例17と同様にして実施例20、実施例21および実施例22の複合ゴムフィルムを製造した。層間剥離強度は、いずれも実施例17と同程度に高く、実用性に優れていた。
【0088】
比較例18〜20
実施例20〜22において、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの添加を省略する以外は実施例20〜22と同様にして比較例18〜20の複合ゴムフィルムを製造した。これらは、いずれも層間剥離強度が低く、実用性に欠けていた。
【0089】
実施例23
ゴムコンパウンドとして、市販のフッ素ゴムコンパウンド100部に対して2部の2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび3部のトリメチロールプロパントリメタクリレートを添加した配合物を、支持フィルムとして厚み0.075mmの市販の汎用ポリエステルフィルムを、基材フィルムとしてプラズマ処理した厚み0.075mmのFEPフィルムをそれぞれ用い、フッ素ゴムコンパウンドをカレンダー法で厚み0.030mmに成形し、実施例18と同様に未加硫のフッ素ゴムフィルムを含む積層体を得た。
【0090】
次いで、この積層体を電子線照射装置に導き、基材フィルム側から250KV、15Mrad の電子線を照射してプレ架橋処理を行い、更に支持フィルム側から250KV、15Mrad の電子線を照射してポスト架橋処理を行い、しかるのち支持フィルムを剥離してフッ素ゴムフィルムとFEPフィルムからなる複合ゴムフィルムを得た。その層間剥離強度は15N/20mmと高く、実用性に優れていた。また、フッ素ゴムフィルム面は、実施例18に比べて平滑性が高く、光沢が優れていた。
【0091】
比較例21
実施例23において、トリメチロールプロパントリメタクリレートの添加を省略する以外は、実施例23と同様にして比較例21の複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は0.5N/20mmと低く、実用性に欠けていた。
【0092】
【発明の効果】
上記のとおり、この発明によれば、オレフィン系樹脂、ガラス転移点70℃以上のエンジニアリングプラスチックおよびフッ素系樹脂等の合成樹脂フィルムを基材フィルムとする複合ゴムフィルムであって、基材フィルムとゴムフィルムの界面から容易に剥離することがなく、かつ腰が強く、基材フィルム面の接着性が良く、基材フィルム面を接着面として装置に組み込む場合の作業性に優れ、しかもシール性とクッション性が良好な複合ゴムフィルムが容易に得られる。そして、使用する基材フィルムおよびゴムの選択により、熱接着性、摺動性、離型性、耐熱性、耐薬品性等を広い範囲で調整することができ、種々の分野のシール材やクッション材として利用することができる。
Claims (6)
- 基材フィルムの少なくとも片面にゴムフィルムを積層してなる複合ゴムフィルムにおいて、上記の基材フィルムがオレフィン系樹脂からなり、上記のゴムフィルムが接着性改良剤として多価アルコールのアクリル酸エステルおよび多価アルコールのメタクリル酸エステルの少なくとも一方を配合したゴム組成物からなり、かつ電子線照射で架橋され、上記の基材フィルムとゴムフィルムとが架橋により結合し、その層間剥離強度が4N/20mm以上であることを特徴とする複合ゴムフィルム。
- 基材フィルムの少なくとも片面にゴムフィルムを積層してなる複合ゴムフィルムにおいて、上記の基材フィルムがガラス転移点70℃以上のエンジニアリングプラスチックからなり、上記のゴムフィルムが接着性改良剤として多価アルコールのアクリル酸エステルおよび多価アルコールのメタクリル酸エステルの少なくとも一方を配合したゴム組成物からなり、かつ電子線照射で架橋され、上記の基材フィルムとゴムフィルムとが架橋により結合し、その層間剥離強度が4N/20mm以上であることを特徴とする複合ゴムフィルム。
- 基材フィルムの少なくとも片面にゴムフィルムを積層してなる複合ゴムフィルムにおいて、上記の基材フィルムがフッ素系樹脂からなり、上記のゴムフィルムが接着性改良剤として多価アルコールのアクリル酸エステルおよび多価アルコールのメタクリル酸エステルの少なくとも一方を配合したゴム組成物からなり、かつ電子線照射で架橋され、上記の基材フィルムとゴムフィルムとが架橋により結合し、その層間剥離強度が4N/20mm以上であることを特徴とする複合ゴムフィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載された基材フィルムの少なくとも片面に、接着性改良剤として多価アルコールのアクリル酸エステルおよび多価アルコールのメタクリル酸エステルの少なくとも一方が配合された未架橋のゴム組成物をフィルム状に積層し、次いで電子線照射により架橋処理することを特徴とする複合ゴムフィルムの製造法。
- 基材フィルムがあらかじめ活性線で表面処理される請求項4記載の複合ゴムフィルムの製造法。
- 基材フィルムの表面にあらかじめポリエステル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、ポリアクリル系ポリマーまたはこれらの混合物からなる易接着層が積層される請求項4記載の複合ゴムフィルムの製造法。
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