JP6260412B2 - ガスバリア性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池用、電子ペーパー用、有機EL用等として主に用いられるガスバリア性に優れたフィルムに関する。
従来より、プラスチックフィルムを基材とし、その表面に無機層を形成したガスバリア性プラスチックフィルムは、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品の包装、例えば、食品や工業用品及び医薬品等の変質を防止するための包装に広く利用されている。また、このガスバリア性プラスチックフィルムについては、包装用途以外にも、近年、液晶表示素子用、ディスプレイ用、太陽電池用、電磁波シールド用、タッチパネル用、EL用基板用、カラーフィルター用等新しい用途も注目されている。
このような無機層を有するガスバリア性プラスチックフィルムに関しては、種々の目的の下、いくつかの改良が検討されており、例えば、特許文献1には、優れたガスバリア性を有する透明バリアフィルムが開示されている。
特許04254350号73号
しかしながら、上記特許文献に記載のフィルムにおいては、高温高湿下でのガスバリア性や積層フィルムの構成層間の密着強度が未だ不十分であり、その改善が望まれていた。
本発明が解決しようとする課題は、優れたガスバリア性を維持しつつ、フィルム構成層間の密着性に優れたガスバリア性フィルムを提供することにある。
本発明は、以下の[1]〜[14]に関する。
[1]基材の少なくとも一方の面に、有機層1、有機層2、有機層3及び無機層がこの順に積層されてなるガスバリア性フィルムであって、有機層1のガラス転移温度T1、有機層2のガラス転移温度T2、及び有機層3のガラス転移温度T3が、T1<T2及びT3<T2の関係を満たすガスバリア性フィルム、
[2]前記有機層2が、電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化物を含む、上記[1]に記載のガスバリア性フィルム、
[3]前記有機層2が、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートの硬化物を含む、上記[1]又は[2]に記載のガスバリア性フィルム、
[4]前記有機層2が、3官能以上の(メタ)アクリレートの硬化物を含む、上記[1]〜[3]の何れかに記載のガスバリア性フィルム、
[5]前記有機層2の表面の三次元算術平均粗さ(Sa)が20nm以下である、上記[1]〜[4]の何れかに記載のガスバリア性フィルム、
[6]前記ガスバリア性フィルムの温度40℃相対湿度90%における水蒸気透過率(WVTR)が0.5g/m/day以下であり、温度85℃、湿度85%、2000時間の条件でのダンプヒート試験後の温度40℃相対湿度90%における水蒸気透過率(WVTR)が、WVTRの5倍以下である、上記[1]〜[5]の何れかに記載のガスバリア性フィルム、
[7]前記基材が、ポリエチレンテレフタレートフィルムである、上記[1]〜[6]の何れかに記載のガスバリア性フィルム、
[8]前記有機層1及び3の厚みが1〜1000nmであり、かつ、前記有機層2の厚みが1〜10μmである、上記[1]〜[7]の何れかに記載のガスバリア性フィルム、
[9]前記無機層上に、有機層と該有機層上に形成された無機層とからなる構成単位を1つ以上有する、上記[1]〜[8]の何れかに記載のガスバリア性フィルム、
[10]前記有機層1及び有機層3が、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂及びウレタン系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む、上記[1]〜[9]の何れかに記載のガスバリア性フィルム、
[11]前記有機層1及び有機層3が、イソシアネート系化合物を含む、上記[1]〜[10]の何れかに記載のガスバリア性フィルム、
[12]前記無機層が、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化珪素、酸化炭化窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム及び酸化炭化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の無機化合物からなる、上記[1]〜[11]の何れかに記載のガスバリア性フィルム、
[13]上記[1]〜[12]の何れかに記載のガスバリア性フィルムを有する太陽電池用保護材及び
[14]上記[1]〜[12]の何れかに記載のガスバリア性フィルムを有するディスプレイ用部材。
本発明によれば、優れたガスバリア性を維持しつつ、各構成層間の密着性に優れたガスバリア性フィルムが得られる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本明細書において、「主成分」とは、本発明のガスバリア性フィルムの作用・効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨である。更に、この用語は、具体的な含有率を制限するものではないが、構成成分全体の50質量%以上、好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であって100質量%以下の範囲を占める成分である。
<ガスバリア性フィルム>
本発明のガスバリア性フィルムは、基材の少なくとも一方の面に、有機層1、有機層2、有機層3及び無機層がこの順に積層されてなるガスバリア性フィルムであって、該有機層1のガラス転移温度T1、有機層2のガラス転移温度T2、及び有機層3のガラス転移温度T3が、T1<T2及びT3<T2の関係を満たすガスバリア性フィルムである。
(基材)
基材としては、樹脂フィルムが好ましく、その材料としては、通常の包装材料や電子デバイス等のパッケージ材料や、太陽電池用部材、電子ペーパー用部材、有機EL用部材に使用しうる樹脂であれば特に制限なく用いることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体又は共重合体等のポリオレフィン;環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド;エチレン−酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(EVOH)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、フッ素樹脂、アクリル樹脂、生分解性樹脂等が挙げられる。これらの中では、フィルム物性、コスト等の点から、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンが好ましい。基材は、これらの樹脂のいずれか1種以上を主成分とするものが好ましい。
中でも、フィルム物性の点から、基材はポリエステルを主成分とするフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とするPETフィルム又はポリエチレンナフタレート(PEN)を主成分とするPENフィルムがより好ましい。
上記基材の表面は、密着性を高めるために、コロナ放電処理、プラズマ処理等の易接着処理を施すことが好適である。
上記基材は、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
上記基材としての樹脂フィルムは、未延伸であってもよいし延伸したものであってもよい。
上記基材は、従来公知の方法により製造することができ、例えば、原料を押出機により溶融し、環状ダイやTダイにより押出して、急冷することにより実質的に無定型で配向していない未延伸フィルムを製造することができる。また、多層ダイを用いることにより、1種の樹脂からなる単層フィルム、1種の樹脂からなる多層フィルム、多種の樹脂からなる多層フィルム等を製造することができる。
この未延伸フィルムを一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、フィルムの流れ(縦軸)方向又はフィルムの流れ方向とそれに直角な(横軸)方向に延伸することにより、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムを製造することができる。延伸倍率は任意に設定できるが、100℃における熱収縮率が、好ましくは0.01〜5%、より好ましくは0.01〜2%である。中でもフィルム物性の点から、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムや、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフタレートの共押出二軸延伸フィルム、又はこれらの樹脂と他の樹脂の共押出二軸延伸フィルムが好ましい。
(有機層1)
有機層1は、基材と有機層2との間に位置するものであり、有機層2の基材への密着性を向上させるものである。有機層1のガラス転移温度T1は40〜100℃であるのが、有機層が柔軟になり、基材との密着性(密着強度)が良好となるため好ましく、更に40〜90℃であるのが好ましい。
有機層1に使用される樹脂としては、溶剤性又は水性のポリエステル樹脂、イソシアネート基含有樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル樹脂、変性ビニル樹脂、ビニルアルコール樹脂等のアルコール性水酸基含有樹脂、ビニルブチラール樹脂、ニトロセルロース樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、メチレン基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、スチレン樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。これらは単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。有機層1は基材や有機層2との接着性の点からポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂またはアクリル系樹脂を主成分とするものが好ましい。また、高温高湿下での耐久性の点からアクリル系樹脂を主成分とするものがより好ましい。
有機層1には硬化剤を含有することが好ましく、硬化剤としては、イソシアネート化合物を使用することが好ましい。具体的には、たとえばヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネートや、キシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。特に2官能以上のポリイソシアネートがバリア性向上の点から好ましい。
また、有機層1は必要に応じ、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルキルチタネート、紫外線吸収剤、耐候安定剤等の安定剤、潤滑剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
上記有機層1の形成方法としては、公知のコーティング方法が適宜採択される。例えば、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコーターまたはスプレイを用いたコーティング方法等の方法がいずれも使用できる。塗布後は、80〜200℃程度の温度での熱風乾燥、熱ロール乾燥などの加熱乾燥や、赤外線乾燥などの公知の乾燥方法を用いて溶媒を蒸発させることができる。
有機層1の厚みは1〜1000nmであるのが基材と有機層2の密着性が良好となるので好ましく、特に10〜100nmであるのが好ましい。
(有機層2)
有機層2は、有機層1と有機層3との間に位置するものである。有機層2のガラス転移温度T2は、基材のガラス転移温度より大きいことが好ましい。また、100〜250℃が好ましく、更に150〜230℃であることが好ましい。
有機層2のガラス転移温度T2が上記の範囲であると、ガスバリア性フィルムの高温高湿下でのバリア性劣化を抑制することができるので好ましい。二次加工の際等の基材のガラス転移温度を超える温度下での使用や、ガスバリア性フィルムを太陽電池用途に使用した場合等の高温高湿下の使用においては、基材の運動(収縮、膨張)応力が無機層に伝わりやすくなり、その結果、無機層にクラックなどが発生しバリア性が劣化しやすくなると考えられる。そのため、基材のガラス転移温度以上のガラス転移温度を持つ層を基材と無機層の間に設けることにより、基材の運動応力が無機層に伝播するのを低減し、バリア性劣化を抑制する事が出来ると推定される。
しかし、高ガラス転移温度の有機層は一般に柔軟性に乏しいゆえに、基材と無機層の間に設けられる所謂アンカーコート層として考えた場合に、基材との密着性に劣る。よって基材と高ガラス転移温度の有機層である有機層2との間に、密着性を向上させるために有機層2よりガラス転移温度が低く、柔軟性のある有機層1を設けるのである。
有機層2は、電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化物を含むものであるのが好ましい。このような有機層2は、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む塗料組成物から形成することができる。電離放射線硬化型樹脂組成物は、少なくとも電離放射線硬化型樹脂を含む組成物であり、電離放射線を照射することにより、硬化する樹脂組成物である。ここで、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
電離放射線硬化型樹脂としては、重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができ、例えば(メタ)アクリレートモノマー、(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく挙げられる。中でもフルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートモノマー、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートオリゴマーモノマー、多官能性(メタ)アクリレートモノマー、多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。これらのモノマー、オリゴマーは併用して用いてもよく、また組成物の粘度調整などの目的で単官能性(メタ)アクリレートを適宜併用することができる。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートモノマーは一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーの官能基数は、耐薬品性、耐汚染性、あるいは高平滑性といった表面特性を優れたものとする観点、及び、反りの軽減、耐傷性及び外観性の向上の観点から、2〜8が好ましく、より好ましくは3〜6である。
多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えばウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーなどが挙げられる。
ここで、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。
ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、アクリルオリゴマー、ポリブタジエンオリゴマー、シリコーンオリゴマー等から選ばれるオリゴマーの主鎖に、(メタ)アクリロイル基を有するものが挙げられる。
上述の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーは一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーの官能基数は、耐薬品性、耐汚染性、あるいは高平滑性といった表面特性を優れたものとする観点、及び、反りの軽減、耐傷性及び外観性の向上の観点から、3〜8が好ましく、より好ましくは3〜6である。
多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、1,000〜30,000であることが好ましく、1,000〜27,000であることがより好ましい。
単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
電離放射線硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、電離放射線硬化型樹脂組成物中には、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して、光重合開始剤を0.1〜5質量部程度添加することが好ましい。光重合開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、ベンゾイン系、アセトフェノン系、フェニルケトン系、ベンソフェノン系、アントラキノン系等の光重合開始剤が挙げられる。
また、電離放射線硬化型樹脂組成物中には、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いることができる。
電離放射線硬化型樹脂として電子線硬化型樹脂を用いる場合、光重合開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得ることができる。電子線硬化型樹脂としては、前記の多官能性(メタ)アクリレートモノマー、多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく用いられ、これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機層2を形成する塗料組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、電離放射線硬化型樹脂組成物以外の成分を含有していてもよい。例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、着色剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、酸化防止剤等を含有することができる。但し、有機層2を形成する塗料組成物の全固形分に占める電離放射線硬化型樹脂組成物は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
有機層2は、上記塗料組成物を、透明基材上に塗布し、必要に応じて乾燥、硬化することにより形成することができる。乾燥は塗料組成物が無溶剤型である場合は省略できる。
有機層2は、無機層の成膜性を良好にするために、実質的に粒子を含有しないことが好ましい。具体的には、有機層2は粒子の含有量が0.1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましく、0質量%であることがさらに好ましい。なお、粒子とは、平均粒子径1nm以上のものをいう。粒子の平均粒子径は、例えば、透過型電子顕微鏡のTEM写真で確認できる。
有機層2は、表面が略平滑であることが好ましい。具体的には、有機層2の表面の三次元算術平均粗さSaが20nm以下であることが好ましい。
三次元算術平均粗さSaは、二次元パラメータの算術平均粗さRa(JIS B0601:2013)を三次元に拡張したパラメータであり、表面形状曲面と平均面で囲まれた部分の体積を測定面積で割ることにより算出できる。
有機層2の厚みは1〜10μmであるのが好ましい。厚みが1μmより薄いと高温高湿下におけるバリア性劣化の抑制効果が十分でない恐れがあり、10μmを超えると硬化応力により基材との密着性が十分でない恐れがある。特に有機層2の厚みは2〜5μmであるのが好ましい。
(有機層3)
有機層3は、有機層2と無機層との間に位置するものである。有機層上に、無機層が成膜される際には残留応力が発生するため、その下にある有機層にはその応力を緩和するために柔軟性が求められる。しかし有機層2はガラス転移温度が高いため柔軟性に劣るゆえに応力緩和効果が十分に発揮できず、その結果、無機層にクラック等が発生しやすくなりバリア性が低下する。よって有機層2と無機層の間にもバリア性を向上させるために、有機層2のガラス転移温度より低いガラス転移温度を有する柔軟性のある有機層3設けることが必要となる。
有機層3のガラス転移温度は40〜100℃であるのが、有機層3が柔軟になり、無機層の応力を緩和でき、ガスバリア性フィルムのバリア性が良好となるため好ましく、更に40〜90℃であるのが好ましい。
有機層3に使用される樹脂としては、有機層2に挙げられているものと同様なものが使用できる。有機層3は有機層2との接着性の点からポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂またはアクリル系樹脂を主成分とするものが好ましい。また、高温高湿下での耐久性の点からアクリル系樹脂を主成分とするものがより好ましい。
また、有機層3は必要に応じ、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルキルチタネート、紫外線吸収剤、耐候安定剤等の安定剤、潤滑剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
有機層3の厚みは1〜1000nmであるのがバリア性やブロッキングの抑制の点から好ましく、特に10〜100nmであるのが好ましい。
(無機層)
無機層を構成する無機物質としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン、あるいはこれらの酸化物、炭化物、窒化物、酸化炭化物、酸化窒化物、酸化炭化窒化物、ダイヤモンドライクカーボン又はこれらの混合物等が挙げられる。
本発明のガスバリア性フィルムを太陽電池に適用した場合に電流がリークする等のおそれがない点から、酸化珪素、酸化炭化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム及び酸化窒化アルミニウム等の無機酸化物、窒化珪素及び窒化アルミニウム等の窒化物、ダイヤモンドライクカーボン並びにこれらの混合物が好ましい。
また、酸化珪素、酸化炭化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化窒化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化アルミニウム及びこれらの混合物は、高い防湿性が安定に維持できる点で好ましく、これらの中でも、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、及び窒化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
また、酸化珪素は屈折率が低く、反射率を抑え、防眩性をより高めることができる点で好適である。
無機層の形成方法としては、蒸着法、コーティング法等の方法がいずれも使用できるが、ガスバリア性の高い均一な薄膜が得られるという点で蒸着法が好ましい。この蒸着法には、物理気相蒸着(PVD)、あるいは化学気相蒸着(CVD)、原子層蒸着(ALD)等の方法がいずれも含まれる。物理気相蒸着法としては、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等が挙げられ、化学気相蒸着法としては、プラズマを利用したプラズマCVD、加熱触媒体を用いて材料ガスを接触熱分解する触媒化学気相成長法(Cat−CVD)等が挙げられる。原子層蒸着は、真空容器内に設置した基板上に、原料化合物の分子をモノレイヤーごとに表面へ吸着、反応による成膜、パージによる余剰分子の除去、のサイクルを繰り返し行うことによって、原子層を一層ずつ積み上げる手法である。
また、上記無機層は、無機層は単層の他、多層であってもよく、上記に挙げられる種々の成膜法を用い多層成膜し、防湿性を高めることが可能である。その場合、同一の成膜法を用いてもよいし、各層ごとに異なる成膜法を用いてもよいが、いずれも減圧下で連続して行うことが、効率的な防湿性向上、生産性の点で好ましい。
また、無機層が多層の場合、各層は同じ無機物質からなっていても、異なる無機物質からなっていてもよい。
無機層の厚さは、高い防湿性能の発現と透明性の点から、5〜1000nmであることが好ましく、10〜800nmがより好ましく、10〜500nmがさらに好ましく、20〜200nmがよりさらに好ましい。
更に、前記無機層上に、有機層と該有機層上に形成された無機層とからなる構成単位を1つ以上有していてもよい。
無機層上には、高い防湿性能を発現する観点から、さらに保護層を形成してもよい。保護層は、無機層の微細な欠陥を補完する役割を果たし、より高いガスバリア性の発現が期待できる。該保護層としては有機無機ハイブリッド材料を含むコート層が好ましく用いられ、具体的には、ポリシラザン、ポリシロキサン等が用いられる。
保護層の厚みは、クラックの発生を防止し、高い防湿性能を発現する観点から、好ましくは5〜120nm、より好ましくは10〜90nmである。保護層は、例えば上記有機無機ハイブリッド材料を含む塗布液を調製し、これを無機層上に所望の厚みとなるように塗布、加熱乾燥することにより形成できる。
ガスバリア性フィルムのヘイズ(JIS K7136:2000)は、7〜30%であることが好ましく、8〜25%であることがより好ましく、10〜20%であることがさらに好ましい。ヘイズを7%以上とすることにより、防眩性を良好にしやすくできるとともに、光拡散性、全光線透過率を良好にしやすくできる。また、ヘイズを30%以下とすることにより、ガスバリア性の低下を防止しやすくできる。
ガスバリア性フィルムの全光線透過率(JIS K7361−1:1997)は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。
ガスバリア性フィルムの温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率は、防湿性の観点から、好ましくは0.7(g/m/day)以下、より好ましくは0.5(g/m/day)以下である。
ガスバリア性フィルムの水蒸気透過率の調整は、無機層を構成する無機物質の選択、無機層の厚み、基材の材質及び厚み、保護層の形成、及び無機物質の酸化数等を適宜調整することにより行うことができる。
水蒸気透過率の測定方法は、JIS Z 0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に準じ、具体的には実施例に記載の方法で測定される。
本発明においては、上記構成層に必要に応じさらに追加の構成層を積層したガスバリア性積層フィルムが用途に応じて使用できる。
通常の実施態様としては、上記無機層あるいは保護層の上にプラスチックフィルムを設けたガスバリア性積層フィルムが各種用途に使用される。該プラスチックフィルムの厚さは、積層構造体の基材としての機械強度、可撓性、透明性等の点から、通常5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲で用途に応じて選択される。
該プラスチックフィルムとして、ヒートシールが可能なフィルムを使用することにより、ヒートシールが可能となり、種々の容器として使用できる。ヒートシールが可能な樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、生分解性樹脂等の公知の樹脂が例示される。
また、太陽電池用部材、有機EL用部材、電子ペーパーの表面保護部材等の耐候性が重要視される用途においては、該プラスチックフィルムとして、耐加水分解性や耐候性に優れるフィルム(耐候性フィルム)を用いることが好ましい。耐候性フィルムとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリメチルメタアクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂;ポリアミド等が挙げられる。
本発明のガスバリア性フィルムは、防湿性及び防眩性を有し、かつ全光線透過率が良好であることから、太陽電池用部材、有機EL、無機EL等の発光体の保護材、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等の各種ディスプレイ用の光拡散フィルム、電子ペーパーの表面保護部材等に好適に用いることができる。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例及び比較例により本発明は制限を受けるものではない。なお、種々の物性の測定及び評価は次のようにして行った。
<評価項目等>
(1)水蒸気透過率
厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績社製、パイレンP1146)の表面に、ウレタン系接着剤(東洋モートン社製のAD900とCAT−RT85とを10:1.5の割合で配合したもの)を塗布、乾燥し、厚さ約3μmの接着剤層を形成した。次いで、該接着剤層上にガスバリア性フィルムの無機層(SiO)側の面をラミネートし、ガスバリア性積層フィルムを得た。
上記ガスバリア性積層フィルムを、水蒸気透過率測定装置 DELTAPERM(Technolox社製)に、ガスバリア性フィルムが検出器側(すなわちCPPフィルムが水蒸気暴露側)になる向きにセットし、温度40℃、相対湿度90%の条件で水蒸気透過率(g/m/day)を測定した。
(2)ラミネート強度
上記と同様の方法で得られたガスバリア性積層フィルムを幅15mmの短冊状に切り出し、レトルト処理(温度:125℃、時間:30分)を行い、その後、端部を一部剥離し、引っ張り試験機((株)オリエンテック製「STA−1150」)を用いて、300mm/minの速度でCPPフィルムを180°剥離することにより、レトルト後のラミネート強度(g/15mm)を測定した。
なお、ラミネート強度の値が大きいほど、各層間の密着性が良好であることを示す。
(3)ダンプヒート(DH)試験
38μmシリコーン離型PETフィルムに下記のように調製した粘着剤を厚みが固形分換算20μmとなるよう塗布し、乾燥して粘着剤層を形成した。形成した粘着面にガスバリア性フィルムの無機層面を貼り合せ、その後シリコーン離型PETフィルムを剥離し、もう一方の粘着面にフッ素系樹脂フィルムを貼合し40℃で4日間養生し、ダンプヒート試験(高温高湿試験)用積層フィルムを作成した。ガラス、封止材、ダンプヒート試験用積層フィルム(フッ素系樹脂フィルムが暴露側)の順になるように積層し、150℃×15分の条件で真空ラミネートを行い、その後温度85℃、相対湿度85%の条件の恒温恒湿機中で2000時間経過させた。
その後、ダンプヒート試験後のダンプヒート試験用積層フィルムを用いて、水蒸気透過率測定装置 DELTAPERM(Technolox社製)で温度40℃、相対湿度90%の条件で水蒸気透過率(g/m/day)を測定した。
(粘着剤の調製)
温度計、撹拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、アクリル酸ブチル90質量部、アクリル酸10質量部、酢酸エチル75質量部、トルエン75質量部の混合溶液に、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を加え、窒素ガス雰囲気下、80℃で8時間重合した。反応終了後、トルエンにて固形分30質量%に調製し、質量平均分子量50万である樹脂を得た。得られた樹脂100質量部に対して、イソシアナート系架橋剤としてコロネートL(商品名:日本ポリウレタン工業社製、固形分75質量%)1質量部を添加して、粘着剤を調製した。
(4)真空蒸着法により形成した無機層の厚み
無機層の厚みの測定は蛍光X線を用いて行った。具体的には、フィルム上に既知の2種の厚みの薄膜を形成し、それぞれについて放射される特定の蛍光X線強度を測定し、この情報より検量線を作成する。ガスバリア性フィルムの無機層について同様に蛍光X線強度を測定し、検量線からその厚みを算出した。
(5)有機層の膜厚
エポキシ樹脂包埋超薄切片法で試料を調製し、日本電子株式会社製の断面TEM装置「JEM−1200EXII」により加速電圧120KVの条件で測定した。なお、10nm以下の有機層の厚みについては、断面TEM法による測定においても正確な値を得ることは難しいため、実施例及び比較例と同様の有機層成分を10質量%含む塗布液を、規定の号数のワイヤーバーで塗布して形成した塗膜層の厚みを測定して単位濃度あたりの膜厚を算出し、実施例及び比較例に記載の濃度で塗布した場合の厚みを算出した。
(6)有機層のガラス転移温度
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)を使用して熱流対温度の速度を評価することによって決定され、ポリマーのセグメント移動性(segmental mobility)の開始、およびポリマーがガラス状態からゴム状態へと変化したと言える反曲点(通常、二次転移)を決定する。温度および振動数の関数としてポリマーのモジュラスの変化を測定する動機械的熱分析(DMTA)技術を使用して、ガラス転移温度を求めることもできる。
(7)三次元算術平均粗さ(Sa)
菱化システム社製の商品名VertScan2.0 R5200Gにより有機層1及び2の表面の三次元算術平均粗さ(Sa)を測定した。なお、測定範囲は5倍対物レンズで948.76μm×711.61μmの範囲である。
<実施例1〜5及び比較例1〜7>
(使用材料)
・ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製 ダイアホイルT600、厚み50μm)
・無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)(東洋紡績社製 P1146、厚み60μm)
・フッ素系樹脂フィルム:テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)フィルム(旭硝子社製 商品名:アフレックス50 MW1250DCS、厚み50μm)
・ブリヂストン社製 封止材 商品名:EVASKY S11(厚み500μm、融点69.6℃)
・AGCファブリテック社製 太陽電池専用カバーガラス TCB09331(3.2mm厚)
*実施例、比較例それぞれで使用するガスバリア性フィルムと同じサイズのガラスに切削加工し使用した。
・SiO(一酸化ケイ素)
・フルオレンアクリレート(大阪ガスケミカル社製 オグゾールEA−HG001 Tg=212℃)
・フルオレンアクリレート(大阪ガスケミカル社製 オグゾールEA−200 Tg=179℃)
・多官能アクリレート(新中村化学工業社製 NKエステル A−TMM−3L 3官能性 Tg>250℃)
・ウレタンアクリレート(新中村化学工業社製 NKオリゴ U−6LPA、6官能性)
・水酸基含有(メタ)アクリル系共重合体(三菱レイヨン社製 ダイヤナールLR209)
・イソシアネート基含有樹脂(住友バイエルウレタン社製 スミジュールN−3200)
・飽和ポリエステル(東洋紡績社製 バイロン300)
・イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製 コロネートL)
・N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製 KBM−573)
・ウレタン系接着剤(東洋モートン社製 AD900(主剤)、CAT−RT85(硬化剤))
・1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン(BASF社製 Irgacure184)

(コート液1の調製)
水酸基含有(メタ)アクリル系共重合体(三菱レイヨン社製 ダイヤナールLR209)に、イソシアネート基含有樹脂(住友バイエルウレタン社製 スミジュールN−3200)を、水酸基に対するイソシアネート基の当量比が1:1になるように配合し、コート液1を得た。

(コート液2の調製)
水酸基含有(メタ)アクリル系共重合体(三菱レイヨン社製 ダイヤナールLR209)に、イソシアネート基含有樹脂(住友バイエルウレタン社製 スミジュールN−3200)を、水酸基に対するイソシアネート基の当量比が1:1になるように配合し、混合物を得た。
次いで、該混合物にN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製 KBM−573)をコート液中の全固形分に対して固形分濃度が30質量%になるように添加し、コート液2を調製した。

(コート液aの調製)
メチルエチルケトンにフルオレンアクリレート(大阪ガスケミカル社製 オグゾールEA−HG001)及び1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン(BASF社製 Irgacure184)を100:100:3の質量比となるよう配合し、コート液aを得た。

(コート液bの調製)
メチルエチルケトンにフルオレンアクリレート(大阪ガスケミカル社製、オグゾールEA−200)及び1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン(BASF社製 Irgacure184)を100:100:3の質量比となるよう配合し、コート液bを得た。

(コート液cの調製)
メチルエチルケトンに多官能アクリレート(新中村化学工業社製 NKエステル A−TMM−3L 3官能性 Tg>250℃)及びウレタンアクリレート(新中村化学社製、NKオリゴ U−6LPA、6官能性)及び1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン(BASF社製、Irgacure184)を100:60:40:3の質量比となるよう配合し、コート液cを得た。

(コート液dの調製)
イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製 コロネートL)と飽和ポリエステル(東洋紡績社製 バイロン300)とを1:1質量比で配合し、コート液dを得た。
[実施例1]
基材として、厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社 ダイアホイルT600)を用い、そのコロナ処理面にコート液1を塗布し、100℃の乾燥オーブンで60秒間乾燥して厚さ100nmの有機層1を形成した。
次いで、有機層1上にコート液aを塗布し、100℃の乾燥オーブンで60秒間乾燥を行なった後、高圧水銀ランプ(160W/cm)を用いて大気雰囲気下で積算紫外線照射量300mJ/cm照射し、厚み4μmの紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物を含む有機層2を形成した。
次いで、有機層2上にコート液1を塗布し、100℃の乾燥オーブンで60秒間乾燥して厚さ100nmの有機層3を形成した。
次いで、真空蒸着装置を使用して2×10−3Paの真空下でSiOを抵抗加熱方式で蒸発させ、有機層3上に厚さ50nmのSiO無機層を形成し、ガスバリア性フィルムを得た。
得られたガスバリア性フィルムについて、各評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例2〜4]
実施例1と同様にして、表1に記載の有機層1〜3及び無機層を形成し、ガスバリア性フィルムを作製し、各評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1と同様にして、表1に記載の有機層1〜3及び無機層を形成した後、無機層上にコート液2を塗布し、100℃の乾燥オーブンで60秒間乾燥して厚さ100nmの有機層を形成した。
次いで、真空蒸着装置を使用して2×10−3Paの真空下でSiOを抵抗加熱方式で蒸発させ、該有機層上に厚さ50nmのSiO無機層を形成し、ガスバリア性フィルムを得た。
得られたガスバリア性フィルムについて、各評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
基材として、厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社、ダイアホイルT600)を用い、そのコロナ処理面にコート液1を塗布し、100℃の乾燥オーブンで60秒間乾燥して厚さ100nmの有機層1を形成した。
次いで、有機層1上にコート液dを塗布し、100℃の乾燥オーブンで60秒間乾燥して厚さ1μmの有機層2を形成した。
次いで、有機層2上にコート液1を塗布し、100℃の乾燥オーブンで60秒間乾燥して乾燥して厚さ100nmの有機層3を形成した。
次いで、真空蒸着装置を使用して2×10−3Paの真空下でSiOを抵抗加熱方式で蒸発させ、有機層3上に厚さ50nmのSiO無機層を形成し、ガスバリア性フィルムを得た。
得られたガスバリア性フィルムについて、各評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
有機層3を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、表1に記載の有機層1〜2及び無機層を形成し、ガスバリア性フィルムを作製し、各評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1と同様にして、表1に記載の有機層2〜3及び無機層を形成し、ガスバリア性フィルムを作製し、各評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例1と同様にして、表1に記載の有機層1及び無機層を形成し、ガスバリア性フィルムを作製し、各評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例5]
実施例1と同様にして、表1に記載の有機層2及び無機層を形成し、ガスバリア性フィルムを作製し、各評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例6]
比較例1と同様にして、表1に記載の有機層1〜3及び無機層を形成した後、無機層上にコート液2を塗布し、100℃の乾燥オーブンで60秒間乾燥して厚さ100nmの有機層を形成した。
次いで、真空蒸着装置を使用して2×10−3Paの真空下でSiOを抵抗加熱方式で蒸発させ、該有機層上に厚さ50nmのSiO無機層を形成し、ガスバリア性フィルムを得た。
得られたガスバリア性フィルムについて、各評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006260412
本発明によれば、優れたガスバリア性を維持しつつ、各構成層間の密着性に優れたガスバリア性フィルムが得られる。

Claims (13)

  1. 基材の少なくとも一方の面に、有機層1、有機層2、有機層3及び無機層がこの順に積層されてなるガスバリア性フィルムであって、有機層1のガラス転移温度T1、有機層2のガラス転移温度T2、及び有機層3のガラス転移温度T3が、T1<T2及びT3<T2の関係を満たし、
    前記有機層1のガラス転移温度T1が40〜100℃、前記有機層2のガラス転移温度T2が100〜250℃、及び前記有機層3のガラス転移温度T3が40〜100℃であり、
    前記有機層1及び3の厚みが1〜1000nmであり、かつ、前記有機層2の厚みが1〜10μmであるガスバリア性フィルム。
  2. 前記有機層2が、電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化物を含む、請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
  3. 前記有機層2が、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートの硬化物を含む、請求項1又は2に記載のガスバリア性フィルム。
  4. 前記有機層2が、3官能以上の(メタ)アクリレートの硬化物を含む、請求項1〜3の何れかに記載のガスバリア性フィルム。
  5. 前記有機層2の表面の三次元算術平均粗さ(Sa)が20nm以下である、請求項1〜4の何れかに記載のガスバリア性フィルム。
  6. 前記ガスバリア性フィルムの温度40℃相対湿度90%における水蒸気透過率(WVTRa)が0.5g/m/day以下であり、温度85℃、湿度85%、2000時間の条件でのダンプヒート試験後の温度40℃相対湿度90%における水蒸気透過率(WVTRb)が、WVTRの5倍以下である、請求項1〜5の何れかに記載のガスバリア性フィルム。
  7. 前記基材が、ポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜6の何れかに記載のガスバリア性フィルム。
  8. 前記無機層上に、有機層と該有機層上に形成された無機層とからなる構成単位を1つ以上有する、請求項1〜の何れかに記載のガスバリア性フィルム。
  9. 前記有機層1及び有機層3が、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂及びウレタン系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜の何れかに記載のガスバリア性フィルム。
  10. 前記有機層1及び有機層3が、イソシアネート系化合物を含む、請求項1〜の何れかに記載のガスバリア性フィルム。
  11. 前記無機層が、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化珪素、酸化炭化窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム及び酸化炭化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の無機化合物からなる、請求項1〜10の何れかに記載のガスバリア性フィルム。
  12. 請求項1〜11の何れかに記載のガスバリア性フィルムを有する太陽電池用保護材。
  13. 請求項1〜11の何れかに記載のガスバリア性フィルムを有するディスプレイ用部材。
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