JP6280477B2 - ガスバリアフィルムおよびガスバリアフィルムの製造方法 - Google Patents

ガスバリアフィルムおよびガスバリアフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガスバリアフィルムに関する。本発明はまた、ガスバリアフィルムの製造方法に関する。
基材となるプラスチックフィルム上に有機層と無機層とが積層されたバリア性積層体を有するガスバリアフィルムは、水蒸気や酸素などを遮断する機能を有し、食品、工業用品および医薬品等の変質を防止するための包装または封止の用途に広く用いられている。
ガスバリアフィルムは、屈曲性や伸縮性を有していることにより、上記のさまざまな用途での使用が可能であるが、屈曲または伸縮によっては、水蒸気バリア性が低下する例も見られた。
これに対し、特許文献1においては、屈曲しても高い水蒸気バリア性を維持することができるガスバリアフィルムとして、ウレタンアクリレートを重合させた樹脂を含む有機層とプラスチックフィルムとの間に易接着層を設けた構成のガスバリアフィルムが提案されている。特許文献2においては、バリア性積層体の積層構造による高いバリア層の性能を維持したまま樹脂フィルムと複合化し、輸液バッグに応用する技術が開示されている。
特開2008−307887号公報 特開2012‐75716号公報
特許文献1においては、主に有機EL素子などの光学素子への用途において屈曲しても高い水蒸気バリア性を維持することができるガスバリアフィルムについて検討されている。しかし、近年のガスバリアフィルムの用途を鑑みると、輸液バッグなどの包装材料を含む多種多様な形態で使用された際にも高い水蒸気バリア性を維持することができる構成としてはまだ改善の余地があると考えられる。例えば、輸液バッグの形成には、ガスバリアフィルムと樹脂フィルムとの複合化に加えて、さらに打ち抜き加工、縁取り加工、袋形状にするための中間加工により屈曲や伸びが生じる。また、輸液バッグには使用者の取り扱いや落下による使用時のストレスがかかりやすい。特許文献2の、バリア性積層体を輸液バッグに応用する技術においては、このようなストレスを受けたり屈曲したりしても高い水蒸気バリア性を維持することができるガスバリアフィルムについての検討は行われていない。
本発明の課題は、屈曲したり伸びたりしても破壊しにくく高いバリア性を維持できるガスバリアフィルムを提供することである。本発明はまた、このようなガスバリアフィルムの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題の解決のため鋭意検討し、有機層の物性についてさらに検討を重ね本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[9]を提供するものである。
[1]基材フィルム、易接着層、有機層、および無機層をこの順に有し、
上記有機層は、内部応力が2.0MPa以下であり、ガラス転移温度が200℃以上であり、かつ厚さが1.0μm以上である、
ガスバリアフィルム。
[2]上記基材フィルムおよび上記易接着層、上記易接着層および上記有機層、ならびに上記有機層および上記無機層がそれぞれ直接接している[1]に記載のガスバリアフィルム。
[3]上記易接着層が2層からなる[2]に記載のガスバリアフィルム。
[4]上記易接着層が基材フィルム側から、ポリエステル樹脂を含む層、および、アクリル樹脂またはポリウレタン樹脂を含む層からなる[3]に記載のガスバリアフィルム。
[5]上記有機層の厚さが7.0μm以下である[1]〜[4]のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
[6]上記無機層の厚さが10〜300nmである[1]〜[5]のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
[7]基材フィルム、易接着層、有機層、および無機層をこの順に有するガスバリアフィルムの製造方法であって、
易接着層を有する基材フィルムの易接着層の表面に、有機層形成用組成物を塗布して塗布膜を得ること、
上記塗布膜を乾燥すること、および
上記の乾燥後の有機層形成用組成物を硬化して上記有機層を形成することを含み、
上記有機層形成用組成物が溶媒を含み、上記有機層形成用組成物から上記溶媒を除いた固形分の上記有機層形成用組成物全量に対する濃度が1.0〜4.5質量%であり、
上記の乾燥の乾燥時間が25秒以上である製造方法。
[8]上記溶媒がメチルエチルケトンを含む[7]に記載の製造方法。
[9]上記無機層を上記有機層の表面に化学的気相成長法で形成することを含む[7]または[8]に記載の製造方法。
本発明により、屈曲したり伸びたりしても破壊しにくく高いバリア性を維持できるガスバリアフィルム、およびそのようなガスバリアフィルムの製造方法が提供される。
本発明のガスバリアフィルムの一例の概略断面図である。 乾燥時間を説明する図である。 有機層の内部応力測定に用いられるサンプルの変形量とサンプルの長さを説明する図である。 実施例および比較例のガスバリアフィルムを用いた積層フィルムの概略断面図である。 実施例および比較例のガスバリアフィルムを用いて作製されたバッグの構成を説明する図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。本明細書において、「(メタ)アクリレート」との記載は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味を表す。「(メタ)アクリロイル基」等も同様である。
<ガスバリアフィルム>
本発明のガスバリアフィルムは、基材フィルム、易接着層、有機層、および無機層をこの順に含む。本発明のガスバリアフィルムの一例の概略断面図を図1に示す。
ガスバリアフィルムは、少なくとも1層の有機層と少なくとも1層の無機層を含むものであり、2層以上の有機層と2層以上の無機層とが交互に積層しているものであってもよい。本明細書において、最も基材フィルム側にある有機層を第1有機層、最も基材フィルム側にある無機層を第1無機層という場合がある。本明細書において、特に明記しないときは、有機層というときは、第1有機層およびその他の有機層のいずれも含む意味で用いられ、無機層というときは、第1無機層およびその他の無機層のいずれも含む意味で用いられる。
ガスバリアフィルムは有機層として第1有機層のみを含み、かつ、無機層として第1無機層のみを含む構成であることも好ましい。基材フィルムおよび易接着層は直接接していることが好ましい。また、易接着層および第1有機層は直接接していることが好ましい。さらに、第1有機層および第1無機層は直接接していることが好ましい。
ガスバリアフィルムは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、ガスバリアフィルムを構成する組成が膜厚方向に有機領域と無機領域が連続的に変化するいわゆる傾斜材料層を含んでいてもよい。特に、特定の有機層とこの有機層の表面に直接形成される無機層との間、例えば、第一の有機層と第一の無機層との間、に傾斜材料層を含みうる。傾斜材料層の例としては、キムらによる論文「Journal of Vacuum Science and Technology A Vol. 23 p971−977(2005 American Vacuum Society) ジャーナル オブ バキューム サイエンス アンド テクノロジー A 第23巻 971頁〜977ページ(2005年刊、アメリカ真空学会)」に記載の材料や、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように有機領域と無機領域が界面を持たない連続的な層等が挙げられる。以降、簡略化のため、有機層と有機領域は「有機層」として、無機層と無機領域は「無機層」として記述する。
ガスバリアフィルムを構成する層数に関しては特に制限はないが、典型的には3層〜30層が好ましく、3〜20層がより好ましい。本発明のガスバリアフィルムは、基材フィルム、易接着層、有機層、および無機層以外の機能層を有していてもよい。機能層については、特開2006−289627号公報の段落番号0036〜0038に詳しく記載されている。これら以外の機能層の例としてはマット剤層、保護層、耐溶媒層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、反射防止層、ハードコート層、応力緩和層、防曇層、防汚層、被印刷層等が挙げられる。
ガスバリアフィルムの膜厚は10μm〜200μmであることが好ましく、20μm〜150μmであることがより好ましい。
[基材フィルム]
ガスバリアフィルムは、通常、基材フィルムとして、プラスチックフィルムを用いる。用いられるプラスチックフィルムは、バリア性積層体を保持できるフィルムであれば材質、厚み等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。プラスチックフィルムとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。基材フィルムとしては特にポリエステル樹脂を好ましく用いることができる。
基材フィルムの膜厚は8μm〜200μmであることが好ましく、18μm〜150μmであることがより好ましい。
[有機層]
本発明者は、基材フィルム、易接着層、第1有機層、および第1無機層をこの順に有する構成のガスバリアフィルムにおいて、 第1有機層の内部応力を2.0MPa以下とし、ガラス転移温度が200℃以上とし、かつ厚さが1.0μm以上とすることにより、ガスバリアフィルムが破壊されにくくなることを見出した。ガスバリアフィルムは特に無機層において破壊されやすい。上記の特性を有する第1有機層を用いることにより、ガスバリアフィルムの伸び率が向上し、無機層も破壊されにくくなっていることを見出した。
本明細書において、内部応力は、片持ち梁法で測定した値を意味するものとする。
具体的には、実施例で示すように、支持体および支持体上に形成された有機層を含むサンプルのカール量を測定し、その測定値と、サンプルのパラメータからストーニー-ホフマンの式で求めることができる。(金原 粲著、薄膜の基礎技術 第3版、東京大学出版会 207頁、2008年)
内部応力は、1.8MPa以下であることが好ましく、1.5MPa以下であることがより好ましい。
本明細書において、有機層のガラス転移温度Tgは以下の測定方法で測定したものを意味する。有機層のみとしたフィルムを動的粘弾性装置(EXSTAR DMS6100、セイコーインスツル製)で昇温速度3℃/分、周波数1Hzで測定し、tanδがピークになったときの温度をTgとする。具体的手順は実施例に示すようであればよい。ガラス転移温度は200℃〜300℃であることが好ましく、210℃〜270℃であることがより好ましい。有機層は一般にガラス転移温度が高いほどバリア性がよいが、破断しやすくなる。内部応力および膜厚を上記の範囲とし、かつ易接着層を用いた構成のガスバリアフィルムとすることにより、この破断しやすさが補完されていると考えられる。
本明細書において、有機層の膜厚は、分光干渉式膜厚測定装置(オプティカルナノゲージ、浜松ホトニクス製)で測定した値を意味する。第1有機層の膜厚は、1.0μm〜5μmが好ましく、1.0μm〜3.5μmがより好ましい。
[有機層形成用組成物]
有機層は、有機層形成用組成物の硬化により形成することができる。有機層形成用組成物は重合性化合物を含み、その他、重合開始剤、シランカップリング剤を含んでいてもよい。有機層形成用組成物は溶媒を含むことが好ましく、特に第1有機層形成のための有機層形成用組成物は溶媒を含む。
(重合性化合物)
上記重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物、および/または、エポキシまたはオキセタンを末端または側鎖に有する化合物であることが好ましい。重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物が特に好ましい。エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物の例としては、(メタ)アクリレート系化合物、アクリルアミド系化合物、スチレン系化合物、無水マレイン酸等が挙げられ、(メタ)アクリレート系化合物が好ましく、特にアクリレート系化合物が好ましい。
(メタ)アクリレート系化合物としては、(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートやポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が好ましい。
スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、4−ヒドロキシスチレン、4−カルボキシスチレン等が好ましい。
(メタ)アクリレート系化合物として具体的には、例えば特開2013−43382号公報の段落0024〜0036または特開2013−43384号公報の段落0036〜0048に記載の化合物を用いることができる。また、WO2013/047524に記載のフルオレン骨格を有する多官能アクリルモノマーを用いることもできる。
重合性化合物は、重合性組成物の固形分に対し、90質量%以上含まれていることが好ましく、99質量%以上含まれていることがより好ましい。
有機層を形成するための組成物において重合性化合物は2種類以上含まれていてもよい。
(重合開始剤)
有機層形成用組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。重合開始剤を用いる場合、その含量は、重合に関与する化合物の合計量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜5モル%であることがより好ましい。このような組成とすることにより、活性成分生成反応を経由する重合反応を適切に制御することができる。光重合開始剤の例としてはBASF社から市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、ランベルティ(Lamberti)社から市販されているエザキュア(Ezacure)シリーズ(例えば、エザキュアTZM、エザキュアTZT、エザキュアKTO46など)等が挙げられる。
有機層形成用組成物中の重合開始剤の含量は、重合性化合物の合計量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜2.0モル%であることがより好ましい。
(シランカップリング剤)
有機層形成用組成物は、シランカップリング剤を含んでいてもよい。シランカップリング剤としては、ケイ素に結合するメトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基等の加水分解可能な反応基とともに、エポキシ基、ビニル基、アミノ基、ハロゲン基、メルカプト基、(メタ)アクリロイル基から選択される1つ以上の反応性基を有する置換基を同じケイ素に結合する置換基として有するものが好ましい。シランカップリング剤は、(メタ)アクリロイル基を有していること特に好ましい。シランカップリング剤の具体例としては、WO2013/146069に記載の一般式(1)で表されるシランカップリング剤およびWO2013/027786に記載の一般式(I)で表されるシランカップリング剤などが挙げられる。
シランカップリング剤の、有機層形成用組成物の固形分(揮発分が揮発した後の残分)中に占める割合は、0.1〜30質量%が好ましく、1.0〜20質量%がより好ましい。
(溶媒)
有機層形成用組成物、特に第1有機層形成のための組成物は、溶媒を含む。溶媒の例としては、メチルエチルケトン(MEK)などのケトン、エステル系の溶媒:2−ブタノン、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロヘキサノン、またはこれら溶媒のいずれか2つ以上の混合溶媒が挙げられる。これらのうち、メチルエチルケトンが好ましい。
本発明のガスバリアフィルムの第1有機層形成のための有機層形成用組成物の上記溶媒を除いた固形分の溶媒を含む有機層形成用組成物全量に対する濃度は1.0〜4.5質量%であることが好ましく、2.0〜4.0質量%であることが特に好ましい。有機層形成用組成物の固形分濃度を薄くして、有機層作製の際の乾燥を従来よりも時間をかけて行うことにより、有機層の内部応力を下げることができる。
[有機層の作製方法]
有機層の作製のため、有機層形成用組成物はまず、層状とされる。層状にするためには、通常、基材フィルム上に、有機層形成用組成物を塗布すればよい。有機層形成用組成物は易接着層表面に塗布されて、塗布膜を形成することが好ましい。塗布方法としては、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スライドコート法、或いは、米国特許第2681294号明細書に記載のホッパ−を使用するエクストル−ジョンコート法(ダイコート法とも呼ばれる)が例示され、この中でもエクストル−ジョンコート法が好ましく採用できる。
有機層形成用組成物は上記の塗布後、塗布膜として乾燥される。
乾燥は、室温により行ってもよく、加熱により行ってもよいが、加熱により行うことが好ましい。乾燥温度は、有機層形成用組成物の溶媒に応じて決定すればよい。乾燥温度は、例えば、35℃〜100℃、38℃〜80℃であればよい。例えば溶媒としてMEKを用いる場合は、室温より高い温度〜50℃、好ましくは、38℃〜42℃であればよい。なお、加熱による乾燥の場合、乾燥温度は乾燥機内部の温度を意味する。
上記のように、乾燥を従来よりも時間をかけて行うことにより、有機層の内部応力を下げることができる。具体的には、有機層作製の際の第1有機層作製の際の乾燥時間を25秒以上とすることにより、有機層の内部応力を下げることができる。本明細書において、乾燥時間とは、有機層形成用組成物の塗布物を乾燥機に入れてから、有機層形成用組成物の膜面温度が乾燥温度に達するまでの時間を意味する。塗膜の乾燥は、塗布液の溶媒の蒸気圧に依存して乾燥する恒率乾燥と表面の液体分が無くなったあとの、内部液体分の表面への移動に依存して乾燥する減率乾燥を経る(図2参照)。本明細書において、乾燥時間は、この減率乾燥が終了するまでの時間を意味する。
乾燥時間は、25秒以上であればよく、27秒以上がより好ましく、30秒以上がさらに好ましい。乾燥時間の上限は特にないが、200秒以下、150秒以下などであればよい。
膜面温度は、放射温度計で測定したものを用いればよい。放射温度計としては、例えば、IR−TA(チノー製)を利用することができる。
有機層形成用組成物は、光(例えば、紫外線)、電子線、または熱線にて、硬化させればよく、光によって硬化させることが好ましい。特に、有機層形成用組成物を25℃以上の温度(例えば、30〜130℃)をかけて加熱しながら、硬化させることが好ましい。加熱により、有機層形成用組成物の自由運動を促進させることで効果的に硬化させ、かつ、基材フィルム等にダメージを与えずに成膜することができる。
照射する光は、高圧水銀灯もしくは低圧水銀灯による紫外線であればよい。照射エネルギーは100mJ/cm2以上300mJ/cm2未満が好ましく、150mJ/cm2〜270mJ/cm2がより好ましい。照射エネルギーを、従来より低くし、硬化速度を遅くすることにより、有機層の内部応力を下げることができる。
重合性化合物は空気中の酸素によって重合阻害を受けるため、重合時の酸素濃度もしくは酸素分圧を低くすることが好ましい。窒素置換法によって重合時の酸素濃度を低下させる場合、酸素濃度は2%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。減圧法により重合時の酸素分圧を低下させる場合、全圧が1000Pa以下であることが好ましく、100Pa以下であることがより好ましい。
硬化後の有機層形成用組成物における重合性化合物の重合率は20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上が特に好ましい。ここでいう重合率とはモノマー混合物中の全ての重合性基(例えば、アクリロイル基およびメタクリロイル基)のうち、反応した重合性基の比率を意味する。重合率は赤外線吸収法によって定量することができる。
有機層は、平滑で、膜硬度が高いことが好ましい。有機層の平滑性は1μm角の平均粗さ(Ra値)として3nm未満であることが好ましく、1nm未満であることがより好ましい。
第1有機層の膜厚については、上記のようであり、第1有機層以外の有機層の膜厚は特に制限はないが、脆性や光透過率の観点から、50nm〜5000nmが好ましく、200nm〜3500nmがより好ましい。
有機層の表面にはパーティクル等の異物、突起が無いことが要求される。このため、有機層の成膜はクリーンルーム内で行われることが好ましい。クリーン度はクラス10000以下が好ましく、クラス1000以下がより好ましい。
有機層の硬度は高いことが好ましい。有機層の硬度が高いと、無機層が平滑に成膜されその結果としてバリア能が向上することがわかっている。有機層の硬度はナノインデンテーション法に基づく微小硬度として表すことができる。有機層の微小硬度は100N/mm以上であることが好ましく、150N/mm以上であることがより好ましい。
[無機層]
無機層は、通常、金属化合物からなる薄膜の層である。無機層の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でも用いることができる。例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD)、種々の化学的気相成長法(CVD)、めっきやゾルゲル法等の液相成長法がある。無機層は化学的気相成長法で形成することが好ましい。無機層に含まれる成分は、上記性能を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化窒化物または金属酸化炭化物であり、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、またはTaから選ばれる1種以上の金属を含む酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化炭化物などを好ましく用いることができる。これらの中でも、Si、Al、In、Sn、Zn、Tiから選ばれる金属の酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物が好ましく、特にSiまたはAlの金属酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物が好ましい。これらは、副次的な成分として他の元素を含有してもよい。
無機層としては、特に、Siを含む無機層が好ましい。より透明性が高く、かつ、より優れたガスバリア性を有しているからである。その中でも特に、窒化ケイ素からなる無機層が好ましい。
無機層は、例えば、金属の酸化物、窒化物もしくは酸窒化物が水素を含むことにより、適水素を含んでいてもよいが、前方ラザフォード散乱における水素濃度が30%以下であることが好ましい。
本発明により形成される無機層の平滑性は、1μm角の平均粗さ(Ra値)として3nm未満であることが好ましく、1nm以下がより好ましい。
無機層の厚みに関しては特に限定されないが、1層につき、通常、5〜500nmの範囲内であり、好ましくは10〜200nm、さらに好ましくは15〜50nmである。無機層は複数のサブレイヤーから成る積層構造であってもよい。この場合、各サブレイヤーが同じ組成であっても異なる組成であってもよい。
(有機層と無機層の積層)
有機層と無機層の積層は、所望の層構成に応じて有機層と無機層を順次繰り返し製膜することにより行うことができる。
[易接着層]
本発明のガスバリアフィルムにおいては、易接着層によって、強固な層間密着性を達成でき耐屈曲性が向上している。易接着層は単層構成でも2層構成でもよい。
易接着層は2層構成易接着層であることが好ましく、基材フィルム側から、ポリエステル樹脂を含む層、および、アクリル樹脂またはポリウレタン樹脂を含む層からなる2層構成易接着層であることがより好ましい。
基材フィルムおよび易接着層は直接接していることが好ましく、基材フィルムとしてポリエステル樹脂を用いる場合において、特に、易接着層の基材フィルム側の層がポリエステル樹脂を含む層であることが好ましい。また、易接着層および第1有機層は直接接していることが好ましく、第1有機層が(メタ)アクリレート系化合物を含む有機層形成用組成物から形成された層である場合において、易接着層の第1有機層側の層はアクリル樹脂を含む層であることが好ましい。
ポリエステル樹脂とは主鎖にエステル結合を有するポリマーの総称であり、通常ポリカルボン酸とポリオールの反応で得られる。ポリカルボン酸としては例えばフマル酸、イタコン酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などがあり、ポリオールとしては例えば前述のものがある。ポリエステル樹脂およびその原料については、例えば「ポリエステル樹脂ハンドブック」(滝山栄一郎著、日刊工業新聞社、昭和63年発行)に記載されている。
アクリル樹脂とはアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体を成分とするポリマーである。具体的には、例えばアクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、ヒドロキシルアクリレートなどを主成分として、これらと共重合可能なモノマー(例えばスチレン、ジビニルベンゼンなど)を共重合したポリマーである。
ポリウレタン樹脂とは主鎖にウレタン結合を有するポリマーの総称であり、通常ポリイソシアネートとポリオールの反応によって得られる。ポリイソシアネートとしては、TDI、MDI、NDI、TODI、HDI、IPDIなどがあり、ポリオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオールなどがある。さらに、本発明では、ポリイソシアネートとポリオールの反応によって得られたポリウレタンポリマーに鎖延長処理をして分子量を増大させたポリマーも使用できる。以上述べたポリイソシアネート、ポリオール及び、鎖延長処理については、例えば「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(磐田経時編,日刊工業新聞社,昭和62年発行)に記載されている。
易接着層は、バインダーとしての上記樹脂の他、マット剤として、ポリマー微粒子や、シリカ微粒子などの無機微粒子を含んでいてもよい。また、易接着層は、界面活性剤、屈折率調整のための金属酸化物微粒子、帯電防止剤、架橋剤などを含む組成物から形成されていてもよい。
易接着層の厚み(2層構成易接着層の場合は2層の厚みの総計)には特に制限はないが、好ましくは10〜5000nm、より好ましくは20〜1500nmの範囲である。膜厚が10nm以上であれば上層との接着性が充分に得られやすくなる傾向があり、5000nm以下であれば良好な面状が得られやすくなる傾向がある。
単層易接着層または2層構成易接着層の易接着層についての詳細は、特開2008−307887号公報の段落0020〜0041の記載を参照することができ、特開2008−307887号公報に記載の内容は本明細書に取り込まれる。
<ガスバリアフィルムの用途>
本発明のガスバリアフィルムは、各種光学素子や包装材料に適用して用いることができる。本発明のガスバリアフィルムは、包装材料に適用して用いることが好ましく、特に、さらに樹脂フィルムを接着して積層フィルムを作製し、包装材料にバリア性を付与するための部材として用いることが好ましい。
積層フィルムを適用する包装材料の種類は特に限定されないが、用いられる積層フィルムのバリア性が高いため、特に、ガスバリア性が必要となる製品の包装に用いられる材料であることが好ましい。包装される製品の例としては、食品、非食品、薬品等が挙げられる。包装される製品の状態は、液体状、固体状、粉末状のいずれであってもよい。積層フィルムのヒートシールを適切に行うことにより、包装材料は袋状、またはバッグ状になっていることが好ましい。具体的な包装材料の例としては、食品用包装袋、薬品用包装袋、輸液バッグ等が挙げられる。
輸液バッグ等の包装材料の構成としては、特開2012‐75716号公報、特開2003−230618号公報および特開平10−201818号公報に記載の技術を参照することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
1.ガスバリアフィルムの製造
[実施例1]
(1−1)易接着層の形成
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東レ社製、商品名:ルミラー、厚さ100μm)の片面側に以下の手順で易接着層を形成した。
支持体に730J/m2条件でコロナ放電処理を行い、下記組成からなる第一層塗布液をバーコート法により塗布した。塗布量は、4.4mL/m2とし、180℃で1分乾燥した。
<第一層処方1>
・ポリエステル樹脂バインダー 49.7質量部
(大日本インキ化学工業株式会社製、ファインテックス ES-650、固形分29%)
・界面活性剤A 11.4質量部
(三洋化成工業株式会社、サンデットBL、固形分10%、アニオン性)
・界面活性剤B 26.8質量部
(三洋化成工業株式会社、ナロアクティー HN-100、固形分5%、ノニオン性)
・シリカ微粒子分散液C 2.4質量部
・コロイダルシリカ分散液D 4.6質量部
・カルボジイミド化合物 28.2質量部
(日清紡株式会社製、カルボジライトV-02-L2、固形分10%、カルボジイミド等量385)
・蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
膜厚が200nmの易接着層を形成した。
続いてこの面にバーコート法により第二層を塗布した。塗布量は、4.4mL/m2とし、170℃で1分乾燥した。このようにして、2層構造の易接着層を形成した。
<第二層処方>
・アクリル樹脂バインダー(アクリル1) 62.7質量部
(MMA59-St9-2EHA26-HEMA5-AA1のラテックス、固形分濃度28%)
・シリカ微粒子分散液C 2.7質量部
・コロイダルシリカ分散液D 4.6質量部
・界面活性剤A 9.6質量部
・界面活性剤B 26.8質量部
・カルボジイミド化合物 35.6質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV−02-L2、固形分10%、カルボジイミド等量385)
・蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
ただし、上でMMAはメチルメタクリレートをStはスチレンを、2EHAは2-エチルヘキシルアクリレートをHEMAはヒドロキシメタクリレートをAAはアクリル酸を示す。また数字は質量比を表す。
(1−2)有機層および無機層の形成
1−1で形成した易接着面側に以下の手順でバリア性積層体を形成して評価した。
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、ダイセルオルネクス(株)製)5.6g、リン酸エステル基を有するアクリレート(日本化薬(株)製、KAYAMERシリーズ、PM−21)を0.4g、シランカップリング剤としてKBM−5103(信越化学工業(株)製)を1.4gおよび光重合開始剤(ランベルティ社製、ESACURE KTO46)を0.6gを用意し、これらをメチルエチルケトン192gに溶解させて塗布液とした。この塗布液を、上記支持体上にワイヤーバーにて塗布した。40℃に設定した送風低温乾燥機にて、乾燥時間30秒で乾燥した後、窒素置換法により酸素濃度が0.1%となったチャンバー内にて高圧水銀ランプの紫外線を照射して(積算照射量250mJ/cm2)有機層を硬化させた。有機層の厚さは、2.0μmであった。
次に、CVD装置を用いて、有機層の表面に無機層(窒化ケイ素層)を形成した。原料ガスとして、シランガス(流量160sccm:0℃、1気圧の標準状態、以下同様)、アンモニアガス(流量370sccm)、水素ガス(流量590sccm)、および窒素ガス(流量240sccm)を用いた。電源として、周波数13.56MHzの高周波電源を用いた。製膜圧力は40Pa、到達膜厚は50nmであった。このようにして有機層の表面に無機層を積層し、実施例1のガスバリアフィルムを得た。
[実施例2〜11、比較例1〜13]
有機層の作製において、有機層形成用組成物の固形分濃度、溶媒、乾燥条件、硬化の際のUV照射量(積算照射量)、易接着層の有無および数を、表1に示すように変更した以外は実施例1と同様に実施例2〜11、比較例1〜13ガスバリアフィルムを得た。ここで、TMPTAの代わりに、実施例2においては、オグソールCA400(大阪ガスケミカル株式会社製)を使用し、実施例3においてはEA−FF01(新中村化学工業株式会社製)を使用し、比較例1においてはIRR−214K(ダイセルオルネクス株式会社製)を使用した。実施例8において、易接着層の数が1となっている時の易接着層としては、上記の第一層のみを作製したものを使用した。
表中の乾燥時間、有機層のTg、厚さ、内部応力の測定は以下のように行った。
乾燥時間の測定
有機層形成用組成物をワイヤーバーにて支持体上に塗布した後、40℃に設定した送風低温乾燥機に塗布物を入れた。この時間をゼロとする。塗布物の膜面温度を放射温度計(チノー製IR-TA)で測定し、膜面温度が40℃に達するまでの時間を乾燥時間とした。
有機層のTgの測定
易接着層がないポリエチレンテレフタレート(例えば、東レ(株)製 ルミラーT60)上にワイヤーバーでそれぞれの実施例、比較例で用いた有機層形成用組成物と同じ組成物を塗布し、それぞれの実施例、比較例と同じ条件で乾燥、紫外線照射して硬化して有機層を形成した。その後有機層を支持体上から剥がした。剥がした有機層を短冊状に切り出し動的粘弾性装置(EXSTAR DMS6100、セイコーインスツル製)で昇温速度3℃/分、周波数1Hzで測定し、tanδがピークになったときの温度をTgとした。
有機層の厚さの測定
有機層の膜厚は、分光干渉式膜厚測定装置(オプティカルナノゲージ、浜松ホトニクス製)で測定した。
内部応力の測定
25μm厚のポリエチレンテレフタレート支持体上に、それぞれの実施例、比較例での有機層形成と同様の組成物および条件で、有機層形成した。支持体上に有機層を有するサンプルを切出しその変形量(カール量)を測定した。測定された変形量(K3、図3参照)、支持体のヤング率、膜厚、およびポアソン比(K1、K2、K4)、有機層の膜厚(K5)ならびにサンプルの長さを以下のストーニー-ホフマンの式に入力し内部応力(IS)を求めた。なお、25μm厚のポリエチレンテレフタレートにつき、K1、K2、K4は以下のとおりである。
K1:4×109Pa; K2:25×10-6m; K4:0.33
残りの数値は、サンプルの実測値を用いた。
IS:有機層の内部応力(N/m2
K1:支持体のヤング率(Pa)
K2:支持体の膜厚(m)
K3:変形量(m)
K4:支持体のポアソン比
K5: 有機層の膜厚(m)
K6:サンプルの長さ(m)
2.ガスバリアフィルムの評価
上記のように得られたガスバリアフィルムについて、以下のように評価を行った。結果は表1に示す。
(1)バリア性
カルシウム法によって、水蒸気透過率を測定した。すなわち、G.NISATO、P.C.P.BOUTEN、P.J.SLIKKERVEERらSID Conference Record of the International Display Research Conference 1435-1438頁に記載の方法を用いて水蒸気透過率(g/m2/day)を測定した。このときの温度は40℃、相対湿度は90%とした。0.0005g/m2/day以下が許容できる。
(2)引っ張りクラック発生歪み
ガスバリアフィルムを短冊状に切出し、引っ張り試験機(AGS−100NX 島津製作所製)を用い引張り速度1mm/分で引っ張った。引っ張り後、ガスバリアフィルムを光学顕微鏡で観察してクラックが発生し始める歪みを引っ張りクラック発生歪みと定義した。
(3)バッグ製造適性
バッグの作製
ガスバリアフィルムとリニア低密度ポリエチレン(三井東セロ製)を下記に示す層構成となるように、ポリウレタン系接着剤を用いて貼り合せて、図4の層構成の積層フィルムを得た。接着層の厚みは、3μmとした。
PET/易接着層(1層または2層)/有機層/無機層/接着層/シーラントフィルム
得られた積層フィルムのシーラントフィルム側と、最表層がシーラントフィルムからなるポリエチレン製バッグ(内袋)の4辺をヒートシールで融着し、図5に示すバックを作製した。ヒートシールは、160℃、0.1MPa、5秒の条件で行った。
なお、1種の積層フィルムにつき、1000個のバッグを作製した。
バッグ製造適性の評価
バッグ製造適性は、図5のバッグに入れられた薬剤の保存性で評価した。具体的には、薬剤として、セファゾリンナトリウム(大塚製薬工場製)を封入し、40℃相対湿度75%の条件で6ヶ月保存して色調の変化を下記に従って評価した。
Iは正常、II〜IVは異常と判断した。
I:色調に変化無し
II:部分的に僅かに色調が変化
III:全体に微黄色に変化
IV:全体に黄色に変化
さらに、得率を総作製バッグ数に対する評価Iのバッグ数を百分率で表して、以下の基準で評価した。
A 得率95%以上
B 得率90%以上95%未満
C 得率90%未満
1 有機層
2 無機層
3 易接着層(1層または2層)
4 基材フィルム
6 シーラントフィルム
7 ヒートシール部
8 内袋
9 積層フィルム

Claims (6)

  1. 基材フィルム、易接着層、有機層、および無機層をこの順に有し、
    前記有機層は、内部応力が2.0MPa以下であり、ガラス転移温度が200℃以上であり、かつ厚さが1.0μm以上である、
    ガスバリアフィルム。
  2. 前記基材フィルムおよび前記易接着層、前記易接着層および前記有機層、ならびに前記有機層および前記無機層がそれぞれ直接接している請求項1に記載のガスバリアフィルム。
  3. 前記易接着層が2層からなる請求項2に記載のガスバリアフィルム。
  4. 前記易接着層が基材フィルム側から、ポリエステル樹脂を含む層、および、アクリル樹脂またはポリウレタン樹脂を含む層からなる請求項3に記載のガスバリアフィルム。
  5. 前記有機層の厚さが7.0μm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
  6. 前記無機層の厚さが10〜300nmである請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
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