JP6424549B2 - 樹脂積層体の製造方法および樹脂積層体 - Google Patents
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Description
しかし、フッ素樹脂フィルムは、その撥水撥油性のため接着性に難があり、フッ素樹脂フィルムを他の部材と接着させても、フッ素樹脂フィルムが容易に剥離してしまうという課題を有している。このため、フッ素樹脂フィルムの接着性の改善についての検討が行われている。
また、フッ素樹脂の種類によっては、上述の方法では接着性の改善が図りにくいという課題も有している。例えば、フッ素樹脂の中でもポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略する場合がある。)は、他のフッ素樹脂よりも耐薬品性が高く、動摩擦係数が低いという特長を有し、またポリクロロトリフルオロエチレン(以下、PCTFEと略する場合がある。)は、他のフッ素樹脂よりもガスバリア性が高く透明性、防湿性に優れるという特長を有していることから、これらのフッ素樹脂を用いたフィルムやシートは産業資材、医療資材として更なる用途展開が期待される。しかし、PTFE、PCTFEは特に接着性が悪く、これらのフッ素樹脂から形成されるフィルムに対しては、上述した従来の方法を用いても接着性の向上が十分に図れない。
まず、本発明の樹脂積層体の製造方法について説明する。本発明の樹脂積層体の製造方法は、フッ素樹脂層の一方の面に接着樹脂層を有する樹脂積層体の製造方法であって、上記フッ素樹脂層の上記一方の面に電子線硬化性樹脂組成物を塗布する塗布工程と、上記フッ素樹脂層の上記電子線硬化性樹脂組成物が塗布された面側から電子線を照射し、上記電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて上記接着樹脂層を形成する照射工程と、を有することを特徴とする。
まず、フッ素樹脂層1を準備し(図1(a))、フッ素樹脂層1の一方の面に電子線硬化性樹脂組成物2Aを塗布する(図1(b))。続いて、フッ素樹脂層1の電子線硬化性樹脂組成物2Aが塗布された面側から電子線Xを照射し(図1(c))、フッ素樹脂層1上の電子線硬化性樹脂組成物2Aを硬化して接着樹脂層2を形成する(図1(d))。このとき電子線Xがフッ素樹脂層1に到達することにより、接着樹脂層2が形成されるのと同時に、フッ素樹脂層1と接着樹脂層2との層間には架橋結合が形成され、目的とする樹脂積層体10が得られる。
なお、図1(b)が塗布工程、図1(c)、(d)が照射工程である。
すなわち、フッ素樹脂層の表面に塗布した電子線硬化性樹脂組成物を電子線の照射により硬化させる際に、フッ素樹脂層にも電子線が照射されることで、フッ素樹脂の分子内にラジカル等の反応活性種が発生する。このときフッ素樹脂層と電子線硬化性樹脂組成物の塗布層との界面では、上記反応活性種と電子線硬化性樹脂組成物に含まれる重合性官能基との反応により架橋結合が形成される。これにより、フッ素樹脂層および接着樹脂層間の層間接着強度が向上し、フッ素樹脂層の接着性の向上を図ることが可能となるのである。
これに対し、本発明によれば、フッ素樹脂層および接着樹脂層間で形成される架橋結合により、接着樹脂層の膜厚が小さくても所望の層間接着強度を得ることが可能となるという特長を有する。また、後述する理由により、PTFE、PCTFE等の接着性の劣るフッ素樹脂層に対しても、接着樹脂層の膜厚を小さくしてフッ素樹脂層の接着性を向上させることが可能であるため、得られる樹脂積層体において上述の不具合が生じにくいという特長を有する。
本発明の塗布工程は、フッ素樹脂層の一方の面に電子線硬化性樹脂組成物を塗布する工程である。
本発明におけるフッ素樹脂層としては、本発明により得られる樹脂積層体の用途に適した表面滑性、絶縁性、ガスバリア性、耐薬品性、その他の種々の性質を示すものであればよい。このようなフッ素樹脂層としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体からなるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレンまたはプロピレンとの共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体(ECTFE)、パーフルオロエチレンプロピレン共重合(PFEP)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等のフッ素樹脂の1種またはそれ以上から形成されたフィルム、シートを使用することができる。
本発明者らが電子線照射によるフッ素樹脂層および樹脂接着層間の接着性について鋭意検討を行った結果、電子線崩壊性のフッ素樹脂においては、電子線硬化性樹脂組成物の塗布側から電子線を照射することにより、フッ素樹脂内に生じた反応活性種による架橋以外に、分子鎖の切断部分と電子線硬化性樹脂との反応によっても架橋結合が形成されることを知得した。このため、電子線崩壊性のフッ素樹脂から形成されるフッ素樹脂層を用いることで、接着樹脂層との層間に架橋結合が多く形成されることとなり、層間接着強度をより向上させることが可能であるからである。
電子線崩壊性のフッ素樹脂としては、例えばPTFE、PCTFE、PFA、PFEP等が挙げられる。中でも、本発明においてはフッ素樹脂層がPTFEまたはPCTFEにより形成されたものであることが好ましい。PTFEまたはPCTFEは電子線崩壊性でありフッ素樹脂の中でも特に接着性に劣ることから、本発明の製造方法を用いることによる効果をより奏することができるからである。
なお、フッ素樹脂層の膜厚は、例えば(株)ミツトヨ製 デジマティックマイクロメータで測定することができる。
本工程において使用される電子線硬化性樹脂組成物は、電子線照射により硬化して、接着樹脂層を形成するものであり、分子中にラジカル重合性および/またはカチオン重合性結合を有する単量体、低重合度の重合体、反応性重合体を適宜混合したものである。
このような電子線硬化性樹脂としては、電子線照射を受けた際に直接、重合や二量化等の反応を起こす重合性官能基を有するモノマー、ダイマー、オリゴマーおよびポリマーを用いることができる。例えば、アクリル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合性のモノマーやオリゴマーを挙げることができる。
なお、電子線照射により硬化するものであることから、本発明における電子線硬化性樹脂組成物には重合開始剤は含まれない。
ここで、低分子材料とは、未反応のモノマーやオリゴマー、各種溶剤、紫外線重合開始剤のような光崩壊ラジカル発生材料、フタル酸エステル類等の可塑剤、添加剤等のことをいい、分子量が 1000以下である材料をいう。
本工程において、フッ素樹脂層の一方の面に電子線硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては、所望の膜厚の塗布層を形成することが可能であれば特に限定されず、電子線硬化性樹脂組成物の材料に応じて適宜選択される。塗布方法としては、例えば、スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースロールコート法、コンマコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法等の公知の方式が挙げられる。
なお、上記電子線硬化性樹脂組成物は、溶剤を用いずに上述の方法を用いてフッ素樹脂層上に直接塗布される。
本発明における照射工程は、上記フッ素樹脂層の上記電子線硬化性樹脂組成物が塗布された面側から電子線を照射し、上記電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて上記接着樹脂層を形成する工程である。
電子線の照射線量を上記範囲内とすることで、フッ素樹脂層への過剰な電子線照射を抑制しつつ、フッ素樹脂層と接着樹脂層との間に架橋結合を形成させることが可能だからである。また、フッ素樹脂層が電子線崩壊性のフッ素樹脂から形成されたものである場合、上記照射線量とすることで、上記フッ素樹脂の分子内において反応活性種による分子鎖の切断を促進させ、分子鎖の切断箇所と電子線硬化性樹脂組成物に含まれる重合性官能基との反応により架橋結合を形成させることができ、接着樹脂層およびフッ素樹脂層間の層間接着強度をより向上させることが可能となるからである。
なお、電子線の照射線量が上記範囲よりも小さいと、フッ素樹脂の分子内に発生する反応活性種の数が減少する、電子線崩壊性のフッ素樹脂内において分子鎖の切断が促進されない等の理由から、フッ素樹脂層および接着樹脂層間に形成される架橋結合の割合が減少し、層間接着強度が十分に得られない場合がある。一方、電子線の照射線量が上記範囲よりも大きいと、高エネルギーの電子線がフッ素樹脂層に照射されることとなり、フッ素樹脂の種類によっては劣化が生じる場合があるからである。
ここで、加速電圧が高いほど電子線の透過能力が増加することから、照射した電子線が電子線硬化性樹脂組成物の塗布層内を透過して、塗布層およびフッ素樹脂層との界面に到達したときの電子線の減衰率が5%以上60%以下となるように、加速電圧に設定することが好ましい。具体的には、加速電圧が50kV〜400kVの範囲内、中でも100kV〜250kVの範囲内が好ましい。これにより、フッ素樹脂層内にも電子線が透過することとなり、フッ素樹脂の分子内に反応活性種を発生させることができ、また、フッ素樹脂層が電子線崩壊性のフッ素樹脂から成る場合では、フッ素樹脂の分子内において反応活性種による分子鎖の切断を促進させることができるからである。
なお、酸素濃度を100ppm以下とするには、真空下または窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下において電子線照射を行えばよく、例えば、電子線照射装置内を窒素充填することにより、酸素濃度100ppm以下を達成することができる。
接着樹脂層の膜厚については、上述した電子線硬化性樹脂組成物の塗布層の膜厚と同様である。
本発明においては、塗布工程および照射工程によりフッ素樹脂層の一方の面に接着樹脂層を形成した後、上記フッ素樹脂層の接着樹脂層が形成されていない面に対して同様に塗布工程および照射工程を行ってもよい。これにより、図2で例示するように、フッ素樹脂層1の両面に接着樹脂層2を有する樹脂積層体を形成することができるからである。
本発明は、上記照射工程後に、上記接着樹脂層上に機能層を形成する機能層形成工程を有することが好ましい。機能層との接着、複合、同時成型を行うことで、機能層に対するフッ素樹脂層の接着性を向上させることができ、機能層の種類に応じて得られる樹脂積層体に所望の機能を付加することができるからである。
なお、接着性付与機能とは、接着樹脂層よりも強い接着性を示す機能層を設けることにより、本発明により得られる樹脂積層体全体の接着性をさらに向上させる機能をいう。
これらの機能を付与することが可能な機能層としては、例えば、熱可塑性樹脂層、ゴム基材層、紙、金属、グラファイト繊維、セラミック等が挙げられる。
熱可塑性樹脂層としては、上述した所望の機能を付与することが可能なものであればよく、透明性はあってもなくてもよい。
熱可塑性樹脂層の材料としては、特に限定されず、付与する機能に応じて適宜選択される。例えばポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン共重合体樹脂、塩化酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)、アイオノマー樹脂、オレフィン−αオレフィン共重合体樹脂等を用いることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ゴム基材層としては、上述した所望の機能を付与することが可能なものであればよく、例えば、任意の合成ゴムや天然ゴムを主原料とし、これに必要に応じて任意の配合剤を混練して得られるゴム樹脂組成物を、公知の成形方法によって、シート状、ゴム栓状等の任意の形状に成形されたものが挙げられる。
本発明は、上記塗布工程の前に上記フッ素樹脂層の表面を粗面とする表面処理工程を有することが好ましい。フッ素樹脂層の表面を粗面とすることで、電子線硬化性樹脂組成物との接触面積が増加し、フッ素樹脂層および接着樹脂層の層間により多くの架橋結合を形成させることができるため、層間接着強度をより向上させることが可能となるからである。
このような表面処理方法としては、物理的処理であってもよく、機械的処理であってもよく、適宜選択が可能である。物理的処理としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、真空プラズマ処理、オゾン処理、紫外線処理、電子線照射、火炎処理、スパッタリング等が挙げられる。また、機械的処理としては、例えばラビング処理等が挙げられる。
本発明により得られる樹脂積層体は、フッ素樹脂層の一方の面に接着樹脂層を有するものである。
上記樹脂積層体は、フッ素樹脂層と接着樹脂層との層間接着強度が高いことが好ましく、具体的には200gf/cm以上、中でも300gf/cm以上、特に400gf/cm以上であることが好ましい。フッ素樹脂層と接着樹脂層との層間接着強度が上記範囲よりも小さいと、フッ素樹脂層と接着樹脂層との間で剥離が生じやすくなるからである。
なお、上記層間接着強度は、JIS−K−6854−3 1999(T型剥離試験法)に準じて測定される値であり、テンシロン(オリエンテック社製引張試験機 RTA−250)を用い、標準ロードセルで20%加重しながら毎分100mmの速度で剥離し、試験片の剥離開始側端部からT型剥離強度が安定する上記試験片の長さ方向30mm長の位置における剥離強度の平均値を層間接着強度とする。
ここで、樹脂積層体が実質的に低分子材料を含まないとは、具体的には、接着樹脂層1cm2あたりから溶出される低分子材料の溶出量が5mg/cm2以下、好ましくは0.5mg/cm2以下であることをいう。
なお、低分子材料の溶出量は、プラスチック食品容器や医薬品容器、医療器具の溶出物試験法(日本薬局方プラスチック製医薬品容器試験法)により測定される。
また、接着樹脂層上に形成される任意の層は、単層であってもよく、複数種類の任意の層が積層されていてもよい。
次に、本発明の樹脂積層体について説明する。本発明の樹脂積層体は、フッ素樹脂層の一方の面に接着樹脂層を有する樹脂積層体であって、上記フッ素樹脂層が、PTFEまたはPCTFEにより形成されたものであり、上記接着樹脂層は電離放射線硬化性樹脂を含むことを特徴とするものである。
本発明におけるフッ素樹脂層は、PTFEまたはPCTFEにより形成されたものである。
なお、上記フッ素樹脂層のその他の詳細については、「A.樹脂積層体の製造方法」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明における接着樹脂層は、フッ素樹脂層の一方の面に有するものであり、電離放射線硬化性樹脂を含むものである。
本発明において、接着樹脂層に含まれる電離放射線硬化性樹脂は、接着樹脂層とフッ素樹脂層との層間接着強度が後述する範囲内を示すものであればよく、例えば電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。中でも電子線硬化性樹脂であることが好ましい。
なお、電子線硬化性樹脂の組成、および接着樹脂層のその他の詳細については、「A.樹脂積層体の製造方法」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明の樹脂積層体は、接着樹脂層上に機能層を有していてもよい。接着樹脂層上に機能層を有することが好ましい理由、ならびに機能層の詳細については、「A.樹脂積層体の製造方法」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明においては、フッ素樹脂層と上記接着樹脂層との層間接着強度が200gf/cm以上であることが好ましい。その理由等については、「A.樹脂積層体の製造方法」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、電子線硬化性樹脂により形成された接着樹脂層とPTFEまたはPCTFEにより形成されたフッ素樹脂層との層間接着強度が上記範囲内を示すことで、本発明の樹脂積層体が「A.樹脂積層体の製造方法」の項で説明した製造方法により形成されたものであると推量することができる。
(塗布工程)
フッ素樹脂層A(PTFEスカイプ製膜フィルム、厚さ50μm、ニチアス社製)の片面に、下記組成から成る電子線硬化性樹脂組成物Dを15g/m2の厚さとなるように塗布した。
・紫光UV−3200B(イソホロンジイソシアネートと、ポリエステル系ポリオールおよび3−メチル−1,5ペンタメチレンジオールならびにアジピン酸およびイソフタル酸の反応物と、2−ヒドロキシエチルアクリレートを主原料とする残存イソシアネートを有する硬化時に柔軟性を有する2〜3官能ウレタンアクリレート反応物とを含む。日本合成化学工業社製) … 80質量部
・アクリロイルモルフォリン … 20質量部
電子線照射装置を用いて、電子線硬化性樹脂組成物Dの塗布面側から表1に示す照射条件A〜Dのいずれかの条件で電子線を照射し、電子線硬化性樹脂組成物Dの塗布層を硬化させて接着樹脂層を形成し、樹脂積層体1−1〜1−4を得た。
電子線硬化性樹脂組成物Dに換えて、下記の組成を有する電子線硬化性樹脂組成物Eを用いたこと以外は実施例1−1〜1−4と同様にして樹脂積層体1−5〜1−8を得た。
・紫光UV−3200B(イソホロンジイソシアネートと、ポリエステル系ポリオールおよび3−メチル−1,5ペンタメチレンジオールならびにアジピン酸およびイソフタル酸の反応物と、2−ヒドロキシエチルアクリレートを主原料とする残存イソシアネートを有する硬化時に柔軟性を有する2〜3官能ウレタンアクリレート反応物とを含む。日本合成化学工業社製) … 70質量部
・アクリロイルモルフォリン … 30質量部
電子線硬化性樹脂組成物Dに換えて、下記の組成を有する電子線硬化性樹脂組成物Fを用いたこと以外は実施例1−1〜1−4と同様にして樹脂積層体1−9〜1−12を得た。
・紫光UV−3200B(イソホロンジイソシアネートと、ポリエステル系ポリオールおよび3−メチル−1,5ペンタメチレンジオールならびにアジピン酸およびイソフタル酸の反応物と、2−ヒドロキシエチルアクリレートを主原料とする残存イソシアネートを有する硬化時に柔軟性を有する2〜3官能ウレタンアクリレート反応物とを含む。日本合成化学社製) … 80質量部
・フェノキシエチルアクリレート … 20質量部
フッ素樹脂層Aに換えてフッ素樹脂層B(PTFEキャスト製膜フィルム、厚さ43μm、中興化成工業社製)を用いたこと以外は実施例1−1〜1−4と同様にして樹脂積層体2−1〜2−4を得た。
電子線硬化性樹脂組成物Dに換えて、電子線硬化性樹脂組成物Eを用いたこと以外は実施例2−1〜2−4と同様にして樹脂積層体2−5〜2−8を得た。
電子線硬化性樹脂組成物Dに換えて、電子線硬化性樹脂組成物Fを用いたこと以外は実施例2−1〜2−4と同様にして樹脂積層体2−9〜2−12を得た。
フッ素樹脂層Aに換えてフッ素樹脂層C(PCTFEキャスト製膜フィルム、厚さ50μm、ダイキン社製)を用いたこと以外は実施例1−1〜1−4と同様にして樹脂積層体3−1〜3−4を得た。
電子線硬化性樹脂組成物Dに換えて、電子線硬化性樹脂組成物Eを用いたこと以外は実施例3−1〜3−4と同様にして樹脂積層体3−5〜3−8を得た。
電子線硬化性樹脂組成物Dに換えて、電子線硬化性樹脂組成物Fを用いたこと以外は実施例3−1〜3−4と同様にして樹脂積層体3−9〜3−12を得た。
(表面処理工程)
塗布工程の前に、フッ素樹脂層Aの片面に対し、13.56MHzの真空プラズマ装置を用いて10−5Torrに減圧し、アルゴンガス雰囲気下で30秒間、エッチング処理を行った。
実施例4−1〜4−4と同様に表面処理工程を行ったこと以外は、実施例1−5〜1−8と同様にして樹脂積層体4−5〜4−8を得た。
実施例4−1〜4−4と同様に表面処理工程を行ったこと以外は、実施例1−9〜1−12と同様にして樹脂積層体4−9〜4−12を得た。
塗布工程の前に、フッ素樹脂層Bの片面に対し、実施例4−1〜4−4と同じ条件で表面処理工程を行ったこと以外は、実施例2−1〜2−4と同様にして樹脂積層体5−1〜5−4を得た。
実施例5−1〜5−4と同様に表面処理工程を行ったこと以外は、実施例2−5〜2−8と同様にして樹脂積層体5−5〜5−8を得た。
実施例5−1〜5−4と同様に表面処理工程を行ったこと以外は、実施例2−9〜2−12と同様にして樹脂積層体5−9〜5−12を得た。
塗布工程の前に、フッ素樹脂層Cの片面に対し、実施例4−1〜4−4と同じ条件で表面処理工程を行ったこと以外は、実施例3−1〜3−4と同様にして樹脂積層体6−1〜6−4を得た。
実施例6−1〜6−4と同様に表面処理工程を行ったこと以外は、実施例3−5〜3−8と同様にして樹脂積層体6−5〜6−8を得た。
実施例6−1〜6−4と同様に表面処理工程を行ったこと以外は、実施例3−9〜3−12と同様にして樹脂積層体6−9〜6−12を得た。
(表面処理工程)
塗布工程の前に、フッ素樹脂層Aの片面に対し、13.56MHzの真空プラズマ装置を用いて10−5Torrに減圧し、アルゴンガス雰囲気下で30秒間、エッチング処理を行った。
電子線硬化性樹脂組成物Dに光重合開始剤(イルガキュア184 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)社製)4質量部を十分に分散および溶解させて紫外線硬化性樹脂組成物Gを調製し、フッ素樹脂層Aのエッチング面に15g/m2の厚さとなるように塗布した。
紫外線照射装置を用いて、出力80W/cm、高圧水銀UV灯下、積算光量800mJ/cm2で、塗布面側から紫外線を照射し、紫外線硬化性樹脂組成物Gの塗布層を硬化させて接着樹脂層を形成し、樹脂積層体7−1を得た。
紫外線硬化性樹脂組成物Gに換えて、電子線硬化性樹脂組成物Eに光重合開始剤(イルガキュア184 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)社製)4質量部を十分に分散および溶解させて調製した紫外線硬化性樹脂組成物Hを用いたこと以外は、比較例1−1と同様にして樹脂積層体7−2を得た。
紫外線硬化性樹脂組成物Gに換えて、電子線硬化性樹脂組成物Fに光重合開始剤(イルガキュア184 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)社製)4質量部を十分に分散および溶解させて調製した紫外線硬化性樹脂組成物Iを用いたこと以外は、比較例1−1と同様にして樹脂積層体7−3を得た。
フッ素樹脂層Aに換えてフッ素樹脂層Bを用いたこと以外は、比較例1−1と同様にして樹脂積層体8−1を得た。
フッ素樹脂層Aに換えてフッ素樹脂層Bを用いたこと以外は、比較例1−2と同様にして樹脂積層体8−2を得た。
フッ素樹脂層Aに換えてフッ素樹脂層Bを用いたこと以外は、比較例1−3と同様にして樹脂積層体8−3を得た。
フッ素樹脂層Aに換えてフッ素樹脂層Cを用いたこと以外は、比較例1−1と同様にして樹脂積層体9−1を得た。
フッ素樹脂層Aに換えてフッ素樹脂層Cを用いたこと以外は、比較例1−2と同様にして樹脂積層体9−2を得た。
フッ素樹脂層Aに換えてフッ素樹脂層Cを用いたこと以外は、比較例1−3と同様にして樹脂積層体9−3を得た。
実施例および比較例の樹脂積層体を15mm巾の短冊状に切断し、接着樹脂層上にガムテープを貼合して補強したサンプルを作製した。各サンプルについて、T型剥離試験を行い、測定されたT型剥離強度をフッ素樹脂層と接着樹脂層との層間接着強度とした。T型剥離試験は、JIS−K−6854−3 1999(T型剥離試験法)に準じて、テンシロン(オリエンテック社製引張試験機RTA−250)を用い、標準ロードセルで20%加重しながら毎分100mmの速度で剥離して行った。剥離強度は、サンプルの剥離開始側に位置するサンプルの端部からT型剥離強度が安定する位置(サンプルの端部から長さ方向30mmの位置)での強度の平均値を記録した。
実施例1(1−1〜1−12)、実施例2(2−1〜2−12)、および実施例3(3−1〜3−12)についての評価結果を表2に、実施例4(4−1〜4−12)、実施例5(5−1〜5−12)、および実施例6(6−1〜6−12)についての評価結果を表3に、比較例1(1−1〜1−3)、比較例2(2−1〜2−3)、および比較例3(3−1〜3−3)についての評価結果を表4に示す。
樹脂積層体1−3の樹脂積層体の接着樹脂層上に、オレフィン系接着性樹脂(モディックP596 三菱化学社製)を押出して熱可塑性樹脂層を形成し、熱可塑性樹脂層上に無延伸PPフィルム(ZK99S 東レ社製)を貼り合せて、樹脂積層体10−1を得た。
樹脂積層体1−3の樹脂積層体に換えて、樹脂積層体1−11を用いたこと以外は、実施例7−1と同様にして樹脂積層体10−2を得た。
樹脂積層体2−3の樹脂積層体の接着樹脂層上に、オレフィン系接着性樹脂(モディックP596 三菱化学社製)を押出して熱可塑性樹脂層を形成し、熱可塑性樹脂層上に無延伸PPフィルム(ZK99S 東レ社製)を貼り合せて、樹脂積層体10−3を得た。
樹脂積層体2−3の樹脂積層体に換えて、樹脂積層体2−11を用いたこと以外は、実施例8−1と同様にして樹脂積層体10−4を得た。
実施例4において実施した表面処理工程と同条件にて、片面をエッチングしたフッ素樹脂層Aのエッチング面に、オレフィン系接着性樹脂(モディックP596 三菱化学社製)を押出して熱可塑性樹脂層を形成し、熱可塑性樹脂層上に無延伸PPフィルム(ZK99S 東レ社製)を貼り合せて、樹脂積層体10−5を得た。
実施例5において実施した表面処理工程と同条件にて、片面をエッチングしたフッ素樹脂層Bのエッチング面に、比較例4と同様にして熱可塑性樹脂層を形成し、熱可塑性樹脂層上に無延伸PPフィルム(ZK99S 東レ社製)を貼り合せて、樹脂積層体10−6を得た。
実施例7−1〜7−2、および実施例8−1〜8−2で得られた樹脂積層体では、フッ素樹脂層、接着樹脂層、熱硬化性樹脂層および無延伸PPフィルムの各層間において剥離が生じなかった。一方、比較例4〜5で得られた樹脂積層体では、フッ素樹脂層と熱可塑性樹脂層間で剥離が生じた。
2 … 接着樹脂層
2A … 電子線硬化性樹脂組成物
10 … 樹脂積層体
Claims (5)
- フッ素樹脂層の一方の面に接着樹脂層を有する樹脂積層体の製造方法であって、
前記フッ素樹脂層の前記一方の面に電子線硬化性樹脂組成物を塗布する塗布工程と、
前記フッ素樹脂層の前記電子線硬化性樹脂組成物が塗布された面側から電子線を照射し、前記電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて前記接着樹脂層を形成する照射工程と、
を有し、
前記フッ素樹脂層が、電子線崩壊性のフッ素樹脂により形成されたものであり、前記電子線崩壊性のフッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレンまたはポリクロロトリフルオロエチレンであることを特徴とする樹脂積層体の製造方法。 - 前記照射工程により照射される電子線の照射線量が5MGy以上20MGy未満の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂積層体の製造方法。
- 前記照射工程後に、前記接着樹脂層上に機能層を形成する機能層形成工程を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂積層体の製造方法。
- フッ素樹脂層の一方の面に接着樹脂層を有する樹脂積層体であって、
前記フッ素樹脂層が、電子線崩壊性のフッ素樹脂により形成されたものであり、前記電子線崩壊性のフッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレンまたはポリクロロトリフルオロエチレンであり、
前記接着樹脂層は電離放射線硬化性樹脂を含み、
前記フッ素樹脂層と前記接着樹脂層との層間接着強度が200gf/cm以上であることを特徴とする樹脂積層体。 - 前記接着樹脂層上に機能層を有することを特徴とする請求項4に記載の樹脂積層体。
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