JP6676356B2 - ポリウレタンフォーム - Google Patents
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Description
該ミッドソールの材料として多用されているエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の発泡体は、軽量で、衝撃吸収性や耐屈曲性を有するものの、反発性が不十分、圧縮永久歪が大きい等の欠点があった。なお、圧縮永久歪が大きい素材は、常時荷重がかかる用途では、長期使用しているとヘタリが生じるため、耐久性に劣ることになる。
しかし、この製造方法により得られたポリウレタンフォームは、遅復元性を有するものなので、反発性が低く、上記靴底部材などの用途には、適用しにくい。
しかし、上記エラストマーは、ポリオール成分として、ポリオキシプロピレン系ポリオールや低分子ジオールの配合を必須とするものなので、破断時強度(引張強度)が良好とはいえず、靴底部材などの用途では、足裏の屈曲時に亀裂が生じることがあり、耐屈曲性に劣るものであった。
ポリオール成分として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)を用いることに着目し、
これに、i)イソシアネート基末端プレポリマーとii)変性MDIとを特定の配合比で含むポリイソシアネート成分を反応させれば、
衝撃吸収性、反発性、耐久性に優れるのみならず、屈曲操作を100回/分の速度で数万回繰り返しても亀裂が発生し難いポリウレタンフォームが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒、整泡剤を含むポリウレタン原料からなるポリウレタンフォームであって、
前記ポリオール成分が、数平均分子量が300〜 3000、平均官能基数が2、及び平均水酸基価が50〜200mgKOH/gのポリテトラメチレンエーテルグリコールであり、
前記ポリイソシアネート成分は、i)ポリオールとジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)とからなる数平均分子量が500〜2000、平均官能基数が2〜3、イソシアネート基含有率が3〜10質量%のイソシアネート基末端プレポリマーと、ii)イソシアネート基含有率が25〜33質量%の変性MDIとを含み、
上記i)のプレポリマーと上記ii)の変性MDIの含有比率は、重量比で97/ 3〜80/20であり、
イソシアネートインデックスは、0.9〜1.1であり、
JIS K 6262に準拠して測定した圧縮永久歪が20%以下で、かつ耐屈曲性を備えたことを特徴とするポリウレタンフォーム。
(2)前記整泡剤は、粘度が300〜2000mPa・s(25℃)のシリコーン系化合物であり、かつ前記ポリオール成分100重量部に対する配合割合が、0.5〜9重量部であることを特徴とする前記(1)に記載のポリウレタンフォーム。
(3)モールド成形体であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のポリウレタンフォーム。
(4)前記耐屈曲性が、厚み6mmに切削したポリウレタンフォームを、90°に屈曲し、その直後に戻す操作を100回/分の速度で繰り返した際に、亀裂が発生するまでの回数が3万回以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリウレタンフォーム。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリウレタンフォームを用いた靴底部材。
また、粘度は、B型回転粘度計で測定された値である。
さらに、整泡剤として、特定のシリコーン系化合物を用いれば、セルのサイズがより一層小さく均一に整ったフォームとなり、JIS K 6255に準拠して測定した反発弾性率を60%以上にすることもできる。
また、上記ポリウレタンフォームを靴底部材に使用した靴は、歩行や走行時にかかる足への衝撃を確実に吸収でき、しかも足の蹴り出しを十分にサポートすることができる。
ポリオール成分としては、数平均分子量が300〜3000、平均官能基数が2〜3、及び平均水酸基価が50〜200mgKOH/gのポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、数平均分子量、平均官能基数、平均水酸基価が上記範囲内のポリテトラメチレンエーテルグリコールを「PTMG−I」とも言う)を用いる。
なお、本発明では、数平均分子量が異なるPTMG−Iを2種以上混合して用いてもよい。
一方、数平均分子量が3000を超えたり、平均水酸基価が50mgKOH/g未満の場合では、ソフトセグメント(高分子鎖において結合が比較的柔らかい部分。ポリウレタンの場合、アルキル鎖などをさす)の割合が多くなり、得られるポリウレタンフォームの衝撃吸収性は得られやすいが、目的とする反発性が得られない。
好ましい範囲としては、数平均分子量が1000〜2500、平均官能基数が2〜3、及び平均水酸基価が50〜100mgKOH/gである。
なお、ポリオール成分には、必要に応じて、架橋剤を添加してもよい。
架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレンエーテルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、ショ糖、ソルビトール、グルコース等のアルコール類が使用できる。特に、これらのうち、3官能以上のものが好ましい。
本発明のポリイソシアネート成分は、i)後述するイソシアネート基末端プレポリマーとii)後述する変性MDIとを、97/3〜80/20の配合割合(重量比)で含有する。
上記変性MDIは、常温で固体であるMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)を、常温で液状になるように変性したものである。
後述のi)イソシアネート基末端プレポリマーは、分子量が大きく、粘度が高いので、ii)変性MDIを混合することで粘度を下げることができる。このため、可塑剤の添加も省略できる結果、実際に靴底部材などに用いた際に、フォーム表面から可塑剤が染み出すブリードアウトの虞がない。ブリードアウトが生じると、他部材との接着を阻害するなど、取扱い性に劣るものとなる。
また、後述のi)イソシアネート基末端プレポリマーは、イソシアネート基含有率が低いので、i)単独では発泡性に劣り、得られるポリウレタンフォームを低密度化し難い。そこで、ii)変性MDIを混合することで、イソシアネート基含有率を高めることができ、ポリウレタンフォームの低密度化も実現しやすくなる。
i)に対するii)の配合割合が、これより多いと、所望の反発性が得られないばかりか、屈曲を繰り返した際に亀裂が入りやすく耐屈曲性に劣るフォームになってしまう。逆に、i)に対するii)の配合割合が、これより少なくても、十分な耐屈曲性が得られない。
i)イソシアネート基末端プレポリマーとしては、数平均分子量が500〜2000、平均官能基数が2〜3、イソシアネート基含有率が3〜10質量%のものを用いる。
数平均分子量が2000を超えたり、NCO基含有率が3質量%未満のプレポリマーだと、得られるポリウレタンフォームは発泡しづらく硬くなりすぎてしまい、所望の耐屈曲性が得られないばかりか、粘度が大きく、他の材料との混合が困難になりやすい。一方、数平均分子量が500未満だったり、NCO基含有率が10質量%を超えるプレポリマーだと、得られるポリウレタンフォームは発泡しやすく柔らかくなりすぎてしまい、所望の衝撃吸収性や反発性が得られない。
このポリオールとしては、
α)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、
β)ポリマーポリオール(例えば、ポリエーテルポリオールに、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合体などをグラフト共重合させたもの)、
γ)前記架橋剤の例として挙げたアルコール類のうち、2官能のもの
などが使用でき、これらは単独でまたは2種以上混合したものでもよいが、中でも、ポリエーテルポリオールが好ましく、より好ましくはポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、これを「PTMG−II」とも言う)である。なお、この「PTMG−II」は、“PTMG−I(数平均分子量が300〜3000、平均官能基数が2〜3、及び平均水酸基価が50〜200mgKOH/gのポリテトラメチレンエーテルグリコール)”と、“数平均分子量、平均官能基数、平均水酸基価のうちの少なくとも一つが上記の範囲外のポリテトラメチレンエーテルグリコール”とを、含む。
ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4'−MDI)、ポリメリックMDI(クルードMDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)などの芳香族イソシアネート類、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などの脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加TDI、水素添加MDIなどの脂環族ジイソシアネートなどが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することもできるが、中でも、4,4’−MDIが好ましい。
このPTMG−IIに4,4’−MDIを反応させてなるプレポリマーであれば、
・そもそもPTMG部分の結晶性が高いため、反発性の高いウレタンフォームが得られやすいうえ、
・〔ポリイソシアネート成分〕として、ii)変性MDIと併用する際の馴染み性が良好であるばかりか、
・本発明の〔ポリオール成分〕であるPTMG−Iと反応させる際の混合性も良好で、分子構造が均一になりやすく、得られるウレタンフォームの品質の安定化を図ることができる。
常温で液体であるゆえ、〔ポリイソシアネート成分〕の粘度を下げることができる変性MDIとしては、イソシアネート基含有率が25〜33質量%のものを用いる。
NCO基含有率が25質量%未満の変性MDIだと、i)プレポリマーとの混合時にNCO基含有率を高める効果が小さいので、発泡性を十分に上げてフォームの低密度化を図るためには、極めて高い割合で混合しなければならず、所望の耐屈曲性が得られない虞がある。
一方、33質量%を超える変性MDIだと、非常に少量でNCO基含有率を高めることができるが、少量であるために、分子量が大きいi)の粘度を低下させることができず、〔ポリオール成分〕と反応させる際の混合性が悪くなる。
中でも、前述の〔ポリオール成分〕との反応後の分子(架橋)構造が優れる点から、ポリメリック体(クルードMDI)あるいはカルボジイミド変性体が好ましい。
イソシアネートインデックスが小さすぎると、水酸基がイソシアネート基に対して多いため、重合が良好に進行せずウレタンフォーム表面が硬化しない虞があり、大きすぎると、所望の衝撃吸収性、反発性、耐久性は得られるが、耐屈曲性が改善されないことがある。
発泡剤としては、水(イオン交換水)を用いることができる。添加量は、前述の〔ポリオール成分〕100重量部に対し、0.5〜3重量部が好ましい。
添加量が0.5重量部未満であれば、発泡が不十分で、反発性は発揮するものの、衝撃吸収性に劣ってしまう。添加量が3重量部を超えると、発泡しすぎて得られるポリウレタンフォームのセルが荒れ、フォーム内部が割れやすいなどフォーム状態が劣るほか、反発性に劣る傾向にある。
触媒としては、従来から使用されているものであればよく、例えば、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミンなどのアミン系触媒、ビスマス触媒などの金属触媒が挙げられるが、特に限定されるものではない。
添加量は、前述の〔ポリオール成分〕100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましい。
本発明では、〔“PTMG−I”からなるポリオール成分〕と、〔“イソシアネート基末端プレポリマー”と“変性MDI”とを特定の配合比で含むポリイソシアネート成分〕とを反応させて、モールド(成形型)内で発泡硬化させることで、上記3つの“化合物”によるウレタン反応と発泡時の圧縮作用との相乗効果が生まれ、セルサイズを均一に細かくすることができる。
このため、使用する整泡剤としては、ウレタンフォームで使用できるものであれば特に限定されないが、スポーツシューズなどの激しい運動を行う場合には、より高い反発性が必要となるため、粘度が300〜2000mPa・s(25℃)のシリコーン系化合物を用いることが好ましい。
粘度が300mPa・s未満であると、整泡作用が弱く、セルが粗大化してしまい、高い反発性が得られにくい。一方、粘度が2000mPa・sを超えると、ポリウレタン原料中に均一に分散しづらくなり、得られるフォームのセルサイズが均一とならないばかりか、局所的に物性が変化してしまう(測定箇所によって物性値が変わってしまう)ので、好ましい粘度としては、800〜1000mPa・s(25℃)である。
0.5重量部未満であると、整泡作用が弱く、得られるポリウレタンフォームのセルサイズは大きく不均一化し、反発性が低く、所望の衝撃吸収性や耐久性が得られにくい。
一方、9重量部を超えると、反発性に劣るうえ、フォーム表面から整泡剤が染み出すブリードアウトが生じ、他部材との接着を阻害するなど、取扱い性にも劣る。特に、5重量部を超えると、目的とする反発性、衝撃吸収性、耐久性は得られるものの、使用には問題ない程度にタック感(ベタベタ感)が生じる傾向があるので、好ましくは、0.5〜5重量部である。
モールド成形とは、上記ポリウレタン原料(原液)をモールド(成形型)内に注入し、モールド内で発泡硬化させ、その後に脱型してフォームを得る方法である。
モールド成形とすれば、発泡時の圧縮効果により、セルサイズを均一に細かくすることができ、しかもモールド内の容積に対するポリウレタン原液の注入量によって、密度調整が容易である。
圧縮永久歪が20%を超える場合、靴底部材などの用途としては耐久性に劣るので、好ましくは15%以下である。
耐屈曲性は、前記ポリウレタンフォームを厚み6mmに切削した試験片のセンポ屈曲試験において、該試験片を厚さ2mmのテキソンボード(ボンテックス社製 商品名“#347”)に接着した後、角度90°で屈曲し、その直後に元の状態に戻す操作を100回/分の速度で繰り返した際に、亀裂が発生するまでの回数を測定し、これを指標とする。値(回数)が大きいほど、耐屈曲性があることを示し、本発明では、3万回以上であることが好ましい。
衝撃吸収性は、前記ポリウレタンフォームを厚み12.5mmに切削した試験片の落下衝撃試験において、図1に示すような砲弾状の錘w(鉄製、5.1kg)を50mmの高さから衝突させた際に、Instron社製 商品名“dynatup GRC8200”を用いて、測定した最大衝撃荷重の値を指標とする。最大衝撃荷重は、値が小さいほど、(衝撃が)吸収されていることを示し、本発明では1.5kN以下であることが好ましい。
反発性については、JIS K 6255に準拠して測定した反発弾性率が55%以上であればよく、特に60%以上であれば、スポーツシューズの靴底部材として最適であり好ましい。
密度が大きすぎると、軽量化が重要視される靴底部材などの用途への使用が難しい。また密度が小さすぎたり、セルサイズが大きすぎたり、小さすぎるフォームでは、所望の物性(反発性、耐屈曲性など)が得られにくい。
なお、本明細書において、セルサイズは、ウレタンフォームの断面を、マイクロスコープを用いて、セルの直径を100点観察(計測)して算出した平均値である。
靴底部材とは、アウトソール、ミッドソール、インソールであり、靴底全面に本発明のポリウレタンフォームを設けることはもちろんのこと、他の材料で形成したミッドソールに凹部を形成し、そこに本発明のポリウレタンフォームを挿入するなど、部分的に配置することも可能である。
なお、本発明ポリウレタンフォームは、靴底部材の他にも、ヘルメット内部、プロテクター、車両用の緩衝材料、床材など、衝撃吸収性、反発性、耐久性、耐屈曲性などが必要な用途に好適に使用することができる。
表1,2に示すように、各材料を混合したポリウレタン原料を、混合しながらモールド内に注入し、モールド温度40℃の条件下で反応させた後、脱型してポリウレタンフォームを得た。
なお、表1,2中の材料の配合を示す数値の単位は、重量部である。
〔ポリオール成分〕
・PTMG−I−1:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量2000、水酸基価57.2mgKOH/g、平均官能基数2)
・PTMG−I−2:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量850、水酸基価132mgKOH/g、平均官能基数2)
・PTMG−I’−1:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量280、水酸基価400mgKOH/g、平均官能基数2)
・PTMG−I'−2:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量3200、水酸基価35mgKOH/g、平均官能基数2)
・PPG:ポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量2200、水酸基価51mgKOH/g、平均官能基数2)
・低分子ジオール:1,4−ブタンジオール(分子量90、水酸基価1244mgKOH/g、官能基数2)
・触媒B:ビスマス触媒(日本化学産業(株)製、製品名“プキャット25”)
・整泡剤A:シリコーン系化合物(粘度900mPa・s(25℃))
・整泡剤B:シリコーン系化合物(粘度250mPa・s(25℃))
・整泡剤C:シリコーン系化合物(粘度500mPa・s(25℃))
・発泡剤:イオン交換水
・イソシアネート基末端プレポリマー1:PTMG−IIに4,4'−MDIを反応させたプレポリマー(数平均分子量1000、平均官能基数2、イソシアネート基含有率8.01質量%)
・イソシアネート基末端プレポリマー2:PTMG−IIに4,4'−MDIを反応させたプレポリマー(数平均分子量2500、平均官能基数2、イソシアネート基含有率2.5質量%)
・変性MDI−1:カルボジイミド変性体(平均官能基数2、イソシアネート基含有率28.2%)
・変性MDI−2:ポリメリック体(クルードMDI)(平均官能基数2.5、イソシアネート基含有率31.1質量%)
得られるウレタンフォームの見かけ密度が、それぞれ、表1に示す値(g/cm3)になるように、ポリウレタン原料の該モールド内への注入量を調整する以外は、実施例1と同様の配合とすることで、実施例13〜14のポリウレタンフォームを得た。
結果は、併せて表1,2に示す。
〈セルサイズ〉セルサイズは、ウレタンフォームの断面を、マイクロスコープを用いて、セルの直径を100点観察(計測)して算出した平均値。
〈最大衝撃荷重〉厚み12.5mmに切削した試験片において、落下衝撃試験により、“dynatup GRC8200(Instron社製)”を用いて、図1に示すような砲弾状の錘w(鉄製、5.1kg)を50mmの高さから衝突させた際の最大衝撃荷重。
〈センポ屈曲試験〉厚み6mmに切削した試験片を厚さ2mmのテキソンボード(ボンテックス社製 商品名“#347”)に接着したものについて、センポ屈曲試験により、角度90°、100回/分の速度で屈曲した際に、亀裂が発生するまでの回数。なお、表2中、比較例1,4,10は、5000回未満で亀裂が発生し、後述の比較例11は、10万回以上亀裂が発生しなかったことを示している。
運動靴の靴底を構成する材料として一般的なエチレン−酢酸ビニル共重合体の発泡体を用意し、同様に測定を行った。結果は、表2に示す。
一方、PTMGの数平均分子量が大きく平均水酸基価が小さすぎる比較例3では、衝撃吸収性には優れるものの、反発弾性率が50%であって、目的とする反発性が得られなかった。数平均分子量が小さく平均水酸基価が大きすぎる比較例4では、反発弾性率が60%と優れるものの、センポ屈曲試験の結果は5000回未満となり耐屈曲性に劣るものであった。また、PTMGではなく、PPGを用いた比較例5では、衝撃吸収性には優れるものの、反発弾性率は50%と目的とする反発性が得られなかった。
これは、実施例7,12と比較例7〜9の結果から示されるように、プレポリマーのみの比較例7、及び変性MDIの配合比が少ない比較例9では、反発性、衝撃吸収性には優れるものの、耐屈曲性に劣るものであった。また、変性MDIの配合比が多い比較例8では、耐屈曲性だけでなく、反発性も劣るものであった。すなわち、配合比が97/3〜80/20である実施例1〜14は全て、反発性、衝撃吸収性、及び耐屈曲性のすべての物性を満足する結果であった。
これは、実施例2,4と比較例1,2の結果から示されるように、イソシアネートインデックスが小さすぎる比較例1では、柔軟なフォームが得られ、衝撃吸収性には優れるものの、反発性や耐屈曲性に劣るものであり、インデックスが大きすぎる比較例2では、反発性が高くなるが、耐屈曲性に劣るものであった。すなわち、該インデックスが0.9〜1.1である実施例1〜14は全て、反発性、衝撃吸収性、及び耐屈曲性のすべての物性を満足する結果であった。
また、靴底部材の他にも、ヘルメット内部、プロテクター、車両用の緩衝材料、床材など、衝撃吸収性、反発性、耐久性、耐屈曲性などが必要とされる用途に好適である。
Claims (5)
- ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒、整泡剤を含むポリウレタン原料からなるポリウレタンフォームであって、
前記ポリオール成分が、数平均分子量が300〜3000、平均官能基数が2、及び平均水酸基価が50〜200mgKOH/gのポリテトラメチレンエーテルグリコールであり、
前記ポリイソシアネート成分は、
i)ポリオールとジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)とからなる数平均分子量が500〜2000、平均官能基数が2〜3、イソシアネート基含有率が3〜10質量%のイソシアネート基末端プレポリマーと、ii)イソシアネート基含有率が25〜33質量%の変性MDIとを含み、
上記i)のプレポリマーと上記ii)の変性MDIの含有比率は、重量比で97/3〜80/20であり、
イソシアネートインデックスは、0.9〜1.1であり、
JIS K 6262に準拠して測定した圧縮永久歪が20%以下で、かつ耐屈曲性を備えたことを特徴とするポリウレタンフォーム。 - 前記整泡剤は、粘度が300〜2000mPa・s(25℃)のシリコーン系化合物であり、かつ前記ポリオール成分100重量部に対する配合割合が、0.5〜9重量部であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンフォーム。
- モールド成形体であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリウレタンフォーム。
- 前記耐屈曲性が、厚み6mmに切削したポリウレタンフォームを、90°に屈曲し、その直後に戻す操作を100回/分の速度で繰り返した際に、亀裂が発生するまでの回数が3万回以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリウレタンフォームを用いた靴底部材。
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