JP2021187931A - ポリウレタンフォームおよび靴底部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】反発弾性率70%以上の高反発弾性を有し、かつ耐屈曲性に優れたポリウレタンフォーム、および当該ポリウレタンフォームを用いてなる靴底部材を提供する。【解決手段】ポリオール成分、短鎖ジオール、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒、整泡剤を含むポリウレタン原料からなるポリウレタンフォームであって、ポリオール成分は、数平均分子量が600以上3000以下であるポリテトラメチレンエーテルグリコールを含んでなるものであり、ポリオール成分100質量部に対する短鎖ジオールの含有量は0.5質量部以上10質量部以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタンフォームおよび靴底部材に関する。
従来から、種々の用途における構成部材としてポリウレタンフォームやエチレン−酢酸ビニル共重合体フォームなどの発泡体が使用されている。たとえばポリウレタンフォームからなる靴底部材は、衝撃吸収性に優れており、一般使用のシューズはもちろん、ウォーキングシューズ、ランニングシューズ、トレッキングシューズなどの運動用シューズの靴底の構成部材として使用されている。また、上記ポリウレタンフォームは、靴底部材としての用途に限らず、作業場における床敷きのマットや精密機械を設置する際の下敷き用マットなどのマット部材としても使用することができる。
運動用シューズの靴底等に用いられる場合、ポリウレタンフォームは、衝撃吸収性に加え、良好な反発弾性が求められる。反発弾性に優れる靴底を用いた運動用シューズは、蹴り出しがサポートされ足運びが容易となるので、長時間のランニングやウォーキングにおいて、疲労の蓄積を軽減する効果が期待される。尚、本発明に関し靴底とは、靴の底部分を指し、靴底部材とは、靴底を構成する構成部材(材料)を指す。
一般的に反発弾性が50%以上のものは高反発弾性と称され、反発弾性が50〜65%程度のものが流通しているが、さらなる反発弾性の向上が求められている。
たとえば、特許文献1には、高い反発係数を有すると共に低硬度及び低tanδでありかつこれらの特性を低温領域まで発揮することができる発泡ウレタンゴムの発明が開示されている。
特開2015−74735号公報
反発弾性を向上させようとすると、耐屈曲性が低下する傾向にある。上記特許文献1には、耐屈曲性について記載されていないが、イソシアネートインデックスが高く、ハードセグメントの比率が高いことから、耐屈曲性に劣ることが予想される。
耐屈曲性に劣るポリウレタンフォームを靴底部材として用いた場合、割れが生じやすく実使用に耐えられない可能性がある。特に、高い耐屈曲性が求められるランニングシューズやウォーキングシューズなどに代表される運動用シューズの靴底部材への展開は困難であった。
なお、上述する反発弾性および耐屈曲性のバランスが保たれたポリウレタンフォームは、靴底部材としてだけでなく、多種多様な用途への適用が期待されている。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明は、反発弾性率70%以上の高反発弾性を有し、かつ耐屈曲性に優れたポリウレタンフォーム、および当該ポリウレタンフォームからなる靴底部材を提供することを課題とする。
本発明のポリウレタンフォームは、ポリオール成分、短鎖ジオール、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒、整泡剤を含むポリウレタン原料からなるポリウレタンフォームであって、
上記ポリオール成分は、数平均分子量が600以上3000以下であるポリテトラメチレンエーテルグリコールを含んでなるものであり、
上記ポリオール成分100質量部に対する短鎖ジオールの含有量は0.5質量部以上10質量部以下であることを特徴とする。
また本発明の靴底部材は、本発明のポリウレタンフォームを用いて構成されることを特徴とする。
上記構成を備える本発明によれば、反発弾性率70%以上の高反発弾性を有し、かつ耐屈曲性に優れたポリウレタンフォームの提供が可能である。
また、例えば、本発明のポリウレタンフォームから構成される靴底部材は、運動用シューズとして好ましく使用することができる。
[ポリウレタンフォーム]
本発明のポリウレタンフォームは、ポリオール成分、短鎖ジオール、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒、整泡剤を含むポリウレタン原料を用いて構成される。
上記ポリオール成分は、数平均分子量600以上3000以下のポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGともいう)を含む。本発明において、上記ポリオール成分100質量部に対する短鎖ジオールの含有量は0.5質量部以上10質量以下となるよう調整される。
上述する構成を満たすことで、本発明は、反発弾性率70%以上の高反発弾性を有し、かつ耐屈曲性に優れたポリウレタンフォームを提供することが可能である。以下に、本発明のポリウレタンフォームについてさらに詳細に説明する。
(ポリオール成分)
本発明におけるポリオール成分は、数平均分子量が600以上3000以下であるPTMGを含む。本発明では、数平均分子量が異なる2種以上のPTMGを混合して用いてもよい。2種以上のPTMGを混合して用いた場合には、PTMGの混合物の数平均分子量が上記範囲となるよう調整されればよい。
PTMGの数平均分子量が600未満の場合には、得られるウレタンフォームのセルサイズが不均一になり反発弾性が低下する、あるいは、良好な機械的強度が得られない虞がある。一方、PTMGの数平均分子量が3000を超える場合には、得られるポリウレタンフォームが硬くなる虞がある。PTMGの数平均分子量は、1000以上2500以下の範囲であることが好ましい。
本発明におけるポリオール成分は、PTMG以外のポリオールを含んでもよいが、PTMG以外のポリオールの割合が大きくなると、得られるポリウレタンフォームの機械的物性が低下する傾向にある。そのため、ポリオール成分において、PTMGが主剤であることが好ましく、PTMGが80質量%であることがさらに好ましい。
(短鎖ジオール)
本発明のポリウレタンフォームは短鎖ジオールを含んでなる。短鎖ジオールを含むことにより、ポリウレタンフォームに、耐屈曲性を付与することができる。
短鎖ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。これらは、1種類または2種類以上の組合せにより使用することができる。
上記の短鎖ジオールにおいて、炭素数が2〜6の短鎖ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール)は、耐屈曲性を付与できるとともに、ポリウレタンフォームの機械的強度を維持することができる。そのため、機械的強度が求められる用途において好適に使用することができる。また、ハンドリング性にも優れるものである。炭素数が2〜6の短鎖ジオールのなかでも、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールは、反発弾性、耐屈曲性、機械的強度のいずれにおいても良好であるため、特に好ましいものである。ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールはエーテル結合が存在するため隣接水素がないこと、炭素数が短いことから、自由回転に要するエネルギーが小さいため曲げに対して強い、すなわち耐屈曲性に優れるものと推察する。
短鎖ジオールは、ポリオール成分100質量部に対して、0.5質量部以上10質量以下含有される。0.5質量部未満であると、耐屈曲性を付与する効果が得られない。反対に10質量%を超えると、耐屈曲性は得られるものの、反発弾性が低下する。反発弾性が低下すると、本発明のポリウレタンフォームを靴底部材として使用した場合には、蹴り出しがサポートする作用が低下し、長時間のランニングやウォーキングにおいて、疲労の蓄積を軽減する効果が期待しにくい。
短鎖ジオールの含有量は、好ましくはポリオール成分100質量部に対して1質量部以上3質量部以下である。1質量部以上3質量部以下の範囲であると、反発弾性が75%という超高反発性能を有しかつ耐屈曲性に優れるポリウレタンフォームを得ることができる。
(ポリイソシアネート成分)
ポリイソシアネート成分としては、ポリウレタンフォームを製造する際に用いられる従来公知のポリイソシアネート成分を適宜選択して使用しうるが、数平均分子量が500以上2000以下であり、イソシアネート基含有率が3質量%以上10質量%以下のイソシアネート基末端プレポリマーを含んでなることが好ましい。
1)イソシアネート基末端プレポリマー:
上述するイソシアネート基末端プレポリマー(以下、単にプレポリマーともいう)としては、数平均分子量が500以上2000以下、イソシアネート基含有率が3質量%以上10質量%以下のものを用いる。
数平均分子量が2000を超え、あるいはイソシアネート基含有率が3質量%未満のプレポリマーを用いた場合、製造されるポリウレタンフォームの発泡性が不十分となり硬度が高くなる虞があり、またそのようなプレポリマーは、粘度が大きく、他の材料との混合が困難になり易く生産性に劣る場合がある。
一方、数平均分子量が500未満であり、あるいはイソシアネート基含有率が10質量%を超えるプレポリマーを用いた場合、製造されるポリウレタンフォームは発泡が進み過ぎて、良好な反発弾性が示されない虞がある。
上記プレポリマーは、ポリオールとポリイソシアネートとを、イソシアネート基(NCO基)が過剰(NCO基含有率が3〜10質量%)となるように反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するプレポリマーである。
上記ポリオールとしては、下記α、β、およびγから選択された1種の材料また2種以上の混合材料を用いることができ、中でも、ポリエーテルポリオールが好ましく、ポリテトラメチレンエーテルグリコールがより好ましい。
α)ポリエーテルポリオール、またはポリエステルポリオール
β)ポリマーポリオール(例えば、ポリエーテルポリオールに、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合体などをグラフト共重合させたもの)
γ)上述にて架橋剤の例として挙げたアルコール類のうち、2官能のもの
上記ポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4'−MDI)、ポリメリックMDI(クルードMDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)などの芳香族イソシアネート類、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などの脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加TDI、水素添加MDIなどの脂環族ジイソシアネートなどが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することもできるが、中でも、4,4'−MDIが好ましい。
すなわち、プレポリマーとしては、ポリオールとしてポリテトラメチレンエーテルグリコールを用い、ポリイソシアネートとして4,4'−MDIを用いて、これらを反応させて得られるものが好ましい。
このポリテトラメチレンエーテルグリコールに4,4'−MDIを反応させてなるプレポリマーであれば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール部分の結晶性が高いため、反発弾性の高いウレタンフォームが得られやすく、かつ後述する変性MDIとの馴染み性が良好である。さらに、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに4,4'−MDIを反応させてなるプレポリマーと変性MDIを含むイソシアネート成分と、ポリオール成分であるポリテトラメチレンエーテルグリコールと反応させる際の混合性も良好であり、部材の分子構造が均一になりやすく、得られるウレタンフォームの品質の安定化を図ることができる。
2)変性MDI:
本発明では、イソシアネート成分として、上述のプレポリマーに加えてイソシアネート基含有率が25質量%以上33質量%以下の変性MDIを用いることが好ましい。イソシアネート基含有率がかかる範囲であれば、変性MDIは常温で液体として取り扱うことができる。
上述のプレポリマーは、分子量が大きいため粘度が高いが、当該プレポリマーと変性MDIとを混合させることにより、ポリイソシアネート成分の粘度を適度に下げることができ、当該ポリイソシアネート成分とポリオール成分との混合性を良好なものとすることができる。
変性MDIにおけるNCO基含有率が25質量%未満の場合、製造されるポリウレタンフォームの発泡性が不十分となる虞がある。一方、上記NCO基含有率が33質量%を超える変性MDIは、NCO基含有率の調整の観点からポリイソシアネート成分中に含有される量は少なくなるが、変性MDIの量が少なくなると、分子量が大きいプレポリマーを含むポリイソシアネート成分を適度に低い粘度に調整することが困難となり、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応させる際の混合性が悪くなる虞がある。
このように常温で液体である変性MDIの具体例としては、たとえば、ポリメリック体(クルードMDI)、ウレタン変性体、ウレア変性体、アロファネート変性体、ビウレット変性体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体などが挙げられる。中でも、ポリオール成分との反応後の分子(架橋)構造が優れる点から、変性MDIとして、ポリメリック体(クルードMDI)および/またはカルボジイミド変性体が選択されることが好ましい。
なお、変性MDIを用いる効果は上述のとおりであるが、変性MDIを添加すると、反発弾性、耐屈曲性、機械的強度が若干低下する傾向にある。したがって、変性MDIの添加については、本発明のポリウレタンフォームに要求される性能と生産性のバランスを考慮のうえ決定すればよい。
本発明におけるポリイソシアネート成分は、上述するプレポリマーおよび変性MDIに加え、さらにイソシアネート(第三のイソシアネート)を含んでいてもよい。
(発泡剤)
発泡剤としては、水を用いることができる。添加量は、上述するポリオール成分100質量部に対し、0.5質量部以上3質量部以下であることが好ましい。上記水としては、イオン交換水、蒸留水などが挙げられるが、イオン交換水が好ましい。
発泡剤の添加量が0.5質量部未満の場合、発泡が不十分となる虞がある。一方、発泡剤の添加量が3質量部を超える場合、発泡が進み過ぎ、得られるポリウレタンフォームのセルが荒れ、ポリウレタンフォーム内部が割れやすいなどフォーム状態が劣るほか、反発性に劣る傾向にある。
(触媒)
触媒としては、従来からポリウレタンフォームの製造に使用されているものであればよく、例えば、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミンなどのアミン系触媒、ビスマス触媒などの金属触媒が挙げられるが、特に限定されるものではない。
添加量は、上述するポリオール成分100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下が好ましい。
(整泡剤)
本発明では、上記ポリオール成分と、短鎖ジオールと、上記ポリイソシアネート成分とを反応させて、モールド(成形型)内で発泡硬化させることで、ウレタン反応を生じせしめるとともに発泡させ、ポリウレタンフォームを成形する。
かかるウレタン発泡においてセルサイズを良好なものとするために、整泡剤が含有される。整泡剤は、ウレタンフォームで使用できるものであれば特に限定されない。良好な反発弾性が得られやすいという観点からは、整泡剤の粘度は300〜2000mPa・s(25℃)であることが好ましく、800〜1000mPa・s(25℃)であることがより好ましい。かかる好適な粘度範囲であるシリコーン系化合物の整泡剤が特に好ましい。
整泡剤の粘度が300mPa・s(25℃)未満であると、整泡作用が弱く、セルが粗大化してしまい、高い反発弾性が得られない虞がある。一方、粘度が2000mPa・s(25℃)を超えると、ポリウレタン原料中に整泡剤が均一に分散しづらくなり、得られるフォームのセルサイズが均一になり難く、また、局所的に物性が変化してしまう虞がある。
上記好適な粘度範囲のシリコーン系化合物を、整泡剤として用いる場合は、上述するポリオール成分100質量部に対して、0.5質量部以上9質量部以下の範囲で添加することが好ましく、0.5質量部以上5質量部以下の範囲で添加することがより好ましい。
0.5質量部未満であると、整泡作用が弱く、セルが粗大化してしまい、高い反発弾性が得られない虞がある。
一方、9質量部を超えると、反発弾性に劣るうえ、ポリウレタンフォーム表面から整泡剤が染み出すブリードアウトが生じる虞があり、他部材との接着を阻害するなど、取扱い性にも劣る場合がある。上記好適な粘度範囲のシリコーン系化合物の添加量を、上述するポリオール成分100質量部に対して、5質量部以下とすることで、ポリウレタンフォームの表面にべたつきが発生することがなく、高品質なポリウレタンフォームを提供することができる。
本発明のポリウレタンフォームの原料には、ポリオール成分、短鎖ジオール、イソシアネート成分、発泡剤、触媒、整泡剤の他に、必要に応じて、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、脱泡剤、相溶化剤、着色剤、安定剤、紫外線吸収剤など、ポリウレタンフォームの製造に際して一般的に使用される添加剤を、本発明の効果が得られる範囲内において使用してもよい。
反発弾性率:
本発明のポリウレタンフォームの反発弾性率は、当該ポリウレタンフォームを靴底やマットに用いた場合に、蹴り出しが良く足運びがスムーズであるという観点から70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましい。
本発明のポリウレタンフォームの反発弾性率は、JIS K 6255に準拠して測定される。
耐屈曲性:
本発明のポリウレタンフォームは耐屈曲性を備える。
本発明のポリウレタンフォームの耐屈曲性は、縦120mm、横60mm、厚み6mmにカットした試験片を厚さ2mmのテキソンボード(ボンテックス社製 商品名「#347」)に接着した複合体を作成し、当該複合体を縦方向の中央位置で複合体の半分を90°に折り曲げる操作と元の位置に戻す操作で構成される動作を1回とし、144回/分の速度で曲げ戻した際に、ポリウレタンフォームに亀裂が発生するまでの回数で評価することができる。亀裂の発生が1万回以上であれば、耐屈曲性を有すると判断できる。亀裂の発生は2万回以上であることが好ましく、さらに好ましくは4万回以上である。
破断点強度:
本発明のポリウレタンフォームの破断点強度は、当該ポリウレタンフォームを用いてなる物品の耐久性を良好なものとするという観点から、1.0MPa以上であることが好ましく、1.5MPa以上であることがより好ましく、2.0MPa以上であることがさらに好ましい。特に破断点強度が1.5MPa以上であるポリウレタンフォームを運動用シューズの靴底部材として用いた場合、靴底が、繰り返し衝撃を負荷され、あるいは湾曲するなどの厳しい使用環境下で使用されても、短期間で劣化することを防止することが可能である。
本発明のポリウレタンフォームの破断点強度の測定方法は、JIS K 6251に準拠して測定される。
破断点伸度:
本発明のポリウレタンフォームの破断点伸度は、特に限定されないが、例えば靴底など繰り返しの屈曲が予想される用途に用いられる場合には、250%以上であることが好ましく、350%以上であることがより好ましい。
本発明のポリウレタンフォームの破断点伸度の測定方法は、JIS K 6251に準拠して測定される。
見かけ密度:
本発明のポリウレタンフォームの見かけ密度は0.25〜0.50g/cmであることが好ましい。見かけ密度が0.25g/cm未満であると、所望の反発弾性が得られにくい。一方で見かけ密度が0.50g/cmを超えると耐屈曲性が低下する傾向にある。
[靴底部材]
上述する本発明のポリウレタンフォームは、種々の用途に用いることができる。中でも本発明のポリウレタンフォームは、反発弾性率70%以上の高反発弾性を示すとともに耐屈曲性も優れるという点から、靴底部材として好ましく用いられる。
本発明のポリウレタンフォームからなる靴底部材を用いて構成された靴底は、効果的に使用者の蹴り出しおよび足運びをサポートすることができる。
なお、本発明の靴底部材は、靴底の一部を構成する構成部材であってもよいし、靴底全体を構成するものであってもよい。ここで靴底とは、靴の底部分であって一体的な構成であってもよいし、インソールおよび/またはミッドソールと、アウトソールといった複数のパーツから構成されたものであってもよい。たとえばインソール、ミッドソール、アウトソールといった靴底を構成するいずれか1以上のパーツ全体を本発明の靴底部材で構成してもよいし、1パーツにおける任意の部分を本発明の靴底部材で構成することもできる。
表1に示す配合で、ポリオール成分、短鎖ジオール、触媒、整泡剤、および発泡剤を混合してA液を調製し、上記A液とポリイソシアネート成分であるB液とをイソシアネートインデックスが1.00になるように表1に示す配合比で混合させながら、モールド内に注入し、モールド温度40℃の条件下で反応させた後、脱型してポリウレタンフォームを得た。
なお、表1中のA液の配合を示す数値の単位は、「質量部」である。
<ポリオール成分>
・PTMG2000:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量2000、水酸基価57.2mgKOH/g、平均官能基数2)
<短鎖ジオール>
・ジプロピレングリコール
・エチレングリコール
・プロピレングリコール
・1,4−ブタンジオール
・1,7−ヘプタンジオール
・1,9−ノナンジオール
<触媒>
・アミン系触媒:トリエチレンジアミン(TEDA)
・ビスマス触媒:日本化学産業社製、プキャット25
<整泡剤>
・シリコーン系化合物:粘度:900mPa・s(25℃)
<発泡剤>
・イオン交換水
<ポリイソシアネート成分>
・イソシアネート基末端プレポリマー(PTMG2000に4、4'−MDIを反応させ
たプレポリマー;数平均分子量1000、平均官能基数2、イソシアネート基含有率8.01質量%)
・カルボジイミド変性MDI(カルボジイミド変性体、平均官能基数2、イソシアネート基含有率28.2%)
各実施例および各比較例で得られたポリウレタンフォームを適宜カットし、試験片を作成し、以下に示す測定を行った。測定結果は表1に示す。
<見かけ密度(g/cm3)>
15mm×15mm×10mmの直方体にカットした試験片を用い、JIS K 7222に準拠して見かけ密度を測定した。
<反発弾性率>
厚み12.5mmに切削した試験片を用い、JIS K 6255に準拠して反発弾性率を測定した。
<耐屈曲性>
縦120mm、横60mm、厚み6mmにカットした試験片を厚さ2mmのテキソンボード(ボンテックス社製 商品名「#347」)に接着した複合体を作成し、当該複合体を縦方向の中央位置で複合体の半分を90°に折り曲げる操作と元の位置に戻す操作で構成される動作を1回とし、144回/分の速度で曲げ戻した際に、ポリウレタンフォームに亀裂が発生するまでの回数を測定し、以下の基準で評価した。
4万回以上・・・◎
2万回以上4万回未満・・・〇
1万回以上2万回未満・・・△
1万回未満・・・×
<破断点強度(MPa)>
ダンベル状(2号形)にカットした試験片を用い、JIS K 6251に準拠し、ポリウレタンフォームの破断点強度を測定した。
<破断点伸度(%)>
ダンベル状(2号形)にカットした試験片を用い、JIS K 6251に準拠し、ポリウレタンフォームの破断点伸度を測定した。
Figure 2021187931
本発明のポリウレタンフォームは、反発弾性率70%以上の高反発弾性を有し、かつ耐屈曲性にも優れる。そのため、本発明のポリウレタンフォームは、靴底部材として好適に使用される。加えて、マット部材、ヘルメットの内部、プロテクター、車両用の緩衝材料、床材など、反発弾性、耐屈曲性、良好な機械的強度等が必要とされる用途に広く用いることができる。

Claims (6)

  1. ポリオール成分、短鎖ジオール、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒、整泡剤を含むポリウレタン原料からなるポリウレタンフォームであって、
    前記ポリオール成分は、数平均分子量が600以上3000以下であるポリテトラメチレンエーテルグリコールを含むものであり、
    前記ポリオール成分100質量部に対して短鎖ジオールが0.5質量部以上10質量以下含有されてなることを特徴とするポリウレタンフォーム。
  2. 短鎖ジオールの炭素数が2〜6であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンフォーム。
  3. 短鎖ジオールがジエチレングリコールまたはジプロピレングリコールであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリウレタンフォーム。
  4. JIS K 6255に準拠して測定されたポリウレタンフォームの反発弾性率が75%以上である請求項1から3のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム。
  5. 縦120mm、横60mm、厚み6mmにカットした試験片を厚さ2mmのテキソンボード(ボンテックス社製 商品名「#347」)に接着した複合体を作成し、当該複合体を縦方向の中央位置で複合体の半分を90°に折り曲げる操作と元の位置に戻す操作で構成される動作を1回とし、144回/分の速度で曲げ戻した際に、ポリウレタンフォームに亀裂が発生するまでの回数が1万回以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のポリウレタンフォームを用いて構成されることを特徴とする靴底部材。
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