JP4491358B2 - ポリウレタンフォーム - Google Patents

ポリウレタンフォーム Download PDF

Info

Publication number
JP4491358B2
JP4491358B2 JP2005057986A JP2005057986A JP4491358B2 JP 4491358 B2 JP4491358 B2 JP 4491358B2 JP 2005057986 A JP2005057986 A JP 2005057986A JP 2005057986 A JP2005057986 A JP 2005057986A JP 4491358 B2 JP4491358 B2 JP 4491358B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane foam
polyol
glycol
compound
polyoxypropylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005057986A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006241280A (ja
Inventor
実 澤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2005057986A priority Critical patent/JP4491358B2/ja
Publication of JP2006241280A publication Critical patent/JP2006241280A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4491358B2 publication Critical patent/JP4491358B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

本発明は、ポリウレタンフォームに関する。更に詳しくは、靴底用に好適に使用しうるポリウレタンフォーム及びその製造法に関する。
従来、ポリエーテル系ポリウレタンは、ポリエステル系ポリウレタンと比較して、耐加水分解性に優れていることから、靴底用に汎用されている。しかしながら、ポリエーテル系ポリウレタンは、機械的強度に劣るため、形状保持性が低下し、寸法変化が大きくなることと、耐摩耗性に劣ることが技術的課題となっている。これらは、靴底の製造時における重要な技術的課題であり、靴底の量産時における不良率を低下させる観点及び靴底としての耐摩耗性を向上させる観点から、前記技術的課題の改善が強く求められている。
靴底用ポリウレタンフォームとして、出発原料として水酸基を2個有する化合物が用いられた、不飽和度が0.06meq/g以下であるポリオキシプロピレングリコールAと、出発原料として水酸基を3個以上有する化合物が用いられたポリオキシプロピレンポリオールBとの重量比(ポリオキシプロピレングリコールA/ポリオキシプロピレンポリオールB)が4〜100であるポリオール成分、触媒及び水を含むポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物とを反応させることによって得られた靴底用ポリウレタンフォームが提案されており、耐摩耗性を向上させる観点から、ポリオキシテトラメチレングリコール(以下、PTMGという)又はε−カプロラクトンで変性させたPTMGを含有させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この靴底用ポリウレタンフォームは、耐摩耗性に優れたものであるが、近年、更に、十分な耐摩耗性を有し、しかも寸法安定性に優れているポリウレタンフォームの開発が待ち望まれている。
特開平2000−273141号公報
本発明は、ポリエーテル系ウレタンにおいて、十分な耐摩耗性を有し、しかも寸法安定性に優れたポリウレタンフォーム及びその製造法を提供すること、並びに該ポリウレタンフォームの特徴を活かした用途、すなわち靴底及びそれが用いられた靴を提供することを課題とする。
本発明は、
(1) ポリオール成分とポリイソシアネート化合物とを反応させてなり、25℃における動粘度が8000〜120000mm/sであるジメチルポリシロキサンを含有する密度が0.1g/cm3 以上であるポリウレタンフォーム、並びに
(2) 25℃における動粘度が8000〜120000mm/sであるジメチルポリシロキサンの存在下で、ポリオール成分とポリイソシアネート化合物とを反応させる密度が0.1g/cm3 以上であるポリウレタンフォームの製造法
に関する。
本発明のポリウレタンフォームは、十分な耐摩耗性を有し、しかも寸法安定性に優れているので、その特徴を活かした用途、すなわち靴底及びそれが用いられた靴を提供することができる。また、本発明の製造法によれば、耐摩耗性が改善されるため、ポリウレタンフォームの製造時における不良率の低減を図ることができる。
ジメチルポリシロキサンとしては、25℃における動粘度が8000〜120000mm2/sであるものが用いられる。なお、ジメチルポリシロキサンの動粘度は、JIS K-2283に準じて測定したときの値である。
ジメチルポリシロキサンの25℃における動粘度は、ポリウレタンフォームの収縮を抑制し、寸法安定性を向上させ、顔料分散性を向上させるとともに色むらを抑制する観点から、8000mm2/s以上、好ましくは10000mm2/s以上、より好ましくは30000mm2/s以上であり、ポリオール成分との相溶性を向上させるとともに、ポリウレタンフォームの外観意匠を向上させる観点から、120000mm/s以下、好ましくは100000mm/s以下、より好ましくは70000mm/s以下である。
また、ジメチルポリシロキサンの25℃における表面張力は、ポリウレタンフォームの収縮を抑制し、寸法安定性を向上させ、顔料分散性を向上させるとともに色むらを抑制する観点から、21.1mN/m以上であることが好ましく、ポリウレタンフォームの外観意匠を向上させる観点から、21.5mN/m以下であることが好ましい。
ジメチルポリシロキサンの例としては、式(I):
で表される繰り返し単位を有するジメチルポリシロキサンが挙げられる。ジメチルポリシロキサンの末端基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基などが挙げられるが、これらの中では、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
ジメチルポリシロキサンの量は、ポリウレタンフォームの収縮を抑制し、寸法安定性を向上させ、顔料分散性を向上させるとともに色むらを抑制する観点及びポリオール成分との相溶性を向上させるとともに、ポリウレタンフォームの外観意匠を向上させる観点から、ポリオール成分100重量部あたり、好ましくは0.05〜3重量部、より好ましくは0.1〜1重量部、更に好ましくは0.1〜0.5重量部である。
ポリオール成分としては、原料として水酸基を2個有する化合物が用いられたポリオキシプロピレングリコールA(以下、PPG−Aという)及び原料として水酸基を3個以上有する化合物が用いられたポリオキシプロピレンポリオールB(以下、PPG−Bという)を含有するものを用いることが好ましい。
PPG−Aは、水酸基を2個有する化合物を原料とし、これにジエチル亜鉛、塩化鉄、金属ポルフィリン等の触媒を用いてプロピレンオキシドを必須とする1種以上のアルキレンオキシドの開環付加反応をランダム的又はブロック的に、好ましくはブロック的に行い、得られた水酸基を2個有する化合物の分子末端にアルキレンオキシドをランダム的に又はブロック的に、好ましくはエチレンオキシドをブロック的に付加する方法等によって製造することができる。
また、PPG−Bは、水酸基を3個以上有する化合物を出発原料とし、これに前記触媒又は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒を用いてプロピレンオキシドを必須とする1種以上のアルキレンオキシドの開環付加反応をランダム的又はブロック的に、好ましくはブロック的に行い、得られた水酸基を3個以上有する化合物の分子末端にアルキレンオキシドをランダム的に又はブロック的に、好ましくはエチレンオキシドをブロック的に付加する方法等によって製造することができる。
2官能のPPG−Aの数平均分子量の下限値は、機械的強度を保持する観点から、好ましくは3000以上、より好ましくは3500以上である。また、2官能のPPG−Aの数平均分子量の上限値は、適度な粘度を付与し、取扱い性を向上させる観点から、好ましくは5000以下、より好ましくは4500以下である。これらの観点から、2官能のPPG−Aの数平均分子量は、好ましくは3000〜5000であり、より好ましくは3500〜4500である。
3官能のPPG−BのPPGの数平均分子量の下限値は、寸法安定性を確保する観点から、好ましくは4000以上、より好ましくは4500以上である。また、3官能のPPG−BのPPGの数平均分子量の上限値は、寸法安定性を確保するとともに、適度な粘度を付与し、取扱い性を向上させる観点から、好ましくは7000以下、より好ましくは6000以下、更に好ましくは5000以下である。これらの観点から、3官能のPPG−Bの数平均分子量は、好ましくは4000〜7000、より好ましくは4500〜6000、更に好ましくは4500〜5000である。
水酸基を2個有する化合物としては、例えば、2価アルコール、2価の芳香族アルコール、水酸基を2個有するアミン、水酸基を2個有するアルカノールアミン、ジアルカノール尿素等が挙げられる。
水酸基を2個有する化合物の具体例として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール等の炭素数2〜9のアルキレングリコール、キシリレングリコール、ハイドロキノン、ビスフェノールA等の2価の芳香族アルコール、ジエタノールアミン、ジメチロール尿素、それらの変性物等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
水酸基を3個以上有する化合物としては、例えば、水酸基を3個以上有する多価アルコール、水酸基を3個以上有する芳香族アルコール等が挙げられる。
水酸基を3個以上有する化合物の具体例として、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、スクロース、トリエタノールアミンが挙げられる。これらの中では、グリセリン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールが好ましい。
水酸基を2個有する化合物及び水酸基を3個以上有する化合物に開環付加反応されるアルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられる。これらの中では、プロピレンオキシドを単独で使用するか、又はプロピレンオキシドを主成分(好ましくは50重量%以上、より好ましくは65重量%以上、更に好ましくは80重量%以上)とし、これと他のアルキレンオキシドとをランダム共重合体又はブロック共重合体となるように併用することが好ましく、ブロック共重合体となるように併用することがより好ましい。
PPG−A及びPPG−Bの内部及び末端に存在するオキシエチレン基の含有率が高くなるにしたがって親水性が増加し、水分が引き寄せられ、ポリエーテル系ポリウレタンフォームの特徴である耐加水分解性が低下する傾向がある。したがって、PPG−A及びPPG−B中のオキシエチレン基の含有量は、それぞれ、好ましくは35重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。また、PPG−A及びPPG−B中のオキシエチレン基の含有量は、末端基の反応性の観点から、それぞれ、好ましくは5重量%以上、より好ましくは8重量%以上である。
PPG−AとPPG−Bとの重量比(PPG−A/PPG−B)は、耐屈曲性及び寸法安定性を向上させる観点から、好ましくは0.5〜3.5、より好ましくは0.6〜2、更に好ましくは0.8〜1.5、特に好ましくは1〜1.2である。
なお、原料として水酸基を3個以上有する化合物に、ペンタエリスリトールの変性体が含有されている場合には、ペンタエリスリトールの変性体の量は、寸法安定性の観点から、PPG−AとPPG−Bの合計量の45重量%以下、好ましくは35重量%以下、より好ましくは25重量%以下であることが望ましい。
また、ポリオール成分として、PPG−A及びPPG−Bを基剤とするポリマーポリオールを用いることができる。ポリマーポリオールの代表例としては、重合性不飽和基含有モノマーを重合させて得られたポリマー微粒子をPPG−A又はPPG−B中に分散させたもの等が挙げられる。
ポリオール成分は、ジメチルポリシロキサン、触媒及び発泡剤として水と混合することにより、ポリオール組成物として用いることができる。
触媒は、反応速度を高める観点から、使用される。触媒としては、例えば、3級アミンが好ましい。
3級アミンの具体例として、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]−オクタン(以下、TEDAという)、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ビス(ジメチルアミノアルキル)ピペラジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、ビス(N,N−ジエチルアミノエチル)アジペート、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N−ジメチル−β−フェニルエチルアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、3級アミン以外の触媒として、例えば、ジブチルチンジラウレート、オレイン酸第1錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛等の有機金属化合物を用いることもできる。
触媒の量は、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは0.3〜4重量部、より好ましくは0.5〜2重量部、更に好ましくは0.6〜1.0重量部である。
ポリオール組成物には、発泡剤として水が用いられる。水の量は、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは0.5〜1.8重量部、より好ましくは0.6〜1.5重量部である。
ポリオール組成物には、架橋剤を用いることができる。架橋剤としては、水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、その他のイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2個以上有する低分子化合物等が挙げられる。この低分子化合物の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物等の多価アルコール、ジエチルトルエンジアミン、クロロジアミノベンゼン、エチレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等のポリアミン等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
架橋剤の量は、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは5〜10重量部である。
なお、ポリオール組成物には、必要により、シリコーン系整泡剤、顔料、酸化防止剤、黄変防止剤等の添加剤を適量で添加することができる。
ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2個以上有する芳香族系ポリイソシアネート、脂環族系ポリイソシアネート、脂肪族系ポリイソシアネート、それらの混合物、それらを変性させることによって得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物の具体例として、トリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、水添メチレンジフェニルジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート、それらの混合物、それらの変性体等が挙げられる。前記変性体としては、ポリオールとの反応生成物であるプレポリマー型変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビュレット変性体等が挙げられる。ポリイソシアネート化合物の中では、芳香族ポリイソシアネート及びその変性体が好ましく、メチレンジフェニルジイソシアネート及びその変性体がより好ましい。
また、ポリオキシアルキレングリコールとメチレンジフェニルジイソシアネート及び/又はその変性体とからなるプレポリマー型変性体は、ポリオキシアルキレングリコールからなるソフトセグメントを含んだ構造を有し、低密度ポリウレタンフォームの機械的特性の向上に有効であることから、更に好ましい。
前記ポリオキシアルキレングリコールは、PPG−A又はPPG−Bを調製する手法と同様の手法で製造することができる。ポリオキシアルキレングリコールの中では、水酸基1個あたりの分子量が1000以上であるポリオキシプロピレン系グリコールは、好適に使用しうるものである。このポリオキシプロピレン系グリコールは、オキシアルキレン鎖が長いので、ポリウレタンフォームでのソフトセグメントとしての役割が有効に働き、伸びや弾性が良好となる。ポリオキシアルキレングリコールは、あらかじめポリイソシアネートと反応させるため、必ずしも水酸基の1級化が必要ではなく、末端にエチレンオキシドが付加されていても付加されていなくてもよい。プレポリマー型変性体中には、メチレンジフェニルジイソシアネート又はその変性物と、ポリオール成分に用いられる架橋剤との反応生成物が含まれていてもよい。
ポリオール成分とポリイソシアネート化合物とを反応させる際には、ポリオール成分とポリイソシアネート化合物との割合は、式:
〔イソシアネートインデックス〕
=〔(実際に使用されたイソシアネート量)÷(化学量論的にポリオールと当量とされるイソシアネート量)〕×100
で表されるイソシアネートインデックスが好ましくは70〜100、より好ましくは75〜90となるように調整することが望ましい。
本発明のポリウレタンフォームを製造する方法としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ポリオール成分、触媒、発泡剤として水及びその他の添加剤をあらかじめ混合、攪拌したポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物とを成形機により、混合、攪拌し、成形型内に注入し、発泡させる方法等が挙げられる。より具体的には、前記ポリオール組成物を混合、攪拌し、通常、40℃程度に調温した後、自動混合注入型発泡機、自動混合型射出発泡機等の発泡機を用いて、ポリオール成分とポリイソシアネート化合物とを反応、発泡させる方法等が挙げられる。
以上のようにしてポリウレタンフォームが得られる。このポリウレタンフォームは、耐摩耗性及び寸法安定性に優れているので、靴底用ポリウレタンフォームとして好適に使用しうるものである。
ポリウレタンフォームの密度は、靴底としての物性を維持する観点及び靴底としての快適性を付与する観点から、0.1g/cm3 以上、好ましくは0.3〜1.0g/cm3 、より好ましくは0.4〜0.8g/cm3、更に好ましくは0.45〜0.65g/cm3 である。なお、ここで、ポリウレタンフォームの密度とは、ポリウレタンフォームの重量を測定し、この重量をそのポリウレタンフォームの体積で除して密度を算出した値である。
また、ポリウレタンフォームの硬度(Asker C)は、靴底に要求される反発性を良好にし、また靴底に望まれる適度な硬さを付与する観点から、好ましくは35〜90、より好ましくは50〜80、更に好ましくは50〜70である。
また、ポリウレタンフォームの反発弾性率は、靴底としての物性を維持する観点及び靴底としての快適性を付与する観点から、10〜35%であることが好ましい。
本発明の靴は、通常、靴本体(甲皮等)及び靴底を一体化させることによって製造することができる。靴本体は、足の甲を包む部位であり、特に素材や形状を問わない。
実施例1〜13及び比較例1〜7(実施例12,13は参考例である)
ポリオール成分として、表1〜2に示すポリオール1〜4を用い、表1〜2に示す割合で混合したものを用いた。
触媒(TEDA)、発泡剤(水)、架橋剤(1)(エチレングリコール)又は架橋剤(2)(ジエチレングリコール)、必要に応じて整泡剤(1)〔東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、商品名:SH193〕又は整泡剤(2)〔東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、商品名:SRX253〕、及び黒色顔料〔日本ピグメント(株)製、商品名:NV−7−478〕を、ポリオール成分100重量部あたりの量が表1〜2に示す量となるように混合し、攪拌して液状のポリオール組成物を調製した。
ポリイシシアネート化合物として、ポリオール変性ジフェニルメタンジイソシアネート〔花王(株)製、商品名:エディフォームB−6106M、NCO%:16%〕を用いた。
ポリオール組成物とポリイソシアネート化合物との混合割合は、発泡時のフリーフォームの状態に鑑みて決定し、式:
〔イソシアネートインデックス〕
=〔(実際に使用されたイソシアネート量)÷(化学量論的にポリオールと当量とされるイソシアネート量)〕×100
で表されるイソシアネートインデックスが75〜80程度となるように調整した。そのイソシアネートインデックスを表1〜2に示す。
ポアリング型の低圧発泡機の一方のタンク内に、ポリオール組成物を入れ、その液温を35〜45℃に調節し、他方のタンク内にポリイソシアネート化合物を入れ、同様に液温を35〜45℃にした。前記発泡機を用いてポリオール組成物とポリイソシアネート化合物とを混合撹拌して、成形型(100mm×300mm×10mm)内に注入、発泡させ、100mm×300mm×10mmのポリウレタンフォームからなるテストシートを作製した。そのときの成形条件は、以下のとおりである。
〔成形条件〕
・反応性 :クリームタイム5〜15秒間
・脱型時間 :注入開始後6.0分間
・成形型の温度:45〜50℃
・成形型の材質:アルミニウム
なお、各実施例及び各比較例に用いられたポリオール成分及びジメチルポリシロキサン、並びに物性の測定方法の詳細は、以下のとおりである。
〔ポリエーテルポリオール〕
<ポリオール1>
ポリオキシプロピレングリコール〔旭硝子ウレタン(株)製、商品名:プレミノール5005、官能基数:2、水酸基価:28mgKOH/g、数平均分子量:4000、不飽和度0.02meq/g〕
<ポリオール2>
ポリオキシプロピレントリオール〔旭硝子ウレタン(株)製、商品名:エクセノール820、官能基数:3、水酸基価:34mgKOH/g、数平均分子量:4900、不飽和度0.06meq/g〕
<ポリオール3>
ポリオキシプロピレントリオール〔旭硝子ウレタン(株)製、商品名:エクセノール850、官能基数:3、水酸基価:24mgKOH/g、数平均分子量:7000〕
<ポリオール4>
ペンタエリスリトールの変性物〔三洋化成工業(株)製、商品名:サンニックスHD−402、官能基数:4、水酸基価:405mgKOH/g、数平均分子量:550〕
〔ジメチルポリシロキサン〕
<S−1>
GE東芝シリコーン(株)製、商品名:TSF451−10M、動粘度(25℃)100000mm/s
<S−2>
GE東芝シリコーン(株)製、商品名:TSF451−1M、動粘度(25℃)10000mm/s
<S−3>
GE東芝シリコーン(株)製、商品名:TSF451−6000、動粘度(25℃)6000mm/s
<S−4>
GE東芝シリコーン(株)製、商品名:TSF451−1000、動粘度(25℃)1000mm/s
<S−5>
GE東芝シリコーン(株)製、商品名:TSF451−100、動粘度(25℃)100mm/s
〔物性の測定方法〕
作製されたテストシートの物性を以下の方法に従って調べた。その結果を表3〜4に示す。
<寸法変化>
テストシートを脱型後1週間以上放置した後、成形型の寸法300mmに対応する部分のテストシートの長さを25℃で測定した。成形型寸法である300mmからこの値を差し引いた値を寸法変化とした。得られた寸法変化の値が大きいほど、寸法安定性が悪く、収縮していることを示す。
<摩耗量>
JIS K 6264のDIN摩耗試験に従い、テストシートから打ち抜いた試験片を用いた。研磨布に押し付ける力は7.5Nとした。試験前の試験片の重量から試験後の試験片の重量を差し引いた重量の差を摩耗量とした。
<密度>
テストシート(100mm×300mm×10mm)の重量を測定し、体積300cm3 で除して求めた。
<硬度>
テストシート表面の硬度をAsker C硬度計にて25℃で測定した。
<引張強度及び伸度>
テストシートから打ち抜いたダンベル状2号形の試験片を用い、JIS K 6252に従って測定した。
<引裂強度>
テストシートから打ち抜いた切込みなしアングル形の試験片を用い、JIS K 6252に従って測定した。
<寸法安定性>
寸法変化量が2mm以下の場合を○(寸法安定性良好)、2mm以上の場合を×(寸法安定性不良)と評価した。
<耐摩耗性>
JIS K 6264のDIN摩耗試験に従い、テストシートから打ち抜いた試験片を用いた。研磨布に押し付ける力は7.5Nとした。測定後の試験片から摩耗量を測定した。摩耗量が200mg以下の場合を○(耐摩耗性良好)、200mg以上の場合を×(耐摩耗性不良)と評価した。
<耐屈曲性>
テストシートから130mm×25mm×10mmの大きさに切り出したサンプルの片面にテキソンを貼り付け、中心部に2mmのノッチを入れたものを試験片とした。このノッチが入った場所を屈曲点として速度170rpmで90度屈曲させたときのノッチ成長を測定した。屈曲回数が100000回の時点で、ノッチの成長がない場合を○(耐屈曲性良好)、ノッチ成長がある場合を△(耐屈曲性やや不良)、亀裂が成長し、完全に割れた場合を×(耐屈曲性不良)と評価した。
<反発弾性率>
JIS K 6255に記載のリュプケ式反発弾性試験方法に基づき、厚さ10mm、直径32mmの大きさに切り出したサンプルを用いて温度25℃で測定した。
実施例2及び10並びに比較例1〜4の結果から、ジメチルシリコーンオイルの効果を確認することができる。比較例4のジメチルシリコーンオイルが無添加の場合、摩耗量が多く、靴底として使用することが困難であることがわかる。また、動粘度の増加とともに摩耗量が減少し、動粘度が6000〜100000mm/sの場合には、摩耗量が200mg以下であり、靴底として使用するのに十分な耐摩耗性を有していることがわかる。これは、ポリオール成分との相溶性に関係するものと考えられる。
しかしながら、比較例1〜4において、ジメチルシリコーンオイルの無添加から動粘度の増加に伴い、動粘度が6000mm/sとなるまでは、寸法変化が大きくなることがわかる。これは、低粘度の場合には、ポリウレタンフォームの連通化を阻害し、独立気泡のポリウレタンフォームの形成に寄与することに基づくものと推測される。また、この傾向は、動粘度が6000mm/s付近で最も顕著であることが明らかとなった。また、この傾向は、添加量が減少しても同様に確認された。
これに対して、実施例1〜10の場合において、動粘度が10000mm/s以上になると寸法変化が減少し、安定性が改善された。この傾向は、添加量が減少しても同様に確認された。ジメチルシリコーンオイルとポリオール成分との相溶性が、耐摩耗性と寸法安定性を両立するために重要な因子であると考えられる。また、動粘度が100000mm/s以上になると、ポリウレタンフォームのスキン面に蛇柄模様の油膜が目立つようになる。外観意匠の観点から、動粘度は、100000mm/s以下が好ましい。これらの結果から、動粘度の最適範囲は、10000〜100000mm/sである。
本発明の製造法によって得られたポリウレタンフォームは、靴底用に好適に使用することができるものである。

Claims (4)

  1. ポリオール成分とポリイソシアネート化合物とを反応させてなり、25℃における動粘度が8000〜120000mm/sであるジメチルポリシロキサンを含有する密度が0.1g/cm3 以上であるポリウレタンフォームであって、前記ポリオール成分が、原料として水酸基を2個有する化合物が用いられたポリオキシプロピレングリコールA及び原料として水酸基を3個以上有する化合物が用いられたポリオキシプロピレンポリオールBを含有してなり、ポリオキシプロピレングリコールAとポリオキシプロピレンポリオールBとの重量比(ポリオキシプロピレングリコールA/ポリオキシプロピレンポリオールB)が0.5〜3.5である、ポリウレタンフォーム
  2. 請求項1記載のポリウレタンフォームを有する靴底。
  3. 請求項2記載の靴底を有する靴。
  4. 25℃における動粘度が8000〜120000mm/sであるジメチルポリシロキサンの存在下で、ポリオール成分とポリイソシアネート化合物とを反応させる密度が0.1g/cm3 以上であるポリウレタンフォームの製造法であって、前記ポリオール成分が、原料として水酸基を2個有する化合物が用いられたポリオキシプロピレングリコールA及び原料として水酸基を3個以上有する化合物が用いられたポリオキシプロピレンポリオールBを含有してなり、ポリオキシプロピレングリコールAとポリオキシプロピレンポリオールBとの重量比(ポリオキシプロピレングリコールA/ポリオキシプロピレンポリオールB)が0.5〜3.5である、ポリウレタンフォームの製造法
JP2005057986A 2005-03-02 2005-03-02 ポリウレタンフォーム Expired - Fee Related JP4491358B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005057986A JP4491358B2 (ja) 2005-03-02 2005-03-02 ポリウレタンフォーム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005057986A JP4491358B2 (ja) 2005-03-02 2005-03-02 ポリウレタンフォーム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006241280A JP2006241280A (ja) 2006-09-14
JP4491358B2 true JP4491358B2 (ja) 2010-06-30

Family

ID=37048003

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005057986A Expired - Fee Related JP4491358B2 (ja) 2005-03-02 2005-03-02 ポリウレタンフォーム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4491358B2 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60208321A (ja) * 1984-04-03 1985-10-19 Asahi Glass Co Ltd ポリウレタン系エラストマ−の製造方法
JPS6123620A (ja) * 1984-07-13 1986-02-01 Asahi Glass Co Ltd ポリウレタン系エラストマ−の製造方法
JPH06220153A (ja) * 1993-01-27 1994-08-09 Hodogaya Chem Co Ltd ポリウレタンフォームの製造方法
JPH07165867A (ja) * 1993-12-16 1995-06-27 Mitsui Toatsu Chem Inc 連通気泡を有する水発泡硬質ポリウレタンフォーム
JPH0953061A (ja) * 1995-08-10 1997-02-25 Achilles Corp 軟質ポリウレタンフォームシーリング材の製造方法
JPH09110960A (ja) * 1995-10-20 1997-04-28 Sanyo Chem Ind Ltd 硬質ポリウレタンフォームの製造法
JPH09278860A (ja) * 1996-04-08 1997-10-28 Sanyo Chem Ind Ltd 硬質ポリウレタンフォーム及びその製造法
JP2000063473A (ja) * 1998-08-20 2000-02-29 Mitsui Chemicals Inc 軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法
JP2000273141A (ja) * 1999-03-19 2000-10-03 Kao Corp 靴底用ポリウレタンフォームの製造法
JP2005008743A (ja) * 2003-06-18 2005-01-13 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd 硬質ポリウレタンスラブフォーム形成用組成物および硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60208321A (ja) * 1984-04-03 1985-10-19 Asahi Glass Co Ltd ポリウレタン系エラストマ−の製造方法
JPS6123620A (ja) * 1984-07-13 1986-02-01 Asahi Glass Co Ltd ポリウレタン系エラストマ−の製造方法
JPH06220153A (ja) * 1993-01-27 1994-08-09 Hodogaya Chem Co Ltd ポリウレタンフォームの製造方法
JPH07165867A (ja) * 1993-12-16 1995-06-27 Mitsui Toatsu Chem Inc 連通気泡を有する水発泡硬質ポリウレタンフォーム
JPH0953061A (ja) * 1995-08-10 1997-02-25 Achilles Corp 軟質ポリウレタンフォームシーリング材の製造方法
JPH09110960A (ja) * 1995-10-20 1997-04-28 Sanyo Chem Ind Ltd 硬質ポリウレタンフォームの製造法
JPH09278860A (ja) * 1996-04-08 1997-10-28 Sanyo Chem Ind Ltd 硬質ポリウレタンフォーム及びその製造法
JP2000063473A (ja) * 1998-08-20 2000-02-29 Mitsui Chemicals Inc 軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法
JP2000273141A (ja) * 1999-03-19 2000-10-03 Kao Corp 靴底用ポリウレタンフォームの製造法
JP2005008743A (ja) * 2003-06-18 2005-01-13 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd 硬質ポリウレタンスラブフォーム形成用組成物および硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006241280A (ja) 2006-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8357730B2 (en) Process for producing flexible polyurethane foam
JP4993038B2 (ja) 2液硬化型発泡ポリウレタン樹脂組成物、それを用いてなる成形体、及び靴底
JP5437569B2 (ja) 形状追従性樹脂発泡体及びその使用方法
WO2003054047A1 (fr) Mousse souple de polyurethanne a faible resilience et son procede de production
JP2006104404A (ja) 乗り物シート用ポリウレタンパッド
JP2009057485A (ja) ポリウレタンフォームの製造方法
JP2007191679A (ja) ポリウレタンフォームの製造法
US6291538B1 (en) Process for preparing polyurethane foam
JP2008247996A (ja) ポリイソシアネート組成物及びそれを用いた軟質ポリウレタンフォームの製造方法
JP4491358B2 (ja) ポリウレタンフォーム
JP4556161B2 (ja) ボールリバウンド性に優れた軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
JP2020002202A (ja) ポリウレタンフォーム
JP2007145983A (ja) ポリウレタンフォームの製造法
US20130338249A1 (en) Low resilience flexible polyurethane foam and process for its production
JP2002322236A (ja) 軟質ポリウレタンスラブフォームの製造方法
JPH11255858A (ja) 軟質ポリウレタンフォームの製造方法
JP4647116B2 (ja) 形状記憶ポリウレタンフォーム
JP3355619B2 (ja) 表皮一体型軟質ポリウレタン発泡体の製造方法
JP3419683B2 (ja) ポリウレタンフォームの製造法
JP4597773B2 (ja) 軟質ポリウレタンフォームの製造方法
JP3269610B2 (ja) 靴底用ポリウレタンフォームの製造法
JP2000143855A (ja) ポリウレタンフォ―ム
JP3269609B2 (ja) ポリウレタンフォームの製造法
JP2003327654A (ja) ポリウレタンフォームの製造法
JP5501163B2 (ja) 軟質ポリウレタンフォームの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071211

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100329

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100405

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees