JP3560317B2 - 靴底用ポリウレタンフォーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スポーツシューズ等の靴底、特に低密度ソール等に好適に使用しうる靴底用ポリウレタンフォームに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエーテル系ポリウレタンは、ポリエステル系ポリウレタンと比較して抗菌性、低温屈曲性及び特に耐加水分解性に優れているが、耐摩耗性、常温屈曲性等の機械的特性に劣り、発泡成形時にスキンの剥離や成形収縮を生じやすいという欠点を持つ。
【0003】
ポリエーテル系ポリウレタンの機械的特性を向上させるために、ポリオール成分としてポリオキシプロピレン系ポリオールの全部又は一部をポリオキシテトラメチレングリコールに代替することが提案されている。一般のポリウレタンフォームは、高密度(0.5〜1.3g/cm3 )ソールには実使用が可能であるが、低密度(0.15〜0.5g/cm3 )ソール等にはポリオキシテトラメチレングリコールを用いたポリウレタンフォームを使用しても実使用が難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐加水分解性に優れたポリエーテル系ポリウレタンであって、0.15〜0.5g/cm3 の平均密度において、スキンの剥離、成形収縮等がなく、外観に優れた靴底用ポリウレタンフォームを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)ポリオキシテトラメチレングリコールを含有してなる水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオールA、(B)水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオール中でスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレートからなる群より選ばれた1種以上の重合性不飽和基含有モノマーを重合させることにより、前記重合性不飽和基含有モノマーから得られたポリマー微粒子を、前記水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオール中に分散させてなるポリマーポリオールB及び(C)鎖延長剤からなるポリオール成分と、ポリイソシアネート化合物とを、発泡剤及び触媒の存在下で反応させて得られ、ポリマー微粒子の量がポリエーテルポリオールAとポリマーポリオールBとの合計量100重量部に対して10〜30重量部であり、平均密度が0.30〜0.5g/cm3 である靴底用ポリウレタンフォームに関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の靴底用ポリウレタンフォームは、ポリオール成分とポリイソシアネート化合物とを、発泡剤及び触媒の存在下で反応させることによって得られる。
【0007】
ポリオール成分は、(A)水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオールA〔以下、ポリエーテルポリオールAという〕、(B)水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオールを基剤とし、ポリマー微粒子を含有したポリマーポリオールB〔以下、ポリマーポリオールBという〕及び(C)鎖延長剤からなる。
【0008】
ポリエーテルポリオールAとしては、水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオールが用いられる。
【0009】
ポリエーテルポリオールAとしては、ポリオキシプロピレンポリオールの末端水酸基にエチレンオキシドが付加された、水酸基1個あたりの分子量が1500以上であるポリオキシプロピレン系ポリオール、テトラヒドロフランの開環重合で得られる分子量1000以上のポリオキシテトラメチレングリコール及びそれらの混合物が挙げられる。
【0010】
ポリオキシプロピレンポリオールの末端水酸基にエチレンオキシドが付加された、水酸基1個あたりの分子量が1500以上であるポリオキシプロピレン系ポリオールは、オキシプロピレン鎖の繰り返しが長いため、ポリウレタンフォーム中でソフトセグメントとして有効に働き、伸び特性や屈曲特性を良好にする役割を果たすので、好適に使用できる。ポリオキシプロピレン系ポリオールの水酸基1個あたりの分子量は、オキシプロピレン鎖のソフトセグメントとしての役割を有効にさせる観点から、1500以上、好ましくは1800以上が望ましいが、分子量の上限値は、取扱い時の粘度の点から、20000以下、好ましくは10000以下が望ましい。分子量の好ましい範囲は、1500〜20000、より好ましくは1800〜10000である。
【0011】
ポリオキシプロピレン系ポリオールは、2以上の活性水素を有する化合物を出発原料とし、これにアルキレンオキシドの開環付加反応を行ない、更にエチレンオキシドを分子末端にブロック的に付加する方法等によって製造できる。
【0012】
出発原料としては、多価アルコール、多価フェノール、ポリアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。該出発原料としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、デキストロース、シュークロース、ビスフェノールA、エチレンジアミン、それらの変性物等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0013】
出発原料に開環付加反応されるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、それらの共重合体等が挙げられる。これらの中では、プロピレンオキシドの単独使用又はプロピレンオキシドを主成分(50重量%以上)とした他のアルキレンオキシドとのランダム共重合体若しくはブロック共重合体が好ましい。
【0014】
出発原料とアルキレンオキシドとの反応後には、ポリウレタンフォームを製造する際のウレタン化の反応性を高めるため、末端水酸基が1級化するようにエチレンオキシドのブロック的な付加反応を行なうことが好ましい。エチレンオキシドによる末端水酸基の1級化率(末端の1級水酸基数/末端の全水酸基数)は、ポリウレタンフォームを製造する際のウレタン化の反応性を高め、脱型時間を短縮させ、樹脂化速度と泡化速度のバランスを向上させてポリウレタンフォームに収縮が発生しないようにする観点から、50%以上が好ましく、80%以上が更に好ましい。
【0015】
ポリオキシプロピレン系ポリオール中のオキシエチレン基の含有量は、耐水性の観点から35重量%以下が好ましく、末端水酸基の1級化率の観点から、5重量%以上が好ましい。尚、ポリオキシプロピレン系ポリオールは、ポリエーテルポリオールA全体としての水酸基1個あたりの分子量、オキシエチレン基の含有量及び末端水酸基の1級化率が範囲内にあれば数種のポリオキシアルキレンポリオールを混合して調製してもよい。
【0016】
テトラヒドロフランの開環重合で得られる分子量1000以上のポリオキシテトラメチレングリコールは、その分子構造から機械的特性を向上させる性質を有するものであり、好適に使用できる。ポリオキシテトラメチレングリコールの分子量は、オキシテトラメチレン鎖のソフトセグメントとしての有効性の点から、1000以上、好ましくは1400以上が望ましいが、分子量の上限値は、取扱作業温度において液状性を維持する点から、3000以下、好ましくは2300以下が望ましい。
【0017】
ポリオキシテトラメチレングリコールを用いた場合、ポリマーポリオールBとの併用により、機械的特性が相乗的に向上し、0.15〜0.5g/cm3 程度の低密度ソール等の用途にも十分に使用しうる機械的性質を有するポリウレタンフォームを得ることができる。
【0018】
ポリマーポリオールBは、水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオールを基剤とする。ポリマーポリオールBを用いることにより、ポリエーテルポリオールAを単独で使用した場合と対比して、高硬度を有し、セルの連通化が促進され、破断強度、破断伸度、引裂強度、スプリットテアー、低圧縮永久歪み等の物性に優れたポリウレタンフォームが得られる。
【0019】
ポリマーポリオールBとしては、重合性不飽和基含有モノマーを重合させて得られたポリマー微粒子を、水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオール中に分散させたもの等が挙げられる。
【0020】
ポリマー微粒子を水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオール中に分散させたポリマーポリオールBは、例えば、重合性不飽和基含有モノマーを重合させて得られたポリマー微粒子と、水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオールとを混合し、分散させる方法〔以下、方法Aという〕、水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオール中で重合性不飽和基含有モノマーを重合させることにより、重合性不飽和基含有モノマーから得られたポリマー微粒子を該水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオール中に分散させる方法〔以下、方法Bという〕等によって製造できる。方法Bは、ポリマー微粒子が水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオール中に均一に分散されたポリマーポリオールBを容易に得ることができるので、好適に使用しうる。
【0021】
ポリマー微粒子の粒子径は、特に限定はないが、沈降等による分散不良を回避する観点から30μm以下、好ましくは10μm以下が望ましく、粘度上昇による取扱いの不便さを回避する観点から0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上が望ましい。
【0022】
重合性不飽和基含有モノマーとしては、スチレン;アクリロニトリル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜4のアルキルメタクリレート;グリシジルメタクリレート;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜4のアルキルアクリレート;グリシジルアクリレート等が挙げられ、これらのモノマーは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、スチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレートよりなる群から選ばれた1種以上のモノマーが好ましい。
【0023】
白色系のポリウレタンフォームを製造する際に、特に、アクリロニトリル−スチレン共重合体系のポリマーポリオールBを用いた場合、ポリウレタンフォームの白色度は、スチレン含有量によって影響を受ける。ポリマーポリオールB中のポリマー微粒子に占めるスチレン含有量が40重量%以上であるとき、白色系のポリウレタンフォームにおいて使用可能なレベルのものとなる。特に、スチレン含有量が50重量%以上では、ポリマーポリオールBが更に白色を呈するので望ましい。ポリマーポリオールB中のポリマー微粒子に占めるスチレン含有量の上限値は、特に限定がなく、スチレン含有量が100重量%、即ちスチレン単独であってもよい。
【0024】
方法Bを採用する場合、重合性不飽和基含有モノマーを水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオール中で重合させる方法としては、公知の方法、例えば、重合性不飽和基含有モノマーを分散安定剤及びラジカル重合開始剤の存在下、水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオール中で重合させる方法がある。
【0025】
ポリマーポリオールB中におけるポリマー微粒子の含有量は、得られるポリウレタンフォームに高硬度を付与するために15重量%以上、好ましくは20重量%以上、更に好ましくは30重量%以上が望ましく、またポリマー微粒子の均一な分散安定性や、粘度の点で作業性を向上させ、ポリウレタンフォームの成形性を向上させる観点から、50重量%以下、好ましくは45重量%以下が望ましい。
【0026】
ポリマーポリオールBに用いられる水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオールは、ポリエーテルポリオールAとして用いられるポリオキシプロピレン系ポリオールであってもよい。
【0027】
水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオールとしては、ポリマー微粒子の分散安定性の観点から、比較的高分子量のポリオキシプロピレン系ポリオールが好ましい。特に、その出発原料として、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3官能水酸基含有化合物が単独で又は主成分(50重量%以上)として使用されたポリオキシプロピレン系トリオールが好ましい。水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオールを2種以上使用する場合には、ポリエーテルポリオールの1分子あたりの水酸基の平均官能基数は2.5〜4.0が好ましい。分子量は、ポリマー微粒子の分散安定性の観点から、1800以上、好ましくは3000以上が望ましく、また取扱いの容易さの観点から、20000以下、好ましくは10000以下が望ましい。更に、オキシエチレン基の含有量や末端水酸基の1級化率に関しては、同様の理由でポリエーテルポリオールAとして用いられるポリオキシプロピレン系ポリオールと同様であることが望ましい。
【0028】
尚、ポリマーポリオールBに用いられるポリオキシプロピレン系ポリオールは、ポリマーポリオールBの基剤としてのポリオール全体において平均官能基数、平均分子量、オキシエチレン基の含有量や末端水酸基の1級化率が範囲内にあれば、数種のポリオキシアルキレンポリオールを混合して調製してもよい。
【0029】
ポリエーテルポリオールAとポリマーポリオールBの割合は、ポリマーポリオールB中のポリマー微粒子の含有量や組成比等によって異なる。通常、ポリエーテルポリオールA/ポリマーポリオールB〔重量比〕は、大きい場合には、得られるポリウレタンフォームの硬度が相対的に低くなる傾向がある。このため、所望の硬度を有するポリウレタンフォームを得ようとすると延長剤の量を増加させる必要があるが、その反面、破断伸度が低下する。従って、ポリエーテルポリオールA/ポリマーポリオールB〔重量比〕は、80/20以下、好ましくは70/30以下が望ましい。一方、ポリエーテルポリオールA/ポリマーポリオールB〔重量比〕が小さい場合には、ポリオール成分の粘度を低くし、ポリウレタンフォームの成形性を向上させる観点から、ポリエーテルポリオールA/ポリマーポリオールB〔重量比〕は、20/80以上、好ましくは30/70以上が望ましい。
【0030】
また、ポリマー微粒子の量は、ポリエーテルポリオールAとポリマーポリオールBとの合計量100重量部に対して、ポリウレタンフォームの収縮を回避する観点から、10重量部以上とされ、またポリマー微粒子の均一な分散安定性を向上させ、ポリウレタンフォームの成形性を向上させる観点から、30重量部以下、好ましくは25重量部以下とされる。
【0031】
鎖延長剤としては、水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基等のイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2個以上有する低分子化合物が挙げられる。
【0032】
鎖延長剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物等の多価アルコール、ジエチルトルエンジアミン、クロロジアミノベンゼン、エチレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等のポリアミン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0033】
ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2個以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系のポリイソシアネート、それらの混合物、それらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。かかるポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、水添メチレンジフェニルジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、それらの混合物、それらの変性体等が挙げられる。変性体としては、ポリオールとの反応生成物であるプレポリマー型変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビュレット変性体等が挙げられる。これらの中では、ポリメチレンポリフェニレンジイソシアネート等の重合体を除いた芳香族ポリイソシアネート及びその変性体が好ましい。特に、ポリオキシアルキレングリコールからなるソフトセグメントを含有し、メチレンジフェニルジイソシアネート及び/又はその変性体でプレポリマー化されたものは、ポリオキシアルキレングリコールからなるソフトセグメントを含んだ構造を有し、低密度ポリウレタンフォームの機械的特性の向上に有効であるので、非常に望ましい。
【0034】
ポリオキシアルキレングリコールは、前述のポリオキシプロピレン系ポリオールを調製する手法と同様の手法で製造できる。ポリオキシアルキレングリコールの中では、水酸基1個あたりの分子量が1000以上であるポリオキシプロピレン系グリコールは、好適に使用でき、オキシアルキレン鎖の繰り返しが長いため、ウレタンフォームでのソフトセグメントとしての役割が有効に働き、伸び特性や屈曲特性が良好となる。ポリオキシアルキレングリコールは、あらかじめポリイソシアネート化合物と反応させるため、必ずしも水酸基の1級化が必要ではなく、末端にエチレンオキシドが付加されていても付加されていなくてもよい。プレポリマー中には、メチレンジフェニルジイソシアネート又はその変性物と鎖延長剤との反応生成物を含有してもよい。
【0035】
発泡剤としては、水、炭化水素、クロロフルオロカーボン、水素化フルオロカーボン等が挙げられ、これらの発泡剤は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。環境保護の観点から、水を単独で使用することが好ましい。
【0036】
また、反応速度の向上の観点から、触媒を用いる。触媒としては、主として3級アミンが用いられる。
【0037】
触媒としては、1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン〔以下、TEDAという〕、花王(株)製、商品名:カオーライザーNo.1等に代表されるN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、花王(株)製、商品名:カオーライザーNo.2等に代表されるN,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、花王(株)製、商品名:カオーライザーNo.3等に代表されるN,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、花王(株)製、商品名:カオーライザーNo.8等に代表されるトリメチルアミノエチルピペラジン、花王(株)製、商品名:カオーライザーNo.10等に代表されるN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、花王(株)製、商品名:カオーライザーNo.20等に代表されるN,N−ジメチルベンジルアミン、花王(株)製、商品名:カオーライザーNo.21等に代表されるN−メチルモルホリン、花王(株)製、商品名:カオーライザーNo.22等に代表されるN−エチルモルホリン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ビス(ジメチルアミノアルキル)ピペラジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、ビス(N,N−ジエチルアミノエチル)アジペート、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N−ジメチル−β−フェニルエチルアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等が挙げられ、これらの触媒は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。3級アミン以外の触媒としては、ジブチルチンジラウレート、オレイン酸第1錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛等の有機金属化合物を用いることもできる。
【0038】
他の添加剤として、シリコーン系整泡剤、顔料、酸化防止剤、黄変防止剤等を適宜用いてもよい。
【0039】
ポリオール成分とポリイソシアネート化合物とを反応させる際、両者の割合は、イソシアネートインデックスが85〜115、好ましくは85〜105、より好ましくは95〜105となるように調整することが望ましい。
【0040】
本発明のポリウレタンフォームを製造する方法としては、触媒、発泡剤及び他の添加剤をあらかじめ混合したポリオール成分とポリイソシアネート化合物とを成形機により、混合、攪拌し、成形型内に注入し、発泡させる方法等が挙げられる。より具体的には、ポリオール成分をタンク等を用いて、通常、40℃程度に調温したのち、自動混合注入型発泡機、自動混合型射出発泡機等の発泡機を用いてポリイソシアネート化合物と反応、発泡させる方法等が挙げられる。
【0041】
本発明のポリウレタンフォームは、0.15〜0.5g/cm3 の平均密度を有し、スキンの剥離、成形収縮等がなく、外観に優れたものである。
【0042】
【実施例】
実施例1〜5、比較例1〜3及び参考例1〜3
ポリオール成分のポリエーテルポリオールA及びポリマーポリオールBとして、表1に示す化合物を用い、表1に示す割合となるように調整した。
【0043】
鎖延長剤として、エチレングリコールを使用し、得られるポリウレタンフォームが所望の硬度となるように該エチレングリコールの配合量を表1に示すように調節した。
【0044】
ポリエーテルポリオールAとポリマーポリオールBとの合計100重量部あたり、触媒としてTEDA0.5重量部、所定量の鎖延長剤及び水を添加、攪拌して発泡機のポリオール成分を調製した。
【0045】
ポリマー微粒子の量は、ポリエーテルポリオールAとポリマーポリオールBとの合計量100重量部に対する重量部である。
【0046】
ポリイソシアネート化合物として、メチレンジフェニルジイソシアネート変性プレポリマーを使用した。このメチレンジフェニルジイソシアネート変性プレポリマーは、メチレンジフェニルジイソシアネート60重量部に、以下に示すポリオール III35重量部とジプロピレングリコール5重量部との混合物を滴下し、50〜60℃で、2時間加熱攪拌することによって調製した。
【0047】
ポリオール成分とポリイソシアネート化合物との配合割合は、発泡反応でのフリーフォーム状態から決定し、イソシアネートインデックスは90〜100程度であった。
【0048】
ポアリング型の低圧発泡機の一方のタンク内に表1に示す配合割合を有するポリオール成分を入れ、その液温を35〜45℃に調節し、他方のタンク内にポリイソシアネート化合物を入れ、同様に液温を35〜45℃にした。
【0049】
発泡機を用いてポリオール成分とポリイソシアネート化合物とを混合攪拌して、モールド中に注入、発泡させ、100mm×300mm×10mmのポリウレタンフォームを得た。
【0050】
得られたウレタンフォームのフォーム特性を以下の方法に従って調べた。その結果を表1に示す。
【0051】
各実施例及び各比較例に用いられるポリオール成分の略号は、以下のことを意味する。
【0052】
〔ポリエーテルポリオールA〕
▲1▼ ポリエーテルポリオールI:分子量2000のポリオキシテトラメチレングリコール〔保土谷化学工業(株)製、商品名:PTG−2000SNW〕
▲2▼ ポリエーテルポリオールII:グリセリンにプロピレンオキシド及びエチレンオキシドを順次付加させた分子量6000のポリオキシエチレン末端のポリオキシプロピレントリオール(オキシエチレン基の含有量20重量%、末端水酸基の1級化率88%)
▲3▼ ポリエーテルポリオールIII :ジプロピレングリコールにプロピレンオキシド及びエチレンオキシドを順次付加させた分子量4000のポリオキシエチレン末端のポリオキシプロピレングリコール(オキシエチレン基の含有量20重量%、末端水酸基の1級化率91%)
【0053】
〔ポリマーポリオールB〕
▲1▼ ポリマーポリオールI:グリセリンにプロピレンオキシド及びエチレンオキシドを順次付加させた分子量3000のポリオキシエチレン末端のポリオキシプロピレントリオール(オキシエチレン基の含有量20重量%、末端水酸基の1級化率71%)中でアクリロニトリル30重量%/スチレン70重量%を重合して得られた微粒子の含有量40重量%(即ち、ポリオール成分60重量%)のポリマーポリオール〔白色〕
▲2▼ ポリマーポリオールII:グリセリンにプロピレンオキシド及びエチレンオキシドを順次付加させた分子量3000のポリオキシエチレン末端のポリオキシプロピレントリオール(オキシエチレン基の含有量20重量%、末端水酸基の1級化率71%)中でアクリロニトリル50重量%/スチレン50重量%を重合させて得られた微粒子の含有量20重量%(即ち、ポリオール成分80重量%)のポリマーポリオール〔白色〕
▲3▼ ポリマーポリオールIII :グリセリンにプロピレンオキシド及びエチレンオキシドを順次付加させた分子量3000のポリオキシエチレン末端のポリオキシプロピレントリオール(オキシエチレン基の含有量20重量%、末端水酸基の1級化率71重量%)中でアクリロニトリル75重量%/スチレン25重量%を重合させて得られた微粒子の含有量40重量%(即ち、ポリオール成分60重量%)のポリマーポリオール〔黄白色〕
【0054】
〔フォーム特性〕
(平均密度)
100mm×300mm×10mmのポリウレタンフォームの重量を測定し、体積300cm3 で除して測定した。
【0055】
(硬度)
Asker C硬度計にて測定した。
【0056】
(スキン剥離)
得られたポリウレタンフォームを目視観察し、以下の判断基準に基づいて、評価を行なった。
【0057】
尚、「スキン剥離」は、ポリウレタンフォームの表層部(スキン部)が剥がれるか又はスキン部とポリウレタンフォームの本体との間に空隙が生じることを意味する。
【0058】
〔判断基準〕
○:スキン剥離が認められず。
×:スキン剥離が認められる。
【0059】
(フォーム収縮)
得られたポリウレタンフォームを目視観察し、以下の判断基準に基づいて、評価を行なった。
【0060】
「フォームの収縮」は、内径6.6cm、深さ10.5cmのポリプロピレン製の型内にポリウレタンフォームの原料を注入し、発泡させ、ポリウレタンフォームを製造し、室温で1日間放置後に、ポリウレタンフォームの体積の減少により、この型とポリウレタンフォームとの間に空隙が生じることを意味する。
【0061】
〔判断基準〕
○:フォームの収縮が認められず。
×:フォームの収縮が認められる。
【0062】
(破断強度)
JIS K−6301に記載の方法で、樹脂をポリウレタンフォームに代えて測定した。
【0063】
(破断伸度)
JIS K−6301に記載の方法で、樹脂をポリウレタンフォームに代えて測定した。
【0064】
(引裂強度)
JIS K−6301に記載の方法で、樹脂をポリウレタンフォームに代えて測定した。
【0065】
(スプリットテアー)
ASTM D−3574に記載の方法で、樹脂をポリウレタンフォームに代えて測定した。即ち、図1に示されるように、100mm×300mm×10mmのポリウレタンフォームから25.4mm×150mm×10mmの試験片1を切り出し、その一端から50mmまでの長さの切り込み2を厚さ(10mm)の中央部に水平方向に入れた。
【0066】
(株)島津製作所製、オートグラフDCS−50M(商品名)を用いて速度50mm/minにてスプリットテアーを測定し、その値をKN/m単位に換算した。
【0067】
(フォームの色)
得られたポリウレタンフォームを目視で観察する。
【0068】
【表1】
【0069】
表1に示された結果から、実施例1〜4で得られたポリウレタンフォームは、いずれも白色であり、スキン剥離やフォーム収縮がなく、しかも優れた破断強度、破断伸度及びスプリットテアーを有することから、靴底に要求される物性をいずれも有するものであることがわかる。
【0070】
これに対して、比較例1〜2で得られたポリウレタンフォームは、ポリオール成分の組成及び配合量が、実施例1〜4とは異なるため、スキン剥離やフォーム収縮が発生し、実用上、好ましくないものであることがわかる。
【0071】
また、実施例5で得られたポリウレタンフォームは、ポリマー微粒子に含まれるアクリロニトリルの量が過多となっているため、フォームが若干黄色味を帯びており、白色系のミッドソールのみにおいて若干支障があるが、濃色系では実用上問題のないものであった。
【0072】
【発明の効果】
本発明により、0.15〜0.5g/cm3 という密度範囲においてスキンの剥離や成形収縮等がない、外観に優れた靴底用ポリウレタンフォームの提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、スプリットテアーの測定に用いられるポリウレタンフォームの試験片の作製方法に関する概略説明図である。
【符号の説明】
1 試験片
2 切り込み
Claims (2)
- (A)ポリオキシテトラメチレングリコールを含有してなる水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオールA、(B)水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオール中でスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレートからなる群より選ばれた1種以上の重合性不飽和基含有モノマーを重合させることにより、前記重合性不飽和基含有モノマーから得られたポリマー微粒子を、前記水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオール中に分散させてなるポリマーポリオールB及び(C)鎖延長剤からなるポリオール成分と、ポリイソシアネート化合物とを、発泡剤及び触媒の存在下で反応させて得られ、ポリマー微粒子の量がポリエーテルポリオールAとポリマーポリオールBとの合計量100重量部に対して10〜30重量部であり、平均密度が0.30〜0.5g/cm3 である靴底用ポリウレタンフォーム。
- ポリイソシアネート化合物が、ポリオキシアルキレングリコールからなるソフトセグメントを含有し、メチレンジフェニルジイソシアネート及び/又はその変性体でプレポリマー化されたものである請求項1記載の靴底用ポリウレタンフォーム。
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