JP2001197901A - 抗菌性靴底用ポリウレタンフォームの製造法 - Google Patents

抗菌性靴底用ポリウレタンフォームの製造法

Info

Publication number
JP2001197901A
JP2001197901A JP2000012347A JP2000012347A JP2001197901A JP 2001197901 A JP2001197901 A JP 2001197901A JP 2000012347 A JP2000012347 A JP 2000012347A JP 2000012347 A JP2000012347 A JP 2000012347A JP 2001197901 A JP2001197901 A JP 2001197901A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyol
polyurethane foam
shoe sole
anion
ammonium salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000012347A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Okubo
真 大久保
Kazuhisa Fukumoto
和央 福本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2000012347A priority Critical patent/JP2001197901A/ja
Publication of JP2001197901A publication Critical patent/JP2001197901A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】抗菌剤がポリオール組成物中で沈降したり凝集
することがほとんどなく、分散安定性に優れたポリオー
ル組成物を使用することにより、ポリウレタンフォーム
に均一な抗菌性を付与するとともに、靴底に要求される
引張り強度、引裂き強度等の機械的強度、耐摩耗性及び
耐屈曲性に優れた抗菌性靴底用ポリウレタンフォームの
製造法を提供すること。 【解決手段】(A)ポリオール成分と、触媒と、水と、
抗菌剤として対イオンがハロゲン陰イオン、燐酸陰イオ
ン及びアルキル燐酸陰イオンからなる群より選ばれた陰
イオンである第4級アンモニウム塩とを含有するポリオ
ール組成物と、(B)ポリイソシアネート化合物とを反
応させる成形体密度0.25〜0.80g/cm3 及び
C硬度32〜90を有する抗菌性靴底用ポリウレタンフ
ォームの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性靴底用ポリ
ウレタンフォームの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば、病原性大腸菌による食中
毒の回避等のため、抗菌性を有する製品の需要が高まり
つつある。こうした抗菌性を有する製品の中で、靴もそ
の例に洩れず、例えば食品倉庫、厨房等で使用されてい
る靴には、靴自体が食中毒菌の媒体となることがないよ
うにするために、抗菌性を有することが要求されてい
る。
【0003】このような靴の靴底には、ポリウレタンフ
ォームが広く使用されており、これに抗菌性を付与する
手段として、抗菌剤として銀ゼオライト等の殺菌作用を
有する金属を保持したゼオライト等の無機粉末をポリウ
レタンフォームの原料であるポリオール組成物に添加す
ることが考えられている(特開昭62−241932号
公報)。
【0004】しかしながら、抗菌剤として無機粉末をポ
リオール組成物に添加した場合、抗菌剤がポリオール組
成物中で沈降したり凝集するため、これを用いて製造さ
れたポリウレタンフォーム中に抗菌剤が偏在するので、
ポリウレタンフォームに均一な抗菌性が付与されないと
いう欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、抗菌剤がポ
リオール組成物中で沈降したり凝集することがほとんど
なく、分散安定性に優れたポリオール組成物を使用する
ことにより、ポリウレタンフォームに均一な抗菌性を付
与するとともに、靴底に要求される引張り強度、引裂き
強度等の機械的強度、耐摩耗性及び耐屈曲性に優れた抗
菌性靴底用ポリウレタンフォームの製造法を提供するこ
とを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ポリオ
ール成分と、触媒と、水と、抗菌剤として対イオンがハ
ロゲン陰イオン、燐酸陰イオン及びアルキル燐酸陰イオ
ンからなる群より選ばれた陰イオンである第4級アンモ
ニウム塩とを含有するポリオール組成物と、(B)ポリ
イソシアネート化合物とを反応させる成形体密度0.2
5〜0.80g/cm3 及びC硬度32〜90を有する
抗菌性靴底用ポリウレタンフォームの製造法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】ポリオール成分としては、ポリエ
ステルポリオール及びポリエーテルポリオールが挙げら
れ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いること
ができる。これらの中では、ポリエーテルポリオール
は、防黴性及び耐加水分解性の観点から、好適に使用し
うるものである。
【0008】ポリエステルポリオールとしては、水酸基
を2個以上有する、二塩基酸と多価アルコールとの縮重
合物が挙げられる。
【0009】二塩基酸としては、フタル酸、マレイン
酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、
無水フタル酸等が挙げられる。
【0010】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等
のグリコール;トリメチロールプロパン等のトリオール
が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用
いることができる。
【0011】ポリエステルポリオールの分子量は、ソフ
トセグメントとして有効に機能させる観点及び射出時の
粘度を適正化させる観点から、500〜3000、好ま
しくは1000〜2500であることが望ましい。
【0012】ポリエーテルポリオールとしては、水酸基
を2個以上有するポリエーテルポリオールが挙げられ
る。
【0013】ポリエーテルポリオールの代表例として
は、アルキレンオキシドの開環重合物、テトラヒドロフ
ランの開環重合物等の環状エーテルの開環重合物が挙げ
られる。
【0014】アルキレンオキシドの開環重合物は、2以
上の活性水素を有する化合物を出発物質とし、これに通
常のアルキレンオキシドの開環付加反応を行ない、さら
にエチレンオキシドを分子末端にブロック的に付加する
方法等によって製造することができる。
【0015】出発物質としては、例えば、多価アルコー
ル、多価フェノール、ポリアミン、アルカノールアミン
等が挙げられる。出発物質の具体例としては、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール、ジグリセリン、デキストロース、シューク
ロース、ビスフェノールA、エチレンジアミン、それら
の変性物等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は
2種以上を混合して用いることができる。
【0016】出発物質に開環付加反応されるアルキレン
オキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキ
シド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオ
キシド、スチレンオキシド等が挙げられる。これらの中
では、プロピレンオキシドを単独で使用するか、又はプ
ロピレンオキシドを主成分(50重量%以上)とし、他
のアルキレンオキシドとのランダム共重合体又はブロッ
ク共重合体となるように併用することが好ましい。
【0017】出発物質とアルキレンオキシドとの反応後
には、ポリウレタンフォームを製造する際のウレタン化
の反応性を高めるため、末端水酸基が1級化するように
エチレンオキシドのブロック的な付加反応を行なうこと
が好ましい。エチレンオキシドによる末端水酸基の1級
化率(1級水酸基数/全水酸基数)は、ポリウレタンフ
ォームを製造する際のウレタン化の反応性を高め、脱型
時間を短縮させ、樹脂化速度と泡化速度のバランスを向
上させてポリウレタンフォームに収縮が発生しないよう
にする観点から、50%以上であることが好ましく、8
0%以上であることがさらに好ましい。
【0018】アルキレンオキシドの開環重合物の中で
は、プロピレンオキシドからなる開環重合物であるポリ
オキシプロピレングリコール、及びプロピレンオキシド
を主成分、即ちプロピレンオキシドの量を50重量%以
上、好ましくは65重量%以上、より好ましくは80重
量%以上とし、これと他のアルキレンオキシドとのラン
ダム共重合体又はブロック共重合体、好ましくはブロッ
ク共重合体が望ましい。
【0019】ポリオール成分の中では、プロピレンオキ
シドの開環重合物の末端にエチレンオキシドをブロック
的に付加したポリオキシプロピレンポリオールが耐加水
分解性、経済性及び初期反応性を向上させ、脱型時間を
短縮させる観点から好ましい。ポリオキシプロピレンポ
リオールの水酸基1個あたりの分子量は、ソフトセグメ
ントとして有効に機能させる観点及び製造工程上、上昇
する不飽和度を可使用範囲に保つ観点から、1500〜
3000であることが好ましい。なかでも、プロピレン
オキシドの開環重合物の末端水酸基にエチレンオキシド
が付加された水酸基1個あたりの分子量が1500以上
であるポリオキシプロピレンポリオールは、オキシプロ
ピレン鎖の繰り返しが長いため、ポリウレタンフォーム
中でソフトセグメントとして有効に働き、伸び特性や屈
曲特性を良好にする役割を果たすので、好適に使用しう
るものである。ポリオキシプロピレンポリオールにおい
て、水酸基1個あたりの分子量は、オキシプロピレン鎖
のソフトセグメントとしての役割を十分に発現させる観
点から、1500以上、好ましくは1800以上である
ことが望ましいが、かかる分子量の上限値は、上昇する
不飽和度を可使用範囲に保ったり、取扱い時に高粘度と
なるのを回避する観点から、20000以下、好ましく
は10000以下であることが望ましい。
【0020】ところで、ポリオキシプロピレンポリオー
ルの内部及び末端に存在するオキシエチレン基の含有率
が高くなると、親水性が増加し、水分が引きつけられて
しまい、ポリエーテル系ポリウレタンフォームの特徴で
ある耐加水分解性が低下するようになるので、ポリオキ
シプロピレンポリオール中のオキシエチレン基の含有量
は35重量%以下であることが好ましく、また末端水酸
基の1級化率の観点から、ポリオキシプロピレンポリオ
ール中のオキシエチレン基の含有量は5重量%以上であ
ることが好ましい。なお、ポリオキシプロピレンポリオ
ールは、ポリエーテルポリオール全体としての水酸基1
個当たりの分子量、オキシエチレン基の含有量及び末端
水酸基の1級化率が前記範囲内にあれば数種のポリオキ
シアルキレンポリオールを混合して調製しても構わな
い。
【0021】ポリオール成分におけるポリオキシプロピ
レンポリオールの含有量は、取扱作業温度において液状
性を維持する観点及び経済性の観点から、30〜100
重量%、好ましくは50〜100重量%であることが望
ましい。
【0022】なお、ポリオール成分には、ポリウレタン
フォームの耐摩耗性をより一層向上させる観点から、ポ
リオキシテトラメチレングリコール(以下、PTMGと
いう)又はε−カプロラクトンで変性させたPTMGを
含有させてもよい。
【0023】PTMGの分子量は、オキシテトラメチレ
ン鎖のソフトセグメントとして十分な弾性を発揮させる
観点及び取り扱い作業性の点から、好ましくは1000
〜3000、更に好ましくは1400〜2300であ
る。
【0024】PTMG又はε−カプロラクトンで変性さ
せたPTMGは、靴底としての要求物性に応じて、ポリ
オキシプロピレングリコールと共に適宜混合して用いる
ことができる。
【0025】ポリオール組成物には、反応速度を向上さ
せる観点から、触媒が含有される。
【0026】触媒としては、3級アミンが好ましい。3
級アミンとしては、1,4−ジアザビシクロ−(2.
2.2)−オクタン〕(以下、TEDAという)、N,
N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミ
ン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジア
ミン、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチ
レントリアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメ
チルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチ
ルモルホリン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、
ビス(ジメチルアミノアルキル)ピペラジン、N,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−
ジエチルベンジルアミン、ビス(N,N−ジエチルアミ
ノエチル)アジペート、N,N,N’,N’−テトラメ
チル−1,3−ブタンジアミン、N,N−ジメチル−β
−フェニルエチルアミン、1,2−ジメチルイミダゾー
ル、2−メチルイミダゾール等が挙げられ、これらの触
媒は単独で又は2種以上を混合して使用することができ
る。尚、3級アミン以外の触媒として、ジブチルチンジ
ラウレート、オレイン酸第1錫、ナフテン陰イオンコバ
ルト、ナフテン酸鉛等の有機金属化合物を用いることも
できる。
【0027】ポリオール組成物における触媒の含有量
は、脱型強度及び反応バランスの観点から、0.2〜
1.2重量%が好ましく、0.4〜0.8重量%がより
好ましい。
【0028】水は、発泡剤として使用されるものであ
る。なお、必要により、炭化水素、クロロフルオロカー
ボン、水素化フルオロカーボン等の発泡剤を水とともに
使用することができる。しかし、環境保護の観点から、
水を単独で使用することが好ましい。
【0029】対イオンがハロゲン陰イオン、燐酸陰イオ
ン及びアルキル燐酸陰イオンからなる群より選ばれた陰
イオンである第4級アンモニウム塩は、抗菌剤として使
用されるものである。対イオンの中では、塩素陰イオ
ン、臭素陰イオン、燐酸陰イオン及びアルキル燐酸陰イ
オンが好ましく、特に塩素陰イオン及びアルキル燐酸陰
イオンが好ましい。
【0030】なお、第4級アンモニウム塩は、抗菌性を
向上させる観点から、炭素数8〜16の直鎖アルキルジ
メチルアミン又は直鎖ジアルキルメチルアミンを原料と
するものであることが好ましい。この第4級アンモニウ
ム塩は、炭素数8〜16の直鎖アルキルジメチルアミン
又は直鎖ジアルキルメチルアミンと、塩化ベンジル、塩
化メチル、臭化メチル、沃化メチル等のアルキルハライ
ドとを反応させて得ることができる。この第4級アンモ
ニウム塩は、更に対イオン交換させたものであってもよ
い。
【0031】この第4級アンモニウム塩としては、塩化
ベンザルコニウム、セチル燐酸化ベンザルコニウム、塩
化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメ
チルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム
等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して
用いることができる。これらの中では、塩化ベンザルコ
ニウム、セチル燐酸化ベンザルコニウム及び塩化ジデシ
ルジメチルアンモニウムは、好適に使用しうるものであ
る。
【0032】ポリオール組成物における第4級アンモニ
ウム塩の含有量は、充分な抗菌性、表面ブリードの防
止、及び引っ張り強度、引き裂き強度、耐屈曲性等の物
性の低下の防止の観点から、有効成分量換算で0.03
〜1重量%、好ましくは0.04〜0.5重量%、特に
好ましくは0.08〜0.35重量%であることが望ま
しい。
【0033】ここで「有効成分量換算」とは、一般的な
荷姿である第4級アンモニウム塩溶液に含まれている水
等の溶媒や添加物を除いた第4級アンモニウム塩そのも
のの量をいい、実際の添加量から水等の溶媒や添加物の
量を差し引くことによって求めることができる。
【0034】ポリオール組成物には、必要により、架橋
剤を添加することができる。架橋剤としては、水酸基、
1級アミノ基、2級アミノ基、その他イソシアネート基
と反応可能な活性水素含有基を2個以上有する低分子化
合物等が挙げられる。
【0035】架橋剤の具体例としては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノール
アミン、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物
等の多価アルコール、ジアミノトルエン、4,4’−メ
チレンビス(2−クロロアニリン)、エチレンジアミ
ン、1,6−ヘキサンジアミン等のポリアミン等が挙げ
られ、これらは、単独で又は2種以上を混合して用いる
ことができる。
【0036】ポリオール組成物には、更に、必要によ
り、シリコーン系整泡剤、顔料、酸化防止剤、黄変防止
剤等の添加剤を適量で添加することができる。
【0037】ポリイソシアネート化合物としては、イソ
シアネート基を2個以上有する芳香族系、脂環族系、脂
肪族系のポリイソシアネート、それらの混合物、それら
を変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げら
れる。その例として、トリレンジイソシアネート、メチ
レンジフェニルジイソシアネート、ナフチレンジイソシ
アネート、キシリレンジイシシアネート、ポリメチレン
ポリフェニレンイソシアネート等の芳香族ポリイソシア
ネート、水添メチレンジフェニルジイソシアネート、水
添トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート等の脂環族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族系
ポリイソシアネート、それらの混合物、それらの変性体
等が挙げられる。前記変性体としては、ポリオールとの
反応生成物であるプレポリマー型変性体、ヌレート変性
体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体、アロファネ
ート変性体、ビュレット変性体等が挙げられる。これら
の中では、芳香族ポリイソシアネート及びその変性体が
好ましい。特に、メチレンジフェニルジイソシアネート
及びその変性体が好ましい。
【0038】特にポリオキシアルキレングリコールとメ
チレンジフェニルジイソシアネート及び/又はその変性
体とからなるプレポリマー型変性体は、ポリオキシアル
キレングリコールからなるソフトセグメントを含んだ構
造を有し、低密度ポリウレタンフォームの機械的特性の
向上に有効である。
【0039】ポリオキシアルキレングリコールの中で
は、水酸基1個当たりの分子量が1000以上であるポ
リオキシプロピレン系グリコールは、好適に使用しうる
ものであり、オキシアルキレン鎖が長いため、ウレタン
フォームでのソフトセグメントとしての役割が有効に働
き、伸びや弾性が良好となる。前記ポリオキシアルキレ
ングリコールは、あらかじめポリイソシアネートと反応
させるため、必ずしも水酸基の1級化が必要ではなく、
末端にエチレンオキシドが付加されていても付加されて
いなくてもよい。プレポリマー型変性体中には、メチレ
ンジフェニルジイソシアネート又はその変性物と、前記
ポリオール組成物に使用される架橋剤との反応生成物が
含まれていてもよい。
【0040】ポリオール組成物とポリイソシアネート化
合物とを反応させる際には、ポリオール成分とポリイソ
シアネート化合物との割合は、イソシアネートインデッ
クスが80〜110、好ましくは90〜100となるよ
うに調整することが望ましい。
【0041】ポリウレタンフォームを製造する方法とし
ては、ポリオール成分、触媒、水、第4級アンモニウム
塩及びその他の添加剤を混合、攪拌することによりあら
かじめ調製しておいたポリオール組成物と、ポリイソシ
アネート化合物とを成形機により、混合攪拌し、成形型
内に注入し、発泡させる方法等が挙げられる。より具体
的には、前記ポリオール組成物をタンク等を用いて、混
合、攪拌し、通常、40℃程度に調温した後、自動混合
注入型発泡機、自動混合型射出発泡機等の発泡機を用い
てポリイソシアネート化合物と反応、発泡させる方法等
が挙げられる。
【0042】以上のようにしてポリウレタンフォームが
得られるが、該ポリウレタンフォームは、低密度であっ
ても十分な強度及び硬度を有し、耐摩耗性及び耐屈曲性
に優れたものである。従って、該ポリウレタンフォーム
は、靴底用ポリウレタンフォームとして好適に使用しう
るものである。
【0043】ポリウレタンフォームの成形体密度は、靴
底に要求される物性を維持する観点及び靴底としての快
適性の観点から、0.25〜0.80g/cm3 、好ま
しくは0.40〜0.70g/cm3 、より好ましくは
0.45〜0.65g/cm 3 である。
【0044】また、ポリウレタンフォームのC硬度は、
靴底に要求される反発性を良好にし、また靴底に望まれ
る好適な硬さを付与する観点から、32〜90、好まし
くは55〜85、より好ましくは58〜72である。
【0045】
【実施例】実施例1〜4及び比較例1〜4 3官能アルコールにプロピレンオキシド及びエチレンオ
キシドを順次付加させた分子量7000のポリオキシプ
ロピレングリコール〔旭硝子ウレタン(株)製、商品
名:エクセノール850〕30重量部、分子量2000
のPTMG〔保土谷化学工業(株)製、商品名:PTG
−2000SNW〕70重量部、触媒〔TEDA〕0.
84重量部、水0.65重量部、架橋剤〔エチレングリ
コール〕5.0重量部、白顔料〔大日精化工業(株)
製、商品名:FTR610ホワイト〕5重量部、整泡剤
〔ポリアルキルシロキサン、東レ・ダウコーニング・シ
リコーン(株)製、商品名:SRX253〕0.5重量
部、及び抗菌剤(ポリオール組成物における含有量を有
効成分量換算で表1に示す)を混合してポリオール組成
物を得た。
【0046】なお、表1に示す抗菌剤は、以下のことを
意味する。 抗菌剤A:塩化ベンザルコニウム 抗菌剤B:セチル燐酸化ベンザルコニウム 抗菌剤C:金属ゼオライト〔品川燃料(株)製、商品
名:ゼオミックAW−10D〕 抗菌剤D:ジメチルラウリルアミンとジメチル硫酸のモ
ル比1:1の第4級アンモニウム塩
【0047】次に、得られたポリオール組成物の分散安
定性を以下の方法で調べた。その結果を表1に示す。
【0048】〔分散安定性〕 ○:配合後、40℃で6時間放置しても目視評価におい
て固形物の沈降又は凝集がない。 ×:配合後、40℃で6時間放置したときに目視評価に
おいて固形物の沈降又は凝集が認められる。
【0049】ポリイソシアネート化合物として、ポリオ
ール変性ジフェニルメタンジイソシアネート〔花王
(株)製、商品名:エディフォームB−6106M、N
CO%:16%〕を用いた。
【0050】次に、ポアリング型の低圧発泡機の一方の
タンク内に、ポリオール組成物を入れ、その液温を35
〜45℃に調節し、他方のタンク内にポリイソシアネー
ト化合物を入れ、同様に液温を35〜45℃に調節し
た。
【0051】この発泡機を用いてポリオール組成物とポ
リイソシアネート化合物との配合割合を発泡反応でのフ
リーフォーム状態を見て決定し、これらを混合、攪拌
し、45℃に調節した鉄製モールド中に注入し、発泡さ
せ、100mm×300mm×10mm(厚さ)のポリ
ウレタンフォームを製造した。
【0052】実施例5〜6及び比較例5 ポリプロピレングリコール〔旭硝子ウレタン(株)製、
商品名:エクセノール850〕80重量部、PTMG
〔保土谷化学工業(株)製、商品名:PTG−2000
SNW〕20重量部、触媒〔TEDA〕0.58重量
部、水0.63重量部、架橋剤〔エチレングリコール〕
9.3重量部、白顔料〔大日精化工業(株)製、商品
名:FTR610ホワイト〕5重量部、整泡剤〔ポリア
ルキルシロキサン:東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)製、商品名:SRX295〕0.5重量部、及び
抗菌剤(ポリオール組成物における含有量を有効成分量
換算で表1に示す)を混合してポリオール組成物を得
た。
【0053】得られたポリオール組成物の分散安定性を
前記と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0054】次に、実施例1で使用したポリオール組成
物の代わりに、上記で得られたポリオール組成物を用い
た他は、実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを
製造した。
【0055】次に、各実施例及び各比較例で得られたポ
リウレタンフォームの物性を以下の方法に従って調べ
た。その結果を表1に示す。
【0056】〔成形体密度〕100mm×300mm×
10mm(厚さ)のポリウレタンフォームの重量を測定
し、体積300cm3 で除して測定する。
【0057】〔C硬度〕Asker C硬度計にて測定
する。
【0058】〔引張り強度〕JIS K−6301に準
ずる。
【0059】〔引裂き強度〕JIS K−6301に準
ずる。
【0060】〔耐摩耗性〕DIN53516に記載の方
法により測定する(荷重:7.5N)。
【0061】〔耐屈曲性〕DIN52243に記載の方
法により測定する。
【0062】〔大腸菌及び黄色ブドウ球菌の抗菌性〕ポ
リウレタンフォームの表面部分の厚さ3mmをサンプリ
ングし、28mm×28mmの正方形に切り出した供試
試料を大腸菌又は黄色ブドウ球菌を植種した寒天培養地
上に表面部分(スキン部)が接触するように置き、37
℃で24時間、菌の培養を行ない、試料周辺の大腸菌又
はブドウ球菌の生育の有無により、即ち試料周辺に形成
されるハローの有無により、抗菌活性を評価した。ハロ
ーが認められることは抗菌活性があることを意味する。 (評価基準) +:ハローが認められる。 −:ハローが認められない。
【0063】
【表1】
【0064】表1に示された結果から、各実施例で使用
されたポリオール組成物は、第4級アンモニウム塩の分
散安定性が優れたものであることがわかる。
【0065】また、各実施例で得られたポリウレタンフ
ォームは、いずれも、引張り強度及び引裂き強度が高
く、耐摩耗性及び耐屈曲性に優れ、しかも抗菌性にも優
れたものであることがわかる。
【0066】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、第4級アンモ
ニウム塩がポリオール組成物中で沈降したり凝集するこ
とがほとんどなく、分散安定性に優れたポリオール組成
物を使用することにより、ポリウレタンフォームに均一
な抗菌性を付与するとともに、靴底に要求される引張り
強度、引裂き強度等の機械的強度、耐摩耗性及び耐屈曲
性に優れた抗菌性靴底用ポリウレタンフォームを得るこ
とができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 18/00 C08L 75/04 C08K 5/19 (C08G 18/00 C08L 75/04 101:00) //(C08G 18/00 A43B 10/00 101C 101:00) Fターム(参考) 4F050 AA01 AA06 BA01 HA37 HA56 HA91 HA95 HA96 KA11 NA52 4H011 AA02 BA01 BB04 BC19 DA09 DC05 DD06 DH05 4J002 CK021 DE027 EN136 FD186 FD327 GC00 4J034 BA03 BA08 CA04 CC01 CC12 CC53 CC66 DC50 DF01 DF14 DF16 DF20 DF21 DF22 DG03 DG04 DG12 HA06 HA07 HA11 HA13 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC64 HC65 HC67 HC71 HC73 JA41 JA42 KA01 KB02 KC17 KC18 KC35 KD11 KD12 MA14 MA29 NA03 QB11 QC01 QD03 RA03 RA19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリオール成分と、触媒と、水
    と、抗菌剤として対オンがハロゲン陰イオン、燐酸陰イ
    オン及びアルキル燐酸陰イオンからなる群より選ばれた
    陰イオンである第4級アンモニウム塩とを含有するポリ
    オール組成物と、(B)ポリイソシアネート化合物とを
    反応させる成形体密度0.25〜0.80g/cm3
    びC硬度32〜90を有する抗菌性靴底用ポリウレタン
    フォームの製造法。
  2. 【請求項2】 ポリオール成分が、環状エーテルの開環
    重合物である請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 ポリオール成分が、プロピレンオキシド
    の開環重合物の末端にエチレンオキシドがブロック的に
    付加されたポリオキシプロピレンポリオールを含有する
    ものである請求項1又は2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 第4級アンモニウム塩が、炭素数8〜1
    6の直鎖アルキルジメチルアミン又は直鎖ジアルキルメ
    チルアミンを原料とするものである請求項1〜3いずれ
    か記載の製造法。
  5. 【請求項5】 ポリオール組成物における第4級アンモ
    ニウム塩の含有量が、有効成分量換算で0.03〜1重
    量%である請求項1〜4いずれか記載の製造法。
JP2000012347A 2000-01-21 2000-01-21 抗菌性靴底用ポリウレタンフォームの製造法 Pending JP2001197901A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000012347A JP2001197901A (ja) 2000-01-21 2000-01-21 抗菌性靴底用ポリウレタンフォームの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000012347A JP2001197901A (ja) 2000-01-21 2000-01-21 抗菌性靴底用ポリウレタンフォームの製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001197901A true JP2001197901A (ja) 2001-07-24

Family

ID=18540070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000012347A Pending JP2001197901A (ja) 2000-01-21 2000-01-21 抗菌性靴底用ポリウレタンフォームの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001197901A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102835780A (zh) * 2012-07-30 2012-12-26 方培基 一种抗水解pu弹性环保鞋底及其制作方法和制作模具
CN112876838A (zh) * 2021-01-18 2021-06-01 腾飞科技股份有限公司 抗菌脂肪棉的生产工艺
CN113652160A (zh) * 2021-08-17 2021-11-16 武汉佳顺源防腐科技有限公司 一种聚氨酯涂料及其制备方法
CN116199848A (zh) * 2022-12-19 2023-06-02 南通新艺材料科技有限公司 一种含有负离子的抗菌型聚氨酯泡沫材料及其制备方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08113703A (ja) * 1994-10-18 1996-05-07 Kao Corp ポリウレタン製造用添加剤及びポリウレタンの製造方法
JPH09278936A (ja) * 1996-04-16 1997-10-28 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd 帯電防止樹脂組成物
JPH11147927A (ja) * 1997-11-17 1999-06-02 Inoac Corporation:Kk 抗菌性ポリウレタン樹脂及びその製造方法
JPH11255860A (ja) * 1997-12-26 1999-09-21 Kao Corp 靴底用ポリウレタンフォーム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08113703A (ja) * 1994-10-18 1996-05-07 Kao Corp ポリウレタン製造用添加剤及びポリウレタンの製造方法
JPH09278936A (ja) * 1996-04-16 1997-10-28 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd 帯電防止樹脂組成物
JPH11147927A (ja) * 1997-11-17 1999-06-02 Inoac Corporation:Kk 抗菌性ポリウレタン樹脂及びその製造方法
JPH11255860A (ja) * 1997-12-26 1999-09-21 Kao Corp 靴底用ポリウレタンフォーム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102835780A (zh) * 2012-07-30 2012-12-26 方培基 一种抗水解pu弹性环保鞋底及其制作方法和制作模具
CN102835780B (zh) * 2012-07-30 2015-06-17 方培基 一种抗水解pu弹性环保鞋底及其制作方法和制作模具
CN112876838A (zh) * 2021-01-18 2021-06-01 腾飞科技股份有限公司 抗菌脂肪棉的生产工艺
CN113652160A (zh) * 2021-08-17 2021-11-16 武汉佳顺源防腐科技有限公司 一种聚氨酯涂料及其制备方法
CN116199848A (zh) * 2022-12-19 2023-06-02 南通新艺材料科技有限公司 一种含有负离子的抗菌型聚氨酯泡沫材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4128954B2 (ja) キャリヤーポリオールが第3級アミンをベースとするポリオールであるポリマーポリオールを使用するポリウレタン製品の製造方法
KR100909946B1 (ko) 가요성 폴리우레탄 발포체의 제조방법
RU2462482C2 (ru) Пенополиуретан
CA2101625C (en) Reaction system for preparing microcellular elastomers
JP4926971B2 (ja) 新規フォーム改質剤、新規フォーム改質剤から製造されたフォームおよびフォームの製造法
JPH07504702A (ja) 熱可塑性のポリウレタンエラストマー及びポリ尿素エラストマー
US6329441B1 (en) Polyurethane foam for shoe soles
US5621016A (en) Polyisocyanate compositions and low density flexible polyurethane foams produced therewith
EP0072096B1 (en) Polymer-modified polyols, a method of forming them, their use in the manufacture of polyurethane products and the products so obtained
US5177119A (en) Polyurethane foams blown only with water
CN112912412A (zh) 改进的包含羟基封端的预聚物的粘弹性柔性泡沫
AU717636B2 (en) Process for preparing a flexible polyurethane foam
US3467605A (en) High density rigid polyether/polyester urethane foams
US5122548A (en) Elastomeric polyisocyanate-based polymers from polyoxyalkylene polyols containing internal polyoxyethylene blocks
US20070185223A1 (en) Tin and transition metal free polyurethane foams
JP2001197901A (ja) 抗菌性靴底用ポリウレタンフォームの製造法
WO2009098966A1 (ja) 低反発軟質ポリウレタンフォーム
GB2109803A (en) High molecular weight polyether polyols
JP3419683B2 (ja) ポリウレタンフォームの製造法
JP3560317B2 (ja) 靴底用ポリウレタンフォーム
JP7458250B2 (ja) 微発泡ポリウレタンエラストマー組成物および微発泡ポリウレタンエラストマー
AU5987598A (en) New polyols and their use in polyurethane preparation
JP3269610B2 (ja) 靴底用ポリウレタンフォームの製造法
JP3269609B2 (ja) ポリウレタンフォームの製造法
JP2003327654A (ja) ポリウレタンフォームの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061004

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091130

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100329