JP7458250B2 - 微発泡ポリウレタンエラストマー組成物および微発泡ポリウレタンエラストマー - Google Patents

微発泡ポリウレタンエラストマー組成物および微発泡ポリウレタンエラストマー Download PDF

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本発明は、微発泡ポリウレタンエラストマー組成物および微発泡ポリウレタンエラストマーに関し、詳しくは、微発泡ポリウレタンエラストマー組成物、この微発泡ポリウレタンエラストマー組成物を成形してなる微発泡ポリウレタンエラストマーに関する。
従来、緩衝材、衝撃吸収材、振動吸収材、クッション材、マットレス材、吸音材などとして、微発泡ポリウレタンエラストマーが用いられている。
そのような微発泡ポリウレタンエラストマーとして、例えば、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を含むポリウレタン樹脂組成物を金型に注入した後、発泡および硬化させるとともに、所望の形状に成形して得られる微発泡ポリウレタンエラストマーが知られている。
例えば、ポリフェニルメタンポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとの反応により得られるイソシアネート基末端プレポリマーを含有するポリイソシアネート成分と、ポリオール成分とを混合して、ポリウレタン組成物を調製し、そのポリウレタン組成物を金型に注入して発泡させて得られる微発泡ポリウレタンエラストマーが、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2016-204403号公報
一方、微発泡ポリウレタンエラストマーとしては、用途に応じて、優れた耐屈曲性が要求される場合がある。
本発明は、優れた耐屈曲性を有する微発泡ポリウレタンエラストマーを得ることができる微発泡ポリウレタンエラストマー組成物、および、耐屈曲性に優れる微発泡ポリウレタンエラストマーを提供することにある。
本発明[1]は、ポリイソシアネートとポリオールとの反応生成物である末端イソシアネート基含有プレポリマーを含有するポリイソシアネート成分と、ポリオール成分と、水と、両親媒性を有する高分子乳化剤とを含有する、微発泡ポリウレタンエラストマー組成物である。
本発明[2]は、前記両親媒性を有する高分子乳化剤が、アクリル系共重合体である、上記[1]に記載の微発泡ポリウレタンエラストマー組成物を含んでいる。
本発明[3]は、前記両親媒性を有する高分子乳化剤の40℃における粘度が、100mPa・s以上1500mPa・s以下である、上記[1]または[2]に記載の微発泡ポリウレタンエラストマー組成物を含んでいる。
本発明[4]は、前記ポリオール成分が、高分子量ポリオールおよび低分子量ポリオールを含み、前記高分子量ポリオールの数平均分子量が、1000以上3000以下であり、前記高分子量ポリオールの配合割合が、前記ポリオール成分と、前記水と、前記高分子乳化剤と、必要により配合される触媒と、必要により配合される添加剤との総量に対して、90質量%以下である、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の微発泡ポリウレタンエラストマー組成物を含んでいる。
本発明[5]は、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の微発泡ポリウレタンエラストマー組成物を成形してなる、微発泡ポリウレタンエラストマーを含んでいる。
本発明の微発泡ポリウレタンエラストマー組成物には、両親媒性を有する高分子乳化剤が含まれている。
そのため、このような微発泡ポリウレタンエラストマー組成物によれば、耐屈曲性に優れた微発泡ポリウレタンエラストマーを得ることができる。
また、本発明の微発泡ポリウレタンエラストマーは、上記の微発泡ポリウレタンエラストマー組成物から得られるため、耐屈曲性に優れる。
<微発泡ポリウレタンエラストマー組成物>
本発明の微発泡ポリウレタンエラストマー組成物は、必須成分として、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分と、水と、高分子乳化剤とを含有する。
1.ポリイソシアネート成分
ポリイソシアネート成分は、ポリイソシアネートとポリオールとの反応生成物である末端イソシアネート基含有プレポリマーを含有する。
ポリイソシアネートとしては、例えば、ポリイソシアネート単量体、ポリイソシアネート誘導体などが挙げられる。
ポリイソシアネート単量体としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート単量体、芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体、脂環族ポリイソシアネート単量体、脂肪族ポリイソシアネート単量体が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート単量体としては、例えば、4,4′-、2,4′-または2,2′-ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(MDI)、2,4-または2,6-トリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TDI)、o-トリジンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、m-またはp-フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4′-ジフェニルジイソシアネート、4,4′-ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体としては、例えば、1,3-または1,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(別名:1,3-または1,4-キシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物(XDI)、1,3-または1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TMXDI)、ω,ω′-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼンなどの芳香脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネート単量体としては、例えば、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、4,4′-、2,4′-または2,2′-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)もしくはその混合物(H12MDI)、1,3-または1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物(H6XDI)、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン(NBDI)、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネート単量体としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(ヘキサンジイソシアネート)(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート(ペンタンジイソシアネート)(PDI)、テトラメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,2-、2,3-または1,3-ブチレンジイソシアネート、2,4,4-または2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネート単量体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリイソシアネート単量体として、反応性の観点から、好ましくは、芳香族ポリイソシアネート単量体、より好ましくは、芳香族ジイソシアネート、さらに好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネート誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネートの多量体(ダイマー(例えば、ウレトジオン誘導体など)、トリマー(例えば、イソシアヌレート誘導体、イミノオキサジアジンジオン誘導体など)など)、ビウレット誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と水との反応により生成するビウレット誘導体など)、アロファネート誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と1価アルコールまたは2価アルコールとの反応より生成するアロファネート誘導体など)、ポリオール誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と3価アルコールとの反応より生成するポリオール誘導体(付加体)など)、オキサジアジントリオン誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体と炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオンなど)、カルボジイミド誘導体(例えば、上記したポリイソシアネート単量体の脱炭酸縮合反応により生成するカルボジイミド誘導体など)などが挙げられる。
さらに、ポリイソシアネート誘導体としては、例えば、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI、多核体含有ジフェニルメタンジイソシアネート(p-MDI))なども挙げられる。
ポリイソシアネート誘導体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリイソシアネート誘導体として、好ましくは、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネート成分としては、好ましくは、ポリイソシアネート誘導体、より好ましくは、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネートのイソシアネート基含有率(NCO%)は、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上、例えば、40質量%以下、好ましくは、30質量%以下である。なお、イソシアネート基含有率は、電位差滴定装置を用いて、JIS K-1603-1(2007年)に準拠したn-ブチルアミン法により測定できる(以下同様)。
ポリオールとしては、例えば、分子量250未満の低分子量ポリオール、分子量(数平均分子量)250以上の高分子量ポリオールなどが挙げられる。
低分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有する分子量60以上250未満、好ましくは、200以下の化合物である。
低分子量ポリオールとしては、例えば、2価アルコール(例えば、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、イソソルビド、1,3-または1,4-シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの混合物、1,4-シクロヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、1,4-ジヒドロキシ-2-ブテン、2,6-ジメチル-1-オクテン-3,8-ジオール、ビスフェノールAなど)、3価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンなど)、4価アルコール(例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなど)、5価アルコール(例えば、キシリトールなど)、6価アルコール(例えば、ソルビトールなど)、7価アルコール(例えば、ペルセイトールなど)などが挙げられる。
低分子量ポリオールは、単独使用または2種以上併用することができる。
高分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量(GPCによる標準ポリオキシエチレン換算分子量、または、平均水酸基価および平均官能基数に基づいて算出した分子量(以下同様))250以上、好ましくは、400以上、より好ましくは、500以上、さらに好ましくは、600以上、例えば、10000以下、好ましくは、5000以下、より好ましくは、3000以下、さらに好ましくは、2500以下の化合物である。
高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、フッ素ポリオール、ビニルモノマー変性ポリオールなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとして、例えば、ポリオキシ(C2~3)アルキレンポリオール(例えば、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリトリメチレンエーテルポリオールなど)、ポリテトラメチレンエーテルポリオールなどが挙げられ、好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルポリオールが挙げられる。
ポリエステルポリオールとして、例えば、アジペート系ポリエステルポリオール、フタル酸系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール(例えば、ポリカプロラクトンジオールなど)などが挙げられ、好ましくは、アジペート系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとして、例えば、上記した低分子量ポリオールを開始剤とするエチレンカーボネートの開環重合物、上記した2価アルコールと開環重合物とを共重合した非晶性ポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
なお、非晶性とは、常温(25℃)において液状であることを示す。
ポリウレタンポリオールとして、例えば、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール、ポリカーボネートポリウレタンポリオール、ポリエステルポリエーテルポリウレタンポリオールなどが挙げられる。
エポキシポリオールとして、例えば、上記した低分子量ポリオールと、多官能ハロヒドリン(例えば、エピクロルヒドリン、β-メチルエピクロルヒドリンなど)との反応生成物などが挙げられる。
植物油ポリオールとして、例えば、ヒドロキシル基含有植物油(例えば、ひまし油、やし油など)、エステル変性ひまし油ポリオールなどが挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとして、例えば、ポリブタジエンポリオール、部分ケン価エチレン-酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
アクリルポリオールとして、例えば、ヒドロキシル基含有アクリレート(例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなど)と、それと共重合可能な共重合性ビニルモノマー(例えば、アルキル(メタ)アクリレート、芳香族ビニルモノマーなど)との共重合体などが挙げられる。
シリコーンポリオールとして、例えば、上記したアクリルポリオールの共重合において、共重合性ビニルモノマーとして、ビニル基を含むシリコーン化合物(例えば、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなど)が配合されるアクリルポリオールなどが挙げられる。
フッ素ポリオールとして、例えば、上記したアクリルポリオールの共重合において、共重合性ビニルモノマーとして、ビニル基を含むフッ素化合物(例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンなど)が配合されるアクリルポリオールなどが挙げられる。
ビニルモノマー変性ポリオールとして、例えば、上記した高分子量ポリオールと、ビニルモノマー(例えば、アルキル(メタ)アクリレートなど)との反応生成物などが挙げられる。
これら高分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
高分子量ポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオール(好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール)、ポリエステルポリオール(好ましくは、アジペート系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール)が挙げられる。
これらポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリオールとして、好ましくは、高分子量ポリオールが挙げられる。
ポリオールは、上記の通り、低分子量ポリオールを含有することもできるが、微発泡ポリウレタンエラストマー(後述)の機械物性の観点から、好ましくは、低分子量ポリオールを含有せず、高分子量ポリオールからなる。
また、ポリオールの平均水酸基価は、例えば、33mgKOH/g以上、好ましくは、56mgKOH/g以上であり、例えば、180mgKOH/g以下、好ましくは、100mgKOH/g以下である。
また、ポリオールの平均官能基数は、例えば、2以上、例えば、5以下、好ましくは、4以下、より好ましくは、3以下、さらに好ましくは、2である。
なお、平均水酸基価は、JIS K-1557-1(2007年)に準拠したアセチル化法またはフタル化法により測定できる(以下同様)。
そして、末端イソシアネート基含有プレポリマーは、上記したポリイソシアネートと、上記したポリオールとを、遊離のイソシアネート基が残存する割合で反応させることにより調製される。
末端イソシアネート基含有プレポリマーは、少なくとも分子の両末端に遊離のイソシアネート基を有する。
末端イソシアネート基含有プレポリマーにおけるイソシアネート基の平均官能基数は、例えば、2以上、例えば、5以下、好ましくは、4以下、より好ましくは、3以下、さらに好ましくは、2.5以下、さらに好ましくは、2である。
末端イソシアネート基含有プレポリマーにおけるイソシアネート基含有率(NCO%)は、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上、より好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下、さらに好ましくは、18質量%以下である。
このような末端イソシアネート基含有プレポリマーは、市販品を用いることもできる。
また、ポリイソシアネート成分は、上記した末端イソシアネート基含有プレポリマーに加えて、他のイソシアネート(例えば、カルボジイミド変性MDI誘導体、o-MDIなど)を含むこともできるが、好ましくは、末端イソシアネート基含有プレポリマーからなる。
2.ポリオール成分
ポリオール成分としては、例えば、上記した低分子量ポリオール、上記した高分子量ポリオールなどが挙げられる。
ポリオール成分として、好ましくは、低分子量ポリオールおよび高分子量ポリオールを併用、または、高分子量ポリオールを単独使用する。
低分子量ポリオールとしては、好ましくは、2価アルコール、より好ましくは、1,4-ブチレングリコールが挙げられる。
低分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
高分子量ポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオールが挙げられ、さらに好ましくは、ポリオキシ(C2~3)アルキレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオールが挙げられる。
ポリオキシアルキレン(C2~3)ポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールや、公知のポリアミンなどを開始剤とする、炭素数2~3のアルキレンオキサイドの付加重合物が挙げられる。
炭素数2~3のアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド(1,2-プロピレンオキサイド)、トリメチレンオキサイド(1,3-プロピレンオキサイド)などが挙げられる。また、これらアルキレンオキサイドは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリオキシアルキレン(C2~3)ポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシトリメチレンポリオール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体(プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとのランダムおよび/またはブロック共重合体)(なお、分子末端にエチレンオキサイドを含むものを除く)などが挙げられる。
ポリオキシアルキレン(C2~3)ポリオールとして、好ましくは、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体が挙げられ、より好ましくは、ポリオキシプロピレンポリオールが挙げられる。
ポリオキシプロピレンポリオールは、必要に応じて、分子末端にエチレンオキサイドを付加することができる。つまり、ポリオキシプロピレンポリオールは、分子末端にオキシエチレンを有することができる。
ポリオキシプロピレンポリオールとして、機械物性(とりわけ、機械強度および伸び特性)の観点から、好ましくは、分子末端にオキシエチレンを有するポリオキシプロピレンポリオールが挙げられる。
これらポリオキシアルキレン(C2~3)ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリオキシ(C2~3)アルキレンポリオールの数平均分子量は、例えば、250以上、好ましくは、400以上、より好ましくは、500以上、好ましくは、800以上であり、例えば、10000以下、好ましくは、2000以下、より好ましくは、1200以下である。
また、ポリオキシ(C2~3)アルキレンポリオールの平均水酸基数(平均官能基数)は、例えば、2以上、好ましくは、3以上であり、例えば、5以下、好ましくは、4以下、より好ましくは、3.5以下であり、とりわけ好ましくは、3である。
また、ポリオキシ(C2~3)アルキレンポリオールの平均水酸基価は、例えば、33mgKOH/g以上、好ましくは、56mgKOH/g以上、より好ましくは、84mgKOH/g以上、さらに好ましくは、112mgKOH/g以上、とりわけ好ましくは、132mgKOH/g以上であり、例えば、210mgKOH/g以下、好ましくは、187mgKOH/g以下である。
ポリテトラメチレンエーテルポリオールとしては、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られる開環重合物(ポリテトラメチレンエーテルグリコール(結晶性))や、テトラヒドロフランなどの重合単位に、アルキル置換テトラヒドロフランや、上記した2価アルコールを共重合した非晶性(非結晶性)ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。なお、結晶性とは、常温(25℃)において固体であることを示す。
これらポリテトラメチレンエーテルポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリテトラメチレンエーテルポリオールの数平均分子量は、例えば、250以上、好ましくは、800以上、より好ましくは、1300以上であり、例えば、10000以下、好ましくは、5000以下、より好ましくは、2000以下である。
また、ポリテトラメチレンエーテルポリオールの平均水酸基数(平均官能基数)は、例えば、2以上、例えば、5以下、好ましくは、4以下、より好ましくは、3以下、さらに好ましくは、3未満、さらに好ましくは、2.5以下であり、とりわけ好ましくは、2である。
また、ポリテトラメチレンエーテルポリオールの平均水酸基価は、例えば、33mgKOH/g以上、好ましくは、56mgKOH/g以上、例えば、168mgKOH/g以下、好ましくは、112mgKOH/g未満、より好ましくは、84mgKOH/g未満である。
高分子量ポリオールの数平均分子量は、例えば、800以上であり、好ましくは、1000以上であり、また、例えば、5000以下、好ましくは、3000以下である。
ポリオール成分として、低分子量ポリオールおよび高分子量ポリオールを併用する場合には、好ましくは、低分子量ポリオールおよびポリテトラメチレンエーテルポリオールを併用する。
そして、低分子量ポリオールおよび高分子量ポリオールを併用する場合には、低分子量ポリオールの配合割合は、低分子量ポリオールおよび高分子量ポリオールの総量に対して、例えば、10質量%以上であり、また、例えば、30質量%以下であり、また、高分子量ポリオールの配合割合は、例えば、70質量%以上であり、また、例えば、90質量%以下である。
また、ポリオール成分として、高分子量ポリオールを単独使用する場合には、好ましくは、ポリオキシ(C2~3)アルキレンポリオールおよびポリテトラメチレンエーテルポリオールを併用する。
ポリオキシ(C2~3)アルキレンポリオールおよびポリテトラメチレンエーテルポリオールを併用する場合には、ポリオキシ(C2~3)アルキレンポリオールの配合割合は、ポリオキシ(C2~3)アルキレンポリオールおよびポリテトラメチレンエーテルポリオールの総量に対して、例えば、10質量%以上であり、また、例えば、30質量%以下であり、また、ポリテトラメチレンエーテルポリオールの配合割合は、例えば、70質量%以上であり、また、例えば、90質量%以下である。
そして、ポリオール成分(総量)の数平均分子量は、例えば、250以上、好ましくは、400以上、より好ましくは、500以上、さらに好ましくは、600以上、例えば、10000以下、好ましくは、5000以下、より好ましくは、3000以下、さらに好ましくは、1500以下の化合物である。
また、ポリオール成分(総量)の平均水酸基数(平均官能基数)は、例えば、2以上であり、例えば、5以下、好ましくは、4以下、より好ましくは、3以下である。
また、ポリオール成分(総量)の平均水酸基価は、例えば、33.7mgKOH/g以上、好ましくは、56.1mgKOH/g以上、例えば、187mgKOH/g以下、好ましくは、168.3mgKOH/g以下である。
3.水
水は、化学発泡剤であって、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基と反応して二酸化炭素を生成する。
水の含有割合は、ポリオール成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、1.0質量部以上、例えば、5.0質量部以下、好ましくは、3.0質量部以下である。
4.高分子乳化剤
高分子乳化剤は、微発泡ポリウレタンエラストマー(後述)の耐屈曲性を向上させるための添加剤である。
高分子乳化剤は、両親媒性を有する。
高分子乳化剤が、両親媒性を有するため、油性もしくは水性など、さまざまな硬化剤原料に対し高い相溶性を有する。
高分子乳化剤としては、例えば、アクリル系共重合体、ポリカーボネート系共重合体(ポリカーボネート系共重合体のアルキル鎖アンモニウム塩を含む。)、塩基性高分子量ブロックコポリマーなどが挙げられ、好ましくは、微発泡ポリウレタンエラストマー(後述)の耐屈曲性を向上させる観点から、アクリル系共重合体が挙げられる。
また、高分子乳化剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、BYK P-9908(アクリル系共重合体、ビックケミー製)、BYK P-9909(アクリル系共重合体、ビックケミー製)、BYK P-9902(ポリカーボネート系共重合体のアルキル鎖アンモニウム塩、ビックケミー製)、BYK P-9904(塩基性高分子量ブロックコポリマー、ビックケミー製)などが挙げられる。
高分子乳化剤の40℃における粘度は、例えば、好ましくは、100mPa・s以上であり、例えば、1500mPa・s以下、好ましくは、例えば、1000mPa・s以下、より好ましくは、500mPa・s以下である。
高分子乳化剤の40℃における粘度が、上記の範囲内であれば、微発泡ポリウレタンエラストマー(後述)の耐屈曲性をより一層向上させることができる。
なお、上記の粘度は、ICI粘度計により測定することができる。
高分子乳化剤の重量平均分子量は、例えば、1000以上、好ましくは、2000以上であり、また、例えば、12000以下、好ましくは、10000以下、より好ましくは、5000以下である。
高分子乳化剤の数平均分子量は、例えば、500以上、好ましくは、800以上であり、また、例えば、5000以下、好ましくは、3000以下、より好ましくは、1000以下である。
高分子乳化剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
高分子乳化剤の配合割合は、ポリイソシアネート成分100質量部に対して、例えば、0.05質量部以上、好ましくは、0.2質量部以上であり、例えば、3質量部以下、好ましくは、1質量部以下、より好ましくは、0.5質量部以下である。
また、ポリオール成分として、低分子量ポリオールおよび高分子量ポリオールを併用する場合には、高分子乳化剤の配合割合は、ポリオール成分100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.1質量部以上であり、例えば、1質量部以下、好ましくは、0.3質量部以下、より好ましくは、0.15質量部以下である。
また、ポリオール成分として、高分子量ポリオールを単独使用する場合には、高分子乳化剤の配合割合は、ポリオール成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、例えば、3質量部以下、好ましくは、1質量部以下である。
5.触媒
微発泡ポリウレタンエラストマー組成物は、任意成分として、触媒を含有することができる。
触媒としては、例えば、公知のウレタン化触媒が挙げられ、より具体的には、アミン触媒、有機金属化合物などが挙げられる。
アミン触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ポリイソプロパノールアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ヘキサメチルジメチルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N-オクタデシルモルホリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルブタンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス〔2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル〕エーテル、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’-ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、トリエチレンジアミンのギ酸塩および他の塩、第1および第2アミンのアミノ基のオキシアルキレン付加物、N,N-ジアルキルピペラジン類のようなアザ環化合物、種々のN,N’,N’’-トリアルキルアミノアルキルヘキサヒドロトリアジン類などが挙げられ、さらには、例えば、テトラエチルヒドロキシルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩化合物、例えば、イミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物などが挙げられる。
有機金属化合物としては、例えば、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジメチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメルカプチド、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジメルカプチド、ジオクチル錫ジラウリレート、ジブチル錫ジクロライドなどの有機錫系化合物、例えば、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛などの有機鉛化合物、例えば、ナフテン酸ニッケルなどの有機ニッケル化合物、例えば、ナフテン酸コバルトなどの有機コバルト化合物、例えば、オクテン酸銅などの有機銅化合物、例えば、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどの有機ビスマス化合物、ジルコニウムアセチルアセトンキレートなどの有機ジルコニウム化合物、チタンアセト酢酸キレート、ビス(2-エチルヘキサン酸)チタンなどの有機チタン化合物、鉄アセチルアセトンキレートなどの有機鉄化合物などが挙げられる。
さらに、ウレタン化触媒として、例えば、炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムなどのカリウム塩が挙げられる。
これら触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
なお、触媒の含有割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
6.添加剤
微発泡ポリウレタンエラストマー組成物は、任意成分として、さらに、公知の添加剤を含有することができる。
公知の添加剤として、例えば、整泡剤(例えば、シリコーン系整泡剤など)、反応遅延剤(ピコリン酸)、酸化防止剤(例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤など)、耐熱安定剤(例えば、亜リン酸エステル類など)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、難燃剤、着色剤などが挙げられる。
なお、添加剤の含有割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
<微発泡ポリウレタンエラストマー>
このような微発泡ポリウレタンエラストマー組成物は、例えば、上記したポリイソシアネート成分を含むA剤と、上記したポリオール成分を含むB剤とを有する二液型樹脂材料(材料キット)として構成される。なお、高分子乳化剤、必要により配合される触媒、および、必要により配合される添加剤のそれぞれは、A剤およびB剤のいずれに含有されてもよいが、好ましくは、B剤に含有される。また、水は、B剤に含有される。
B液が、ポリオール成分、高分子乳化剤、必要により配合される触媒、および、必要により配合される添加剤を含む場合には、ポリオール成分の配合割合は、高分子乳化剤、必要により配合される触媒、および、必要により配合される添加剤の総量(以下、B液の総量とする。)対して、例えば、70質量%以上であり、また、例えば、99質量%以下である。
また、このような場合において、ポリオール成分として、低分子量ポリオールおよび高分子量ポリオールを併用する場合には、高分子量ポリオールの配合割合は、B液の総量に対して、例えば、70質量%以上であり、また、例えば、90質量%以下である。
詳しくは、上記の高分子量ポリオールの配合割合が、90質量%以下であり、かつ、高分子量ポリオールの数平均分子量が、1000以上3000以下であれば、B液が相分離することを抑制できる。
微発泡ポリウレタンエラストマー組成物は、微発泡ポリウレタンエラストマーの原料であり、微発泡ポリウレタンエラストマーの製造に好適に用いられる。
つまり、微発泡ポリウレタンエラストマーは、微発泡ポリウレタンエラストマー組成物を成形してなる。
具体的には、微発泡ポリウレタンエラストマーを製造するには、例えば、まず、上記したA剤およびB剤を混合して、それらの混合物(微発泡ポリウレタンエラストマー組成物)を調製する。
A剤および/またはB剤は、好ましくは、加温して低粘度化させてから混合される。
A剤の加温温度は、例えば、25℃以上、好ましくは、40℃以上、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃以下である。B剤の加温温度は、例えば、25℃以上、好ましくは、30℃以上、例えば、100℃以下、好ましくは、80℃以下である。
また、A剤とB剤とは、例えば、イソシアネートインデックス(NCO/(OH+H2O))×100(つまり、ポリオール成分の水酸基および水の総和に対するポリイソシアネート成分のイソシアネート基の総和の割合)が下記の範囲となるように混合される。
すなわち、イソシアネートインデックスは、例えば、75以上、好ましくは、90以上、さらに好ましくは、95以上、例えば、300以下、好ましくは、200以下、さらに好ましくは、150以下である。
次いで、A剤とB剤との混合物(微発泡ポリウレタンエラストマー組成物)を、必要に応じて予備加熱される所定の金型に注入する。
金型の予備加熱温度は、例えば、50℃以上、好ましくは、60℃以上、例えば、130℃以下、好ましくは、100℃以下、さらに好ましくは、90℃以下である。
そして、金型内において、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応(ウレタン化反応)させるとともに、A剤とB剤との混合物(微発泡ポリウレタンエラストマー組成物)を発泡させる。
これによって、微発泡ポリウレタンエラストマー組成物が発泡および硬化して、微発泡ポリウレタンエラストマーを形成するとともに、微発泡ポリウレタンエラストマーが所定の形状に成形される。
反応温度(成形温度)の範囲は、上記した予備加熱温度の範囲と同じである。
反応時間(成形時間)は、例えば、5分以上、好ましくは、10分以上、例えば、60分以下、好ましくは、30分以下、さらに好ましくは、20分以下である。
次いで、微発泡ポリウレタンエラストマーを金型から脱型する。その後、必要に応じて、微発泡ポリウレタンエラストマーを、上記の反応温度において、24時間以内程度で熱成させてもよい。
以上によって、微発泡ポリウレタンエラストマーが製造される。
微発泡ポリウレタンエラストマーは、微発泡ポリウレタンエラストマー組成物の発泡硬化物を含み、好ましくは、微発泡ポリウレタンエラストマー組成物の発泡硬化物からなる。
このような微発泡ポリウレタンエラストマーの硬度(C硬度)は、ポリオール成分として、低分子量ポリオールおよび高分子量ポリオールを併用する場合には、50以上、好ましくは、60以上、より好ましくは、70以上であり、また、例えば、80以下であり、高分子量ポリオールを単独併用する場合には、例えば、10以上、好ましくは、20以上であり、また、例えば、50未満である。なお、硬度(C硬度)は、JIS K7312-7(1996)に基づくアスカーC硬度に準拠して測定できる(以下同様)。
また、微発泡ポリウレタンエラストマーの密度(JIS K7222(2005))は、ポリオール成分として、低分子量ポリオールおよび高分子量ポリオールを併用する場合には、例えば、0.4以上であり、また、例えば、1以下であり、また、ポリオール成分として、高分子量ポリオールを単独併用する場合には、例えば、0.1以上であり、また、例えば、0.4未満である。
<作用効果>
上記の微発泡ポリウレタンエラストマー組成物には、上記した高分子乳化剤が含まれている。
そのため、このような微発泡ポリウレタンエラストマー組成物によれば、耐屈曲性に優れた微発泡ポリウレタンエラストマーを得ることができる。
また、上記の微発泡ポリウレタンエラストマーは、上記の微発泡ポリウレタンエラストマー組成物から得られるため、耐屈曲性に優れる。
具体的には、後述する耐屈曲性の試験において、上記した高分子乳化剤を含まない場合に比べて、例えば、1.1倍以上、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは、2倍以上、耐屈曲性に優れる。
そのため、微発泡ポリウレタンエラストマーは、各種産業分野において使用することができる。微発泡ポリウレタンエラストマーの用途としては、例えば、緩衝材、衝撃吸収材、振動吸収材、クッション材、マットレス材、吸音材などが挙げられる。
微発泡ポリウレタンエラストマーの用途として、より具体的には、例えば、マットレスやソファーなどの家具用品、例えば、ブラジャーや肩パッドなどの衣料用品、例えば、紙おむつ、ナプキン、メディカルテープの緩衝材などの医療用品、例えば、化粧品、洗顔パフ、枕などのサニタリー用品、例えば、靴のアウトソール、靴のインナーソール、靴のミッドソールなどの靴用品、例えば、医療用途などの各種用途におけるフットウェア製品(サンダルなど)、例えば、車両用パッド、車両用クッションなどの体圧分散用品、例えば、ドアトリム、インスツルメントパネル、ギアノブなどの手で触れる部材、例えば、電気冷蔵庫や建築物などにおける断熱材、例えば、ショックアブソーバーなどの衝撃吸収材、例えば、充填材、車両のハンドル、自動車内装部材、自動車外装部材などの車両用品、例えば、化学機械研磨(CMP)パッドなどの半導体製造用品、例えば、バット、グリップの芯材などのスポーツ用品、例えば、ポールなど、幅広い分野において用いることができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、それらに限定されない。以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。
<原料の準備>
<<ポリイソシアネート成分>>
準備例1(イソシアネート(1))
ポリフェニルメタンポリイソシアネート(p-MDI、商品名MDI-PH、三井化学SKCポリウレタン社製)と、数平均分子量2000のポリカプロラクトンジオールとの反応生成物である末端イソシアネート基含有プレポリマー(イソシアネート基含有率=15質量%、平均官能基数=2)を、イソシアネート(1)として準備した。
準備例2(イソシアネート(2))
ポリフェニルメタンポリイソシアネート(p-MDI、商品名MDI-PH、三井化学SKCポリウレタン社製)と、数平均分子量2000のアジペート系ポリエステルポリオールとの反応生成物である末端イソシアネート基含有プレポリマー(イソシアネート基含有率=15質量%、平均官能基数=2)を、イソシアネート(2)として準備した。
準備例3(イソシアネート(3))
ポリフェニルメタンポリイソシアネート(p-MDI、商品名MDI-PH、三井化学SKCポリウレタン社製)と数平均分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG1000)との反応生成物である末端イソシアネート基含有プレポリマー(イソシアネート基含有率=15質量%、平均官能基数=2)を、イソシアネート(3)として準備した。
準備例4(イソシアネート(4))
ポリフェニルメタンポリイソシアネート(p-MDI、商品名MDI-PH、三井化学SKCポリウレタン社製)と数平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG2000)との反応生成物である末端イソシアネート基含有プレポリマー(イソシアネート基含有率=15質量%、平均官能基数=2)を、イソシアネート(4)として準備した。
<<ポリオール成分>>
準備例5(ポリオール(1))
1,4-ブタンジオール(1,4-BG)を、ポリオール(1)として準備した。
準備例6(ポリオール(2))
EP550N(市販品、数平均分子量1000のオキシエチレン末端ポリオキシプロピレントリオール、平均水酸基数3、三井化学SKCポリウレタン製)を、ポリオール(2)として準備した。
準備例7(ポリオール(3))
PTG1000(市販品、数平均分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコール、平均水酸基数2、三菱化学製)を、ポリオール(3)として準備した。
準備例8(ポリオール(4))
PTG1500(市販品、数平均分子量1500のポリテトラメチレンエーテルグリコール、平均水酸基数2、三菱化学製)を、ポリオール(4)として準備した。
<<高分子乳化剤>>
準備例9(高分子乳化剤(1))
BYK P-9908(市販品、アクリル系共重合体、粘度(40℃)410mPa・s、重量平均分子量4049、数平均分子量907、ビックケミー製)を、高分子乳化剤(1)として準備した。
準備例10(高分子乳化剤(2))
BYK P-9909(市販品、アクリル系共重合体、粘度(40℃)130mPa・s、重量平均分子量2223、数平均分子量889、ビックケミー製)を、高分子乳化剤(2)として準備した。
準備例11(高分子乳化剤(3))
BYK P-9902(市販品、ポリカーボネート系共重合体のアルキル鎖アンモニウム塩、ビックケミー製)を、高分子乳化剤(3)として準備した。
準備例12(高分子乳化剤(4))
BYK P-9904(市販品、塩基性高分子量ブロックコポリマー、粘度(40℃)1050mPa・s、重量平均分子量1785、数平均分子量753、ビックケミー製)を、高分子乳化剤(4)として準備した。
なお、上記した高分子乳化剤において、40℃における粘度は、東亜工業株式会社製ICI粘度計(コーンプレート粘度計)を用いて測定した。
準備例13(触媒(1))
DBTDL(有機金属触媒、ジラウリン酸ジブチルスズ(IV)(ジブチル錫ジラウレート)、日東化成社製)を、触媒(1)として準備した。
準備例14(触媒(2))
Dabco 33LV(アミン系触媒、トリエチレンジアミンの33質量%ジプロピレングリコール溶液、エアプロダクツジャパン社製)を、触媒(2)として準備した。
<<添加剤の準備>>
ベンゾフレックス988SG(可塑剤、安息香酸エステル系化合物、粘度(40℃)16mPa・s、CBC社製)、ピコリン酸(反応遅延剤)、Y-10366(シリコーン系整泡剤、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)、IRG1135(熱安定化剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、BASF社製)、JPP100(耐熱安定剤、亜リン酸エステル類、城北化学工業社製)を準備した。
<微発泡ポリウレタンエラストマー組成物および微発泡ポリウレタンエラストマーの製造>
実施例1、実施例2、実施例4~実施例11および比較例1~
表1および表2に示した成分中、ポリイソシアネート成分以外の各成分を秤量し、それらを、表1の配合処方に従って配合し、均一になるように攪拌混合することにより、B剤を調製した。なお、B剤の温度を50℃に調整した。
別途用意したポリイソシアネート成分を、表1の配合処方に従って秤量し、A剤を調製した。なお、A剤の温度を50℃に調整した。
その後、B剤にA剤を加えて、それらを真空減圧により脱気しながら高速撹拌機によって5秒間攪拌(回転数6000rpm以上)して、微発泡ポリウレタンエラストマー組成物を調製した。
そして、ポリウレタン樹脂組成物を、予め80℃に加熱した密閉型金型(深さ50mm、縦×横280mm×180mm)に手早く注入し、80℃において15分間で発泡および硬化させ、微発泡ポリウレタンエラストマーを製造した。
その後、この発泡ポリウレタンエラストマーを金型から脱型した。その後、得られた微発泡ポリウレタンエラストマーを、50℃で12時間、加熱養生した。
<評価>
(1)B液相溶性
表1および表2に示した成分中、ポリイソシアネート成分および安定剤以外の各成分を秤量し、それらを、表1および表2の配合処方に従って配合し、均一になるように攪拌混合することにより、B剤を調製した。
このB液を100ccガラス瓶に入れ、ケミスターラーで十分に攪拌分散し、B液相溶性用サンプルを調製した。
また、このB液相溶性用サンプルは、各実施例および各比較例について、2本ずつ準備した。
2つのB液相溶性用サンプルのうち、一方を23℃1週静置し、他方を60℃1週間静置し、それぞれの液分離状態を目視観察した。
その結果を表1および表2に示す。
(2)圧縮永久歪み
微発泡ポリウレタンエラストマーから直径29mmで厚み10mmの円板状の測定試料を切り出し、JIS K6262(2013)に従って、70℃×22時間、50%圧縮の条件で、測定試料の圧縮永久歪みを測定した。その結果を表1および表2に示す。
(3)耐屈曲性
各微発泡ポリウレタンエラストマーから幅10mm、長さ12cmの短冊形状の試験片を打ち抜き、23℃、周波数5Hzの条件で、繰り返しデマッチャ屈曲試験を実施した。その結果を表1および表2に示す。
(4)密度
微発泡ポリウレタンエラストマーから測定試料を切り出し、JIS K7222(2005)に従って、見かけ密度を測定した。その結果を表1および表2に示す。
(5)硬度(C硬度)
微発泡ポリウレタンエラストマーのアスカーC硬度を、JIS K7312-7(1996)に従って測定した。その結果を表1および表2に示す。
(6)反発弾性
微発泡ポリウレタンエラストマーの反発弾性を、JIS K6400-3(2011)に従って、ボールリバウンドにより測定した。その結果を表1および表2に示す。

Claims (5)

  1. 0.1g/cm以上1g/cm以下の密度を有する微発泡ポリウレタンエラストマーを製造するための微発泡ポリウレタンエラストマー組成物であって、
    ポリイソシアネートとポリオールとの反応生成物である末端イソシアネート基含有プレポリマーを含有するポリイソシアネート成分と、
    ポリオール成分と、
    水と、
    両親媒性を有する高分子乳化剤とを含有し、
    前記両親媒性を有する高分子乳化剤の配合割合が、前記ポリイソシアネート成分100質量部に対して、0.05質量部以上0.5質量部以下であることを特徴とする、微発泡ポリウレタンエラストマー組成物。
  2. 前記両親媒性を有する高分子乳化剤が、アクリル系共重合体であることを特徴とする、請求項1に記載の微発泡ポリウレタンエラストマー組成物。
  3. 前記両親媒性を有する高分子乳化剤の40℃における粘度が、100mPa・s以上1500mPa・s以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の微発泡ポリウレタンエラストマー組成物。
  4. 前記ポリオール成分が、高分子量ポリオールおよび低分子量ポリオールを含み、
    前記高分子量ポリオールの数平均分子量が、1000以上3000以下であり、
    前記高分子量ポリオールの配合割合が、前記ポリオール成分と、前記水と、前記高分子乳化剤と、必要により配合される触媒と、必要により配合される添加剤との総量に対して、90質量%以下であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の微発泡ポリウレタンエラストマー組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の微発泡ポリウレタンエラストマー組成物を成形してなることを特徴とする、微発泡ポリウレタンエラストマー。
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