JP2016132724A - 無発泡ウレタンエラストマー及び無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物 - Google Patents

無発泡ウレタンエラストマー及び無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物 Download PDF

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智矢 宮田
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Abstract

【課題】高い反発係数を有すると共に低硬度及び低tanδでありかつこれらの特性を低温領域まで発揮することができる無発泡ウレタンエラストマーの提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、ポリイソシアネートに由来する部分とポリエーテル系ポリオールに由来する部分とを有するポリマーを含有する無発泡ウレタンエラストマーであって、ポリイソシアネートの少なくとも一部におけるNCO基間の最短の結合路を構成する原子数が11以上、ポリエーテル系ポリオールのMwが300以上3,000以下であり、(i)ポリエーテル系ポリオールがMw及びオキシアルキレン単位のうちの少なくともいずれかが互いに異なる2種以上を含む、及び(ii)ポリエーテル系ポリオールが2種以上のオキシアルキレン単位を含む、の少なくともいずれかを満たすことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、無発泡ウレタンエラストマー及び無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物に関する。
ウレタン系の高反発材料は種々の分野で広く用いられている。かかるウレタン系高反発材料は、安全性、触感等の観点から、その反発係数をさらに高めると共に、その軟質性を高め、低硬度とすることが求められている。しかし、これらを共に達成することは困難である。無発泡ウレタンエラストマーの場合は、反発係数を高めることはできるものの、より低硬度とすることは難しい(特開平8−231669号公報参照)。逆に、発泡ウレタンゴムの場合は、より低硬度とすることはできるが、反発係数を高めることは難しい(特開2003−335830号公報参照)とされている。
上記ウレタン系の高反発材料のうち、無発泡ウレタンエラストマーは、発泡ウレタンゴムに比べ、薄膜シート成形等、より多様な成形方法を用いることができる、泡による光拡散がないため透明な成形体とすることができる、機械的強度をより高めることができる点で好ましいため検討が進められている。また、無発泡ウレタンエラストマーは、より大きな反発係数が可能になる点でも好ましい。しかし、高反発材料には、より低硬度であること、また損失正接(tanδ)を低くできることも求められている。さらに、これらの物性を50℃程度から−10℃程度の低温領域まで安定的に発揮できることも要求されている。しかし、上記従来の無発泡ウレタンエラストマーは、これらの要求を満足させることはできていない。
特開平8−231669号公報 特開2003−335830号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、高い反発係数を有すると共に低硬度及び低tanδであり、かつこれらの特性を低温領域まで発揮することができる無発泡ウレタンエラストマーを提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、ポリイソシアネート(以下、「ポリイソシアネート(A)」ともいう)に由来する部分とポリエーテル系ポリオール(以下、「ポリエーテルポリオール(B)」ともいう)に由来する部分とを有するポリマー(以下、「ポリマー(P)」ともいう)を含有する無発泡ウレタンエラストマーであって、上記ポリイソシアネートの少なくとも一部におけるNCO基間の最短の結合路を構成する原子数(以下、「最短結合路原子数」ともいう)が11以上であり、上記ポリエーテル系ポリオールの重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう)が300以上3,000以下であり、下記(i)及び(ii)のうちの少なくともいずれかを満たすことを特徴とする。
(i)上記ポリエーテル系ポリオールが重量平均分子量及びオキシアルキレン単位のうちの少なくともいずれかが互いに異なる2種以上を含む
(ii)上記ポリエーテル系ポリオールが2種以上のオキシアルキレン単位を含む
本発明の無発泡ウレタンエラストマーは、上記構成を満たすことで、高い反発係数を有すると共に低硬度及び低tanδであり、かつこれらの特性を低温領域まで発揮することができる。
当該無発泡ウレタンエラストマーは、上記(i)及び(ii)のうちの少なくともいずれかを満たすことで、ポリマー中のポリエーテル系ポリオールに由来する部分の分子鎖の繰り返し構造の周期性が低下する。その結果、分子鎖同士の相互作用が適度に抑制されるので、分子鎖同士の分子運動による衝突及び摩擦、結晶化等が抑えられる。当該無発泡ウレタンエラストマーは、このような特徴を有するポリエーテル系ポリオールに由来する部分に、さらに上記特定構造を有するポリイソシアネートに由来する部分を組み合わせたポリマー構造によって、上述の高い反発係数と、高反発係数、低硬度及び低tanδの特性を低温領域まで安定的に発揮することとを両立させることができるものと考えられる。
上記(i)を満たす場合、上記2種以上のポリエーテル系ポリオールとしては、ポリオキシポリテトラメチレングリコール、ポリオキシポリプロピレングリコール及びポリオキシポリエチレングリコール−ポリオキシポリプロピレングリコールからなる群より選ばれる2種以上が好ましい。
当該無発泡ウレタンエラストマーは、2種以上のポリエーテル系ポリオールとして上記特定の組み合わせを用いることで、上述の分子鎖同士の相互作用をより適度に抑制することができ、その結果、高い反発係数と上述の低温特性とをより高いレベルで両立させることができる。
上記ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネートと3官能以上のイソシアネートとを含むことが好ましい。
当該無発泡ウレタンエラストマーは、上記イソシアネートの組み合わせを用いることで、上述の分子鎖同士の相互作用をさらに適度に抑制することができ、その結果、反発係数をさらに高めることができる。
上記ポリエーテル系ポリオールのゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される分子量分布は2つ以上のピークを有することが好ましい。
ポリエーテル系ポリオールがこのような分子量分布特性を示し、含まれるそれぞれの分子量分布を比較的狭い範囲のものとすることで、当該無発泡ウレタンエラストマーは上述の低温特性をより向上させることができる。
23℃における反発係数としては、0.80以上が好ましい。
23℃におけるアスカーA硬度としては、75以下が好ましい。
このように、当該無発泡ウレタンエラストマーは、上記範囲の物性を有するので、寝具、スポーツ装具、靴、楽器、コンピューター入力デバイス、制振材、防振材、緩衝材等に好適に用いることができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、ポリイソシアネート及びポリエーテル系ポリオールを含む原料、又はこの原料から形成されるプレポリマーを含有する無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物であって、上記ポリイソシアネートの少なくとも一部におけるNCO基間の最短の結合路を構成する原子数が11以上であり、上記ポリエーテル系ポリオールの重量平均分子量が300以上3,000以下であり、下記(i)及び(ii)のうちの少なくともいずれかを満たすことを特徴とする。
(i)上記ポリエーテル系ポリオールが重量平均分子量及びオキシアルキレン単位のうちの少なくともいずれかが互いに異なる2種以上を含む
(ii)上記ポリエーテル系ポリオールが2種以上のオキシアルキレン単位を含む
本発明の無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物によれば、高い反発係数を有すると共に低硬度及び低tanであり、かつこれらの特性を低温領域まで発揮する上述の効果を有する無発泡ウレタンエラストマーを形成することができる。
上記ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネートと3官能以上のイソシアネートとを含むことが好ましい。
当該無発泡ウレタンエラストマーは、高い反発係数を有すると共に低硬度及び低tanδであり、かつこれらの特性を低温領域まで発揮することができる。当該無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物によれば、上記特性を有する無発泡ウレタンエラストマーを形成することができる。従って、当該無発泡ウレタンエラストマーは、寝具、スポーツ装具、靴、楽器、コンピューター入力デバイス、制振材、防振材、緩衝材等に好適に用いることができる。
<無発泡ウレタンエラストマー>
当該無発泡ウレタンエラストマーは、ポリイソシアネート(A)に由来する部分とポリエーテル系ポリオール(B)に由来する部分とを有するポリマー(P)を含有する。当該無発泡ウレタンエラストマーは、通常、ポリマー(P)の形成原料を含有する組成物を硬化させること等により得られる。
<ポリマー(P)>
上記ポリマー(P)は、ポリイソシアネート(A)に由来する部分とポリエーテル系ポリオール(B)に由来する部分とを有し、上記ポリイソシアネート(A)の少なくとも一部における最短結合路原子数が11以上であり、上記ポリエーテル系ポリオール(B)のMwが300以上3,000以下であり、下記(i)及び(ii)のうちの少なくともいずれかを満たす。
(i)上記ポリエーテル系ポリオールがMw及びオキシアルキレン単位のうちの少なくともいずれかが互いに異なる2種以上を含む
(ii)上記ポリエーテル系ポリオール(C)が2種以上のオキシアルキレン単位を含む
当該無発泡ウレタンエラストマーは、これを構成するポリマー(P)が上記特定構造を有することで、高い反発係数を有すると共に低硬度及び低tanδであり、かつこれらの特性を低温領域まで発揮することができる。当該無発泡ウレタンエラストマーが上記構成を有することで、上記効果を奏する理由は必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、上記特定範囲の最短結合路原子数を有するポリイソシアネートと、上記特定範囲のMwのポリエーテル系ポリオール(B)とから形成されるポリウレタンの高分子鎖は、ウレタン結合部分を含むハードセグメントが短く、ポリエーテル系ポリオールのオキシアルキレン単位部分を含むソフトセグメントが長くなる。そのため、ポリウレタンの高分子鎖同士が絡み難く、高分子鎖間の摩擦によるヒステリシスロスが小さくなり、低弾性でありながら、弾性要素が強くなる構造とすることができると考えられる。加えて、上述の複数種のポリエーテル系ポリオールを用いることで、分子鎖の繰り返し構造の周期性が低下し、分子鎖同士の相互作用が適度に抑制され、結晶化等が妨げられるので、上記各特性の安定温度域が広がると考えられる。これらの結果、高い反発係数と上述の低温特性とを両立させることが可能になる。
当該無発泡ウレタンエラストマーは、例えば以下に説明する無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物(U)を硬化させること等により合成することができる
当該無発泡ウレタンエラストマーの23℃における反発係数の下限としては、0.80が好ましく、0.82がより好ましく、0.84がさらに好ましく、0.85が特に好ましい。
当該無発泡ウレタンエラストマーの23℃におけるアスカーA硬度の上限としては、75が好ましく、65がより好ましく、60がさらに好ましい。
当該無発泡ウレタンエラストマーの−10℃におけるアスカーA硬度の上限としては、75が好ましく、65がより好ましく、60がさらに好ましい。
当該無発泡ウレタンエラストマーのtanδとしては、反発係数を高める観点から、0.1以下が好ましい。
当該無発泡ウレタンエラストマーは、上述のように、高い反発係数を有すると共に低硬度及び低tanδであり、かつこれらの特性を低温領域まで安定的に発揮できるので、例えば小さい入力エネルギーをロスなく伝達することが求められる素材として好適に用いることができる。また、当該無発泡ウレタンエラストマーは低硬度であり、人体の硬度に近いので、例えば人体と各種機器間に介在するインターフェースの素材として種々の工業製品、産業用途への好適に用いることができる。このような用途に用いられるものとしては、例えば寝具、スポーツ装具、靴、楽器、コンピュータ入力デバイス、制振材、防振材、緩衝材等が挙げられる。当該無発泡ウレタンエラストマーを用いる場合は、その厚みとしては、1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましく、3mm以上がさらに好ましい。当該無発泡ウレタンエラストマーは、その厚みを上記下限以上とすることで、低硬度であっても沈み込みによる底付きの発生を抑制することができ、反発の低下を抑えることができる。
<無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物(U)>
無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物(U)は、ポリイソシアネート(A)及びポリエーテル系ポリオール(B)を含む原料、又はこの原料から形成されるプレポリマー(以下、「プレポリマー(C)」ともいう)を含有し、上記ポリイソシアネート(A)の少なくとも一部における最短結合路原子数が11以上であり、上記ポリエーテル系ポリオール(B)のMwが300以上3,000以下であり、下記(i)及び(ii)のうちの少なくともいずれかを満たす。
(i)上記ポリエーテル系ポリオール(B)がMw及びオキシアルキレン単位のうちの少なくともいずれかが互いに異なる2種以上を含む
(ii)上記ポリエーテル系ポリオール(B)が2種以上のオキシアルキレン単位を含む
無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物(U)は上記各成分をそれぞれ1種又は2種以上含んでいてもよい。また、無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物(U)は、上記各成分以外に、架橋剤、硬化触媒、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等のその他の成分を含んでいてもよい。
以下、各成分について説明する。
[ポリイソシアネート(A)]
ポリイソシアネート(A)は、2個以上のNCO基を有する化合物である。ポリイソシアネート(A)は、官能基としてNCO基のみを有していてもよく、NCO基以外の他の官能基を有していてもよい。上記他の官能基としては、例えばハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボジイミド基(−N=C=N−)、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基等が挙げられる。
上記ポリイソシアネート(A)としては、例えば2個のNCO基を有するジイソシアネート(以下、「イソシアネート(A1)」ともいう)、3官能以上のイソシアネート(以下、「イソシアネート(A2)」ともいう)等が挙げられる。
上記イソシアネート(A1)としては、例えば
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ウンデカンジイソシアネート、ドデカンジイソシアネート、トリデカンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート及びその誘導体;
メチレンジ(1,4−シクロへキシレンイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、トリ(1,4−シクロへキシレン)ジイソシアネート、プロピレン−1,3−ジ(1,4−シクロへキシレンイソシアネート)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)等の脂環族ジイソシアネート及びその誘導体;
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(カルボジイミド変性MDI、ジ(イソシアナトフェニルメチルフェニル)カルボジイミド)等の芳香族ジイソシアネート及びその誘導体などが挙げられる。
上記イソシアネート(A1)として、芳香族ジイソシアネートとしては、MDI及びカルボジイミド変性MDIが好ましい。また、脂肪族イソシアネートとしては、HMDI及びHMDIの誘導体が好ましい。
イソシアネート(A2)としては、例えば3個のNCO基を有するトリイソシアネート、4個以上のNCO基を有する化合物等が挙げられる。
上記トリイソシアネートとしては、例えば
1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート等の脂肪族トリイソシアネート;
シクロヘキサン−1,3,5−トリイソシアネート、トリシクロヘキシルメタントリイソシアネート等の脂環族トリイソシアネート;
トリフェニルメタントリイソシアネート、ジメチレントリフェニレントリイソシアネート(3官能クルードMDI)等の芳香族トリイソシアネート;
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等ジイソシアネートの三量化物、ビュレット、アロファネート、アダクト体等の3官能イソシアネートなどが挙げられる。
上記4個以上のNCO基を有する化合物としては、例えばシクロヘキサン−1,2,4,5−テトライソシアネート、ベンゼン−1,2,4,5−テトライソシアネート等が挙げられる。
上記3個又は4個以上のNCO基を有するイソシアネートの混合物としては、例えばポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート等が挙げられる。
上記トリイソシアネートの市販品としては、例えば旭化成ケミカルズ社の「デュラネート TKA−100」等が挙げられる。
上記3個又は4個以上のNCO基を有するイソシアネートの混合物の市販品としては、例えばBASF INOACポリウレタン社の「M20S」等が挙げられる。
イソシアネート(B)としては、これらの中で、トリイソシアネート、及び3個又は4個以上のNCO基を有するイソシアネートの混合物が好ましく、芳香族トリイソシアネートがより好ましく、3官能クルードMDI及びポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートがさらに好ましい。
上記ポリイソシアネート(A)は、イソシアネート(A1)のみからなっていてもよく、イソシアネート(A2)のみからなっていてもよく、イソシアネート(A1)とイソシアネート(A2)とを含んでいてもよい。
上記イソシアネート(A2)を用いる場合、イソシアネート(A2)のイソシアネート(A)に対する使用割合の下限としては、5質量%が好ましく、40質量%がより好ましく、70質量%がさらに好ましく、95質量%が特に好ましい。
イソシアネート(A)に対するイソシアネート(A2)の使用割合を上記範囲とすることで、上述の分子鎖同士の相互作用をより適切に抑制することができると考えられ、その結果、当該無発泡ウレタンエラストマーの反発係数をより高めることができる。
ポリイソシアネート(A)の最短結合路原子数、すなわち、「NCO基間の最短の結合路を構成する原子数」とは、ポリイソシアネート(A)が有するNCO基のうちの1つのN原子から他のNCO基のN原子までをつなぐ複数の共有結合からなる結合路のうち含まれる原子の数(NCO基の窒素原子は含めない)が最も少ないもの」をいう。3以上のNCO基を有するイソシアネート(A2)の最短結合路原子数は、複数あるNCO基間それぞれについての最短結合路原子数のうち、最大のものをいう。上記共有結合としては、単結合、C=C、C=O、C=N等の二重結合、及び芳香族性の二重結合のいずれであってもよい。無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物(U)において、ポリイソシアネート(A)の少なくとも一部における最短結合路原子数が所定値以上であればよい。つまり、ポリイソシアネート(A)のうちの全部が上記範囲の最短結合路原子数を有していても、一部が有していてもよい。ポリイソシアネート(A)全体のうち、最短結合路原子数が所定値以上のポリイソシアネートの割合としては、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上がさらに好ましく、50質量%以上が特に好ましい。最短結合路原子数が所定値以上のポリイソシアネートの割合を上記範囲とすることで、当該無発泡ウレタンエラストマーの上述の反発係数及び低温特性をより向上させることができる。
上記最短結合路原子数の下限としては、11であり、13が好ましく、15がより好ましく、17がさらに好ましく、19が特に好ましく、21がさらに特に好ましい。上記最短結合路原子数を上記範囲とすることで、当該無発泡ウレタンエラストマーの反発係数をより高めることができる。上記最短結合路原子数が上記下限未満であると、当該無発泡ウレタンエラストマーの反発係数が低下する傾向にある。
上記最短結合路原子数が11以上のポリイソシアネート(A)としては、例えば
イソシアネート(A1)として、
ウンデカンジイソシアネート(11)、ドデカンジイソシアネート(12)、トリデカンジイソシアネート(13)等の脂肪族ジイソシアネート;
トリ(1,4−シクロへキシレン)ジイソシアネート(12)、プロピレン−1,3−ジ(1,4−シクロへキシレンイソシアネート)(11)等の脂環族ジイソシアネート;
カルボジイミド変性MDI(21)等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられ、
イソシアネート(A2)として、
ジメチレントリフェニレントリイソシアネート(3官能クルードMDI)(13)等の芳香族トリイソシアネートなどが挙げられる。
これらの中で、芳香族ジイソシアネート及び芳香族トリイソシアネートが好ましく、カルボジイミド変性MDI及びジメチレントリフェニレントリイソシアネートがより好ましい。
[ポリエーテル系ポリオール(B)]
ポリエーテル系ポリオール(B)は、オキシアルキレン単位(−R−O−、Rは、アルキレン基である)を主な繰り返し単位とし、かつ2個以上の水酸基を有する化合物であって、Mwが、300以上3,000以下である。ポリエーテル系ポリオール(B)としては、上記構造を有する限り特に限定されない。ポリエーテル系ポリオール(B)としては、例えば2個の水酸基を有するポリエーテル系ジオール、3個の水酸基を有するポリエーテル系トリオール、4個以上の水酸基を有するポリエーテル系ポリオール等が挙げられる。ポリエーテル系ポリオール(B)が有するオキシアルキレン単位は、同一分子中で全て同一でもよく、異なるものを含んでいてもよい。ポリエーテル系ポリオール(B)は、本発明の効果を損なわない範囲において、オキシアルキレン単位以外のその他の繰り返し単位を有していてもよい。
ポリエーテル系ポリオール(B)のMwの下限としては、300であり、700が好ましく、1,000がより好ましく、1,300がさらに好ましく、1,600が特に好ましい。上記Mwの上限としては、3,000であり、2,700が好ましく、2,400がより好ましく、2,200がさらに好ましく、2,000が特に好ましい。当該無発泡ウレタンエラストマーは、ポリエーテル系ポリオール(B)のMwを上記範囲とすることで、反発係数をより高めることができる。上記Mwが上記下限未満であると、当該無発泡ウレタンエラストマーの硬度が高くなる傾向にある。上記Mwが上記上限を超えると、反発係数が低くなる傾向にあり、また、無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物(U)の粘度の増加、結晶固化等により常温下での取り扱いが難しくなる場合がある。
ポリエーテル系ポリオール(B)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される分子量分布は、2つ以上のピークを有することが好ましい。
また、ポリエーテル系ポリオール(B)の分散度(数平均分子量(Mn)に対するMwの比)の上限としては、2.0が好ましく、1.8がより好ましく、1.6がさらに好ましい。上記分散度の下限としては、1.0が好ましく、1.1がより好ましく、1.2がさらに好ましい。
当該無発泡ウレタンエラストマーは、ポリエーテル系ポリオール(B)がこのような分子量分布特性を示し、含まれるそれぞれの分子量分布を比較的狭い範囲のものとすることで、当該無発泡ウレタンエラストマーは上述の低温特性をより向上させることができる。
上記ポリエーテル系ポリオール(B)としては、例えば
ポリエーテル系ジオールとして、
ポリオキシポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシポリプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリオキシポリ(2−メチルテトラメチレン)グリコール(PMeTMG)、ポリオキシポリペンタメチレングリコール(PPMG)、ポリオキシポリヘキサメチレングリコール(PHMG)、ポリオキシポリエチレングリコール−ポリオキシポリプロピレングリコール(PEG−PPG)等のポリオキシポリアルキレングリコール;
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA等の2官能ヒドロキシ化合物などを開始剤としたエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の環状エーテルの開環重合体などが挙げられ、
ポリエーテル系トリオールとして、
グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン等のトリオールなどの3官能ヒドロキシ化合物を開始剤としたエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の環状エーテルの開環重合体などがそれぞれ挙げられる。
ポリエーテル系ポリオール(B)としては、これらの中で、ポリエーテル系ジオールが好ましく、ポリオキシポリアルキレングリコールがより好ましく、オキシアルキレン単位の炭素数が2〜6のポリオキシポリアルキレングリコールがさらに好ましく、PEG、PPG、PTMG、PPMG及びPEG−PPGが特に好ましく、PPG、PTMG及びPEG−PPGがさらに特に好ましい。
ポリエーテル系ポリオール(B)としては、Mw及びオキシアルキレン単位のうちの少なくともいずれか互いに異なる2種以上を含むことが好ましい。当該無発泡ウレタンエラストマーは、ポリエーテル系ポリオール(B)としてこのような特定の複数種を用いることで、高い反発係数と、反発係数、低硬度及び低tanδの特性を低温領域まで安定的に発揮させることとを両立することが可能になる。
上記オキシアルキレン単位が互いに異なる2種以上のポリエーテル系ポリオール(B)の組み合わせとしては、例えばオキシアルキレン単位のアルキレン基の炭素数が互いに異なるものの組み合わせが挙げられ、PEGとPPG、PEGとPTMG、PEGとPPMG、PEGとPHMG、PPGとPTMG、PPGとPPMG、PPGとPHMG、PTMGとPPMG、PTMGとPHMG、PPMGとPHMG等が挙げられる。
これらの中で、アルキレン基の炭素数が互いに1だけ異なるものの組み合わせが好ましく、PEGとPPG、PPGとPTMG、PTMGとPPMG、及びPPMGとPHMGの各組み合わせがより好ましく、PPGとPTMGの組み合わせがさらに好ましい。
また、ポリエーテル系ポリオール(B)としては、同一分子中に、2種以上のオキシアルキレン単位を含むことも好ましい。この2種以上のオキシアルキレン単位の組み合わせとしては、ポリオキシポリエチレン単位、ポリオキシポリプロピレン単位、ポリオキシポリテトラメチレン単位、ポリオキシポリ(2−メチルテトラメチレン)単位、ポリオキシポリペンタメチレン単位及びポリオキシポリヘキサメチレン単位からなる群より選ばれる少なくとも2種が挙げられる。
これらの中で、アルキレン基の炭素数が互いに1だけ異なるものの組み合わせが好ましく、ポリオキシポリエチレン単位とポリオキシポリプロピレン単位、ポリオキシポリプロピレン単位とポリオキシポリテトラメチレン単位、ポリオキシポリテトラメチレン単位とポリオキシポリ(2−メチルテトラメチレン)単位、ポリオキシポリテトラメチレン単位とポリオキシポリペンタメチレン単位、ポリオキシポリ(2−メチルテトラメチレン)単位とポリオキシポリヘキサメチレン単位、及びポリオキシポリペンタメチレン単位とポリオキシポリヘキサメチレン単位の組み合わせが好ましく、ポリオキシポリテトラメチレン単位とポリオキシポリ(2−メチルテトラメチレン)単位の組み合わせがより好ましい。
ポリエーテル系ポリオール(B)を2種用いる場合、一方のポリエーテル系ポリオール100質量部に対する他方のポリエーテル系ポリオールの使用割合の下限としては、1質量部が好ましく、3質量部がより好ましく、5質量部がさらに好ましく、10質量部が特に好ましい。上記使用割合の上限としては、60質量部が好ましく、50質量部がより好ましく、45質量部がさらに好ましく、40質量部が特に好ましい。当該無発泡ウレタンエラストマーは、2種のポリエーテル系ジオール(B)の各使用量を上記割合とすることで、反発係数と上述の低温特性とをさらに高いレベルで両立させることができる。
無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物(U)は、本発明の効果を損わない範囲の少量であれば、ポリオール成分として、上記ポリエーテル系ポリオール(B)以外の他のポリオールを含んでいてもよい。上記他のポリオールとしては、例えばポリエーテル系ポリオール(B)とはMwが異なるポリエーテル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール以外のポリオール等が挙げられる。上記ポリエーテル系ポリオール以外のポリオールとしては、例えばポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等が挙げられる。
当該無発泡ウレタンエラストマーの合成において、上記ポリイソシアネート(A)とポリオール成分(ポリエーテル系ポリオール(B)及び他のポリオール)とを反応させるに際して、ポリオール成分が有する水酸基に対するポリイソシアネート(A)が有するNCO基の当量比、すなわちNCO Indexは、特に限定されないが、1.0以上1.1以下が好ましい。
[プレポリマー(C)]
プレポリマー(C)は、ポリイソシアネート(A)及びポリエーテル系ポリオール(B)を含む原料から形成され、通常、ポリイソシアネート(A)を理論量より少ないポリオール成分と公知の技術を用いて反応せしめて得られる末端にNCO基を有する化合物である。
プレポリマー(C)は、ポリイソシアネート(A)及びポリエーテル系ポリオール(B)を含む原料から形成されるものであれば特に限定されない。プレポリマー(C)を得る反応に用いるポリイソシアネート(A)及びポリエーテル系ポリオール(B)としては、例えば上述したものと同様の化合物等が挙げられる。また、上記他のポリオールをさらに用いてもよい。
[その他の成分]
無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物(U)は、上記ポリイソシアネート(A)、ポリオール成分又はプレポリマー(C)以外に、その他の成分として、架橋剤、硬化促進触媒、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を含んでいてもよい。無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物(U)は、1種又は2種以上のその他の成分を含んでいてもよく、各成分をそれぞれ1種又は2種以上含んでいてもよい。
(架橋剤)
上記架橋剤としては、例えば低分子量のジオール、低分子量のトリオール、低分子量の4価以上のアルコール、ポリアミン、アミノアルコール等が挙げられる。上記架橋剤の分子量としては、400以下が好ましい。
上記低分子量のジオールとしては、例えば
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,3−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,2−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、1,3−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、1,2−ビスヒドロキシエトキシシクロヘキサン、1,3−ビスヒドロキシエトキシシクロヘキサン、1,4−ビスヒドロキシエトキシシクロヘキサン、1,2−ビスヒドロキシエトキシカルボニルシクロヘキサン、1,3−ビスヒドロキシエトキシカルボニルシクロヘキサン、1,4−ビスヒドロキシエトキシカルボニルシクロヘキサン、2,5−ジヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ジヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3,8−ジヒドロキシメチル−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、3,9−ジヒドロキシメチル−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、4,8−ジヒドロキシメチルトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量400未満のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、分子量400未満のポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、分子量400未満のポリブチレングリコール等の2価アルコール;
カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の2価フェノール;
これらの2価フェノールの部分エチレンオキサイド付加体又は部分プロピレンオキサイド付加体等のフェノールアルコール化合物などが挙げられる。
上記低分子量のトリオールとしては、例えば
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ヘキサントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、5−メチル−1,2,4−ヘプタントリオール、1,2,3−シクロヘキサントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール等の3価アルコール;
1,2,3−ベンゼントリオール、1,2,4−ベンゼントリオール、1,3,5−ベンゼントリオール等の3価フェノール;
これらの3価フェノールの部分エチレンオキサイド付加体又は部分プロピレンオキサイド付加体等のフェノールアルコール化合物などが挙げられる。
上記低分子量の4価以上のアルコールとしては、例えば
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、エリスリトール、キシリトール、グルコース、スクロース、フルクトース、ソルビトール、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラオール、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラオール、シクロヘキサンペンタオール、イノシトール等が挙げられる。
上記ポリアミンとしては、例えば
エチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;
4,4’−メチレン−ビス−2−メチルシクロヘキシルアミン等の脂環族ポリアミン;
1,4−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、1,5−ナフタレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1−メチル−3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5’−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(オルト−クロロアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(2,3−ジクロロアニリン)、トリメチレングリコール−ジ−パラ−アミノベンゾエート、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(2−メチル−6−イソプロピルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、クロロアニリン変性ジクロロジアミノジフェニルメタン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、メチレンジアニリン/塩化ナトリウム錯体、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゼン等の芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
上記アミノアルコールとしては、例えば
エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物(U)における架橋剤の使用割合の下限としては、上記ポリオール成分100質量部に対して、2質量部が好ましく、3質量部がより好ましい。上記架橋剤の使用割合の上限としては、5質量部が好ましい。当該無発泡ウレタンエラストマーは、上記架橋剤の使用割合を上記範囲とすることで、機械的強度を改善することができる。
(硬化促進触媒)
無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物(U)は、上記ポリイソシアネート(A)と上記ポリオール成分とのウレタン結合生成反応による硬化を促進するための硬化促進触媒を含んでいてもよい。
上記硬化促進触媒としては、例えば3級アミン、金属化合物等が挙げられる。
上記3級アミンとしては、例えばTEDA(トリエチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]オクタン)、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ビス(ジメチルアミノアルキル)ピペラジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、ビス(N,N−ジエチルアミノエチル)アジペート、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N−ジメチル−β−フェニルエチルアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
上記金属化合物としては、例えば
ジメチルスズジラウレート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ等のスズのカルボン酸塩類;
テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;
アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;
ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類、オクタン酸鉛、オクタン酸ビスマス等のオクタン酸金属塩等が挙げられる。
これらの中で、硬化促進触媒としては、硬化反応の速度を高める観点から、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート及びジブチルスズジラウレートが好ましい。
上記硬化促進触媒の使用割合の下限としては、硬化反応速度を適度にする観点から、上記ポリオール成分100質量部に対して、0.025質量部が好ましく、0.05質量部がより好ましい。上記硬化促進触媒の使用割合の上限としては、0.1質量部が好ましく、0.075質量部がより好ましい。
(消泡剤)
消泡剤としては、従来、無発泡ウレタンエラストマーの製造に用いられる消泡剤を用いることができる。上記消泡剤としては、例えばシリコーン系消泡剤、ノニオン系消泡剤、高級アルコール系消泡剤、エステル系消泡剤等が挙げられる。当該無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物は、消泡剤を含有することで、硬化過程における発泡を抑制することができ、その結果、より均質なウレタンエラストマーの成形が可能となる。
上記消泡剤の使用割合の下限としては、当該無発泡ウレタンエラストマーの反発係数をより高める観点から、上記ポリオール成分100質量部に対して、0.025質量部が好ましく、0.05質量部がより好ましい。上記消泡剤の使用割合の上限としては、0.1質量部が好ましく、0.075質量部がより好ましい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、例えば
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、6−tert−ブチル−2.4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール等のフェノール系化合物;
n−ブチル−p−アミノフェノール、4,4’−ジメチルジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、4,4’−ビス−α、α’−ジメチルベンジルジフェニルアミン等のアミン系化合物などが挙げられる。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、例えばp−t−ブチルフェニルサリチレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる
上記無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物(U)は、上記成分以外にも、例えば可塑剤、補強剤、着色剤(染料、顔料等)、安定剤、光安定剤、増量剤、難燃剤、導電剤、滑剤、加工助剤、水分吸着剤等を含んでいてもよい。
<無発泡ウレタンエラストマーの製造方法>
当該無発泡ウレタンエラストマーは、例えば上述の無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物(U)等を用い、又はポリオール成分、架橋剤、硬化促進触媒、消泡剤等を予め混合及び攪拌したポリオール部と、ポリイソソシアネート(A)を含むイソシアネート部とに分けて仕込み、成形機により混合及び攪拌し、成形型内に注入することにより製造することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<無発泡ウレタンエラストマーの製造>
実施例及び比較例の無発泡ウレタンエラストマーの製造に用いた各原料を以下に示す。
[ポリイソシアネート(A)]
(イソシアネート(A1))
A1−1:カルボジイミド変性MDI(日本ポリウレタン工業社の「ミリオネートMTL−C」)(カルボジイミド変性MDI/MDI=30/70(質量比)の混合物)(NCO%:29%、最短結合路原子数:21)
A1−2:ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(NCO%:33.1%、最短結合路原子数:9)
(イソシアネート(A2))
A2−1:ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(BASF INOACポリウレタン社の「M20S」)(NCO%:31%)
[ポリエーテル系ポリオール(B)]
(ポリエーテル系ジオール(B1))
B1−1:ポリオキシポリテトラメチレングリコール(PTMG)(三菱化学社の「PTMG1000」、Mw:1,000、OH価:110)
B1−2:ポリオキシポリテトラメチレングリコール(PTMG)(三菱化学社の「PTMG2000」、Mw:2,000、OH価:56)
B1−3:ポリオキシポリテトラメチレングリコール(PTMG)(三菱化学社の「PTMG3000」、Mw:3,000、OH価:38)
B1−4:変性ポリオキシテトラメチレングリコール(変性PTMG)(保土谷化学社の「PTG−L2000」、Mw:2,000、OH価:56、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランとを共重合させて得られるポリエーテル系ジオール)
(ポリエーテル系トリオール(B2))
B2−1:ポリエーテル系トリオール(三洋化成工業社の「サンニックスGL−3000」、Mw:3,000、OH価:56)
B2−2:ポリエーテル系トリオール(三洋化成工業社の「サンニックスFA−703」、Mw:5,000、OH価:33)
(ポリエーテル系テトラオール(B3))
B3−1:ポリエーテル系テトラオール(三洋化成工業社の「サンニックスHD−402」、Mw:561、OH価:400)
[硬化促進触媒(D)]
D−1:ブチルスズカルボキシレート(日辰貿易社の「グレッグTL」)
[消泡剤(E)]
E−1:アクリル系コポリマー混合物(サンノプコ社の「サッポーSN348」)
[酸化防止剤(F)]
F−1:フェノール系酸化防止剤(BASFジャパン社の「IRGANOX1010」)
[紫外線吸収剤(G)]
G−1:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(BASFジャパン社の「TINUVIN328」
[実施例1]
注型機に、ポリイソシアネート(A)としての(A1−1)100質量部を投入し、別途、ポリエーテル系ポリオール(B)としての(B1−2)500質量部及び(B2−1)56質量部、硬化促進触媒としての(D−1)0.1質量部、消泡剤としての(E−1)0.1質量部、酸化防止剤としての(F−1)3質量部並びに紫外線吸収剤としての(G−1)3質量部を混合して投入した。これら両方を注型機の混合ヘッドで混合し、50℃に予熱された成形型(縦10cm、横10cm、高さ1.5cm)に注型し、30分間硬化させ後、80℃で120分間、後硬化を行った。その後脱型し、実施例1の無発泡ウレタンエラストマーを得た。
[実施例2〜7及び比較例1〜4]
下記表1に示す種類及び使用量の各原料を用いた以外は、実施例1と同様にして、各実施例及び比較例の無発泡ウレタンエラストマーを得た。
<評価>
上記得られた無発泡ウレタンエラストマーについて、下記評価を下記方法に従い行った。評価結果を表1に合わせて示す。
(反発係数)
JIS−K6400−3(2011)(落球式)に準拠し、上記得られた無発泡ウレタンエラストマーの23℃における反発係数を測定した。
(アスカーA硬度)
JIS−K7312(1996)に準拠し、上記得られた無発泡ウレタンエラストマーを用い、タイプAデュロメータを使用して測定した。3つの試験片について測定し、この測定値を算術平均して求めた。−10℃、0℃、23℃、50℃の各温度におけるアスカーA硬度を求めた。
(tanδ)
JIS−K7244−10(2005)に準拠し、上記得られた無発泡ウレタンエラストマーから切り出して作製した試験片(一辺15mmの立方体)を用い、動的粘弾性測定装置(TAインスツルメント社の「ARES−G2レオメーター」)を使用し、「圧縮ねじり」モード、周波数0.5Hz、動ひずみ0.001、昇温速度3℃/分の条件で測定した。3つの試験片について測定し、この測定値を算術平均して求めた。−10℃、0℃、23℃、50℃の各温度におけるtanδを求めた。
Figure 2016132724
表1の結果からわかるように、実施例の無発泡ウレタンエラストマーは、高い反発係数を有しており、低硬度及び低tanδであり、かつこれらの特性を50℃から−10℃の低温領域まで広い温度範囲で発揮することができる。これに対し、比較例の無発泡ウレタンエラストマーは、反発係数が低いか、又は低硬度若しくは低tanδの特性が低温領域で悪化することがわかる。
当該無発泡ウレタンエラストマーは、高い反発係数を有すると共に、低硬度及び低tanδであり、かつこれらの特性を低温領域まで発揮することができる。当該無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物によれば、上記特性を有する無発泡ウレタンエラストマーを形成することができる。従って、当該無発泡ウレタンエラストマーは、寝具、スポーツ装具、靴、楽器、コンピューター入力デバイス、制振材、防振材、緩衝材等に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. ポリイソシアネートに由来する部分とポリエーテル系ポリオールに由来する部分とを有するポリマーを含有する無発泡ウレタンエラストマーであって、
    上記ポリイソシアネートの少なくとも一部におけるNCO基間の最短の結合路を構成する原子数が11以上であり、
    上記ポリエーテル系ポリオールの重量平均分子量が300以上3,000以下であり、
    下記(i)及び(ii)のうちの少なくともいずれかを満たすことを特徴とする無発泡ウレタンエラストマー。
    (i)上記ポリエーテル系ポリオールが重量平均分子量及びオキシアルキレン単位のうちの少なくともいずれかが互いに異なる2種以上を含む
    (ii)上記ポリエーテル系ポリオールが2種以上のオキシアルキレン単位を含む
  2. 上記2種以上のポリエーテル系ポリオールが、ポリオキシポリテトラメチレングリコール、ポリオキシポリプロピレングリコール及びポリオキシポリエチレングリコール−ポリオキシポリプロピレングリコールからなる群より選ばれる2種以上である請求項1に記載の無発泡ウレタンエラストマー。
  3. 上記ポリイソシアネートが、ジイソシアネートと3官能以上のイソシアネートとを含む請求項1又は請求項2に記載の無発泡ウレタンエラストマー。
  4. 上記ポリエーテル系ポリオールのゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される分子量分布が2つ以上のピークを有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の無発泡ウレタンエラストマー。
  5. ポリイソシアネート及びポリエーテル系ポリオールを含む原料、又はこの原料から形成されるプレポリマーを含有する無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物であって、
    上記ポリイソシアネートの少なくとも一部におけるNCO基間の最短の結合路を構成する原子数が11以上であり、
    上記ポリエーテル系ポリオールの重量平均分子量が300以上3,000以下であり、
    下記(i)及び(ii)のうちの少なくともいずれかを満たすことを特徴とする無発泡ウレタンエラストマー形成用組成物。
    (i)上記ポリエーテル系ポリオールが重量平均分子量及びオキシアルキレン単位のうちの少なくともいずれかが互いに異なる2種以上を含む
    (ii)上記ポリエーテル系ポリオールが2種以上のオキシアルキレン単位を含む
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