JP7224713B2 - ポリウレタンフォームおよび靴底部材 - Google Patents
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Description
上記ソフトセグメントと上記ハードセグメントの存在比率が、上記ソフトセグメントと上記ハードセグメントの合計を100質量部とした場合における上記ハードセグメントに対する上記ソフトセグメントの質量比率で、70/30以上80/20以下の範囲であり、
ポリウレタンフォームの平均気泡径が、30μm以上100μm以下であり、
ポリウレタンフォーム内に形成された全ての気泡のうちの90%以上の個数の気泡が、20μm以上300μm以下の気泡径を有しており、
JIS K 7222に準拠して測定されたポリウレタンフォームの見かけ密度が0.25g/cm3以上0.50g/cm3以下であり、
JIS K 7312に準拠し、アスカーゴム硬度計C型を用いて測定されたポリウレタンフォームの硬度が50以上65以下であり、
縦が120mm、横が60mm、および、厚みが6mmとなるように形成されたポリウレタンフォームを準備し、該ポリウレタンフォームに厚さが2mmの樹脂含浸ボードを接着した複合体を作成し、前記複合体を縦方向に沿った中央位置で該複合体の半分を90°折り曲げる操作と該複合体の半分を元の位置に戻す操作で構成される曲げ戻し操作を144回/分の速度で繰り返した場合に、前記ポリウレタンフォームに亀裂の発生が認められるまでの曲げ戻し操作の回数が10万回超である、ことを特徴とするポリウレタンフォーム、
(2)厚みが12.5mmとなるように形成された前記ポリウレタンフォームからなる試験片を準備し、該試験片に5.1kgの錘を50mmの高さから衝突させた場合に、試験片への最大衝撃荷重が0.9kN以下である、上記(1)に記載のポリウレタンフォーム、
(3)前記ポリオール成分が、ポリテトラメチレンエーテルポリオールを含む、上記(1)又は(2)記載のポリウレタンフォーム、
(4)JIS K 6255に準拠して測定されたポリウレタンフォームの反発弾性率が60%以上である、上記(1)から(3)のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム、(5)JIS K 6262に準拠して測定されたポリウレタンフォームの圧縮永久歪率が20%以下である、上記(1)から(4)のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム、
(6)モールド成型体である、上記(1)から(5)のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム、
(7)厚みが12.5mmとなるように形成されたポリウレタンフォームからなる試験片を準備し、該試験片に5.1kgの錘を50mmの高さから衝突させた場合に、前記試験片への最大衝撃荷重が0.9kN以下であり、
JIS K 6255に準拠して測定されたポリウレタンフォームの反発弾性率が60%以上であり、
JIS K 6262に準拠して測定されたポリウレタンフォームの圧縮永久歪率が20%以下である(1)から(6)のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム。
(8)上記(1)から(7)のいずれか一項に記載のポリウレタンフォームを用いたことを特徴とする靴底部材、を要旨とする。
ポリウレタンフォームは、ソフトセグメントとハードセグメントとを有する。
ソフトセグメントは、ポリウレタンを形成する高分子構造のうちポリオール成分による構造部から形成され、柔軟性の高い分子鎖部位である。ハードセグメントは、ポリウレタンを形成する高分子構造のうちイソシアネート基とヒドロキシル基との反応により形成されたウレタン結合部を有する構造部から形成された分子鎖部位である。上記ハードセグメントは、ウレタン結合部での水素結合により結晶化あるいは凝集しやすい剛直性の分子鎖部位である。上記ハードセグメントは、ポリオール成分による構造部を除いた部分で形成される。
本発明のポリウレタンフォームにおいては、ソフトセグメントとハードセグメントの存在比率が、ソフトセグメントとハードセグメントの合計を100質量部とした場合におけるハードセグメントに対するソフトセグメントの質量比率で、70/30以上80/20以下の範囲である。ハードセグメントに対するソフトセグメントの質量比率が80/20を超えたポリウレタンフォームは、特定の硬度を満たすことができず、衝撃吸収性のほか、耐久性に劣る。また、ハードセグメントに対するソフトセグメントの質量比率が70/30未満であるポリウレタンフォームは、硬くなり、衝撃吸収性に劣る。
本明細書におけるソフトセグメントとハードセグメントの存在比率は、ポリオールとイソシアネートの配合比に応じて予め求められる値である。
例えば、ポリウレタンフォームが形成されるにあたり、ポリオール成分として後述の第1のPTMGを用い、イソシアネート成分として、イソシアネート基末端プレポリマーと変性MDIを用いる例について上記存在比率の特定方法を説明する。尚、本具体例では、上記イソシアネート基末端プレポリマーは第2のPTMGとMDIの反応生成物である。この場合、ソフトセグメントとハードセグメントの存在比率は次のように特定できる。まずソフトセグメントの存在比率(%)は、(第1のPTMGの配合量とイソシアネート基末端プレポリマーにおける第2のPTMGの成分の量の合計)/(第1のPTMGの配合量とイソシアネート基末端プレポリマーの配合量と変性MDIの配合量の合計)×100で特定される。ハードセグメントの存在比率(%)は、100-(ソフトセグメントの存在比率)で特定することができる。
本発明のポリウレタンフォームが、特定の範囲の平均気泡径を有してばらつきのない均一なセルを形成したものであると、衝撃吸収性、反発弾性、耐久性、及び耐屈曲性も向上させることができる。この効果を高める観点からは、ポリウレタンフォームの平均気泡径は、30μm以上100μm以下であることが好ましい。
ポリウレタンフォーム内に形成された気泡径の大きさの分布については、ポリウレタンフォームに形成された全てのセル(気泡)のうちの90%以上の個数の気泡が、20μm以上300μm以下の気泡径を有するような分布となっている。ここで、一定範囲の気泡径を有する気泡の個数が全体に占める割合は、ばらつきの程度を判断する指標となる。特定範囲の気泡径を有する気泡の個数が90%以上占めていることは、ばらつきのない均一な状態であることを示している。なお、気泡径はセルの直径を示すものとする。
ポリウレタンフォームの気泡径の分布は次のように特定することができる。まず、ポリウレタンフォームを予め無作為に選択された位置で切断して切断面を露出させる。切断面において、所定の領域(例えば、縦4mm、横3mmの矩形状の領域)を無作為に選択して選択領域とする。マイクロスコープを用いて、選択領域に存在する全ての気泡の数を計測する。次に、選択領域内の20μm以上300μm以下の気泡径を有するような気泡の数を計測する。計測された選択領域内の全ての気泡の個数をaとし、気泡径が20μm以上300μm以下のセルの個数をbとし、気泡径が20μm以上300μm以下のセルが全セルに対して占める割合は、b/a×100(%)の式で求められる。
本発明のポリウレタンフォームは、JIS K 7222に準拠して測定されたポリウレタンフォームの見かけ密度が0.25g/cm3以上0.50g/cm3以下である。
本発明においては、ポリウレタンフォームの見かけ密度が0.25g/cm3以上0.50g/cm3以下という比較的小さい値であっても優れた衝撃吸収性を有し、反発弾性、耐久性、耐屈曲性などの物性も保持するポリウレタンフォームが得られる。このような本発明のポリウレタンフォームは、軽量化が重要視される靴底部材などの用途として好ましく使用することができるものである。
本発明のポリウレタンフォームは、JIS K 7312に準拠し、アスカーゴム硬度計C型を用いて測定された硬度が50以上65以下である。ポリウレタンフォームの硬度が50以上65以下であることで、そのポリウレタンフォームを靴底部材として用いた靴は着地時の安定性に優れる。
本発明のポリウレタンフォームは、JIS K 6262に準拠して測定された圧縮永久歪率が20%以下である。ただし、圧縮永久歪率を測定する際の測定条件は、圧縮率25%、40℃、24時間の条件である。ポリウレタンフォームの圧縮永久歪が20%を超える場合、該ポリウレタンフォームが靴底部材として使用された靴は、一般的に要請される耐久性能に劣る虞がある。
本発明のポリウレタンフォームは、耐屈曲性を備えている。これは、次に示す屈曲性確認試験を行うことで特定することができる。
所定の大きさ(例えば縦120mm、横60mm、厚み6mm)のポリウレタンフォームを準備してこれを試験片とする。該試験片に所定の厚さ(例えば、厚さ2mm)の樹脂含浸ボードを接着した複合体を作成する。そして、曲げ戻し操作を144回/分の速度で繰り返す。上記曲げ戻し操作とは、複合体を縦方向に沿った中央位置で複合体の半分を90°折り曲げる操作Aと、複合体の上記半分を元の位置に戻す操作Bとで構成され、上記操作Aと上記操作Bとを繰り返す操作である。操作Aおよび操作Bを連続して一度ずつ行ったとき、曲げ戻し操作の回数を1回とカウントする。
ポリウレタンフォームに亀裂の発生が認められるまでの曲げ戻し操作の回数が2万回以上であれば、耐屈曲性に優れたものである。本発明のポリウレタンフォームにおいては、耐屈曲性確認試験の結果、亀裂の発生が認められるまでの曲げ戻し操作の回数が2万回以上であり、好ましくは3万回以上である。
ポリウレタンフォームの衝撃吸収性は、最大衝撃荷重によって特定することができる。本発明のポリウレタンフォームにおいては、最大衝撃荷重が0.9kN以下であることが好適である。最大衝撃荷重は、次に示す落下衝撃試験によって特定することができる。最大衝撃荷重の値は小さいほど衝撃が吸収されていることを示す。ポリウレタンフォームへの最大衝撃荷重が0.9kN以下であることで、靴底部材として利用できる程度の衝撃吸収性を有するポリウレタンフォームが得られる。
厚みが12.5mmとなるように形成されたポリウレタンフォームを準備して、これを試験片とする。上記試験片に対し5.1kgの錘を50mmの高さから落下させ衝突させる。錘としては、図1に示すような砲弾状の錘Wが利用されてよい。そして、その際の最大衝撃荷重が特定される。最大衝撃荷重は、例えば、Instron社製、商品名 dynatup GRC8200 等を用いて測定することができる。
本発明のポリウレタンフォームは、JIS K 6255に準拠して測定した反発弾性率が60%以上であることが好ましい。ポリウレタンフォームの反発弾性率が60%以上であることで、スポーツシューズの靴底部材として好適な反発弾性を備えたものが得られる。
本発明のポリウレタンフォームは、ポリオール成分、イソシアネート成分、発泡剤、触媒、整泡剤を含むポリウレタン原料組成物を反応させることで形成することができる。
ポリオール成分は、ポリウレタンフォームのソフトセグメントの構造部を形成するための材料となる。この構造部を形成するための材料となるポリオール成分の例としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールが挙げられる。
ハードセグメントは、イソシアネート基とヒドロキシル基との反応により形成されたウレタン結合部を有する構造部により形成されるが、この構造部を形成するための材料は、イソシアネート成分が含まれる。具体的には、芳香族イソシアネート類、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、イソシアネート基末端プレポリマーなどが挙げられる。
イソシアネート基末端プレポリマーとしては、数平均分子量が500以上4000以下、平均官能基数が2以上3以下、イソシアネート基含有率が3質量%以上10質量%以下のものを用いることが好ましい。
(β):ポリマーポリオール(例えば、ポリエーテルポリオールに、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル-スチレン共重合体などをグラフト共重合させたもの)。
(γ):前記架橋剤の例として挙げたアルコール類のうち、2官能のもの。
変性MDIとしては、イソシアネート基含有率が25質量%以上33質量%以下のものを好ましく用いられる。これは、このような変性MDIが常温で液体であることから、イソシアネート成分の粘度を下げることができるためである。
発泡剤としては、水(イオン交換水)を好ましく用いることができる。ポリウレタン原料組成物における発泡剤の添加量は、前述のポリオール成分100質量部に対し、0.5質量部以上3質量部以下が好ましい。添加量が0.5質量部未満であれば、発泡が不十分で、反発弾性は発揮するものの、衝撃吸収性に劣ってしまう傾向にある。添加量が3質量部を超えると、発泡しすぎて得られるポリウレタンフォームのセルが荒れ、その内部が割れやすいなどフォーム状態が劣るほか、反発弾性に劣る傾向にある。
触媒としては、ポリウレタンフォームを製造するために使用可能なものであればよく、特に限定されるものではない。触媒として、従来から使用されているものとしては、例えば、トリエチレンジアミン、もしくはジエタノールアミンなどのアミン系触媒、またはビスマス触媒などの金属触媒が挙げられる。ポリウレタン原料組成物における触媒の添加量は、前述のポリオール成分100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下が好ましい。
整泡剤としては、ウレタンフォームで使用できるものであれば特に限定されない。スポーツシューズなどの激しい運動を行うための靴底部材としてウレタンフォームを使用する場合には、より高い反発弾性が必要となる。そのため、整泡剤として、粘度が300mPa・s(25℃)以上2000mPa・s(25℃)以下のシリコーン系化合物を用いることが好ましい。整泡剤として使用するシリコーン系化合物の粘度が300mPa・s(25℃)未満であると、整泡作用が弱く、セルが粗大化してしまい、高い反発弾性が得られにくい。一方、粘度が2000mPa・s(25℃)を超えると、ポリウレタン原料中に整泡剤を均一に分散しづらくなる。その結果、得られるフォームの気泡径が均一とならないばかりか、局所的に物性が変化してしまう(測定箇所によって物性値が変わってしまう)。これらの点を考慮して、整泡剤として使用するシリコーン系化合物の粘度は、600mPa・s(25℃)以上1000mPa・s(25℃)以下であることがより好ましい。なお、シリコーン系化合物の粘度は、B型回転粘度計で測定された値である。
本発明のポリウレタンフォームを製造するためのポリウレタン原料組成物原料には、ポリオール成分、イソシアネート成分、発泡剤、触媒、整泡剤の他に、必要に応じて、さらに他の添加剤が添加されてもよい。他の添加剤としては、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、脱泡剤、相溶化剤、着色剤、安定剤、紫外線吸収剤などポリウレタンフォームの製造に際して一般的に使用可能な添加剤をあげることができる。他の添加剤の添加量は、本発明の効果を阻害しない範囲内において適宜選択されてよい。
ポリウレタンフォームは、上述したポリウレタン原料組成物を、モールド成形で反応させて製造されることが好ましい。ここに、モールド成形とは、上記ポリウレタン原料(原液)をモールド(成形型)内に注入し、モールド内で発泡硬化させ、その後に脱型してフォームを得る方法である。
本発明のポリウレタンフォームは、衝撃吸収性および反発弾性の両方を兼ね備えた素材であり、しかも圧縮永久歪が小さく耐久性に優れるうえ、耐屈曲性が強く、硬度があり軽量性にも優れる。そのため本発明のポリウレタンフォームは、例えば、靴底部材として好適に利用することができる。靴底部材として使用される場合、ポリウレタンフォームは、アウトソール、ミッドソール、インソールのいずれについても利用することが可能である。ポリウレタンフォームを靴底部材に利用する場合、靴底全面に本発明のポリウレタンフォームを設けることはもちろんのこと、他の材料で形成したミッドソールに凹部を形成し、そこに本発明のポリウレタンフォームを挿入するなど、部分的に配置することも可能である。また、靴底としては、ミッドソールに本発明のポリウレタンフォームを使用し、その接地面側に防滑性を有するゴム素材からなるアウトソールを積層させてもよい。その場合、アウトソールは、ミッドソール接地面側の任意の箇所に配置してもよく、或いは、アウトソールの一部を切り欠くなどして接地面側のミッドソールを部分的に露出させてもよい。本発明のポリウレタンフォームを用いて構成されたミッドソールは、耐屈曲性に優れているため、ミッドソールとアウトソールとの境界部分に荷重がかかっても、ミッドソールに割れが生じることはない。
所定形状のモールドを準備し、表1及び表2に示すように、ポリオール成分、イソシアネート成分、触媒、発泡剤、および整泡剤を、スクリューを用いて撹拌することでそれらを混合しながらモールド内に注入した。スクリューの回転数は、3500rpmに設定された。モールド内に注入したポリウレタン原料組成物の量は、表1,2の「充填量」欄に示すとおりである。ポリウレタン原料組成物は、スクリューを用いたポリオール成分、イソシアネート成分、触媒、発泡剤、および整泡剤の混合により形成される。モールド内にポリウレタン原料組成物が注入された後、モールド温度40℃の条件下でポリウレタン原料組成物を反応させた。反応後、脱型してポリウレタンフォームを得た。なお、表1,2中の材料の配合を示す数値の単位は、質量部である。
ポリオール成分について、PTMG(第1のPTMG)は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量2000、水酸基価57.2mgKOH/g、平均官能基数2)であり、PPGは、ポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量2200、水酸基価51mgKOH/g、平均官能基数2)である。
触媒について、アミン系触媒は、トリエチレンジアミン(東ソー(株)製、商品名TEDA-L33)であり、ビスマス系触媒は、ビスマス触媒(日本化学産業(株)製、商品名プキャット25)である。
整泡剤Aは、シリコーン系化合物(粘度900mPa・s(25℃))であり、整泡剤Bは、シリコーン系化合物(粘度250mPa・s(25℃))である。
発泡剤は、イオン交換水である。
イソシアネート成分について、イソシアネート基末端プレポリマーは、第2のPTMGと4,4’-MDIを反応させたプレポリマー(数平均分子量1000、平均官能基数2、イソシアネート基含有率7.99%)であり、変性MDIは、カルボジイミド変性体(平均官能基数2、イソシアネート基含有率29.0%)である。
スクリュー回転数を3000rpmとし、かつ充填量を変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリウレタンフォームを得た。
実施例5
スクリュー回転数を15000rpmとし、かつ充填量を変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリウレタンフォームを得た。
実施例6
スクリュー回転数を2500rpmとし、かつ充填量を変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリウレタンフォームを得た。
スクリュー回転数を1500rpmとし、かつ充填量を変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリウレタンフォームを得た。
整泡剤として整泡剤Bを用い、スクリュー回転数を1500rpm以外は、比較例3と同様にして、ポリウレタンフォームを得た。
ソフトセグメントとハードセグメントの存在比率(ソフトセグメント/ハードセグメント)は、上述したポリオール成分とイソシアネート成分の配合比に応じて特定された。
ポリウレタンフォームから縦15mm、横15mm、厚み10mmの直方体を切り出して密度測定用試験片とし、この密度測定用試験片を用いてJIS K 7222に準拠して見かけ密度(g/cm3)が測定された。
ポリウレタンフォームを無作為選択された位置で切断して切断面を露出させた。切断面のうち、縦4mm、横3mmの矩形範囲を無作為に選択して選択領域とした。選択領域内に存在するセルの個数(全セルの個数)、及び各気泡径(セルの直径)を、マイクロスコープを用いて計測した。平均気泡径(μm)は、各気泡径から算出された算術平均値とした。
全セルの個数をa、気泡径が20μ以上300μm以下のセルの個数をbとした場合において、気泡径が20μm以上300μm以下の範囲のセルの割合(気泡径が20μ以上300μm以下のセルが全セルに対して占める個数割合)は、b/a×100(%)の式で求められる。ここでは、上記した平均気泡径を測定する際に特定される全セルの個数、および、気泡径が20μ以上300μm以下のセルの個数に基づき、気泡径が20μm以上300μm以下の範囲のセルの割合(%)が特定された。
ポリウレタンフォームから直径29mm、厚み12.5mmの円柱状に切り出して反発弾性率測定用試験片とした。上記反発弾性率測定試験片を用いてJIS K 6255に準拠して反発弾性率(%)が測定された。
ポリウレタンフォームから縦70mm、横60mm、厚み12.5mmの直方体状に切り出して衝撃荷重測定用試験片とした。上記衝撃荷重測定用試験片を用いて落下衝撃試験により最大衝撃荷重が測定された。落下衝撃試験は、「dynatup GRC8200(Instron社製)」を用いて、図1に示すような砲弾状の錘W(鉄製、5.1kg)を50mmの高さから衝撃荷重測定用試験片に対し落下させ衝突させた際の最大衝撃荷重(kN)を特定することで実施された。
ポリウレタンフォームから直径29mm、厚み12.5mmの円柱状に切り出して圧縮永久歪測定用試験片とした。上記圧縮永久歪測定試験片を用いて、圧縮率25%、40℃、24時間の条件下で、JIS K 6262に準拠して、圧縮永久歪(%)が測定された。
ポリウレタンフォームから縦120mm、横60mm、厚み6mmの直方体状に切り出してこれを屈曲用試験片とした。この屈曲用試験片に厚さ2mmの樹脂含浸ボード(ボンテックス社製、商品名 テキソンボード437)を接着した複合体を作成した。上記複合体を縦方向に沿った中央位置で複合体の半分を90°折り曲げる操作と複合体の半分を元の位置に戻す操作で構成される曲げ戻し操作を144回/分の速度で繰り返した。そして、複合体における屈曲用試験片に亀裂の発生が認められるまで、曲げ戻し操作が繰りかえし実施され、亀裂の発生が認められたときの回数が測定された。なお、表1、2に結果が記載されているが、表1、2においては、1万回を単位として亀裂が発生したか否かについて記載をしている。具体的には、表1中、実施例1、2および比較例6では、10万回を超えて曲げ戻し操作を繰り返しても亀裂の発生が認められなかった。実施例3、4、6、および比較例3では、3万回を超えて4万回未満まで曲げ戻し操作を繰り返しても亀裂の発生が認められなかった。実施例5では、5万回を超えて6万回未満まで曲げ戻し操作を繰り返しても亀裂の発生が認められなかった。実施例7、比較例2、5では、2万回を超えて3万回未満まで曲げ戻し操作を繰り返しても亀裂の発生が認められなかった。実施例8では、8万回を超えて9万回未満まで曲げ戻し操作を繰り返しても亀裂の発生が認められなかった。比較例1では、4万回を超えて5万回未満まで曲げ戻し操作を繰り返しても亀裂の発生が認められなかった。比較例4では、曲げ戻し操作の繰り返しが1万回未満で亀裂の発生が認められた。
Claims (8)
- ポリオール成分から形成されるソフトセグメントとウレタン結合部を有する構造部から形成されるハードセグメントとを有するポリウレタンフォームであって、
前記ソフトセグメントと前記ハードセグメントの存在比率が、前記ソフトセグメントと前記ハードセグメントの合計を100質量部とした場合における前記ハードセグメントに対する前記ソフトセグメントの質量比率で、70/30以上80/20以下の範囲であり、
ポリウレタンフォームの平均気泡径が、30μm以上100μm以下であり、
ポリウレタンフォーム内に形成された全ての気泡のうちの90%以上の個数の気泡が、20μm以上300μm以下の気泡径を有しており、
JIS K 7222に準拠して測定されたポリウレタンフォームの見かけ密度が0.25g/cm3以上0.50g/cm3以下であり、
JIS K 7312に準拠し、アスカーゴム硬度計C型を用いて測定されたポリウレタンフォームの硬度が50以上65以下であり、
縦が120mm、横が60mm、および、厚みが6mmとなるように形成されたポリウレタンフォームを準備し、該ポリウレタンフォームに厚さが2mmの樹脂含浸ボードを接着した複合体を作成し、前記複合体を縦方向に沿った中央位置で該複合体の半分を90°折り曲げる操作と該複合体の半分を元の位置に戻す操作で構成される曲げ戻し操作を144回/分の速度で繰り返した場合に、前記ポリウレタンフォームに亀裂の発生が認められるまでの曲げ戻し操作の回数が10万回超である、ことを特徴とするポリウレタンフォーム。 - 厚みが12.5mmとなるように形成された前記ポリウレタンフォームからなる試験片を準備し、該試験片に5.1kgの錘を50mmの高さから衝突させた場合に、前記試験片への最大衝撃荷重が0.9kN以下である、請求項1に記載のポリウレタンフォーム。
- 前記ポリオール成分が、ポリテトラメチレンエーテルポリオールを含む、請求項1又は2記載のポリウレタンフォーム。
- JIS K 6255に準拠して測定されたポリウレタンフォームの反発弾性率が60%以上である、請求項1から3のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム。
- JIS K 6262に準拠して測定されたポリウレタンフォームの圧縮永久歪率が20%以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム。
- モールド成型体である、請求項1から5のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム。
- 厚みが12.5mmとなるように形成されたポリウレタンフォームからなる試験片を準備し、該試験片に5.1kgの錘を50mmの高さから衝突させた場合に、前記試験片への最大衝撃荷重が0.9kN以下であり、
JIS K 6255に準拠して測定されたポリウレタンフォームの反発弾性率が60%以上であり、
JIS K 6262に準拠して測定されたポリウレタンフォームの圧縮永久歪率が20%以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載 のポリウレタンフォーム。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載のポリウレタンフォームを用いたことを特徴とする靴底部材。
Applications Claiming Priority (3)
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