JP2013150703A - 木質積層体、この木質積層体を用いた卓球ラケット及び上記木質積層体に用いる無溶剤一液型接着剤組成物 - Google Patents

木質積層体、この木質積層体を用いた卓球ラケット及び上記木質積層体に用いる無溶剤一液型接着剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】(ア)部材間の高い接着性、(イ)無溶剤系であること、(ウ)臭気の低減等、作業環境の向上といった課題を克服しつつ、(エ)合板にしたときの反りを抑制し、打感等に悪影響を及ぼさない卓球ラケットの提供の用に供する無溶剤一液型接着剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明の無溶剤一液型接着剤組成物は、(A)イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーと、(B)ポリイソシアネート化合物から誘導される3つのイソシアネート基を有するビュレット体及び/又はイソシアヌレート体との質量比が5:95〜40:60である。上記ポリイソシアネート化合物は脂肪族イソシアネート化合物であることが好ましく、脂肪族ジイソシアネートであることがより好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートであることがさらに好ましい。また、上記(B)成分は、イソシアヌレート体であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、木質積層体、この木質積層体を用いた卓球ラケット及び上記木質積層体に用いる無溶剤一液型接着剤組成物に関する。
卓球ラケットは主に木材を原料としており、一枚の板からなる単板と、複数枚の板を貼り合わせて作られる合板とに区別できる。卓球ラケットの性能を示すパラメータの一つに、剛性が挙げられる。剛性が高い卓球ラケットは、反発力が高いため、球離れが速くなり、スピードのある打球を可能にする。一方、剛性が低い卓球ラケットは、反発力が低いため、打球のスピードは劣るものの、打球の衝撃を吸収しやすいため、打球をコントロールしやすい。
また、卓球ラケットの性能を示すパラメータの一つに、ブレードの厚さが挙げられる。ブレード厚が厚いと、球離れが速くなる一方、ブレード厚が薄いと、球離れは劣るものの、球に対して回転をかけやすくなる。
上記の観点から、卓球ラケットを提供するにあたっては、所望の剛性、ブレード厚になるよう、異なる特性の木板を複数組み合わせることが行われる。さらに、合板卓球ラケットは、素材の85%以上は天然木でなければならないと決められている一方、15%以内であれば、天然木以外の材料を使用することが認められている。このことから、複数種類の天然板のみならず、炭素繊維、アリレート(ベクトランファイバー)、ケブラー、ガラス繊維、チタン、ザイロン等の高剛性材料を積層することも提案されている。
ところで、木板どうしを接着するため、ホルムアルデヒド系接着剤、水性ビニルウレタン接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョンが古くから用いられているが、上記したとおり、卓球ラケットでは、天然板どうしの接着性のみならず、天然板と高剛性材料との接着性も求められることから、卓球ラケットでは、エポキシ系接着剤が広く用いられている(例えば、特許文献1〜4参照)。エポキシ系接着剤を用いることで、合板の反りを抑えることができ、また、木板のみならず高剛性材料との接着性にも優れることから、高い剛性を有し、結果として、球の反発力が高く、球離れが速い卓球ラケットを提供できる。
特開昭58−127670号公報 特開平06−039062号公報 特開2004−329303号公報 特開2005−006924号公報
ところで、作業環境を高めるため、接着剤の臭気を低減すること等が求められている。その際、合板の反りは合板の湿度変化によって起こるため、接着剤の硬化に加熱工程が必要なものや、水系接着剤の使用は難しいと考えられる。また、2008年9月1日以降、国際卓球連盟の規則により、卓球ラケット(ラバーが貼られた完成体のもの)の発する揮発系有機溶剤の量が著しく制限されているため、ラバーの接着に溶剤系接着剤を使用することは避けられている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、(ア)部材間の高い接着性、(イ)無溶剤系であること、(ウ)臭気の低減等、作業環境の向上といった課題を克服しつつ、(エ)合板にしたときの反りを抑制し、打感等に悪影響を及ぼさない卓球ラケットの提供の用に供する無溶剤一液型接着剤組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねたところ、(A)イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーと、(B)ビュレット体及び/又はイソシアヌレート体との質量比を調整することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1)本発明は、無溶剤一液型接着剤組成物からなる接着剤層を介して木板と木板又は該木板よりも剛性が高い材料からなる高剛性材料層とが積層され、前記無溶剤一液型接着剤組成物は、(A)イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーと、(B)ポリイソシアネート化合物から誘導される3つのイソシアネート基を有するビュレット体及び/又はイソシアヌレート体との質量比が5:95〜40:60である木質積層体である。
(2)また、本発明は、前記ポリイソシアネート化合物が脂肪族イソシアネート化合物である、(1)に記載の木質積層体である。
(3)また、本発明は、前記脂肪族イソシアネート化合物が脂肪族ジイソシアネートである、(2)に記載の木質積層体である。
(4)また、本発明は、前記脂肪族ジイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネートである、(3)に記載の木質積層体である。
(5)また、本発明は、前記(B)成分がイソシアヌレート体である、(1)から(4)のいずれかに記載の木質積層体である。
(6)また、本発明は、(1)から(5)のいずれかに記載の木質積層体を備える卓球ラケットである。
(7)また、本発明は、(A)イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーと、(B)ポリイソシアネート化合物から誘導される3つのイソシアネート基を有するビュレット体及び/又はイソシアヌレート体との質量比が5:95〜40:60である無溶剤一液型接着剤組成物である。
(8)また、本発明は、卓球ラケットに用いられる、(7)に記載の無溶剤一液型接着剤組成物である。
本発明によれば、(ア)部材間の高い接着性、(イ)無溶剤系であること、(ウ)臭気の低減等、作業環境の向上といった課題を克服しつつ、(エ)合板にしたときの反りを抑制し、打感等に悪影響を及ぼさない卓球ラケットの提供の用に供する木質積層体等を提供できる。
第1の卓球ラケット1の層構成を示す。 第2の卓球ラケット2の層構成を示す。 反り量の評価方法を模式的に示した図である。
一般的な接着剤組成物は、ポリマーを主剤とし、組成物全体に対して50質量部以上含有する。本願は、イソシアネートの三量体を特定量含有することに特徴がある。以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<無溶剤一液型接着剤組成物>
本発明の無溶剤一液型接着剤組成物は、(A)イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーと、(B)ビュレット体及び/又はイソシアヌレート体とを含有する。
[(A)ウレタンプレポリマー]
ウレタンプレポリマーは、通常の一液型ウレタン樹脂組成物に使用されるものであればよく、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを、ポリオール化合物のOH基に対してポリイソシアネート化合物のNCO基が過剰になる量混合して得られる反応生成物である。
ウレタンプレポリマーを生成するポリオール化合物としては、通常の一液型ウレタン樹脂組成物に使用されるものが使用可能である。例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、低分子ポリオール、その他のポリオール及びこれらの混合ポリオール等が挙げられる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールの1種又は2種以上に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の1種又は2種以上を付加して得られるポリエーテルポリオール;ポリテトラメチレンオキサイド等が好適に例示される。
上記ポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレントリオール等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、又はその他の低分子ポリオールの1種又は2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種又は2種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン等の開環重合体等が好適に例示される。
上記低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
その他のポリオールとしては、ポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール等が好適に例示される。
上述したポリオールの中でも、ガラス転移温度、硬化後の物性の点から、数平均分子量500〜15,000、特に500〜10,000のポリエーテルポリオールが好ましい。
ウレタンプレポリマーを生成するポリイソシアネート化合物としては、通常の一液型ウレタン樹脂組成物に使用されるものを用いることができる。具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート及びこれらの水素添加化合物;エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;キシリレンジイソシアネート等のアリール脂肪族ポリイソシアネート及びこれらの水素添加化合物;等が好適に例示される。
また、これらジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、二量体、三量体、または、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDIまたはポリメリックMDI)等も挙げられる。
上記のポリイソシアネート化合物の中でも、実用的な硬化速度と十分な接着性が得られる点で、芳香族ポリイソシアネート化合物であることが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネート又はポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートであることがより好ましい。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物に用いられるウレタンプレポリマーは、上述したポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物とを反応させて製造することができる。
上記ウレタンプレポリマーの末端イソシアネート基の含有量は、0.5重量%以上30.0重量%以下であることが好ましく、10.0重量%以上30.0重量%以下であることがより好ましい。0.5重量%未満であると、硬化後の接着剤層の物性が柔らかすぎて合板の反りを抑えられない可能性があるため、好ましくない。30.0重量%を超えると、十分な硬化速度が得られないため、好ましくない。
また、上記ウレタンプレポリマーの製造は、通常のウレタンプレポリマーと同様の方法で行うことができる。例えば、上述した混合比のポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを、窒素又はドライエアー気流中で70〜100℃で数時間反応させることによって得られる。また、必要に応じて、有機スズ化合物、有機ビスマス、アミン等のウレタン化触媒を用いることもできる。得られた含有プレポリマーのNCO含有量は、通常10〜30質量部の範囲である。
[(B)ビュレット体及び/又はイソシアヌレート体]
ビュレット体及び/又はイソシアヌレート体は、ポリイソシアネート化合物から誘導される3つのイソシアネート基を有する。イソシアネート基が2つ以下であると、適切な接着性が付与されない可能性がある点で好ましくない。
ポリイソシアネート化合物のうち、脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族ジイソシアネート、例えば、リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアネートオクタン、1,6,11−トリイソシアネートウンデカン、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアネートヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族トリイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−又は1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)もしくはその混合物等の脂環族ジイソシアネート、例えば、1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアネートシクロヘキサン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,6−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)−ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン等の脂環族トリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)もしくはその混合物、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、例えば、トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエン等の芳香族トリイソシアネート、例えば、4,4'−ジフェニルメタン−2,2',5,5'−テトライソシアネート等の芳香族テトライソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネート(XDI)もしくはその混合物、ω,ω'−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−又は1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン(TMXDI)もしくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート、例えば、1,3,5−トリイソシアネートメチルベンゼン等の芳香脂肪族トリイソシアネート等が挙げられる。
上記のポリイソシアネート化合物の中でも、イソシアヌレート体としたときの単位質量当たりの官能基数(イソシアネート基数)が多い点で、脂肪族イソシアネート化合物であることが好ましく、脂肪族ジイソシアネートであることがより好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートであることがさらに好ましい。ポリイソシアネート化合物がヘキサメチレンジイソシアネートである場合、このヘキサメチレンジイソシアネートから誘導される3つのイソシアネート基を有するビュレット体は下記式(1)で表され、イソシアヌレート体は下記式(2)で表される。
Figure 2013150703
(B)成分は、ビュレット体であってもイソシアヌレート体であっても両方の混合物であってもよいが、イソシアヌレート体であることが好ましい。
(A)成分であるウレタンプレポリマーと、(B)成分であるビュレット体及び/又はイソシアヌレート体との質量比は、5:95〜40:60であることが好ましい。(A)成分の割合が(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して5質量部未満であると、硬化反応が遅く、初期の反りを適切に抑えられない可能性がある点で好ましくない。また、被着体(木材)への接着性が十分でなく、卓球ラケットに反りが生じる可能性がある点でも好ましくない。(A)成分の割合が(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して40質量部を超えると、硬化後の接着剤層の物性が柔らかすぎて、合板の反りを適切に抑えられない可能性がある点で好ましくない。
[(C)硬化触媒]
本発明の無溶剤一液型接着剤組成物は、(C)硬化触媒を入れなくても充分に硬化するが、硬化時間を短くするために(C)硬化触媒を入れても良い。
硬化触媒としては、具体的には、例えば、オクチル酸鉛;ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジネオデカノエート、ジブチルスズラウレート、オクチル酸スズ等のスズ触媒;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリラウリルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ジメチルブチルアミン、ジメチルアミルアミン、ジメチルヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルラウリルアミン、トリアリルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルフォリン、4,4′−(オキシジ−2,1−エタンジイル)ビス−モルフォリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、ピコリン、ジメチルアミノメチルフェノール、トリスジメチルアミノメチルフェノール、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−1、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、トリエタノールアミン、N,N′−ジメチルピペラジン、テトラメチルブタンジアミン、ビス(2,2−モルフォリノエチル)エーテル、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル等の第三級アミン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化触媒を入れる場合、含有量は、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して5質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましい。5質量部を超えると、可使時間が短く作業性が劣る点で好ましくない。
[その他の成分]
本発明の無溶剤一液型接着剤組成物は、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、カーボンブラック、可塑剤、充填剤、反応遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、溶剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤等の各種添加剤等を含有することができる。
〔可塑剤〕
本発明の無溶剤一液型接着剤組成物は、取扱い性の点から、さらに、可塑剤を含有していてもよい。可塑剤としては、具体的には、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジイソノニルフタレート(DINP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル、ブチルアセチルリシノレート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
可塑剤を入れる場合、含有量は、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。
〔充填剤〕
充填剤としては、各種形状の有機又は無機の充填剤が挙げられる。具体的には、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;ケイソウ土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;これらの脂肪酸処理物、樹脂酸処理物、ウレタン化合物処理物、脂肪酸エステル処理物が挙げられる。
〔老化防止剤〕
老化防止剤としては、具体的には、例えば、ヒンダードフェノール系等の化合物が挙げられる。
〔酸化防止剤〕
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
〔揺変性付与剤〕
揺変性付与剤としては、具体的には、例えば、アエロジル(日本アエロジル社製)、ディスパロン(楠本化成社製)等が挙げられる。
〔接着付与剤〕
接着付与剤としては、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
〔難燃剤〕
難燃剤としては、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
帯電防止剤としては、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物等が挙げられる。
<卓球ラケット>
本発明の無溶剤一液型接着剤組成物は、卓球ラケットに用いることが好ましい。卓球ラケットに用いることで、(ア)部材間の高い接着性、(イ)無溶剤系であること、(ウ)臭気の低減等、作業環境の向上といった課題を克服しつつ、(エ)合板にしたときの反りを抑制し、打感等に悪影響を及ぼさない。
本発明の卓球ラケットは、上記無溶剤一液型接着剤組成物からなる接着剤層を介して木板と木板又は該木板よりも剛性が高い材料からなる高剛性材料層とが積層されたブレードを備える。
[木板]
木板は、卓球ラケットのブレードに用いられるものであればどのようなものであってもよく、例えば、アユース、シナ、檜、柳等が挙げられる。木板は、柾目板を用いることが好ましい。柾目板は、木目が略平行にそして均等に並んでいるため、卓球ラケットに用いることで、反りづらく割れにくい卓球ラケットを得ることができる。
木板の厚さは、表面材については1枚あたり0.5mm以上2.0mm以下であることが好ましい。0.5mm未満であると、ブレード表面への接着剤の染み出しが生じるため、好ましくない。2.0mmを超えると、ブレード全体の厚みや重量が増し、競技中のラケット操作性に難点が出てくるため、好ましくない。
芯材については1枚あたり1.0mm以上6.0mm以下であることが好ましい。1.0mm未満であると、ブレードの反りが生じやすいため、好ましくない。6.0mmを超えると、ブレード全体の厚みや重量が増し、競技中のラケット操作性に難点が出てくるため、好ましくない。
[高剛性材料層]
高剛性材料層は、上記木板よりも剛性が高い材料からなる層であればどのようなものであってもよく、例えば、炭素繊維、アリレート(ベクトランファイバー)、ケブラー、ガラス繊維、チタン、ザイロン等からなる層が挙げられる。
高剛性材料層の厚さは、ルールによって、1層あたり0.35mm以下又は全体の厚みの7.5%以下のいずれか低い方であることが義務付けられている。
[接着剤層]
木板どうし又は木板と高剛性材料層との間は、接着剤層を介して接着される。接着剤の塗布量は、基材の片面に対して40g/m以上120g/m以下であることが好ましい。40g/m未満であると、十分な接着性が得られない可能性があるため、好ましくない。120g/mを超えると、合板工程において接着剤のはみ出しが生じ、作業性が悪化するため、好ましくない。
[ブレード]
ブレードを構成する木板及び高剛性材料層の数は、いくつであってもよい。例えば、木板/接着剤層/木板の層構成であってもよいし、木板/接着剤層/高剛性材料層/接着剤層/木板の層構成であってもよい。また、木板/接着剤層/高剛性材料層/接着剤層/木板/接着剤層/高剛性材料層/接着剤層/木板の層構成であってもよい。複数の木板を用いる場合、それぞれ同じ種類の木板であってもよいし、異なる種類の木板であってもよい。高剛性材料層についても同様に、複数の高剛性材料を用いる場合、それぞれ同じ種類の高剛性材料であってもよいし、異なる種類の高剛性材料であってもよい。
ブレード全体の厚さは、4.0mm以上10.0mm以下であることが好ましい。4.0mm未満であると、ブレードの反りが生じやすく、またブレードの反発性が低下するため、好ましくない。10.0mmを超えると、重量が重くなりラケットの操作性が低下するため、好ましくない。
ブレード全体の質量は、60g以上120g以下であることが好ましい。60g未満であると、反発力が低下するため、好ましくない。120gを超えると、重量が重くなりラケットの操作性が低下するため、好ましくない。
<無溶剤一液型接着剤組成物の製造方法>
本発明の無溶剤一液型接着剤組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて十分に混練する方法を用いることができる。
<卓球ラケットの製造方法>
本発明の卓球ラケットの製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、木板/接着剤層/高剛性材料層/接着剤層/木板の層構成からなる卓球ラケットを製造する場合、第1に、矩形の木板上に上記無溶剤一液型接着剤組成物をアプリケータ等により全面塗工し、接着剤層を形成する。第2に、高剛性材料層を積層する。第3に、高剛性材料層の表面に上記接着剤組成物をアプリケータ等により全面塗工し、新たな接着剤層を形成する。第4に、第1の工程で用いた木板と略同じ大きさの新たな木板を積層する。第5に、空気中の湿気によって2つの接着剤層を硬化させる。第6に、第1から第5の工程によって得られた積層体を卓球ラケットの形状に切り抜く。これら第1から第6の工程を経ることで、本発明の卓球ラケットを得ることができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
Figure 2013150703
<MDI末端プレポリマーaの調製>
温度計を備えた攪拌機中に、数平均分子量1000のポリプロピレングリコール(商品名:アクトコールD−1000,三井化学社製)90質量部を脱水処理した後、特殊ポリメリックMDI(商品名:コスモネートM−300,三井化学社製)210質量部を添加し、窒素気流下70〜90℃で3時間反応させて、末端イソシアネート含有量が19.2質量%のMDI末端プレポリマーaを得た。なお、MDIは、ジフェニルメタンジイソシアネートの略称である。
<MDI末端プレポリマーbの調製>
温度計を備えた攪拌機中に、数平均分子量3000のポリプロピレングリコール(商品名:アクトコールD−3000,三井化学社製)70質量部を脱水処理した後、上記コスモネートM−300を230質量部添加し、窒素気流下70〜90℃で3時間反応させて、末端イソシアネート含有量が23.2質量%のMDI末端プレポリマーbを得た。
<TDI末端プレポリマーの調製>
温度計を備えた攪拌機中に、数平均分子量2000のポリプロピレングリコール(商品名:アクトコールD−2000,三井化学社製)180質量部とトリレンジイソシアネート(商品名:コスモネートT−80,三井化学社製)120質量部とを添加し、窒素気流下70〜90℃で3時間反応させて、末端イソシアネート含有量が16.8質量%のTDI末端プレポリマーを得た。なお、TDIは、トリレンジイソシアネートの略称である。
<HDIイソシアヌレート変性体の調製>
温度計を備えた攪拌機中に、ヘキサメチレンジイソシアネート(商品名:タケネート700,三井化学社製)300質量部と、触媒であるカプリン酸カリウム0.3質量部とを入れ、フラスコ中の空気を窒素で置換し、攪拌しながら40℃に加温した。同温度で6時間反応しNCO含量を測定したところ42.5%であった。反応液は淡黄色透明の液体であった。この反応液に停止剤としてリン酸0.21質量部を加え、反応温度で1時間攪拌後、分子蒸留装置により遊離HDIを除去した。これにより、末端イソシアネート含有量が21.0質量%のHDIイソシアヌレート変成体を得た。なお、HDIは、ヘキサメチレンイソシアネートの略称である。
<実施例1>
[無溶剤一液型接着剤組成物の調製]
上記MDI末端プレポリマーaを5質量部と、上記HDIイソシアヌレート変性体95質量部とを均一に混合し、実施例1の無溶剤一液型接着剤組成物を得た。
[第1の卓球ラケット1の調製]
続いて、出願人は、実施例1に係る第1の卓球ラケット1を得た。その過程を、図1を参照しながら説明する。まず、第1の木板11(矩形の柾目木板,柾目の方向は長手方向,厚さ:0.5mm)上に、上記接着剤組成物を塗布量が80g/mとなるようにアプリケータを用いて全面塗工し、厚さ0.1mm以下の接着剤層21を形成した。そして、第2の木板12(矩形の柾目木板,柾目の方向は短手方向,厚さ:0.5mm)を積層した。
そして、同じ塗布量で上記接着剤層21を再び形成した後、第3の木板13(矩形の柾目木板,柾目の方向は長手方向,厚さ:2.5mm)を積層し、さらに同じ塗布量で上記接着剤層21を再び形成した後、上記第2の木板12を積層し、さらに同じ塗布量で上記接着剤層21を再び形成した後、上記第1の木板11を積層した。その後、コールドプレス(24℃、5MPa)を20時間することにより、実施例1に係る、第1の木板/第2の木板/第3の木板/第2の木板/第1の木板からなる第1の木質積層体を得た。
さらに、第1の木質積層体をラケット形状に切り出し、実施例1に係る第1の卓球ラケット1を得た。
[第2の卓球ラケット2の調製]
第1の卓球ラケット1のほか、第2の卓球ラケット2も得た。その過程を、図2を参照しながら説明する。上記第1の木板11上に、同じ塗布量で上記接着剤層21を再び形成した後、高剛性材料層31(矩形の炭素繊維硬化板、厚さ:0.2mm)を積層した。そして、同じ塗布量で上記接着剤層21を再び形成した後、上記第3の木板13を積層した。さらに、同じ塗布量で上記接着剤層21を再び形成し、上記高剛性材料層31を積層し、同じ塗布量で上記接着剤層21を再び形成した後、上記第1の木板11を積層した。その後、コールドプレス(24℃、5MPa)を20時間することにより、実施例1に係る、第1の木板/高剛性材料層/第3の木板/高剛性材料層/第1の木板からなる第2の木質積層体を得た。
さらに、第2の木質積層体をラケット形状に切り出し、実施例1に係る第2の卓球ラケット2を得た。
<実施例2>
上記MDI末端プレポリマーaが10質量部であり、上記HDIイソシアヌレート変性体が90質量部であること以外は、実施例1と同じ方法にて実施例2の無溶剤一液型接着剤組成物、木質積層体及び卓球ラケットを得た。
<実施例3>
上記MDI末端プレポリマーaが30質量部であり、上記HDIイソシアヌレート変性体が70質量部であること以外は、実施例1と同じ方法にて実施例3の無溶剤一液型接着剤組成物、木質積層体及び卓球ラケットを得た。
<実施例4>
上記MDI末端プレポリマーaが40質量部であり、上記HDIイソシアヌレート変性体が60質量部であること以外は、実施例1と同じ方法にて実施例4の無溶剤一液型接着剤組成物、木質積層体及び卓球ラケットを得た。
<実施例5>
上記MDI末端プレポリマーaの代わりに上記MDI末端プレポリマーbを30質量部用い、上記HDIイソシアヌレート変性体の量を70質量部としたこと以外は、実施例1と同じ方法にて実施例5の無溶剤一液型接着剤組成物、木質積層体及び卓球ラケットを得た。
<実施例6>
上記MDI末端プレポリマーaの代わりに上記TDI末端プレポリマーを30質量部用い、上記HDIイソシアヌレート変性体の量を70質量部としたこと以外は、実施例1と同じ方法にて実施例6の無溶剤一液型接着剤組成物、木質積層体及び卓球ラケットを得た。
<比較例1>
上記MDI末端プレポリマーaが50質量部であり、上記HDIイソシアヌレート変性体が50質量部であること以外は、実施例1と同じ方法にて比較例1の無溶剤一液型接着剤組成物、木質積層体及び卓球ラケットを得た。
<比較例2>
上記MDI末端プレポリマーaを用いず、上記HDIイソシアヌレート変性体を100質量部としたこと以外は、実施例1と同じ方法にて比較例2の無溶剤一液型接着剤組成物、木質積層体及び卓球ラケットを得た。
<比較例3>
上記HDIイソシアヌレート変性体を用いず、上記MDI末端プレポリマーaを1000質量部としたこと以外は、実施例1と同じ方法にて比較例3の無溶剤一液型接着剤組成物、木質積層体及び卓球ラケットを得た。
<比較例4>
上記MDI末端プレポリマーa及び上記HDIイソシアヌレート変性体を用いず、上記TDI末端プレポリマーを100質量部としたこと以外は、実施例1と同じ方法にて比較例4の無溶剤一液型接着剤組成物、木質積層体及び卓球ラケットを得た。
<参考例>
実施例1に記載の接着剤組成物の代わりに市販の無溶剤二液型エポキシ樹脂系接着剤組成物(製品名:EセットL,コニシ社製)を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法にて、参考例としての無溶剤二液型エポキシ樹脂系接着剤組成物、木質積層体及び卓球ラケットを得た。
<積層体及び卓球ラケットの評価>
実施例、比較例及び参考例の積層体及び卓球ラケットについて、以下の評価を行った。
1.作業性の評価
作業性は、上記コールドプレス(20時間)直後における、矩形の第1及び第2の積層体を、側面から手はく離で剥がしたときの状態をみることによって評価した。結果を表2に示す。手はく離では剥がれない場合又は材料の破壊が生じる場合を“○”とし、力を加えれば剥がれる場合を“△”とし、ほとんど力を加えることなく容易に剥がれる場合を“×”とした。
2.反りの評価
反りの評価は、次のようにして行った。上記コールドプレス(20時間)直後における、第1及び第2の卓球ラケットを略水平な台の上に置き、図3に示すAの位置に100gの重りを載せた。そして、Aに対向するBの位置の浮きの長さを測定した。結果を表3に示す。1.0mm以下である場合を“○”とし、1.0mmを超え2.0mm以下である場合を“△”とし、2.0mmを超える場合を“×”とした。また、図3に示すBの位置に100gの重りを載せたときのBに対向するAの位置の浮きの長さ、Cの位置に100gの重りを載せたときのCに対向するDの位置の浮きの長さ、及びDの位置に100gの重りを載せたときのDに対向するCの位置の浮きの長さについても同様に測定した。
また、コールドプレス後、50℃85%RHの条件で2週間放置した後における、第1及び第2の卓球ラケットについても、同様の方法で反りを評価した。
3.打撃時の衝撃感(ひびき感)
打球時の衝撃感についての評価は、次のようにして行った。実施例1〜6及び比較例1〜4並びに参考例の卓球ラケットの両面に卓球用ラバーを接着し(フォア側:テナジー・05 トクアツ,バック側:ラウンデル トクアツ,両方ともタマス社製)、4人の卓球選手による試打を行った(選手の技術レベルについては、日本代表レベル:1人、都道府県代表レベル:2人、市区町村代表レベル:1人)。そして、参考例のラケットを基準として、打球感(硬い・柔らかい)及び弾み(弾む・弾まない)を評価した。結果を表2に示す。試打をした4人の全てが打球感及び弾みに違和感を感じない場合を“○”とし、1人以上が違和感を感じる場合を“×”とした。
Figure 2013150703
(A)イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーと、(B)ポリイソシアネート化合物から誘導される3つのイソシアネート基を有するビュレット体及び/又はイソシアヌレート体との質量比が5:95〜40:60である無溶剤一液型接着剤組成物を用いた卓球ラケットは、高温多湿下に長期間置いた後であっても反りを抑制でき、結果として、打球方向が安定することが確認された(実施例1〜6)。すなわち、上記の無溶剤一液型接着剤組成物は、(ア)部材間の高い接着性、(イ)無溶剤系であること、(ウ)臭気の低減等、作業環境の向上といった課題を克服しつつ、(エ)合板にしたときの反りを抑制し、打感等に悪影響を及ぼさない卓球ラケットの提供の用に供することが確認された。
一方、(A)成分の割合が(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して5質量部未満であると、硬化反応に時間がかかり、作業性が劣るとともに、初期の反りを適切に抑えられず、打球方向が安定せずラケットしての性能が悪化するため、好ましくないことが確認された(比較例2)。(A)成分の割合が(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して50質量部以上であっても、高温多湿下に長期間放置すると反りが生じてしまい、打球方向が安定せずラケットしての性能が悪化するため、好ましくないことが確認された(比較例1、3及び4)。
1 第1の卓球ラケット
2 第2の卓球ラケット
11 第1の木板
12 第2の木板
13 第3の木板
21 接着剤層
31 高剛性材料層

Claims (8)

  1. 無溶剤一液型接着剤組成物からなる接着剤層を介して木板と木板又は該木板よりも剛性が高い材料からなる高剛性材料層とが積層され、
    前記無溶剤一液型接着剤組成物は、(A)イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーと、(B)ポリイソシアネート化合物から誘導される3つのイソシアネート基を有するビュレット体及び/又はイソシアヌレート体との質量比が5:95〜40:60である木質積層体。
  2. 前記ポリイソシアネート化合物が脂肪族イソシアネート化合物である、請求項1に記載の木質積層体。
  3. 前記脂肪族イソシアネート化合物が脂肪族ジイソシアネートである、請求項2に記載の木質積層体。
  4. 前記脂肪族ジイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネートである、請求項3に記載の木質積層体。
  5. 前記(B)成分がイソシアヌレート体である、請求項1から4のいずれかに記載の木質積層体。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の木質積層体を備える卓球ラケット。
  7. (A)イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーと、(B)ポリイソシアネート化合物から誘導される3つのイソシアネート基を有するビュレット体及び/又はイソシアヌレート体との質量比が5:95〜40:60である無溶剤一液型接着剤組成物。
  8. 卓球ラケットに用いられる、請求項7に記載の無溶剤一液型接着剤組成物。
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