JP6674588B1 - 銅を含む部材の溶接方法、および回転電機の製造方法 - Google Patents

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Abstract

実施形態に係る銅を含む部材の溶接方法は、銅を含む第1の部材と、銅を含み、前記第1の部材と隣接させて設けられた第2の部材と、をレーザ溶接する工程を備えている。前記第1の部材の溶接面、および前記第2の部材の溶接面にレーザを照射する際に、渦巻き状に旋回するにつれ渦巻きの中心に近づくようにレーザの照射位置を移動させて、前記第1の部材の溶接面、および前記第2の部材の溶接面を溶融させる。

Description

本発明の実施形態は、銅を含む部材の溶接方法、および回転電機の製造方法に関する。
銅を含む部材同士をレーザ溶接する場合がある。例えば、モータや発電機などの回転電機には、固定子に巻き付けられたコイルが設けられている。コイルは、銅線を複数回巻いて形成されるため柔軟性に乏しく、形成されたコイルをスロットへ挿入するようにすると作業性が著しく悪くなる。そのため、コイルを複数の部材に分割し、複数の部材をスロットに挿入した後に、複数の部材の端部同士をレーザ溶接して、固定子に巻き付けられたコイルを形成する様にしている。
ここで、銅は、アルミニウムなどに比べて熱伝導率が高く、且つ、融点の高い材料である。熱伝導率が高いと、溶接部における熱が逃げやすくなるので溶接が困難となる。また、融点が高いと、溶接がさらに難しくなる。
またさらに、銅は、高出力とすることが容易な赤外領域の波長を有するレーザの吸収率が低い。また、レーザの吸収率は、銅を含む部材の成分比や、銅を含む部材におけるレーザの照射位置の性状などにより変動する。
そのため、レーザにより、銅を含む部材同士を溶接する場合には、溶接部の品質を安定させるのが困難となっていた。
特開2018−20340号公報
本発明が解決しようとする課題は、溶接部の品質を安定させることができる銅を含む部材の溶接方法、および回転電機の製造方法を提供することである。
実施形態に係る銅を含む部材の溶接方法は、銅を含む第1の部材と、銅を含み、前記第1の部材と隣接させて設けられた第2の部材と、をレーザ溶接する工程を備えている。前記第1の部材の溶接面、および前記第2の部材の溶接面にレーザを照射する際に、渦巻き状に旋回するにつれ渦巻きの中心に近づくようにレーザの照射位置を移動させて、前記第1の部材の溶接面、および前記第2の部材の溶接面を溶融させる。
本実施の形態に係るステータを例示するための模式斜視図である。 ステータコアに装着される前のセグメント導体を例示するための模式図である。 セグメント導体の端部の折曲げ加工、および、セグメント導体の端面の溶接加工を例示するための模式図である。 レーザの走査を例示するための模式図である。 (a)は、レーザの照射位置を直線状に往復移動させた場合を例示するための模式図である。(b)は、(a)に示す照射を行った場合の照射面の温度分布を例示するための模式図である。 (a)は、レーザの照射位置を内側から外側に向けて渦巻き状に移動させた場合を例示するための模式図である。(b)は、(a)に示す照射を行った場合の照射面の温度分布を例示するための模式図である。 (a)は、レーザの照射位置を外側から内側に向けて渦巻き状に移動させた場合を例示するための模式図である。(b)は、に示す照射を行った場合の照射面の温度分布を例示するための模式図である。 比較例に係る溶接部の断面写真である。 レーザの照射位置を外側から内側に向けて渦巻き状に移動させた場合の溶接部の断面写真である。 (a)は、レーザの照射位置を外側から内側に向けて渦巻き状に移動させた場合を例示するための模式図である。(b)は、渦巻きの中心でレーザの走査を停止せずに、そのまま続けて内側から外側に向けてレーザの照射位置を渦巻き状に移動させた場合である。 図10(a)、(b)に例示をしたレーザの走査を行った場合の溶接部の断面写真である。 セグメント導体を傾けた状態でレーザを照射する場合を例示するための模式図である。 他の実施形態に係るレーザの走査を例示するための模式図である。 レーザを照射する際のセグメント導体の配置を例示するための模式図である。 溶接前のセグメント導体の端部を例示するための写真である。 (a)、(b)は、図4に例示をしたレーザの走査を行った場合である。 (a)、(b)は、図9に例示をしたレーザの走査を行った場合である。
本発明は、例えば、銅を含む部材同士をレーザにより突き合わせ溶接するものに適用することができる。銅を含む部材の形態には特に限定がない。例えば、銅を含む部材の形態は、板状、棒状、ワイヤ状などとすることができる。
銅を含む部材同士をレーザにより突き合わせ溶接するものとしては、例えば、モータや発電機などの回転電機に設けられるコイルを例示することができる。そのため、以下においては、一例として、ステータの製造方法を例示すると共に、銅を含む部材の溶接方法を説明する。なお、ステータの製造方法を例示するが、本発明はロータの製造方法にも適用することができる。すなわち、本発明は、回転電機の製造方法に適用することができる。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施の形態に係るステータ1を例示するための模式斜視図である。
図1に示すように、ステータ1には、ステータコア2、およびコイル3が設けられている。
ステータコア2は、環状の磁性体部材が、ステータ1の軸方向(図1中のZ方向)に複数積層されたものとすることができる。磁性体部材は、例えば、電磁鋼板(珪素鋼板)から形成することができる。ステータコア2は、ヨーク21と、複数のティース22を有する。ヨーク21は、筒状を呈し、ステータコア2の外周側に位置する。複数のティース22は、ヨーク21の内周面に等間隔に設けられている。複数のティース22のそれぞれは、ヨーク21の内周面からステータコア2の中心に向けて突出するとともに、ステータ1の軸方向に延びる形態を有している。また、ティース22とティース22との間に設けられる溝がスロット23となる。なお、ティース22の形状、数、大きさは、例示をしたものに限定されるわけではなく、ステータ1が設けられる回転電機の用途、大きさ、仕様などに応じて適宜変更することができる。
コイル3は、複数のセグメント導体31を含んでいる。セグメント導体31の外観形状は、略U字状とすることができる。セグメント導体31は、スロット23の内部に設けられている。セグメント導体31の端部は、ステータコア2の一方の端面から突出している。セグメント導体31は、断面が四角形の平角線から形成することができる。
一のセグメント導体31(第1のセグメント導体の一例に相当する)の端部と、これに対応するセグメント導体31(第2のセグメント導体の一例に相当する)の端部とが溶接されている。図1に例示をしたものの場合には、一のセグメント導体31の端部と、ステータコア2の径方向に隣接するセグメント導体31の端部とが溶接されている。そのため、例えば、一のセグメント導体31は、溶接部31aを介して、ステータコア2の径方向に隣接するセグメント導体31の端部と電気的に接続されている。複数のセグメント導体31が直列接続されることで、1つのコイル3が形成される。この場合、複数のコイル3がステータコア2の内側を複数周回まわるようにすることができる。例えば、図1に例示をしたように、U相、V相、およびW相の3つのコイル3がステータコア2の内側を3周することができる。なお、コイル3とセグメント導体31の外観形状、数、大きさ、周回数などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、ステータ1が設けられる回転電機の用途、大きさ、仕様などに応じて適宜変更することができる。
セグメント導体31は、導電率の高い材料から形成することができる。セグメント導体31は、銅を含むものとすることができる。すなわち、本実施の形態においては、セグメント導体31が「銅を含む部材」となる。セグメント導体31は、例えば、いわゆる純銅や、銅を主成分とする材料から形成することができる。
次に、本実施の形態に係るステータの製造方法について説明する。
まず、ステータコア2を形成する。例えば、ヨーク21と、複数のティース22となる部分を有する板状の磁性体部材を複数形成する。例えば、磁性体部材は、厚みが0.05mm〜1.0mm程度の電磁鋼板を打抜き加工により加工することで形成することができる。そして、複数の磁性体部材を積層し、例えば、複数の磁性体部材を溶接したり、カシメたりしてステータコア2を形成する。なお、ステータコア2は、磁性材粉末と、樹脂バインダを加圧成形することで形成することもできる。
次に、コイル3を形成する。
まず、コイル3の構成要素となるセグメント導体31を複数形成する。
図2は、ステータコア2に装着される前のセグメント導体31を例示するための模式図である。
図2に示すように、セグメント導体31は、例えば、断面が四角形の平角線を折り曲げることで形成することができる。セグメント導体31は、例えば、平角線を略U字状に折り曲げることで形成することができる。平角線の断面寸法は、例えば、3mm〜4mm程度とすることができる。平角線は、例えば、いわゆる純銅線とすることもできるし、銅を主成分として含む線とすることもできる。
次に、複数のセグメント導体31のそれぞれをステータコア2の所定のスロット23に装着する。例えば、複数のセグメント導体31のそれぞれをステータコア2の軸方向(図1中のZ方向)から所定のスロット23に挿入する。この場合、1つのセグメント導体31は、複数のスロット23を跨いで挿入される。本実施の形態に係るコイル3は、いわゆる分布巻きのコイルとすることができる。また、本実施の形態に係るコイル3は、いわゆる波巻きのコイルとすることができる。
次に、複数のセグメント導体31の端部を折り曲げ、隣接するセグメント導体31の端面31d同士を溶接する。
図3は、セグメント導体31の端部の折曲げ加工、および、セグメント導体31の端面31dの溶接加工を例示するための模式図である。
図3に示すように、セグメント導体31の端部31bを、隣接するセグメント導体31に近づく方向に折り曲げる。そして、さらに、セグメント導体31の先端部31cを、ステータコア2の軸方向(図1中および図3中のZ方向)に折り曲げる。ステータコア2の径方向において、セグメント導体31の先端部31cは、隣接するセグメント導体31の先端部31cと重なるようにすることができる。また、セグメント導体31の外面が絶縁体で覆われている場合には、セグメント導体31の先端部31cおよび端面31dを覆っている絶縁体を剥離することができる。
以上の様な折り曲げ加工を、スロット23を1つずつずらせて複数組行うことができる。例えば、U相、V相、およびW相の3つのコイル3を形成する場合には、装着するスロット23を1つずつずらせて3組の折り曲げ加工を行うことができる。なお、煩雑となるのを避けるために、図3においては、1組の折り曲げ加工および溶接加工を描いている。
また、複数のセグメント導体31をスロット23に装着した後に折り曲げ加工を行う場合を例示したがこれに限定されるわけではない。例えば、複数のセグメント導体31に折り曲げ加工を施し、折り曲げ加工が施された複数のセグメント導体31のそれぞれを所定のスロット23に装着することもできる。この場合、折り曲げ加工が施されたセグメント導体31を、ステータコア2の内側から外側に向けて装着することができる。
次に、図3に示すように、隣接するセグメント導体31の端面31d同士を溶接する。
溶接は、レーザにより行うことができる。溶接は、例えば、赤外領域の波長を有するレーザを、セグメント導体31の端面31dに照射することで行うことができる。赤外領域の波長を有するレーザとすれば、比較的高い出力のレーザを照射するのが容易となる。例えば、レーザの波長は、1040nm〜1070nm程度とすることができる。例えば、レーザの出力は、4kW程度とすることができる。
例えば、レーザは、ファイバーレーザ(Fiber laser)、ディスクレーザ(Disk laser)などとすることができる。また、レーザ溶接機は、連続的にレーザを出射可能なCWレーザ(Continuous wave laser)とすることが好ましい。また、レーザ溶接機は、レーザを走査可能なもの、例えば、ガルバノミラーなどを備えたものとすることが好ましい。
隣接するセグメント導体31の端面31d同士を溶接することで溶接部31aが形成される。また、複数のセグメント導体31が直列接続されることで、1つのコイル3が形成される。この場合、スロット23を1つずつずらせて複数のコイル3を形成することができる。例えば、スロット23を1つずつずらせて、U相、V相、およびW相の3つのコイル3を形成することができる。
なお、セグメント導体31の端面31dの溶接に関する詳細は後述する。
次に、コイル3をステータコア2に固定する。例えば、コイル3の鉛直方向からワニスを滴下し、ワニスをスロット23の内部に供給する。続いて、ワニスを硬化させることで、コイル3をステータコア2に固定する。
以上のようにしてステータ1を製造することができる。
次に、セグメント導体31の端面31dの溶接についてさらに説明する。
前述したように、セグメント導体31は銅を含んでいる。銅は、アルミニウムなどに比べて熱伝導率が高い。そのため、セグメント導体31の端面31dにレーザを照射しても、発生した熱がセグメント導体31を伝わり放熱されるので端面31dの温度が上昇しにくくなる。
また、銅は、アルミニウムなどに比べて融点が高い。そのため、セグメント導体31の端面31dにレーザを照射しても、セグメント導体31の端面31dを溶融させるのが難しい。
この場合、レーザの出力を大きくすれば、セグメント導体31の端面31dを溶融させるのが容易となる。レーザの出力を大きくするためには、赤外領域の波長を有するレーザとすればよい。ところが、赤外領域の波長を有するレーザは、溶融前の銅には吸収されにくい。また、レーザの吸収率は、セグメント導体31の材料の成分比や端面31dの性状(例えば、表面粗さなど)により変動する。
そのため、単に、赤外領域の波長を有するレーザを、セグメント導体31の端面31dに照射しても溶接部の品質を安定させるのが難しい。
そこで、本実施の形態に係るステータの製造方法においては、以下のようにして溶接を行うようにしている。
図4は、レーザの走査を例示するための模式図である。
図4に示すように、端面31d1と隣接する端面31d2との間には隙間が設けられていてもよい。なお、端面31d1と隣接する端面31d2とが接触するようにしてもよい。
まず、端面31d1にレーザを照射する。照射の開始位置100は、端面31d1の、端面31d2側の辺の近傍とすることができる。
次に、レーザの照射位置を走査して、照射位置の軌跡が渦巻き状(スパイラル状)となるようにする。渦巻きの形状は、円状や楕円状とすることができる。例えば、端面31d1、31d2の形状が正方形、または、長辺と短辺の差が小さい長方形の場合には、渦巻きの形状は円状とすることができる。例えば、端面31d1、31d2の形状が長辺と短辺の差が大きい長方形の場合には、渦巻きの形状は、端面31d1、31d2の長辺に略平行な長軸を有する楕円状とすることができる。
また、レーザの照射位置は、渦巻きの外側から内側に向けて移動させることができる。すなわち、旋回するにつれて端面31d1、31d2の内側に向かう渦巻き状にレーザを照射して、端面31d1、31d2を溶融させる。
照射されたレーザにより発生した熱は、照射位置を中心として放射状に伝達する。この場合、渦巻きの外側から内側に向けて照射位置を移動させれば、渦巻きの中心110の側により多くの熱を伝達するのが容易となる。そのため、レーザの照射領域の温度を上昇させるのが容易となる。
また、渦巻き状の照射は、複数回続けて行うことができる。一回の渦巻き状の照射では端面31d1、31d2の温度上昇が不充分となる場合がある。この様な場合には、渦巻き状の照射を繰り返し行うようにすればよい。なお、渦巻き状の照射の繰り返し数は、端面31d1、31d2の大きさなどに応じて適宜変更することができる。渦巻き状の照射の繰り返し数は、例えば、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することができる。
図5(a)は、レーザの照射位置を直線状に往復移動させた場合を例示するための模式図である。
図5(b)は、図5(a)に示す照射を行った場合の照射面の温度分布を例示するための模式図である。
図6(a)は、レーザの照射位置を内側から外側に向けて渦巻き状に移動させた場合を例示するための模式図である。
図6(b)は、図6(a)に示す照射を行った場合の照射面の温度分布を例示するための模式図である。
図7(a)は、レーザの照射位置を外側から内側に向けて渦巻き状に移動させた場合を例示するための模式図である。
図7(b)は、図7(a)に示す照射を行った場合の照射面の温度分布を例示するための模式図である。
なお、図5(b)、図6(b)、および図7(b)においては、温度分布は、モノトーン色の濃淡で表し、温度が高いほど淡く、温度が低いほど濃くなるように表示している。
照射位置を直線状に往復移動させれば、図5(b)から分かるように、照射面の一部しか加熱することができない。
渦巻きの内側から外側に向けて照射位置を移動させれば、図6(b)から分かるように、照射面の比較的広い範囲を加熱することができる。ただし、照射面の一部およびその下方に温度の低い領域が形成されている。
これに対して、渦巻きの外側から内側に向けて照射位置を移動させれば、図7(b)から分かるように、照射面全体をほぼ均等に加熱することができる。また、照射面の下方もほぼ均等に加熱することができる。すなわち、渦巻きの外側から内側に向けて照射位置を移動させれば、レーザの照射領域の温度を上昇させるのが容易となる。そのため、熱伝導率が高く、且つ、融点の高い銅を含む端面31d1、31d2を溶融させるのが容易となる。なお、溶融後の銅のレーザの吸収率は、溶融前の銅のレーザの吸収率よりも高くなる。そのため、端面31d1、31d2の溶融が開始されると、端面31d1、31d2を溶融させるのがさらに容易となる。
図8は、比較例に係る溶接部の断面写真である。図8は、レーザの照射位置を内側から外側に向けて渦巻き状に移動させた場合の溶接部の断面写真である。すなわち、図6(a)、(b)の場合の溶接部の断面写真である。
図9は、レーザの照射位置を外側から内側に向けて渦巻き状に移動させた場合の溶接部の断面写真である。すなわち、図7(a)、(b)の場合の溶接部の断面写真である。
前述した様に、照射されたレーザにより発生した熱は、照射位置を中心として放射状に伝達する。そのため、図6(a)に示すように、渦巻きの内側から外側に向けて照射位置を移動させれば、渦巻きの中心110の側の温度を高くするのが難しくなる。その結果、図8に示すように、溶接部の幅L1および溶け込み深さD1を大きくするのが難しくなる。
これに対して、図7(b)に示すように、渦巻きの外側から内側に向けて照射位置を移動させれば、渦巻きの中心110の側の温度を高くするのが容易となる。そのため、図9に示すように、溶接部の幅L2および溶け込み深さD2を大きくするのが容易となる。その結果、溶接部の品質を安定させることができる。
ところが、渦巻きの外側から内側に向けて照射位置を移動させる場合において、渦巻きの中心110の側でレーザの照射を停止すると、図9に示すように、溶接部の底部の中心にボイド120が発生する場合があることが判明した。
ボイド120が発生する原因は必ずしも明らかではないが、渦巻きの中心110の側でレーザの照射を停止すると急激な温度低下が生じ、溶融池の内部にある金属の蒸気が溶接部の内部に閉じ込められることが考えられる。
本発明者らは検討の結果、渦巻きの中心110または中心110の近傍でレーザの走査を停止せずに、そのまま続けて内側から外側に向けてレーザの照射位置を渦巻き状に移動させればボイド120の発生を抑制できるとの知見を得た。ボイド120の発生を抑制できる原因は必ずしも明らかではない。この場合、例えば、渦巻きの中心110または中心110の近傍でレーザの走査を停止させなければ、レーザが渦巻きの中心110または中心110の近傍に続けて照射されるので、急激な温度低下が生じるのを抑制することができる。そのため、金属の蒸気が外部に抜けやすくなり、ボイド120の発生が抑制されることが考えられる。
図10(a)は、レーザの照射位置を外側から内側に向けて渦巻き状に移動させた場合を例示するための模式図である。
図10(b)は、渦巻きの中心110aでレーザの走査を停止せずに、そのまま続けて内側から外側に向けてレーザの照射位置を渦巻き状に移動させた場合である。すなわち、図10(b)に例示をした走査は、図10(a)に例示をした走査に中断無しに続けて行われる。
なお、図10(a)に例示をした走査と、図10(b)に例示をした走査は、中断無しに続けて行われるため1つの図面に表すことも可能であるが、煩雑となるので2つの図面に分けて記載している。
また、図10(b)においては、照射の開始位置100を超えて照射が行われる場合を例示したが、照射の開始位置100またはその手前で照射が終了するようにしてもよい。また、照射の開始位置100を通過せずに、照射の開始位置100の近傍を通過するようにしてもよい。この場合、照射の開始位置100を超えて照射が行われる様にすれば、溶融池の保温を図ることができる。照射の終了位置は、端面31d1、31d2の大きさなどに応じて適宜変更することができる。照射の終了位置は、例えば、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することができる。
また、前述したものと同様に、図10(a)、(b)に例示をした連続的な照射を、複数回続けて行うことができる。照射の繰り返し数は、端面31d1、31d2の大きさなどに応じて適宜変更することができる。照射の繰り返し数は、例えば、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することができる。
図11は、図10(a)、(b)に例示をしたレーザの走査を行った場合の溶接部の断面写真である。
図11から分かるように、図10(a)、(b)に例示をしたレーザの走査を行えば、図9に示した溶接部と同様に、溶接部の幅L3および溶け込み深さD3を大きくすることができる。また、溶接部の底部の中心にボイド120が発生するのを抑制することができる。すなわち、溶接部の品質をさらに安定させることができる。
以上に説明したように、本実施の形態に係るレーザの照射を行えば、レーザによる溶接が困難な銅を含むセグメント導体31であっても、溶接を容易とすることができ、ひいては溶接部31aの品質を安定させるのが容易となる。
また、図4、図10(a)、図10(b)に示すように、端面31d2における照射位置の軌跡の長さは、端面31d1における照射位置の軌跡の長さよりも長くすることができる。すなわち、端面31d2における加熱領域は、端面31d1における加熱領域よりも広くすることができる。そのため、端面31d2における溶融金属の量は、端面31d1における溶融金属の量よりも多くなる。この場合、端面31d2における溶け込み深さは、端面31d1における溶け込み深さよりも深くなる。
本発明者らの得た知見によれば、端面31d2における照射位置の軌跡の合計の長さ:端面31d1における照射位置の軌跡の合計の長さは、6:4〜7:3とすることが好ましい。この様にすれば、溶接部の品質を向上させることができる。
なお、後述する図12に示すように、セグメント導体31を傾けた状態でレーザLを照射する場合には、照射位置の軌跡の合計の長さが長い方の端面が、照射位置の軌跡の合計の長さが短い方の端面よりも上方となるようにすることが好ましい。
端面31d2における照射位置の軌跡の長さが、端面31d1における照射位置の軌跡の長さよりも長い場合には、重力方向(鉛直方向)に対してセグメント導体31を傾けた状態でレーザを照射することができる。
セグメント導体31を傾ける場合には、照射位置の軌跡の長さが長い(加熱領域の広い)端面31d2が端面31d1よりも、重力方向において上方に位置するようにすることができる。この様にすれば、溶融金属の量が多い端面31d2側から端面31d1側に向けて溶融金属を供給することができる。この場合、端面31d1も加熱されているので表面には溶融金属がある。そのため、端面31d1においては溶融金属同士が混合されて溶接部31aが形成される。溶融金属同士が混合されれば界面などが発生するのを抑制することができるので、溶接強度か低下することを抑制することができ、ひいては溶接部31aの品質を安定させることができる。
図12は、セグメント導体31を傾けた状態でレーザLを照射する場合を例示するための模式図である。
図12に示すように、重力方向Gとセグメント導体31の側面31eとがなす角度をθとする。この場合、角度θを大きくしすぎると、端面31d2側から端面31d1側に向けて供給された溶融金属が端面31d1から排出されるおそれがある。
本発明者らの得た知見によれば、角度θを15°以下とすれば、溶融金属が端面31d1に留まるようにすることが容易となる。
この場合、レーザLは、図12に示すように、重力方向Gから照射することができる。また、レーザLは、重力方向Gに対して傾いた方向から照射することもできる。
本実施の形態に係るレーザの照射を行えば、レーザによる溶接が困難な銅を含むセグメント導体31であっても、溶接を容易とすることができ、ひいては溶接部31aの品質を安定させるのが容易となる。
ここで、前述したように、端面31d1と端面31d2との間に隙間Sが設けられる場合がある。レーザが隙間Sに照射されると、レーザが隙間Sを透過して、セグメント導体31の下方に設けられた部材にレーザが照射される場合がある。そのため、セグメント導体31の下方に設けられた部材がレーザにより損傷する場合がある。前述したように、銅はレーザの吸収率が低いが、セグメント導体31の下方に設けられた部材がレーザの吸収率の高い材料を含む場合には、損傷する可能性が高くなる。
そのため、端面31d1と端面31d2との間に隙間Sが設けられる場合には、セグメント導体31を傾けた状態でレーザを照射することが好ましい。セグメント導体31を傾けた状態でレーザを照射すれば、隙間Sに照射されたレーザがセグメント導体31の側面31eに入射し易くなるので、セグメント導体31の下方に設けられた部材にレーザが照射されるのを抑制することができる。
この場合、重力方向Gと溶接の対象物の側面(セグメント導体31の側面31e)とがなす角度θは、レーザの照射方向から見て、隙間に溶接の対象物の一部(セグメント導体31の側面31e)が見えるような角度とすればよい。
図13は、他の実施形態に係るレーザの走査を例示するための模式図である。
図14は、レーザLを照射する際のセグメント導体31の配置を例示するための模式図である。
図13に示すように、照射の開始位置100は、端面31d1と端面31d2の間とすることができる。また、レーザの照射位置を走査して、照射位置の軌跡が渦巻き状となるようにする。渦巻きの形状は前述したものと同様とすることができる。レーザの照射位置は、渦巻きの外側から内側に向けて移動させることができる。
この場合、端面31d2における照射位置の軌跡の長さは、端面31d1における照射位置の軌跡の長さとほぼ同じとすることができる。すなわち、端面31d2における加熱領域は、端面31d1における加熱領域とほぼ同じとすることができる。そのため、端面31d2における溶融金属の量は、端面31d1における溶融金属の量とほぼ同じとなる。端面31d2における溶け込み深さは、端面31d1における溶け込み深さとほぼ同じとなる。
この様なレーザLの走査を行う場合には、図14に示すように、セグメント導体31の側面31eが重力方向(鉛直方向)とほぼ平行となるようにすることができる。例えば、前述した角度θがほぼ0°となるようにすることができる。すなわち、前述した角度θは、「0°≦θ≦15°」とすることができる。この場合、レーザLは、図14に示すように、重力方向Gから照射することができる。また、レーザLは、重力方向Gに対して傾いた方向から照射することもできる。
前述したように、端面31d1と端面31d2との間に隙間Sが設けられていると、セグメント導体31の下方に設けられた部材が損傷するおそれがある。そのため、角度θが0°または小さい場合には、端面31d1と端面31d2を接触させるか、隙間Sがなるべく小さくなるようにすることが好ましい。
本実施の形態に係るレーザの照射を行えば、レーザによる溶接が困難な銅を含むセグメント導体31であっても、溶接を容易とすることができ、ひいては溶接部31aの品質を安定させるのが容易となる。
また、以上においては、端面31d1と端面31d2が略同一平面にある場合(端面31d1と端面31d2との間に段差がない場合)を例示したが、一方の端面が他方の端面よりも突出していてもよい。すなわち、端面31d1と端面31d2との間には段差があってもよい。ただし、段差が余り大きくなると、溶融金属の移動が抑制されるおそれがある。そのため、段差は0mm以上、1mm以下とすることが好ましい。
また、本発明者らの得た知見によれば、セグメント導体31の端面が溶融すると、特有の周波数を有する音が発生することが判明した。音が発生する要因は必ずしも明らかではないが以下のように考えることができる。
セグメント導体31の端面が溶融して、いわゆる溶融池ができると、溶融池の内部にある溶融金属がさらに加熱されて金属の蒸気が発生する。金属の蒸気が発生すると、蒸気の周囲にある溶融金属が押しのけられるなどして溶融金属が振動する。この振動が空気に伝わることで音が発生する。
発生する音の周波数は、セグメント導体31の材料の成分比、レーザ溶接の条件、溶融池の内部にある溶融金属の温度、溶融池の深さなどによって変動する場合がある。例えば、溶融池の深さが浅くなると周波数は高くなる。例えば、溶融池の深さが浅い場合には1.5kHz〜3kHz程度の周波数を有する音が発生する。溶融池の深さが深くなると1.5kHz以下の周波数を有する音が発生する。
発生する音の周波数、周波数と溶融池の深さ(溶け込み深さ)の関係は、例えば、実験やシミュレーションを行うことで予め知ることができる。
そのため、予め求められた周波数を有する音を検出すれば、例えば、溶接の開始を検出することができる。溶接の終了は、時間管理や渦巻き状の照射の繰り返し数などにより決めることができる。溶接の開始から終了までの時間や、溶接の開始から終了までの渦巻き状の照射の繰り返し数は、例えば、実験やシミュレーションを行うことで予め知ることができる。
また、レーザの照射後、所定の時間を経過しても音が検出されなかった場合には、異常が発生したとしてレーザ溶接を中止することができる。
また、周波数の変化を検出することで、溶融池の深さ、すなわち溶け込み深さを知ることができる。
以上においては、一例として、本実施の形態に係る銅を含む部材の溶接方法を、ステータ1の製造方法に適用する場合を説明した。
すなわち、本実施の形態に係る銅を含む部材の溶接方法は、銅を含む第1の部材(例えば、セグメント導体31)と、銅を含み、第1の部材と隣接させて設けられた第2の部材(例えば、セグメント導体31)と、をレーザ溶接する工程を備えることができる。第1の部材の溶接面(例えば、端面31d1)、および第2の部材の溶接面(例えば、端面31d2)にレーザを照射する際に、渦巻き状に旋回するにつれ渦巻きの中心110、110aに近づくようにレーザの照射位置を移動させて、第1の部材の溶接面、および第2の部材の溶接面を溶融させることができる。
この場合、渦巻き状に旋回するにつれ渦巻きの中心に近づくようにレーザの照射位置を移動させ、引き続き、渦巻きの中心または渦巻きの中心の近傍から、渦巻き状に旋回するにつれ渦巻きの中心から離れるようにレーザの照射位置を移動させることができる。
この場合、レーザを照射する際に、第1の部材、および第2の部材が重力方向に対して傾けられるようにすることができる。
また、本実施の形態に係る銅を含む部材の溶接方法は、レーザを照射する際に、第1の部材、および第2の部材が重力方向に対して傾けられ、傾けられた第1の部材の溶接面、および傾けられた第2の部材の溶接面に、渦巻き状にレーザを照射して、傾けられた第1の部材の溶接面、および傾けられた第2の部材の溶接面を溶融させることもできる。
この場合、渦巻き状にレーザを照射する際に、渦巻き状に旋回するにつれ渦巻きの中心に近づくようにレーザの照射位置を移動させ、引き続き、渦巻きの中心または渦巻きの中心の近傍から、渦巻き状に旋回するにつれ渦巻きの中心から離れるようにレーザの照射位置を移動させることができる。
なお、重力方向と、第1の部材の側面と、がなす角度は、0°以上、15°以下であることが好ましい。重力方向と、第2の部材の側面と、がなす角度は、0°以上、15°以下であることが好ましい。
また、レーザは、渦巻き状に複数回照射されるようにしてもよい。
また、レーザ溶接する工程において、第1の部材の溶接面、および第2の部材の溶接面の少なくともいずれかが溶融した際に生じる所定の周波数を有する音を検出し、検出された音に基づいて、レーザ溶接の開始を検出することができる。
また、本実施の形態に係る銅を含む部材の溶接方法は、前記第1の部材の溶接面、および前記第2の部材の溶接面にレーザを照射する際に、渦巻き状にレーザを照射して、前記第1の部材の溶接面、および前記第2の部材の溶接面を溶融させ、前記第1の部材の溶接面、および前記第2の部材の溶接面の少なくともいずれかが溶融した際に生じる所定の周波数を有する音を検出し、前記検出された音に基づいて、前記レーザ溶接の開始を検出することができる。
本実施の形態に係る銅を含む部材の溶接方法を、回転電機の製造方法に適用する場合には、回転電機の製造方法は、複数のスロットに、銅を含むコイルを設ける工程を備えることができる。コイルは、複数のセグメント導体を含み、コイルを設ける工程において、複数のセグメント導体の端面が、上記の銅を含む部材の溶接方法により溶接される。
また、以上に説明した本実施の形態に係るステータ1の製造方法は、複数のスロット23を有するステータコア2と、複数のスロット23に設けられ、複数のセグメント導体31を含むコイル3と、を備えたステータ1の製造方法である。第1のセグメント導体の端面と、第2のセグメント導体の端面と、を溶接する工程において、第1のセグメント導体の端面、および第2のセグメント導体の端面に、旋回するにつれ中心に近づく渦巻き状にレーザを照射して、第1のセグメント導体の端面、および第2のセグメント導体の端面を溶融させる。
この場合、レーザを照射する際に、第1のセグメント導体、および第2のセグメント導体が重力方向に対して傾けられる。
また、本実施の形態に係るステータ1の製造方法においては、第1のセグメント導体の端面と、第2のセグメント導体の端面と、を溶接する工程において、第1のセグメント導体、および第2のセグメント導体が重力方向に対して傾けられる。傾けられた第1のセグメント導体の端面、および傾けられた第2のセグメント導体の端面に、渦巻き状にレーザを照射して、傾けられた第1のセグメント導体の端面、および傾けられた第2のセグメント導体の端面を溶融させることもできる。
重力方向と、第1のセグメント導体の側面と、がなす角度は、10°以下とすることができる。
重力方向と、第2のセグメント導体の側面と、がなす角度は、10°以下とすることができる。
レーザは、渦巻き状に複数回照射することができる。
第1のセグメント導体の端面、および第2のセグメント導体の端面の少なくともいずれかが溶融した際に生じる所定の周波数を有する音を検出し、検出された音に基づいて、溶接の開始を検出することができる。
また、本実施の形態に係るステータ1の製造方法においては、第1のセグメント導体の端面と、第2のセグメント導体の端面と、を溶接する工程において、第1のセグメント導体の端面、および第2のセグメント導体の端面に、渦巻き状にレーザを照射して、第1のセグメント導体の端面、および第2のセグメント導体の端面を溶融させる。また、第1のセグメント導体の端面、および第2のセグメント導体の端面の少なくともいずれかが溶融した際に生じる所定の周波数を有する音を検出する。そして、検出された音に基づいて、溶接の開始を検出する。
(実施例)
図15は、溶接前のセグメント導体31の端部を例示するための写真である。
図16(a)、(b)は、図4に例示をしたレーザの走査を行った場合である。
この場合、図4に例示をした端面31d1、31d2の幅W1は3.0mm、端面31d1、31d2の幅W2は4.0mmとした。また、端面31d1と端面31d2との間の隙間Sは、0.5mmとした。渦巻きの最大半径は1.4mmとした。渦巻きのピッチは0.1mmとした。レーザの波長は1040nm〜1070nmとした。レーザの出力は2.9kWとした。重力方向Gとセグメント導体31の側面31eとがなす角度θは10°とした。1回の渦巻き状の照射の時間は1秒程度である。
また、図16(a)は、渦巻き状の照射の繰り返し数を3回とした場合である。渦巻き状の照射の繰り返し数が3回の場合には、溶接部31aの形成が不充分であることが分かる。
図16(b)は、渦巻き状の照射の繰り返し数を4回とした場合である。渦巻き状の照射の繰り返し数が4回の場合には、溶接部31aの形成が充分であることが分かる。
図17(a)、(b)は、図17に例示をしたレーザの走査を行った場合である。
この場合、図17に例示をした端面31d1、31d2の幅W1は3.0mm、端面31d1、31d2の幅W2は4.0mmとした。また、端面31d1と端面31d2との間の隙間Sは、0mmとした。すなわち、端面31d1と端面31d2とを密着させた状態で溶接を行った。渦巻きの最大半径は1.4mmとした。渦巻きのピッチは0.1mmとした。レーザの波長は1040nm〜1070nmとした。レーザの出力は3.0kWとした。重力方向Gとセグメント導体31の側面31eとがなす角度θは0°とした。1回の渦巻き状の照射の時間は1秒程度である。
また、図17(a)は、渦巻き状の照射の繰り返し数を3回とした場合である。渦巻き状の照射の繰り返し数が3回の場合には、溶接部31aの形成が不充分であることが分かる。
図17(b)は、渦巻き状の照射の繰り返し数を4回とした場合である。渦巻き状の照射の繰り返し数が4回の場合には、溶接部31aの形成が充分であることが分かる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。

Claims (9)

  1. 銅を含む第1の部材と、銅を含み、前記第1の部材と隣接させて設けられた第2の部材と、をレーザ溶接する工程を備え、
    前記第1の部材の溶接面、および前記第2の部材の溶接面にレーザを照射する際に、渦巻き状に旋回するにつれ渦巻きの中心に近づくようにレーザの照射位置を移動させて、前記第1の部材の溶接面、および前記第2の部材の溶接面を溶融させる銅を含む部材の溶接方法。
  2. 前記渦巻き状に旋回するにつれ渦巻きの中心に近づくようにレーザの照射位置を移動させ、引き続き、前記渦巻きの中心または前記渦巻きの中心の近傍から、渦巻き状に旋回するにつれ渦巻きの中心から離れるようにレーザの照射位置を移動させる請求項1記載の銅を含む部材の溶接方法。
  3. 前記レーザを照射する際に、前記第1の部材、および前記第2の部材が重力方向に対して傾けられる請求項1または2に記載の銅を含む部材の溶接方法。
  4. 銅を含む第1の部材と、銅を含み、前記第1の部材と隣接させて設けられた第2の部材と、をレーザ溶接する工程を備え、
    レーザを照射する際に、前記第1の部材、および前記第2の部材が重力方向に対して傾けられ、前記傾けられた第1の部材の溶接面、および前記傾けられた第2の部材の溶接面に、渦巻き状にレーザを照射して、前記傾けられた第1の部材の溶接面、および前記傾けられた第2の部材の溶接面を溶融させ
    前記渦巻き状にレーザを照射する際に、渦巻き状に旋回するにつれ渦巻きの中心に近づくようにレーザの照射位置を移動させ、引き続き、前記渦巻きの中心または前記渦巻きの中心の近傍から、渦巻き状に旋回するにつれ渦巻きの中心から離れるようにレーザの照射位置を移動させる銅を含む部材の溶接方法。
  5. 前記重力方向と、前記第1の部材の側面と、がなす角度は、0°以上、15°以下である請求項3または4に記載の銅を含む部材の溶接方法。
  6. 前記重力方向と、前記第2の部材の側面と、がなす角度は、0°以上、15°以下である請求項3〜のいずれか1つに記載の銅を含む部材の溶接方法。
  7. 前記レーザは、前記渦巻き状に複数回照射される請求項1〜のいずれか1つに記載の銅を含む部材の溶接方法。
  8. 前記レーザ溶接する工程において、
    前記第1の部材の溶接面、および前記第2の部材の溶接面の少なくともいずれかが溶融した際に生じる所定の周波数を有する音を検出し、
    前記検出された音に基づいて、前記レーザ溶接の開始を検出する請求項1〜のいずれか1つに記載の銅を含む部材の溶接方法。
  9. 複数のスロットに、銅を含むコイルを設ける工程を備えた回転電機の製造方法であって、
    前記コイルは、複数のセグメント導体を含み、
    前記コイルを設ける工程において、前記複数のセグメント導体の端面が、請求項1〜のいずれか1つに記載の銅を含む部材の溶接方法により溶接される回転電機の製造方法。
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