JP2023022764A - 固定子、及び固定子の製造方法 - Google Patents

固定子、及び固定子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導線どうしの溶接の出来映えを容易に判断することのできる固定子及びその製造方法を提供する。【解決手段】固定子は、固定子コアと、固定子コアに設けられた固定子巻線と、を備える。固定子巻線は、導体34が絶縁被膜35により被覆された平角状の複数の導体セグメントからなり、当該導体セグメントの先端部には、導体が露出した露出部33が形成されている。固定子巻線のコイルエンド部において、異なる導体セグメントの露出部どうしがレーザ溶接により接続されており、露出部どうしの接合方向における導体幅が、各露出部のレーザ照射が行われた側であるレーザ照射側で、その反対側である反照射側よりも小さくなっている。【選択図】 図7

Description

この明細書の開示は、回転電機の固定子、及び固定子の製造方法に関する。
回転電機の固定子においては、固定子コアに固定子巻線が設けられている。固定子巻線は、例えば平角導線からなる複数の導体セグメントを用いて、それらの導体セグメントどうしが接続されることで構成されている。より具体的には、各導体セグメントの先端部に、絶縁被膜を除去した露出部を設けておき、異なる導体セグメントの露出部どうしを互いに接合した状態で、それら露出部どうしをレーザ溶接により接続する構成が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2020-55024号公報
上記のとおり異なる導体セグメントの露出部どうしをレーザ溶接により接続する構成では、仮に溶接が適正に行われていないと、固定子巻線での通電に支障が生じる等の不都合が懸念される。この場合、溶接が適正でない状態として、溶接部における溶接の深さが不十分であることが考えられる。ただし、導体セグメントの溶接部において溶接の深さ、すなわち溶接の出来映えを外観から確認することは困難になっている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、導線どうしの溶接の出来映えを容易に判断することのできる固定子及びその製造方法を提供することにある。
手段1の固定子は、
固定子コアと、前記固定子コアに設けられた固定子巻線と、を備え、
前記固定子巻線は、導体が絶縁被膜により被覆された平角状の複数の導線からなり、
当該導線の先端部には、前記導体が露出した露出部が形成されており、
前記固定子巻線のコイルエンド部において、異なる前記導線の前記露出部どうしがレーザ溶接により接続されており、
前記露出部どうしの接合方向における導体幅が、前記各露出部のレーザ照射が行われた側であるレーザ照射側で、その反対側である反照射側よりも小さくなっていることを特徴とする。
導線の露出部どうしがレーザ溶接により接合される構成では、露出部どうしの接合部分においてレーザ照射が行われたレーザ照射側とその反対側の反照射側とでレーザによる溶融度合が相違し、レーザ照射側の方が溶融度合が大きくなる。各露出部において露出部どうしの接合方向の非溶融部分について言えば、レーザ照射側の方が非溶融範囲が小さくなり、反照射側の方が非溶融範囲が大きくなる。この場合、露出部どうしの接合に際し、露出部どうしの接合部分における溶融度合に応じて、各露出部が互いに寄り合うこと、換言すれば、各露出部において接合面とは逆側の側面どうしが互いに近づき合うことが考えられる。また、レーザ照射側と反照射側とでレーザによる溶融度合が相違することを加味すると、レーザ照射側と反照射側とで、露出部どうしの接合方向における導体幅に差が生じることが考えられる。ここで、レーザ溶接の深さに相関してレーザ照射方向での溶融度合の差が生じるため、各露出部での溶融による寸法変化から、レーザ溶接の深さを把握することができる。
この点、上記構成の固定子では、固定子巻線において、平角線からなる導線の露出部どうしが溶接されており、露出部どうしの接合方向における導体幅が、各露出部のレーザ照射が行われた側であるレーザ照射側で、その反対側である反照射側よりも小さくなっている。この構成において、レーザ照射側の導体幅が反照射側の導体幅よりも小さいことは、各露出部での溶融が適正に行われたことを意味する。したがって、適正なレーザ溶接が行われた固定子を提供することができる。
手段2では、前記露出部どうしが接合された接合境界部において、前記レーザ照射側には溶融導体からなる盛り上がり部が形成されている。
互いに接合された2つの露出部において、レーザ照射側の導体幅が反照射側の導体幅よりも小さくなっており、かつレーザ照射側には溶融導体からなる盛り上がり部が形成されている。この構成では、導体の溶融によりレーザ照射側に盛り上がり部が形成されたことが分かる。つまり、レーザ照射側で導体の溶融が進み、露出部どうしが互いに寄り合うことにより、溶融導体のはみ出しが生じたものであることが分かる。したがって、盛り上がり部が各露出部での融解が適正に行われたことの目印となる。これにより、溶接の状態を外観から把握することが可能となる。
手段3では、前記固定子巻線は、前記固定子コアのスロットに径方向に多層に前記導線が収容された状態で設けられ、前記コイルエンド部において、前記露出部どうしが接続されてなる複数の軸方向端部が径方向及び周方向に並ぶように配置されており、前記軸方向端部における前記各露出部は、径方向に重ねられた状態でレーザ溶接により接続されている。
上記構成の固定子では、固定子コアのスロットに径方向に多層に導線が収容され、かつコイルエンド部において導線の露出部どうしが接続されてなる複数の軸方向端部が周方向及び径方向に並ぶように配置されている。かかる構成では、コイルエンド部において、各軸方向端部が互いに離間した状態で配置されるが、各軸方向端部の互いの離間距離は、周方向の離間距離よりも径方向の離間距離の方が短くなる。
この点、軸方向端部における各露出部は、レーザ照射側の導体幅が反照射側の導体幅よりも小さくなっていることで、レーザ照射側の導体幅が反照射側の導体幅と同寸法である構成に比べて、各軸方向端部の互いの離間距離(絶縁距離)を広げることができる。特に、各露出部が径方向に重ねられた状態でレーザ溶接により接続される構成では、各露出部が周方向に重ねられた構成に比べて各軸方向端部が互いに近くなるが、かかる構成であっても、適正な絶縁を実現できる。
手段4では、前記コイルエンド部は、前記固定子コアの軸方向外側において周方向の一定方向に延びる前記導線の先端部と、周方向の前記一定方向とは逆向き方向に延びる他の前記導線の先端部とが互いに接続されることで構成されており、周方向に互いに逆側から延びる前記導線の先端部にそれぞれ前記露出部が形成され、それら各露出部どうしがレーザ溶接により接続されており、前記露出部どうしの接合方向における導体幅が前記レーザ照射側で前記反照射側よりも小さくなっている。
周方向に互いに逆側から延びる導線の先端部(周方向先端部)にそれぞれ露出部が形成され、その周方向先端部がレーザ溶接により接続されている構成では、各導線において露出部を含む先端部が軸方向に延び、その軸方向に延びる先端部(軸方向先端部)がレーザ溶接により接続されている構成に比べて、溶接深さの確認が一層に困難になると考えられる。この点、レーザ溶接後においてレーザ照射側の導体幅が反照射側の導体幅よりも小さくなる構成としたため、溶接深さの確認を適正に実施でき、ひいては固定子巻線の品質向上を図ることができる。
手段5では、前記コイルエンド部には、軸方向において前記露出部を含む範囲で、絶縁樹脂により樹脂封止部が設けられている。
コイルエンド部には、軸方向において露出部を含む範囲で、絶縁樹脂により樹脂封止部が設けられている。これにより、導線間の絶縁性を良好な状態で維持することができる。
手段6では、前記固定子巻線は、前記固定子コアのスロットに径方向に多層に前記導線が収容された状態で設けられ、前記コイルエンド部において、前記露出部どうしが接続されてなる複数の軸方向端部が径方向及び周方向に並ぶように配置されており、前記樹脂封止部は、前記複数の軸方向端部をまとめて封止し、かつ前記固定子コアの軸方向端面に沿って延びる円環状をなしており、前記樹脂封止部における径方向内側の内周側側面と径方向外側の外周側側面とが、軸方向外側で互いに近づく向きで軸方向に対して傾斜しており、径方向に並ぶ複数の前記軸方向端部のうち最も径方向内側となる軸方向端部の前記露出部と、最も径方向外側となる軸方向端部の前記露出部とにおいて、前記樹脂封止部の前記内周側側面及び前記外周側側面にそれぞれ対向する面が、それら内周側側面及び外周側側面と同じ向きで軸方向に対して傾斜している。
コイルエンド部に、導線の露出部どうしが接続されてなる複数の軸方向端部が径方向及び周方向に並ぶように配置されている構成において、複数の軸方向端部をまとめて封止し、かつ固定子コアの軸方向端面に沿って円環状をなすように樹脂封止部を設けたため、コイルエンド部における多数の軸方向端部に対して適正に樹脂封止部を設けることができる。また、径方向に並ぶ複数の軸方向端部のうち最も径方向内側となる軸方向端部の露出部と、最も径方向外側となる軸方向端部の露出部とにおいて、樹脂封止部の内周側側面及び外周側側面にそれぞれ対向する面が、それら内周側側面及び外周側側面と同じ向きで軸方向に対して傾斜している構成とした。これにより、樹脂封止部の内周側と外周側とにおいて、露出部までの絶縁樹脂の厚さの均一化を図ることができる。したがって、線膨張係数の差に応じて導体と絶縁樹脂とで熱膨張に差が生じても、露出部に対して作用する荷重を均等化することができる。これにより、固定子巻線の保護を図ることができる。
手段7では、溶接により接続された2つの前記露出部の間に、溶融導体により形成された溶接部と、未溶融の導体が互いに対向する非溶接部とを有し、前記各露出部の前記非溶接部が互いに接している。
コイルエンド部において、各露出部が絶縁樹脂により封止されている構成では、溶接により接続された2つの露出部の間に絶縁樹脂が入り込んでいると、導体と絶縁樹脂との線膨張係数の差に起因して、露出部どうしの溶接部にせん断が生じることが懸念される。この点、溶接により接続された2つの露出部の間において非溶接部が互いに接するようにしたため、導体と絶縁樹脂との線膨張係数の差に起因する溶接部のせん断を抑制することができる。
手段8は、
固定子コアと、前記固定子コアに設けられた固定子巻線と、を備え、
前記固定子巻線は、導体が絶縁被膜により被覆された平角状の複数の導線からなり、
当該導線の先端部には、前記導体が露出した露出部が形成されており、
前記固定子巻線のコイルエンド部において、異なる前記導線の前記露出部どうしが溶接により接続されている固定子の製造方法であって、
前記固定子コアに対して前記導線を組み付ける組み付け工程と、
その組み付け後に、前記コイルエンド部において、異なる前記導線の前記露出部どうしをレーザ照射により溶接する溶接工程と、を有し、
前記溶接工程において、前記露出部どうしが圧接された状態で、前記露出部どうしの接合部に対してレーザ照射を行い、前記露出部どうしの接合方向における導体幅が、前記各露出部のレーザ照射が行われた側であるレーザ照射側で、その反対側である反照射側よりも小さくなる状態とすることを特徴とする。
固定子の製造時における溶接工程において、導線の露出部どうしが圧接された状態で、露出部どうしの接合部に対してレーザ照射を行い、露出部どうしの接合方向における導体幅が、各露出部のレーザ照射が行われた側であるレーザ照射側で、その反対側である反照射側よりも小さくなる状態とするようにした。この場合、露出部どうしの接合部分においてレーザ照射側と反照射側とでレーザによる溶融度合が相違し、レーザ照射側の方が溶融度合が大きくなること、レーザ溶接の深さに相関してレーザ照射方向での溶融度合の差が生じることを考慮することで、各露出部での溶融による寸法変化によりレーザ溶接の深さを把握することができる。つまり、レーザ照射側の導体幅が反照射側の導体幅よりも小さいことは、各露出部での溶融が適正に行われたことを意味する。これにより、適正なレーザ溶接が行われた固定子を提供することができる。
手段9では、前記溶接工程での溶接後において、前記レーザ照射側の前記導体幅と前記反照射側の前記導体幅との比較により前記露出部どうしの溶接部の検査を行う検査工程を有する。
溶接深さに応じてレーザ照射側と反照射側とで導体幅の差が変化することを考慮しつつ、溶接部の出来映えを適正に管理することができる。
固定子の斜視図。 固定子の正面図。 固定子巻線と固定子コアの一部とを示す斜視図。 スロット内に収容された状態の一部の導体セグメントを示す図。 複数の導体セグメントが互いに接続された状態を示す斜視図。 導体セグメントにおける露出部付近の構成を拡大して示す正面図。 図6の7-7線断面図。 複数の軸方向端部が径方向に並ぶ状態を示す図。 固定子の斜視図。 径方向に並ぶ軸方向端部と樹脂封止部とを示す図。 溶接工程を説明するための図。 第2実施形態における固定子の斜視図。 第2実施形態における固定子の正面図。 複数の導体セグメントが互いに接続された状態を示す斜視図。 導体セグメントどうしの接続に関する構成を示す図。 図15の16-16線断面図。
以下、本発明に係る回転電機の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態及び変形例相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。この実施形態の回転電機としてのモータは、例えば車両用の電動機や、飛行体用の電動機として用いられる。
(第1実施形態)
本実施形態の回転電機は、永久磁石同期電動機をはじめ、巻線界磁型や誘導機に適用できるものであり、3相巻線を有する回転電機である。回転電機は、図1に示す円筒形状の固定子10や、固定子10の径方向内側に配置される回転子(図示略)など、を備える。回転子は、固定子10に対して、回転軸を中心にして回転可能に配置されている。以下、軸方向とは、固定子10の軸方向、すなわち回転子の回転軸の軸方向のことを示し、径方向とは、固定子10の径方向、すなわち回転子の回転軸の中心を通りかつ回転軸に直交する方向のことを示し、周方向とは、固定子10の周方向、すなわち回転子の回転軸を中心とする周回方向のことを示す。
図1及び図2に示すように、固定子10は、円環状をなす固定子コア11と、その固定子コア11に巻装された固定子巻線12とを備えている。本実施形態の回転電機は、インナロータ型の回転電機であり、固定子10の径方向内側に、回転子が回転可能な状態で配置されるようになっている。固定子巻線12は、相ごとの相巻線としてU相巻線、V相巻線及びW相巻線を有する3相巻線である。固定子巻線12において、軸方向に固定子コア11に重複する範囲がスロット内コイル部CSであり、軸方向両側で固定子コア11よりも軸方向外側となる部分がコイルエンド部CE1,CE2である。
図3に示すように、固定子コア11は、円環状のバックヨーク21と、バックヨーク21から径方向内側へ突出し周方向に所定距離を隔てて配列された複数のティース22とを有し、隣り合うティース22の間にスロット23が形成されている。スロット23は、径方向を長手として延びる開口形状をなし、固定子コア11において周方向に等間隔で設けられている。そして、そのスロット23に巻装された状態で固定子巻線12が設けられている。固定子コア11は、例えば磁性体である電磁鋼板からなるコアシートが軸方向に積層されたコアシート積層体として構成されている。
固定子巻線12は、3相巻線がY結線(星形結線)により接続されることにより構成されている。固定子巻線12は、不図示のインバータを介して電源から電力(交流電力)が供給されることで磁束を発生する。固定子巻線12は、略U字状の分割導体としての複数の導体セグメント30を用いて構成されている。以下、固定子巻線12のセグメント構造について詳しく説明する。
図4は、導体セグメント30と固定子コア11の一部とを示す斜視図である。図4に示すように、導体セグメント30は、略U字状をなし、直線状をなす一対の直線部31と、一対の直線部31どうしを繋ぐように屈曲形成されたターン部32とを有している。一対の直線部31は、固定子コア11の軸方向の厚さよりも長い長さを有している。導体セグメント30は、横断面が矩形状をなす導体(対向する一対の平面部を有する導体)を絶縁被膜により被覆した平角導線を用いて構成されており、各直線部31の先端部は、絶縁被膜が切除されることで導体が露出した露出部33となっている。
固定子コア11のスロット23には、複数の導体セグメント30が径方向に一列に並べられた状態で挿入される。本実施形態では、スロット23内に、導体セグメント30の各直線部31を7層に積層した状態で収容する構成としている。導体セグメント30において、一対の直線部31は所定のコイルピッチを隔てた2つのスロット23にそれぞれ収容される。直線部31のうち、スロット23内に収容された部分が、固定子巻線12のうちスロット内コイル部CSに相当する。なお、スロット23内には、固定子コア11と固定子巻線12(導体セグメント30)との間を電気絶縁する絶縁シート24が設けられている。絶縁シート24は、スロット23内に挿入される複数の導体セグメント30をまとめて囲むように折り曲げられ、スロット23内において固定子コア11の内周面(内壁面)と導体セグメント30との間に挟まれた状態で設けられている。
導体セグメント30の一対の直線部31は、2つのスロット23において径方向位置を1つずらしてそれぞれ収容されている。例えば一方の直線部31が径方向奥側(バックヨーク側)からn番目の位置に収容される場合、他方の直線部31は径方向奥側からn+1番目の位置に収容されるようになっている。
固定子コア11のスロット23に対する各導体セグメント30の挿入に際し、各導体セグメント30の直線部31は、固定子コア11の軸方向両端の第1端側及び第2端側のうち第1端側から挿入され、その直線部31の先端部が第2端側から突出する。この場合、固定子コア11の第1端側では、導体セグメント30のターン部32により一方のコイルエンド部CE1が形成される。また、固定子コア11の第2端側では、各直線部31の反ターン部側が周方向に屈曲され、かつ互いに異なる導体セグメント30の直線部31どうしが接続されることにより、他方のコイルエンド部CE2が形成される。各コイルエンド部CE1,CE2の概要は図2に示すとおりである。
図5は、複数の導体セグメント30が互いに接続された状態を示す斜視図である。導体セグメント30において、一対の直線部31の反ターン部側(図の上側端部)は、周方向に延びる渡り部30aと、渡り部30aから屈曲されて軸方向に延びる導線先端部30bとを有し、導線先端部30bに露出部33が設けられている。そして、異なる導体セグメント30における導線先端部30bの露出部33どうしが径方向に互いに接合された状態で、それら露出部33どうしがレーザ溶接により接続されている。なお、導体セグメント30は、各直線部31の反ターン部側において渡り部30aがターン部32と同じ側に屈曲されているものと、渡り部30aがターン部32とは逆側に屈曲されているものとを含む。
図3で言えば、コイルエンド部CE2において、導体セグメント30は、固定子コア11の軸方向端面(図の上端面)から突出し、コア端面に対して所定の角度をもって斜行するように周方向へ屈曲されている。また、異なる導体セグメント30の先端部(導線先端部30b)の露出部33どうしがレーザ溶接により接合されることで、複数の導体セグメント30が接続されている。コイルエンド部CE2では、露出部33どうしが接続されることで固定子巻線12の軸方向端部AXが形成されており、複数の軸方向端部AXが径方向及び周方向に並ぶように配置されている。
図6は、導体セグメント30における露出部33付近の構成を拡大して示す正面図である。導体セグメント30は、線状の導体34と、その導体34を被覆する絶縁被膜35とを有しており、導線先端部30bにおいて導体34が露出した部分が露出部33となっている。各導体セグメント30において、渡り部30aは周方向(図の左右方向)に延びる一方、導線先端部30bは軸方向(図の上下方向)に延び、かつ露出部33どうしが径方向(図面直交方向)に重ねられた状態で溶接により接続されている。
図6において、Wが導体34の溶融により形成された溶接部である。露出部33どうしの接合部分では、図の上方、すなわち軸方向において反コア側からレーザが照射されることでレーザ溶接が行われるものとなっている。つまり、図の上下方向がレーザ照射方向であり、露出部33において図の上側がレーザ照射側、下側が反照射側となっている。
ところで、導体セグメント30の露出部33どうしが溶接される構成において、その溶接部Wにおける溶接の深さ、すなわち溶接の出来映えを外観から確認することは困難であることが考えられる。この点、本実施形態では、溶接部Wにおいて溶接の深さ方向(レーザ照射方向)で導体34の溶融度合が異なり、レーザ照射側では溶融度合が大きく、反照射側では溶融度合が小さいこと、さらにはその導体34の溶融度合の差異により露出部33どうしの接合方向(導体接合方向)における導体幅が軸方向で相違することに着目し、導体接合方向における導体幅に応じて溶接の深さを判断できるようにしている。
以下に、導体セグメント30の露出部33の溶接に関する構成をより詳しく説明する。図7は、導体セグメント30の各露出部33をその接合部分を横断する向きで切断した縦断面図であり、これは図6の7-7線断面図に相当する。図7において左右方向が径方向である。
図7に示すように、導体セグメント30の先端部では露出部33どうしの間が溶接部Wとなっており、その溶接部Wは、レーザ照射側である露出部33の上部から反照射側である露出部33の下部に向けて形成されている。各露出部33において、溶接部Wはレーザ溶接の際に導体34が溶融された部分であり、溶接部W以外は溶融されていない部分である。この場合、軸方向においてレーザ照射側は、導体接合方向の非溶融範囲が小さく(すなわち溶融範囲が大きく)、反照射側は、導体接合方向の非溶融範囲が大きく(すなわち溶融範囲が小さく)なっている。これにより、導体接合方向における導体幅が軸方向で異なり、レーザ照射側の導体幅L1が反照射側の導体幅L2よりも小さくなっている(L1<L2)。この構成において、レーザ照射側の導体幅L1が反照射側の導体幅L2よりも小さいことは、各露出部33での溶融が適正に行われたことを意味する。したがって、互いに接合された露出部33での導体幅L1,L2によれば、適正なレーザ溶接が行われたことの確認が可能となっている。
溶接により接続された2つの露出部33の間には、溶融導体により形成された溶接部Wが存在することに加え、未溶融の導体が互いに対向する非溶接部UWが存在する。この場合、各露出部33の非溶接部UWは互いに接しており、それ故に、2つの露出部33の間には隙間が無い構成となっている。ここで、軸方向(レーザ照射方向)において露出部33の1/2以上の範囲で溶接部Wが設けられ、残りの範囲である非溶接部UWで露出部33どうしが互いに接しているとよい。
また、露出部33どうしが接合された接合境界部において、レーザ照射側には溶融導体からなる盛り上がり部36が形成されている。この盛り上がり部36は、互いに接合された2つの露出部33において、レーザ照射側の導体幅L1が反照射側の導体幅L2よりも小さくなることに伴い形成された余剰導体による膨出部である。
図8は、コイルエンド部CE2において複数の軸方向端部AXが径方向に並ぶ状態を示す図である。上述したとおり、接合された2つの露出部33はレーザ照射側の導体幅L1が反照射側の導体幅L2よりも小さくなっている。そのため、2つ1組の各露出部33からなる軸方向端部AXは、径方向における互いの離間距離が大きくなり、絶縁性が向上するようになっている。
各導体セグメント30は、周方向に並ぶ各スロット23に収容されている一方、各スロット23において径方向に多層に並ぶ状態で設けられている。この場合、周方向における各軸方向端部AXどうしの離間距離と、径方向における各軸方向端部AXどうしの離間距離とを比べると、後者(径方向の離間距離)の方が短くなる。そのため、径方向に並ぶ各軸方向端部AXについて、意図しない絶縁失陥の懸念がある。
この点、本実施形態では、露出部33どうしが径方向に接合した状態で溶接され、接合された2つの露出部33の導体幅について、レーザ照射側の導体幅L1が反照射側の導体幅L2よりも小さくなっている。そのため、レーザ照射側の導体幅L1が反照射側の導体幅L2と同寸法である構成に比べて、径方向における各軸方向端部AXの互いの離間距離を広げることができる。特に、各露出部33が径方向に重ねられた状態でレーザ溶接により接続される本実施形態の構成では、各露出部33が周方向に重ねられた構成に比べて各軸方向端部AXが互いに近くなるが、かかる構成であっても、適正な絶縁を実現できる。
コイルエンド部CE2は絶縁樹脂により封止されており、その構成を図9及び図10に示す。図10には、露出部33どうしが接続されてなる軸方向端部AXが径方向に並ぶ状態を示すとともに、樹脂封止部41を仮想線で示している。これらの各図に示すように、コイルエンド部CE2には、絶縁樹脂により環状の樹脂封止部41が設けられている。
図10に示すように、樹脂封止部41は、軸方向において導体セグメント30の露出部33を含む範囲で設けられている。すなわち、樹脂封止部41の軸方向の範囲は、導体セグメント30において露出部33を含み、かつ固定子コア11の軸方向端面から離れた位置までとなっている。この場合、樹脂封止部41とコア端面との間に、樹脂封止のない領域が設けられていることにより、その領域を、固定子巻線12を冷却するコイル冷却部として用いることが可能になっている。なお、固定子巻線12の冷却としては、冷媒として冷却油又は冷却水を用いる冷却(油冷、水冷)や、空気による冷却(空冷)などが想定される。
樹脂封止部41は、径方向及び周方向に並ぶ複数の軸方向端部AXをまとめて封止し、かつ固定子コア11の軸方向端面に沿って延びる円環状をなしている。樹脂封止部41において、径方向両側の側面41a,41bはそれぞれ径方向内側の内周側側面、径方向外側の外周側側面であり、それら各側面41a,41bが、軸方向外側で互いに近づく向きで軸方向に対して傾斜している。樹脂封止部41の各側面41a,41bの傾斜は、封止部成形時の抜き勾配である。そして、径方向に並ぶ複数の軸方向端部AXのうち最も径方向内側となる軸方向端部AXの露出部33と、最も径方向外側となる軸方向端部AXの露出部33とにおいて、樹脂封止部41の各側面41a,41bにそれぞれ対向する面が、それら各側面41a,41bと同じ向きで軸方向に対して傾斜するものとなっている。
この場合、径方向両側の側面41a,41bは軸方向に対して傾斜する向きで設けられ、その傾斜の角度は、露出部33の傾斜の角度に合わせたものとなっているとよい。つまり、樹脂封止部41の各側面41a,41bは、径方向に並ぶ軸方向端部AXのうち最も径方向内側となる軸方向端部AXの露出部33と、最も径方向外側となる軸方向端部AXの露出部33とに対して、それぞれ絶縁樹脂の厚さD1,D2が均一になるように設けられているとよい。これにより、線膨張係数の差に応じて導体34と樹脂封止部41の絶縁樹脂とで熱膨張に差が生じても、露出部33に対して作用する荷重を均等化できるものとなっている。
また、上述したように、溶接により接続された2つの露出部33の間には、溶融導体により形成された溶接部Wと、未溶融の導体が互いに対向する非溶接部UWとが存在し、各露出部33の非溶接部UWは互いに接している。そのため、各軸方向端部AXにおいて2つの露出部33の間には絶縁樹脂が入り込んでおらず、導体と絶縁樹脂との線膨張係数の差に起因して露出部33どうしの溶接部Wにせん断が生じるといった不都合が抑制されるものとなっている。
次に、固定子10の製造方法について説明する。その製造方法は、大別して、固定子コア11に対して導体セグメント30を組み付ける組み付け工程と、導体セグメント30の露出部33どうしの接合部分に対してレーザを照射することにより露出部33どうしをレーザ溶接する溶接工程と、溶接後の検査工程とを有するものとなっている。
組み付け工程では、固定子コア11の各スロット23に対して複数の導体セグメント30を挿入する。また、軸方向一端側で、導体セグメント30の直線部31の突出部分を周方向に屈曲させることで、異なる導体セグメント30の露出部33どうしが径方向に互いに対向する状態とする。
溶接工程では、導体セグメント30の露出部33どうしの接合部分に、レーザを照射してレーザ溶接を行う。図11(a)~(c)は、レーザ溶接を行う際における各露出部33の状態の変化を示す図である。
図11(a)では、各導体セグメント30の露出部33どうしが径方向に互いに対向する状態となっている。これが溶接直前の状態であり、各露出部33において接合方向(図の左右方向)の導体幅は、それぞれ軸方向のいずれの位置においても同一である。この状態では、各露出部33の互いの接合面とは逆側の側面33aが、互いに略平行である。なお、図11(a)では、露出部33どうしの内側の対向面が互いに離間しているが、例えば少なくとも各露出部33の内側で導体露出範囲を拡張させることで、露出部33の各対向面を互いに接触させる状態とすることも可能である。
その後、図11(b)に示すように、2つの露出部33の各側面33aに一対の押圧プレートPLを押し付けた状態で、レーザ溶接が行われる。このとき、一対の押圧プレートPLにより露出部33どうしが圧接された状態で、露出部33どうしの接合部分に対して軸方向外側からレーザが照射される。これにより、レーザ照射に伴い露出部33が溶融し、その溶融範囲が軸方向下向きに徐々に拡張される。また、露出部33どうしが圧接されていることにより、露出部33の溶融に伴い、露出部33どうしが互いに近づく側に寄り合うこととなる。
ここで、レーザ溶接の深さ、すなわち溶融導体が溜まることで形成される溶融池の軸方向の深さと、レーザ照射側及び反照射側の溶融量の差とは相関している。具体的には、レーザ溶接の深さ(溶融池の深さ)が深いほど、レーザ照射側の溶融量が多くなり、レーザ照射側及び反照射側の溶融量の差が大きくなる。また、レーザ照射側及び反照射側の溶融量の差に応じて、露出部33どうしが互いに寄り合う度合いが変わり、各露出部33における反接合側の側面33aの間の距離が変化する。
そして、図11(c)に示すように、溶接の最深部が露出部33の終端部付近に達すると、すなわち溶接の深さが露出部33の軸方向長さと略同じになると、レーザ溶接が終了される。このとき、露出部33どうしの接合方向においてレーザ照射側の導体幅L1が反照射側の導体幅L2よりも小さくなっている。また、露出部33どうしが互いに接合された接合境界部では、未溶融の導体が互いに対向する非溶接部UWが存在することが想定されるが、各露出部33の非溶接部UWは互いに接し、2つの露出部33の間には隙間が無い構成となっている。なお、導体セグメント30において露出部33の境界部付近の絶縁被膜35はレーザの熱により溶解し、露出部33どうしが互いに接する状態となっている。溶接工程では、所望とする導体幅L1,L2の比率に応じて、レーザの強さなどの溶接条件が調整されるとよい。
また、レーザ溶接時には、露出部33どうしの圧接によりレーザ照射側で露出部33どうしが寄り合うことで、溶解導体が軸方向外側にはみ出し、盛り上がり部36が形成される。
レーザ溶接の完了後には、レーザ照射側の導体幅L1と反照射側の導体幅L2との比較により露出部33どうしの溶接部Wの検査が行われる(検査工程)。このとき、レーザ照射側の導体幅L1が反照射側の導体幅L2より小さくなっており、かつそれら導体幅L1,L2の比率が所定範囲内になっていることにより、レーザ溶接の深さが所望の深さであり、各露出部33での溶融が適正に行われたことが判断される。
その後、コイルエンド部CE2において樹脂封止部41が形成される。例えば液状の樹脂材料が入っている封止部成形容器にコイルエンド部CE2を浸漬させ、その状態で樹脂封止部41を成形するとよい。このとき、前述したように2つの露出部33の間には隙間が無いため、露出部33どうしの間に樹脂材料が入り込むことが抑制される。
上記実施形態によれば、以下の優れた効果を有する。
露出部33どうしが溶接される構成において、レーザ溶接の深さに相関して、接合面におけるレーザ照射側及び反照射側で溶融量に差が生じ、溶融量に応じて露出部33どうしの導体幅に変化が生じるため、導体幅の変化から露出部33どうしのレーザ溶接の深さを把握することができる。この点、固定子巻線12では、導体セグメント30の露出部33どうしが溶接されており、露出部33どうしの接合方向における導体幅が、各露出部33のレーザ照射が行われた側であるレーザ照射側で、その反対側である反照射側よりも小さくなっている。この構成において、レーザ照射側の導体幅L1が反照射側の導体幅L2よりも小さいことは、各露出部33での溶融が適正に行われたことを意味する。したがって、適正なレーザ溶接が行われた固定子10を提供することができる。
互いに接合された2つの露出部33において、レーザ照射側の導体幅L1が反照射側の導体幅L2よりも小さくなっており、かつレーザ照射側には溶融導体からなる盛り上がり部36が形成されている。この構成では、導体の溶融によりレーザ照射側に盛り上がり部36が形成されたことが分かる。つまり、レーザ照射側で導体の溶融が進み、露出部33どうしが互いに寄り合うことにより、溶融導体のはみ出しが生じたものであることが分かる。したがって、盛り上がり部36が各露出部33での融解が適正に行われたことの目印となる。これにより、溶接の状態を外観から把握することが可能となる。
露出部33どうしの接合方向における導体幅についてレーザ照射側の導体幅L1が反照射側の導体幅L2よりも小さくなっていることにより、レーザ照射側の導体幅L1が反照射側の導体幅L2と同寸法である構成に比べて、各軸方向端部AXの互いの離間距離(絶縁距離)を広げることができる。特に、各露出部33が径方向に重ねられた状態でレーザ溶接により接続される構成では、各露出部33が周方向に重ねられた構成に比べて各軸方向端部AXが互いに近くなるが、かかる構成であっても、適正な絶縁を実現できる。
コイルエンド部CE2には、軸方向において露出部33を含む範囲で、絶縁樹脂により樹脂封止部41が設けられている。これにより、導体セグメント30間の絶縁性を良好な状態で維持することができる。
コイルエンド部CE2に、固定子巻線12の軸方向端部AXが径方向及び周方向に並ぶように配置されている構成において、複数の軸方向端部AXをまとめて封止し、かつ固定子コア11の軸方向端面に沿って円環状をなすように樹脂封止部41を設けたため、コイルエンド部CE2における多数の軸方向端部AXに対して適正に樹脂封止部41を設けることができる。また、径方向に並ぶ複数の軸方向端部AXのうち最も径方向内側となる軸方向端部AXの露出部33と、最も径方向外側となる軸方向端部AXの露出部33とにおいて、樹脂封止部41の各側面41a,41b(内周側側面及び外周側側面)にそれぞれ対向する面が、それら各側面41a,41bと同じ向きで軸方向に対して傾斜している構成とした。これにより、樹脂封止部41の内周側と外周側とにおいて、露出部33までの絶縁樹脂の厚さの均一化を図ることができる。したがって、線膨張係数の差に応じて導体と絶縁樹脂とで熱膨張に差が生じても、露出部33に対して作用する荷重を均等化することができる。これにより、固定子巻線12の保護を図ることができる。
溶接部Wを、レーザ照射方向において露出部33の1/2以上の範囲で設けるとともに、各露出部33の非溶接部UWが互いに接する構成とした。これにより、信頼性の高い溶接部Wを形成することができる。
また、コイルエンド部CE2において、各露出部33が絶縁樹脂により封止されている構成では、溶接により接続された2つの露出部33の間に絶縁樹脂が入り込んでいると、導体と絶縁樹脂との線膨張係数の差に起因して、露出部33どうしの溶接部Wにせん断が生じることが懸念される。この点、溶接により接続された2つの露出部33の間において非溶接部UWが互いに接するようにしたため、導体と絶縁樹脂との線膨張係数の差に起因する溶接部のせん断を抑制することができる。
固定子10の製造時における溶接工程において、露出部33どうしが圧接された状態で、露出部33どうしの接合部に対してレーザ照射を行い、導体接合方向におけるレーザ照射側の導体幅L1が反照射側の導体幅L2よりも小さくなる状態とした。これにより、適正にレーザ溶接が行われた固定子10を製造することができる。
レーザ溶接後の検査工程では、レーザ照射側の導体幅L1と反照射側の導体幅L2との比較を行うことで、レーザ溶接に関する検査を適正に行い、ひいては溶接部Wの出来映えを適正に管理することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態における固定子巻線12を説明する。図12は、第2実施形態における固定子10の斜視図であり、図13は、第2実施形態における固定子10の正面図である。第2実施形態では、導体セグメント30の構成が第1実施形態とは異なっており、図5に示す第1実施形態の導体セグメント30の構成との相違点を中心に説明する。
図14は、複数の導体セグメント30が互いに接続された状態を示す斜視図である。導体セグメント30において、一対の直線部31の反ターン部側は、周方向に延びる渡り部30aを有し、その渡り部30aに露出部33が設けられている。そして、異なる導体セグメント30の露出部33どうしが径方向に互いに接合された状態で、それら露出部33どうしがレーザ溶接により接続されている。つまり、図14の構成では、図5の構成とは異なり、導体セグメント30が軸方向に延びる導線先端部30bを有しておらず、周方向に延びる渡り部30aの周方向先端部である露出部33どうしが溶接により接続されるものとなっている。コイルエンド部CE2は、周方向の一定方向に延びる導線(直線部31)の先端部と、周方向の一定方向とは逆向き方向に延びる他の導線(直線部31)の先端部とが互いに接続されることで構成されている。
本実施形態では、図15(a)に示すように、導体セグメント30の露出部33において、軸方向に外側となる軸方向外側面33b、すなわち図の上面が、軸方向外側に凸となる円弧面となっている。また、露出部33において軸方向外側面33b以外の各面、すなわち軸方向内側面、径方向外側面、径方向内側面の3面がいずれも平坦面となっている。そして、図15(b)に示すように、各導体セグメント30の露出部33どうしが径方向に重ねられることで互いに接合され、その状態でレーザ溶接により接続されている。この場合、露出部33どうしは、各々の軸方向外側面33bが略面一となる状態で互いに接合されており、その軸方向外側面33b(図の上面)をレーザ照射面としてレーザ溶接が行われる。なお、露出部33どうしが対向する部分は、軸方向よりも周方向が長い横長状になっている。レーザ溶接の際には、円弧状の軸方向外側面33bに沿って、周方向の所定範囲でレーザの走査が行われる。
露出部33どうしの接合部分では、図の上方からレーザが照射されることで、露出部33における導体34の溶融により図示のごとく溶接部Wが形成されている。この場合、図15(b)の16-16線断面図である図16に示すように、軸方向のレーザ照射側と反照射側とで導体34の溶融度合が異なっている。つまり、軸方向においてレーザ照射側は、導体接合方向の非溶融範囲が小さく(すなわち溶融範囲が大きく)、反照射側は、導体接合方向の非溶融範囲が大きく(すなわち溶融範囲が小さく)なっている。これにより、導体接合方向における導体幅が軸方向で異なっており、レーザ照射側の導体幅L11が反照射側の導体幅L12よりも小さくなっている(L11<L12)。この構成において、レーザ照射側の導体幅L11が反照射側の導体幅L12よりも小さいことは、各露出部33での溶融が適正に行われたことを意味し、この構成によれば、適正なレーザ溶接が行われたことの確認が可能となっている。また、露出部33どうしが接合された接合境界部において、レーザ照射側には溶融導体からなる盛り上がり部36が形成されている。
導体セグメント30の溶接工程では以下のようにレーザ溶接が行われる。なお、溶接工程は、図11で説明した手順に準ずるものとなっている。
露出部33どうしが一対の押圧プレートPL(図11参照)により圧接された状態において、露出部33どうしの接合面に対して固定子コア11とは反対側からレーザ照射が行われることでレーザ溶接が行われる。このとき、レーザ溶接の深さに相関して、接合面におけるレーザ照射側及び反照射側で溶融量に差が生じることで、溶融量に応じて露出部33どうしの導体幅に変化が生じ、レーザ照射側の導体幅L1が反照射側の導体幅L2よりも小さくなる。
ここで、周方向に互いに逆側から延びる導体セグメント30の渡り部30aの先端部(周方向先端部)にそれぞれ露出部33が形成され、その周方向先端部がレーザ溶接により接続されている構成では、各導体セグメント30において露出部33を含む先端部が軸方向に延び、その軸方向に延びる先端部(軸方向先端部)がレーザ溶接により接続されている構成に比べて、溶接深さの確認が一層に困難になると考えられる。
この点、本実施形態では、レーザ照射側の導体幅L1が反照射側の導体幅L2よりも小さくなっており、この構成から露出部33どうしの溶接が適正に行われていること、すなわち露出部33どうしのレーザ溶接の深さが一定以上の深さであり、レーザ溶接による各露出部33での溶融が適正に行われていることを判断することができる。
(変形例)
上記各実施形態において、その構成の一部を変更してもよい。
・固定子巻線12はセグメント構造でなくてもよい。この場合、固定子巻線12の相ごとに設けられる各相巻線において複数の導線がレーザ溶接により接続される構成とする一方、露出部どうしの接合方向における導体幅が、各露出部のレーザ照射が行われた側であるレーザ照射側で、その反対側である反照射側よりも小さくなっている構成になっていればよい。
・上記実施形態では、固定子巻線12のコイルエンド部CE2に樹脂封止部41が設けられていたが、この樹脂封止部41が設けられていない構成であってもよい。
10…固定子、11…固定子コア、12…固定子巻線、30…導体セグメント、33…露出部、34…導体、35…絶縁被膜、CE2…コイルエンド部。

Claims (9)

  1. 固定子コア(11)と、前記固定子コアに設けられた固定子巻線(12)と、を備え、
    前記固定子巻線は、導体(34)が絶縁被膜(35)により被覆された平角状の複数の導線(30)からなり、
    当該導線の先端部には、前記導体が露出した露出部(33)が形成されており、
    前記固定子巻線のコイルエンド部(CE2)において、異なる前記導線の前記露出部どうしがレーザ溶接により接続されており、
    前記露出部どうしの接合方向における導体幅が、前記各露出部のレーザ照射が行われた側であるレーザ照射側で、その反対側である反照射側よりも小さくなっている、固定子(10)。
  2. 前記露出部どうしが接合された接合境界部において、前記レーザ照射側には溶融導体からなる盛り上がり部(36)が形成されている、請求項1に記載の固定子。
  3. 前記固定子巻線は、前記固定子コアのスロットに径方向に多層に前記導線が収容された状態で設けられ、
    前記コイルエンド部において、前記露出部どうしが接続されてなる複数の軸方向端部(AX)が径方向及び周方向に並ぶように配置されており、
    前記軸方向端部における前記各露出部は、径方向に重ねられた状態でレーザ溶接により接続されている、請求項1又は2に記載の固定子。
  4. 前記コイルエンド部は、前記固定子コアの軸方向外側において周方向の一定方向に延びる前記導線の先端部と、周方向の前記一定方向とは逆向き方向に延びる他の前記導線の先端部とが互いに接続されることで構成されており、
    周方向に互いに逆側から延びる前記導線の先端部にそれぞれ前記露出部が形成され、それら各露出部どうしがレーザ溶接により接続されており、前記露出部どうしの接合方向における導体幅が前記レーザ照射側で前記反照射側よりも小さくなっている、請求項1~3のいずれか1項に記載の固定子。
  5. 前記コイルエンド部には、軸方向において前記露出部を含む範囲で、絶縁樹脂により樹脂封止部(41)が設けられている、請求項1~4のいずれか1項に記載の固定子。
  6. 前記固定子巻線は、前記固定子コアのスロットに径方向に多層に前記導線が収容された状態で設けられ、
    前記コイルエンド部において、前記露出部どうしが接続されてなる複数の軸方向端部(AX)が径方向及び周方向に並ぶように配置されており、
    前記樹脂封止部は、前記複数の軸方向端部をまとめて封止し、かつ前記固定子コアの軸方向端面に沿って延びる円環状をなしており、
    前記樹脂封止部における径方向内側の内周側側面と径方向外側の外周側側面とが、軸方向外側で互いに近づく向きで軸方向に対して傾斜しており、
    径方向に並ぶ複数の前記軸方向端部のうち最も径方向内側となる軸方向端部の前記露出部と、最も径方向外側となる軸方向端部の前記露出部とにおいて、前記樹脂封止部の前記内周側側面及び前記外周側側面にそれぞれ対向する面が、それら内周側側面及び外周側側面と同じ向きで軸方向に対して傾斜している、請求項5に記載の固定子。
  7. 溶接により接続された2つの前記露出部の間に、溶融導体により形成された溶接部と、未溶融の導体が互いに対向する非溶接部とを有し、前記各露出部の前記非溶接部が互いに接している、請求項5又は6のいずれか1項に記載の固定子。
  8. 固定子コア(11)と、前記固定子コアに設けられた固定子巻線(12)と、を備え、
    前記固定子巻線は、導体(34)が絶縁被膜(35)により被覆された平角状の複数の導線(30)からなり、
    当該導線の先端部には、前記導体が露出した露出部(33)が形成されており、
    前記固定子巻線のコイルエンド部(CE2)において、異なる前記導線の前記露出部どうしが溶接により接続されている固定子(10)の製造方法であって、
    前記固定子コアに対して前記導線を組み付ける組み付け工程と、
    その組み付け後に、前記コイルエンド部において、異なる前記導線の前記露出部どうしをレーザ照射により溶接する溶接工程と、を有し、
    前記溶接工程において、前記露出部どうしが圧接された状態で、前記露出部どうしの接合部に対してレーザ照射を行い、前記露出部どうしの接合方向における導体幅が、前記各露出部のレーザ照射が行われた側であるレーザ照射側で、その反対側である反照射側よりも小さくなる状態とする、固定子の製造方法。
  9. 前記溶接工程での溶接後において、前記レーザ照射側の前記導体幅と前記反照射側の前記導体幅との比較により前記露出部どうしの溶接部の検査を行う検査工程を有する、請求項8に記載の固定子の製造方法。
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