JP2016162643A - 導電部材 - Google Patents

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松本  剛
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Abstract

【課題】
バスバー等の導電部材としての強度を確保しつつ、導電性が高く、構成レイアウトの自由度が高い導電部材を提供する。
【解決手段】
第一の金属部材と、該第一の金属部材と突合せ接合部を形成する第二の金属部材と、
前記第一の金属部材と前記第二の金属部材の前記突合せ接合部の面上に配置されたはんだ接合部と、を有し、前記第一の金属部材及び第二の金属部材の少なくとも一方は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記はんだ接合部は、前記第一の金属部材及び前記第二の金属部材を跨いで形成された環状の隆起部を備える導電部材を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子・電気部品の接続に用いるバスバーなどの導電部材に関する。
ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両に用いられるコンデンサ装置は、充放電を繰り返し行うことから、渦巻き状に捲回されたコンデンサ素子に電極を設け、この電極間を導電部材であるバスバーで接続し通電している。
従来、このような導電部材には高い導電性を確保するために、銅(純銅)又は、銅合金が用いられていた。
ところが近年、環境問題に配慮し、排出ガスの低減等を実現するため、自動車の軽量化が要求されている。特に、重量のある部材の軽量化の動きが加速しており、端子コネクターやバスバーなどの導電部材においては、銅・銅合金材の一部、又は全部をアルミニウム合金材に置き換えて軽量化を図る試みがなされている。
例えば特許文献1では、強度と導電性の高いバスバーを得るために、合金系の異なるアルミニウム合金材を摩擦攪拌接合により接合している。
又、特許文献2ではアルミニウム又はアルミニウム合金材と銅又は銅合金材とを、静水圧押出により超高圧下(1000MPa程度)で金属的結合をさせ接合している。なおここで、金属的結合とは、結合しようとする金属部材間の接合面において、金属組織レベルで密着した結合界面を有する結合状態をいう。
特開2015−15211号公報 特開2011−210480号公報
特許文献1に記載されたバスバーでは、摩擦攪拌接合によりアルミニウム合金材同士を接合している。前記摩擦攪拌接合とは、回転するツールを被接合材に挿入し、回転時の摩擦熱で被接合材を半溶融状態で流動させて結合する方式である。
しかし、この摩擦攪拌接合では接合体としての強度は得られるものの、金属部材同士が金属的結合をしていないため、バスバー等の導電部材として用いるための十分な導電性が確保できないという問題がある。
一方、特許文献2に記載された方式では、静水圧押出により金属部材間の金属的結合が十分確保されるため、高い導電率を確保することができるが、プレス加工が可能なサイズや形状が限定されるため、導電部材を配置するスペースの自由度が制限される場合がある。
本発明は前記課題を解決したものであり、バスバー等の導電部材としての強度を確保しつつ、導電性が高く、構成レイアウトの自由度が高い導電部材を提供することを主の目的とする。
本発明は、第一の金属部材と、該第一の金属部材と突合せ接合部を形成する第二の金属部材と、前記第一の金属部材と前記第二の金属部材の前記突合せ接合部の面上に配置されたはんだ接合部と、を有し、前記第一の金属部材及び第二の金属部材の少なくとも一方は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記はんだ接合部が前記第一の金属部材及び前記第二の金属部材を跨いで形成された環状の隆起部を備える導電部材を提供する。
前記第一の金属部材と前記第二の金属部材との前記突合せ接合部が、高出力ビーム溶接又は摩擦攪拌接合により形成されていてもよい。
又、前記第一の金属部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記第二の金属部材は、銅又は銅合金であってもよい。
更に、前記第一の金属部材及び第二の金属部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金であってもよい。
本発明によれば、バスバー等の導電部材としての強度を確保しつつ、導電性が高く、構成レイアウトの自由度が高い導電部材を提供することができる。
本発明に係る第一の実施形態の導電部材を示す斜視図である。 図1中のA−A線断面図である。 本発明に係る第二の実施形態の導電部材を示す斜視図である。 図1に示す導電部材が備えるはんだ接合部の変形例を示す断面図である。 本発明に係るはんだ接合部を形成するリモートレーザ装置の装置構成を示す概要図である。 図5に示すリモートレーザ装置におけるレーザ走査線を示す模式図である。 前記はんだ接合部の形成時における温度分布と当該はんだ接合部の形成状況の経時変化を示す模式図である。 本発明の比較技術のはんだ接合部の形成時における温度分布と当該はんだ接合部の形成状況の経時変化を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
図1〜図3を用いて、本発明に係る第一の実施形態の導電部材及び第二の実施形態の導電部材について説明する。図1は、本発明に係る第一の実施形態の導電部材を示す斜視図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。また、図3は、本発明の第二の実施形態に係る導電部材を示す斜視図である。以下の説明において、第一の実施形態に係る導電部材と第二の実施形態に係る導電部材と間で共通する構成に関しては、第一の実施形態に係る導電部材が示された図1及び図2を用いて説明する。また、第二の実施形態に係る導電部材の説明において、第一の実施形態に係る導電部材と共通する構成については同一の符号を付し、その説明は割愛し、異なる構成については適宜説明を行う。
前記導電部材1は、平板状に形成された第一の金属部材2と、平板状に形成され、前記第一の金属部材2と接合される第二の金属部材3と、前記第一の金属部材2と第二の金属部材3と間で導電部として機能するはんだ接合部4と、を備える。
前記第一の金属部材2と第二の金属部材3は、互いに端面同士を突き合わせた状態で突き合わせ継ぎ手を構成する。この突き合わせ継ぎ手において、前記第二の金属部材3と対向する第一の金属部材2の突合せ面21と、前記第一の金属部材2と対向する第二の金属部材3の突合せ面31とが接合することにより、前記第一の金属部材2と第二の金属部材3との間に突合せ接合部5が形成される。
前記第一の金属部材2と第二の金属部材3の接合方法は、特に限定されず、公知の接合方法を採用することができ、例えば、レーザビーム溶接や電子ビーム溶接などといった高出力ビーム溶接や、摩擦攪拌接合(以下、「FSW」ともいう)などが挙げられる。第一の実施形態に係る導電部材1では、前記第一の金属部材2と第二の金属部材3がレーザビーム溶接、具体的にはリモートレーザ装置を用いたリモート溶接によって互いに接合されている。一方、第二の実施形態に係る導電部材100では、前記第一の金属部材2と第二の金属部材3が摩擦撹拌接合によって互いに接合されている。第二の実施形態に係る導電部材100は、第一の金属部材2と第二の金属部材3の接合方法のみが第一の実施形態の導電部材1と異なる。
前記第一の金属部材2及び第二の金属部材3の素材は、特に限定されず、導電性を具備する素材であればよい。例えば、前記第一の金属部材2及び第二の金属部材3の素材としては、強度、成形性及び耐食性など、適用する導電部材の特性に応じて、アルミニウム(純アルミ)又はアルミニウム合金等を適宜組み合わせて用いることができる。ここで、アルミニウム(純アルミ)としては、例えばJIS A1000系などを使用することができ、その中でも、加工性が高いことから、JIS A1050が好ましい。また、アルミニウム合金としては、例えばJIS A2000系(Al−Cu系合金)、JIS A3000系(Al−Mn系合金)、JIS A4000系(Al−Si系合金)、JIS A5000系(Al−Mg系合金)、JIS A6000系(Al−Mg−Si系合金)、JIS A7000系(Al−Zn−Mg系合金、Al−Zn−Mg−Cu系合金)などを使用することができ、その中でも、導電性に優れたJIS A6101が好ましい。
また、前記第一の金属部材2及び第二の金属部材3の素材としては、銅又は銅合金を用いることができ、例えば、OFC(Oxygen-Free Copper/無酸素銅)、タフピッチ銅、りん脱酸銅等の純銅の他に、KFC(株式会社神戸製鋼所/登録商標)、Cu-Ni-Si(コルソン合金)等を用いることができる。
更に、第一の金属部材2と第二の金属部材3の素材としては、表面処理がなされていない、所謂裸材でもよいし、Snめっき、亜鉛めっき等の電気めっき処理、亜鉛溶射などの表面処理を行った材料を使用してもよい。
又、この第一の実施形態に係る導電部材1では、第一の金属部材2と第二の金属部材3が平板状に形成されているが、その形状については特に限定されず、当該導電部材1が適用される使用環境を考慮し適宜変更することができる。また、前記アルミニウム又はアルミニウム合金材、銅又は銅合金材の形態は、板材の他に押出材や鋳物材などであってもよい。かかる場合、前記突合せ接合部5以外の部分に曲げ部などを適宜形成することができる。
本発明に係る第一の実施形態の導電部材1において、前記第一の金属部材2及び第二の金属部材3は、少なくとも一方がアルミニウム又はアルミニウム合金であることが好ましい。かかる場合、前記導電部材1の軽量化を図ることができる。
ここで、第一の実施形態に係る導電部材1において、前記第一の金属部材2又は第二の金属部材3の一方がアルミニウム又はアルミニウム合金で、他方が銅又は銅合金である場合は、第一の金属部材2と第二の金属部材3が高出力ビーム溶接により接合されているため、これら第一の金属部材2と第二の金属部材3との間に金属間化合物が形成されるおそれがある。このため、第一の実施形態に係る導電部材1では、前記金属間化合物の形成を抑止するため、前記高出力ビーム溶接に係るビームの中心をアルミニウム等からなる金属部材の方にオフセット(偏らせて)して溶接を行うことが好ましい。
一方で、第一の金属部材2と第二の金属部材3を摩擦撹拌接合により接合する第二の実施形態に係る導電部材100の場合は、摩擦撹拌接合に用いるツールのピンが銅又は銅合金材に接触して高温となり、金属間化合物が発生しやすくなる。従って、前記ピンの位置はアルミニウム又はアルミニウム合金材側に配置して当該ピンと銅又は銅合金材とを直接接触させずに摩擦攪拌を行うことが好ましい。
このようにして突き合わせ接合された第一の金属部材2と第二の金属部材3の間には、前記突合せ接合部5が形成され、当該突合せ接合部5の面上には、前記はんだ接合部4が配置される。このはんだ接合部4は、前記突合せ接合部5に沿って等間隔に一つ又は二つ以上配置されている。尚、図1では、前記はんだ接合部4が第一の金属部材2及び第二の金属部材3に対して四つ配置され、図3でははんだ接合部4が三つ配置されているが、はんだ接合部4の数は特に限定されず、適宜所定の数を設ければよい。各はんだ接合部4は、はんだを溶解することにより形成され、環状に形成された隆起部41と、当該隆起部41の内周側に形成された薄肉部42と、を備える。各はんだ接合部4は、第一の金属部材2と第二の金属部材3との間に形成された突合せ接合部5の面上に配置されていることから、前記隆起部41は、前記第一の金属部材2及び前記第二の金属部材3を跨ぐようにして形成されている。また図2に示すように、前記隆起部41は前記薄肉部42よりも肉厚に形成されている。ここで、前記はんだ接合部4は、前記隆起部41を備えている構成であれば良く、図4に示すように、前記隆起部41の内周側、すなわちはんだ接合部4の中心部421が盛り上がり、前記隆起部41よりも肉厚に形成されていても差し支えない。尚、前記はんだ接合部4の形成方法については後述する。
このはんだ接合部4の形成に使用されるはんだとしては、特に限定されず、ワイヤ状のはんだを“ぜんまい状”にまいたものや、板状(好ましくは円板状)のものを用いることができる。前記ワイヤ状のはんだを用いる場合には、フラックスが入ったフラックスコアードワイヤ(FCW)を使用する形態や、第一の金属部材2及び第二の金属部材3の表面にフラックスを塗布した後にソリッドワイヤを配置する形態であってもよい。又、板状のはんだを用いる場合には、フラックスをサンドイッチ状に挟んだものを用いる形態や、第一の金属部材2及び第二の金属部材3の表面にソリッドの円板状ワイヤを置いた形態でもよい。また、はんだとしては、人体に有害であって自然環境に悪影響を与える鉛が含有されていないもの(いわゆる鉛フリーはんだ)を用いることもできる。
次に、図5及び図6を用いて、前記はんだ接合部4の形成方法について説明する。前記はんだ接合部4は、前記突合せ接合部5の面上に前記はんだを置き、高出力ビーム溶接を用いて、このはんだを溶解することで形成される。ここで、前記突合せ接合部5の面上に前記はんだを置く際、当該はんだが載置される第一の金属部材2及び第二の金属部材3の表面は研磨されていることが好ましい。これにより、前記はんだ接合部4を形成するにあたり、前記はんだの濡れ広がり性がより向上される。図5は、高出力ビーム溶接を行うリモートレーザ装置600の構成例を示す。前記高出力ビーム溶接として、レーザビーム溶接や電子ビーム溶接などが挙げられるが、この第一の実施形態に係る導電部材1では、レーザビーム溶接の例を説明する。
図5に示すように、レーザビームLは発振器601から光学ファイバ602を介して発せられる。このレーザビームLは、拡大レンズ603及び集光レンズ604を介して、ミラー605で反射される。このミラー605の回転角度βの調整により、はんだ40に対するレーザビームLの照射位置を決定することができる。このリモートレーザ装置600を用いることにより、ミラー605の回転角度を調整するだけで、レーザビームLを所望の位置に容易に照射させることができる。
第一の実施形態に係る導電部材1では、ミラー605の回転角度を調節したり、集光レンズ604を移動して(矢印fの方向)光軸を調製したりすることで、図6に示すように、前記はんだ40の外周に沿って円を描くようにレーザビームLを照射してはんだ40を溶融させる。このようにレーザビームLを照射することにより、はんだ40を良好に濡れ広げることができる。
前記リモートレーザ装置600により発せられるレーザビームLは、特に限定されないが、YAGレーザ、COレーザ、ファイバ―レーザ、ディスクレーザ、半導体レーザ等とすることができる。また、当該レーザビームLのビーム径は特に限定されず、前記はんだ40を適切な範囲で濡れ広げることができれば前記はんだ40の線径等に応じて適宜変更することができ、0.1〜0.6mmの範囲であることが好ましい。また、レーザビームLの出力は特に限定されず、やはり前記はんだ40を適切な範囲で濡れ広げることができれば適宜変更してよく、レーザビームLの質の劣化等の観点からすれば、200〜1000Wの範囲であることが好ましい。更に、レーザビームLを前記はんだ40の外周に沿って円形に照射する際の速度は、特に限定されず、前記はんだ40を適切な範囲で濡れ広げることができれば適宜変更してよく、3〜50m/minの範囲が好ましい。
なお、前記拡大レンズ603及び/又は集光レンズ604によりレーザビームLの焦点位置を調整することで、レーザビームLをデフォーカスさせて照射することもできる。これにより、レーザ照射により付与する熱量を調整することができる。
次に、図7(a)〜(e)及び図8(a)〜(e)を用いて、はんだ接合部4の形成メカニズムを具体的に説明する。図7(a)〜(e)は、はんだ接合時の温度分布とはんだの形成(液化・固化)状況を経時的に示した模式図であり、図8(a)〜(e)は、本発明の比較技術のはんだ接合時の温度分布とはんだ形成状況の経時変化を示す模式図である。尚、図7及び図8において、紙面左側に配列された図面がはんだ接合時の温度分布を示すものであり、紙面右側に配列された図面がはんだ形成状況の経時変化を示すものである。
第一の実施形態に係る導電部材1では、図7(a)に示すように、はんだ40の外周に沿ってレーザビームLを照射する。このとき、前記はんだ40において、レーザビームLが直接照射されている部分(以下、レーザビーム照射部という)の温度がまず上昇する(図7(a)中の点描部分)。次に、図7(b)に示すように、レーザビーム照射部の熱は熱伝導により、前記はんだ40の外周部から当該はんだ40の半径方向内側及び外側に向かって、徐々に第一の金属部材2及び第二の金属部材3の内部を伝播する(矢線方向)。その後、図7(c)及び(d)に示すように、前記はんだ40の中心部に向かって熱が十分に伝わり、第一の金属部材2と第二の金属部材3が十分に暖められ、そして図7(e)に示すようにレーザビームLの照射を停止させる。
このようにしてレーザビームLを照射することにより、まず液化したはんだ40の外周部では、レーザビーム照射部の熱がはんだ40の半径方向外側に向かって伝導して拡散していくため、当該はんだ40の外周部が冷却され、もって当該外周部に環状に形成された前記隆起部41が形成される。
一方、前記隆起部41の半径方向内側では、当該隆起部41により液化したはんだ40がせき止められてプールが形成される。このとき、図7(d)に示すように、第一の金属部材2と第二の金属部材3が熱伝導により十分に暖められており、第一の金属部材2と第二の金属部材3の表面のエネルギーを高くなっているため、はんだ40の表面張力(はんだ40が凝集しようとする力)に対抗し、はんだ40が濡れずに1箇所に凝縮することを抑制することができる。その結果、前記隆起部41の内周側に前記薄肉部42が形成される。そして、レーザビームLの照射終了により、はんだ全体が冷却され、前記隆起部41を備えたはんだ接合部4が完成する。
これに対し、環状の前記隆起部を形成しないようにはんだを溶解した場合には、はんだが塗れ拡がらない。具体的に、図8(a)〜(e)に示す比較技術を用いて説明する。尚、図8(a)〜(e)に示された比較技術では、前記導電部材1と同様、第一の金属部材102及び第二の金属部材103の少なくとも一方は、アルミニウム又はアルミニウム合金である。
この従来技術において、図8(a)に示すように、レーザビームLをはんだ140の中心部分に照射し、当該はんだ140を加熱した場合、図8(b)に示すようにレーザビーム照射部から放射状に熱が拡散する(矢線方向)。この際、レーザビームLの照射に起因した熱により、第一の金属部材102及び第二の金属部材103が十分に暖められていれば、はんだ140が濡れ拡がる。しかし、第一の金属部材102及び第二の金属部材103の加熱が十分されていない状態では、はんだ140の液化が当該はんだ140の中心部から放射状に広がっていく。
その結果、第一の金属部材102と第二の金属部材103の表面のエネルギーが十分でなく、はんだ140の表面張力が優位に働き、図8(c)及び(d)に示すように、はんだ140が放射状に拡がらす、液化したはんだ140が次第に隆起しながら大きくなる。そして最終的には、図8(e)に示すように、前記はんだ140は大きな球状の塊となる。
このような状態で固化したはんだ140は、極めて容易に第一の金属部材102及び第二の金属部材103上から脱落してしまうか、脱落しなくてもはんだと第1の金属部材102及び第二の金属部材103との導電面積が著しく小さくなり、導電部材として機能しない。
以上のように形成された本発明の第一の実施形態に係る導電部材1及び第二の実施形態に係る導電部材100は、前記はんだ接合部4により導電機能を備えるものであり、具体的には、電子・電気部品の接続に用いるバスバー(ブスバー)であってもよい。
そして、本発明に係る第一の実施形態の導電部材1及び第二の実施形態の導電部材100では、前記第一の金属部材2及び第二の金属部材3は、少なくとも一方がアルミニウム又はアルミニウム合金である。当該アルミニウム又はアルミニウム合金は酸素との化学的親和性が強いため、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属部材の表面に酸化被膜が形成されやすい。この酸化被膜により、前記はんだ接合部4の形成にあたり、前記はんだ40が濡れ広がりにくく球状の塊となるおそれがある。
しかし、本発明に係る第一の実施形態に係る導電部材1及び第二の実施形態の導電部材100では、前記はんだ接合部4が、環状に形成され、且つ、第一の金属部材2と第二の金属部材3を跨いで配置された環状の隆起部41を備えている。このため、環状の隆起部41の内周側において、前記酸化被膜により濡れ広がり難く球状の塊を形成しやすいはんだ40を濡れ広げることができ、もって第一の金属部材2と第二の金属部材3の導通性を向上させることができる。
また、本発明に係る第一の実施形態に係る導電部材1及び第二の実施形態の導電部材100によれば、第一の金属部材2及び第二の金属部材3の少なくとも一方がアルミニウム又はアルミニウム合金である。すなわち、前記導電部材1の一部又は全部がアルミニウムまたはアルミニウム合金であるため、導電部材1,100の軽量化が図ることができる。
更に、本発明に係る第一の実施形態に係る導電部材1及び第二の実施形態の導電部材100では、第一の金属部材2及び第二の金属部材3の少なくとも一方がアルミニウム又はアルミニウム合金であることから、合金系の異なるアルミニウム合金を使用することができ、導電部材1,100の中でより強度が必要な場所に高強度のアルミニウム合金(JIS A5000系合金)を配置し、導電性が必要な場所には導電性の高いアルミニウム合金(例えばJIS A1050、JIS A6101など)を配置する等、導電部材の特性に応じた金属部材を適当な場所に配置でき、導電部材1,100の構成レイアウトの自由度を高めることができる。
また、本発明に係る第一の実施形態に係る導電部材1及び第二の実施形態の導電部材100では、第一の金属部材2と第二の金属部材3の突合せ接合部5が、入熱量の低い高出力ビーム溶接又は摩擦撹拌接合により形成されている。このため、導電部材1,100の熱歪を抑えることができると共に、高い接合強度の導電部材1,100を得ることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<実施例1〜4>
板厚が2mm、幅が30mmである、アルミニウム板(JIS A1050)、アルミニウム合金板(JIS A6101)、銅板(OFC)を使用し、第一の金属部材と第二の金属部材からなる突き合わせ継ぎ手を形成した。そして、レーザビーム溶接又は摩擦攪拌接合を用いて、第一の金属部材の突合せ面と第二の金属部材の突合せ面を接合し、突合せ接合部を形成した。第一の金属部材と第二の金属部材の組み合わせは下記表1に示すとおりである。
更に、比較例を除いて、線径1.8mmのはんだをゼンマイ状に巻き回したもの(最大外径6mm)を前記突合せ接合部の面上に、且つ、当該突合せ接合部に沿って9mmの間隔(巻き回した、はんだ中心部のピッチ間隔)で四個配置した。
その後、リモートレーザ装置を用いて、巻き回されたはんだの外周に沿ってビーム径0.2mmで出力400W、10m/minの速度で半径3mmの円を描くようにレーザビームを照射し、はんだ接合部を形成した。
<比較例1〜3>
比較例1として、第一の金属部材及び第二の金属部材がアルミニウム板(JIS A1050)であり、これら第一の金属部材及び第二の金属部材がレーザビーム溶接により接合され、且つ、はんだの中心部のみにレーザビームを照射したものを準備した。
比較例2として、第一の金属部材がアルミニウム板(JIS A1050)である一方、第二の金属部材が無酸素銅であり、これら第一の金属部材及び第二の金属部材がFSWにより接合され、且つ、はんだの中心部のみにレーザビームを照射したものを準備した。
比較例3として、第一の金属部材及び第二の金属部材がアルミニウム板(JIS A1050)であり、これら第一の金属部材及び第二の金属部材がFSWにより接合されたものであって、はんだ接合を行わなかったものを準備した。
このようにして形成された接合体に対し、電気伝導度(導電率)の試験、及び引張り試験を実施し、導電部材としての機能を評価した。
ここで、導電部材として実用的には55%IACS以上の導電率が必要であるため、この数値を基準に導電率を評価した。
Figure 2016162643
<引張り試験>
表1に示すように、引張り試験を行った結果、実施例1〜4、比較例1〜3のいずれも溶接部でなく母材破断しており、継手強度は確保されていた。
<電気伝導度(導電率)の試験>
まず、比較例3のように、はんだ接合部を設けず、固相状態で接合を行うFSWの接合部を含む導電部材では、第一金属部材と第二金属部材とが共に高い導電率を有するJIS A1050(61%IACS)であっても、当該導電部材の導電率は39%IACSと母材単体と比較して著しく低い値になる。
また、はんだ接合部に環状隆起部が形成されてない比較例1及び比較例2は、はんだ接合部が極めて脱落しやすい状態にあり、またはんだの濡れ広がり部が形成されないため、はんだ接合以外は同一の条件で構成されている実施例1及び実施例4の導電部材と比較して低い導電率にとどまっていた。
これに対して、突合せ接合部の面上に環状隆起部を備えるはんだ接合部を設けた実施例1〜4は、導電率が著しく向上し、母材に近い数値の導電率が得られた。すなわち、実施例1〜4に示すように、環状隆起部を備えたはんだ接合部を形成することにより大幅な導電率の向上を図ることができた。
本発明は、車載電池ユニット及びキャパシターの電気接続用バスバー等の導電部材として好適に利用することができる。
1、100 導電部材
2 第一の金属部材
3 第二の金属部材
4 はんだ接合部
5 突合せ接合部
41 隆起部

Claims (4)

  1. 第一の金属部材と、該第一の金属部材と突合せ接合部を形成する第二の金属部材と、
    前記第一の金属部材と前記第二の金属部材の前記突合せ接合部の面上に配置されたはんだ接合部と、
    を有し、
    前記第一の金属部材及び第二の金属部材の少なくとも一方は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、
    前記はんだ接合部は、前記第一の金属部材及び前記第二の金属部材を跨いで形成された環状の隆起部を備える、
    導電部材。
  2. 前記第一の金属部材と前記第二の金属部材との前記突合せ接合部が、高出力ビーム溶接又は摩擦攪拌接合により形成されている請求項1に記載の導電部材。
  3. 前記第一の金属部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、
    前記第二の金属部材は、銅又は銅合金である請求項1又は2のいずれか一項に記載の導電部材。
  4. 前記第一の金属部材及び第二の金属部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金である請求項1又は2のいずれか一項に記載の導電部材。
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