JP7110907B2 - 異種金属部材の重ね溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は異種金属部材の重ね溶接方法に関し、特にレーザビームを照射して異種金属部材を溶接する異種金属部材の重ね溶接方法に関する。
例えば、二次電池、キャパシタ(コンデンサ)等では、アルミニウムやその合金からなる端子や電極等と、銅やその合金からなる端子や電極等を電気的に接続するために溶接する場合がある。このような異種金属部材の溶接では、溶接部に硬くて脆い金属間化合物(IMC:Intermetallic Compound)が形成され、割れが発生する虞がある。
特許文献1には、銅板上にアルミニウム板を載置して、アルミニウム板上からレーザビームを照射する異種金属部材の重ね溶接方法が開示されている。特許文献1では、金属間化合物の割合を15~60%の範囲とすることによって、溶接部の強度を確保している。
特開2018-012125号公報
発明者らは、異種金属部材の重ね溶接方法に関し、以下の問題点を見出した。
上述の通り、特許文献1に開示された溶接方法では、高融点の銅板上に重ねた低融点のアルミニウム板上からレーザビームを照射する。そのため、キーホール溶接を行って、アルミニウム板を貫通するレーザビームにより銅板を溶融させる必要がある。
このようなキーホール溶接では、アルミニウムと銅とが溶融した溶融池が撹拌されるため、そもそも金属間化合物の割合を上記範囲に制御することが難しい。その上、溶融池の撹拌によって、金属間化合物の生成が促進されるため、金属間化合物が溶融池の表面に到達し、溶接部に初期割れが発生し易いという問題があった。ここで、溶接部の初期割れは、溶接部の強度及び導電率の低下などの悪影響を及ぼす。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、溶融池の撹拌を抑制し、金属間化合物による溶接部の初期割れを抑制可能な異種金属部材の重ね溶接方法を提供するものである。
本発明の一態様に係る異種金属部材の重ね溶接方法は、
第1の金属部材と前記第1の金属部材よりも高融点の第2の金属部材とを重ね合わせてレーザ溶接する異種金属部材の重ね溶接方法であって、
前記第1の金属部材上に前記第2の金属部材を重ね合わせ、前記第2の金属部材の上方から熱伝導溶接用のレーザビームを照射して、前記第2の金属部材のみが溶融した溶融池を形成し、
前記溶融池が第1の金属部材に接触し、前記第1の金属部材が前記溶融池に溶融した後、当該溶融池が凝固することによって、前記第1の金属部材と前記第2の金属部材とが溶接されるものである。
本発明の一態様に係る異種金属部材の重ね溶接方法では、第1の金属部材上により高融点の第2の金属部材を重ね合わせ、第2の金属部材の上方から熱伝導溶接用のレーザビームを照射して、第2の金属部材のみが溶融した溶融池を形成する。そして、この溶融池が第1の金属部材に接触し、第1の金属部材が溶融池に溶融した後、溶融池が凝固することによって、第1の金属部材と第2の金属部材とが溶接される。
このような構成により、第1及び第2の金属部材が共に溶融した後の溶融池の撹拌を抑制し、金属間化合物の生成、成長を抑制することができる。その結果、金属間化合物による溶接部の初期割れを抑制することができる。
前記レーザビームを照射する前に、前記第1の金属部材上に前記第2の金属部材を重ね合わせた際、前記レーザビームを照射する箇所において、前記第1の金属部材と前記第2の金属部材との間に隙間が設けられていてもよい。
このような構成により、レーザビームを照射している間、溶融池が第1の金属部材に接触し難くなるため、第1及び第2の金属部材が共に溶融した後の溶融池の撹拌をさらに抑制することができる。
前記第1の金属部材がアルミニウムを主成分とする金属材料からなり、前記第2の金属部材が銅を主成分とする金属材料からなってもよい。このような構成に好適である。
前記レーザビームの照射を終了した時点から前記溶融池の凝固が完了するまでの時間[ms]が、前記レーザビームの照射エネルギ[J]に対して、0.2[ms/J]以下となる条件で、前記レーザビームを照射してもよい。
このような構成により、より確実に第1及び第2の金属部材が共に溶融した後の溶融池の撹拌を抑制し、金属間化合物による溶接部の初期割れを抑制することができる。
本発明により、溶融池の撹拌を抑制し、金属間化合物による溶接部の初期割れを抑制可能な異種金属部材の重ね溶接方法を提供することができる。
第1の実施形態に係る異種金属部材の重ね溶接方法を用いて溶接された重ね溶接継手の平面図である。 第1の実施形態に係る異種金属部材の重ね溶接方法を示す断面図である。 第1の実施形態に係る異種金属部材の重ね溶接方法を示す断面図である。 第1の実施形態に係る異種金属部材の重ね溶接方法を示す断面図である。 第1の実施形態に係る異種金属部材の重ね溶接方法を示す断面図である。 溶接部の断面及び表面での金属間化合物の面積率と溶接部の初期割れの有無との関係を示すグラフである。 サンプル1~5における溶接部の断面ミクロ組織写真である。 照射エネルギ及び凝固時間と溶接部の初期割れの有無との関係を示すグラフである。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
(第1の実施形態)
<溶接された積層金属箔の構成>
まず、図1、図5を参照して、第1の実施形態に係る異種金属部材の重ね溶接方法を用いて溶接された重ね溶接継手について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る異種金属部材の重ね溶接方法を用いて溶接された重ね溶接継手の平面図である。図5は、第1の実施形態に係る異種金属部材の重ね溶接方法を示す断面図であると共に、図1のV-V断面図である。図1、図5に示すように、重ね溶接継手は、溶接部30によって溶接された金属部材10、20から構成されている。
なお、当然のことながら、図1及びその他の図面に示した右手系xyz直交座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。通常、z軸正向きが鉛直上向き、xy平面が水平面であり、図面間で共通である。
金属部材10、20は融点の異なる金属材料からなり、金属部材20は金属部材10よりも高融点の金属材料からなる。金属部材10、20は、例えば、二次電池、キャパシタ(コンデンサ)等における端子や電極等の部材である。金属部材10は、例えばアルミニウムを主成分とし、高導電率を有する金属材料からなる。金属部材20は、例えば銅を主成分とし、高導電率を有する金属材料からなる。
なお、図1に示した金属部材10、20は、いずれもx軸方向に延設された平面視矩形状の単純な金属板であるが、重ね溶接可能であれば形状は何ら限定されない。例えば、金属部材20は平面視において円形状であってもよい。
図1、図5に示した例では、金属部材10のx軸負方向側端部上に高融点の金属部材20のx軸正方向側端部が重ね合わせられている。詳細には後述するように、本実施形態に係る溶接方法では、高融点の金属部材20の上方から熱伝導溶接用のレーザビームを照射して、金属部材20のみが溶融した溶融池を形成する。この溶融池が低融点の金属部材10に接触することによって金属部材10が溶融し、金属部材10と金属部材20とが溶接される。ここで、溶融池が凝固することによって、溶接部30が形成される。
図5に示すように、溶接部30と金属部材10との界面近傍には金属間化合物IMCが形成されている。上述の通り、本実施形態に係る溶接方法では、金属部材20の融点よりも高温の溶融池が低融点の金属部材10に接触することによって、金属部材10が溶融する。すなわち、金属部材10、20が共に溶融した後の溶融池の撹拌が抑制されるため、金属間化合物IMCの生成、成長も抑制されている。そのため、本実施形態に係る異種金属部材の重ね溶接方法を用いて溶接された重ね溶接継手では、金属間化合物IMCが溶接部30の内部に留まる。その結果、金属間化合物IMCの外表面への露出量が抑制され、溶接部30の初期割れが抑制されることが分かってきた。
図1、図5に示した例では、溶接部30は、金属部材20のx軸正方向側外縁に形成されている。ここで、図5に示すように、金属部材20のx軸正方向側外縁では、下面よりも上面が突出するように、端面が傾斜している。そのため、金属部材20のx軸正方向側外縁では、金属部材10と金属部材20との重ね合わせ面に隙間Gが生じている。図1、図5に示した例では、この隙間G上に金属部材20のみが溶融した溶融池が形成され、その溶融池が金属部材10に接触する。そのため、溶接部30が金属部材10と金属部材20と隙間Gを埋めるように形成されている。なお、隙間Gは必須ではない。
溶接部30の平面形状は特に限定されないが、図1の例では、x軸方向に延びたオーバル形状を有している。例えば、レーザビームをx軸正方向に1回走査することによって、このような形状の溶接部30が形成される。
なお、溶接部30は、金属部材20のx軸正方向側外縁に、y軸方向に並んで複数設けられていてもよい。
<異種金属部材の重ね溶接方法>
次に、図2~図5を参照して、本実施形態に係る異種金属部材の重ね溶接方法について説明する。図2~図5は、第1の実施形態に係る異種金属部材の重ね溶接方法を示す断面図である。本実施形態に係る異種金属部材の重ね溶接方法は、融点の異なる異種金属部材を重ね合わせてレーザ溶接する異種金属部材の重ね溶接方法である。
まず、図2に示すように、レーザビームLBを照射する前に、金属部材(第1の金属部材)10上に、金属部材10よりも高融点の金属部材(第2の金属部材)20を重ね合わせる。図2の例では、金属部材10のx軸負方向側端部上に、金属部材10よりも高融点の金属部材20のx軸正方向側端部を重ね合わせる。そして、金属部材20の上方から熱伝導溶接用のレーザビームLBを照射する。この際、例えば金属部材20の内側(x軸負方向側)からx軸正方向側の外縁に向かって、x軸正方向にレーザビームLBを走査させる。
上述の通り、金属部材10は、例えばアルミニウムを主成分とし、高導電率を有する金属材料(アルミニウム及びその合金)からなる。金属部材20は、例えば銅を主成分とし、高導電率を有する金属材料(銅及びその合金)からなる。
金属部材10と金属部材20との融点の差は、例えば300℃以上である。なお、純銅の融点は1084℃、純アルミニウムの融点は660℃である。
また、図2に示した例では、金属部材10上に金属部材20を重ね合わせた際、レーザビームLBを照射する箇所において、金属部材10と金属部材20との間に隙間Gを設けている。具体的には、図2に示すように、金属部材20のx軸正方向側外縁では、金属部材10と接触している下面よりもレーザビームLBが照射される上面が突出するように、端面が傾斜している。そのため、金属部材20のx軸正方向側外縁では、金属部材10と金属部材20との重ね合わせ面に楔状の隙間Gが形成されている。
なお、隙間Gの形状は特に限定されない。例えば、金属部材20の下面よりも上面が突出するように、金属部材20のx軸正方向側端面に単数又は複数の段差が設けられていてもよい。また、隙間Gは必須ではない。
次に、図3に示すように、熱伝導溶接用のレーザビームLBは金属部材10に到達しないため、高融点の金属部材20のみが溶融した溶融池30aを形成することができる。また、レーザビームLBを照射する間、溶融池30aの周囲全体は金属部材20に囲まれている。そのため、表面張力によって金属部材20に保持され、溶融池30aが金属部材10に接触し難い。さらに、金属部材10と金属部材20との間の隙間Gによって、溶融池30aが金属部材10に接触し難くなっている。
ここで、熱伝導型溶接用のレーザビームLBとは、キーホールが形成されない程度の比較的低いエネルギ密度を有するレーザビームLBである。レーザビームLBのエネルギ密度は、レーザビームLBの出力、走査速度、スポット径等の条件を変更することによって調整することができる。
次に、図4に示すように、レーザビームLBが金属部材20のx軸正方向側外縁に到達すると、レーザビームLBの走査及び照射を終了する。すなわち、レーザビームLBを金属部材10には直接照射しないようにする。ここで、溶融池30aも金属部材20のx軸正方向側外縁に到達するため、溶融池30aのx軸正方向側外縁は、金属部材20に囲まれなくなる。また、レーザビームLBの走査に伴い、溶融池30aは成長する。そのため、図4に示すように、溶融池30aが金属部材10に接触する。金属部材20の融点よりも高温の溶融池30aが低融点の金属部材10に接触すると、金属部材10が溶融する。
そして、図5に示すように、溶融池30aが凝固することによって、溶接部30が形成され、金属部材10と金属部材20とが溶接される。
例えば、銅からなる溶融池30aがアルミニウムからなる金属部材10に接触すると、金属部材10が溶融池30aに溶融した後、溶融池30aが凝固して溶接部30が形成される。
ここで、溶接部30における金属部材10との界面近傍などには、銅とアルミニウムとの金属間化合物IMCが形成される。銅とアルミニウムとの金属間化合物IMCとしては、主にCuAl、CuAl、CuAlが知られており、いずれも硬くて脆い。そのため、金属間化合物IMCの割合が大きくなると溶接部30に初期割れが発生し易くなる。
上述の通り、本実施形態に係る溶接方法では、より高融点の金属部材20の上方から熱伝導溶接用のレーザビームLBを照射して、金属部材20のみが溶融した溶融池30aを形成する。そして、金属部材20の融点よりも高温の溶融池30aが低融点の金属部材10に接触することによって、金属部材10が溶融池30aに溶融する。その後、溶融池30aが凝固することによって、金属部材10と金属部材20とが溶接される。
そのため、金属部材10、20が共に溶融した後の溶融池30aの撹拌が抑制され、キーホール溶接に比べて金属間化合物IMCの生成、成長を抑制することができる。従って、金属間化合物IMCによる溶接部30の初期割れを抑制することができる。その結果、溶接部30の強度及び導電率を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る溶接方法では、図2に示すように、金属部材10上に金属部材20を重ね合わせた際、レーザビームLBを照射する箇所において、金属部材10と金属部材20との間に隙間Gが設けられている。隙間Gによって、図3に示すように、レーザビームLBを照射している間、溶融池30aが金属部材10に接触し難くなっている。そのため、金属部材10、20が共に溶融した後の溶融池30aの撹拌がさらに抑制され、金属間化合物IMCの生成、成長もより効果的に抑制することができる。
なお、例えば、隙間Gにおける最大隙間(隙間が最大となる箇所)は0.05mm以上とし、隙間Gにおける最小隙間(隙間が最大となる箇所)は0.5mm以下とする。隙間Gにおける最大隙間が0.05mm未満の場合、隙間Gを設ける効果が得られない。他方、隙間Gにおける最小隙間が0.5mmを超えると、レーザビームLBの照射終了後も、溶融池30aが金属部材10に接触せず、金属部材10と金属部材20とを溶接することができなくなる虞がある。
以下に、第1の実施形態に係る異種金属部材の重ね溶接方法について、実施例を挙げて詳細に説明する。しかしながら、第1の実施形態に係る突合せレーザ溶接方法は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
<試験条件>
まず、実施例1に係る異種金属部材の重ね溶接方法の試験条件について説明する。全サンプル1~5について、厚さ1.5mmのアルミニウム板(JIS規格A1050)上に厚さ0.5mmの銅板(JIS規格C1100)を重ね合わせ、銅板の上方から下記条件でレーザビームを照射して、両者を溶接した。ここで、図2~図5に示したような隙間Gを設けた。
ここで、サンプル1~4は実施例、サンプル5は比較例である。サンプル1~5について、レーザビームの出力、走査速度、走査距離(すなわち照射エネルギ)を変化させ、溶接部の断面ミクロ組織観察によって、断面での金属間化合物の面積率と溶接部の初期割れの有無を調査した。レーザビームのビーム径は、いずれも0.6mmとした。また、各サンプルについて、溶接部の表面マクロ観察によって、表面での金属間化合物の面積率を調査した。断面ミクロ組織観察及び表面マクロ観察において、金属間化合物は色で識別することができる。
表1は、サンプル1~5に係る異種金属部材の重ね溶接方法におけるレーザビームの出力[kW]、走査速度[mm/s]、走査距離[mm]及び照射エネルギ[J]をまとめて示した表である。照射エネルギEは、出力Pと照射時間tとの積であり、照射時間tは走査距離Lを走査速度vで除した値である。すなわち、以下の式(1)によって照射エネルギEが得られる。
E[J]=P[W]×t[s]=P[W]×L[mm]/v[mm/s]・・・(1)
Figure 0007110907000001
<試験結果>
図6は、溶接部の断面及び表面での金属間化合物の面積率と溶接部の初期割れの有無との関係を示すグラフである。横軸は断面での金属間化合物の面積率[%]、縦軸は表面での金属間化合物の面積率[%]を示す。図6において実施例に係るサンプル1~4は黒丸印で示し、比較例に係るサンプル5は白丸印で示した。各データ点にはサンプル番号が付されている。図7は、サンプル1~5における溶接部の断面ミクロ組織写真である。なお、図7に示したミクロ組織写真は、実際にはカラー写真である。
図6、図7に示すように、サンプル1~4では、断面での金属間化合物の面積率が40%以下となり、初期割れが発生しなかった。一方、サンプル5では、断面での金属間化合物の面積率が42%となり、40%を超え、初期割れが発生した。
図7に示すように、サンプル1~4では、溶接部の下部においてアルミニウム板が溶融して撹拌された痕跡がなく、熱伝導溶接であったことが分かる。そのため、サンプル1~4では、溶融池における銅(Cu)とアルミニウム(Al)との撹拌が抑制され、溶接部は全体として銅や黄銅に近い色を呈した。また、溶接部の外表面にまで到達する金属間化合物IMCが少なかった。そのため、図6に示すように、表面での金属間化合物の面積率は、いずれも50%以下であった。
一方、図7に示すように、サンプル5では、溶接部の下部においてアルミニウム板が溶融して撹拌された痕跡があり、キーホール溶接であったことが分かる。そのため、サンプル5では、溶融池における銅(Cu)とアルミニウム(Al)との撹拌が促進され、溶接部は全体として銀色もしくは灰色に近い色を呈した。すなわち、金属間化合物IMCの生成、成長が促進され、溶接部の外表面にまで到達する金属間化合物IMCが増加した。そのため、図6に示すように、表面での金属間化合物の面積率が、70%まで急激に上昇した。
このように、実施例に係るサンプル1~4では、熱伝導溶接によって銅板に形成した銅の溶融池をアルミニウム板に接触させ、銅板とアルミニウム板とを溶接した。そのため、溶融池における銅とアルミニウムとの撹拌が抑制され、キーホール溶接による比較例に係るサンプル5に比べて金属間化合物の生成、成長を抑制することができた。従って、金属間化合物による溶接部の初期割れを防止することができた。
<試験条件>
次に、実施例2に係る異種金属部材の重ね溶接方法の試験条件について説明する。実施例1と同様に、各サンプルについて、厚さ1.5mmのアルミニウム板(JIS規格A1050)上に厚さ0.5mmの銅板(JIS規格C1100)を重ね合わせ、銅板の上方から下記条件でレーザビームを照射して、両者を溶接した。ここで、図2~図5に示したような隙間Gを設けた。
実施例2では、溶融池の凝固時間を変化させ、溶接部の初期割れに及ぼす影響を調査した。具体的には、3水準の照射エネルギにおいて、レーザビームの走査速度(及び出力)を3段階で変化させることによって、溶融池の凝固時間を変化させた。これら9条件について、2回ずつ溶接部の初期割れの有無を調査した。ここで、溶融池の凝固時間とは、レーザビームの照射を終了した時点から溶融池の凝固が完了するまでの時間である。溶融池の凝固時間は、12000フレーム/sのハイスピードカメラを用いて測定した。レーザビームのビーム径は、いずれも0.6mmとした。
表2は、9条件(条件1-1~1-3、2-1~2-3、3-1~3-3)に係る異種金属部材の重ね溶接方法におけるレーザビームLBの照射エネルギ[J]、走査速度[mm/s]、及び出力[kW]をまとめて示した表である。表2に示すように、照射エネルギを24.0J(条件1)、27.0J(条件2)、30.0J(条件3)の3水準とし、走査速度を60.0mm/s(各条件の枝番1)、79.8mm/s(各条件の枝番2)、106.1mm/s(各条件の枝番3)の3段階で変化させた。レーザビームの走査距離は、いずれも0.8mmとした。そして、上記式(1)を用いて各条件における出力を決定した。
Figure 0007110907000002
<試験結果>
図8は、照射エネルギ及び凝固時間と溶接部の初期割れの有無との関係を示すグラフである。横軸は照射エネルギ[J]、縦軸は溶接部の凝固時間[ms]を示す。図8において、走査速度が60.0mm/sのデータ点を菱形印、走査速度が79.8mm/sのデータ点を四角印、走査速度が106.1mm/sのデータ点を三角印で示した。他方、割れが発生しなかった実施例に係るデータ点は黒塗りで表示し、割れが発生した比較例に係るデータ点は白抜きで表示した。また、図8には実施例1に係るサンプル1~5のデータも黒丸印及び白丸印で併せて示した。サンプル1~5のデータ点にはサンプル番号が付されている。
図8に示すように、24.0J、27.0J、30.0Jの3水準の照射エネルギでは、それぞれ凝固時間が短いと初期割れが発生せず、凝固時間が長くなると初期割れが発生する結果となった。凝固時間が長い程、金属間化合物の生成、成長が促進するためであると推察される。ここで、図8に示すように、走査速度が速い程、凝固時間が長くなった。走査速度が速い程、照射時間が短く、照射中の抜熱量が少なくなることが一因であると推察される。
また、図8に示すように、照射エネルギが大きくなるにつれて、凝固時間が長くなっても初期割れが発生し難くなることが分かった。
図8に示した結果から、例えば、レーザビームの照射エネルギに対する凝固時間が0.2[ms/J]以下となる条件で、レーザビームを照射すると、初期割れを効果的に抑制することができることが分かった。
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
10、20 金属部材
30 溶接部
30a 溶融池
G 隙間
IMC 金属間化合物
LB レーザビーム

Claims (3)

  1. 第1の金属部材と前記第1の金属部材よりも高融点の第2の金属部材とを重ね合わせてレーザ溶接する異種金属部材の重ね溶接方法であって、
    前記第1の金属部材上に前記第2の金属部材を重ね合わせ、前記第2の金属部材の上方から熱伝導溶接用のレーザビームを照射して、前記第2の金属部材のみが溶融した溶融池を形成し、
    前記溶融池が第1の金属部材に接触し、前記第1の金属部材が前記溶融池に溶融した後、当該溶融池が凝固することによって、前記第1の金属部材と前記第2の金属部材とが溶接され
    前記レーザビームを照射する前に、前記第1の金属部材上に前記第2の金属部材を重ね合わせた際、前記レーザビームを照射する箇所において、前記第1の金属部材と前記第2の金属部材との間に隙間が設けられている、
    異種金属部材の重ね溶接方法。
  2. 前記第1の金属部材がアルミニウムを主成分とする金属材料からなり、
    前記第2の金属部材が銅を主成分とする金属材料からなる、
    請求項に記載の異種金属部材の重ね溶接方法。
  3. 前記レーザビームの照射を終了した時点から前記溶融池の凝固が完了するまでの時間[ms]が、前記レーザビームの照射エネルギ[J]に対して、0.2[ms/J]以下となる条件で、前記レーザビームを照射する、
    請求項に記載の異種金属部材の重ね溶接方法。
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