JP4401678B2 - 電子部品用端子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、アルミニウム部材からなる電極端子と銅からなるリード端子とが接合された構造を有する電子部品用端子の製造方法に関し、さらに詳しくは、無鉛スズメッキされた銅リード端子がアルミニウム電極に接合された電子部品用端子の製造方法に関する。
【0002】
背景技術
電池、コンデンサ、キャパシター等に用いられる電子部品用の端子は、一対の電極として機能する一対のリベット部に引き出しリード端子が接合された構造を有している。また、電解コンデンサー等に用いられるタブ端子は、一対の電極端子にリード線が接合された構造を有している。これら各端子は、何れもアルミと銅とを接合することにより形成されている。
【0003】
従来、ラグ端子ないしスナップ端子にあっては、電極端子と引き出しリードとの接合は、ボルト締め、カシメ、巻締め等の機械的な方法や、超音波接合等により行われてきた。このうち、機械的方法は、接合部分が嵩張り電池全体のエネルギー体積密度を低下させる上に接合部の界面抵抗が高くなりやすい。そして、工数を要することから量産には不向きである。また、超音波接合は、加える振動により電極の活物質に悪影響を及ぼすおそれがある。このような問題を解決するため、近年、リベット部と引き出しリード部とを溶接により接合する試みがなされている。
【0004】
また、電解コンデンサー用のタブ端子は、電極端子とリード線とをアーク溶接により接合することが一般的に行われている。
【0005】
これらの端子に用いられる引き出しリードは、熱伝導性ないし電気伝導度を向上させるため銅が用いられることが多い。そして、電子部品のハンダ特性を向上させるために、該リードは、表面にメッキを施したものが用いられている。
【0006】
一方、近年、環境問題に配慮して、電子部品の電極端子の無鉛化や電子部品の接合に無鉛はんだを使用する技術の開発がなされ始めている。電子部品の端子として用いるリード線においても、従来の鉛含有スズメッキに替わり、鉛を用いない、いわゆる鉛フリーのスズメッキが使用され始めている。
【0007】
このような無鉛スズメッキが施されたリード線を用いた電子部品の端子においては、電極端子と該リード線とを溶接により接合しても、十分な接合強度が得られない。このような問題を解決するため、例えば、特開平10−229152号公報等には、スズメッキに銀やビスマス等を添加することにより、銅リード線とアルミ電極端子との接合強度を向上させる方法が開示されている(特許文献1)。
【0008】
また、特開平8−222482号公報には、アルミ電極端子部分を加熱し、該アルミを半溶融状態に加熱してリード線を接合し、その後にさらにアルミ部分を加熱することにより、銅−アルミ−スズからなる拡散合金層を形成し、リード線とアルミ電極とを強固に接合せしめる方法が開示されている(特許文献2)。
【0009】
しかしながら、スズメッキに銀等を添加する方法では、メッキ工程自体を変更しなければならず、市販の無鉛スズメッキ銅線を使用できなくなるという問題がある。
【0010】
また、アルミ電極を加熱しながらリード線を接合する方法においては、リード線として鉄線に銅を被覆した引き込み線(CP線)が用いられており、銅−アルミ−スズからなる拡散合金層を介して、アルミ極板と鉄線とを強固に接合させることができるものの、このような鉄芯を有さない銅リード線を用いる場合は、上記の方法を用いても、銅リード線とアルミ電極との接合強度は向上しない。
【0011】
一方、リード線として銅線を用いた場合、CP線と比較して、コンデンサの内部抵抗を約10%下げることができ、このような低ESR型のコンデンサをデジタル家電に用いることにより、少なくとも10%以上の省エネ効果が期待できると言われている。また、ハイブリッドカーや電気自動車等に用いられるキャパシターは高い信頼性が要求されるため、従来のアルミ電極とリード端子とをねじやリベットで固定したものよりも、溶接によって固定したものが使用される。このように、コンデンサやキャパシター等の電極端子においては、CP線よりも、銅単体からなるリード線が好ましく使用され、アルミ電極と該銅リード線との接合技術の開発が切望されている。
【0012】
したがって、本発明の目的とするところは、市販の無鉛スズメッキされた銅単体からなるリード線をそのまま用いた場合であっても、アルミ電極端子との接合強度に優れる電子部品用端子およびその製造方法を提供するものである。
【0013】
【特許文献1】
特開平10−229152号公報
【特許文献2】
特開平8−222482号公報
【0014】
【発明の概要】
本発明者らは、無鉛スズメッキされた銅端子と/アルミ電極とが接合された電子部品端子において、鋭意検討の結果、溶接の際、銅とアルミとの接合界面にスズ−銅ないしスズ−アルミ等の金属間化合物が形成され、その金属間化合物の存在により溶接強度が低下することを見出したものであり、該金属間化合物が銅とアルミとの接合界面に形成されないような溶接方法を見出したものである。
【0015】
すなわち、本発明における電子部品用端子の製造方法は、無鉛スズメッキされた金属リード端子部と前記金属と異なる異種金属からなる電極端子部とが接合されてなる電子部品用端子の製造方法であって、前記リード端子部表面の無鉛スズメッキが半溶融状態になる温度に前記リード端子部を加熱する工程と、前記のメッキ層が半溶融した状態で前記リード端子部と前記電極端子部とを押圧させて溶接により接合する工程とを含んでなるものである。
【0016】
また、前記リード端子部が260℃になる温度まで加熱を行うことが好ましく、このような温度に加熱することにより、スズメッキを半溶融の状態にすることができる。
【0017】
さらに、前記リード部の被溶接部分のみ局所的に加熱を行うことが好ましく、このように局所的加熱により、銅リード端子の被ハンダ付け部分のハンダ濡れ性を低下させずに、溶接強度のみ向上させることができる。
【0018】
本発明の好ましい態様として、前記のリード部の加熱は、非接触ヒーター、または、加熱された不活性ガスの吹きつけにより行う。
【0019】
また、前記金属リード端子部の接合側端部をテーパ状に成形加工する工程を含んでなることが好まし。このように、リード線の先端部分を鋭角形状とすることにより、アルミと銅との界面にスズが入り込むのを抑制できる。より好ましい態様としては、該金属リード端子部の接合側端部は先端角30〜90°の円錐形状に成形加工されてなるものであるか、あるいは、先端角30〜90°の楔形状に成形加工されてなり、その楔先端の稜線が、前記金属リード端子の軸方向に対して3〜90°の角度を有するものである。このように、リード端子の先端部分を鋭角とすることにより、溶接の際の放電を好ましく行うことができる。
【0020】
本発明の別の態様としての電子部品用端子の製造方法は、前記リード端子部の表面の無鉛スズメッキ層を溶解除去する工程、メッキ層が除去された前記リード端子部と前記電極端子部とを押圧させて溶接により接合する工程とを含んでなるものである。
【0021】
また、前記スズメッキ層の溶解除去を、前記リード端子部の被溶接部分のみ局所的に行うことが好ましく、さらに、前記スズメッキ層の溶解除去を、酸溶液または水酸化アルカリ水溶液により行うことが、より好ましい。
【0022】
またさらに、前記金属リード端子は銅からなり、前記電極端子はアルミからなるものであることが好ましい。
【0023】
本発明のの製造方法により得られた電子部品用端子は、銅リード部とアルミ電極部との接合界面に、実質的にスズ−銅化合物またはスズ−アルミ化合物が存在せず、このような化合物が存在しないことにより、接合強度に優れる電子部品用端子が得られる。
【0024】
また、本発明における電子部品用端子は、銅リード部とアルミ電極部との接合界面に存在するスズ層が、リード端子部にメッキされた無鉛スズメッキ層の厚みの80%以下、好ましくは、20%以下である。
【0025】
【発明の具体的説明】
本発明を図を参照しながら更に詳細に説明する。
【0026】
本発明における電子部品用端子の製造方法は、リード部を加熱することにより、前記リード部表面の無鉛スズメッキを半溶融させる工程と、前記のメッキ層が半溶融した状態で前記リード部と前記アルミ電極部とを溶接により接合する工程とを含んでなるものである。リードを加熱することによって、該リード部のスズメッキ層を半溶融の状態にし、その状態において該リードとアルミ電極部とを押圧しながら溶接する。このようにして得られた電子部品用端子は、リードとアルミ電極との溶接界面に、スズ金属層が実質的に存在しなくなる。スズがアルミ電極と銅リードとの間に存在しなくなることにより、このスズ−銅等の金属間化合物が形成されず、端子の溶接強度が向上する。ここで、「実質的に」とは、該接合界面にCuSnやCuSn等の金属間化合物が分子レベルで除去されている状態を意味するのではなく、銅とアルミとの界面にスズ−銅等の合金が、金属間化合物層として存在しない程度の状態を意味する。また、無鉛スズメッキが「半溶融」した状態とは、一部に溶融していない固体状態のスズが含まれていてもよいことを表す。
【0027】
以下、本発明の電子部品用端子の製造方法について、電解コンデンサ用端子として用いられるタブ端子を例にとって説明するが、二重電解コンデンサ等の他のコンデンサ用端子やキャパシターに用いられるラグ端子やスナップ端子等の製造方法に適用できることは言うまでもない。
【0028】
図1は、本発明の一例である電解コンデンサ用タブ端子の概略図を示したものである。平板部3を有するアルミ電極端子1に銅からなるリード線2が溶接された構造を有している。図2は、アルミ電極端子と銅からなるリード線との溶接部分を拡大した、タブ端子の断面図である。
【0029】
銅からなるリード線1は、無鉛スズメッキ4が施されており、通常は、12μm程度の厚みでスズが銅線5上に被覆されている。このリード線は、タブ端子として要求される所望の長さに切断される。本発明においては、該リード線のアルミ電極との接合側の一端部がテーパ状に成形加工されてなることが好ましい。テーパ形状として、楔形または円錐形とすることができる。テーパ形状に成形加工されたリード線先端部分の先端角は30〜90°の範囲であることが好ましい。より好ましくは、55〜65°である。先端角が30°よりも鋭角になると、加工が困難となり、また、90°を超えると、リード線を押圧してアルミ電極に溶接する際に、該リード先端部分が曲がり、アルミ電極の中心からずれて溶接されてしまうことがある。さらに、楔形の場合は、その楔先端の稜線が、リード線の軸方向に対して、3〜90°、好ましくは、35〜85°角度を有してなることが好ましい。このように、リード線の先端部分を鋭角にすることにより、溶接の際の放電が好ましく行われる。
【0030】
一方、アルミ電極部は、アルミからなる線材を所定長さに切断した後、所定長の前記銅リードと溶接により接合し、アルミ線材の頭部をプレスにより扁平状に成形することにより形成する。
【0031】
この溶接方法を詳細に説明する。この銅リード線とアルミ線(アルミ電極部)とを接合する際に、該銅リード表面のスズメッキが半溶融状態になるまで該銅リード線の先端部を加熱する。この加熱方法として、図3に示すように、ハロゲンランプヒーター6を用いて、照射光をレンズ7により集光させることにより、銅リード線2の先端部のみを局部的に加熱できる。この加熱により、銅リード線表面のスズメッキが半溶融する。次に、電極8に把持されたアルミ電極1に、電極9に把持された銅リード線2を押圧させながら溶接を行う。
【0032】
また、溶接時のアルミ/銅の酸化を防ぐため、アルゴンや窒素等の不活性ガスを溶接部分に吹き付ける場合にあっては、他の態様の加熱方法として、図4に示すように、加熱した該不活性ガスを溶接部分に吹き付けることにより、該銅リード線の先端部を加熱することもできる。不活性ガスの吹きつけ装置10が溶接装置に組み込まれている場合には、ガス導入路12の途中に、加熱装置11を組み込むことにより実施できる。加熱装置としては、セラミックヒーター等の従来の加熱技術を使用できる。吹きつけ装置10の出口付近の不活性ガス温度が、260℃程度になるよう、加熱装置11を調整する。なお、不活性ガスは、Nやアルゴンガスを好適に用いることができる。
【0033】
さらに、上記のハロゲンランプヒーターによる加熱と、加熱した不活性ガスの吹きつけとを同時に実施することもできる。
【0034】
なお、ラグ端子やスナップ端子の製造においては、アルミ電極1にリード線2を溶接する際、図5に示すように、両電極部分を弾性に優れる透明樹脂容器13で覆い、その中に不活性ガスを充填させておき、該透樹脂容器13の外部からハロゲンランプヒーター6によって、熱線照射を行い、リード線2の先端を加熱することもできる。該透明樹脂容器は、ポリオレフィン等の透明樹脂フィルムを好適に使用できる。
【0035】
上記のいずれかの方法により銅リードのスズメッキを半溶融させた状態で、銅リードとアルミ電極部とを押圧しながら溶接する。スズメッキのみが半溶融した状態で銅とアルミとを溶接すると、図6に示すように、押圧の際、溶融したメッキ層4を排除しながらリード線2の先端がアルミ電極部1に挿入されていく。この状態で固化されると、アルミ電極に挿入されたリード線の先端はテーパ形状を保持した状態でアルミ電極に接合される。このリード線先端部分でのアルミ/銅の接合界面には、ほとんどスズ金属層が形成されない。すなわち、スズ金属層が形成されるのは、溶接もり近傍のみであって、リード線がアルミ電極部に挿入された部分には、ほとんどスズが残らない状態となる。その結果、銅/アルミ接合界面においては、スズとアルミないしスズと銅との金属間化合物が形成されなくなる。
【0036】
本願発明者らは、アルミ電極/リード線の接合強度がこのスズ層とアルミ、またはスズ層と銅との界面にCuSnやCuSn等の金属間化合物が形成され、この金属間化合物相ないしスズ金属相の存在により、クラックが発生、進展していき、アルミ電極とリード線との接合界面で端子が破断することを見出した。すなわち、従来の溶接においては、銅リード線に被覆されたスズメッキが溶融して、アルミと銅との接合界面にスズ金属相を形成するとともに、CuSn等のスズ−銅またはスズ−アルミ合金相(金属間化合物相)も形成される。接合界面に存在するスズ金属ないし金属間化合物からなる層がある程度厚みを有すると、外部応力等により、当該層にクラックが発生し、そのクラックが他の部位に進展していくことにより端子が破断する。本発明においては、銅−スズ等の金属間化合物が実質的に存在しないような溶接方法を用いて、銅リード線とアルミ電極部とを接合することにより、接合強度に優れる電子部品用端子を提供するものである。
【0037】
また、このように、リード部の加熱をした後に溶接を行うことにより、ブローホールの発生も抑制されることを見出した。すなわち、従来のように直接溶接した場合、急激な温度上昇(2000℃程度)により、スズの一部が気化し、ブローホールが発生するものと考えられるが、本発明の製造方法にあっては、スズメッキ層を溶融させて、アルミ/銅界面にスズ層が形成されないようにしたものであるため、ブローホール自体が発生しなくなるのもと考えられる。
【0038】
上記のリード加熱は、スズが溶融する温度、すなわち、リード端子表面が240℃程度になるよう行う。なお、メッキ層のハンダ濡れ性の低下を防ぐためには、できるだけリードの被溶接部以外の部分は、加熱されないほうが良く、従ってリード先端部のみ加熱を行うことが好ましい。
【0039】
また、銅リード線に被覆されたスズメッキを、酸溶液または水酸化アルカリ水溶液により除去した後、該リード線とアルミ電極部とを溶接により接合することもできる。この場合、リード線の溶接部分(先端部分)のみスズメッキを除去する。全体を除去すると、電子部品に端子を組み込んだ後に半田濡れ性等が悪くなるからである。スズメッキの除去は、スズメッキされたリード線を所定の長さに切断した後、一方の切断端部を酸溶液ないし水酸化アルカリ水溶液中に浸し、リード線の先端数ミリが該溶液に浸されるようにして放置する。この際、効率化の観点から複数の切断されたリード端子をまとめて該溶液中に浸しても良い。このようにして、溶液に浸されたリード線の先端部分のみ、スズメッキ層を除去することができる。
【0040】
このようにして、先端部のスズメッキが除去されたリード線を、アルミ電極部に押圧させて溶接を行うことにより、リード線とアルミ電極との接合を行う。接合された端子の銅/アルミ界面では、スズ層も形成されず、また、スズ−銅等の金属間化合物が形成されることもない。
【0041】
上記のようにして製造された電子部品用端子は、アルミ電極部と銅リード部との溶接界面に実質的にスズ−銅化合物またはスズ−アルミ化合物が存在せず、また、その接合強度、特にアルミ電極と銅リードとの破断強度に優れるものである。
【0042】
また、上記の方法によって製造された電子部品用端子は、リード線とアルミ電極部との接合界面に存在するスズ金属層の厚みが、リード線スズメッキ厚の80%以下である。このように、銅/アルミ界面に存在するスズ金属層の厚みを薄くすることにより、溶接の接合強度を高くすることができる。なお、図5に示すように、スズ金属層は、溶接による接合界面に均一に形成されている必要はなく、むしろ、リード線の先端部分には、スズ層が形成されていない方が好ましい。本発明における、スズ金属層の厚みとは、接合界面に存在するスズ金属層の最大厚みを示すものである。
【0043】
【実施例】
実施例1
リード線部材として、無鉛スズメッキ(メッキ厚12μm)が施された0.6mmφの銅線を用い、該銅線を20mm長に切断した。また、アルミ電極部材として、1.2mmφのアルミ線を用い、該アルミ線を9mm長に切断した。
【0044】
所定長に切断されたリード線部材とアルミ電極部材とを、アーク溶接装置のそれぞれの電極に把持した。次に、ハロゲンランプヒーター(IHU−A:ウシオ電機製)を用い、照射光をレンズを通して集光し、リード線部材のアルミ電極側先端部分に照射した。リード線部材の先端部分の温度を非接触温度計で測定したところ、260℃であった。
【0045】
次に、この状態でリード線部材とアルミ電極部材とを押圧させてアーク溶接を行い(電圧約50V)、リード線部材とアルミ電極とを接合し、電解コンデンサ用タブ端子部材を得た。得られた上記タブ端子部材のアルミ電極の頭部をプレスすることにより扁平化し、該扁平部を所定の形状になるように切断して、電解コンデンサ用タブ端子1を得た。
【0046】
実施例2
実施例1で用いたものと同様のリード線部材およびアルミ電極部材を用い、セラミックヒーターを通して加熱したアルゴンガスをリード線部材の先端部分に吹き付けながら、実施例1と同様にして溶接を行い、タブ端子部材を得た。ガス吹き出し部分の温度は、360℃であった。
【0047】
次に、得られたタブ端子部材を実施例1と同様にして加工し、電解コンデンサ用タブ端子2を得た。
【0048】
実施例3
リード線部材として、無鉛スズメッキ(メッキ厚12μm)が施された1.0mmφの銅線を用いた。該銅線を10.0mm長に切断し、溶接側先端部分を60°のテーパ状に加工した。また、一体成型により樹脂にアルミ母材が密嵌された封口板部材において、該アルミ母材の溶接面をプレスにより平滑化した。これらリード線部材と封口板部材とを、溶接装置のそれぞれの母材に供した。
【0049】
次に、溶接装置の両把持母材部分を透明なポリエチレン容器で覆い、該容器内にアルゴンガスを充填し、この容器の外側に設置したハロゲンランプヒーター(IHU−A:ウシオ電機製)により、照射光をレンズを通して集光し、リード線部材のアルミ電極側先端部分に照射した。リード線部材の先端部分の温度を非接触温度計で測定したところ、260℃であった。
【0050】
次に、この状態でリード線部材とアルミ母材とを押圧させて抵抗溶接を行い(電圧10V、電流5kA以下)、リード線部材とアルミ母材とを接合し、キャパシター用封口板リード端子3を得た。
【0051】
比較例1
ハロゲンランプヒーターによる加熱を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサ用タブ端子4を得た。
【0052】
評価
1 .接合界面の観察
得られたタブ端子の側断面を観察するため、試料を側面方向から研磨した。研磨面に約80μmのイオンエッチング処理を行い、走査型オージェ電子分校装置(PHI製 SAM670)を用いて、表面観察およびオージェ電子分光(AES)面分析を行った。AES面分析においては、加速電圧20kV、試料電流15nA、ビーム径70nm以下の条件にて測定した。
【0053】
SEM観察の結果より、端子1および端子2では、リード線とアルミ電極との接合界面部分においてリード先端部分にスズ層および銅/アルミの金属間化合物層の形成は見られなかった。また、溶接もり付近での接合界面においては、銅層とアルミ層との間に1〜2μmの金属間化合物層と1μm以下のスズ層が形成されていた。スズ層よりも金属間化合物層の方が厚みが大きいのは、溶接の際、スズが銅ないしアルミと反応して消費されてしまったためと考えられる。
【0054】
さらに、封口板リード端子3においては、溶接もり付近においてのみ、スズ層ないし金属間化合物層が観察され、リード線先端のテーパ部分は銅とアルミとのい合金層が形成されていることが観察された。
【0055】
一方、タブ端子4では、リード線の先端部分にスズ層が確認された。
【0056】
タブ端子1および封口板端子3の接合断面のSEM観察像(50倍)を図7および図8に示す。
【0057】
また、AES面分析では、端子1および端子2は、CuSn等の金属間化合物は検出されなかった。一方、端子3では、接合界面にスズおよびCuSn等の金属間化合物の存在が確認された。
【0058】
さらに、SEM観察により、スズ層の厚みを測定した。結果を表1に示す。
【0059】
2 .屈曲性耐久試験
得られた端子1〜端子3について、屈曲性耐久試験を行った。該屈曲性耐久試験は、端子のアルミ電極部のプレス部分を把持し、リード線に1kgの荷重をかけた状態で、溶接部分を左右に90°ずつ折り曲げて1サイクルとし、何サイクルで破断するかを測定した。結果を表1に示す。
【0060】
タブ端子1および2においては、銅−アルミの溶接部分で破断し、破断サイクルは2.5回以上であり、接合強度に優れるものであった。また、封口板端子3においては、銅−アルミの接合部分では破断せず、銅リード線部分が屈曲疲労により破断した。
【0061】
【表1】
Figure 0004401678

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例である電解コンデンサ用タブ端子の概略図を示したものである。
【図2】図1におけるアルミ電極端子と銅リード線との溶接部分を拡大した、タブ端子の断面図である。
【図3】本発明における電子部品用端子の製造方法の溶接工程を示したものである。
【図4】本発明の別の態様における、電子部品用端子の製造方法の溶接工程を示したものである。
【図5】本発明の別の態様における、電子部品用端子の製造方法の溶接工程を示したものである。
【図6】溶接時の押圧工程を示したものである。
【図7】実施例1における電解コンデンサ用タブ端子の溶接部分断面の電子顕微鏡観察像(50倍)を示したものである。
【図8】実施例3にいけるキャパシター用封口板リード端子3の溶接部分断面の電子顕微鏡観察像(50倍)を示したものである。

Claims (11)

  1. 無鉛スズメッキされた銅からなるリード端子部とアルミからなる電極端子部とが接合されてなる電子部品用端子の製造方法であって、前記無鉛スズメッキが半溶融状態になる温度に前記リード端子部を加熱する工程と、前記無鉛スズメッキが半溶融した状態で前記リード端子部と前記電極端子部とを押圧させて溶接により接合する工程とを含んでなる、電子部品用端子の製造方法。
  2. 前記リード端子部が260℃になる温度まで加熱を行う、請求項1または2に記載の製造方法。
  3. 前記リード端子部の被溶接部分のみ局所的に加熱を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  4. 前記リード端子部のメッキ表面の加熱を、非接触ヒーターにより行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記リード端子部の加熱を、加熱された不活性ガスの吹きつけにより行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記リード端子部の接合側端部をテーパ状に成形加工する工程を含んでなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記リード端子部の接合側端部が、先端角30〜90°の円錐形状に成形加工されてなる、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記リード端子部の接合側端部が、先端角30〜90°の楔形状に成形加工されてなり、その楔先端の稜線が、前記リード端子の軸方向に対して3〜90°の角度を有してなる、請求項6に記載の製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法により得られる電子部品用端子であって、銅リード端子部とアルミ電極端子部との接合界面に、スズ−銅化合物またはスズ−アルミ化合物が存在しない、電子部品用端子。
  10. 前記銅リード端子部とアルミ電極端子部との接合界面に存在するスズ層が、リード端子部にメッキされた無鉛スズメッキ層の厚みの80%以下の厚みである、請求項に記載の電子部品用端子。
  11. 前記銅リード端子部とアルミ電極端子部との接合界面に存在するスズ層が、リード端子部にメッキされた無鉛スズメッキ層の厚みの20%以下の厚みである、請求項に記載の電子部品用端子。
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