JP5515391B2 - 電解コンデンサの製造方法及び電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサの製造方法及び電解コンデンサ Download PDF

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Description

本発明は、コンデンサ素子に接続されるアルミニウム線に、金属線を溶接して構成されるコンデンサ用リード端子を用いた電解コンデンサに関する。
従来、電子部品のリード端子においては、鉛めっき層を形成した銅被覆鋼線を、アルミニウム線にアーク溶接にて接合したものを用いている。しかしながら、鉛を含む銅被覆鋼線では、鉛は人体に有害であるばかりか自然環境に悪影響を与える物質であり、近年、環境保護の観点から、鉛を一切使用しない電子部品の開発が進められている。例えば、特許文献1に示すアルミ電解コンデンサのように、錫100%からなる錫めっきを施した銅被覆鋼線を、アルミニウム線の一端に設けた凹部に挿入してアーク溶接により接合している。このアルミ電解コンデンサでは、銅被覆鋼線とアルミニウム線との接合部に、銅被覆鋼線と錫めっきとアルミニウム線とが加熱されることで生成される銅と錫とアルミニウムの合金層が形成されている。
特開2000−124073号公報(第3頁、第1図)
しかしながら、特許文献1に記載のアルミ電解コンデンサにあっては、鉛を使用しないリード線においては、アルミニウム線と錫めっき銅被覆鋼線との接続部(溶接部)に生成された合金層には、アルミニウムと錫との混合層が含まれ、この混合層における錫量が多い場合は錫のウィスカが発生してしまう虞がある。このウィスカは直径が1μmに対して1mm以上の長さに達することがあり、このウィスカがコンデンサ等電子部品の端子間を短絡させる虞がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、鉛を含まない電解コンデンサの製造方法において、ウィスカの発生を防ぐことができる電解コンデンサの製造方法及び電解コンデンサを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の電解コンデンサの製造方法は、外周に錫めっき層を形成した金属線とアルミニウム線とを当接させ、前記金属線とアルミニウム線とを溶接することにより製造されたコンデンサ用リード端子を用いた電解コンデンサの製造方法において、
前記金属線の少なくとも一端外側面であって錫めっき層を除去して凹部を形成し、この凹部に、厚さが0.01〜1.0μmの第1めっき層を形成し、該金属線の一端と前記アルミニウム線の一端とを互いに当接させて溶接を行うことにより前記コンデンサ用リード端子を製造することを特徴としている。
この特徴によれば、錫などのめっき用金属で形成された第1めっき層は、極めて薄いめっき層となっており、溶接により形成される金属線とアルミニウム線との溶接部には、めっき用金属が殆ど混合されずに済むようになり、溶接部のウィスカの発生が抑制されるとともに、金属線とアルミニウム線との接続強度も維持できる。
本発明の電解コンデンサの製造方法は、
前記第1めっき層は、置換めっき法を用いて形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、置換めっき法を用いて極めて薄いめっき層である第1めっき層を容易に形成することができる。
本発明の電解コンデンサの製造方法は、
前記第1めっき層は、Sn、Ag、Au、Pd、Pt、Rh又はこれらの合金を含むことを特徴としている。
この特徴によれば、Sn、Ag、Au、Pd、Pt、Rh又はこれらの合金は、いずれもめっき用金属なので、第1めっき層を容易に形成することができ、かつAg、Au、Pd、Pt、Rhは貴金属であり、これらの貴金属を第1めっき層として用いることで、使用する貴金属の量を低減させることができる。
本発明の電解コンデンサの製造方法は、
前記金属線の表面には、ニッケル、銅又はこれらの合金を有していることを特徴としている。
この特徴によれば、電気を流す金属線としての電気特性を向上させることができる。
本発明の電解コンデンサの製造方法は、
前記溶接を行う際に、金属線とアルミニウム線との溶接部を成型手段にて所望の形状に成形することを特徴としている。
この特徴によれば、金属線の溶接部の表面には、金属めっき層が殆ど無いため表面のぬれ性が低下しており、溶接時に溶融したアルミニウム線の一部が金属線の表面に沿って移動せず、溶接部を安定した形状に形成できない場合があるが、金属線とアルミニウム線との溶接部を成型手段で成形することで所望の溶接部形状を安定して形成でき、リード端子の溶接部の機械的強度を向上できる。
本発明の電解コンデンサは、外周に錫めっき層を形成した金属線とアルミニウム線とを当接させ、前記金属線とアルミニウム線とを溶接することにより製造されたコンデンサ用リード端子を用いた電解コンデンサにおいて、
前記金属線の少なくとも一端外側面であって錫めっき層を除去して凹部を形成し、この凹部に、厚さが0.01〜1.0μmの第1めっき層が形成され、該第1めっき層が形成された状態で、前記金属線の一端と前記アルミニウム線の一端とが互いに当接されて溶接された前記コンデンサ用リード端子を用いたことを特徴としている。
この特徴によれば、錫などのめっき用金属で形成された第1めっき層は、極めて薄いめっき層となっており、溶接により形成される金属線とアルミニウム線との溶接部には、めっき用金属が殆ど混合されずに済むようになり、溶接部のウィスカの発生が抑制されるとともに、金属線とアルミニウム線との接続強度も維持できる。
実施例1における金属線の表面に形成された錫めっき層の除去工程を示す概略断面図である。 錫めっき層が除去された金属線を示す概略断面図である。 置換めっき時の金属線を示す概略図である。 置換めっき層が形成された金属線を示す概略断面図である。 (a)は、金属線とアルミニウム線の溶接前の状態を示す概略断面図であり、(b)は、金属線とアルミニウム線の溶接時の状態を示す概略断面図であり、(c)は、金属線とアルミニウム線の溶接後の状態を示す概略断面図である。 実施例2における置換めっき時の金属線を示す概略図である。 置換めっき層が形成された金属線を示す概略断面図である。 (a)は、金属線とアルミニウム線の溶接前の状態を示す概略断面図であり、(b)は、金属線とアルミニウム線の溶接時の状態を示す概略断面図であり、(c)は、金属線とアルミニウム線の溶接後の状態を示す概略断面図である。 (a)は、電気めっき時のリード端子を示す概略断面図であり、電気めっき層が形成されたリード端子を示す概略断面図である。
本発明に係る電解コンデンサの製造方法及び電解コンデンサを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係る電解コンデンサの製造方法につき、図1から図5を参照して説明する。本実施例のコンデンサとして、電解コンデンサを例示して説明する。この電解コンデンサは、アルミニウムで形成された複数の電極箔をセパレータを介して巻回又は積層したコンデンサ素子を、駆動用電解液とともに有底筒状の外装ケースに収納し、この外装ケースに形成された開口を封口体で密封するとともに、コンデンサ素子から導いたリード端子を封口体に貫通させて外部に導出させている。
リード端子Tは、コンデンサ素子に接続されるアルミニウム線5と、軟鋼線4を心材とする金属線1(CP線)とにより構成されている(図5(c)参照)。図1に示すように、金属線1は、軟鋼線4を心材としてその外周に金属材料としての銅を厚くめっきした銅被覆層3が形成されている。更に、その外周に金属材料としての錫100%からなる第2めっき層としての錫めっき層2を形成したものである。尚、錫めっき層2は電気めっき法を用いて形成されており、その厚みははんだ付けを行うために充分な厚みとして2〜15μmの範囲で任意の厚さとなっている。この金属線1を構成する材質には、鉛が一切使用されていないとともに、アルミニウム線5やコンデンサ素子などを構成する材質にも、鉛が一切使用されておらず、本実施例におけるアルミ電解コンデンサは、鉛を含まずに自然環境に対する悪影響を与えない鉛フリーの電子部品となっている。
図1に示すように、カッター8等の機械的手段によって、金属線1の表面外周の錫めっき層2が除去され、金属線1に複数の錫めっき層の無い部分である凹部9が形成される(図2参照)。本実施例では、カッター8を錫めっき層2から銅被覆層3の一部に達する深さまで押し込み、矢印方向にカッター8を移動させることで、図2に示すように、錫めっき層2及び銅被覆層3の一部を除去し、凹部9を形成している。ここで銅被覆層3も含めて除去し、表面に軟鋼線4を露出させることもできるが、銅被覆層3の一部を残すことで、後述のアルミニウム線5とのアーク溶接を精度良く行うことができる。このほか、研磨や研削等の手段や酸溶液に浸漬して錫めっき層2を除去することもできる。なお、金属線1の一端にマスキング等を施し予め錫めっき層2が形成されないようにして錫めっき層の無い部分としても良い。
この凹部9の範囲は、後述のアルミニウム線5との溶接部10に含まれないように、錫めっき層2を除去することが好ましく、1〜3mmほど錫めっき層2を金属線1の先端部より除去するとよい。コンデンサ用リード端子Tにおけるウィスカの発生部位は、金属線1とアルミニウム線5との溶接部10(図5(c)参照)であり、これは金属めっきとして用いられる錫とアルミニウムとが溶接時に混合し、錫へ加わる応力によってウィスカが発生すると考えられる。このため、金属線1の先端部の錫めっき層2は確実に除去する必要があり、そのため機械的手段を用いているが、さらには、錫めっき層2に加えて銅被覆層3の一部を含めて除去するとより効果的である。
次に、金属線1の凹部9に対して置換めっき法を用いて本実施例における第1めっき層としての置換めっき層15を形成する(図4参照)。本実施例で用いる置換めっき法とは、電気化学的にイオン化しやすい金属材料が溶液中の金属イオンによって酸化され、それらが入れ換わることにより、貴な金属のめっき層を形成する方法である。置換めっき法では、材料の組合せに限定があるものの、目的の反応に関わる材料以外に特別な薬剤を必要とせずに、薄いめっき層が均一に形成される。
本実施例における置換めっき用の金属材料としては、錫(Sn)、銀(Ag)、金(Au)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)の内、少なくともいずれかの金属又は前記金属を含む合金等の電気化学的に貴な金属としている(本実施例では、錫を用いて銅被覆層3に置換めっきを行う)。これらの金属等を適切な溶媒に溶解して置換めっき液とする。この置換めっき液には、前述しためっき金属の化合物の他に、置換めっき液として適切な液性を維持するためにチオシアン酸アンモニウムや硼酸を添加するとよい。そして、この置換めっき液にめっき対象となる金属基材を浸漬して置換めっきを行うと、電気化学的にイオン化しやすい金属基材が溶液内の錫等のめっき金属によって酸化され、金属基材がめっき金属で置換されてめっきが進行して金属基材の表面がめっき金属で被覆される。
図3に示すように、本実施例において金属線1に置換めっき層15を形成する際には、まず金属線1の両端部をリール16に巻き付け、ローラ17に沿って金属線1を案内して置換めっき槽18に浸す。置換めっき槽18には、前述した錫が溶解された置換めっき液19が満たされている。そして、金属線1を一方のリール16で巻き取りながらゆっくりとした速度で置換めっき液19内を金属線1が移動するようになっている。
そして、図4に示すように、一方のリール16で巻き取られる際には、金属線1の凹部9、すなわち銅被覆層3が露出された部分に選択的に錫の薄い置換めっき層15が形成される。この置換めっき層15の厚みは0.01〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.5μmとなっている。次に、金属線1における凹部9の端部で金属線1を切断することで(図4の一点鎖線参照)、先端部(一端)に凹部9を形成した複数本の金属線1が形成される。このように銅置換型錫めっき法では、リード端子Tをめっき液19に浸しても、目的の部位(凹部9の露出した銅被覆層3)に選択的に錫めっきされることとなる。
次に、金属線1を製造する際のアルミニウム線5と金属線1との接続方法について説明する。まず、図5(a)に示すように、アルミニウム線5は、その一端に略円柱形状をなす丸棒部6が形成されている。この丸棒部6が本発明の製造方法により金属線1に接続される。また、アルミニウム線5の他端には、プレス加工等により略扁平形状をなす扁平部7が形成されている。この扁平部7がコンデンサ素子の電極箔に接続される。このアルミニウム線5の端部近傍を固定チャック13により固定するとともに、金属線1の端部近傍を可動チャック14により保持して、その凹部9が形成された先端部を一定間隔で対向配置する。この場合、金属線1及びアルミニウム線5には、アーク溶接装置が接続されている。尚、固定チャック13や可動チャック14をアーク溶接装置の通電具としても利用することができる。
図5(b)に示すように、半割りに構成された固定チャック13及び可動チャック14は、それぞれ上下方向からアルミニウム線5及び金属線1を挟み込むように保持するようになっている。尚、可動チャック14には、略半球形状をなす成型部14aが形成されている。この可動チャック14は金属線1の凹部9を挟み込むように保持するようになっており、成型部14aが凹部9の周囲を覆うように配置される。
次に、金属線1を可動チャック14によってアルミニウム線5方向に移動させ、その先端部をアルミニウム線5の端面の所定位置に衝突させて端面と当接させる。この状態において、溶接装置を動作させると、金属線1とアルミニウム線5との間に溶接電流が流れ、金属線1とアルミニウム線5との接触点、即ち、金属線1の先端部とアルミニウム線5の端面との間にアーク溶接電流が流れ始める。
このような溶接電流の通電開始から、金属線1の先端部をアルミニウム線5の端面から離し、両者間に間隔を設定すると、金属線1の先端部とアルミニウム線5の端面との間にアークが生じ、対向する金属線1及びアルミニウム線5の双方が部分的に溶融する。
この状態で、金属線1をアルミニウム線5の端面側に移動させて当接させ、さらに押し込むと、溶融した金属間の融合が生じ、金属線1とアルミニウム線5の端面とが溶着する。この際に可動チャック14の成型部14aが、アルミニウム線5の端面側に移動するため、この成型部14a内の形状に沿って、前記溶融金属が成型されて半球状の溶接部10が形成され、図5(c)に示すように、金属線1とアルミニウム線5とが一体化されたリード端子Tが形成される。この場合、溶接部10は、金属線1を構成する金属とアルミニウム線5を構成する金属との融合により合金層を形成している。この溶接部10には、金属線1の表面に形成された錫めっき層2が予め除去されているため、この溶接部10には、極めて薄い置換めっき層15のみで錫めっき層2が殆ど混在されないことになる。従って錫めっき層2とアルミニウムの混合層によるウィスカの発生は抑制される。
以上、本実施例における電解コンデンサの製造方法では、金属線1の少なくとも一端に、厚さが0.01〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.5μmの置換めっき層15を形成し、金属線1の一端とアルミニウム線5の一端とを互いに当接させてアーク溶接を行うことによりコンデンサ用リード端子Tを製造することで、錫などのめっき用金属で形成された置換めっき層15は、極めて薄いめっき層となっており、アーク溶接により形成される金属線1とアルミニウム線5との溶接部10には、めっき用金属が殆ど混合されずに済むようになり、溶接部10のウィスカの発生が抑制され、かつ金属線1の少なくとも一端は、置換めっき層15により覆われるため、金属線1の酸化や変色や腐食が防止できる。
尚、アーク溶接前に、微量の錫が溶接部10に混入するため、溶接時に溶接部10が溶融されている状態で、ある程度の濡れ性を有するようになり、溶融された溶接部10の形状が安定するようになっている。
また、置換めっき層15は、置換めっき法を用いて形成されることで、置換めっき法を用いて極めて薄いめっき層である置換めっき層15を容易に形成することができる。
また、置換めっき層15は、Sn、Ag、Au、Pd、Pt、Rh又はこれらの合金を含むことで、Sn、Ag、Au、Pd、Pt、Rh又はこれらの合金は、いずれもめっき用金属なので、置換めっき層15を容易に形成することができ、かつAg、Au、Pd、Pt、Rhは貴金属であり、これらの貴金属を第1めっき層として用いることで、使用する貴金属の量を低減させることができる。
また、金属線1は、銅を主体とした銅被覆層3を有していることで、電気を流す金属線1としての電気特性を向上させることができる。
また、アーク溶接を行う前に、金属線1の少なくとも一部に、はんだ付け可能な厚みを有する錫めっき層2を形成することで、錫めっき層2が施された部位を、はんだ付けを行う他の基板等の接続部位として使用することができる。
また、アーク溶接を行う際に、金属線1とアルミニウム線5との溶接部10を成型部14aにて所望の形状に成形することで、金属線1の溶接部10の表面には、錫めっき層2が殆ど無いため表面のぬれ性が低下しており、溶接時に溶融したアルミニウム線5の一部が金属線1の表面に沿って移動せず、溶接部10を安定した形状に形成できない場合があるが、金属線1とアルミニウム線5との溶接部10を成型部14aで成形することで所望の溶接部形状を安定して形成でき、リード端子Tの溶接部10の機械的強度を向上できる。
次に、実施例2に係る電解コンデンサの製造方法につき、図6から図9を参照して説明する。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず実施例2では、軟鋼線4を心材としてその外周に金属材料としての銅を厚くめっきした銅被覆層3を有する金属線1を用いる。そして、この金属線1の表面に対して置換めっき法を用いて本実施例における第1めっき層としての置換めっき層15を形成する(図7参照)。
図6に示すように、金属線1に置換めっき層15を形成する際には、まず金属線1の両端部をリール16に巻き付け、ローラ17に沿って金属線1を案内して置換めっき槽18に浸す。置換めっき槽18には、実施例1と同様に錫が溶解された置換めっき液19が満たされている。そして、金属線1を一方のリール16で巻き取りながらゆっくりとした速度で置換めっき液19内を金属線1が移動するようになっている。
そして、図7に示すように、一方のリール16で巻き取られる際には、金属線1の表面に錫の薄い置換めっき層15が形成される。この置換めっき層15の厚みは0.01〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.5μmとなっている。次に、金属線1における凹部9の端部で金属線1を切断することで(図7の一点鎖線参照)、先端部(一端)に凹部9を形成した複数本の金属線1が形成される。
次に、金属線1を製造する際のアルミニウム線5と金属線1との接続方法について説明する。まず、図8(a)に示すように、アルミニウム線5は、その一端に略円柱形状をなす丸棒部6が形成され、この丸棒部6が本発明の製造方法により金属線1に接続される。また、アルミニウム線5の他端には、プレス加工等により略扁平形状をなす扁平部7が形成され、この扁平部7がコンデンサ素子の電極箔に接続される。このアルミニウム線5の端部近傍を固定チャック13により固定するとともに、金属線1の端部近傍を可動チャック14により保持して、その凹部9が形成された先端部を一定間隔で対向配置する。この場合、金属線1及びアルミニウム線5には、アーク溶接装置が接続されている。
図8(b)に示すように、半割りに構成された固定チャック13及び可動チャック14は、それぞれ上下方向からアルミニウム線5及び金属線1を挟み込むように保持するようになっている。尚、可動チャック14には、略半球形状をなす成型部14aが形成されている。この可動チャック14は金属線1の凹部9を挟み込むように保持するようになっており、成型部14aが凹部9の周囲を覆うように配置される。
次に、金属線1を可動チャック14によってアルミニウム線5方向に移動させ、その先端部をアルミニウム線5の端面の所定位置に衝突させて端面と当接させる。この状態において、溶接装置を動作させると、金属線1とアルミニウム線5との間に溶接電流が流れ、金属線1とアルミニウム線5との接触点、即ち、金属線1の先端部とアルミニウム線5の端面との間にアーク溶接電流が流れ始める。
このような溶接電流の通電開始から、金属線1の先端部をアルミニウム線5の端面から離し、両者間に間隔を設定すると、金属線1の先端部とアルミニウム線5の端面との間にアークが生じ、対向する金属線1及びアルミニウム線5の双方が部分的に溶融する。
この状態で、金属線1をアルミニウム線5の端面側に移動させて当接させ、さらに押し込むと、溶融した金属間の融合が生じ、金属線1とアルミニウム線5の端面とが溶着する。この際に可動チャック14の成型部14aが、アルミニウム線5の端面側に移動するため、この成型部14a内の形状に沿って、前記溶融金属が成型されて半球状の溶接部10が形成され、図8(c)に示すように、金属線1とアルミニウム線5とが一体化されたリード端子Tが形成される。この場合、溶接部10は、金属線1を構成する金属とアルミニウム線5を構成する金属との融合により合金層を形成している。この溶接部10には、極めて薄い置換めっき層15のみで錫めっき層2が殆ど混在されないことになる。従って錫めっき層2とアルミニウムの混合層によるウィスカの発生は抑制される。
次に、リード端子Tに対して電気めっき法を用いて本実施例における第2めっき層としての錫めっき層2を形成する(図9(b)参照)。図9(a)に示すように、実施例2においてリード端子Tに錫めっき層2を形成する際には、まずリード端子Tを陰極に接続するとともに、めっき用の金属材料である錫のプレート20を陽極に接続する。この状態でリード端子Tの金属線1を電気めっき槽21内の電気めっき液22に浸す。
尚、金属線1を電気めっき液22に浸す際には、溶接部10が電気めっき液22に浸からないように且つ電気めっき液22の這い上がりも考慮して、溶接部10を0.3mm以上電気めっき液22の液面から離した状態でリード端子Tを浸すようにするとよい。これによると電気めっき時に電気めっき液22の液面が多少変動されても、溶接部10には、電気めっき液22が着かないようになっている。
図9(b)に示すように、リード端子Tの金属線1には、その外周に金属材料としての錫100%からなる錫めっき層2が形成される。尚、錫めっき層2の厚みは2μm以上となっており、この錫めっき層2が施された部位は、はんだ付けを行うために充分な厚みを有している。
以上、実施例2における電解コンデンサの製造方法では、アーク溶接を行った後に、金属線1の少なくとも一部に、はんだ付け可能な厚みを有する錫めっき層2を形成することで、アーク溶接により形成される金属線1とアルミニウム線5との溶接部10には、極めて薄い置換めっき層15のみで錫めっき層が殆ど混合されずに済むようになる。従って錫めっき層2とアルミニウムの混合層によるウィスカの発生は抑制される。また、錫めっき層2が施された部位を、はんだ付けを行う他の基板等の接続部位として使用することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、各実施例では、軟鋼線4を心材としてその外周に金属材料としての銅を厚くめっきした銅被覆層3を形成しているが、ニッケルを厚くめっきしたニッケル被覆層を形成してもよい。ニッケル被覆層の上に形成される置換めっき層としては、Ag、Au、Pd、Pt、Rh又はこれらの合金を含む金属材料で形成されることが好ましい。また、軟鋼線4に代えて銅線を用いることもできる。
また、各実施例では、金属線1の外周に錫100%からなる錫めっき層2が形成されているが、必ずしも100%の金属材料でめっき層を形成する必要はなく、例えば、錫にビスマス等の金属を添加した合金でめっき層を形成してもよい。
また、各実施例では、固定チャックにてアルミニウム線5を保持し、可動チャックにて金属線1を保持しているが、これに限らず、固定チャックにて金属線1を保持し、可動チャックにてアルミニウム線5を保持し、金属線1に可動チャックにて保持されたアルミニウム線5を移動させて溶接することもできる。
また、各実施例のアーク溶接方法の他の形態として、アルミニウム線5と金属線1とを当接した状態で、溶接電流を流し、この状態でアークを生じさせて金属線1及びアルミニウム線5を部分的に溶融させ、さらに金属線1(又はアルミニウム線5)を押し込むことで、溶融した金属間の融合が生じさせ、金属線1とアルミニウム線5を溶接してもよい。
また、各実施例では、金属線1とアルミニウム線5との溶接として、アーク溶接を例示したが、これに限らず、金属線1とアルミニウム線5とを当接又は一方を他方の端面に形成した凹部に圧入した状態で、加熱溶接、超音波溶接や抵抗溶接等を行うこともできる。
1 金属線
2 錫めっき層(第2めっき層)
3 銅被覆層
4 鋼線
5 アルミニウム線
6 丸棒部
7 扁平部
8 カッター
9 凹部(金属めっき層の無い部分)
10 溶接部
11 テーパ面
12 凹部
13 固定チャック
14 可動チャック
14a 成型部
15 置換めっき層(第1めっき層)
16 リール
17 ローラ
18 置換めっき槽
19 置換めっき液
20 錫のプレート
21 電気めっき槽
22 電気めっき液
T リード端子

Claims (6)

  1. 外周に錫めっき層を形成した金属線とアルミニウム線とを当接させ、前記金属線とアルミニウム線とを溶接することにより製造されたコンデンサ用リード端子を用いた電解コンデンサの製造方法において、
    前記金属線の少なくとも一端外側面であって錫めっき層を除去して凹部を形成し、この凹部に、厚さが0.01〜1.0μmの第1めっき層を形成し、該金属線の一端と前記アルミニウム線の一端とを互いに当接させて溶接を行うことにより前記コンデンサ用リード端子を製造することを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記第1めっき層は、置換めっき法を用いて形成されることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記第1めっき層は、Sn、Ag、Au、Pd、Pt、Rh又はこれらの合金を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記金属線の表面には、ニッケル、銅又はこれらの合金を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記溶接を行う際に、金属線とアルミニウム線との溶接部を成型手段にて所望の形状に成形することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。
  6. 外周に錫めっき層を形成した金属線とアルミニウム線とを当接させ、前記金属線とアルミニウム線とを溶接することにより製造されたコンデンサ用リード端子を用いた電解コンデンサにおいて、
    前記金属線の少なくとも一端外側面であって錫めっき層を除去して凹部を形成し、この凹部に、厚さが0.01〜1.0μmの第1めっき層が形成され、該第1めっき層が形成された状態で、前記金属線の一端と前記アルミニウム線の一端とが互いに当接されて溶接された前記コンデンサ用リード端子を用いたことを特徴とする電解コンデンサ。
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