JP5548877B2 - コンデンサ用リード端子の製造方法 - Google Patents
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この現象を分析したところ、金属線の表面は錫めっき層が除去されているためその表面のぬれ性が低い状態となっており、溶接時に溶融したアルミニウム線の一部が金属線の表面に沿って覆えず、溶融したアルミニウムと金属線との間に隙間が生じてしまうことが分かった。
心材の外周に銅覆層を形成し、更にその外周に錫を主体とした金属めっき層を形成した金属線とアルミニウム線とを当接させ、前記金属線と前記アルミニウム線とをアーク溶接するコンデンサ用リード端子の製造方法において、前記金属めっき層及び前記銅覆層の一部を機械的手段によって除去し、前記金属線の一端に金属めっき層の無い部分を設け、該金属めっき層の無い部分にアルミニウムよりも融点が低い物質、酸化しにくい物質又はアルミニウム表面を還元可能な物質を被覆し、該金属線の一端と前記アルミニウム線の一端とを互いに当接させ、前記アーク溶接を行うことを特徴としている。
これらの物質を前記金属めっき層の無い部分に被覆することで、アルミニウムに対する表面のぬれ性が改善され、溶接時に所望の溶接部形状を安定して形成することができる。
この金属線1を構成する材質には、鉛が一切使用されていないとともに、アルミニウム線5やコンデンサ素子などを構成する材質にも、鉛が一切使用されておらず、本実施例におけるアルミ電解コンデンサは、鉛を含まずに自然環境に対する悪影響を与えない鉛フリーの電子部品となっている。
この錫めっき層の無い部分9の端部で棒状体を切断することで(図1(b)の一点鎖線参照)、先端部(一端)に錫めっき層の無い部分9を形成した金属線1が形成される。本実施例では、カッター8を錫めっき層2から銅覆層3の一部に達する深さまで押し込み、矢印方向にカッター8を移動させることで、図1(b)に示すように、錫めっき層2及び銅覆層3の一部を除去し、錫めっき層の無い部分9を形成している。
ここで銅覆層3も含めて除去し、表面に軟鋼線4を露出させることもできるが、銅覆線3の一部を残すことで、後述のアルミニウム線5とのアーク溶接を精度良く行うことができる。このほか、研磨や研削等の手段で錫めっき層2を除去することもできる。
この錫めっき層の無い部分9の範囲は、後述のアルミニウム線5との溶接部10に含まれないように、錫めっき層2を除去することが好ましく、1.5〜5mmほど錫めっき層2を金属線1の先端部より除去するとよい。
コンデンサ用リード端子におけるウィスカの発生部位は、金属線1とアルミニウム線5との溶接部10(図2(c)参照)であり、これは金属めっきとして用いられる錫とアルミニウムとが溶接時に混合し、錫へ加わる応力によってウィスカが発生すると考えられる。
このため、金属線1の先端部の錫めっき層2は確実に除去する必要があり、そのため機械的手段を用いているが、さらには、錫めっき層2に加えて銅覆層3の一部を含めて除去するとより効果的である。
このアルミニウムより融点が低い物質としては、白色軟金属、酸化しにくい物質としては、貴金属、アルミニウム表面を還元可能な物質としては、活性金属、フッ化物、塩化物、水酸化物があげられる。
これらの物質は単独で用いてもよく又はそれらを組み合わせて用いることもできる。これらの物質を被覆することで、金属線1の錫めっき層の無い部分9の表面は、アルミニウムに対するぬれ性が改善される。
この貴金属を金属線1の錫めっき層の無い部分9の表面に被覆すると、溶接時のアルミニウム線5の酸化を防ぎ、該錫めっき層の無い部分9の表面のぬれ性が改善される。活性金属としては、チタンがあげられる。
この活性金属は、金属表面の酸素と結合して酸化物を形成して金属表面を還元するため、金属線1の錫めっき層の無い部分9の表面のぬれ性が改善される。
またフッ化物としては、AlF3、LiF、KAlF4があげられ、塩化物としては、ZnCl2、NH4Cl、ZnCl2、NaCl、SnCl2、BaCl2、NaCl、KCl、ZnCl2、BaCl2−NaCl−KClの三元共晶組成があげられ、水酸化物としては、LiOH、NaOH、KOHがあげられ、その他の物質としては、金属炭酸塩、例えば炭酸亜鉛があげられる。
これらのフッ化物、塩化物又は水酸化物を貴金属を金属線1の錫めっき層の無い部分9の表面に被覆すると、フッ化物、塩化物又は水酸化物自身が酸化することにより、溶接時のアルミニウム線5の表面から酸素を奪い還元し、錫めっき層の無い部分9の表面のぬれ性が改善される。
このアルミニウム線5をチャック固定し、金属線1を可動チャックに把持させてその錫めっき層2を除去した先端部を一定間隔で対向配置する。この場合、金属線1とアルミニウム線5との間には、アーク溶接装置が接続される。
金属線1における錫めっき層の無い部分9の表面は、上述したアルミニウムよりも融点が低い物質、酸化しにくい物質又はアルミニウム表面を還元可能な物質の被覆により、アルミニウムに対するぬれ性が改善されているため、溶融したアルミニウムは表面張力によって球形化し、半球状の溶接部10が形成され、図2(b)に示すように、金属線1とアルミニウム線5とが一体化されたリード端子が形成される。
この場合、溶接部10は、金属線1を構成する金属とアルミニウム線5を構成する金属との融合により合金層を形成している。
この溶接部10には、金属線1の表面に形成された錫めっき層2が予め除去されているため、この溶接部10には、錫めっき層2が混在されないことになる。従って錫めっき層2とアルミニウムの混合層によるウィスカの発生は抑制される。
また、この露出した錫めっき層の無い部分9には、PP、PET、PPS、フッ素樹脂等の絶縁樹脂層によって被覆したり、金属線1の錫めっき層2を圧延して露出した錫めっき層の無い部分9を被覆したりすることで、この錫めっき層の無い部分9を外気による酸化等から防ぐことができる。
この金属線1の少なくとも錫めっきの無い部分9の表面に、一実施例にて述べた、アルミニウムよりも融点が低い物質、酸化しにくい物質又はアルミニウム表面を還元可能な物質を被覆し、一実施例と同様にアーク溶接を行う。この場合、金属線1の先端近傍に残った錫めっき部2aにより、溶接時の金属線1とアルミニウム線5との接触抵抗を低くして安定した電流を流すことができ、溶接不良を低減できる。
しかも、前記金属線1の外周面に部分的に残された錫めっき部2aは、溶接時にアルミニウム線5の内部に埋没されるため、溶接部10の表面近傍には錫めっき層2はなく、従って錫めっき層2とアルミニウムの混合層によるウィスカの発生は抑制される。
この場合は、この銅線(心材)からなる金属線1に錫めっき層2を直接形成することができる。
2 錫めっき層(金属めっき層)
2a 錫めっき部(金属めっき層)
3 銅被覆層
4 鋼線
5 アルミニウム線
6 丸棒部
7 扁平部
8 カッター
9 錫めっき層の無い部分(金属めっき層の無い部分)
10 溶接部
Claims (3)
- 心材の外周に銅被覆を形成し、更にその外周に錫を主体とした金属めっき層を形成した金属線とアルミニウム線とを当接させ、前記金属線と前記アルミニウム線とをアーク溶接するコンデンサ用リード端子の製造方法において、
前記金属めっき層及び前記銅被覆の一部を機械的手段によって除去し、前記金属線の一端に金属めっき層の無い部分を設け、該金属めっき層の無い部分にアルミニウムよりも融点が低い物質、酸化しにくい物質又はアルミニウム表面を還元可能な物質を被覆し、該金属線の一端と前記アルミニウム線の一端とを互いに当接させ、前記アーク溶接を行うことを特徴とするコンデンサ用リード端子の製造方法。 - 錫を主体とした金属めっき層を形成した金属線とアルニウム線とを当接させ、前記金属線と前記アルミニウム線とをアーク溶接するコンデンサ用リード端子の製造方法において、
前記金属線の先端近傍に金属めっき層が残り、該金属線の先端近傍の金属めっき層が残った部分に連続して金属めっき層の無い部分が設けられるように、前記金属めっき層の一部を除去し、前記金属めっき層の無い部分にアルミニウムよりも融点が低い物質、酸化しにくい物質又はアルミニウム表面を還元可能な物質を被覆し、前記金属線の一端と前記アルミニウム線の一端とを互いに当接させ、前記アーク溶接を行うことを特徴とするコンデンサ用リード端子の製造方法。 - 前記アルミニウムよりも融点が低い物質は白色軟金属、前記酸化しにくい物質は貴金属、前記アルミニウム表面を還元可能な物質は活性金属、フッ化物、塩化物、水酸化物で、これらの物質を単独で又は組み合わせてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンデンサ用リード端子の製造方法。
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