JP6301692B2 - 圧着端子、ワイヤハーネス及び圧着端子の製造方法 - Google Patents

圧着端子、ワイヤハーネス及び圧着端子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、被覆導線の露出させた導体部分を含む先端部に接続可能な圧着端子、ワイヤハーネス及び圧着端子の製造方法に関する。
電気機器には、ワイヤハーネスなどの被覆導線が通常用いられる。このような被覆導線の導体部分には、他のコネクタに結合するため、接続端子が固定される。この導体部分の浸食を適切に抑制して安定した電気的導通を維持するためには、導体部分への水分の浸入阻止は重要である。車両に用いられる接続端子は、雨天時の走行や洗車、結露などによって水分にさらされる可能性があるため、導体部分への水分の浸入阻止の必要性はさらに高い。また、車両の軽量化によって燃費効率を向上させるため、導体部分にアルミニウム系材料を使用したアルミ電線が近年注目されている。しかし、このようなアルミ電線を異種金属により形成された接続端子とともに使用する場合、水分や湿度の存在により、導体部分と接続端子との接続部分で、いわゆる電食が発生し得る。
このため、導体部分への水分の浸入を抑制すべく、被覆導線の導体部分が接続端子に接続された状態で接続部分を絶縁体で封止した接続構造体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記の従来技術では、絶縁体による封止に要するコストが比較的高いという点で改善の余地がある。これに対して、板材を曲げることで、被覆導線の導体部分を収容して圧着可能な圧着部を形成し、これによって導体部分を取り囲む態様も考えられる。
このような態様として、一端閉塞型の中空状(筒状)の圧着部を有する圧着端子を用い、この圧着部内に電線の端部を挿入した後、この圧着部をかしめ加工により圧着して、芯線端部を雨水や海水等の付着から保護する技術が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
また、本出願人らは、一端閉塞型の中空状(筒状)の圧着部を有する端子として、図9に示すように、板材を打ち抜き加工及び曲げ加工を施すことにより、筒状の圧着部Taと、箱状の端子部Tbとを一体的に形成し、さらに圧着部Taと端子部Tbとの連結部分を押し潰して重ね合わせ部Tdを形成した圧着端子STに関する技術を提案している。
このような圧着端子STでは、圧着部Taと重ね合わせ部Tdとにおいて、中空状に曲げ加工した部分にできる突き合わせ界面Tcと重ね合わせ部Tdとをそれぞれレーザ溶接することによって、密閉構造を形成する。具体的には、まず、圧着端子STにおける円筒状に曲げ加工された圧着部Taの突き合せた両端部によって軸方向に向かって形成された突き合わせ界面Tcをレーザ溶接する。さらに、押し潰して重ね合わせ部Tdを形成し、この重ね合わせ部Tdを、外面側から前記突き合わせ界面Tcを横断する方向にレーザビームを照射することによって、重ね合わせ部Tdのレーザ照射部分Teを溶融、再凝固現象を生じさせるレーザ溶接を行うことによって接合封止し、これによって、圧着部Ta内に収容された被覆電線の露出させた導体部分への水の浸入を抑制することができる。
特開2011−233328号公報 特開2006−331931号公報 特開2001−250602号公報
しかしながら、上記従来の技術では、圧着部Taを構成する筒状体の一端を押し潰すプレス加工によって板材同士を密着させた重ね合わせ部Tdを形成する。この状態でさらに、重ね合わせ部Teを構成する板材の表面から、レーザ溶接法のような溶接法、特に貫通溶接法を用いて重ね合わせ部Tdのレーザ照射部分Teを接合すると、重ね合わせ部Tdの接合された部分Teが、実質的に板厚全体にわたって溶融・再凝固することに伴う熱影響により軟化する結果、重ね合わせ部Tdは、圧着端子STの溶融していない他の部分よりも強度が低下する傾向がある。この傾向は、圧着端子STが、所定の端子に接続可能に設けられた端子部Tbをさらに備えている場合に特に顕著である。すなわち、端子部Tbを、同一板材により圧着部Taと一体的に形成され、重ね合わせ部Tdを挟んで圧着部Taとは反対方向に延在させて構成する場合、圧着部Taから端子部Tbへ移行する圧着端子STの部分は、重ね合わせ部Tdの周辺が細くなって、いわゆる首部を構成する結果、この首部の強度低下や変形が生じて、重ね合わせ部Tdで首折れが生じる可能性があった。このため、重ね合わせ部Tdを封止するための手段としては、重ね合わせ部Tdでの強度低下が生じないような新規な接合方法を開発することが必要であった。
本発明の目的は、以上のような従来の課題を解決するものであって、その目的は、局部的な強度低下や変形を抑制しつつ、被覆導線の露出させた導体部分への水分の浸入を適切に抑制した圧着端子、ワイヤハーネス及び圧着端子の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の要旨構成は以下のとおりである。(1)被覆線の露出させた導体部分を含む先端部を収容して圧着可能な圧着部と、所定の端子に接続可能に設けられた端子部を備え、
前記圧着部が、2つの縁部を近接させるように板材を折り曲げて筒状体をなし、該筒状体の一端に、押し潰すことにより形成した重ね合わせ部を有し、前記2つの縁部は、接合されており、前記重ね合わせ部は、その重ね合わせ界面を含む厚み方向の一部だけを溶融させる接合方法によって封止されている接合封止部が設けられ、
前記接合封止部は、圧着端子の幅方向に沿って、前記端子部に向かって凸曲線状となる延在形状で形成されているか、前記端子部に向かって逆V字形状となる延在形状で形成されているか、又は、前記端子部に向かって凹曲線状となる延在形状で形成されていることを特徴とする圧着端子。
(2)前記重ね合わせ部が、前記筒状体内で行う接合方法によって封止されている上記(1)に記載の圧着端子。
(3)前記2つの縁部の接合および前記重ね合わせ部の封止は、いずれも高エネルギー密度ビームを用いた接合方法で行なうことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の圧着端子。
(4)前記高エネルギー密度ビームを、ファイバーレーザビームで構成したことを特徴とする上記(3)に記載の圧着端子。
(5)前記端子部は、前記板材により前記圧着部と一体的に形成され、前記重ね合わせ部を挟んで前記圧着部とは反対方向に延在していることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の圧着端子。
(6)露出させた導体部分を含む先端部を有する被覆電線と、被覆線の露出させた導体部分を含む先端部を収容して圧着可能な圧着部と、所定の端子に接続可能に設けられた端子部を有する圧着端子と具えたワイヤハーネスであって、
前記圧着部が、2つの縁部を近接させるように板材を折り曲げて筒状体をなし、該筒状体の一端に、押し潰すことにより形成した重ね合わせ部を有し、前記2つの縁部は、接合されており、前記重ね合わせ部は、その重ね合わせ界面を含む厚み方向の一部だけを溶融させる接合方法によって封止されている接合封止部が設けられ、 前記接合封止部は、圧着端子の幅方向に沿って、前記端子部に向かって凸曲線状となる延在形状で形成されているか、前記端子部に向かって逆V字形状となる延在形状で形成されているか、又は、前記端子部に向かって凹曲線状となる延在形状で形成されていることを特徴とするワイヤハーネス。
(7)被覆線の露出させた導体部分を含む先端部を収容して圧着可能な圧着部と、所定の端子に接続可能に設けられた端子部とを備える圧着端子の製造方法であって、2つの縁部を近接させるように板材を折り曲げて筒状体を形成し、該筒状体の一端に、押し潰すことにより重ね合わせ部を形成して前記圧着部を得る工程と、前記2つの縁部を接合する工程と、前記重ね合わせ部の重ね合わせ界面を含む厚み方向の一部だけを溶融させる接合方法によって重ね合わせ部を封止し、前記重ね合わせ部に、前記圧着端子の幅方向に沿って、前記端子部に向かって凸曲線状となる延在形状、前記端子部に向かって逆V字形状となる延在形状又は前記端子部に向かって凹曲線状となる延在形状を有する接合封止部を形成すする工程とを備えることを特徴とする圧着端子の製造方法。
本発明によれば、局部的な強度低下や変形を抑制しつつ、被覆線の露出させた導体部分への水分の浸入を適切に抑制した圧着端子、ワイヤハーネス及び圧着端子の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明に従う圧着端子の一の実施態様を示す斜視図であって、被覆導線の先端部とともに示す。 図2(a)は、図1の圧着端子の接合前の状態を示したものであって、突合せ部に沿って切断したときの縦断面図であり、図2(b)及び図2(c)は、接合後の圧着端子の状態を示したものであって、図2(b)が図2(a)と同様の方法で切断したときの縦断面図、図2(c)が図2(b)に示す重ね合わせ部の接合封止部を、圧着部を構成する筒状体の後端部の外方から筒状体の内部に向かって眺めたときの平面図である。 図3(a)〜(d)は、本発明に従う圧着端子の製造方法を構成する主な製造工程を説明するための図である。 図4は、本発明に従う圧着端子の他の実施態様を示す斜視図である。 図5は、本発明に従う圧着端子の他の実施態様を示す斜視図である。 図6は、本発明に従う圧着端子の他の実施態様を示す斜視図である。 図7(a)は、図1に示す圧着端子の重ね合わせ部の溶接状態の一の実施態様を説明するための図であり、図7(b)は、図7(a)のI−I断面図である。 図8(a)は、図1に示す圧着端子の重ね合わせ部の溶接状態の他の実施態様を説明するための図であり、図8(b)は、図8(a)のII−II断面図である。 図9(a)および(b)は、従来の圧着端子の構成を示したものであって、図9(a)が斜視図、図9(b)が図9(a)のIII−III断面図である。
以下、図面を参照して本発明に従う圧着端子の実施の形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る圧着端子10を示す斜視図であり、図2(a)は、図1の圧着端子の接合前の内部構造を示したものであって、突合せ部26に沿って切断したときの縦断面図であり、図2(b)及び図2(c)は、接合後の圧着端子10の内部構造を示す図であって、図2(b)が図2(a)と同様な方法で切断したときの縦断面図、図2(c)が図2(b)に示す重ね合わせ部22の接合封止部34を、圧着部12を構成する筒状体の後端部の外方から筒状体の内部に向かって眺めたときの平面図である。
本実施形態に係る圧着端子10の接続の対象となる被覆導線50は、車両の電気機器への電力供給などに使用される。したがって本実施形態に係る圧着端子10もまた、車両用として構成されている。なお、被覆導線50及び圧着端子10が車両以外の用途に用いられてもよい。
被覆導線50は、導体部分52と、この導体部分52を被覆する絶縁被覆54とで構成されている。被覆導線50の先端部では、導体部分52が所定の長さだけ露出するように絶縁被覆54が剥がされている。導体部分52は、例えば複数本のアルミニウム又はその合金等からなる素線を、例えば断面積が0.75mmとなるように撚って構成されている。なお、断面積はこれに限られたものではない。アルミニウム芯線を導体部分52として用いることで、被覆導線50の軽量化を実現することができ、車両の燃費向上に寄与することができる。なお、本発明では、アルミニウム芯線に代えて、銅合金など他の金属によって構成された芯線が用いられてもよい。
また、図示した圧着端子10は、圧着部12及び端子部14を備える。圧着部12及び端子部14は共に一直線状に延在するよう細長く形成されている。以下、端子部14側を前方、圧着部12側を後方としてこれらの延在方向を「前後方向X」という。
圧着部12は、被覆導線50の、露出させた導体部分52を含む先端部を、収容して圧着可能に構成されている。圧着部12は、2つの縁部15、16を近接させるように板材を折り曲げて筒状体をなし、この筒状体の、端子部14側の一端である前端部20に、板材を平らに押し潰すプレス加工を施すことによって形成した重ね合わせ部22を有する。本実施形態では、2つの縁部15、16が突き合わせ状態で位置するように円筒状に板材を折り曲げた場合を示しているが、2つの縁部15、16同士が重ね合わされた状態になるように板材を折り曲げて筒状体としてもよい。また、本実施形態では、2つの縁部15、16は互いに突き合せ接触するように板材を折り曲げた場合を示しているが、2つの縁部15、16が接合可能な範囲内で、2つの縁部15、16同士を離間させて配置してもよい。また、圧着部12は、横断面が筒状体をなしていればよく、例えば楕円形状や四角形状などの種々の横断面形状に形成することができる。この曲げ加工が終了すると、2つの縁部15、16は互いに接合される。
こうして形成された圧着部12は、中空部18と重ね合わせ部22とによって構成される。中空部18は、筒状体の他端である後端部23に、被覆導線50の先端部が挿入可能な、例えば円形状の開口部24が形成された第1筒状部分と、円筒状部分から前方に先細りとなる第2筒状部分とによって構成されている。この中空部18の内部に、被覆導線50の、露出させた導体部分52を含む先端部が挿入される。圧着部12を構成する中空部18の内部に、被覆導線50の先端部を収容した後、被覆導線50の、露出させた導体部分52を含む先端部を収容した圧着部12の外面から、所定の圧着工具を用いて物理的圧力をかけることによって、被覆導線50の先端部に圧着部12が圧着固定される。圧着工具や圧着方法については公知であるため、ここでの説明は省略する。
重ね合わせ部22は、筒状に形成されていた板材が押し潰されることでフラットな略矩形断面形状に変形する。これにより重ね合わせ部22は、上側板材部28の内面と下側板材部30の内面とが接触して互いに重なり合った状態となっている。本実施形態では、図2(a)に示すように、上側板材部28は、圧着部12の前端部20に端縁を有するが、下側板材部30は、さらに前方に連続して延在して端子部14と一体的に構成されている。
端子部14は、例えば車両に設けられる所定の端子に接続可能に設けられている。端子部14に接続可能な端子は公知であるため、ここでの説明は省略する。本実施形態では、端子部14はレセプタクル(雌型)端子として形成されているが、プラグ(雄型)端子として形成されていてもよく、また、取り付けねじ等で接続される丸形端子や先開端子(Y形端子)として形成することもできる。端子部14は、板材により圧着部12と一体的に形成され、重ね合わせ部22を挟んで圧着部12とは反対方向に延在している。端子部14は、圧着部12を構成する板材と同一の板材で形成されている。端子部14は、横断面が四角形となる筒型に形成されている。
そして、本発明に従う圧着端子10の構成上の主な特徴は、圧着部12に形成した重ね合わせ部22の封止を、重ね合わせ部22の重ね合わせ界面を含む厚み方向の一部だけを溶融させる接合方法によって行なうことにあり、この構成を採用することによって、接合時に、重ね合わせ部22の接合される部分の板厚全体にわたって溶融・再凝固させる現象を伴うレーザ溶接法のような溶接法、特に貫通溶接法を用いた場合と比較して、接合時における重ね合わせ部22の強度をさほど低下させることなく、重ね合わせ部22の接合封止を行なうことができる。
すなわち、従来の貫通溶接法で重ね合わせ部を封止した場合には、図9(b)に示すように、重ね合わせ部22の接合部分(溶融部S3)は、板厚全体にわたって溶融・再凝固する結果、延性については向上するものの硬度が低下して、重ね合わせ部を含む首部で曲げ変形等が生じやすかったが、本発明では、重ね合わせ部22の封止部が、圧着部12の圧着時に封止を維持できる程度の接合強度を具備していれば十分であるため、圧着部12に形成した重ね合わせ部22の封止を、重ね合わせ部22の重ね合わせ界面を含む厚み方向の一部だけを溶融させる接合方法、例えば前記重ね合わせ界面を直接、突き合せ溶接する接合方法で行なうことによって、従来の貫通溶接法のように、溶け込み深さをあまり意識する必要がないため、接合時における重ね合わせ部22の強度をさほど低下させることなく、重ね合わせ部22の接合封止を行なうことを可能にしたものである。
重ね合わせ部22の重ね合わせ界面を含む厚み方向の一部だけを溶融させた具体的な構造としては、例えば、図7(a)および図7(b)に示すように、重ね合わせ部の封止部を、その厚さ方向に見て、非溶融部N1/溶融部S1(重ね合わせ界面が存在していた位置を含む。)/非溶融部N2のような内部溶融構造(溶融部のサンドイッチ構造)や、図8(a)および図8(b)に示すように、重ね合わせ部の封止部を、その厚さ方向に見て、溶融部S2(重ね合わせ界面が存在していた位置を含む。)/非溶融部N3のような片側溶融構造が挙げられる。また、重ね合わせ部22を封止するための接合方法としては、例えば図2(b)に示すように、圧着部12の筒状体内で行う方法を採用することが好ましいが、圧着部12の外方から重ね合わせ界面に沿ってレーザビームを走査させて照射すれば、圧着部12の外方から重ね合わせ部の接合・封止を行なう方法を採用してもよい。
図3(a)〜図3(d)は、本発明に従う圧着端子10の一の製造方法を構成する主な製造工程を説明するための図である。図3(a)は、圧着端子10を形成するための素材である板材80を準備する工程を示したものである。本実施形態では、板材80として、銅合金からなる板材を用いているが、本発明では、板材80を銅合金だけに限定はせず、例えばアルミニウム系材料等の他の材料、あるいは、表面に錫(Sn)めっき等の表面処理被膜を有する表面処理材を板材80として用いてもよい。加えて、板材の板厚についても、本発明では限定する必要はなく、例えば板厚が0.25mmまたは0.32mmの板材80の他、種々の板厚をもつ板材を使用することができる。
図3(b)は、板材80に対し、打ち抜き加工を施した後の板材82を示したものである。本実施形態では、単一のプレス機内に設けられた各加工位置で、打ち抜き加工工程、板材の曲げ加工工程、重ね合わせ部形成のための押圧加工工程、2つの縁部の接合のための溶接工程、及び重ね合わせ部の一端を封止するための接合工程を順次移動させて行なうことによって、6個の圧着端子10を製造したものである。このため、打ち抜き加工工程では、複数の圧着端子10を構成する板材部分が、一方向に並んだ形状に打ち抜かれる。
図3(c)は、曲げ加工工程と押圧加工工程とを行なった後の圧着端子10の形成状態を示したものである。このとき、圧着部12は、上述のように、2つの縁部15、16を突き合わせた状態になるように板材を折り曲げて筒状体とし、この筒状体の前端部20に板材の重ね合わせ部22が形成されるよう板材を押し潰すプレス加工により形成される。また、端子部14は、横断面が四角形の筒状となるように板材が折り曲げられるプレス加工により形成される。本実施形態では、これらの加工は単一のプレス機を用いて実施することができる。しかし、例えば圧着部12と端子部14とが別のプレス機で形成してもよい。また、圧着部12を形成する工程のうち、曲げ加工工程と押圧加工工程とを、連続工程または別々の工程で実施されてもよい。
プレス加工が終了すると、2つの縁部の接合のための第1の接合工程、及び重ね合わせ部の一端を封止するための第2の接合工程の前の圧着端子10が連結部88を介して支持板部86に連結された状態の圧着端子アセンブリ84が得られる。支持板部86は、細長板状に形成されている。前記第1及び第2の接合工程前の圧着端子10相互は、図3(c)に示すように、それぞれの延在方向と垂直な方向に等間隔で並んだ状態で、連結部88を介して支持板部86に連結されている。
図3(d)は、複数の圧着端子10の各々において、突合せ部26が第1の接合方法によって接合され、且つ重ね合わせ部22が、筒状体内で行う第2の接合方法によって封止された圧着端子アセンブリ84を示したものである。
本発明では、2つの縁部15、16の接合および重ね合わせ部22の封止は、いずれも高エネルギー密度ビームを用いた接合方法で行なうことが好ましく、特に、高エネルギー密度ビームを、ファイバーレーザビームで構成することがより好適である。本実施形態では、複数の圧着端子10は、2つの縁部15、16の接合および重ね合わせ部22の封止とも、同じ溶接方法で行なっている。これにより、別々の溶接方法で行なう場合に比べ、圧着端子10の加工時間を短縮でき、圧着端子10の生産性を高めることができる。
圧着端子10は、圧着端子アセンブリ84の形態で出荷される。なお、圧着端子10が他の形態で出荷されてもよい。ユーザは、圧着端子アセンブリ84の納品後、連結部88を切断して圧着端子10を支持板部86から切り離すことにより、圧着端子10を得ることができる。
圧着端子10を構成する圧着部12及び端子部14は、前後方向Xと垂直な幅方向及び高さ方向において互いに略同一寸法を有している。しかしながら、図2(b)に示すように、圧着部12の高さが減少し始める個所と端子部14との間には、1枚の板材だけで構成されている部分や、重ね合わせ部22を含む中間部分が構成され、この中間部分が、全体的に見て、くびれた形状の首部60が存在する。
ところで、一般に、組成の異なる異種金属または合金を接触させた部分で水分が付着すると、両者の標準電極電位が異なるため、イオン化傾向の大きい金属と小さい金属との間に電位差が生じ腐食電流が流れる。その結果、卑な金属は金属イオンとなって溶解し腐食される。これを異種金属腐食や電食という。本実施形態では、導体部分52である芯線を構成するアルミニウムが卑な金属に相当し、圧着端子10を構成する銅合金が貴な金属に相当する。このため、圧着端子10内の導体部分52に水分が浸入すると、アルミニウムで構成された導体部分52が電食され得る。また、導体部分52と圧着端子10の双方がアルミニウム系材料で構成されている場合であっても、組成が異なれば電食は生じるため、導体部分52と圧着端子10が同一組成で構成されていない限り、電食は生じることになる。したがって、安定した電気的導通を維持するために圧着部12の内部への水分の浸入阻止は極めて重要である。
ここで、中空部18の内壁には、周方向に延びる環状の溝18aが形成されている。被覆導線50の先端部が中空部18に収容され圧着されたときに、この溝18aに導体部分52及び絶縁被覆54が食い込むことで係止される。これにより、圧着端子10と導体部分52とが電気的に接触され、また、圧着部12の後端部23からの中空部18内への水分の浸入が阻止される。なお、溝18aに代えて、凸形状になっているセレーションを設けることもできる。
一方、圧着部12は、前端部20に板材の重ね合わせ部22が形成されるよう板材が押し潰されて形成されている。しかし、上述のように重ね合わせ部22の板材間部32には水分が通りうる隙間が存在する可能性があるため、前端部20から中空部18への水分の浸入を阻止するためには、板材間部32を封止する必要がある。このとき、首部60に位置する重ね合わせ部22の板材間部32の封止を、強度低下や変形を抑制するような方法で行なうことが必要である。ここで、板材間部32の封止を、貫通溶接で行なう態様が考えられる。しかしながら、本発明者らの鋭意なる研究開発の結果、板材間部32を貫通溶接(例えばレーザ溶接)して封止すると、熱影響により溶接部が軟化する結果、首部60の強度が低下する傾向があることが判明した。
このため、本発明者らは、重ね合わせ部22を、その重ね合わせ界面を含む厚み方向の一部だけを溶融させる接合方法によって封止すれば、重ね合わせ部22に形成された接合部分に、重ね合わせ部22の板厚方向に溶融・再凝固する現象が生じない部分が残存することになるため、局部的な強度低下や変形を抑制しつつ、被覆導線50の露出させた導体部分52への水分の浸入を適切に抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本実施形態では、2つの縁部15、16の接合および重ね合わせ部22の封止のいずれにも、レーザ溶接法を用いている。本発明では、レーザ溶接などの高エネルギー密度ビームを用いた溶接法によって突合せ部26及び重ね合わせ部22の接合封止部34を接合することが好ましい。特に、高エネルギー密度ビームを用いた溶接として、ファイバーレーザ溶接を用いることが好適である。ファイバーレーザは、ビーム品質に優れ、集光性が高いため、従来のレーザよりも加工領域にエネルギー密度の高いレーザ溶接を実現することができる。このため、高速で材料を加工することが可能であり、熱影響が少なく、アスペクト比の高い深溶け込み溶接が可能であることから、圧着部12の強度低下や変形を抑制しつつ、2つの縁部15、16の間の接合、及び重ね合わせ部22の接合封止部34の形成を適切に行うことができる。ファイバーレーザは、連続発振、パルス発振、QCW発振、又はパルス制御された連続発振によって照射されてもよい。ファイバーレーザは、シングルモードまたはマルチモードファイバレーザでもよい。
なお、ファイバーレーザ溶接に代えて、ファイバーレーザ、YAGレーザ、半導体レーザ、ディスクレーザ等によるレーザビーム、又は電子ビームが用いられてもよい。
ファイバーレーザ溶接は、レーザ溶接装置100によって実施される。本実施形態では、突合せ部26の接合方向は、特に限定されず、後端部23から前端部20に向かう方向であっても、反対に、前端部20から後端部23に向かう方向であってもよい。また、重ね合わせ部22に形成される接合封止部34についても、接合方向は特に限定されず、レーザ溶接装置100から発振したレーザービームを、図2(b)に示すように板材部間32の延在方向に沿って走査させて照射することによって接合封止することができる。
また、図1に示す本実施形態では、圧着部12の内面側に形成した接合封止部34を、圧着端子10の幅方向に沿って直線状となる延在形状で形成した場合を示しているが、この形状だけには限定されず、例えば、接合封止部34を、図4に示すように圧着端子10Aの幅方向に沿って、端子部14に向かって凸曲線状となる延在形状で形成する場合、図5に示すように圧着端子10Bの幅方向に沿って、端子部14に向かって逆V字形状となる延在形状で形成する場合、及び、図6に示すように圧着端子10Cの幅方向に沿って、端子部14に向かって凹曲線状となる延在形状で形成する場合などの種々の態様を採ることができる。
本発明では、上述した圧着端子10を、露出させた導体部分52を含む先端部を有する被覆電線の先端部に圧着して形成したワイヤハーネスに適用することによって、強度低下や変形を抑制しつつ被覆導線50の露出させた導体部分52への水分の浸入を適切に抑制できる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。
本発明によれば、強度低下や変形を抑制しつつ被覆導線の露出させた導体部分への水分の浸入を適切に抑制できる圧着端子を提供することが可能になった。
10、10A、10B、10C 圧着端子
12 圧着部
14 端子部
15,16 縁部
18 中空部
18a 溝
20 前端部
22 重ね合わせ部
23 後端部
24 開口部
26 突合せ部
28 上側板材部
30 下側板材部
32 板材間部
34 接合封止部
50 被覆導線
52 導体部分
54 絶縁被覆
60 首部
80、82 板材
84 圧着端子アセンブリ
86 支持板部
88 連結部
100 レーザ溶接装置

Claims (7)

  1. 被覆線の露出させた導体部分を含む先端部を収容して圧着可能な圧着部と、所定の端子に接続可能に設けられた端子部とを備え、
    前記圧着部が、2つの縁部を近接させるように板材を折り曲げて筒状体をなし、該筒状体の一端に、押し潰すことにより形成した重ね合わせ部を有し、
    前記2つの縁部は、接合されており、
    前記重ね合わせ部は、その重ね合わせ界面を含む厚み方向の一部だけを溶融させる接合方法によって封止されている接合封止部が設けられ、
    前記接合封止部は、圧着端子の幅方向に沿って、前記端子部に向かって凸曲線状となる延在形状で形成されているか、前記端子部に向かって逆V字形状となる延在形状で形成されているか、又は、前記端子部に向かって凹曲線状となる延在形状で形成されていることを特徴とする圧着端子。
  2. 前記重ね合わせ部が、前記筒状体内で行う接合方法によって封止されている請求項1に記載の圧着端子。
  3. 前記2つの縁部の接合および前記重ね合わせ部の封止は、いずれも高エネルギー密度ビームを用いた接合方法で行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の圧着端子。
  4. 前記高エネルギー密度ビームを、ファイバーレーザビームで構成したことを特徴とする請求項3に記載の圧着端子。
  5. 記端子部は、前記板材により前記圧着部と一体的に形成され、前記重ね合わせ部を挟んで前記圧着部とは反対方向に延在していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧着端子。
  6. 露出させた導体部分を含む先端部を有する被覆電線と、
    被覆線の露出させた導体部分を含む先端部を収容して圧着可能な圧着部と、所定の端子に接続可能に設けられた端子部とを有する圧着端子と、
    を具えたワイヤハーネスであって、
    前記圧着部が、2つの縁部を近接させるように板材を折り曲げて筒状体をなし、該筒状体の一端に、押し潰すことにより形成した重ね合わせ部を有し、
    前記2つの縁部は、接合されており、
    前記重ね合わせ部は、その重ね合わせ界面を含む厚み方向の一部だけを溶融させる接合方法によって封止されている接合封止部が設けられ、
    前記接合封止部は、圧着端子の幅方向に沿って、前記端子部に向かって凸曲線状となる延在形状で形成されているか、前記端子部に向かって逆V字形状となる延在形状で形成されているか、又は、前記端子部に向かって凹曲線状となる延在形状で形成されていることを特徴とするワイヤハーネス。
  7. 被覆線の露出させた導体部分を含む先端部を収容して圧着可能な圧着部と、所定の端子に接続可能に設けられた端子部とを備える圧着端子の製造方法であって、
    2つの縁部を近接させるように板材を折り曲げて筒状体を形成し、該筒状体の一端に、押し潰すことにより重ね合わせ部を形成して前記圧着部を得る工程と、
    前記2つの縁部を接合する工程と、
    前記重ね合わせ部の重ね合わせ界面を含む厚み方向の一部だけを溶融させる接合方法によって重ね合わせ部を封止し、前記重ね合わせ部に、前記圧着端子の幅方向に沿って、前記端子部に向かって凸曲線状となる延在形状、前記端子部に向かって逆V字形状となる延在形状又は前記端子部に向かって凹曲線状となる延在形状を有する接合封止部を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする圧着端子の製造方法。
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