JP6848129B1 - 固定子の製造方法および固定子の製造装置 - Google Patents

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Abstract

小型化を図りつつ複数のコイルセグメントを良好に接合することのできる固定子の製造方法および製造方法を提供する。実施形態では、成形治具102(第1押圧治具)の押圧部102bによって押圧面19cを固定子鉄心16の軸方向に他端面16bに向かって押圧しながら、固定子鉄心16および成形治具の少なくともいずれかを周方向に回動させて、コイルセグメント19の押圧面19cが他端面16bに沿うように延出端部19bを固定子鉄心16の周方向に折曲げる。矯正治具103(第2押圧治具)により複数の延出端部19bを固定子鉄心16の軸方向に他端面16bに向かって押圧するとともに、外壁治具105と内壁治具101により、複数の延出端部19bを固定子鉄心16の径方向外側および径方向内側から押圧する。

Description

この発明の実施形態は、固定子の製造方法および製造装置に関する。
回転電機は、筒状の固定子と、固定子に対して回転自在に設けられた回転子とを有している。固定子は、円環状の電磁鋼板を多数枚積層して構成された固定子鉄心と、固定子鉄心に取付けられたコイルと、を有している。複数のコイルセグメントを接合して構成されるコイルは、固定子鉄心の両端面から軸方向に突出するコイルエンドを有している。近年、回転電機の固定子は、一層の小型化が望まれている。
特開2006−304507号公報 特開2017−85806号公報
本発明の実施形態の課題は、小型化を図りつつ複数のコイルセグメントを良好に接合することのできる固定子の製造方法および製造装置を提供することにある。
実施形態の固定子の製造方法は、中心軸線に対して傾斜した押圧面を一端に有する一対の直線部と前記一対の直線部の他端同士を連結した架橋部とを有し平角導体で形成された複数のコイルセグメントを用意する。前記複数のコイルセグメントの前記直線部を、固定子鉄心の一端面側から複数のスロットに挿通し、前記固定子鉄心の他端面側から所定長さ軸方向に突出した複数の延出端部を構成し、各スロットに複数の前記直線部を径方向に並べて配置することにより、前記複数の延出端部を前記固定子鉄心と同軸の4層以上の複数層の円筒状に配列する。第1押圧治具の押圧部により前記押圧面を前記固定子鉄心の軸方向に前記他端面に向かって押圧しながら、前記固定子鉄心および前記第1押圧治具の少なくともいずれかを周方向に回動させて、前記押圧面が前記他端面に沿うように前記延出端部を前記固定子鉄心の周方向に折曲げる。前記折曲げられた前記複数の延出端部の押圧面に重ねて第2押圧治具を配置し、前記第2押圧治具により前記延出端部を前記固定子鉄心の軸方向に前記他端面に向かって押圧する。前記第2押圧治具による押圧とともに、前記円筒状に配列された最外層の複数の延出端部の外周面に当接する環状の外壁治具と前記円筒状に配列された最内層の複数の延出端部の内周面に当接する環状の内壁治具により、前記複数の延出端部を前記固定子鉄心の径方向外側および径方向内側から押圧する。
実施形態の固定子の製造装置は、中心軸線に対して傾斜した押圧面を一端に有する一対の直線部と前記一対の直線部の他端同士を連結した架橋部とを有する平角導体で形成された複数のコイルセグメントの前記直線部が、固定子鉄心の一端面側から前記固定子鉄心に設けられた複数のスロットに挿通されるとともに前記固定子鉄心の他端面側から所定長さ軸方向に延出端部として突出し、各スロットに複数の前記直線部が径方向に並べて配置されることにより、前記複数の延出端部が前記固定子鉄心と同軸の4層以上の複数層の円筒状に配列された固定子組立体の前記押圧面のそれぞれを、前記固定子鉄心の軸方向に前記他端面に向かって押圧する押圧部を備えるとともに、前記固定子鉄心の中心軸に対する周方向の相対位置が可変に構成された第1押圧治具と、前記固定子鉄心の前記他端面に沿うように折り曲げられた前記複数の延出端部の前記押圧面に重ねて前記延出端部を前記固定子鉄心の軸方向に前記他端面に向かって押圧する第2押圧治具と、前記延出端部を径方向の両側から押圧する、前記円筒状に配列された最外層の複数の延出端部の外周面に当接する環状の外壁治具および前記円筒状に配列された最内層の複数の延出端部の内周面に当接する環状の内壁治具と、を備える。
図1は、実施形態に係る回転電機を示す縦断面図。 図2は、前記回転電機を示す横断面図。 図3は、前記回転電機の固定子の他端面側を示す斜視図。 図4は、図3の領域Aであって前記固定子のコイルセグメントのコイルエンド部分を拡大して示す斜視図。 図5は、前記コイルセグメントを示す斜視図。 図6は、固定子鉄心および円筒状に配列されたコイルセグメントを示す斜視図。 図7は、前記固定子鉄心に前記コイルセグメントを装着した状態である固定子組立体を示す斜視図。 図8は、前記固定子鉄心の他端面側およびコイルセグメントの延出端部を示す斜視図。 図9は、図8の領域Bを拡大して示す斜視図。 図10は、前記固定子鉄心の内部に内壁治具を取り付けた状態を示す斜視図。 図11は、前記コイルセグメントを折曲げ成形する成形治具を示す斜視図。 図12は、前記固定子鉄心に装着された前記コイルセグメントのうち6層目(最外層)に位置する48個のコイルセグメントを、48本の前記成形治具によって最初(1回目)に折曲げ成形する状態を示す斜視図。 図13は、図12の領域Dにおける1本のコイルセグメントの折曲げ成形前の状態を示す斜視図。 図14は、図12の領域Dにおける1本のコイルセグメントの折曲げ成形後の状態を示す斜視図。 図15は、コイルセグメントの折曲げ成形の過程を模式的に示す側面図。 図16は、前記固定子鉄心に装着された前記コイルセグメントのうち1層目(最内層)に位置する48個の前記コイルセグメントを、48本の前記成形治具によって最後(6回目)に折曲げ成形する状態を示す斜視図。 図17は、図16の領域Eにおける1本のコイルセグメントの折曲げ成形前の状態を示す斜視図。 図18は、図16の領域Eにおける1本のコイルセグメントの折曲げ成形後の状態を示す斜視図。 図19は、折曲げ成形されたコイルセグメントの押圧面を拡大して示す斜視図。 図20は、図19のコイルセグメントの押圧面を拡大して示す斜視図。 図21は、図20の押圧面が固定子鉄心の他端面に対して傾斜している状態を模式的に示す側面図。 図22は、コイルセグメントの押圧面を押圧する矯正治具を示す斜視図。 図23は、矯正治具によるコイルセグメントの矯正成形を示す斜視図。 図24は、矯正成形された前記コイルセグメントの押圧面を拡大して示す斜視図。 図25は、図24のコイルセグメントの押圧面を拡大して示す斜視図。 図26は、図25の押圧面が固定子鉄心の他端面に対して傾斜していない状態を模式的に示す側面図。 図27は、内壁治具および外壁治具によるコイルセグメントの湾曲成形を示す斜視図。 図28は、湾曲加工によるコイルセグメントの延出端部の一部を拡大して示す斜視図。 図29は、図28の領域Mにおいて、矯正治具の開口部と溶接ポイントとの関係を模式的に示す斜視図。 図30は、湾曲成形された前記コイルセグメントの押圧面を拡大して示す斜視図。 図31は、コイルセグメントの溶接工程を示す斜視図。 図32は、溶接された前記コイルセグメントの押圧面を拡大して示す斜視図。 図33は、変形例の矯正治具を示す斜視図。 図34は、矯正治具の第1開口部、第2開口部および第3開口部と溶接ポイントとの関係を模式的に示す斜視図。
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
(実施形態)
初めに、実施形態に係る固定子が適用される回転電機の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る回転電機の縦断面図であり、中心軸線C1を中心として片側の半分だけを示している。図2は、回転電機の横断面図である。
図1に示すように、回転電機10は、例えば、永久磁石型の回転電機として構成されている。回転電機10は、環状あるいは円筒状の固定子12と、固定子12の内側に中心軸線C1の回りで回転自在に、かつ固定子12と同軸的に支持された回転子14と、これら固定子12および回転子14を支持するケーシング30と、を備えている。
以下の説明では、中心軸線C1の延在方向を軸方向、中心軸線C1回りに回転する方向を周方向、軸方向および周方向に直交する方向を径方向と称する。
図1および図2に示すように、固定子12は、円筒状の固定子鉄心16と固定子鉄心16に巻き付けられた回転子巻線(コイル)18とを備えている。固定子鉄心16は、磁性材、例えば、ケイ素鋼などの円環状の電磁鋼板17を多数枚、同芯状に積層して構成されている。多数枚の電磁鋼板17は、固定子鉄心16の外周面の複数個所を溶接することにより、互いに積層状態に連結されている。固定子鉄心16は、軸方向一端に位置する一端面16a、および軸方向他端に位置する他端面16bを有している。一端面16aおよび他端面16bは、中心軸線C1と直交して延在している。
固定子鉄心16の内周部には、複数のスロット20が形成されている。複数のスロット20は、円周方向に等間隔を置いて並んでいる。各スロット20は、固定子鉄心16の内周面に開口し、この内周面から放射方向に延出している。各スロット20は、固定子鉄心16の軸方向の全長に亘って延在している。各スロット20の一端は一端面16aに開口し、他端は他端面16bに開口している。
複数のスロット20を形成することにより、固定子鉄心16の内周部は、中心軸線C1に向かって突出する複数(例えば、本実施形態では48個)のティース21を構成している。ティース21は、周方向に沿って等間隔を置いて配置されている。このように、固定子鉄心16は、円環状のヨーク部と、ヨーク部の内周面から中心軸線C1に向かって径方向に突出した複数のティース21とを一体に有している。
複数のスロット20にコイル18が埋め込まれ、各ティース21に巻き付けられている。コイル18は、固定子鉄心16の一端面16aおよび他端面16bから軸方向外側に向かって延出するコイルエンド18a、18bを有している。コイル18に交流電流を流すことにより、固定子12(ティース21)に所定の鎖交磁束が形成される。
図1に示すように、固定子鉄心16の軸方向両端には、固定子鉄心16と略同一断面形状を有する鉄心端板24がそれぞれ設けられている。更に、これら鉄心端板24の上に鉄心押え26が設けられている。
ケーシング30は、ほぼ円筒状の第1ブラケット32aと、お椀形状の第2ブラケット32bと、を有している。第1ブラケット32aは、固定子鉄心16の駆動端側に位置する鉄心押え26に連結されている。第2ブラケット32bは、反駆動端側に位置する鉄心押え26に連結されている。第1および第2ブラケット32a、32bは、例えば、アルミニウム合金等で形成されている。第1ブラケット32aの先端側に、環状のベアリングブラケット34がボルトにて同軸的に締結されている。ベアリングブラケット34の中央部に、例えば、ころ軸受35を内蔵した第1軸受部36が締結されている。第2ブラケット32bの中央部に、例えば玉軸受37を内蔵した第2軸受部38が締結されている。
一方、回転子14は、第1および第2軸受部36、38により、中心軸線C1を中心に回転自在に支持された円柱形状のシャフト(回転軸)42と、シャフト42の軸方向ほぼ中央部に固定された円筒形状の回転子鉄心44と、回転子鉄心44内に埋め込まれた複数の永久磁石46と、を有している。回転子鉄心44は、磁性材、例えば、ケイ素鋼などの円環状の電磁鋼板47を多数枚、同芯状に積層した積層体として構成されている。回転子鉄心44は中心軸線C1と同軸的に形成された内孔48を有している。シャフト42は内孔48に挿通および嵌合され、回転子鉄心44と同軸的に延在している。回転子鉄心44の軸方向両端に、略円板状の磁気遮蔽板54、回転子鉄心押え56が設けられている。
図1および図2に示すように、回転子鉄心44は、固定子鉄心16の内側に僅かな隙間(エアギャップ)を置いて同軸的に配置されている。すなわち、回転子鉄心44の外周面は、僅かな隙間をおいて、固定子鉄心16の内周面(ティース21の先端面)に対向している。
回転子鉄心44には、軸方向に貫通する複数の磁石埋め込み孔が形成されている。各磁石埋め込み孔内に永久磁石46が装填および配置され、例えば、接着剤等により回転子鉄心44に固定されている。各永久磁石46は、回転子鉄心44の全長に亘って延在している。また、複数の永久磁石46は、回転子鉄心44の周方向に所定の間隔を置いて配列されている。
図2に示すように、回転子鉄心44は、それぞれ回転子鉄心44の半径方向あるいは放射方向に延びるd軸、およびd軸に対して電気的に90°離間したq軸を有している。ここでは、隣合う磁極間の境界および中心軸線C1を通って放射方向に延びる軸をq軸とし、q軸に対して電気的に直角な方向をd軸としている。d軸およびq軸は、回転子鉄心44の円周方向に交互に、かつ、所定の位相で設けられている。
回転子鉄心44の円周方向において、各d軸の両側に2つの永久磁石46が配置されている。各永久磁石46は、断面が矩形状の細長い平板状に形成され、回転子鉄心44の軸方向長さとほぼ等しい長さを有している。回転子鉄心44の中心軸線C1と直交する断面でみた場合、永久磁石46は、それぞれd軸に対して傾斜している。2つの永久磁石46は、例えば、ほぼV字状に並んで配置されている。ここでは、永久磁石46の内周側の端はそれぞれd軸に隣接し、僅かな隙間をおいて互いに対向している。永久磁石46の外周側の端は、回転子鉄心44の円周方向に沿ってd軸から離間し、回転子鉄心44の外周面の近傍およびq軸の近傍に位置している。これにより、永久磁石46の外周側の端は、隣合う磁極の永久磁石46の外周側端と、q軸を挟んで隣接対向している。
図3は、固定子の他端面側を示す斜視図、図4は、図3の領域Aであって固定子の第2コイルエンド部分を拡大して示す斜視図、図5は、コイルセグメントを示す斜視図である。図3および図4に示すように、コイル18は、平角導体として断面形状が矩形の銅の平角線からなる複数のコイルセグメント19を用いて構成され、固定子鉄心16に組みつけられている。
平角導体は、長手方向に垂直な断面(横断面)が略矩形の形状をしているか、少なくとも、長手方向に垂直な断面の形状が対向する2長辺を有する。平角導体の長手方向に垂直な断面(横断面)が矩形である場合、四隅は直角である必要はなく、面取りやR加工がされていてもよい。また、長手方向に垂直な断面(横断面)が対向する2長辺を有する場合、例えば長円状など、断面においてこれらの対向する2長辺の端部を結ぶ部分は曲線であってもよい。
図5に示すように、コイルセグメント19は、平角線を切断および折曲げることにより、ほぼU字形状に形成されている。すなわち、コイルセグメント19は、互いに間隔を置いて対向する一対の直線部19aと、直線部19aの一端部同士を連結した架橋部19dと、を一体に有している。コイルセグメント19は、矩形の断面形状を有し、すなわち、断面は、互いに対向する一対の長辺および互いに対向する一対の短辺を有している。コイルセグメント19の外面は、エナメル等の絶縁被膜19f(ドットで図示)で覆われている。各直線部19aの延出端は、絶縁被膜19fが除去され、導通可能な状態となっている。延出端部19bは、その先端部分に、直線部19aの中心軸線C2に対して角度θ1(90°未満)傾斜した押圧面19cを有している。押圧面19cは、矩形状に形成され、一対の長辺が中心軸線C2に対し所定角度傾斜し、一対の短辺が中心軸線C2と直交する方向に延在している。図5においてドットで図示している絶縁被膜19fは、図5以外の図面において図示を省略している。
図3に示すように、複数のコイルセグメント19は、複数の円筒状、ここでは、6層の円筒状に配列され、各コイルセグメントの一対の直線部19aが、例えば、固定子鉄心16の一端面16a側からそれぞれ対応する異なるスロット20に差し込まれ、固定子鉄心16の他端面16bから所定長さだけ突出している。図2に示すように、1スロット20に例えば、6つの直線部19aが挿通される。スロット20において、6つの直線部19aは、固定子鉄心16の半径方向に並んで配置されている。6つの直線部19aは、長辺同士が平行に向かい合った状態で、スロット20内に配置されている。
コイルセグメント19の架橋部19dは、固定子鉄心16の一端面16aに僅かに隙間を置いて対向している。架橋部19dは、固定子鉄心16のほぼ円周方向に沿って延在し、幾つかの架橋部19dは、他の架橋部19dと交差して延在している。これらの架橋部19dは、一端面16aから突出するコイルエンド18aを構成している。
図3および図4に示すように、他端面16bから所定長さ軸方向に延出している直線部19aは、固定子鉄心16の周方向に沿って折曲げられ、軸方向に対して傾斜して延在している。詳細には、各直線部19aの延出端部19bは、固定子鉄心16の軸方向から周方向に所定角度折れ曲がる第1曲げ部19Mと、第1曲げ部19Mから軸方向に対して傾斜して直線的に延在する傾斜部19Nとを有している。延出端部19bの先端に位置する押圧面19cは、固定子鉄心16の他端面16bとほぼ平行に位置している。
各スロット20に挿通された6本の直線部19aの延出端部19bは、交互に一方向および逆方向に折曲げられている。すなわち、最内周に位置する延出端部19bは、固定子鉄心16の周方向の一方向に折曲げられ、1つ外側の延出端部19bは、周方向の他方向(逆方向)に折曲げられている。更に1つ外側の延出端部19bは、一方向に折曲げられている。異なる複数のスロット20から延出している6本の延出端部19bは、押圧面19cが、固定子鉄心16の径方向にほぼ一列に並んで位置するように折曲げられている。これら6つの押圧面19cは、ほぼ同一平面に延在している。
径方向に並んだ各列の6つの直線部19aの先端面あるいは押圧面19cは、2つずつ(2本ずつ)互いに機械的かつ電気的に接合されている。接合には、例えば、レーザー溶接を用いることができる。2つの押圧面19cにレーザー光を照射し導体を部分的に溶融することにより、溶接ビード19gを形成する。径方向に隣合う2つの先端部を接合することにより、複数のコイルセグメント全体で3相のコイル18を構成している。また、固定子鉄心16の延出端部19bは、他端面16bから突出するコイルエンド18bを構成している。直線部19aの押圧面(溶接面)を含む先端部(導電部)は、粉体塗装、ワニス等の図示しない絶縁材料で覆われる。
図3に示すように、コイル18の内、3本のコイルに、それぞれU相接続端子TU、V相接続端子TV、W相接続端子TWが接続されている。
次に、実施形態に係る回転電機の固定子の製造方法の一例について説明する。
図6は、固定子鉄心16および円筒状に配列されたコイルセグメント19を示す斜視図である。
図6に示すように、まず、多数本のコイルセグメント19を用意し、これらを円筒状に配列する。図示していないが、それぞれ円筒状に配列された3組のコイルセグメント19を用意する。1組(48本)のコイルセグメント19は、固定子鉄心16の複数のスロット20に沿って円筒形状に配列されている。1組のコイルセグメント19は、U相用の2本のコイルセグメント19U1と19U2、V相用の2本のコイルセグメント19V1と19V2、およびW相用の2本のコイルセグメント19W1と19W2の合計6本を最小ユニットとして、8ユニットから構成されている。円筒状に配列された1組において、コイルセグメント19の直線部19aは、径方向に2列に並んでいる。すなわち、多数(48本×2)の直線部19aは、径の異なる2層の円筒状に配列されている。
図7は、固定子鉄心16にコイルセグメント19を装着した状態である固定子鉄心組立体を示す斜視図である。
図7に示すように、各組のコイルセグメント19は、固定子鉄心16の一端面16a側からスロット20に挿入される。コイルセグメント19の直線部19aは、スロット20に差し込まれ、固定子鉄心16の他端面16bから所定長さだけ突出し、延出端部19bを構成する。円筒状に配列された1組(48本)のコイルセグメント19の両端に位置する96個(48×2)の直線部19aは、対応する48個のスロット20において、2層分の円筒に相当し、例えば6層目(最外層)と5層目の位置に差し込まれる。円筒状に配列された3組(144本、48本×3)のコイルセグメント19が、固定子鉄心16の一端面16a側から対応する48個のスロット20に挿入される。3組のコイルセグメント19の直線部19aおよび延出端部19bは、同芯で径の異なる6層の円筒状に配列される。各スロット20において、直線部19aは、6層目(最外層)から1層目(最内層)まで径方向に並んで配置される。
図8は、固定子鉄心16に全てのコイルセグメント19を装着し、かつ、上下向きを変えて示す斜視図、図9は、図8の領域Bを拡大して示す斜視図である。
図8および図9に示すように、コイルセグメント19が装着された固定子鉄心16(固定子鉄心組立体)は、後述するコイルセグメント19の延出端部19bの成形のために、上下の向きが反転される。各スロット20に挿通された6本の直線部19aは、固定子鉄心16の径方向に並んで位置している。以下、径方向において、最外層(6層目)に位置するコイルセグメント、直線部、延出端部、押圧面を19P、19Pa、19Pb、19Pcとし、5層目に位置するコイルセグメント、直線部、延出端部、押圧面を19Q、19Qa、19Qb、19Qcとし、4層目に位置するコイルセグメント、直線部、延出端部、押圧面を19R、19Ra、19Rb、19Rcとし、3層目に位置するコイルセグメント、直線部、延出端部、押圧面を19S、19Sa、19Sb、19Scとし、2層目に位置する直線部、延出端部、押圧面を19T、19Ta、19Tb、19Tcとし、最内層(1層目)に位置するコイルセグメント、直線部、延出端部、押圧面を19Ua、19Ub、19Ucと称する。
径方向に並んだ押圧面19Pc、19Qc、19Rc、19Sc、19Tc、19Ucの傾斜方向は、交互に逆向きにしている。すなわち、6層目、4層目、2層目の押圧面19Pc、19Rc、19Tcは同一方向に傾斜し、5層目、3層目、1層目の押圧面19Qc、19Sc、19Ucは、逆方向に傾斜している。
図10は、固定子鉄心16の内部に内壁治具101を取り付けた状態を示す斜視図である。
図10に示すように、円筒状に配列された最内層の延出端部19Ubの内側に内壁治具101が配置される。内壁治具101は、円筒形状に形成され、支持面と機能する外周面101aを有している。内壁治具101は、十分な剛性を備えた金属から形成されている。内壁治具101の直径は、最内層の延出端部19Ubによって構成される円筒の内径とほぼ等しく形成されている。なお、内壁治具101は、円筒形状に限らず、中実の円柱形状に形成されていてもよい。
内壁治具101は、固定子鉄心16と同軸的に配置され、最内層の延出端部19Ubの内側に挿通される。これにより、内壁治具101の外周面101aは、延出端部19Ubの内周側の側面に隣接対向している。最内層の延出端部19Ubを固定子鉄心16の周方向に折曲げ成形する際、内壁治具101は、延出端部19Ubが固定子鉄心16の径方向内側に向かって傾斜しないように、延出端部19Ubを内周側から支持する。ここで、1層目(最内層)に位置する延出端部19Ubは、固定子鉄心16の径方向内側に隣接する他の延出端部19bが存在しない。そのため、1層目(最内層)に位置する延出端部19Ubを内壁治具101によって径方向内側から支持することにより、径方向内側に向かって倒れることを防止する。
図11は、コイルセグメント19を折曲げ成形する成形治具102を示す斜視図である。
図11では、一例として8個の成形治具102を図示している。成形治具102は、後述する図12等に示すように、48個を1組として構成し、ほぼ均等な間隔で円筒状に配置されている。1組の成形治具102は、固定子鉄心16に装着されているコイルセグメント19のうち、各1層の48本の延出端部19bを同時に押圧して折曲げ成形する。
成形治具102(第1押圧治具)は、固定子鉄心16の中心軸線C1と平行に延びる、すなわち、鉛直方向に延びる角柱形状の本体部102aと、本体部102aから下方に延出し下端が円弧状に湾曲した押圧部102bと、押圧部102bよりも固定子鉄心16の径方向外側に位置するフランジ部102cと、を有し、金属等により一体に形成されている。フランジ部102cは、押圧部102bよりも幅および長さが大きく形成され、押圧部102bの両側縁および下端縁から外方に突出している。すなわち、フランジ部102cは、押圧部102bを、固定子鉄心16の径方向外側から内側に向かって覆うように形成されている。具体的には、成形治具102は、本体部102aの下端部の両側縁部および下端縁部を部分的に切削することにより、固定子鉄心16の径方向内側に位置する部分を押圧部102bとして、固定子鉄心16の径方向外側に位置する部分をフランジ部102cとしている。本体部102aは、図示しない、昇降自在な支持体に支持されている。
上述した1組の成形治具102を用いて、コイルセグメント19の延出端部19bを1層毎に折曲げ成形する。一例では、成形治具102により、最外層(6層目)から最内層(1層目)に向かって、1層ごとに、延出端部19bを押し曲げる。
図12は、6層目(最外層)に位置する48個の延出端部19Pbを成形治具102によって折曲げ成形する工程を示す斜視図である。
図12に示すように、1組の成形治具102の間隔を調整し、最外層の延出端部19Pbからなる円筒の径とほぼ一致する径に配列する。48個の成形治具102が48本の延出端部19Pbと整列する位置に成形治具102を配置し、押圧部102bを延出端部19Pbの先端面(押圧面)19Pcに当接させ、フランジ部102cを延出端部19Pbの外周側の側面に当接させる。この状態で、成形治具102を軸方向に下降させ押圧面19Pcを介して延出端部19Pbを押圧するとともに、固定子鉄心16を中心軸線の回りで押圧面19Pcの傾斜方向、ここでは、反時計方向CCWに回動する。これにより、最外層の48本の延出端部19Pbが折曲げられ、押圧面19Pcは、固定子鉄心16の他端面16bに沿った状態になる。なお、本実施形態においては固定子鉄心16を中心軸線の回りに回動させているが、成形治具102の固定子鉄心16の中心軸線に対する周方向の相対位置が変わればよく、成形治具102を固定子鉄心16の中心軸線の回りに回動させても、もしくは、固定子鉄心16と成形治具102の両者をそれぞれ逆方向に固定子鉄心16の中心軸線の回りに周方向に回動させても構わない。
図13は、コイルセグメント19Pの折曲げ成形前の状態を示す斜視図、図14は、そのコイルセグメント19Pの折曲げ成形後の状態を示す斜視図である。図15は、折曲げ成形の工程を模式的に示す側面図である。
図13および図15(A)に示すように、折曲げ成形する直前の状態において、延出端部19Pbは、固定子鉄心16の軸方向に沿って、固定子鉄心16の他端面16bから上方に突出している。延出端部19Pbの押圧面19Pcは、中心軸線に対して傾斜している。成形治具102の押圧部102bは押圧面19Pcに当接し、フランジ部102cは延出端部19Pbの外側面を固定子鉄心16の径方向内側に向かって支持している。
図14、図15(B)、(C)、(D)に示すように、成形治具102が降下し、押圧部102bが押圧面19Pcを固定子鉄心16の軸方向に沿って他端面16b側に押圧しつつ、固定子鉄心16が反時計方向CCWに回動される。これにより、延出端部19Pbを押圧面19Pcの傾斜方向と反対の方向、かつ、固定子鉄心16の周方向に押し倒し折曲げ成形する。この際、押圧面19Pcは、固定子鉄心16の他端面16bに向かって降下するが、固定子鉄心16の周方向に移動しない。すなわち、折曲げ成形に伴って、延出端部19Pbの先端(押圧面19Pc)は固定子鉄心16の周方向に移動することなく、延出端部19Pbの基端部が固定子鉄心16の周方向に折れ曲がる。これにより、延出端部19Pbは、基端側から先端側に対して時計方向CWに傾斜するように折曲げ成形される。図14および図15(D)に示すように、押圧面19Pcが固定子鉄心16の他端面16bとほぼ平行となる位置まで延出端部19Pbを折曲げる。
折曲げ成形の間、成形治具102のフランジ部102cは、延出端部19Pbの外周側の側面に当接し、延出端部19Pbが固定子鉄心16の径方向外側に倒れないように支持する。すなわち、6層目(最外層)の延出端部19Pbは、固定子鉄心16の径方向外側において隣接する他の延出端部19bが存在しないことから、成形治具102のフランジ部102cが存在しなければ、径方向外側に向かって傾斜し易い。一方、6層目(最外層)の延出端部19bは、固定子鉄心16の径方向内側において隣接する5層目の延出端部19bにより、径方向内側に向かって傾斜することが抑制される。
1組の成形治具102は、折曲げ成形後、コイルセグメント19から離間する位置まで上昇される。次いで、図示しない駆動機構により、成形治具102を一層分だけ径方向内側に移動させるとともに、成形治具102間の間隔を狭めるように調整し、成形治具102の配置径を5層目の延出端部19Qbの径に合わせる。この状態で、成形治具102を下降させ5層目に位置する48個の延出端部19Qbの押圧面19Qcを同時に押圧するとともに、固定子鉄心16を時計方向CWに回動することにより、5層目の延出端部19Qbを固定子鉄心16の周方向に沿って同時に折曲げる。
成形治具102は、延出端部19bの折曲げ成形が終了する毎に、コイルセグメント19の1層分に相当する距離だけ固定子鉄心16の径方向内側に移動され、上述した折曲げ成形を繰り返し行う。成形治具102は、全ての層(最外層の6層目から最内層の1層目までの合計6層)における延出端部19bの折曲げ成形が終了した後、固定子鉄心16の径方向外側に移動されて、最外層に対応する位置まで戻る。
延出端部19Pb、19Qb、19Rb、19Sb、19Tbおよび19Ubは、固定子鉄心16の周方向に沿って交互に逆方向に折曲げ成形される。すなわち、延出端部19Pb(6層目)、19Rb(4層目)および19Tb(2層目)は、固定子鉄心16の周方向に沿って、基端側から先端側に対して時計方向CWに折曲げ成形される。また、延出端部19Qb(5層目)、19Sb(3層目)および19Ub(1層目)は、固定子鉄心16の周方向に沿って、基端側から先端側に対して反時計方向CCWに折曲げ成形される。折曲げ方向は、押圧面19cの傾斜方向および固定子鉄心16の回動方向を変えることにより、選択することができる。
なお、成形治具102の押圧部102bにより、例えば、5層目に位置する延出端部19Ubの押圧面19cを押圧し折曲げ成形する際、成形治具102のフランジ部102cが折曲げ成形済みの6層目の延出端部19Ubに当接する場合がある。この場合、6層目の延出端部19bは、フランジ部102cに押されて一旦弾性変形するが、成形治具102が離間した段階でスプリングバックにより元の折曲げ成形位置に戻る。
図16、図17、図18、図19は、最内層の延出端部を折曲げ成形する工程をそれぞれ示す斜視図である。
図16に示すように、1組の成形治具102は、互いの間隔を最も狭めるように移動され、最内層の延出端部19Ubの径に一致する径に調整される。調整後、成形治具102は、固定子鉄心16の中心軸線方向に下降し、最内層に位置する48個の延出端部19Ubの押圧面Ucを同時に押圧する。
図17および図18に示すように、成形治具102の押圧部102bは、延出端部19Ubの押圧面19Ucを下方に押圧する。同時に、固定子鉄心16は、時計方向CWに回動される。これにより、延出端部19Ubの基端部が、押圧面19Ucの傾斜方向と反対の方向、かつ、固定子鉄心16の円周方向に折り曲げられる。延出端部19Ubは、押圧面19Ucが固定子鉄心16の他端面16bとほぼ平行となる位置まで折曲げられる。
折曲げ成形の間、成形治具102のフランジ部102cは、延出端部19Ubの外周側の側面を支持し、延出端部19Ubの径方向外側への移動、変形を防止する。更に、折曲げ成形の間、延出端部19Ubの内周側の側面を内壁治具101の外周面101aで支持することにより、延出端部19Ubの径方向内方への移動、変形を防止している。すなわち、1層目(最内層)の延出端部19Ubは、固定子鉄心16の径方向内側に隣接する他の延出端部19bが存在していないため、押圧工程に伴って径方向内側に変形し易いが、内壁治具101の外周面101aによって延出端部19Ubを押えることにより、延出端部19Ubの径方向内側への変形、倒れを防止することができる。
コイルセグメント19の折曲げ成形後、1組の成形治具102は、内壁治具101の上方まで引き上げられ、コイルセグメント19から離間する。
なお、成形治具102によって延出端部19bを折曲げ成形する際に、延出端部19bが固定子鉄心16の径方向外側に倒れるか否かは、コイルセグメント19の材質や折曲げ条件に依存する。そのため、延出端部19bが固定子鉄心16の径方向外側に倒れ難い条件の場合、また、延出端部19bの倒れ具合が許容範囲内となる場合、フランジ部102cを省略した成形治具102を用いてもよい。
図19は、折曲げ成形されたコイルセグメント19の一部を拡大して示す斜視図、図20は、図19のコイルセグメント19の押圧面19cを拡大して示す斜視図、図21は、図20の押圧面19cが固定子鉄心16の他端面16bに対して傾斜している状態を模式的に示す側面図である。
図示のように、成形治具102をコイルセグメント19から離間させた状態において、コイルセグメント19の延出端部19Pb、19Qb、19Rb、19Sb、19Tb、19Ubは、折曲げ成形後にスプリングバックが発生している。これにより、コイルセグメント19の押圧面19Pc、19Qc、19Rc、19Sc、19Tc、19Ucは、固定子鉄心16の他端面16bから離れる方向(上方)と、固定子鉄心16の径方向外方に向かって、それぞれ位置ずれしている。この結果、各々の押圧面19cは、固定子鉄心16の他端面16bに対して傾斜しつつ、固定子鉄心16の径方向外側に向かって突出している。
これに伴い、図20に示すように、固定子鉄心16の径方向に沿って隣合うコイルセグメント19の押圧面19cには、互いに重なり合う重複部分19x1が発生している。すなわち、押圧面19Qcは、押圧面19Pcに部分的に乗り上げている。また、押圧面19Scは、押圧面19Rcに部分的に乗り上げている。同様に、押圧面19Ucは、押圧面19Tcに部分的に乗り上げている。コイルセグメント19の重複部分19x1は、製造を良好に進めるために、縮小することが望ましい。
また、図21に示すように、一例として、固定子鉄心16の径方向に沿って隣合うコイルセグメント19Tの押圧面19Tcと、コイルセグメント19Uの押圧面19Ucは、固定子鉄心16の他端面16bに対して平行に位置決めされていない。このため、コイルセグメント19Tの押圧面19Tcと、コイルセグメント19Uの押圧面19Ucは、交差した状態になっている。すなわち、押圧面19Pc、19Qc、19Rc、19Sc、19Tc、19Ucは、固定子鉄心16の上方向および周方向に互いにずれて位置し、固定子鉄心16の径方向にジグザグに並んでいる。
このようなことから、6層目に押圧面19Pcと5層目の押圧面19Qcとの間、4層目の押圧面19Rcと3層目の押圧面19Scとの間、および2層目の押圧面19Tcと1層目の押圧面19Ucとの間には、重複部分19x1および隙間が生じている。
そこで、以下に述べる矯正成形によって、延出端部19bの押圧面19cを固定子鉄心16の他端面16bと平行になるように矯正しつつ、隣合う押圧面19cにおける重複部分19x1と隙間を縮小させる。
図22は、コイルセグメント19の押圧面19cを押圧する矯正治具103を示す斜視図である。
図22に示すように、矯正治具103(第2押圧治具)は、ほぼリング状の金属板で構成されている。矯正治具103には、上面103aから下面103bまで貫通した48個の開口部103cが、矯正治具103の周方向に一定の間隔で形成されている。開口部103cは、長孔で構成され、矯正治具103の中心に対して、放射方向に延びている。各開口部103cは、矯正治具103の外周面103d近傍から内周面103e近傍まで延びている。48個の開口部103cは、固定子鉄心16の48個のスロット20に対応する形状、大きさ、配設位置に形成されている。
矯正治具103は、延出端部19bの押圧面19cを固定子鉄心16の軸方向に他端面16bに向かって押圧して、押圧面19cが他端面16bとほぼ平行に位置するように延出端部19bを固定子鉄心16の軸方向に折曲げるために用いる治具である。複数の開口部103cは、後述する接合工程において、溶接に用いるレーザー光を通す開口として用いられる。
図23は、矯正治具103によるコイルセグメント19の矯正成形を示す斜視図、図24は、矯正成形されたコイルセグメント19の押圧面19cを拡大して示す斜視図である。
図23に示すように、矯正工程において、矯正治具103は、固定子鉄心16に形成された48個のスロット20に対向するように位置決めされる。すなわち、矯正治具103は、各開口部103cが、固定子鉄心16の径方向に沿って並んだ複数のコイルセグメント19の押圧面19cに対向するように位置決めされる。具体的には、各開口部103cは、6、5、4、3、2および1層目に位置する押圧面19Pc、19Qc、19Rc、19Sc、19Tcおよび19Ucを部分的に露出させるように、矯正治具103に形成されている。特に、開口部103cは、固定子鉄心16の径方向に隣合う押圧面19cの境界部に対向して位置される。
位置決めされた矯正治具103は、図示しない駆動機構により、固定子鉄心16の他端面16b側に移動され、コイルセグメント19の押圧面19cに押し付けられる。これにより、コイルセグメント19の押圧面19cは、矯正治具103の下面103bによって他端面16b側に押圧され、互いに重なることなく固定子鉄心16の他端面16bとほぼ平行な位置に矯正される。
図25は、図24のコイルセグメント19の押圧面19cを拡大して示す斜視図、図26は、図25の押圧面19cが固定子鉄心16の他端面16bに対して傾斜していない状態を模式的に示す側面図である。
図示のように、矯正工程の後、矯正治具103をコイルセグメント19から離間させた状態において、コイルセグメント19の押圧面19Pc、19Qc、19Rc、19Sc、19Tc、19Ucは、固定子鉄心16の他端面16bとほぼ平行な状態になっている。これにより、図25に示す固定子鉄心16の径方向に沿って隣合うコイルセグメント19の重複部分19x2は、図20に示すコイルセグメント19の重複部分19x1と比較して、大幅に縮小されている。
一方、延出端部19Pb、19Qb、19Rb、19Sb、19Tb、19Ubは、折曲げ成形後のスプリングバックによって、固定子鉄心16の径方向外側に向かって僅かに位置ずれしている。押圧面19Pc、19Qc、19Rc、19Sc、19Tc、19Ucは、固定子鉄心16の周方向に互いにずれて位置し、固定子鉄心16の径方向にジグザグに並んでいる。6層目に押圧面19Pcと5層目の押圧面19Qcとの間、4層目の押圧面19Rcと3層目の押圧面19Scとの間、および2層目の押圧面19Tcと1層目の押圧面19Ucとの間には、それぞれ僅かな隙間が生じている。
そこで、以下に説明する湾曲成形によって、延出端部19bを湾曲させつつ、延出端部19bの固定子鉄心16の径方向に沿った位置ずれを解消して、押圧面19c間の隙間を減少させる。
図27は、湾曲成形を示す斜視図、図28は、湾曲加工によるコイルセグメントの延出端部の一部を拡大して示す斜視図、図29は、図28の領域Mにおいて、矯正治具の開口部と溶接ポイントとの関係を模式的に示す斜視図である。
図27に示すように、湾曲成形では、矯正治具103により延出端部19bが固定子鉄心16の軸方向に押圧されている状態で、内壁治具101と外壁治具105とで延出端部19bを径方向両側から押圧することにより、延出端部19bを曲げ加工する。外壁治具105は、リング形状の部材を複数、例えば、4分割した4つの円弧状の分割治具105A、105B、105C、105Dで構成されている。外壁治具105は、押圧面として機能する内周面105aを有している。分割治具105A〜105Dを組み合わせてリング状の外壁治具105を構成した状態において、内周面105aの直径は、6層目(最外層)に位置する48個の延出端部19Pbによって構成される円筒の外径よりも僅かに小さい。分割治具105A〜105Dは、十分な剛性を備えた金属から形成されている。
図27および図28に示すように、湾曲成形では、図示しない駆動機構により、4つの分割治具105A、105B、105C、105Dを径方向外方から内壁治具101に向かって移動させ、外壁治具105の内周面105aで最外層の延出端部19bを内壁治具101に向かって所定の圧力で押圧する。6層の延出端部19Pb、19Qb、19Rb、19Sb、19Tbおよび19Ubは、外壁治具105の内周面105aと内壁治具101の外周面101aとの間に挟み込まれ、径方向の両側から外壁治具105および内壁治具101により押圧される。これにより、6層の延出端部19Pb、19Qb、19Rb、19Sb、19Tbおよび19Ubの少なくとも先端部は、外壁治具105の内周面105aおよび内壁治具101の外周面101aに沿うように曲げられる。
図29に示すように、溶接ポイント19iを外すように、開口部103cは、各々のスロット20において、6層目に位置する押圧面19Pcと5層目に位置する押圧面19Qcとの境界部、4層目に位置する押圧面19Rcと3層目に位置する押圧面19Scとの境界部、2層目に位置する押圧面19Tcと1層目に位置する押圧面19Ucとの境界部と対向する位置に位置決めされる。
なお、本実施形態においては、矯正治具103によるコイルセグメント19の矯正成形を行なう矯正工程の後に内壁治具101と外壁治具105による湾曲成形を行なう湾曲成形工程を行なうものを例として示したが、矯正治具103による固定子鉄心16の軸方向への押圧(軸方向の押圧)と内壁治具101と外壁治具105による径方向両側からの押圧(径方向の押圧)とが同時に作用する時間が少なくとも一部にあれば、矯正工程と湾曲形成工程の順序は入れ替えても構わない。すなわち、本実施形態においては、矯正治具103による軸方向の押圧とともに内壁治具101と外壁治具105による径方向の押圧が行われる。
図30は、曲げ加工が施された後の延出端部19bを示す斜視図である。
図示のように、曲げ加工を施すことにより、コイルセグメント19の延出端部19Pb、19Qb、19Rb、19Sb、19Tbおよび19Ubは、径方向外側への位置ずれおよび隙間が無くなり、押圧面19Pc、19Qc、19Rc、19Sc、19Tc、19Ucは、互いに隣接して固定子鉄心16の径方向にほぼ一列に並んでいる。これにより、6層目の押圧面19Pcと5層目の押圧面19Qcとの間の隙間、4層目の押圧面19Rcと3層目の押圧面19Scとの間の隙間、および2層目の押圧面19Tcと1層目の押圧面19Ucとの間の隙間、がほとんど無くなり、それぞれ接合が容易な状態となる。
上述した曲げ加工の後、径方向に隣合う2つの押圧面19cを互いに機械的かつ電気的に接合し、3相のコイル18を構成する。図31は、接合工程の一例を示す斜視図、図32は、接合された接合部を示す斜視図である。
本実施形態によれば、一例として、接合工程は、レーザー光による溶接によって押圧面を接合する。図31に示すように、折曲げ成形された6層の延出端部19bを矯正治具103と内壁治具101と外壁治具105とで挟んだ状態で、かつ、矯正治具103で押圧面19cを上から押えた状態で、押圧面19cをレーザー溶接する。
この際、接合工程に先立ち、調温器(ヒータ)104によって矯正治具103を常温よりも高い所定の温度に加熱する。調温器104は、一例として、電源104aと、電源104aと矯正治具103を電気的につなぐケーブル104bを含んで構成されている。矯正治具103は、電気抵抗率が十分に高い金属によって構成する。調温器104は、電源104aからケーブル104bを介して矯正治具103に電流を入力することにより、矯正治具103を電気抵抗によって加熱する。矯正治具103の加熱に伴い、延出端部19bの先端部も矯正治具103を介して所定の温度に加熱される。
なお、調温器104は、上記のように通電により矯正治具103を直接的に加熱する構成に限定されることなく、矯正治具103の上面103a等に加熱用のペルチェ素子や熱電対を設けて、矯正治具103を間接的に加熱する構成としてもよい。
次に、レーザー光源106からレーザー光Lを出射し、ガルバノミラー107を介して延出端部19bの押圧面19cにレーザー光Lを照射する。レーザー光Lは、矯正治具103の開口部103cを通過して、コイルセグメント19の押圧面19cに照射される。具体的には、固定子鉄心16を所定位置に保持した状態でガルバノミラー107を駆動し、径方向に一列に並んだ6層目の押圧面19Pcと5層目の押圧面19Qcとの境界部、4層目の押圧面19Rcと3層目の押圧面19Scとの境界部、および2層目の押圧面19Tcと1層目の押圧面19Ucとの境界部に、それぞれレーザー光を照射する。隣合う2つの押圧面19cは、それぞれレーザー光Lにより部分的に加熱、溶解され、その後、融合した状態で固まり溶接ビード19g(図32を参照)が形成される。溶接ビード19gによって、隣合う2つの押圧面19cが機械的かつ電気的に接合される。
一列の押圧面19cを溶接した後、固定子鉄心16を周方向に7.5度(360度を48で割った角度)回転させてから停止する。この状態で、2列目の押圧面19Pcと押圧面19Qcとの境界部、押圧面19Rcと押圧面19Scとの境界部、および押圧面19Tcと押圧面19Ucとの境界部に、ガルバノミラー107および開口部103cを介してレーザー光Lをそれぞれ照射し、隣合う2つの押圧面同士を溶接する。このような溶接工程を繰り返し行い、径方向に並んだ全列の押圧面を2つずつ溶接する。図32に示すように、各列の押圧面19cを2つずつ溶接および接合することにより、複数のコイルセグメント19からなる3相(U相、V相およびW相)のコイル18が形成される。
なお、接合工程において、レーザー溶接は、半導体レーザーから導出されたレーザー光を光ファイバーによって伝播し、光ファイバーから導出されたレーザー光を集光レンズによって押圧面19cに集光して行う構成としてもよい。この場合、光ファイバーに接続された集光レンズを、直動ステージやロボットハンド等によってコイルセグメント19の押圧面19cの近傍に移動させる。また、接合工程は、レーザー溶接に限定されことなく、半田付けや超音波接合等の他の接合手法を用いてもよい。
接合工程が終了した後、内壁治具101、外壁治具105および矯正治具103を固定子鉄心16およびコイルセグメント19から取り外す。続いて、延出端部19bの先端部および接合部を粉体塗装、あるいは、ワニス等の絶縁材料で覆うことにより、コイル18間の電気的絶縁を担保する。更に、コイル18の各相に、それぞれU相接続端子TU、V相接続端子TV、W相接続端子TWが接続される。
以上の製造工程により、固定子鉄心16にコイル18を装着および接続し、固定子12が構成される。
以上のように構成された本実施形態に係る固定子の製造方法によれば、矯正治具103(第2押圧治具)により押圧面19cを固定子鉄心16の軸方向に他端面16bに向かって押圧し、複数の押圧面19cの高さが揃うように延出端部19bの曲げを矯正する。
矯正治具103(第2押圧治具)により、押圧面19cを他端面16bに対して傾斜した状態からほぼ平行な状態に矯正することで、図25に示すコイルセグメント19の重複部分19x2は、図20に示すコイルセグメント19の重複部分19x1と比較して、大幅に縮小することができる。これにより、6層目の押圧面19Pcと5層目の押圧面19Qcとの間における重複および隙間、4層目の押圧面19Rcと3層目の押圧面19Scとの間における重複および隙間、および2層目の押圧面19Tcと1層目の押圧面19Ucとの間における重複および隙間を大幅に減少させて、それぞれ接合が容易な状態にすることができる。
このような製造方法によれば、延出端部19bの先端部を把持することなく延出端部19bを折り曲げることが可能となる。そのため、コイルセグメント19の延出端部19bに把持部を設ける必要がなく、把持部の分だけ、延出端部19bを短く設定することができる。従って、形成されるコイル18のコイルエンド18bの突出高さ(固定子鉄心16の他端面16bからの突出高さ)を低く抑えることができる。この結果、コイル18および固定子12の小型化が可能となる。
以上のことから、本実施形態によれば、小型化を図りつつ複数のコイルセグメント19を良好に接合できる固定子12の製造方法が得られる。
また、本実施形態の製造方法によれば、矯正治具103は複数の開口部103cを有し、矯正治具103は、開口部103cが押圧面19cの境界部に対向するように、位置決めされる。このような製造方法によれば、溶接すべき押圧面19c同士の境界部が、矯正治具103の開口部103cを通して露出されることから、開口部103cを介して、押圧面19c同士の境界部を容易に溶接することができる。溶接される押圧面19c同士の境界部の周囲は矯正治具103により覆われていることから、溶接に伴うスパッタが周囲に飛散することを抑制できる。すなわち、矯正治具103を、スパッタの飛散を防止するカバーとして兼用することができる。この結果、固定子鉄心16の径方向に隣合う押圧面19cを良好に、かつ、容易に接合することができる。
また、本実施形態の製造方法によれば、矯正治具103により延出端部19bの押圧面19cを押圧した状態で押圧面19cを溶接する際、矯正治具103を常温よりも高い所定の温度に加熱している。そのため、レーザー光Lの照射により生じる熱が押圧面19cから矯正治具103に放熱することを抑制でき、押圧面19cの溶接部を良好に加熱、溶融することができる。従って、レーザー溶接を安定して行うことができ、隣合う押圧面19cを良好に、かつ、容易に接合することができる。
次に、矯正治具の変形例について説明する。図33は、変形例に係る矯正治具を示す斜視図、図34は、矯正治具の第1開口部、第2開口部および第3開口部と溶接ポイントとの関係を模式的に示す斜視図である。
図示のように、変形例によれば、矯正治具103の各開口部103cは、長孔に代えて、複数の小孔で構成されている。詳細には、矯正治具103は、前述した実施形態の矯正治具と同一の外径形状を有し、すなわち、リング状の金属板で構成されている。矯正治具103は、環状の上面103a、環状の下面103b、内周面103e、外周面103dを有している。矯正治具103には、上面103aから下面103bまで貫通した48組の開口部103cが、矯正治具103の周方向に一定の間隔で形成されている。各組の開口部103cは、矯正治具103の径方向に間隔を置いて並んで設けられた複数、例えば、3つの第1開口部103c1、第2開口部103c2および第3開口部103c3によって構成されている。各開口は、例えば、円形あるいは楕円形の小孔である、これら第1開口部103c1、第2開口部103c2および第3開口部103c3は、図23に示した製造工程において、矯正治具103を延出端部19bの押圧面19cに重ねて配置した際に、径方向に隣合う押圧面19cの境界部とそれぞれ対向する位置に配置されている。
具体的には、図34に示すように、溶接ポイント19iを外すように、各組の第1開口部103c1は、各々のスロット20において、6層目に位置する押圧面19Pcと5層目に位置する押圧面19Qcとの境界部と対向する位置に位置決めされる。各組の第2開口部103c2は、各々のスロット20において、4層目に位置する押圧面19Rcと3層目に位置する押圧面19Scとの境界部と対向する位置に位置決めされる。各組の第3開口部103c3は、各々のスロット20において、2層目に位置する押圧面19Tcと1層目に位置する押圧面19Ucとの境界部と対向する位置に位置決めされる。
上記のように構成された変形例の矯正治具103を用いた場合でも、第1開口部103c1、第2開口部103c2および第3開口部103c3を通して、押圧面19cの溶接個所にレーザー光を照射することができ、押圧面19c同士を容易に接合することができる。更に、溶接の際、溶接個所のみが開口を介して露出し、溶接されない他の領域を矯正治具103によって覆うことができる。具体的には、5層目に位置する押圧面19Qcと4層目に位置する押圧面19Rcとの境界部、3層目に位置する押圧面19Scと2層目に位置する押圧面19Tcとの境界部は、それぞれ溶接されない領域であり、矯正治具103の第1開口部103c1、第2開口部103c2および第3開口部103c3に対向せず、矯正治具103の下面103bによって覆われる。従って、溶接不要箇所にレーザー光が照射されることがなく、溶接個所のみにレーザー光を的確に照射することが可能となる。同時に、矯正治具103で覆うことにより、溶接に伴うスパッタの飛散を防止し、溶接不要領域にスパッタが付着することを抑制できる。このように、変形例に係る矯正治具103は、第1開口部103c1、第2開口部103c2および第3開口部103c3によって、溶接すべき押圧面19c同士の境界部のみを露出させることから、溶接に伴うスパッタの付着を最小限に抑制できる。
なお、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態や変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、コイルの巻数、コイルセグメントの設置数は、上述した実施形態に限定されることなく、適宜、増減可能である。例えば、1スロットに4本あるいは8本のセグメント直線部が配置されるように構成してもよい。回転子の寸法、材質、形状等は、前述した実施形態に限定されることなく、設計に応じて種々変更可能である。本実施形態に係る回転子および回転電機は、永久磁石界磁電動機に限らず、誘導電動機にも適用可能である。
10…回転電機、12…固定子、16…固定子鉄心、16a…一端面、16b…他端面、
18…コイル、18a,18b…コイルエンド、
19,19P,19Q,19R,19S,19T,19U…コイルセグメント、
19a…直線部、
19b,19Pb,19Qb,19Rb,19Sb,19Tb,19Ub…延出端部、
19c,19Pc,19Qc,19Rc,19Sc,19Tc,19Uc…押圧面、
19d…架橋部、19f…絶縁被膜、19g…溶接ビード、19i…溶接ポイント、
19x1…重複部分、19x2…重複部分、20…スロット
101…内壁治具、101a…外周面、102…成形治具(第1押圧治具)、
102a…本体部、102b…押圧部、102c…フランジ部、
103…矯正治具(第2押圧治具)、103a…上面、103b…下面、
103c…開口部、103c1…第1開口部、103c2…第2開口部、
103c3…第3開口部、103d…外周面、103e…内周面、104…調温器、
105…外壁治具、105A,105B,105C,105D…分割治具、
105a…内周面、106…レーザー光源、107…ガルバノミラー

Claims (5)

  1. 中心軸線に対して傾斜した押圧面を一端に有する一対の直線部と前記一対の直線部の他端同士を連結した架橋部とを有し平角導体で形成された複数のコイルセグメントを用意し、
    前記複数のコイルセグメントの前記直線部を、固定子鉄心の一端面側から複数のスロットに挿通し、前記固定子鉄心の他端面側から所定長さ軸方向に突出した複数の延出端部を構成し、各スロットに複数の前記直線部を径方向に並べて配置することにより、前記複数の延出端部を前記固定子鉄心と同軸の4層以上の複数層の円筒状に配列し、
    第1押圧治具の押圧部により前記押圧面を前記固定子鉄心の軸方向に前記他端面に向かって押圧しながら、前記固定子鉄心および前記第1押圧治具の少なくともいずれかを周方向に回動させて、前記押圧面が前記他端面に沿うように前記延出端部を前記固定子鉄心の周方向に折曲げ、
    前記折曲げられた前記複数の延出端部の押圧面に重ねて第2押圧治具を配置し、前記第2押圧治具により前記延出端部を前記固定子鉄心の軸方向に前記他端面に向かって押圧し、
    前記第2押圧治具による押圧とともに、前記円筒状に配列された最外層の複数の延出端部の外周面に当接する環状の外壁治具と前記円筒状に配列された最内層の複数の延出端部の内周面に当接する環状の内壁治具により、前記複数の延出端部を前記固定子鉄心の径方向外側および径方向内側から押圧する固定子の製造方法。
  2. 前記第2押圧治具は、それぞれ前記押圧面に対向する複数の開口部を有し、
    接合は、前記第2押圧治具、前記外壁治具、および前記内壁治具により前記複数の延出端部を押圧した状態で、前記開口部を通してレーザー光を前記押圧面に照射し、前記固定子鉄心の径方向に隣合う前記押圧面を互いに溶接して接合する請求項1に記載の固定子の製造方法。
  3. 前記接合は、前記第2押圧治具を常温よりも高い温度に温めた後、前記レーザー光を前記押圧面に照射して行う請求項2に固定子の製造方法。
  4. 前記第2押圧治具は、前記開口部が前記径方向に隣合う前記押圧面の間の境界部と対向する位置に配置され、前記接合は、前記開口部を通して前記境界部にレーザー光を照射して行う請求項2に記載の固定子の製造方法。
  5. 中心軸線に対して傾斜した押圧面を一端に有する一対の直線部と前記一対の直線部の他端同士を連結した架橋部とを有する平角導体で形成された複数のコイルセグメントの前記直線部が、固定子鉄心の一端面側から前記固定子鉄心に設けられた複数のスロットに挿通されるとともに前記固定子鉄心の他端面側から所定長さ軸方向に延出端部として突出し、各スロットに複数の前記直線部が径方向に並べて配置されることにより、前記複数の延出端部が前記固定子鉄心と同軸の4層以上の複数層の円筒状に配列された固定子組立体の前記押圧面のそれぞれを、前記固定子鉄心の軸方向に前記他端面に向かって押圧する押圧部を備えるとともに、前記固定子鉄心の中心軸に対する周方向の相対位置が可変に構成された第1押圧治具と、
    前記固定子鉄心の前記他端面に沿うように折り曲げられた前記複数の延出端部の前記押圧面に重ねて前記延出端部を前記固定子鉄心の軸方向に前記他端面に向かって押圧する第2押圧治具と、
    前記延出端部を径方向の両側から押圧する、前記円筒状に配列された最外層の複数の延出端部の外周面に当接する環状の外壁治具および前記円筒状に配列された最内層の複数の延出端部の内周面に当接する環状の内壁治具と、を備える固定子の製造装置。
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