JP6671259B2 - 非晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents
非晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6671259B2 JP6671259B2 JP2016137927A JP2016137927A JP6671259B2 JP 6671259 B2 JP6671259 B2 JP 6671259B2 JP 2016137927 A JP2016137927 A JP 2016137927A JP 2016137927 A JP2016137927 A JP 2016137927A JP 6671259 B2 JP6671259 B2 JP 6671259B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thermoplastic resin
- amorphous thermoplastic
- resin film
- melt
- glass transition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
成形材料は、200℃以上のガラス転移点を有する非晶性熱可塑性樹脂100質量部と、平均粒子径が5nm〜1000nmの範囲の疎水性シリカ球状微粒子0.1〜20質量部とを含み、含水率が2000ppm以下であり、
成形材料用の溶融混練機の投入口に、200℃以上のガラス転移点を有する非晶性熱可塑性樹脂を投入して溶融した後、溶融混練機の投入口よりも下流に位置するサイドフィーダに、疎水性シリカ球状微粒子を投入して非晶性熱可塑性樹脂と疎水性シリカ球状微粒子とを溶融混練することで成形材料を調製するとともに、溶融混練時の溶融温度を非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移点〜ガラス転移点+200℃の範囲内とし、
成形材料をフィルム用の押出成形機に投入してそのダイスから非晶性熱可塑性樹脂フィルムを連続して溶融押出成形するとともに、この溶融押出成形時の押出成形機とダイスの温度を、非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移点〜ガラス転移点+200℃の範囲とし、溶融押出成形した非晶性熱可塑性樹脂フィルムを圧着ロール、冷却ロール、及びこれらの下流に位置する巻取管に巻きかけ、圧着ロールと冷却ロールのうち、少なくともいずれか一方の温度を、50℃〜非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移点+50℃の範囲とすることを特徴としている。
〔実施例1〕
先ず、ガラス転移点が210℃のポリエーテルイミド樹脂〔SABIC イノベーティブプラスチックス社製 製品名:ULTEM 9011−1000‐NB〕100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、平均粒子径が110nmの疎水性シリカ球状微粒子〔信越化学工業社製 製品名:X‐24‐9163A〕をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して0.5質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。
フィルム厚が3〜10μmの非晶性熱可塑性樹脂フィルムの厚さについては、接触式厚さ計〔Marh社製 製品名:ミリマール 1240 コンパクトアンプにミリマール インダクティブ プローブ 1301 Marh−LVDTを取り付けた装置〕を使用して測定した。これに対し、フィルム厚が10μmを越え、〜150μmの非晶性熱可塑性樹脂フィルムの厚さについては、マイクロメータ〔ミツトヨ社製 製品名:クーラントプルーフマイクロメータ 符号MDC‐25PJ〕を使用して測定した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムの表面性については、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの表面を指で触れ、その触感で評価した。具体的には、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの表面が滑らかな場合を○、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの表面がゴツゴツした状態の場合を×とした。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムの表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)で評価した。具体的には、JIS B0601‐2001に準じ、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの縦方向(押出方向)について、圧着ロール面側と冷却ロール面側とをそれぞれ測定した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムの滑り性については、静摩擦係数と動摩擦係数により評価した。これら静摩擦係数と動摩擦係数は、JIS K7125‐1999に準じて測定した。具体的には、表面性測定機〔新東科学社製 製品名:HEDON−14〕を用い、23℃、50%RHの環境下で、試験速度100mm/min、荷重200g、接触面積63.5mm×63.5mmの条件で測定した。そして、この条件で移動テーブル側に非晶性熱可塑性樹脂フィルムの冷却ロール面側、平面圧子側に非晶性熱可塑性樹脂フィルムの圧着ロール面側をそれぞれ固定し、200gの負荷を作用させ、試験速度:100mm/minで静摩擦係数と動摩擦係数を測定した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムとポリカーボネート樹脂フィルムとの滑り性についても、静摩擦係数と動摩擦係数により評価した。ポリカーボネート樹脂フィルムについては、市販されている厚さ0.5mmのポリカーボネート樹脂フィルム〔タキロン社製 製品名:PCSMPS610 ポリカーボネート/透明〕を用いた。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムの機械的特性は、引張強度と引張破断伸びで評価した。具体的には、23℃、50%RHの環境下でJIS K6781に準じ、引張速度50mm/minで押出方向と幅方向を測定した。引張強度として、最大強度を測定した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムの耐熱性は、貯蔵弾性率(E´)の第一変曲点温度により評価した。この非晶性熱可塑性樹脂フィルムの貯蔵弾性率は、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの押出方向と幅方向(押出方向の直角方向)について測定した。具体的には、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの押出方向の貯蔵弾性率を測定する場合には、押出方向60mm×幅方向6mm、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの幅方向の貯蔵弾性率を測定する場合には、押出方向6mm×幅方向60mmの大きさに切り出して測定した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムの電気的特性は、絶縁破壊電圧により評価した。この絶縁破壊電圧については、JIS C2110‐1994に準じ、気中法による短時間絶縁破壊試験で測定した。具体的には、23℃の環境下で、冷却ロール面側より絶縁破壊電圧を測定し、評価した。絶縁破壊試験機は耐電圧・絶縁抵抗試験機〔菊水電子工業社製 製品名:TOS9201〕、電極は気中試験電極装置〔多摩電測社製 製品名:TJ‐20〕を使用した。電極の形は円柱形(上部形状 直径25mm、高さ25mm、下部形状 直径25mm、高さ15mm)とした。
絶縁破壊試験機の測定上限値は6100Vなので、6100Vに達した非晶性熱可塑性樹脂フィルムの電気的特性は評価しないこととした。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムの音響特性は、20℃における損失正接で評価した。この非晶性熱可塑性樹脂フィルムの損失正接は、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの押出方向と幅方向(押出方向の直角方向)について測定した。
基本的には実施例1と同様だが、疎水性シリカ球状微粒子の添加量をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して1.0質量部に変更した。ポリエーテルイミド樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、376℃であった。また、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、343℃であった。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したら、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表1にまとめた。
基本的には実施例1と同様だが、疎水性シリカ球状微粒子の添加量をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して5.0質量部に変更した。ポリエーテルイミド樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、376℃であった。また、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、346℃であった。金属ロールは、算術平均粗さ(Ra)が1.86μmの凸柄模様を周面に備えた180℃のエッチングロールに変更した。
基本的には実施例1と同様だが、疎水性シリカ球状微粒子の添加量をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して10質量部に変更した。ポリエーテルイミド樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、372℃であった。また、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、341℃であった。金属ロールは、算術平均粗さ(Ra)が1.86μmの凸柄模様を周面に備えた210℃のエッチングロールに変更した。
ガラス転移点が211℃のポリエーテルイミド樹脂〔SABIC イノベーティブプラスチックス社製 製品名:ULTEM 1010−1000‐NB〕100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、平均粒子径が35nmの疎水性シリカ球状微粒子〔信越化学工業社製 製品名:X‐24‐9404〕をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して5.0質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。ポリエーテルイミド樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、379℃であった。
以下、実施例1と同様にして非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したが、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、340℃であった。また、金属ロールは、算術平均粗さ(Ra)が1.86μmの凸柄模様を周面に備えた210℃のエッチングロールに変更した。
実施例5のポリエーテルイミド樹脂100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、平均粒子径が77nmの疎水性シリカ球状微粒子〔信越化学工業社製 製品名:X‐24‐9600‐80〕をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して3.0質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。ポリエーテルイミド樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、375℃であった。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表2に記載した。
ガラス転移点が222℃のポリエーテルイミド樹脂〔SABIC イノベーティブプラスチックス社製 製品名:ULTEM CRS5001−1000‐NB〕100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、実施例6の疎水性シリカ球状微粒子をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して15質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。
なお、ガラス転移点が222℃のポリエーテルイミド樹脂〔SABIC イノベーティブプラスチックス社製 製品名:ULTEM CRS5001−1000‐NB〕は、以後、CRS5001−1000と略称する。
ガラス転移点が220℃のポリエーテルサルホン樹脂〔ソルベイスペシャルティポリマーズ社製 製品名ベラデルポリエーテルサルホン A‐301NT〕100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、実施例1の疎水性シリカ球状微粒子をポリエーテルサルホン樹脂100質量部に対して3.0質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。
なお、ガラス転移点が220℃のポリエーテルサルホン樹脂〔ソルベイスペシャルティポリマーズ社製 製品名ベラデルポリエーテルサルホン A‐301NT〕は、以後、A‐301NTと略称する。
ガラス転移点が218℃のポリフェニルサルホン樹脂〔ソルベイスペシャルティポリマーズ社製 製品名レーデルポリフェニルサルホン R‐5000NT〕100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、実施例1の疎水性シリカ球状微粒子をポリフェニルサルホン樹脂100質量部に対して1.0質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。
なお、ガラス転移点が218℃のポリフェニルサルホン樹脂〔ソルベイスペシャルティポリマーズ社製 製品名レーデルポリフェニルサルホン R‐5000NT〕は、以後、R‐5000NTと略称する。
実施例1のポリエーテルイミド樹脂100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、実施例1の疎水性シリカ球状微粒子をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して0.02質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。ポリエーテルイミド樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、370℃であった。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表4に記載した。
実施例1のポリエーテルイミド樹脂100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、実施例1の疎水性シリカ球状微粒子をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して25質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。ポリエーテルイミド樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、373℃であった。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表4に記載した。
実施例8のポリエーテルサルホン樹脂100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、実施例1の疎水性シリカ球状微粒子をポリエーテルサルホン樹脂100質量部に対して0.05質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。ポリエーテルサルホン樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、381℃であった。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表4に記載した。
実施例9のポリフェニルサルホン樹脂100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、実施例1の疎水性シリカ球状微粒子をポリフェニルサルホン樹脂100質量部に対して25質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。ポリフェニルサルホン樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、386℃であった。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表4に記載した。
実施例1のポリエーテルイミド樹脂100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、平均粒子径が6.4nmの真球状シリカ微粒子〔アドマテックス社製 製品名:5μm‐E1〕をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して5.0質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。ポリエーテルイミド樹脂と真球状シリカ微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、369℃であった。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表5に記載した。但し、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの絶縁破壊電圧が6100Vに達したので、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの絶縁破壊電圧については評価しなかった。
実施例1のポリエーテルイミド樹脂100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、平均粒子径が0.07μmの合成炭酸カルシウム〔Specialty Minerals Inc。社製 製品名:MULTIFEX‐MM〕をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して10質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。ポリエーテルイミド樹脂と合成炭酸カルシウムとの溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、372℃であった。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表5に記載した。
各実施例の非晶性熱可塑性樹脂フィルムは、引張強度が80N/mm2以上とし、引張破断時伸びが90%以上、耐熱性(貯蔵弾性率(E´)の第一変曲点温度)が200℃以上、電気的特性が絶縁破壊電圧で250V/μm以上、音響特性が20℃における損失正接で0.015以上であり、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性に優れていた。また、滑り性が静摩擦係数(μs)と動摩擦係数(μk)で1.0以下であり、優れた滑り性を得ることができた。
比較例2、4の非晶性熱可塑性樹脂フィルムは、滑り性が静摩擦係数(μs)と動摩擦係数(μk)で1.0以下であり、優れた滑り性を得ることができた。また、耐熱性も200℃以上であり、耐熱性にも優れていた。しかしながら、引張強度が50N/mm2未満、引張破断時伸びが50%未満、電気的特性が絶縁破壊電圧で200V/μm未満、音響特性が20℃における損失正接で0.015未満であり、機械的特性、電気的特性、及び音響特性が不十分であった。
2 非晶性熱可塑性樹脂
3 疎水性シリカ球状微粒子
4 非晶性熱可塑性樹脂フィルム
10 溶融混練機
15 投入口
16 サイドフィーダ
20 溶融押出成形機(押出成形機)
23 ダイス
26 圧着ロール
27 冷却ロール
29 巻取管
Claims (2)
- 所定の樹脂含有の成形材料を用いた成形法により、200℃以上のガラス転移点を有する非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造する非晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であって、
成形材料は、200℃以上のガラス転移点を有する非晶性熱可塑性樹脂100質量部と、平均粒子径が5nm〜1000nmの範囲の疎水性シリカ球状微粒子0.1〜20質量部とを含み、含水率が2000ppm以下であり、
成形材料用の溶融混練機の投入口に、200℃以上のガラス転移点を有する非晶性熱可塑性樹脂を投入して溶融した後、溶融混練機の投入口よりも下流に位置するサイドフィーダに、疎水性シリカ球状微粒子を投入して非晶性熱可塑性樹脂と疎水性シリカ球状微粒子とを溶融混練することで成形材料を調製するとともに、溶融混練時の溶融温度を非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移点〜ガラス転移点+200℃の範囲内とし、
成形材料をフィルム用の押出成形機に投入してそのダイスから非晶性熱可塑性樹脂フィルムを連続して溶融押出成形するとともに、この溶融押出成形時の押出成形機とダイスの温度を、非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移点〜ガラス転移点+200℃の範囲とし、溶融押出成形した非晶性熱可塑性樹脂フィルムを圧着ロール、冷却ロール、及びこれらの下流に位置する巻取管に巻きかけ、圧着ロールと冷却ロールのうち、少なくともいずれか一方の温度を、50℃〜非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移点+50℃の範囲とすることを特徴とする非晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。 - 冷却ロールにより冷却された非晶性熱可塑性樹脂フィルムの滑り性を静摩擦係数(μs)で1.0以下とするとともに、動摩擦係数(μk)で1.0以下、機械的特性を引張強度で50N/mm2以上とし、かつ引張破断時伸びで50%以上、耐熱性を貯蔵弾性率(E´)の第一変曲点温度で200℃以上、電気的特性を絶縁破壊電圧で250V/μm以上、音響特性を20℃における損失正接で0.015以上とする請求項1記載の非晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016137927A JP6671259B2 (ja) | 2016-07-12 | 2016-07-12 | 非晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016137927A JP6671259B2 (ja) | 2016-07-12 | 2016-07-12 | 非晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020035993A Division JP2020079424A (ja) | 2020-03-03 | 2020-03-03 | 非晶性熱可塑性樹脂フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018008405A JP2018008405A (ja) | 2018-01-18 |
JP6671259B2 true JP6671259B2 (ja) | 2020-03-25 |
Family
ID=60994802
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016137927A Active JP6671259B2 (ja) | 2016-07-12 | 2016-07-12 | 非晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6671259B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102647045B1 (ko) | 2018-12-12 | 2024-03-14 | 주식회사 엘지에너지솔루션 | 리튬 이차 전지용 음극 활물질 및 이를 포함하는 이차전지 |
JP7415325B2 (ja) * | 2019-03-07 | 2024-01-17 | 三菱ケミカル株式会社 | 電気音響変換器用振動板フィルム |
JP7368715B2 (ja) * | 2019-11-05 | 2023-10-25 | 日本製鉄株式会社 | 巻鉄心、珪素鋼板、およびそれらの製造方法 |
CN112223717A (zh) * | 2020-09-28 | 2021-01-15 | 何梦丹 | 一种聚丙烯塑料编织丝制备工艺 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000080293A (ja) * | 1998-06-30 | 2000-03-21 | Teijin Ltd | 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法およびその組成物よりなる二軸配向フィルム |
US20060084741A1 (en) * | 2004-10-19 | 2006-04-20 | Sapna Blackburn | Polyetherimide composition, film, process, and article |
JP2008024842A (ja) * | 2006-07-21 | 2008-02-07 | Sekisui Chem Co Ltd | 光学フィルムの製造方法 |
JP4579265B2 (ja) * | 2007-04-25 | 2010-11-10 | 信越化学工業株式会社 | 高度の流動性を有する疎水性球状シリカ微粒子、その製造方法、それを用いた静電荷像現像用トナー外添剤およびそれを含有する有機樹脂組成物 |
JP4980205B2 (ja) * | 2007-12-11 | 2012-07-18 | 信越ポリマー株式会社 | コンデンサ用フィルムの製造方法 |
JP2014159082A (ja) * | 2011-06-20 | 2014-09-04 | Konica Minolta Inc | 光学フィルムの製造方法 |
JP2015030132A (ja) * | 2013-07-31 | 2015-02-16 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | サイドフィーダー、それを有する押出機、および押出機を用いた押出方法 |
-
2016
- 2016-07-12 JP JP2016137927A patent/JP6671259B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018008405A (ja) | 2018-01-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6671259B2 (ja) | 非晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 | |
JP5582877B2 (ja) | フィルムキャパシタ用フィルムの製造方法及びフィルムキャパシタ用フィルム | |
JP5241470B2 (ja) | コンデンサ用フィルムの製造方法及びコンデンサ用フィルム | |
JP7079089B2 (ja) | 高耐熱・高摺動性フィルム及びその製造方法 | |
JP5483362B2 (ja) | スピーカ振動板用フィルムの製造方法及びスピーカ振動板用フィルム | |
TW452587B (en) | Silicone modified low density polyethylene and preparatory method | |
JP5328626B2 (ja) | フィルムキャパシタ用フィルムの製造方法及びフィルムキャパシタ用フィルム | |
US8790558B2 (en) | Method for manufacturing film for film capacitor | |
WO2006106691A1 (ja) | 微細炭素繊維含有樹脂組成物の製造方法 | |
JP6483596B2 (ja) | 高耐熱・高摺動性フィルムの製造方法 | |
JP6087257B2 (ja) | ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルムの製造方法 | |
JP6570988B2 (ja) | スピーカの振動板用フィルムの製造方法 | |
JP6174541B2 (ja) | 非晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 | |
JP5191471B2 (ja) | フィルムキャパシタ用フィルムの製造方法及びフィルムキャパシタ用フィルム | |
JP5679167B2 (ja) | フィルムキャパシタ用フィルム | |
JP5340210B2 (ja) | フィルムキャパシタ用フィルム及びその製造方法 | |
JP7049971B2 (ja) | ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用成形方法 | |
JP6709302B2 (ja) | 高耐熱・高摺動性フィルム | |
JP2020079424A (ja) | 非晶性熱可塑性樹脂フィルム | |
JP2022138649A (ja) | 非晶性熱可塑性樹脂シート及びその製造方法 | |
JP6599792B2 (ja) | フィルムキャパシタ用の樹脂フィルムの製造方法 | |
JP2022112275A (ja) | 結晶性熱可塑性樹脂シート及びその製造方法 | |
JP2021088172A (ja) | フィルムの製造方法、及び積層体の製造方法 | |
JP5552028B2 (ja) | 半導電性樹脂組成物、成形物品、及び、半導電性樹脂組成物の製造方法 | |
CN112029259A (zh) | 一种动态硫化有机硅光扩散母粒及其制备方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181009 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190724 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190730 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190903 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200218 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200303 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6671259 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |