JP2020079424A - 非晶性熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

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貴司 権田
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大輔 後藤
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Abstract

【課題】機械的性質、電気的性質、耐熱性等を低下させずに、滑り性の向上が期待できる非晶性熱可塑性樹脂フィルムを提供する。【解決手段】200℃以上のガラス転移点を有する100質量部の非晶性熱可塑性樹脂に、0.1〜20質量部の疎水性シリカ球状微粒子を添加して成形材料1を溶融混練機で調製し、この成形材料1をフィルム用の溶融押出成形機20に投入してそのダイス23から帯形の非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を溶融押出成形する。成形材料1中に疎水性シリカ球状微粒子を含有するので、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の滑り性の向上を図ることができる。また、成形材料1として、単なる非晶性熱可塑性樹脂を使用するのではなく、200℃以上のガラス転移点を有する非晶性熱可塑性樹脂を使用するので、耐熱性の向上が期待できる。【選択図】図2

Description

本発明は、スピーカの振動板用の基材フィルム、電線の絶縁被覆用フィルム、フィルムキャパシタ用の基材フィルム、各種テープ用の基材フィルムとして利用される非晶性熱可塑性樹脂フィルムに関し、より詳しくは、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの滑り性等の改良に関するものである。
ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、あるいはポリフェニルサルホン(PPSU)樹脂等の200℃以上のガラス転移点(Tg)を有する非晶性熱可塑性樹脂は、機械的性質、耐熱性、難燃性、寸法安定性、電気的特性等に優れた性質を有している。この点に鑑み、これらの樹脂より得られる非晶性熱可塑性樹脂フィルムは、スピーカの振動板用の基材フィルム、電線の絶縁被覆用フィルム、フィルムキャパシタ用の基材フィルム、各種テープの基材フィルム等として利用されている。
しかしながら、非晶性可塑性樹脂フィルムは、通常、滑り性(摺動性ともいう)に劣るため、例えば厚さ500μm以下のフィルムの製造時にフィルムの巻取りに支障を来したり、スリット形成等の作業が困難化したり、フィルムに皺が発生することがある。また、フィルムが裂けたり、フィルムが破断したり、あるいはロールに不適切に巻き付いたりするという問題が生じることもある。したがって、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの滑り性(摺動性)については、改良する必要がある。
一般に、樹脂フィルムの滑り性を改善する方法としては、(1)樹脂フィルムの表面に微細な凹凸を形成して表面の摩擦係数を低下させる方法、(2)二酸化ケイ素粒子、炭酸カルシウム粒子、カオリン粒子、酸化アルミナ粒子等の無機粒子、シリコーン粒子、架橋したポリスチレン粒子、架橋したエポキシ粒子、架橋したアクリル粒子等の有機粒子を添加し、樹脂フィルムの表面に微小な突起を形成することにより、樹脂フィルム表面の摩擦抵抗を低下させ、滑り性を改良する方法(特許文献1参照)、(3)グリセリンモノベヘネート、あるいはグリセリンモノステアレート等のグリセリン、及び炭素数が20以上である脂肪酸モノステアレートを添加する方法(特許文献2参照)、(4)熱可塑性樹脂にシリコーンゴム(特許文献3参照)、あるいはフッ素樹脂(特許文献4参照)等の摩擦係数の小さい化合物を添加し、樹脂フィルムを溶融押出成形してその表面摩擦係数を低下させる方法があげられる。
特開平6‐312453号公報 特開2008‐308606号公報 特許第4980205号公報 特許第5241470号公報
しかしながら、(1)の方法の場合には、単なる微細な凹凸の形成に止まるので、樹脂フィルムの表面の滑り性が不十分となる。また、(2)の方法の場合には、二酸化ケイ素粒子、炭酸カルシウム粒子、カオリン粒子、酸化アルミナ粒子等の無機粒子、シリコーン粒子、架橋したポリスチレン粒子、架橋したエポキシ粒子、架橋したアクリル粒子等の有機粒子の凝集性が高く、分散性に劣るので、樹脂フィルム中に均一に分散せずに凝集体(ダマ)となり、その結果、樹脂フィルムの機械的特性が低下してしまうという問題が生じる。
(3)の方法の場合には、ポリカーボネート樹脂のような溶融成形温度が300℃以下の樹脂には採用可能であるが、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、あるいはポリフェニルサルホン樹脂等のガラス転移点が200℃を越えるような非晶性熱可塑性樹脂のとき、成形温度が300℃を越えるため、溶融成形中にグリセリン、及び炭素数が20以上である脂肪酸モノステアレートが分解、あるいは揮発するおそれがある。加えて、溶融押出成形後の樹脂フィルムから滲み出しや移行の問題が生じることもある。
(4)の方法の場合には、溶融成形温度が300℃を越えるポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、あるいはポリフェニルサルホン樹脂等の非晶性熱可塑性樹脂にシリコーンゴムを添加し、溶融押出成形するとき、シリコーンゴムの一部が溶融押出成形機内に残留し、この残留物が酸素の存在する高温の雰囲気下で酸素と架橋反応して変質するので、ゲルの生成やシリコーンオイルの分子鎖の切断による低分子組成物の生成を招くこととなる。ゲルが生じると、ゲル部分から樹脂フィルムに孔が開いたり、孔が開いた部分から樹脂フィルムが切れて巻き取れないという問題が新たに生じる。
また、例え樹脂フィルムを巻き取ることができたとしても、樹脂フィルム中に異物が残存する関係上、樹脂フィルムを製造する際、巻取工程のトラブル、品質の不具合、ロングラン成形性の低下を招いたり、ゲル状部分が凸状となり、外観不良を招くおそれがある。また、低分子生成物が液状のときには、溶融押出成形後の樹脂フィルムから滲み出しや移行の問題が生じる。
また、(4)の特許文献4には、ポリエーテルイミド樹脂に溶融温度が120,000ポイズ以下のフッ素樹脂を添加し、樹脂フィルムに微細な凹凸を転写して樹脂フィルムの滑り性を改良する方法が記載されている。この方法で使用されているフッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体と、テトラフルオロエチレン‐パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の2種類である。
これら2種類のフッ素樹脂をポリエーテルイミド樹脂に添加して成形材料を調製し、この成形材料を用いた溶融押出成形法により、厚さ500μm以下の樹脂フィルムを製造しようとすると、2種類のフッ素樹脂の滑り性の改良効果が小さいので、滑り性を向上させるためには、2種類のフッ素樹脂を大量に添加しなければならない。2種類のフッ素樹脂をポリエーテルイミド樹脂に大量に添加した成形材料は、溶融押出成形機に対する成形材料の定量供給性が低下するので、樹脂フィルムの成形が困難になるおそれがある。加えて、これら2種類のフッ素樹脂とポリエーテルイミド樹脂との相溶性は、良好とはいえないので、樹脂フィルムに孔開き等の問題が生じることもある。
また、2種類のフッ素樹脂は、ポリエーテルイミド樹脂中での均一分散性に劣るので、樹脂フィルムに均一な滑り性を付与することが困難になったり、機械的強度の低下や孔開き等の問題が生じる。さらに、フッ素樹脂を添加剤に使用すると、溶融押出成形機やダイス等の部材に、耐腐食性の鋼材を使用する必要があるので、コストが増大し、その結果、樹脂フィルムが高価になるという問題がある。
本発明は上記に鑑みなされたもので、機械的性質、電気的性質、耐熱性等を低下させることなく、滑り性を向上させることのできる非晶性熱可塑性樹脂フィルムを提供することを目的としている。
本発明者等は、上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、低凝集性や高分散性を有する疎水性シリカ球状微粒子に着目し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明においては上記課題を解決するため、200℃以上のガラス転移点を有する非晶性熱可塑性樹脂100質量部と、疎水性シリカ球状微粒子0.1〜20質量部とを含んでなることを特徴としている。
なお、非晶性熱可塑性樹脂が、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、あるいはポリフェニルサルホン樹脂であることが好ましい。
また、疎水性シリカ球状微粒子の少なくとも表面にシラノール基を多数有することが好ましい。
ここで、特許請求の範囲における疎水性シリカ球状微粒子の「球状」には、真球の形と、少々歪んだ球の形のいずれもが含まれる。また、非晶性熱可塑性樹脂フィルムは、少なくともスピーカの振動板用の基材フィルム、電線の絶縁被覆用フィルム、フィルムキャパシタ用の基材フィルム、各種テープ用の基材フィルムとして利用することができる。
本発明によれば、成形材料として、単なる非晶性熱可塑性樹脂を使用するのではなく、200℃以上のガラス転移点を有する非晶性熱可塑性樹脂を使用するので、耐熱性を向上させることができる。また、成形材料として、疎水性シリカ球状微粒子を含有するので、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの滑り性の向上を図ることができる。
本発明によれば、200℃以上のガラス転移点を有する非晶性熱可塑性樹脂100質量部と、疎水性シリカ球状微粒子0.1〜20質量部とを含むので、機械的性質、電気的性質、耐熱性等を低下させることなく、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの滑り性を向上させることができるという効果がある。
請求項2記載の発明によれば、非晶性熱可塑性樹脂がガラス転移点200℃以上のポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、又はポリフェニルサルホン樹脂なので、耐熱性の向上が期待できる。
本発明に係る非晶性熱可塑性樹脂フィルムの実施形態における成形材料用の溶融混練機を模式的に示す説明図である。 本発明に係る非晶性熱可塑性樹脂フィルムの実施形態における溶融押出成形機を模式的に示す説明図である。 本発明に係る非晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法の実施例・比較例における貯蔵弾性率の第一変曲点温度を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における非晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は、図1や図2に示すように、少なくとも非晶性熱可塑性樹脂2に疎水性シリカ球状微粒子3を添加して成形材料1を溶融混練機10で調製し、この成形材料1をフィルム用の溶融押出成形機20に投入してそのダイス23から帯形の非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を溶融押出成形し、この非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を一対の圧着ロール26、冷却ロール27、及び巻取管29に巻架するとともに、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を圧着ロール26と冷却ロール27とに挟持させ、滑り性に優れる非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を製造するようにしている。
成形材料1は、ガラス転移点(Tg)が200℃以上の非晶性熱可塑性樹脂2と、滑り性に資する疎水性シリカ球状微粒子3とを含み、これら非晶性熱可塑性樹脂2と疎水性シリカ球状微粒子3とが溶融混練されることにより、調製される。この成形材料1の非晶性熱可塑性樹脂2としては、ガラス転移点が200℃以上を有する非晶性熱可塑性樹脂であれば、特に限定されるものではないが、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、あるいはポリフェニルサルホン樹脂があげられ、粉状、顆粒状、フレーク状、ペレット状のいずれの形状でも良い。この非晶性熱可塑性樹脂2は、単独あるいはブレンドして使用することができる。
ポリエーテルイミド樹脂の具体例としては、4,4´‐[イソプロピリデン(p‐フェニルレンオキシ)ジフタル酸]とm‐フェニレンジアミンとの重縮合物より製造されるULTEM 1000−1000‐NB〔SABIC イノベーティブプラスチックス社製 製品名〕、ULTEM 1010−1000‐NB〔SABIC イノベーティブプラスチックス社製 製品名〕、ULTEM 9011−1000‐NB〔SABIC イノベーティブプラスチックス社製 製品名〕、4,4´‐[イソプロピリデン(p‐フェニルレンオキシ)ジフタル酸]とp‐フェニレンジアミンとの重縮合物より製造されるULTEM CRS5001−1000‐NB〔SABIC イノベーティブプラスチックス社製 製品名〕等があげられる。このポリエーテルイミド樹脂の製造方法としては、例えば特公昭57−9372号公報や特表昭59−80067号公報等に記載された方法等があげられる。
ポリエーテルイミド樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で他の共重合可能な単量体とのブロック共重合体、ランダム共重合体、変性体も使用可能である。例えば、ポリエーテルイミドサルフォン共重合体であるULTEM XH6050−1000〔SABIC イノベーティブプラスチックス社製 製品名〕を使用することができる。このポリエーテルイミド樹脂は、1種類を単独又は2種類以上をアロイ化あるいはブレンドして使用しても良い。
ポリエーテルサルホン樹脂の具体例としては、スミカエクセル PES〔住友化学社製 製品名〕、ベラデル ポリエーテルサルホン〔ソルベイスペシャルティポリマーズ社製、製品名〕、あるいはウルトラゾーン E〔BASF社製、製品名〕等があげられる。このポリエーテルサルホン樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で他の共重合可能な単量体とのブロック共重合体、ランダム共重合体、変性体も使用可能である。
ポリフェニルサルホン樹脂としては、特表2009−530461号公報に記載された樹脂があげられる。このポリフェニルサルホン樹脂の具体例としては、レーデル ポリフェニルサルホン〔ソルベイスペシャルティポリマーズ社製 製品名〕、又はウルトラゾーン P〔BASF社製 製品名〕等が該当する。このポリフェニルサルホン樹脂の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば米国特許第3,634,355号明細書、米国特許第4,008,203号明細書、米国特許第4,108,837号明細書、米国特許第4,175,175号明細書等に記載の製造方法が該当する。このポリフェニルサルホン樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で他の共重合可能な単量体とのブロック共重合体、ランダム共重合体、変性体を使用することができる。
疎水性シリカ球状微粒子3は、例えば特許第4579265号公報、特許第5292938号公報、特許第5168736号公報等に記載された微細なシリカ球状微粒子があげられる。この微細な疎水性シリカ球状微粒子3としては、4官能性シラン化合物、及び/又はその部分加水分解縮合生成物を加水分解及び縮合することにより得られた実質的にSiO単位からなる親水性球状シリカ微粒子の表面にRSiO3/2単位(式中、Rは置換又は非置換の炭素原子数1〜20の1価炭素水素基)を導入する工程と、次いで、R SiO1/2単位(式中、Rは同一又は異なり、置換又は非置換の炭素原子1〜6の1価炭素水素基)を導入する工程とを含む疎水化処理で得られた疎水性のシリカ球状微粒子が最適である。
疎水性シリカ球状微粒子3の「実質的にSiO単位からなる」であるが、疎水性シリカ球状微粒子3は基本的にSiO単位から構成されているが、この単位のみから構成されている訳ではなく、少なくとも表面にシラノール基を多数有することを意味する。また、場合により、原料である4官能性シラン化合物、及び/又はその部分加水分解縮合生成物に由来する加水分解基(ヒドロカルビオキシ基)が一部シラノール基に転化されずに若干量そのまま微粒子の表面や内部に残存しても良いことを意味する。
疎水性シリカ球状微粒子3の具体例としては、表面が高度に疎水化処理され、分散性や付着性に優れるX‐24‐9163A〔信越化学工業社製 製品名〕、X‐24‐9600A‐80〔信越化学工業社製 製品名〕、X‐24‐9404〔信越化学工業社製 製品名〕等があげられる。疎水性シリカ球状微粒子3の製造方法としては、特に限定されるものではないが、特許第4579265号公報に記載された方法があげられる。
疎水性シリカ球状微粒子3の平均粒子径は、5nm〜1000nm、好ましくは3nm〜500nm、より好ましくは30nm〜250nmが良い。これは、疎水性シリカ球状微粒子3の平均粒子径が5nm未満の場合には、疎水性シリカ球状微粒子3が凝集し、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4中での均一分散性が低下して凝集体(ダマ)となり、その結果、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の機械的特性が悪化するからである。また、溶融粘度が増大し、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の成形性の低下を招くからである。
これに対し、疎水性シリカ球状微粒子3の平均粒子径が1000nmを越える場合には、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の機械的特性が悪化したり、溶融押出成形機20のダイス23から押し出される帯形の非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の溶融伸びが低下し、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の成形性が低下するからである。
疎水性シリカ球状微粒子3の球状は、真球でも良いし、少々歪んだ球でも良い。このような疎水性シリカ球状微粒子3の形状は、疎水性シリカ球状微粒子3を二次元に投影した場合の円形度で評価し、0.8〜1の範囲の円形度とされる。この円形度は、電子顕微鏡で得られる粒子像を画像解析することにより測定され、粒子面積と等しい円周囲長さ/粒子周囲長で表される。
疎水性シリカ球状微粒子3の添加量は、非晶性熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜15質量部、より好ましくは1.0〜10質量部が良い。これは、疎水性シリカ球状微粒子3の添加量が0.1質量部未満の場合には、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4に十分な滑り性を付与することができないからである。逆に、疎水性シリカ球状微粒子3の添加量が20質量部を越える場合には、滑り性が過剰となり、機械的特性が低下するという理由に基づく。加えて、ドローレゾナンスが発生して均一な厚さの非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を得ることができず、しかも、溶融伸びが低下して非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の成形が困難になるという理由に基づく。
このような成形材料1には、本発明の特性を損なわない範囲において、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリメチルペンテン(PMP)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂等のポリエステル樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂等のポリイミド樹脂、ポリアミド4T(PA4T)樹脂、ポリアミド6T(PA6T)樹脂、変性ポリアミド6T(変性PA6T)樹脂、ポリアミド9T(PA9T)樹脂、ポリアミド10T(PA10T)樹脂、ポリアミド11T(PA11T)樹脂、ポリアミド6(PA6)樹脂、ポリアミド66(PA66)樹脂、ポリアミド46(PA46)樹脂等のポリアミド樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)樹脂等のポリアリールケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリフェニレンスルフィドケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィドスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィドケトンスルホン樹脂等のポリアリーレンサルファイド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂(四フッ化エチレン樹脂ともいう)、ポリテトラフルオロエチレン‐パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂(四フッ化エチレン‐パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂ともいう)、テトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロピレン共重合体(FEP)樹脂(四フッ化エチレン‐六フッ化プロピレン共重合体樹脂ともいう)、テトラフルオロエチレン‐エチレン共重合体(ETFE)樹脂(四フッ化エチレン‐エチレン共重合体樹脂ともいう)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)樹脂(三フッ化塩化エチレン樹脂ともいう)、ポリビニデンフルオライド(PVdE)樹脂(フッ化ビニリデン樹脂ともいう)、フッ化ビニリデン・テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロピレン共重合体樹脂等のフッ素樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、脂肪族ポリケトン樹脂を添加することができる。
また、成形材料1には、本発明の特性を損なわない範囲において、上記樹脂の他、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、耐熱向上剤、核剤、無機化合物、有機化合物等を選択的に添加することもできる。
上記において、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を製造する場合には、先ず、非晶性熱可塑性樹脂2と疎水性シリカ球状微粒子3とを溶融混練することで成形材料1を調製し、この成形材料1をフィルム用の溶融押出成形機20に投入して厚さ150μm以下、例えば3〜100μmの薄い非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を製造する。成形材料1の調製方法としては、(1)成形材料1用の溶融混練機10に非晶性熱可塑性樹脂2を投入して溶融した後、溶融混練機10に、疎水性シリカ球状微粒子3を投入して溶融した非晶性熱可塑性樹脂2と溶融混練することで成形材料1を調製する方法、(2)攪拌混合機により、非晶性熱可塑性樹脂2と疎水性シリカ球状微粒子3とを室温(0〜50℃程度)下で攪拌混合して溶融混練機10で溶融押出混練し、成形材料1を調製する方法があげられる。
これらの調製方法は、(1)、(2)のいずれの方法でも良いが、非晶性熱可塑性樹脂2中に疎水性シリカ球状微粒子3を均一に分散させる必要性、疎水性シリカ球状微粒子3の舞い上がりを防止して作業性や環境性を向上させる観点からすると、(1)の調製方法が好ましい。
先ず、(1)の調製方法について詳細に説明すると、この方法の場合には、バンバリーミキサー、ミキシングロール、加圧ニーダー、単軸押出成形機、二軸押出成形機、三軸押出成形機、四軸押出成形機、八軸押出成形機からなる多軸押出成形機等の溶融混練機10を用意し、この溶融混練機10に非晶性熱可塑性樹脂2を投入して溶融した後、溶融混練機10に、疎水性シリカ球状微粒子3をサイドフィーダ法により新たに投入して既に溶融した非晶性熱可塑性樹脂2と溶融混練することで成形材料1を調製する。
溶融混練機10は、非晶性熱可塑性樹脂2と疎水性シリカ球状微粒子3との良好な混練分散が期待でき、これらの水分、これらから発生する揮発ガスを脱気可能なベントを有するベント方式の多軸押出成形機が好ましい。
この多軸押出成形機からなる溶融混練機10は、図1に示すように、台座11上に設置されたシリンダー12と、このシリンダー12に内蔵軸支され、モータの駆動で回転して非晶性熱可塑性樹脂2と疎水性シリカ球状微粒子3とを溶融混練して先端部のダイス14からストランド等を押し出すスクリュー13と、シリンダー12に連設される非晶性熱可塑性樹脂2用の投入口15と、シリンダー12に連設される疎水性シリカ球状微粒子3投入用のサイドフィーダ16と、シリンダー12のダイス14から押し出され、冷却されたストランド等を切断して成形材料1とする回転可能なホットカッター17とを備えて構成される。
投入口15とサイドフィーダ16とは、投入口16がシリンダー12の上部上流側にホッパーとして設置され、サイドフィーダ16がスクリュー構造に構成されてシリンダー12の上部下流側に搭載されており、この投入口15よりも下流に位置するサイドフィーダ16に微細な疎水性シリカ球状微粒子3が横方向から投入されることにより、微細な疎水性シリカ球状微粒子3の舞い上がりが有効に防止される。
非晶性熱可塑性樹脂2と疎水性シリカ球状微粒子3とを溶融混練する場合の溶融温度は、非晶性熱可塑性樹脂2のガラス転移点〜ガラス転移点+200℃、好ましくはガラス転移点+80℃〜ガラス転移点+150℃、より好ましくはガラス転移点+100℃〜ガラス転移点+130℃の範囲が良い。これは、非晶性熱可塑性樹脂2のガラス転移点未満の場合には、非晶性熱可塑性樹脂2と疎水性シリカ球状微粒子3とを溶融混練して分散させることができないという理由に基づく。逆に、ガラス転移点+200℃を越える場合には、非晶性熱可塑性樹脂2の分解を招き、好ましくないという理由に基づく。
溶融混練された非晶性熱可塑性樹脂2と疎水性シリカ球状微粒子3とは、ダイス14からストランドにして押し出され、ストランドの成形材料1に調製されるが、ダイス14からシートにして押し出された後、粉状、顆粒状、フレーク状、ペレット状の成形材料1に調製されても良い。また、成形材料1を調製する際、非晶性熱可塑性樹脂2と疎水性シリカ球状微粒子3のいずれかを所定量以上に分散させ、マスターバッチ化しても良い。
次に、(2)の調製方法について詳細に説明すると、この方法で非晶性熱可塑性樹脂2と疎水性シリカ球状微粒子3とを攪拌混合する場合には、タンブラーミキサー、ヘンシルミキサー、V型混合機、ナウターミキサー、リボンブレンダー、万能攪拌ミキサー等の攪拌混合機が使用される。
非晶性熱可塑性樹脂2と疎水性シリカ球状微粒子3とは、攪拌混合された後、バンバリーミキサー、ミキシングロール、加圧ニーダー、単軸押出成形機、二軸押出成形機、三軸押出成形機、四軸押出成形機、八軸押出成形機からなる多軸押出成形機等の溶融混練により、溶融混練して分散され、成形材料1に調製される。溶融混練は、非晶性熱可塑性樹脂2と疎水性シリカ球状微粒子3との良好な混練分散が期待でき、これらの水分、これらから発生する揮発ガスを脱気可能なベント方式の多軸押出成形機の使用が好ましい。また、成形材料調製の際、非晶性熱可塑性樹脂2と疎水性シリカ球状微粒子3のいずれかを所定量以上に分散させ、マスターバッチ化しても良い。
成形材料1の溶融押出成形機20に投入される前の含水率(水分率)は、熱風乾燥機等により、2000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下に調整される。これは、含水率が2000ppmを越える場合には、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の発泡を招くおそれがあるからである。
成形材料1を調製したら、この成形材料1により非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を製造するが、製造方法としては、溶融押出成形法、カレンダー成形法、あるいはキャスティング法等を採用することができる。これらの製造方法の中では、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の厚さ精度、生産性、ハンドリング性の向上、設備の簡略化の観点から、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を連続して帯形に押出成形する溶融押出成形法が最適である。
溶融押出成形法は、溶融押出成形機20を使用して成形材料1を溶融混練し、溶融押出成形機20の先端部に連結されたTダイスや丸ダイス等のダイス23から非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を連続的に押出し、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を製造する方法である。
溶融押出成形機20は、図2に示すように、例えば単軸押出成形機や二軸押出成形機等からなり、後部上方に、成形材料1用の原料投入口21が設置され、この原料投入口21には、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、窒素ガス等の不活性ガスを必要に応じて供給する不活性ガス供給管22が接続されており、この不活性ガス供給管22による不活性ガスの供給により、成形材料1の酸化劣化、酸素架橋、熱架橋が有効に防止される。
溶融押出成形機20の溶融混練時の溶融温度は、非晶性熱可塑性樹脂2のガラス転移点〜ガラス転移点+200℃、好ましくはガラス転移点+80℃〜ガラス転移点+150℃、より好ましくはガラス転移点+100℃〜ガラス転移点+130℃の範囲が良い。これは、非晶性熱可塑性樹脂2のガラス転移点未満の場合には、非晶性熱可塑性樹脂2と疎水性シリカ球状微粒子3とを溶融混練して分散させることができないからである。逆に、ガラス転移点+200℃を越える場合には、非晶性熱可塑性樹脂2の分解を招くからである。
ダイス23は、溶融押出成形機20の先端部に連結管24を介して連結され、帯形の非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を連続的に下方に押し出すよう機能する。このダイス23は、優れた厚さ精度の非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を得ることのできるTダイスが好ましい。ダイス23の上流には、連結管24に装着されたギアポンプ25が位置し、このギアポンプ25が成形材料1を一定速度で、かつ高精度にダイス23に移送する。
ダイス23の押出時の温度は、非晶性熱可塑性樹脂2のガラス転移点〜ガラス転移点+200℃、好ましくはガラス転移点+80℃〜ガラス転移点+150℃、より好ましくはガラス転移点+100℃〜ガラス転移点+130℃の範囲が良い。これは、非晶性熱可塑性樹脂2のガラス転移点未満の場合には、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を連続して押出成形することができないからである。逆に、ガラス転移点+200℃を越える場合には、非晶性熱可塑性樹脂2の分解を招くからである。
一対の圧着ロール26は、冷却ロール27を挟持するようダイス23の下方に回転可能に軸支される。この一対の圧着ロール26のうち、下流の圧着ロール26の下流には、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を巻き取る巻取機28の巻取管29が回転可能に設置され、圧着ロール26と巻取機28の巻取管29との間には、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の側部にスリットを形成するスリット刃30が昇降可能に配置されており、このスリット刃30と巻取機28の巻取管29との間には、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4にテンションを作用させて円滑に巻き取るための回転可能なテンションロール31が必要数軸支される。
各圧着ロール26は、50℃〜ガラス転移点+50℃、好ましくは100℃〜ガラス転移点の温度に調整され、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4に摺接してこれを冷却ロール27に圧接する。圧着ロール26の温度が係る範囲なのは、50℃未満の場合には、圧着ロール26が結露するからである。逆に、ガラス転移点+50℃を越える場合には、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4が圧着ロール26に貼り付いて破断したり、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の強度が低下して破断するおそれがあるからである。圧着ロール26の温度調整法としては、例えば空気、水、オイル等の熱媒体を用いる方法、電気ヒーターを用いる方法、誘導加熱を利用する方法等があげられる。
各圧着ロール26の周面には、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4と冷却ロール27の密着性を向上させる観点から、少なくとも天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ノルボルネンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム層が必要に応じて被覆形成され、このゴム層には、シリカやアルミナ等の無機化合物が選択的に添加される。これらの中では、耐熱性に優れるシリコーンゴムやフッ素ゴムの選択が好ましい。
圧着ロール26としては、表面が金属の金属弾性ロールが必要に応じて使用され、この金属弾性ロールが使用される場合には、表面が平滑性に優れる非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の成形が可能となる。この金属弾性ロールの具体例としては、金属スリーブロール、エアーロール〔ディムコ社製 製品名〕、UFロール〔日立造船社製 製品名〕が該当する。また、表面がテトラフルオロエチレン‐パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂、あるいは表面がテトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロピレン(FEP)樹脂等のフッ素樹脂フィルムで被覆した圧着ロール26も同様に使用することができる。
冷却ロール27は、例えば圧着ロール26よりも拡径の金属ロール等からなり、ダイス23の下方に回転可能に軸支されて押し出された非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を圧着ロール26との間に挟持し、圧着ロール26と共に非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を冷却しながらその厚さを所定の範囲内に制御するよう機能する。
冷却ロール27は、圧着ロール26と同様の理由から、50℃〜ガラス転移点+50℃、好ましくは100℃〜ガラス転移点の温度に調整され、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4に摺接してこれを冷却ロール27に圧接する。この冷却ロール27の温度調整法としては、圧着ロール26同様、例えば空気、水、オイル等の熱媒体を用いる方法、電気ヒーターを用いる方法、誘導加熱を利用する方法等があげられる。
成形材料1を薄い帯形の非晶性熱可塑性樹脂フィルム4に溶融押出成形したら、この非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を一対の圧着ロール26、冷却ロール27、及び巻取機28の巻取管29に巻架し、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の両側部をスリット刃30でそれぞれカットし、巻取機28の巻取管29に巻き取れば、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を製造することができる。
この非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の製造の際、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4は、平滑なフィルムでも良いが、表裏両面の少なくともいずれか一方の面に、滑り性に資する複数の微細な凹凸部が形成され、各凹凸部が断面略すり鉢形の凹部、及び略中空円錐台形の凸部であることが好ましい。この凹凸部は、必要に応じ、千鳥形等に規則的に配列されたり、不規則に配列されると良い。
非晶性熱可塑性樹脂フィルム4に複数の微細な凹凸部を形成する方法としては、(1)一対の圧着ロール26と冷却ロール27の周面に微細な凹凸部をそれぞれ形成し、これら一対の圧着ロール26と冷却ロール27の間に非晶性熱可塑性樹脂フィルム4を挟持させて凹凸部を転写形成する方法、(2)非晶性熱可塑性樹脂フィルム4に微小なジルコニア、ガラス、ステンレス等の無機化合物、ポリカーボネート、ナイロン、植物の種等を吹き付けて微細な凹凸部を転写形成する方法、(3)微細な凹凸部を備えた金型により非晶性熱可塑性樹脂フィルム4をプレス成形し、微細な凹凸部を転写形成する方法があげられる。
これらの方法の中では、凹凸部を形成する設備の簡略化、凹凸部のサイズの精度、凹凸部形成の均一化、凹凸部形成の容易化、連続的な凹凸部の形成等の観点から、(1)の方法が最適である。この場合、冷却ロール27は、凹凸部の角が角張らないよう、サンドブラストロールではなく、エッチングロールが好ましい。
微細な凹凸部が形成された非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)で0.01〜0.50μm、好ましくは0.05〜0.30μmが最適である。これは、算術平均粗さ(Ra)が0.50μmを越える場合には、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の機械的特性が低下し、溶融押出成形時に破断するおそれがあるという理由に基づく。加えて、絶縁破壊電圧が低下するので、フィルムキャパシタ用の基材フィルムとして利用することができなくなるという理由に基づく。
冷却ロール27により冷却され、製造された非晶性熱可塑性樹脂フィルム4は、滑り性、機械的特性、電気的特性、耐熱性等を満足させる観点から、滑り性が静摩擦係数(μs)で1.0以下、動摩擦係数(μk)で1.0以下、機械的特性が引張強度で50N/mm以上、かつ引張破断時伸びで50%以上、耐熱性が貯蔵弾性率(E´)の第一変曲点温度で200℃以上とされる。また、フィルムキャパシタ用の基材フィルム等として使用される場合の電気的特性を満足させる観点から、絶縁破壊電圧が250V/μm以上とされる。さらに、スピーカの振動板用の基材フィルムとして使用される場合の音響特性を満足させるため、音響特性が20℃における損失正接で0.015以上とされる。
上記によれば、成形材料1中に疎水性シリカ球状微粒子3を含有するので、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4の滑り性の大幅な向上を図ることができる。また、疎水性シリカ球状微粒子3の平均粒子径が5nm〜1000nmの範囲なので、均一分散性や流動性が良く、滑り性や機械的強度の向上を図ることができる。さらに、成形材料1として、単なる非晶性熱可塑性樹脂2を使用するのではなく、200℃以上のガラス転移点を有する非晶性熱可塑性樹脂2を使用するので、耐熱性の向上が大いに期待できる。
なお、上記実施形態では溶融混練機10のシリンダー12にスクリュー構造のサイドフィーダ16を連設したが、何らこれに限定されるものではなく、ホッパー構造のサイドフィーダ16を連設しても良い。また、非晶性熱可塑性樹脂フィルム4に、滑り性に資する複数の微細な凹凸部を形成したが、滑り性を確保できるのであれば、凹凸部ではなく、凹部又は凸部を形成しても良い。
以下、本発明に係る非晶性熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法の実施例を比較例と共に説明する。
〔実施例1〕
先ず、ガラス転移点が210℃のポリエーテルイミド樹脂〔SABIC イノベーティブプラスチックス社製 製品名:ULTEM 9011−1000‐NB〕100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、平均粒子径が110nmの疎水性シリカ球状微粒子〔信越化学工業社製 製品名:X‐24‐9163A〕をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して0.5質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。
ポリエーテルイミド樹脂のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計〔エスアイアイ・ナノテクノロジーズ社製 製品名:高感度型示差走査熱量計 X−DSC7000〕を用い、JISK7121に準拠し、昇温速度10℃/分の条件で測定した。また、ポリエーテルイミド樹脂と疎水性シリカ球状微粒子とは、同方向回転二軸押出機のシリンダー温度340℃、ダイス温度340℃の条件下で同方向回転二軸押出機の原料投入口側のベントを開放した状態で溶融混練し、成形材料に調製した。ダイスの温度から溶融混練時の温度を測定したところ、371℃であった。
なお、ガラス転移点が210℃のポリエーテルイミド樹脂〔SABIC イノベーティブプラスチックス社製 製品名:ULTEM 9011−1000‐NB〕は、以後、9011−1000と略称する。
次いで、調製した成形材料を150℃に加熱した除湿熱風乾燥機〔松井製作所社製 製品名:マルチジェット MJ3〕に投入して12時間乾燥させ、乾燥した成形材料の水分率が300ppm以下であるのを確認後、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入してその幅900mmのTダイスから連続して押し出すことにより、帯形の非晶性熱可塑性樹脂フィルムを成形した。成形材料の水分率は、微量水分測定装置〔三菱化学社製 製品名:CA‐100型〕を用い、カールフィッシャー滴定法により確認した。以後、成形材料の水分率については、同様の方法により測定した。
成形材料を単軸押出機に投入する際、窒素ガス18L/分を供給した。また、単軸押出成形機は、L/D=32、圧縮比:2.5、スクリュー:フルフライトスクリューとした。この単軸押出成形機のシリンダー温度は310〜360℃、Tダイスの温度は360〜365℃、単軸押出成形機とTダイスとを連結する連結管の温度は360℃、ギアポンプは365℃に調整した。Tダイス入口の樹脂温度から溶融した成形材料の温度を測定したところ、342℃であった。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを成形したら、連続した非晶性熱可塑性樹脂フィルムの両側部をスリット刃で裁断して巻取管に順次巻き取ることにより、長さ100m、幅620mmの非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造した。非晶性熱可塑性樹脂フィルムは、シリコーンゴムを周面に有する一対の圧着ロール、冷却ロールである金属ロール、及びこれらの下流に位置する6インチの巻取管に順次巻架し、圧着ロールと金属ロールとに挟持させることにより、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの表裏両面に微細な複数の凹凸部を形成した。
各圧着ロールのシリコーンゴムの算術平均粗さ(Ra)は、0.44〜0.47μmとした。また、金属ロールとしては、算術平均粗さ(Ra)が1.28μmの凸柄模様を周面に備えた150℃のエッチングロールを用いた。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したら、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表1にまとめた。非晶性熱可塑性樹脂フィルムの表面粗さは算術平均粗さ(Ra)、滑り性は静摩擦係数(μs)と動摩擦係数(μk)、機械的特性は引張強度と引張破断時伸び、耐熱性は貯蔵弾性率(E´)の第一変曲点温度、電気的特性は絶縁破壊電圧、音響特性は損失正接で評価した。
・フィルム厚
フィルム厚が3〜10μmの非晶性熱可塑性樹脂フィルムの厚さについては、接触式厚さ計〔Marh社製 製品名:ミリマール 1240 コンパクトアンプにミリマール インダクティブ プローブ 1301 Marh−LVDTを取り付けた装置〕を使用して測定した。これに対し、フィルム厚が10μmを越え、〜150μmの非晶性熱可塑性樹脂フィルムの厚さについては、マイクロメータ〔ミツトヨ社製 製品名:クーラントプルーフマイクロメータ 符号MDC‐25PJ〕を使用して測定した。
測定に際しては、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの押出方向と幅方向(押出方向の直角方向)とが交わる所定の厚みを100箇所測定し、その平均値をフィルム厚とした。押出方向の測定箇所は、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの先端部から100mm間隔で100mm、200mm、300mm、400mm、500mmの位置とした。これに対し、幅方向の測定箇所は、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの左端部から25mm、次いで30mm間隔で55mm、85mm、115mm、145mm、175mm、205mm、235mm、265mm、295mm、325mm、355mm、385mm、415mm、445mm、475mm、505mm、535mm、565mm、595mmの箇所とした。
・非晶性熱可塑性樹脂フィルムの表面性
非晶性熱可塑性樹脂フィルムの表面性については、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの表面を指で触れ、その触感で評価した。具体的には、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの表面が滑らかな場合を○、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの表面がゴツゴツした状態の場合を×とした。
・非晶性熱可塑性樹脂フィルムの表面粗さ
非晶性熱可塑性樹脂フィルムの表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)で評価した。具体的には、JIS B0601‐2001に準じ、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの縦方向(押出方向)について、圧着ロール面側と冷却ロール面側とをそれぞれ測定した。
・非晶性熱可塑性樹脂フィルムの滑り性(非晶性熱可塑性樹脂フィルム同士の滑り性)
非晶性熱可塑性樹脂フィルムの滑り性については、静摩擦係数と動摩擦係数により評価した。これら静摩擦係数と動摩擦係数は、JIS K7125‐1999に準じて測定した。具体的には、表面性測定機〔新東科学社製 製品名:HEDON−14〕を用い、23℃、50%RHの環境下で、試験速度100mm/min、荷重200g、接触面積63.5mm×63.5mmの条件で測定した。そして、この条件で移動テーブル側に非晶性熱可塑性樹脂フィルムの冷却ロール面側、平面圧子側に非晶性熱可塑性樹脂フィルムの圧着ロール面側をそれぞれ固定し、200gの負荷を作用させ、試験速度:100mm/minで静摩擦係数と動摩擦係数を測定した。
・非晶性熱可塑性樹脂フィルムの滑り性(非晶性熱可塑性樹脂フィルムとポリカーボネート樹脂フィルムとの滑り性)
非晶性熱可塑性樹脂フィルムとポリカーボネート樹脂フィルムとの滑り性についても、静摩擦係数と動摩擦係数により評価した。ポリカーボネート樹脂フィルムについては、市販されている厚さ0.5mmのポリカーボネート樹脂フィルム〔タキロン社製 製品名:PCSMPS610 ポリカーボネート/透明〕を用いた。
静摩擦係数と動摩擦係数は、JIS K7125‐1299に準拠して測定した。具体的には、表面性測定機〔新東科学社製 製品名:HEDON−14〕を用い、23℃、50%RHの環境下で、試験速度100mm/min、荷重200g、接触面積63.5mm×63.5mmの条件で測定した。そして、この条件で移動テーブル側に非晶性熱可塑性樹脂フィルムの冷却ロール面側、平面圧子側に非晶性熱可塑性樹脂フィルムの圧着ロール面側をそれぞれ固定し、200gの負荷を作用させ、試験速度:100mm/minで静摩擦係数と動摩擦係数を測定した。
・非晶性熱可塑性樹脂フィルムの機械的特性
非晶性熱可塑性樹脂フィルムの機械的特性は、引張強度と引張破断伸びで評価した。具体的には、23℃、50%RHの環境下でJIS K6781に準じ、引張速度50mm/minで押出方向と幅方向を測定した。引張強度として、最大強度を測定した。
・非晶性熱可塑性樹脂フィルムの耐熱性
非晶性熱可塑性樹脂フィルムの耐熱性は、貯蔵弾性率(E´)の第一変曲点温度により評価した。この非晶性熱可塑性樹脂フィルムの貯蔵弾性率は、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの押出方向と幅方向(押出方向の直角方向)について測定した。具体的には、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの押出方向の貯蔵弾性率を測定する場合には、押出方向60mm×幅方向6mm、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの幅方向の貯蔵弾性率を測定する場合には、押出方向6mm×幅方向60mmの大きさに切り出して測定した。
貯蔵弾性率の測定に際しては、粘弾性スペクトロメータ〔ティー・エス・インスツルメント・ジャパン社製 製品名:RSA−G2〕を用いた引張モードにより、周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分、測定温度範囲−60℃〜300℃、チェック間21mmの条件で測定した。
第一変曲点温度は、図3に示すように、貯蔵弾性率の変化曲線に対する2つの直線部を延長した交点の温度とした。第一変曲点温度を求める場合には、先ず、貯蔵弾性率の最初に急激に低下する前の直線部を高温側に延長して1本目の直線aを引き、貯蔵弾性率が最初に急激に低下した後の直線部を低音側に延長して2本目の直線bを引き、その後、両線a、bの交点における垂直線を横軸の温度軸に引き、その温度を第一変曲点温度とした。
・非晶性熱可塑性樹脂フィルムの電気的特性
非晶性熱可塑性樹脂フィルムの電気的特性は、絶縁破壊電圧により評価した。この絶縁破壊電圧については、JIS C2110‐1994に準じ、気中法による短時間絶縁破壊試験で測定した。具体的には、23℃の環境下で、冷却ロール面側より絶縁破壊電圧を測定し、評価した。絶縁破壊試験機は耐電圧・絶縁抵抗試験機〔菊水電子工業社製 製品名:TOS9201〕、電極は気中試験電極装置〔多摩電測社製 製品名:TJ‐20〕を使用した。電極の形は円柱形(上部形状 直径25mm、高さ25mm、下部形状 直径25mm、高さ15mm)とした。
絶縁破壊試験機の測定上限値は6100Vなので、6100Vに達した非晶性熱可塑性樹脂フィルムの電気的特性は評価しないこととした。
・非晶性熱可塑性樹脂フィルムの音響特性
非晶性熱可塑性樹脂フィルムの音響特性は、20℃における損失正接で評価した。この非晶性熱可塑性樹脂フィルムの損失正接は、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの押出方向と幅方向(押出方向の直角方向)について測定した。
具体的には、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの押出方向の損失正接を測定する場合には、押出方向60mm×幅方向6mm、幅方向の損失正接を測定する場合には、押出方向6mm×幅方向60mmの大きさに切り出して測定した。測定に際しては、粘弾性スペクトロメータ〔ティー・エス・インスツルメント・ジャパン社製 製品名:RSA−G2〕を用いた引張モードにより、周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分、測定温度範囲−60℃〜300℃、チェック間21mmの条件で測定した。
〔実施例2〕
基本的には実施例1と同様だが、疎水性シリカ球状微粒子の添加量をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して1.0質量部に変更した。ポリエーテルイミド樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、376℃であった。また、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、343℃であった。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したら、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表1にまとめた。
〔実施例3〕
基本的には実施例1と同様だが、疎水性シリカ球状微粒子の添加量をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して5.0質量部に変更した。ポリエーテルイミド樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、376℃であった。また、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、346℃であった。金属ロールは、算術平均粗さ(Ra)が1.86μmの凸柄模様を周面に備えた180℃のエッチングロールに変更した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したら、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表1にまとめた。
〔実施例4〕
基本的には実施例1と同様だが、疎水性シリカ球状微粒子の添加量をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して10質量部に変更した。ポリエーテルイミド樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、372℃であった。また、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、341℃であった。金属ロールは、算術平均粗さ(Ra)が1.86μmの凸柄模様を周面に備えた210℃のエッチングロールに変更した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表1にまとめた。但し、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの絶縁破壊電圧が6100Vに達したので、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの絶縁破壊電圧については評価しなかった。
Figure 2020079424
〔実施例5〕
ガラス転移点が211℃のポリエーテルイミド樹脂〔SABIC イノベーティブプラスチックス社製 製品名:ULTEM 1010−1000‐NB〕100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、平均粒子径が35nmの疎水性シリカ球状微粒子〔信越化学工業社製 製品名:X‐24‐9404〕をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して5.0質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。ポリエーテルイミド樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、379℃であった。
なお、ガラス転移点が211℃のポリエーテルイミド樹脂〔SABIC イノベーティブプラスチックス社製 製品名:ULTEM 1010−1000‐NB〕は、以後、1010−1000と略称する。
以下、実施例1と同様にして非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したが、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、340℃であった。また、金属ロールは、算術平均粗さ(Ra)が1.86μmの凸柄模様を周面に備えた210℃のエッチングロールに変更した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表2に記載した。但し、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの絶縁破壊電圧が6100Vに達したので、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの絶縁破壊電圧については評価しなかった。
〔実施例6〕
実施例5のポリエーテルイミド樹脂100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、平均粒子径が77nmの疎水性シリカ球状微粒子〔信越化学工業社製 製品名:X‐24‐9600‐80〕をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して3.0質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。ポリエーテルイミド樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、375℃であった。
以下、実施例1と同様にして非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したが、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、342℃であった。また、金属ロールは、算術平均粗さ(Ra)が1.28μmの凸柄模様を周面に備えた180℃のエッチングロールに変更した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表2に記載した。
〔実施例7〕
ガラス転移点が222℃のポリエーテルイミド樹脂〔SABIC イノベーティブプラスチックス社製 製品名:ULTEM CRS5001−1000‐NB〕100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、実施例6の疎水性シリカ球状微粒子をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して15質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。
同方向回転二軸押出機のシリンダー温度は350℃、ダイス温度は350℃に変更した。ポリエーテルイミド樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、385℃であった。
なお、ガラス転移点が222℃のポリエーテルイミド樹脂〔SABIC イノベーティブプラスチックス社製 製品名:ULTEM CRS5001−1000‐NB〕は、以後、CRS5001−1000と略称する。
以下、実施例1と同様にして非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したが、単軸押出成形機のシリンダー温度は310〜370℃、Tダイスの温度は370〜375℃、単軸押出成形機とTダイスとを連結する連結管の温度は370℃、ギアポンプは375℃に変更した。成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、353℃であった。また、金属ロールは、算術平均粗さ(Ra)が1.86μmの凸柄模様を周面に備えた210℃のエッチングロールに変更した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表2に記載した。但し、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの絶縁破壊電圧が6100Vに達したので、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの絶縁破壊電圧については評価しなかった。
〔実施例8〕
ガラス転移点が220℃のポリエーテルサルホン樹脂〔ソルベイスペシャルティポリマーズ社製 製品名ベラデルポリエーテルサルホン A‐301NT〕100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、実施例1の疎水性シリカ球状微粒子をポリエーテルサルホン樹脂100質量部に対して3.0質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。
同方向回転二軸押出機のシリンダー温度は350℃、ダイス温度は350℃に変更した。ポリエーテルサルホン樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、383℃であった。
なお、ガラス転移点が220℃のポリエーテルサルホン樹脂〔ソルベイスペシャルティポリマーズ社製 製品名ベラデルポリエーテルサルホン A‐301NT〕は、以後、A‐301NTと略称する。
以下、実施例1と同様にして非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したが、単軸押出成形機のシリンダー温度は310〜370℃、Tダイスの温度は370〜375℃、単軸押出成形機とTダイスとを連結する連結管の温度は370℃、ギアポンプは375℃に変更した。成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、355℃であった。また、金属ロールは、算術平均粗さ(Ra)が1.28μmの凸柄模様を周面に備えた150℃のエッチングロールに変更した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表2に記載した。
Figure 2020079424
〔実施例9〕
ガラス転移点が218℃のポリフェニルサルホン樹脂〔ソルベイスペシャルティポリマーズ社製 製品名レーデルポリフェニルサルホン R‐5000NT〕100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、実施例1の疎水性シリカ球状微粒子をポリフェニルサルホン樹脂100質量部に対して1.0質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。
同方向回転二軸押出機のシリンダー温度は350℃、ダイス温度は350℃とした。ポリフェニルサルホン樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、380℃であった。
なお、ガラス転移点が218℃のポリフェニルサルホン樹脂〔ソルベイスペシャルティポリマーズ社製 製品名レーデルポリフェニルサルホン R‐5000NT〕は、以後、R‐5000NTと略称する。
以下、実施例1と同様にして非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したが、単軸押出成形機のシリンダー温度は310〜370℃、Tダイスの温度は370〜375℃、単軸押出成形機とTダイスとを連結する連結管の温度は370℃、ギアポンプは375℃に変更した。成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、355℃であった。また、金属ロールは、算術平均粗さ(Ra)が1.86μmの凸柄模様を周面に備えた210℃のエッチングロールに変更した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表3に記載した。但し、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの絶縁破壊電圧が6100Vに達したので、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの絶縁破壊電圧については評価しなかった。
Figure 2020079424
〔比較例1〕
実施例1のポリエーテルイミド樹脂100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、実施例1の疎水性シリカ球状微粒子をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して0.02質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。ポリエーテルイミド樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、370℃であった。
以下、実施例1と同様にして非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したが、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、343℃であった。また、金属ロールは、算術平均粗さ(Ra)が1.28μmの凸柄模様を周面に備えた150℃のエッチングロールに変更した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表4に記載した。
〔比較例2〕
実施例1のポリエーテルイミド樹脂100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、実施例1の疎水性シリカ球状微粒子をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して25質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。ポリエーテルイミド樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、373℃であった。
以下、実施例1と同様にして非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したが、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、347℃であった。金属ロールは、算術平均粗さ(Ra)が1.86μmの凸柄模様を周面に備えた180℃のエッチングロールに変更した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表4に記載した。
〔比較例3〕
実施例8のポリエーテルサルホン樹脂100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、実施例1の疎水性シリカ球状微粒子をポリエーテルサルホン樹脂100質量部に対して0.05質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。ポリエーテルサルホン樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、381℃であった。
以下、実施例1と同様にして非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したが、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、348℃であった。また、金属ロールは、算術平均粗さ(Ra)が1.28μmの凸柄模様を周面に備えた150℃のエッチングロールに変更した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表4に記載した。
〔比較例4〕
実施例9のポリフェニルサルホン樹脂100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、実施例1の疎水性シリカ球状微粒子をポリフェニルサルホン樹脂100質量部に対して25質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。ポリフェニルサルホン樹脂と疎水性シリカ球状微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、386℃であった。
以下、実施例1と同様にして非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したが、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、359℃であった。また、金属ロールは、算術平均粗さ(Ra)が1.86μmの凸柄模様を周面に備えた210℃のエッチングロールに変更した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表4に記載した。
Figure 2020079424
〔比較例5〕
実施例1のポリエーテルイミド樹脂100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、平均粒子径が6.4nmの真球状シリカ微粒子〔アドマテックス社製 製品名:5μm‐E1〕をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して5.0質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。ポリエーテルイミド樹脂と真球状シリカ微粒子との溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、369℃であった。
以下、実施例1と同様にして非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したが、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、341℃であった。金属ロールは、算術平均粗さ(Ra)が1.86μmの凸柄模様を周面に備えた180℃のエッチングロールに変更した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表5に記載した。但し、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの絶縁破壊電圧が6100Vに達したので、非晶性熱可塑性樹脂フィルムの絶縁破壊電圧については評価しなかった。
〔比較例6〕
実施例1のポリエーテルイミド樹脂100質量部を同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、平均粒子径が0.07μmの合成炭酸カルシウム〔Specialty Minerals Inc。社製 製品名:MULTIFEX‐MM〕をポリエーテルイミド樹脂100質量部に対して10質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒状に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。ポリエーテルイミド樹脂と合成炭酸カルシウムとの溶融混練温度を実施例1と同様に測定したところ、372℃であった。
以下、実施例1と同様にして非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したが、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入して溶融させた際の温度を測定したところ、343℃であった。金属ロールは、算術平均粗さ(Ra)が1.86μmの凸柄模様を周面に備えた150℃のエッチングロールに変更した。
非晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造後、この非晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、表面状態、表面粗さ、滑り性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性を評価して表5に記載した。
Figure 2020079424
〔結 果〕
各実施例の非晶性熱可塑性樹脂フィルムは、引張強度が80N/mm以上とし、引張破断時伸びが90%以上、耐熱性(貯蔵弾性率(E´)の第一変曲点温度)が200℃以上、電気的特性が絶縁破壊電圧で250V/μm以上、音響特性が20℃における損失正接で0.015以上であり、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性に優れていた。また、滑り性が静摩擦係数(μs)と動摩擦係数(μk)で1.0以下であり、優れた滑り性を得ることができた。
これに対し、比較例1、3の非晶性熱可塑性樹脂フィルムは、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び音響特性に優れるものの、フィルム同士が貼り付き、滑り性を得ることができなかった。
比較例2、4の非晶性熱可塑性樹脂フィルムは、滑り性が静摩擦係数(μs)と動摩擦係数(μk)で1.0以下であり、優れた滑り性を得ることができた。また、耐熱性も200℃以上であり、耐熱性にも優れていた。しかしながら、引張強度が50N/mm未満、引張破断時伸びが50%未満、電気的特性が絶縁破壊電圧で200V/μm未満、音響特性が20℃における損失正接で0.015未満であり、機械的特性、電気的特性、及び音響特性が不十分であった。
比較例5、6の非晶性熱可塑性樹脂フィルムは、滑り性が静摩擦係数(μs)と動摩擦係数(μk)で1.0以下であり、優れた滑り性を得られた。また、耐熱性が200℃以上、音響特性が20℃における損失正接で0.015以上であり、優れた耐熱性と音響特性を得ることができた。しかし、フィルムの表面がゴツゴツしており、滑らかさがきわめて不十分であった。また、張強度が50N/mm未満、引張破断時伸びが50%未満、電気的特性が絶縁破壊電圧で200V/μm未満であり、機械的特性と電気的特性が不十分であった。
本発明に係る非晶性熱可塑性樹脂フィルムは、電線やフィルムキャパシタの製造分野で利用される。
1 成形材料
2 非晶性熱可塑性樹脂
3 疎水性シリカ球状微粒子
4 非晶性熱可塑性樹脂フィルム
10 溶融混練機
15 投入口
16 サイドフィーダ
20 溶融押出成形機
23 ダイス
26 圧着ロール
27 冷却ロール
29 巻取管

Claims (3)

  1. 200℃以上のガラス転移点を有する非晶性熱可塑性樹脂100質量部と、疎水性シリカ球状微粒子0.1〜20質量部とを含んでなることを特徴とする非晶性熱可塑性樹脂フィルム。
  2. 非晶性熱可塑性樹脂が、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、あるいはポリフェニルサルホン樹脂である請求項1記載の非晶性熱可塑性樹脂フィルム。
  3. 疎水性シリカ球状微粒子の少なくとも表面にシラノール基を多数有する請求項1又は2記載の非晶性熱可塑性樹脂フィルム。
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