JP2022112275A - 結晶性熱可塑性樹脂シート及びその製造方法 - Google Patents

結晶性熱可塑性樹脂シート及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂シートからの滲み出しや移行を防ぎ、樹脂シートの損傷や外観不良のおそれを排除することができ、樹脂シートの製造時のトラブルを発生させることなく、滑り性を向上させることのできる安価な結晶性熱可塑性樹脂シート及びその製造方法を提供する。【解決手段】300℃以上の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂100質量部と、シリコーンパウダー0.5質量部以上50質量部以下とを含んでなる結晶性熱可塑性樹脂シート。好ましくは、結晶性熱可塑性樹脂は、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂と、熱可塑性ポリイミド樹脂の少なくともいずれかである。【選択図】図2

Description

本発明は、スピーカの振動板用基材フィルム、電線の絶縁被覆用フィルム、フィルムキャパシタ用基材フィルム、モータ用絶縁フィルム、スラストワッシャー用基材フィルム、各種テープ用基材フィルム等として利用される結晶性熱可塑性樹脂シートに関し、より詳しくは、結晶性熱可塑性樹脂シートの滑り性等を改良することのできる結晶性熱可塑性樹脂シート及びその製造方法に関するものである。
ポリアリーレンエーテルケト(PAEK)樹脂や熱可塑性ポリイミド(TPI)樹脂等の300℃以上の融点(結晶融解温度)を有する結晶性熱可塑性樹脂は、機械的性質、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性、低吸水性、電気的特性等に優れるという特徴を有している。この点に鑑み、これらの樹脂により得られる結晶性熱可塑性樹脂フィルムは、スピーカの振動板用基材フィルム、電線の絶縁被覆用フィルム、フィルムキャパシタ用基材フィルム、モータに使用される絶縁シート、スラストワッシャー用の基材フィルム、各種テープ用基材フィルム等として利用されている。
しかしながら、結晶性熱可塑性樹脂フィルムは、通常、滑り性(摺動性ともいう)に劣るため、例えば厚さ1000μm以下の樹脂フィルムにスリットを形成する作業等が困難になったり、製造時に樹脂フィルムの巻取りに支障を来したり、あるいは樹脂フィルムを巻き取る際に樹脂フィルムに巻取りシワが発生することがある。また、結晶性熱可塑性樹脂フィルムの裂けや破断、あるいはロールに不適切に巻き付いたりするという問題が生じることもある。したがって、結晶性熱可塑性樹脂フィルムの滑り性については、改善する必要がある。
一般に、熱可塑性樹脂フィルムの滑り性を改善する方法としては、(1)熱可塑性樹脂フィルムの表面に微細な凹凸を形成して表面の摩擦係数を低下させる方法、(2)グリセリンモノベヘネートやグリセリンモノステアレート等のグリセリン、及び炭素数が20以上である脂肪酸モノステアレートを添加する方法(特許文献1参照)、(3)熱可塑性樹脂にシリコーンゴム(特許文献2参照)、あるいはフッ素樹脂(特許文献3参照)等の摩擦係数の小さい化合物を添加し、熱可塑性樹脂フィルムを溶融押出成形機で溶融押出成形してその表面摩擦係数を低下させる方法があげられる。
特開2008‐308606号公報 特許第4980205号公報 特許第5241470号公報
しかしながら、(1)の方法の場合には、単なる微細な凹凸の形成に止まるので、熱可塑性樹脂フィルムの表面の滑り性が不十分となる。また、(2)の方法の場合には、ポリカーボネート樹脂のような溶融成形温度が300℃以下の樹脂には有効ではあるが、300℃以上の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂のときには、成形温度が300℃を越えるので、溶融成形中にグリセリンモノベヘネートや炭素数が20以上の脂肪酸モノステアレートが分解したり、揮発するおそれがある。加えて、溶融押出成形後の熱可塑性樹脂フィルムから滲み出しや移行という問題が生じることもある。
また、(3)の方法の場合には、300℃以上の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂にシリコーンゴムを添加し、溶融押出成形するとき、溶融成形温度が300℃を越えるため、シリコーンゴムの一部が溶融押出成形機内に残留し、この残留物が酸素の存在する高温の雰囲気下で酸素と架橋反応して変質するので、ゲルの生成やシリコーンオイルの分子鎖の切断による低分子組成物の生成を招くこととなる。ゲルが生じると、ゲル部分から熱可塑性樹脂フィルムに孔が開いたり、孔が開いた部分から樹脂フィルムが切れて巻き取れないという問題が新たに生じる。
また、例え結晶性熱可塑性樹脂フィルムを巻き取ることができたとしても、結晶性熱可塑性樹脂フィルム中に異物が残存する関係上、結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造する際、巻取工程のトラブル、品質の不具合、ロングラン成形性の低下を招いたり、ゲル状部分が凸状となり、外観不良を招くおそれがある。また、低分子生成物が液状のときには、溶融押出成形後の結晶性熱可塑性樹脂フィルムから滲み出しや移行の問題が生じる。
また、(3)の特許文献3には、ポリエーテルイミド樹脂に溶融温度が120,000ポイズ以下のフッ素樹脂を添加し、熱可塑性樹脂フィルムに微細な凹凸を転写して滑り性を改良する方法が記載されている。この方法で使用されているフッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体と、テトラフルオロエチレン‐パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の2種類である。
係る2種類のフッ素樹脂は、ポリエーテルイミド樹脂中での均一分散性に劣るので、結晶性熱可塑性樹脂フィルムに均一な滑り性を付与することが困難になったり、機械的強度の低下や孔開き等の問題が生じる。さらに、フッ素樹脂を添加剤に使用すると、溶融押出成形機やダイス等の部材に、耐腐食性の鋼材を使用する必要があるので、コストが増大し、その結果、熱可塑性樹脂フィルムが高価になる。
本発明は上記に鑑みなされたもので、樹脂シートからの滲み出しや移行を防ぎ、樹脂シートの損傷や外観不良のおそれを排除することができ、樹脂シートの製造時のトラブルを発生させることなく、滑り性を向上させることのできる安価な結晶性熱可塑性樹脂シート及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明者等は、上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、耐熱性や高分散性を有するシリコーンパウダーに着目し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明においては上記課題を解決するため、300℃以上の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂100質量部と、シリコーンパウダー0.5質量部以上50質量部以下とを含んでなることを特徴としている。
なお、結晶性熱可塑性樹脂は、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂と、熱可塑性ポリイミド樹脂の少なくともいずれかであることが好ましい。
また、シリコーンパウダーは、シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー、及びシリコーン複合パウダーの少なくともいずれかであることが好ましい。
また、シリコーンパウダーの平均粒子径を、0.1μm以上100μm以下であると良い。
また、本発明においては上記課題を解決するため、請求項1ないし4のいずれかに記載の結晶性熱可塑性樹脂シートの製造方法であって、
300℃以上の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂100質量部と、シリコーンパウダー0.5質量部以上50質量部以下とを少なくとも含有する成形材料を溶融混練し、この成形材料をダイスにより結晶性熱可塑性樹脂シートに押出成形し、この結晶性熱可塑性樹脂シートを冷却して巻取機に巻き取ることを特徴としている。
なお、溶融混練機により結晶性熱可塑性樹脂を溶融してシリコーンパウダーを投入し、これら結晶性熱可塑性樹脂とシリコーンパウダーを溶融混練することにより、略ストランドの成形材料を結晶性熱可塑性樹脂シートの押出成形前に調製することができる。
また、押出成形された結晶性熱可塑性樹脂シートを圧着ロールと冷却ロールの間に挟んで冷却し、この結晶性熱可塑性樹脂シートに凹部と凸部の少なくともいずれかを転写形成することができる。
ここで、特許請求の範囲における結晶性熱可塑性樹脂は、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂と熱可塑性ポリイミド樹脂のいずれか一方でも良く、両方でも良い。また、シリコーンパウダーは、シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー、及びシリコーン複合パウダーでも良い。シリコーンパウダーが略球形の場合、このシリコーンパウダーの略球形には、真球形と、少々歪んだ球形のいずれも含まれる。
結晶性熱可塑性樹脂シートは、透明、不透明、半透明を特に問うものではない。この結晶性熱可塑性樹脂シートには、厚い結晶性熱可塑性樹脂シートの他、薄い結晶性熱可塑性樹脂フィルムが含まれる。したがって、結晶性熱可塑性樹脂シートは、少なくともスピーカの振動板用基材シート、電線の絶縁被覆用シート、フィルムキャパシタ用基材フィルム、モータ用絶縁シート、スラストワッシャー用基材シート、炭素繊維強化プラスチックの接着剤、あるいは各種テープ用の基材シート等として利用することができる。
本発明によれば、300℃以上の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂100質量部に、滑り性に資するシリコーンパウダー0.5質量部以上50質量部以下を添加するので、結晶性熱可塑性樹脂シートの摩擦係数が低下し、結晶性熱可塑性樹脂シートの滑り性を向上させることができる。
本発明によれば、結晶性熱可塑性樹脂シートからの滲み出しや移行を防ぎ、結晶性熱可塑性樹脂シートの損傷や外観不良のおそれを排除することができるという効果がある。また、結晶性熱可塑性樹脂シートの製造時のトラブルを発生させることなく、滑り性を向上させることができるという効果がある。
請求項2記載の発明によれば、結晶性熱可塑性樹脂がポリアリーレンエーテルケトン樹脂と、熱可塑性ポリイミド樹脂の少なくともいずれかの樹脂なので、優れた機械的性質、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性、低吸水性、電気的特性等を得ることができる。
請求項3記載の発明によれば、シリコーンパウダーがシリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー、及びシリコーン複合パウダーの少なくともいずれかのパウダーなので、優れた滑り性、難燃性、耐熱性、耐寒性、耐候性等を得ることができる。
請求項4記載の発明によれば、シリコーンパウダーの平均粒子径が0.1μm以上100μm以下の範囲なので、結晶性熱可塑性樹脂中にシリコーンパウダーを分散させた場合、シリコーンパウダー同士の凝集が生じ、結晶性熱可塑性樹脂シートの強度低下を招くことが少ない。また、結晶性熱可塑性樹脂シートの成形性が低下したり、滑り性の悪化を防止することが可能となる。加えて、結晶性熱可塑性樹脂シートの機械的強度が低下するのを防止することが可能となる。
請求項5記載の発明によれば、結晶性熱可塑性樹脂シートを連続して帯形に押出成形する溶融押出成形法を採用するので、結晶性熱可塑性樹脂シートの厚さ精度、生産性、ハンドリング性の向上を図ることができ、しかも、製造設備の簡略化が期待できる。
本発明に係る結晶性熱可塑性樹脂シート及びその製造方法の実施形態における溶融混練機を模式的に示す説明図である。 本発明に係る結晶性熱可塑性樹脂シート及びその製造方法の実施形態における製造装置を模式的に示す全体説明図である。 本発明に係る結晶性熱可塑性樹脂シート及びその製造方法の実施例・比較例における貯蔵弾性率の第一変曲点温度を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における結晶性熱可塑性樹脂シートは、図1や図2に示すように、300℃以上の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂100質量部と、シリコーンパウダー0.5質量部以上50質量部以下とを含有する成形材料1により溶融押出成形法で成形される滑り性良好の結晶性熱可塑性樹脂フィルム4であり、国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の目標9の達成に貢献する。
成形材料1は、少なくとも300℃以上の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂2と、滑り性等に資するシリコーンパウダー3とを含み、これら結晶性熱可塑性樹脂2とシリコーンパウダー3とが溶融混練されることにより、調製される。この成形材料1の結晶性熱可塑性樹脂2としては、300℃以上の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂2であれば、特に限定されるものではないが、機械的性質、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性、低吸水性、電気的特性等に優れるポリアリーレンエーテルケトン(PAEK)樹脂と、熱可塑性ポリイミド(TPI)樹脂の少なくともいずれかが好ましく、粉状、顆粒状、フレーク状、ペレット状のいずれの形状でも良い。結晶性熱可塑性樹脂2は、単独あるいは2種類以上の結晶性熱可塑性樹脂2をブレンドして使用することができる。
結晶性熱可塑性樹脂2であるポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、アリーレン基、エーテル基、及びカルボニル基からなる結晶性の樹脂であり、例えば特許5709878号公報や特許第5847522号公報、あるいは文献[株式会社旭リサーチセンター:先端用途で成長するスーパーエンプラ・PEEK(上)]等に記載された樹脂があげられ、機械的性質や耐熱性等に優れる。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の具体例としては、例えば化学式(1)で表される化学構造式を有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、化学式(2)で表される化学構造を有するポリエーテルケトン(PEK)樹脂、化学式(3)で表される化学構造を有するポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂、化学式(4)の化学構造を有するポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)樹脂、あるいは化学式(5)の化学構造を有するポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)樹脂等があげられる。
Figure 2022112275000002
Figure 2022112275000003
Figure 2022112275000004
Figure 2022112275000005
Figure 2022112275000006
これらのポリアリーレンエーテルケトン樹脂の中では、易入手性、コスト、及び結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の成形性の観点から、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とポリエーテルケトンケトン樹脂とが好ましい。ポリエーテルエーテルケトン樹脂の具体例としては、ビクトレック社製の製品名:Victrex Powderシリーズ、Victrex Granulesシリーズ、ダイセル・エボニック社製の製品名:ベスタキープシリーズ、ソルベイスペシャルティポリマーズ社製の製品名:キータスパイア PEEKシリーズがあげられる。また、ポリエーテルケトンケトン樹脂の具体例としては、アルケマ社製の製品名:KEPSTANシリーズがあげられる。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、1種単独でも良いし、2種以上を混合して使用しても良い。また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、化学式(1)~(5)で表される化学構造を2つ以上有する共重合体でも良い。ポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、通常、粉状、顆粒状、ペレット状等の成形加工に適した形態で使用される。また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば文献〔株式会社旭リサーチセンター:先端用途で成長するスーパーエンプラ・PEEK(上)〕に記載された製法があげられる。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の融点は、300℃以上450℃以下、好ましくは310℃以上400℃以下、さらに好ましくは320℃以上380℃以下の範囲が良い。これは、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の融点が450℃を越える場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂が激しく分解するおそれがあるからである。
次に、結晶性熱可塑性樹脂2である熱可塑性ポリイミド樹脂としては、テトラカルボン酸成分と、ジアミン成分からなる熱可塑性ポリイミド樹脂をあげることができる。この熱可塑性ポリイミド樹脂の具体例としては、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニルに一種以上のテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られるポリアミド酸を脱水環化して得られる熱可塑性ポリイミド樹脂とテトラカルボン酸成分と脂肪族ジアミン成分を主成分とするジアミン成分とからなる熱可塑性ポリイミド樹脂とがあげられる。
4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニルに一種以上のテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られるポリアミド酸を脱水環化して得られる熱可塑性ポリイミド樹脂で使用されるテトラカルボン酸二無水物としては、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物があげられる。これらの中では、ピロメリット酸二無水物が最適である。これらテトラカルボン酸二無水物は、単独あるいは2種以上混合して用いられる。
4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニルに一種以上のテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリアミド酸を脱水環化して得られる熱可塑性ポリイミド樹脂とテトラカルボン酸成分と脂肪族ジアミン成分を主成分とするジアミン成分とからなる熱可塑性ポリイミド樹脂としては、特公平08-022952号公報記載の熱可塑性ポリイミド樹脂が該当する。この熱可塑性ポリイミド樹脂の具体例としては、三井化学社製の製品名:オーラムシリーズが該当する。
熱可塑性ポリイミド樹脂の融点は、300℃以上450℃以下、好ましくは330℃以上430℃以下、よりこのましくは350℃以上400℃以下である。これは、熱可塑性ポリイミド樹脂の融点が450℃を越える場合には、熱可塑性ポリイミド樹脂が激しく分解するおそれがあるからである。また、熱可塑性ポリイミド樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で他の共重合可能な単量体とのランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、あるいは変性体も使用することができる。熱可塑性ポリイミド樹脂の形状は、粉状、フレーク状、ペレット状、塊状等、いかなる形状でも良い。
熱可塑性ポリイミド樹脂としては、上記の他、テトラカルボン酸成分と、脂肪族ジアミン成分を主成分とするジアミン成分からなる熱可塑性ポリイミド樹脂をあげることができる。この熱可塑性ポリイミド樹脂のテトラカルボン酸成分としては、シクロブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、シクロヘキサン-1,2,4,5-テトラカルボン酸等の脂環族テトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸、ピロメリット酸等が該当する。また、これらのアルキルエステル体も使用することが可能である。
これらの中でも、テトラカルボン酸成分のうち、50モル%を越える成分がピロメリット酸であることが好ましい。これは、テトラカルボン酸成分がピロメリット酸を主成分とすれば、耐熱性、二次加工性、及び低吸水性が向上するからである。係る観点から、テトラカルボン酸成分のうち、ピロメリット酸は、60モル%以上が好ましく、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上が良い。とりわけ、テトラカルボン酸成分の全て(100モル%)がピロメリット酸であるのが最適である。
熱可塑性ポリイミド樹脂のジアミン成分は、脂肪族ジアミン(脂環族ジアミンをも含む)を主成分とすることが重要である。すなわち、ジアミン成分のうち、50モル%を越える成分が脂肪族ジアミンであることが重要であり、60モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。とりわけ、ジアミン成分の全て(100モル%)が脂肪族ジアミンであるのが最適である。この主成分が脂肪族ジアミンであることにより、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4に優れた耐熱性、低吸水性、成形性、及び二次加工性を付与することができる。
ジアミン成分に含まれる脂肪族ジアミンとしては、炭化水素基の両末端にアミン基を有するジアミン成分であれば、特に限定されるものではないが、耐熱性を重視する場合には、環状炭化水素の両末端にアミン基を有する脂環族ジアミンを含むことが好ましい。脂環族ジアミンの具体例としては、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)、イソフォロンジアミン、ノルボルナンジアミン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等があげられる。これらの中では、耐熱性と成形性、二次加工性を両立できるという観点から、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンが最適である。
結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の成形性や二次加工性を重視する場合には、ジアミン成分に含まれる脂肪族ジアミンとして、直鎖状炭化水素の両末端にアミン基を有する直鎖状脂肪族ジアミンを含むことが好ましい。直鎖状脂肪族ジアミンとしては、アルキル基の両末端にアミン基を有するジアミン成分であれば特に制限はないが、具体例としては、エチレンジアミン(炭素数2)、プロピレンジアミン(炭素数3)、ブタンジアミン(炭素数4)、ペンタンジアミン(炭素数5)、ヘキサンジアミン(炭素数6)、ヘプタンジアミン(炭素数7)、オクタンジアミン(炭素数8)、ノナンジアミン(炭素数9)、デカンジアミン(炭素数10)、ウンデカンジアミン(炭素数11)、ドデカンジアミン(炭素数12)、トリデカンジアミン(炭素数13)、テトラデカンジアミン(炭素数14)、ペンタデカンジアミン(炭素数15)、ヘキサデカンジアミン(炭素数16)、ヘプタデカンジアミン(炭素数17)、オクタデカンジアミン(炭素数18)、ノナデカンジアミン(炭素数19)、エイコサン(炭素数20)、トリアコンタン(炭素数30)、テトラコンタン(炭素数40)、ペンタコンタン(炭素数50)等があげられる。
これらの中では、成形性や二次加工性、低吸湿性に優れるという観点から、炭素数4~12の直鎖状脂肪族ジアミンが最適である。これら直鎖状脂肪族ジアミンは、炭素数1~10の枝分かれ構造を有するものでも良い。
ジアミン成分に含まれる脂肪族ジアミン以外の成分としては、他のジアミン成分を含んでいても良い。具体的には、1,4-フェニレンジアミン、1,3-フェニレンジアミン、2,4-トルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、α,α’-ビス(4-アミノフェニル)1,4’-ジイソプロピルベンゼン、α,α’-ビス(3-アミノフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,6-ジアミノナフタレン、1,5-ジアミノナフタレン、p-キシリレンジアミン、m-キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン成分、ポリエチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル、ポリプロピレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル等のエーテルジアミン成分、シロキサンジアミン類等が該当する。
ジアミン成分は、脂環族ジアミンと直鎖状脂肪族ジアミンのいずれか、又は両方を含んでも良いが、耐熱性と成形性のバランスに優れることから、脂環族ジアミンと直鎖状脂肪族ジアミンの両方を含むことが好ましい。脂環族ジアミンと直鎖状脂肪族ジアミンを両方含む場合、それぞれの含有量は、脂環族ジアミン:直鎖状脂肪族ジアミン=99:1~1:99モル%の範囲であることが好ましく、90:10~10:90モル%であることがより好ましく、80:20~20:80モル%であることがさらに好ましく、70:30~30:70モル%であることが特に好ましく、60:40~40:60モル%が最適である。これは、ジアミン成分に含まれる脂環族ジアミンと直鎖状脂肪族ジアミンの割合が係る範囲であれば、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の耐熱性と成形性のバランスを向上させることができるからである。
熱可塑性ポリイミド樹脂の融点(融解温度ともいう)は、300℃以上400℃以下であり、好ましくは300℃以上370℃以下、より好ましくは310℃以上350℃以下が良い。これは、熱可塑性ポリイミド樹脂の融点が300℃未満の場合には、耐熱性を有する結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を得ることができないという理由に事づく。これに対し、熱可塑性ポリイミド樹脂の融点が400℃を越える場合には、熱可塑性ポリイミド樹脂が激しく分解するおそれがあるという理由に基づく。
熱可塑性ポリイミド樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で他の共重合可能な単量体とのランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、あるいは変性体も使用することが可能である。また、熱可塑性ポリイミド樹脂の形状は、粉状、フレーク状、ペレット状、塊状等、いかなる形状でも良い。
熱可塑性ポリイミド樹脂は特に限定されるものではないが、好ましくは特許第5365762号公報、特許第6024859号公報、特許第6037088号公報記載、あるいは特許第6394662号公報記載の熱可塑性を有するポリイミド樹脂、より好ましくは特許第6024859号公報、特許第6037088号公報記載、あるいは特許第6394662号公報に記載された熱可塑性のポリイミド樹脂が好適である。この熱可塑性ポリイミド樹脂の具体例としては、高強度、高耐熱性、高耐溶剤性、結晶性、フィルム成形性に優れるサープリムシリーズ[三菱瓦斯化学社製:製品名]があげられる。
熱可塑性ポリイミド樹脂としては、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニルに一種以上のテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られるポリアミド酸を脱水環化して得られる熱可塑性ポリイミド樹脂よりテトラカルボン酸成分と脂肪族ジアミン成分を主成分とするジアミン成分とからなる熱可塑性ポリイミド樹脂の方が成形温度が低く、成形性の観点から望ましい。
成形材料1のシリコーンパウダー3は、滑り性、難燃性、耐熱性、耐寒性、耐候性等に優れる微細なシリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー、及びシリコーン複合パウダーの少なくともいずれかが使用され、難燃効果を高める難燃補助剤としても機能する。これらの中では、300℃以上の高い耐熱性や優れた滑り性を得る観点から、シリコーンレジンパウダーが最適である。シリコーンパウダー3は、単独あるいは2種類以上をブレンドして使用することができる。
シリコーンゴムパウダーとしては、例えばビニル基を0.05モル%以上付加した直鎖状のジメチルポリシロキサン、及び/又はメチルフェニルポリシロキサンに、メチルハイドロジェンポリシロキサンを架橋剤として架橋した高重合立体構造を有する微粉体、及びそれらの変性体を好適に使用することができる。このシリコーンゴムパウダーの具体例としては、信越化学工業社の製品名:KMP-402、KMP-597、あるいはKMP-598が該当する。
シリコーンレジンパウダーとしては、例えばシロキサン結合が一般式(RSiO3/2)n〔但し、Rは一価の有機基であり、nは1000以上の整数である〕で表される三次元網目状に硬化したポリオルガノシリセスキオキサン硬化物微粉体、及びそれらの変性物を好適に使用することができる。ここで、上記一般式中の有機基Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、γ-メルカプトプロピル基、γ-グリシドキシプロピル基、γ-メタアクロキシプロピル基、γ-アミノプロピル基等があげられる。
シリコーンレジンパウダーの具体例としては、信越化学工業社製の製品名:KMP-590、KMP-706、X-52-854、あるいはX-52-1621、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の製品名:XC99-A8808、TOSPEAL120等が例示される。
シリコーン複合パウダーとしては、上記シリコーンゴムパウダーの表面を上記シリコーンレジンで被覆した粉末、及びそれらの変性物を好適に使用することができる。このシリコーン複合パウダーの具体例としては、信越化学工業社製の製品名:KMP-600、KMP-601、KMP-602、KMP-605あるいはX-52-7030等が該当する。
シリコーンパウダー3は、1種単独でも良いし、2種以上を混合して使用しても良い。また、シリコーンパウダー3は、不定形や球形のタイプのいずれをも使用することができるが、微細な球状タイプを好適に使用することができる。シリコーンパウダー3が球形タイプの場合、シリコーンパウダー3の平均粒子径は、0.1μm以上100μm以下、好ましくは0.3μm以上90μm以下、より好ましくは0.5μm以上80μm以下、さらに好ましくは0.7μm以上70μm以下が良い。
これは、シリコーンパウダー3の平均粒子径が0.1μm未満の場合には、成形材料1中にシリコーンパウダー3を分散させたとき、シリコーンパウダー3同士の凝集が起こりやすくなり、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の強度の低下を招くからである。また、成形材料1の溶融粘度が高くなり、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の成形性が低下したり、滑り性が改善されないおそれがあるからである。これに対し、シリコーンパウダー3の平均粒子径が100μmを越える場合には、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の機械的強度が大幅に低下するからである。
シリコーンパウダー3の添加量は、結晶性熱可塑性樹脂100質量部に対して0.5質量部以上50質量部以下、好ましくは1.0質量部以上40質量部以下、より好ましくは2.0質量部以上40質量部以下、さらに好ましくは2.0質量部以上30質量部以下である。
これは、シリコーンパウダー3の添加量が0.5質量部未満の場合には、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の滑り性が改良されないおそれがあるという理由に基づく。これに対し、50質量部を越える場合には、成形材料1の溶融伸びが低下し、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の成形中にフィルムに孔開きが発生したり、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の機械的強度が大幅に低下するおそれがあるという理由に基づく。
また、シリコーンパウダー3の添加量が0.5質量部以上50質量部以下の範囲内であれば、目ヤニの発生に伴う結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の品質低下を防止することができる。この点について詳しく説明すると、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4をフィルム成形する場合、ダイス23の出口(ダイリップとも言う)に目ヤニと呼ばれる多量の付着物が付着して堆積することがある。
係る目ヤニが堆積すると、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4にダイラインが生じたり、目ヤニがダイス23出口から離れて結晶性熱可塑性樹脂フィルム4に混入し、その結果、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の品質を低下させる。本実施形態によれば、シリコーンパウダー3の添加量が0.5質量部以上50質量部以下の範囲内なので、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4にダイラインが生じたり、目ヤニが結晶性熱可塑性樹脂フィルム4に混入して品質の低下を招くのを有効に防止することができる。
このような成形材料1には、本発明の特性を損なわない範囲において、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリメチルペンテン(PMP)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂等のポリエステル樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂等のポリイミド樹脂、ポリアミド4T(PA4T)樹脂、ポリアミド6T(PA6T)樹脂、変性ポリアミド6T(変性PA6T)樹脂、ポリアミド9T(PA9T)樹脂、ポリアミド10T(PA10T)樹脂、ポリアミド11T(PA11T)樹脂、ポリアミド6(PA6)樹脂、ポリアミド66(PA66)樹脂、ポリアミド46(PA46)樹脂等のポリアミド樹脂、ポリサルホン(PSU)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリフェニレンサルホン(PPSU)樹脂等のポリサルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリフェニレンスルフィドケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィドスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィドケトンスルホン樹脂等のポリアリーレンサルファイド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂(四フッ化エチレン樹脂ともいう)、ポリテトラフルオロエチレン‐パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂(四フッ化エチレン‐パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂ともいう)、テトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロピレン共重合体(FEP)樹脂(四フッ化エチレン‐六フッ化プロピレン共重合体樹脂ともいう)、テトラフルオロエチレン‐エチレン共重合体(ETFE)樹脂(四フッ化エチレン‐エチレン共重合体樹脂ともいう)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)樹脂(三フッ化塩化エチレン樹脂ともいう)、ポリビニデンフルオライド(PVdE)樹脂(フッ化ビニリデン樹脂ともいう)、フッ化ビニリデン・テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロピレン共重合体樹脂等のフッ素樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、脂肪族ポリケトン樹脂を添加することができる。
また、成形材料1には、本発明の特性を損なわない範囲において、上記樹脂の他、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、耐熱向上剤、核剤、無機化合物、有機化合物等を選択的に添加することもできる。
上記において、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を製造する場合には、先ず、結晶性熱可塑性樹脂2とシリコーンパウダー3を溶融混練することで成形材料1を調製し、この成形材料1を樹脂フィルム成形用の溶融押出成形機20に投入して厚さ1000μm以下、例えば1μm以上1000μm以下の結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を製造する。
成形材料1の調製方法としては、(1)成形材料1用の溶融混練機10に結晶性熱可塑性樹脂2を投入して溶融した後、溶融混練機10に、シリコーンパウダー3を投入して溶融した結晶性熱可塑性樹脂2と溶融混練することで成形材料1を調製する方法、(2)攪拌混合機により、結晶性熱可塑性樹脂2とシリコーンパウダー3とを室温下で攪拌混合して溶融混練機10で溶融押出混練し、成形材料1を調製する方法があげられる。これらの調製方法は、(1)、(2)のいずれの方法でも良いが、結晶性熱可塑性樹脂2中にシリコーンパウダー3を均一に分散させる必要性、シリコーンパウダー3の舞い上がりを防止して作業性や環境性を向上させる観点、熱分解防止の観点からからすると、(1)の調製方法が望ましい。ここでいう室温とは、0℃以上50℃以下程度の温度を指す。
先ず、(1)の調製方法について詳細に説明すると、この方法の場合には、所定の溶融混練機10を用意し、この溶融混練機10に結晶性熱可塑性樹脂2を投入して溶融した後、溶融混練機10に、シリコーンパウダー3をサイドフィーダ法等により新たに投入して既に溶融した結晶性熱可塑性樹脂2と溶融混練することで成形材料1を調製する。
溶融混練機10としては、バンバリーミキサー、ミキシングロール、加圧ニーダー、単軸押出成形機あるいは二軸押出成形機、三軸押出成形機、四軸押出成形機、八軸押出成形機からなる多軸押出成形機等があげられる。これらの中では、結晶性熱可塑性樹脂2とシリコーンパウダー3との良好な混練分散が期待でき、これらの水分、これらから発生する揮発ガスを脱気可能なベント方式の多軸押出成形機の使用が好ましい。
多軸押出成形機からなる溶融混練機10は、図1に示すように、台座11上に設置されたシリンダー12と、このシリンダー12に内蔵軸支され、モータの駆動で回転して結晶性熱可塑性樹脂2とシリコーンパウダー3とを溶融混練して先端部のダイス14からストランド等を押し出すスクリュー13と、シリンダー12の上流部に連設される結晶性熱可塑性樹脂2用の投入口15と、シリンダー12の下流部に連設されるシリコーンパウダー3投入用のサイドフィーダ16と、シリンダー12のダイス14から押し出され、空気あるいは水により冷却されたストランド(棒状)等を切断して成形材料1とする回転可能なカッター17とを備えて構成される。
溶融混練機10の投入口15とサイドフィーダ16とは、投入口15がシリンダー12の上部上流側にホッパーとして設置され、サイドフィーダ16がスクリュー構造に構成されてシリンダー12の上部下流側に搭載されており、投入口15よりも下流に位置するサイドフィーダ16に微粉末のシリコーンパウダー3が横方向から投入されることにより、シリコーンパウダー3が溶融した結晶性熱可塑性樹脂2中に注入されるので、シリコーンパウダー3の均一分散性が向上する。また、シリコーンパウダー3の結晶性熱可塑性樹脂2との混練時間が短縮されるので、分解防止も期待できる。
結晶性熱可塑性樹脂2とシリコーンパウダー3とを溶融混練する場合の溶融温度は、結晶性熱可塑性樹脂2の融点以上熱分解温度未満、好ましくは融点+10℃以上450℃以下、より好ましくは融点+20℃以上420℃以下、さらに好ましくいは融点+30℃以下400℃以下の範囲が良い。これは、結晶性熱可塑性樹脂2の融点未満の場合には、結晶性熱可塑性樹脂2とシリコーンパウダー3とを溶融混練して分散させることができないという理由に基づく。逆に、熱分解温度以上の場合には、結晶性熱可塑性樹脂2あるいはシリコーンパウダー3の分解を招き、好ましくないという理由に基づく。
溶融混練された結晶性熱可塑性樹脂2とシリコーンパウダー3とは、ダイス14からストランドにして押し出され、ストランドの成形材料1に調製されるが、ダイス14から結晶性熱可塑性樹脂フィルム4にして押し出された後、粉状、顆粒状、フレーク状、ペレット状の成形材料1に調製されても良い。また、成形材料1を調製する際、結晶性熱可塑性樹脂2とシリコーンパウダー3のいずれかを所定量以上に分散させ、マスターバッチ化しても良い。
次に、(2)の調製方法について詳細に説明すると、この方法で結晶性熱可塑性樹脂2とシリコーンパウダー3とを室温で攪拌混合する場合には、タンブラーミキサー、ヘンシルミキサー、V型混合機、ナウターミキサー、リボンブレンダー、万能攪拌ミキサー等の攪拌混合機が使用される。
結晶性熱可塑性樹脂2とシリコーンパウダー3とは、攪拌混合された後、バンバリーミキサー、ミキシングロール、加圧ニーダー、単軸押出成形機あるいは二軸押出成形機、三軸押出成形機、四軸押出成形機、八軸押出成形機からなる多軸押出成形機等の溶融混練機10により、溶融混練して分散され、成形材料1に調製される。溶融混練機10は、結晶性熱可塑性樹脂2とシリコーンパウダー3との良好な混練分散が期待でき、これらの水分、これらから発生する揮発ガスを脱気可能なベント方式の多軸押出成形機が好ましい。また、成形材料1を調製する際、結晶性熱可塑性樹脂2とシリコーンパウダー3のいずれかを所定量以上に分散させ、マスターバッチ化することができる。
成形材料1の溶融押出成形機に投入される前の含水率(水分率)は、熱風乾燥機等により、2000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下に調整される。これは、含水率が2000ppmを越える場合には、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の発泡を招くおそれがあるからである。
成形材料1を調製したら、この成形材料1により結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を製造するが、製造方法としては、溶融押出成形法、カレンダー成形法、あるいはキャスティング法等を採用することができる。これらの製造方法の中では、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の厚さ精度、生産性、ハンドリング性の向上、設備の簡略化の観点から、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を連続して帯形に押出成形する溶融押出成形法が最適である。
溶融押出成形法は、溶融押出成形機20を使用して成形材料1を溶融混練し、溶融押出成形機20の先端部に連結されたTダイスや丸ダイス等のダイス23から結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を連続的に押出し、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を製造する方法である(図2参照)。
溶融押出成形機20は、図2に示すように、例えば単軸押出成形機や二軸押出成形機等からなり、後部上方に、成形材料1用の原料投入口21が設置され、この原料投入口21には、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、窒素ガス等の不活性ガスを必要に応じて供給する不活性ガス供給管22が接続されており、この不活性ガス供給管22による不活性ガスの供給により、成形材料1の酸化劣化、酸素架橋、熱架橋が有効に防止される。
溶融押出成形機20の溶融混練時の溶融温度は、結晶性熱可塑性樹脂2の融点以上熱分解温度未満、好ましくは融点+10℃以上450℃以下、より好ましくは融点+20℃以上420℃以下、さらに好ましくは融点+30℃以上400℃以下の範囲が良い。これは、結晶性熱可塑性樹脂2の融点未満の場合には、結晶性熱可塑性樹脂2とシリコーンパウダー3とを溶融混練して分散させることができないからである。逆に、熱分解温度を越える場合には、結晶性熱可塑性樹脂2あるいはシリコーンパウダー3の分解を招くからである。
ダイス23は、溶融押出成形機20の先端部に連結管24を介して連結され、帯形の結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を連続的に下方に押し出すよう機能する。このダイス23は、優れた厚さ精度の結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を得ることが可能なTダイスが好ましい。ダイス23の上流には、連結管24に装着されたギアポンプ25が位置し、このギアポンプ25が成形材料1を一定速度で、かつ高精度にダイス23に移送する。
ダイス23の押出時の温度は、結晶性熱可塑性樹脂2の融点以上熱分解温度未満、好ましくは融点+10℃以上450℃以下、より好ましくは融点+20℃以上420℃以下、さらに好ましくは融点+30℃以上400℃以下の範囲が良い。これは、結晶性熱可塑性樹脂2の融点未満の場合には、結晶性熱可塑性樹脂2とシリコーンパウダー3とからなる成形材料1を溶融させることができないからである。逆に、熱分解温度を越える場合には、結晶性熱可塑性樹脂2あるいはシリコーンパウダー3の分解を招くからである。
ダイス23の下方には、間隔をおいて相対向する一対の圧着ロール26が回転可能に軸支され、この一対の圧着ロール26の間には、一列に配列されて相互に摺接する複数の冷却ロール27が回転可能に軸支されており、この複数の冷却ロール27のうち、上流の冷却ロール27と下流の冷却ロール27が圧着ロール26の周面にそれぞれ摺接する。各圧着ロール26と各冷却ロール27は、圧着ロール26が縮径に構成され、冷却ロール27が拡径に構成される。
一対の圧着ロール26のうち、下流の圧着ロール26の下流には、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を回転可能な巻取管29に巻き取る巻取機28が設置され、下流の圧着ロール26と巻取機28との間には、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の側部長手方向にスリットを形成するスリット刃30が昇降可能に配置されており、このスリット刃30と巻取機28との間には、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4にテンションを作用させて円滑に巻き取るための回転可能なテンションロール31が必要数軸支される。
各圧着ロール26は、50℃以上結晶性熱可塑性樹脂2の融点未満、好ましくは100℃以上〔結晶性熱可塑性樹脂の融点-50℃〕以下、より好ましくは130℃以上〔結晶性熱可塑性樹脂の融点-100℃〕以下、さらに好ましくは150℃以上〔結晶性熱可塑性樹脂-100℃〕以下の温度に調整され、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4に摺接してこれを冷却ロール27に圧接する。
圧着ロール26の温度が係る範囲なのは、50℃未満の場合には、圧着ロール26が結露するからである。逆に、融点を越える場合には、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4が圧着ロール26の周面に貼り付いて破断したり、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の強度が低下して破断するおそれがあるからである。圧着ロール26の温度調整法としては、例えば空気、水、オイル等の熱媒体を用いる方法、電気ヒーターを用いる方法、誘導加熱を利用する方法等があげられる。
各圧着ロール26の周面には、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4と冷却ロール27の密着性を向上させる観点から、少なくとも天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ノルボルネンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム層が必要に応じて被覆形成され、このゴム層には、シリカやアルミナ等の無機化合物が選択的に添加される。これらの中では、耐熱性に優れるシリコーンゴムやフッ素ゴムの選択が好ましい。
圧着ロール26としては、表面が金属の金属弾性ロールが必要に応じて使用され、この金属弾性ロールが使用される場合には、表面が平滑性に優れる結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の成形が可能となる。この金属弾性ロールの具体例としては、例えば、金属スリーブロール、エアーロール[ディムコ社製 製品名]、UFロール[日立造船社製 製品名]が該当する。また、表面がポリテトラフルオロエチレン‐パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂あるいはテトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロピレン共重合体(FEP)樹脂等のフッ素樹脂フィルムで被覆した圧着ロール26も同様に使用することができる。
複数の冷却ロール27は、例えば圧着ロール26よりも拡径の金属ロール等からなり、ダイス23の下方に回転可能に軸支されて押し出された結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を圧着ロール26の周面との間に挟持し、圧着ロール26と共に結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を冷却しながらその厚さを所定の範囲内に制御するよう機能する。
各冷却ロール27は、圧着ロール26と同様の理由から、50℃以上結晶性熱可塑性樹脂2の融点未満、好ましくは100℃以上〔結晶性熱可塑性樹脂の融点-50℃〕以下、より好ましくは130℃以上〔結晶性熱可塑性樹脂の融点-100℃〕以下、さらに好ましくは150℃以上〔結晶性熱可塑性樹脂-100℃〕以下の温度に調整され、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4に摺接してこれを冷却ロール27に圧接する。冷却ロール27の温度調整法としては、例えば空気、水、オイル等の熱媒体を用いる方法、電気ヒーターを用いる方法、誘導加熱を利用する方法等があげられる。
成形材料1を帯形の結晶性熱可塑性樹脂フィルム4に押出成形したら、この結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を一対の圧着ロール26、冷却ロール27、テンションロール31、及び巻取機28の巻取管29に巻架し、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の両側部をスリット刃30でそれぞれ長手方向にカットし、巻取機28の巻取管29に順次巻き取れば、長尺の結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を製造することができる。
係る結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の製造の際、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4は、平滑なフィルムでも良いが、表裏両面の少なくともいずれか一方の面に、滑り性に資する複数の微細な凹凸部が形成され、各凹凸部が断面略すり鉢形の凹部、及び略中空円錐台形の凸部であることが好ましい。この凹凸部は、必要に応じ、千鳥形等に規則的に配列されたり、不規則に配列されると良い。
結晶性熱可塑性樹脂フィルム4に複数の微細な凹凸部を形成する方法としては、(1)一対の圧着ロール26と冷却ロール27の周面に微細な凹凸部をそれぞれ形成し、これら一対の圧着ロール26と冷却ロール27の間に結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を挟持させて凹凸部を転写形成する方法、(2)結晶性熱可塑性樹脂フィルム4に微小なジルコニア、ガラス、ステンレス等の無機化合物、ポリカーボネート、ナイロン、植物の種等を吹き付けて微細な凹凸部を転写形成する方法、(3)微細な凹凸部を備えた金型により結晶性熱可塑性樹脂フィルム4をプレス成形し、微細な凹凸部を転写形成する方法があげられる。
冷却ロール27により冷却され、製造された結晶性熱可塑性樹脂フィルム4は、厚さが1μm以上1000μm以下、好ましくは5μm以上500μm以下が良い。また、滑り性、機械的特性や耐熱性等を満足させる観点から、滑り性が静摩擦係数で1.0以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.4以下、動摩擦係数で1.0以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.3以下とされる。これら静摩擦係数と動摩擦係数の下限値は、特に制約されるものではないが、0.01以上が良い。引張強度は、50MPa以上が良い。この引張強度の上限値は、特に制約されるものではないが、500MPa以下が良い。
引張破断時伸びは100%以上、好ましくは110%以上が良い。この引張破断時伸びの上限値は、特に制約されるものではないが、500%以下が良い。また、引張弾性率は、2000MPa以上、好ましくは2100MPa以上が良い。この引張弾性率の上限値は、特に制約されるものではないが、5000MPa以下が良い。さらに、損失正接は、0.010以上、好ましくは0.015以上が良い。この損失正接の上限値は、特に制約されるものではないが、0.45以下が良い。
上記によれば、成形材料1中に滑り性に資するシリコーンパウダー3を含有するので、静摩擦係数と動摩擦係数の低下により、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の滑り性の大幅な向上が期待でき、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4にスリットを形成する作業や結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の巻取り作業等の円滑化、容易化を図ることができる。また、シリコーンパウダー3の平均粒子径が0.1μm以上100μm以下の範囲なので、均一分散性や流動性が良く、滑り性や機械的強度の向上を図ることができる。また、成形材料1として、単なる熱可塑性樹脂を使用するのではなく、300℃以上の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂2を使用するので、耐熱性の向上が大いに期待できる。
また、滑り性を改善する従来の(2)の方法を特に必要としないので、溶融押出成形後における熱可塑性樹脂フィルムから滲み出しや移行という問題の生じることがない。また、滑り性を改善する従来の(3)の方法を特に必要としないので、ゲルが生じることがなく、ゲル部分から結晶性熱可塑性樹脂フィルム4に孔が開いたり、孔が開いた部分から結晶性熱可塑性樹脂フィルム4が切れて巻き取れないという問題を防ぐことができる。また、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4中に異物が残存するのを低減することができるので、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を製造する場合、巻取工程のトラブル、品質の不具合、ロングラン成形性の低下を招いたり、ゲル状部分が凸状となり、外観不良を招くおそれを排除することが可能となる。
また、フッ素樹脂を特に要しないので、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4に均一な滑り性を付与することができ、機械的強度の低下や孔開き等の問題の生じることがない。さらに、フッ素樹脂を省略することができるので、溶融押出成形機20やダイス23等に耐腐食性の鋼材を使用する必要がなく、コストを削減し、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4を安価に製造することが可能になる。
なお、上記実施形態では溶融混練機10のシリンダー12にスクリュー構造のサイドフィーダ16を連設したが、何らこれに限定されるものではなく、ホッパー構造のサイドフィーダ16を連設しても良い。また、結晶性熱可塑性樹脂フィルム4の製造時に、滑り性に資する複数の微細な凹凸部を形成したが、滑り性を確保できるのであれば、凹凸部ではなく、凹部又は凸部を形成しても良い。
以下、本発明に係る結晶性熱可塑性樹脂シート及びその製造方法の実施例を比較例と共に説明する。
〔実施例1〕
先ず、300℃以上の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂として、市販の熱可塑性ポリイミド樹脂[三菱瓦斯化学社製 製品名:サープリム TO65(以下、「TO65」と略称する)]を用意し、この熱可塑性ポリイミド樹脂を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させた。熱可塑性ポリイミド樹脂については、以後、TPI樹脂と略称する。
TPI樹脂の乾燥後、このTPI樹脂100質量部をベント付き同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、平均粒子径が2.0μmのシリコーンパウダー[信越化学工業社製 製品名:シリコーンレジンパウダー KMP-706(以下、「KMP-706」と略称する)]をTPI樹脂100質量部に対して2質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒形に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。
TPI樹脂の融点(融解温度とも言う)は、示差走査熱量計[エスアイアイ・ナノテクノロジー社製 製品名:高感度型示差走査熱量計 X-DSC7000]を用い、JIS K7121に準拠し、昇温速度10℃/分の条件で測定した。測定したところ、TPI樹脂の融点は324℃であった。また、TPI樹脂とシリコーンレジンパウダーとは、同方向回転二軸押出機のシリンダー温度200~350℃、ダイス温度350℃の条件下で同方向回転二軸押出機の原料投入口側のベントを開放した状態、ダイス側のベントを減圧下で脱気しながら溶融混練し、成形材料を調製した。溶融混練時の温度は、ダイスから押し出した直後の溶融状態の成形材料の温度を測定することとし、測定したところ、345℃であった。
次いで、調製した成形材料を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させ、乾燥した成形材料の含水率が300ppm以下であるのを確認後、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入してその幅900mmのダイスであるTダイスから連続して押し出すことにより、帯形の結晶性熱可塑性樹脂フィルムを薄膜に成形した。成形材料の含水率は、微量水分測定装置[三菱化学社製 製品名:CA‐100型]を用い、カールフィッシャー滴定法により確認した。以後、成形材料の含水率については、同様の方法により測定した。
成形材料を溶融押出成形機である単軸押出機に投入する際には、窒素ガス18L/分を供給した。また、単軸押出成形機は、L/D=32、圧縮比:2.5、スクリュー:フルフライトスクリューとした。この単軸押出成形機のシリンダー温度は210~360℃、Tダイスの温度は360~365℃、単軸押出成形機とTダイスとを連結する連結管の温度は360℃、ギアポンプは365℃に調整した。Tダイス入口の樹脂温度から溶融した成形材料の温度を測定したところ、363℃であった。
結晶性熱可塑性樹脂フィルムを成形したら、連続した結晶性熱可塑性樹脂フィルムを圧着ロールと冷却ロールに挟持させて冷却し、結晶性熱可塑性樹脂フィルムの両側部をスリット刃で裁断して巻取機の巻取管に順次巻き取ることにより、長さ100m、幅620mmの結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造した。
結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したら、この結晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、滑り性、機械的特性、耐熱性、音響特性、及び製造した結晶性熱可塑性樹脂フィルムを巻き取る際のシワの発生を評価して表1にまとめた。結晶性熱可塑性樹脂フィルムの滑り性は静摩擦係数(以下、「μs」と略称する)と動摩擦係数(以下、「μk」と略称する)、機械的特性は引張強度、引張破断時伸びと引張弾性率、耐熱性は貯蔵弾性率(E´)の第一変曲点温度、音響特性は損失正接でそれぞれ評価することとした。
・結晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚
結晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚さについては、マイクロメータ[ミツトヨ社製 製品名:クーラントプルーフマイクロメータ 符号MDC‐25PJ]を使用して測定した。測定に際しては、結晶性熱可塑性樹脂フィルムの幅方向〔押出方向の直角方向(以下、「TD」と略称する)〕の任意の10箇所を測定し、その平均値をフィルム厚とした。
・結晶性熱可塑性樹脂フィルムの滑り性
結晶性熱可塑性樹脂フィルムの滑り性については、μsとμkにより評価した。これらμsとμkは、JIS K7125‐1999に準じて測定した。具体的には、表面性測定機[新東科学社製 製品名:HEDON-14]を用い、23℃、50%RHの環境下で、試験速度100mm/min、荷重200g、接触面積63.5mm×63.5mmの条件で測定した。そして、この条件で移動テーブル側に結晶性熱可塑性樹脂フィルムの冷却ロール面側、平面圧子側に結晶性熱可塑性樹脂フィルムの圧着ロール面側をそれぞれ固定し、200gの負荷を作用させ、試験速度:100mm/minでμsとμkを測定した。
・結晶性熱可塑性樹脂フィルムの滑り性(結晶性熱可塑性樹脂フィルムとポリカーボネート樹脂フィルムとの滑り性)
結晶性熱可塑性樹脂フィルムとポリカーボネート樹脂フィルムとの滑り性についても、μsとμkにより評価した。ポリカーボネート樹脂フィルム(以下、「PC樹脂フィルム」と略称する)については、市販されている厚さ0.5mmのポリカーボネート樹脂フィルム[タキロン社製 製品名:PCSMPS610 ポリカーボネート/透明]を用いた。
μsとμkは、JIS K7125‐1299に準拠して測定した。具体的には、表面性測定機[新東科学社製 製品名:HEDON-14]を用い、23℃、50%RHの環境下で、試験速度100mm/min、荷重200g、接触面積63.5mm×63.5mmの条件で測定した。そして、この条件で移動テーブル側に結晶性熱可塑性樹脂フィルムの冷却ロール面側、平面圧子側に結晶性熱可塑性樹脂フィルムの圧着ロール面側をそれぞれ固定し、200gの負荷を作用させ、試験速度:100mm/minで静摩擦係数と動摩擦係数を測定した。
・結晶性熱可塑性樹脂フィルムの機械的特性
結晶性熱可塑性樹脂フィルムの機械的特性は、引張強度、張破断伸び、引張弾性率で評価した。具体的には、23℃、50%RHの環境下でJIS K7127に準じ、引張速度50mm/minで押出方向である流れ方向(以下、「MD」と略称する)と、TDをそれぞれ測定し、引張強度として、最大強度を測定した。
・結晶性熱可塑性樹脂フィルムの耐熱性
結晶性熱可塑性樹脂フィルムの耐熱性は、貯蔵弾性率(E´)の第一変曲点温度により評価した。この結晶性熱可塑性樹脂フィルムの貯蔵弾性率は、結晶性熱可塑性樹脂フィルムのMDとTDについて測定した。具体的には、結晶性熱可塑性樹脂フィルムのMDの貯蔵弾性率を測定する場合には、MD:60mm×TD:6mm、結晶性熱可塑性樹脂フィルムのTDの貯蔵弾性率を測定する場合には、MD:6mm×TD:60mmの大きさに切り出して測定した。
貯蔵弾性率の測定に際しては、粘弾性スペクトロメータ[ティー・エス・インスツルメント・ジャパン社製 製品名:RSA-G2]を用いた引張モードにより、周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分、測定温度範囲-60℃~360℃、チェック間21mmの条件で測定した。
第一変曲点温度は、図3に示すように、貯蔵弾性率の変化曲線に対する2つの直線部を延長した交点の温度とした。第一変曲点温度を求める場合には、先ず、貯蔵弾性率の最初に急激に低下する前の直線部を高温側に延長して1本目の直線aを引き、貯蔵弾性率が最初に急激に低下した後の直線部を低音側に延長して2本目の直線bを引き、その後、両線a、bの交点における垂直線を横軸の温度軸に引き、その温度を第一変曲点温度とした。
・結晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造時における巻き取る際のシワの発生
結晶性熱可塑性樹脂フィルムの製造時に、結晶性熱可塑性フィルムを巻き取る際のシワの発生の有無については、100m巻き取った後、目視により観察して〇×表記した。〇はシワの発生無し、×はシワの発生有と表に表記した。
・結晶性熱可塑性樹脂フィルムの音響特性
結晶性熱可塑性樹脂フィルムの音響特性は、20℃における損失正接で評価した。この結晶性熱可塑性樹脂フィルムの損失正接は、結晶性熱可塑性樹脂フィルムのMDとTDについて測定した。
具体的には、結晶性熱可塑性樹脂フィルムのMDの損失正接を測定する場合には、MD:60mm×TD:6mm、TDの損失正接を測定する場合には、MD:6mm×TD::60mmの大きさに切り出して測定した。測定に際しては、粘弾性スペクトロメータ[ティー・エス・インスツルメント・ジャパン社製 製品名:RSA-G2]を用いた引張モードにより、周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分、測定温度範囲-60℃~360℃、チェック間21mmの条件で測定した。
〔実施例2〕
基本的には実施例1と同様であるが、成形材料として、実施例1で使用したTPI樹脂を100質量部用意し、このTPI樹脂を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機で12時間以上乾燥させた。これに対し、シリコーンパウダーとして、実施例1で使用したKMP-706をTPI樹脂100質量部に対して10質量部用意した。これらを用意したら、実施例1と同様の方法により成形材料を調製した。溶融混練時の温度は、ダイスから押し出した直後の溶融状態の成形材料の温度を測定することとし、測定したところ、346℃であった。
次いで、成形材料を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させ、実施例1と同様の方法により乾燥させた成形材料の含水率を測定し、乾燥した成形材料の含水率が300ppm以下であるのを確認後、実施例1と同様の方法で結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造した。溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、363℃であった。
結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したら、この結晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、滑り性、機械的特性、耐熱性、音響特性、及び製造した結晶性熱可塑性樹脂フィルムを巻き取る際のシワの発生を実施例1と同様の方法により評価して表1にまとめた。
〔実施例3〕
基本的には実施例1と同様であるが、成形材料として、実施例1で使用したTPI樹脂を100質量部用意し、このTPI樹脂を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機で12時間以上乾燥させた。これに対し、シリコーンパウダーは、実施例1で使用したKMP-706[信越化学工業社製 製品名]を、平均粒子径が0.7μmのシリコーンレジンパウダー X-52-854[信越化学工業社製 製品名、(以下、「X-52-854」と略称する]に変更した。このシリコーンパウダーの添加量は、実施例1で使用したTPI樹脂100質量部に対して10質量部に添加した。
これらを用意したら、実施例1と同様の方法により成形材料を調製した。溶融混練時の温度は、ダイスから押し出した直後の溶融状態の成形材料の温度を測定することとし、測定したところ、345℃であった。
次いで、成形材料を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させ、実施例1と同様の方法により乾燥させた成形材料の含水率を測定し、乾燥した成形材料の含水率が300ppm以下であるのを確認後、実施例1と同様の方法で結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造した。溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、364℃であった。
結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したら、この結晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、滑り性、機械的特性、耐熱性、音響特性、及び製造した結晶性熱可塑性樹脂フィルムを巻き取る際のシワの発生を実施例1と同様の方法により評価して表1にまとめた。
〔実施例4〕
先ず、300℃以上の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂として、市販のポリエーテルエーテルケトン樹脂[ソルベイスペスルティポリマーズジャパン社製 製品名:KETASPIRE KT-851NL SP(以下、「KT-851」と略称する)]を用意し、このポリエーテルエーテルケトン樹脂を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させた。ポリエーテルエーテルケトン樹脂については、以後、「PEEK樹脂」と略称する。
PEEK樹脂の乾燥後、このPEEK樹脂100質量部をベント付き同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、実施例1で使用したシリコーンパウダーをPEEK樹脂100質量部に対して5質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒形に押し出して空冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。PEEK樹脂の融点(融解温度とも言う)は、実施例1と同様の方法により測定した結果、340℃であった。
PEEK樹脂とシリコーンレジンパウダーとは、同方向回転二軸押出機のシリンダー温度100~380℃、ダイス温度380℃の条件下で同方向回転二軸押出機の原料投入口側のベントを開放した状態、ダイス側のベントを減圧下で脱気しながら溶融混練し、成形材料を調製した。溶融混練時の温度は、ダイスから押し出した直後の溶融状態の成形材料の温度を測定することとし、測定したところ、379℃であった。
次いで、調製した成形材料を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させ、乾燥した成形材料の含水率が300ppm以下であるのを確認後、成形材料をφ40mmの単軸押出機に投入してその幅900mmのTダイスから連続して押し出すことにより、帯形の結晶性熱可塑性樹脂フィルムを成形した。成形材料の含水率は、微量水分測定装置[三菱化学社製 製品名:CA‐100型]を用い、カールフィッシャー滴定法により確認した。
成形材料を単軸押出機に投入する際には、窒素ガス18L/分を供給した。また、単軸押出成形機は、L/D=32、圧縮比:2.5、スクリュー:フルフライトスクリューとした。この単軸押出成形機のシリンダー温度は210~390℃、Tダイスの温度は390℃、単軸押出成形機とTダイスとを連結する連結管の温度は390℃、ギアポンプは390℃に調整した。Tダイス入口の樹脂温度から溶融した成形材料の温度を測定したところ、392℃であった。
結晶性熱可塑性樹脂フィルムを成形したら、連続し結晶性熱可塑性樹脂フィルムの両側部をスリット刃で裁断して巻取機の巻取管に順次巻き取ることにより、長さ100m、幅620mmの結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造した。こうして結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したら、この結晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、滑り性、機械的特性、耐熱性、音響特性、及び製造した結晶性熱可塑性樹脂フィルムを巻き取る際のシワの発生を評価して表2にまとめた。
〔実施例5〕
基本的には実施例4と同様であり、成形材料として、実施例4で使用したPEEK樹脂を100質量部用意し、このPEEK樹脂を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機で12時間以上乾燥させた。これに対し、シリコーンパウダーとしては、実施例1で使用したKMP-706をPEEK樹脂100質量部に対して10質量部用意した。これらを用意したら、実施例4と同様の方法により成形材料を調製した。溶融混練時の温度は、ダイスから押し出した直後の溶融状態の成形材料の温度を測定することとし、測定したところ、380℃であった。
次いで、成形材料を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させ、実施例1と同様の方法により乾燥させた成形材料の含水率を測定し、乾燥した成形材料の含水率が300ppm以下であるのを確認後、実施例4と同様の方法で結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造した。溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、390℃であった。
結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したら、この結晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、滑り性、機械的特性、耐熱性、音響特性、及び製造した結晶性熱可塑性樹脂フィルムを巻き取る際のシワの発生を実施例1と同様の方法により評価して表2に記載した。
〔実施例6〕
基本的には実施例4と同様であるが、PEEK樹脂を実施例4で使用したKT-851をVictrex Granules381G[ビクトレックスジャパン社、製品名、(以下、「381G」と略称する)]に変更するとともに、シリコーンパウダーを実施例3で使用した平均粒子径0.7μmのシリコーンレジンパウダー X-52-854に変更し、PEEK樹脂を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させた。
PEEK樹脂の乾燥後、このPEEK樹脂100質量部をベント付き同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、X-52-854をPEEK樹脂100質量部に対して30質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒形に押し出して水冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。
381Gの融点(融解温度とも言う)は、実施例1と同様の方法で測定したところ、343℃であった。また、溶融混練時の温度は、ダイスから押し出した直後の溶融状態の成形材料の温度を測定することとし、測定したところ、383℃であった。
次いで、成形材料を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させ、実施例1と同様の方法で乾燥させた成形材料の含水率を測定し、乾燥した成形材料の含水率が300ppm以下であるのを確認後、実施例4と同様の方法で結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造した。溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、394℃であった。
結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したら、この結晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、滑り性、機械的特性、耐熱性、音響特性、及び製造した結晶性熱可塑性樹脂フィルムを巻き取る際のシワの発生を実施例1と同様の方法で評価して表2に記載した。
〔実施例7〕
先ず、PEEK樹脂とシリコーンパウダーとにより成形材料を調製した。成形材料は、実施例6で使用したPEEK樹脂を100質量部用意し、このPEEK樹脂を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機で12時間以上乾燥させた。これに対し、シリコーンパウダーとして、実施例3で使用したX-52-854をPEEK樹脂100質量部に対して40質量部用意した。これらを用意したら、実施例4と同様の方法で成形材料を調製した。成形材料の溶融混練時の温度は、ダイスから押し出した直後の溶融状態の成形材料の温度を測定することとし、測定したところ、384℃であった。
次いで、成形材料を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させ、実施例1と同様の方法で乾燥させた成形材料の含水率を測定し、乾燥した成形材料の含水率が300ppm以下であるのを確認後、実施例4と同様の方法で結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造した。溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、396℃であった。
結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したら、この結晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、滑り性、機械的特性、耐熱性、音響特性、及び製造した結晶性熱可塑性樹脂フィルムを巻き取る際のシワの発生を実施例1と同様の方法で評価して表3に記載した。
〔実施例8〕
先ず、300℃以上の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂として、市販のポリエーテルケトンケトン樹脂[アルケマ社製 製品名:KEPSTAN 7002PF(以下、「7002」と略称する)]を用意し、このポリエーテルケトンケトン樹脂を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させた。ポリエーテルケトンケトン樹脂については、以後、「PEKK樹脂」と略称する。
PEKK樹脂の乾燥後、このPEKK樹脂100質量部をベント付き同方向回転二軸押出機の原料投入口に投入して溶融させ、同方向回転二軸押出機のダイス側のサイドフィーダに、実施例4で使用したシリコーンレジンパウダーをPEKK樹脂100質量部に対して20質量部となるように供給して溶融混練分散させ、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒形に押し出して空冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。
PEKK樹脂の融点(融解温度とも言う)は、実施例1と同様の方法で測定した結果、332℃であった。また、PEKK樹脂とシリコーンレジンパウダーとは、同方向回転二軸押出機のシリンダー温度100~380℃、ダイス温度380℃の条件下で同方向回転二軸押出機の原料投入口側のベントを開放した状態、ダイス側のベントを減圧下で脱気しながら溶融混練し、成形材料を調製した。ダイスの温度から溶融混練時の温度を測定したところ、375℃であった。
次いで、成形材料を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させ、実施例1と同様の方法で乾燥させた成形材料の含水率を測定し、乾燥した成形材料の含水率が300ppm以下であるのを確認後、実施例4と同様の方法により結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造した。なお、Tダイス入口の樹脂温度から溶融した成形材料の温度を測定したところ、390℃であった。結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したら、この結晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、滑り性、機械的特性、耐熱性、音響特性、及び製造した結晶性熱可塑性樹脂フィルムを巻き取る際のシワの発生を実施例1と同様の方法で評価して表3に記載した。
Figure 2022112275000007
Figure 2022112275000008
Figure 2022112275000009
〔比較例1〕
先ず、TPI樹脂とシリコーンパウダーとにより成形材料を調製した。成形材料は、実施例1で使用したTPI樹脂を100質量部用意し、このTPI樹脂を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機で12時間以上乾燥させた。これに対し、シリコーンパウダーとしては、実施例1で使用したKMP-706をTPI樹脂100質量部に対して0.5質量部未満の0.1質量部用意した。これらを用意したら、実施例1と同様の方法により成形材料を調製した。溶融混練時の温度は、ダイスから押し出した直後の溶融状態の成形材料の温度を測定することとし、測定したところ、345℃であった。
次いで、成形材料を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させ、実施例1と同様の方法により乾燥させた成形材料の含水率を測定し、乾燥した成形材料の含水率が300ppm以下であるのを確認後、実施例1と同様の方法で結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造した。溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、362℃であった。
結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したら、この結晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、滑り性、機械的特性、耐熱性、音響特性、及び製造した結晶性熱可塑性樹脂フィルムを巻き取る際のシワの発生を実施例1と同様の方法により評価して表4にまとめた。
〔比較例2〕
先ず、PEEK樹脂とシリコーンパウダーとにより成形材料を調製した。成形材料は、実施例4で使用したPEEK樹脂を質量部用意し、このPEEK樹脂を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機で12時間以上乾燥させた。これに対し、シリコーンパウダーとしては、実施例3で使用したX-52-854をPEEK樹脂100質量部に対して0.5質量部未満の0.2質量部用意した。これらを用意したら、実施例4と同様の方法により成形材料を調製した。溶融混練時の温度は、ダイスから押し出した直後の溶融状態の成形材料の温度を測定することとし、測定したところ、374℃であった。
次いで、成形材料を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させ、実施例1と同様の方法により乾燥させた成形材料の含水率を測定し、乾燥した成形材料の含水率が300ppm以下であるのを確認後、実施例1と同様の方法で結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造した。溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、390℃であった。
結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したら、この結晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、滑り性、機械的特性、耐熱性、音響特性、及び製造した結晶性熱可塑性樹脂フィルムを巻き取る際のシワの発生を実施例1と同様の方法により評価して表4にまとめた。
〔比較例3〕
先ず、TPI樹脂とシリコーンパウダーとにより成形材料を調製した。成形材料は、実施例1で使用したTPI樹脂を100質量部用意し、このTPI樹脂を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機で12時間以上乾燥させた。これに対し、シリコーンパウダーとしては、実施例1で使用したKMP-706をTPI樹脂100質量部に対して50質量部を越える60質量部添加した。これらを用意したら、実施例1と同様の方法により成形材料を調製した。溶融混練時の温度は、ダイスから押し出した直後の溶融状態の成形材料の温度を測定することとし、測定したところ、345℃であった。
次いで、成形材料を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させ、実施例1と同様の方法により乾燥させた成形材料の含水率を測定し、乾燥した成形材料の含水率が300ppm以下であるのを確認後、実施例1と同様の方法で結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造した。溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、362℃であった。
得られた結晶性熱可塑性樹脂フィルムを観察したところ、多数の孔開きが認められたため、結晶性熱可塑性樹脂フィルムの評価は中止した。
〔比較例4〕
先ず、成形材料として、実施例4で使用したPEEK樹脂を100質量部用意し、このPEEK樹脂を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機で12時間以上乾燥させた。これに対し、シリコーンパウダーとしては、実施例3で使用したX-52-854をPEEK樹脂100質量部に対して60質量部添加した。これらを用意したら、実施例4と同様の方法により成形材料を調製した。溶融混練時の温度は、ダイスから押し出した直後の溶融状態の成形材料の温度を測定することとし、測定したところ、測定したところ、383℃であった。
次いで、成形材料を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させ、実施例1と同様の方法により乾燥させた成形材料の含水率を測定し、乾燥した成形材料の含水率が300ppm以下であるのを確認後、実施例1と同様の方法で結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造した。溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、393℃であった。
結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造したら、この結晶性熱可塑性樹脂フィルムのフィルム厚、滑り性、機械的特性、耐熱性、音響特性、及び製造した結晶性熱可塑性樹脂フィルムを巻き取る際のシワの発生を実施例1と同様の方法により評価して表5に記載した。
〔比較例5〕
先ず、万能攪拌ミキサーに実施例1で使用したTPI樹脂を投入し、一辺が3mm以上5mm以下のサイズに裁断したジメチルシリコーンゴム[信越化学工業社製、製品名:KE-76BS]をTPI樹脂100質量部に対して10質量部となるように添加して30分間攪拌した。
こうしてTPI樹脂とジメチルシリコーンゴムとの攪拌混合物をベント付き同方向回転二軸押出成形機に供給し、シリンダー温度:200~350℃、ダイス温度:350℃の条件下で同方向回転二軸押出機の原料投入口側のベントを開放した状態、ダイス側のベントを減圧下で脱気しながら溶融混練し、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒形に押し出して空冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。溶融混練時の温度は、ダイスから押し出した直後の溶融状態の成形材料の温度を測定することとし、測定したところ、346℃であった。
次いで、成形材料を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させ、実施例1と同様の方法により乾燥させた成形材料の含水率を測定し、乾燥した成形材料の含水率が300ppm以下であるのを確認後、実施例1と同様の方法で結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造した。溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、393℃であった。
得られた結晶性熱可塑性樹脂フィルムを観察したところ、多数の孔開きが認められた。また、結晶性熱可塑性樹脂フィルムに、2mm×2mm以上10mm×10mm以下のサイズの未溶融物が多数発生していた。加えて、未溶融物付近に孔開きが認められた。
〔比較例6〕
先ず、万能攪拌ミキサーに実施例6で使用したPEEK樹脂を投入し、一辺が3mm以上5mm以下のサイズに裁断したメチルビニルシリコーンゴム[信越化学工業社製、製品名:KE-78 VBS]をPEEK樹脂100質量部に対して10質量部となるように添加して30分間攪拌した。
PEEK樹脂とメチルビニルシリコーンゴムとを攪拌したら、この攪拌混合物をベント付き同方向回転二軸押出成形機に供給し、シリンダー温度:200~380℃、ダイス温度:380℃の条件下で同方向回転二軸押出機の原料投入口側のベントを開放した状態、ダイス側のベントを減圧下で脱気しながら溶融混練し、溶融混練物を同方向回転二軸押出機の先端部のダイスから棒形に押し出して空冷後にペレタイザーでカットすることにより、ペレット形の成形材料を調製した。溶融混練時の温度は、ダイスから押し出した直後の溶融状態の成形材料の温度を測定することとし、測定したところ、382℃であった。
次いで、成形材料を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機に投入して12時間以上乾燥させ、実施例1と同様の方法で乾燥させた成形材料の含水率を測定し、乾燥した成形材料の含水率が300ppm以下であるのを確認後、実施例4と同様の方法で結晶性熱可塑性樹脂フィルムを製造した。溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、390℃であった。
得られた結晶性熱可塑性樹脂フィルムを観察したところ、この結晶性熱可塑性樹脂フィルムには、2mm×2mm以上10mm×10mm以下のサイズの未溶融物が多数発生していた。加えて、未溶融物付近に孔開きも確認された。
Figure 2022112275000010
Figure 2022112275000011
Figure 2022112275000012
〔評 価〕
各実施例の場合、結晶性熱可塑性樹脂フィルムは、引張強度が50MPa以上、引張破断時伸びが100%以上、引張弾性率が2000MPa以上であり、機械的特性に優れていた。また、滑り性が静摩擦係数(μs)と動摩擦係数(μk)で0.5以下であり、優れた滑り性を得られるのが判明した。この優れた滑り性により、結晶性熱可塑性樹脂フィルムにスリットを形成する作業等が容易になったり、製造時に結晶性熱可塑性樹脂フィルムを容易に巻取ったり、結晶性熱可塑性樹脂フィルムを巻き取る際に巻取りシワが発生するのを防止することができると推測される。
これに対して比較例1、2の場合、結晶性熱可塑性樹脂フィルムは、機械的特性に優れてはいるものの、樹脂フィルム同士が貼り付き、良好な滑り性を得ることができなかった。また、比較例3の場合、シリコーンパウダーを過剰に添加したので、結晶性熱可塑性樹脂フィルムに多数の孔開きが確認された。比較例4の場合、シリコーンパウダーを過剰に添加したので、引張強度が50MPa未満、引張破断時伸びが100%未満となり、機械的特性が低下した。
さらに、比較例5、6の場合、シリコーンパウダーではなく、シリコーンゴムを添加したので、サイズの未溶融物が多数発生し、この未溶融物付近に孔開きが確認された。したがって、結晶性熱可塑性樹脂フィルムの評価を断念せざるを得なかった。
本発明に係る結晶性熱可塑性樹脂シート及びその製造方法は、各種樹脂シートの製造分野で利用される。
1 成形材料
2 結晶性熱可塑性樹脂
3 シリコーンパウダー
4 結晶性熱可塑性樹脂フィルム(結晶性熱可塑性樹脂シート)
10 溶融混練機
20 溶融押出成形機
23 ダイス
26 圧着ロール
27 冷却ロール
28 巻取機
29 巻取管
30 スリット刃

Claims (5)

  1. 300℃以上の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂100質量部と、シリコーンパウダー0.5質量部以上50質量部以下とを含んでなることを特徴とする結晶性熱可塑性樹脂シート。
  2. 結晶性熱可塑性樹脂は、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂と、熱可塑性ポリイミド樹脂の少なくともいずれかである請求項1記載の結晶性熱可塑性樹脂シート。
  3. シリコーンパウダーは、シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー、及びシリコーン複合パウダーの少なくともいずれかである請求項1又は2記載の結晶性熱可塑性樹脂シート。
  4. シリコーンパウダーの平均粒子径を、0.1μm以上100μm以下とした請求項1、2、又は3記載の結晶性熱可塑性樹脂シート。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の結晶性熱可塑性樹脂シートの製造方法であって、
    300℃以上の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂100質量部と、シリコーンパウダー0.5質量部以上50質量部以下とを少なくとも含有する成形材料を溶融混練し、この成形材料をダイスにより結晶性熱可塑性樹脂シートに押出成形し、この結晶性熱可塑性樹脂シートを冷却して巻取機に巻き取ることを特徴とする結晶性熱可塑性樹脂シートの製造方法。
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