JP2021088172A - フィルムの製造方法、及び積層体の製造方法 - Google Patents

フィルムの製造方法、及び積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融混練物のサージング現象を抑制して、フィルムの膜厚精度の向上及びフィッシュアイの発生の低減を可能とするフィルムの製造方法の提供、及び、かかるフィルムを層として有する積層体の製造方法の提供。【解決手段】本発明のフィルムの製造方法は、混練部3及び前記混練部3に接続されたホッパー3を有する押出成形装置1、及び溶融温度Xが270〜325℃であるテトラフルオロエチレン系ポリマーのペレットとを準備し、前記ペレットを前記ホッパー2に投入して、前記混練部3で溶融及び混練された溶融混練物を吐出してフィルムを製造するに際し、前記ホッパー2の前記混練部3との接続部222における前記ペレットの温度をX−200〜X−100℃の範囲に調整した後、前記ペレットを前記混練部3に供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、所定の温度に調整されたテトラフルオロエチレン系ポリマーのペレットを混練部に供給して、溶融押出成形するフィルムの製造方法、及びかかるフィルムを層として有する積層体の製造方法に関する。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のテトラフルオロエチレン系ポリマーは、溶融温度が高く、安定した成形が困難である。特に、Tダイ法により、フィルムに成形する場合、テトラフルオロエチレン系ポリマーの温度ムラにより溶融状態が不均一となり、溶融混練物のサージング(吐出変動)現象が起こりやすく、フィルムの膜厚精度が低下しやすい。
特許文献1では、溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーに、非溶融性のPTFEを添加し、溶融状態の不均一性を改善してフィルムの膜厚精度を向上させる方法が提案されている。
しかし、上記方法では、異種のポリマーを混合している以上、混合ムラによる溶融状態の変動が生じるため、結果として、フィルムの膜厚精度等の形状安定性の改善効果は限定的であった。
また、非溶融性のPTFEの存在により、製造されるフィルム中にフィッシュアイと呼ばれるスポット的な未溶融部分が形成され、これに起因する局所的な厚さムラが生じやすい。
特開2019−112563号公報
本発明者らは、異種のポリマーを混合することなく、溶融混練物のサージング現象、フィルムの膜厚変動、フィッシュアイの発生を低減する方法を、鋭意検討した。
その結果、まず、Tダイ法において、溶融混練物のサージング現象やフィルムの膜厚変動は、押出成形装置の混練部内での溶融混練物の温度ムラによる、溶融状態の不均一性が原因である点を知見した。この温度ムラは、混練部による不充分な混練や、空気の巻き込みに伴う断熱層の成形による熱伝達不良等により発生すると考えられる。
混練部内でのポリマーの混合の均一性を高めるべく、スクリューの回転数を上昇させたり、剪断応力の強いスクリューに変更すると、ポリマーが必要以上に加熱され、その劣化が生じやすくなる。
フィッシュアイが発生する原因も、上記と同様であり、溶融混練物に温度ムラが生じると、低温度部分においては溶融粘度が低くなり、フィッシュアイが生じやすい。一方で、ポリマーを必要以上に加熱すると、劣化したポリマーが核となって、やはりフィッシュアイが生じやすい。
本発明は、テトラフルオロエチレン系ポリマーのペレットをホッパー内で、予め、所定の温度に加熱することで、混練部内での溶融混練物の温度ムラを低減し、結果として、溶融混練物のサージング現象を抑制して、フィルムの膜厚精度の向上及びフィッシュアイの発生の低減を可能とするフィルムの製造方法の提供を目的とする。また、本発明は、かかるフィルムを層として有する積層体の製造方法の提供も目的とする。
本発明は、下記の態様を有する。
<1> 混練部及び前記混練部に接続されたホッパーを有する押出成形装置と、及び溶融温度Xが270〜325℃であるテトラフルオロエチレン系ポリマーのペレットとを準備し、前記ペレットを前記ホッパーに投入して、前記混練部で溶融及び混練された溶融混練物を吐出してフィルムを製造するに際し、前記ホッパーの前記混練部との接続部における前記ペレットの温度をX−200〜X−100℃の範囲に調整した後、前記ペレットを前記混練部に供給する、フィルムの製造方法。
<2> 前記ペレットの直径が、1.0〜4.0mmである、上記<1>の製造方法。
<3> 前記ホッパーが、第1段部と、前記第1段部より前記混練部側に配置された第2段部とを備える多段式のホッパーである、上記<1>又は<2>の製造方法。
<4> 前記第2段部内の圧力が、前記第1段部の圧力より低い、上記<3>の製造方法。
<5> 前記ホッパーの前記混練部に最も近い段部内の圧力が、1000Pa以下である、上記<3>又は<4>の製造方法。
<6> 前記押出成形装置が、前記混練部の軸方向の前記ホッパーと反対側に接続されたTダイと、前記混練部と前記Tダイとの間に設けられた静止型混合器とを備える、上記<1>〜<5>のいずれかの製造方法。
<7> 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの溶融温度が、270〜325℃である、上記<1>〜<6>のいずれかの製造方法。
<8> 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの溶融粘度の時間変化率が、50〜150%である、上記<1>〜<7>のいずれかの製造方法。
<9> 前記ペレットにおける金属の含有量が、1ppm以下である、上記<1>〜<8>のいずれかの製造方法。
<10> 前記フィルムの厚さが、1〜1000μmである、上記<1>〜<9>のいずれかの製造方法。
<11> 前記フィルムが、長尺状のフィルムであり、短手方向の長さが500mm以上である、上記<1>〜<10>のいずれかの製造方法。
<12> 前記フィルムにおけるフィッシュアイの数が、0.1個/m以下である、上記<1>〜<11>のいずれかの製造方法。
<13> 上記<1>〜<12>のいずれかの製造方法により製造されたフィルムを基材層に重ね合わせた後、熱プレスして、前記フィルムによる層と基材層とが、この順で積層された積層体を得る積層体の製造方法。
本発明によれば、フィッシュアイの発生が防止された均一な厚さを有するフィルム、特に、薄膜状の長尺フィルムが得られ、プリント基板材料として好適な積層体が得られる。
本発明において使用される押出成形装置の一実施形態を示す模式図である。
以下の用語は、以下の意味を有する。
「ポリマー溶融粘度の時間変化率」は、ポリマーに対して350℃で0.1rad/sの剪断応力を付与した状態で、並行平板粘度計(レオメーター)を使用して測定される、初期の溶融粘度に対する1時間経過後の溶融粘度の変化率であり、単位%で表される値である。
「ポリマーの溶融粘度」は、ASTM D 1238に準拠し、フローテスター及び2Φ−8Lのダイを用い、予め測定温度にて5分間加熱しておいたポリマーの試料(2g)を0.7MPaの荷重にて測定温度に保持して測定した値である。
「ポリマーの溶融温度(融点)」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定したポリマーの融解ピークの最大値に対応する温度である。
「ポリマーのガラス転移点」は、動的粘弾性測定(DMA)法でポリマーを分析して測定される値である。
本発明のフィルムの製造方法(本法1)は、例えば、図1に示す押出成形装置1を使用して、溶融温度Xが270〜325℃であるテトラフルオロエチレン系ポリマー(以下、「Fポリマー」とも記す。)のペレットから、フィルムを製造する方法である。
図1は、本発明において使用される押出成形装置の一実施形態を示す概念図である。なお、以下の説明では、図1中の右側(溶融混練物の移送方向の前方)を「先端」、左側(上記移送方向の後方)を「基端」として説明する。
図1に示す押出成形装置1は、ホッパー2と、ホッパー2に連通する混練部3とを備えている。
本実施形態の混練部3は、シリンダ31と、シリンダ31内に回転可能に設けられた1本のスクリュー32とを有する単軸混練機で構成されている。
単軸混練機を使用すれば、ペレットを溶融混練する際に、Fポリマーが劣化するのを防止しやすい。
この場合、スクリュー32の全長をL(mm)とし、直径をD(mm)としたとき、直径Dに対する全長Lの比で表される有効長(L/D)は、25〜50が好ましく、30〜45がより好ましい。有効長が上記範囲であれば、Fポリマーの劣化を防止しつつ、Fポリマーに対して充分な剪断応力を付与でき、溶融混練物の温度ムラを低減しやすい。
シリンダ31の基端側には、ギアボックス33と、モータ34とが順に配置されている。モータ34の回転軸341の先端部には、ギア(図示せず)が接続され、このギアがギアボックス33内の所定のギア(図示せず)に噛み合っている。
ギアボックス33では、回転軸341の回転運動を加速又は減速して、回転軸331に伝達する。回転軸331の先端部は、スクリュー32の基端側に接続されている。
かかる構成により、モータ34の回転をスクリュー32に伝達して、スクリュー32を所定の回転速度で回転させる。その結果、溶融混練物は、図1中基端側(左側)から先端側(右側)に向かって移送される。
また、シリンダ31の外周部には、ヒータ35が設けられている。シリンダ31内に供給されたペレット(Fポリマー)は、ヒータ35の加熱により溶融されつつ、スクリュー32の回転により混合(混練)かつ先端側に向かって移送される。これにより、ペレットは、溶融及び混練されて、その溶融混練物がシリンダ31の先端開口部311から押し出される。
シリンダ31の先端側(混練部3の軸方向のホッパー2と反対側)には、Tダイ5が配置されている。シリンダ31の先端開口部311から押し出された溶融混練物は、Tダイ5の下端開口(吐出口)から吐出され、Fポリマーのフィルム(以下、「本フィルム」とも記す。)が製造(形成)される。なお、図示しないが、Tダイ5にもヒータが設けられている。
本実施形態では、シリンダ31(混練部3)とTダイ5との間には、静止型混合器(スタティックミキサー)6が設けられている。この静止型混合器6は、溶融混練物の流路を分割、転換又は反転して、溶融混練物を撹拌するエレメントである。
かかる静止型混合器6の設置により、溶融混練物に対して不要な外力を加えないでよいので、溶融混練物の劣化を抑制して均一に混練できる。
シリンダ31の基端側には、ホッパー2が配置されている。本実施形態のホッパー2は、ロート状の第1段部21と、第1段部21より混練部3(シリンダ31)側に配置されたロート状の第2段部22とを備える2段式のホッパーで構成されている。
第1段部21には、ヒータ211と、ポンプP1とが接続されている。これにより、第1段部21内に供給されたペレットを減圧状態で加熱できる。
第1段部21は、接続部212を介して第2段部22に接続されている。
第2段部22には、ヒータ221と、ポンプP2とが接続されている。これにより、第2段部22内に供給されたペレットを減圧状態で加熱できる。
第2段部22は、接続部222を介してシリンダ31に接続されている。
ホッパー2(第1段部21及び第2段部22)の内表面(内周面)には、樹脂膜で被覆されているのが好ましい。すなわち、ホッパー2の内表面が樹脂ライニングされているのが好ましい。これにより、軟化したペレットがホッパー2の内表面に付着するのを充分に防止できる。
なお、樹脂膜の構成材料としては、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂が挙げられる。
本法1で使用されるペレットは、Fポリマー以外の成分を含んでいてもよいが、Fポリマーからなるのが好ましい。パウダーにおけるFポリマーの含有量は、80質量%以上が好ましく、100質量%がより好ましい。
Fポリマー以外の成分としては、芳香族ポリエステル、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシドが挙げられる。
本発明におけるFポリマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)に基づく単位(TFE単位)を含有するポリマーである。
Fポリマーの溶融粘度は、380℃において1×10〜1×10Pa・sが好ましい。
Fポリマーの溶融粘度の時間変化率は、50〜150%が好ましく、75〜125%がより好ましい。この場合、溶融混練物を長時間混練した際に、混練部3内に滞留する溶融混練物が発生しても、その溶融粘度の変化を小さく抑制できる。その結果、本フィルムの厚さの変動への影響が小さい。
Fポリマーの溶融温度は、270〜325℃が好ましく、280〜320℃がより好ましい。
Fポリマーのガラス転移点は、75〜125℃が好ましく、80〜100℃がより好ましい。
Fポリマーは、TFE単位及びペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)に基づく単位(PAVE単位)を含有するポリマー(PFA)、若しくは、TFE単位及びヘキサフルオロプロピレンに基づく単位を含有するポリマー(FEP)が好ましく、上述した好適なFポリマーの物性をより具備しやすい観点から、PFAがより好ましい。
PAVEは、CF=CFOCF、CF=CFOCFCF又はCF=CFOCFCFCF(PPVE)が好ましく、PPVEがより好ましい。
Fポリマーは、極性官能基を有していてもよい。極性官能基は、Fポリマー中の単位に含まれていてもよく、Fポリマーの主鎖の末端基に含まれていてもよい。後者のポリマーとしては、重合開始剤、連鎖移動剤等に由来する末端基として極性官能基を有するFポリマー、Fポリマーをプラズマ処理や電離線処理して得られる極性官能基を有するFポリマーが挙げられる。
極性官能基は、水酸基含有基又はカルボニル基含有基が好ましく、本組成物の分散安定性の観点から、カルボニル基含有基がより好ましい。
水酸基含有基は、アルコール性水酸基を含有する基が好ましく、−CFCHOH又は−C(CFOHが好ましい。
カルボニル基含有基は、カルボニル基(>C(O))を含む基であり、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、イソシアネート基、カルバメート基(−OC(O)NH)、酸無水物残基(−C(O)OC(O)−)、イミド残基(−C(O)NHC(O)−等)又はカーボネート基(−OC(O)O−)が好ましい。
Fポリマーは、PAVE単位を含み、全単位に対してPAVE単位を1.5〜5.0モル%含むテトラフルオロエチレン系ポリマーが好ましく、PAVE単位及び極性官能基を有するモノマーに基づく単位を含み、極性官能基を有するポリマー(1)、又はPAVE単位を含み、全単位に対してPAVE単位を2.0〜5.0モル%含む、極性官能基を有さないポリマー(2)がより好ましい。
これらのFポリマーは、本フィルムにおいて微小球晶を形成しやすく、その接着性が高まりやすい。
ポリマー(1)は、全単位に対して、TFE単位を90〜98モル%、PAVE単位を1.5〜9.97モル%及び極性官能基を有するモノマーに基づく単位を0.01〜3モル%、それぞれ含有するのが好ましい。
また、極性官能基を有するモノマーは、無水イタコン酸、無水シトラコン酸又は5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(別称:無水ハイミック酸;以下、「NAH」とも記す。)が好ましい。
ポリマー(1)の具体例としては、国際公開第2018/16644号に記載されるポリマーが挙げられる。
ポリマー(2)におけるPAVE単位の含有量は、全単位に対して、2.1モル%以上が好ましく、2.2モル%以上がより好ましい。
ポリマー(2)は、TFE単位及びPAVE単位のみからなり、全単位に対して、TFE単位を95.0〜98.0モル%、PAVE単位を2.0〜5.0モル%含有するのが好ましい。
なお、ポリマー(2)が極性官能基を有さないとは、ポリマー主鎖を構成する炭素原子数の1×10個あたり、ポリマーが有する極性官能基数が、500個未満であることを意味する。上記極性官能基数は、100個以下が好ましく、50個以下がより好ましい。上記極性官能基数の下限は、通常、0個である。
ポリマー(2)は、ポリマー鎖の末端基として極性官能基を生じない、重合開始剤や連鎖移動剤等を使用して製造してもよく、極性官能基を有するPFA系ポリマー(重合開始剤に由来する極性官能基をポリマーの主鎖の末端基に有するPFA系ポリマー等)をフッ素化処理して製造してもよい。フッ素化処理の方法としては、フッ素ガスを使用する方法(特開2019−194314号公報等を参照)が挙げられる。
本発明におけるペレットは、Fポリマー以外のポリマー、無機フィラー、チキソ性付与剤、消泡剤、シランカップリング剤、脱水剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、難燃剤を含んでいてもよい。
無機フィラーは、窒化物フィラー、無機酸化物フィラーが挙げられ、窒化ホウ素フィラー、べリリア(ベリリウムの酸化物)、シリカフィラー又は金属酸化物(酸化セリウム、アルミナ、ソーダアルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等)フィラーが好ましい。
無機フィラーの形状は、粒状、繊維状、板状のいずれであってもよい。
粒状の無機フィラーの平均粒子径は、0.01〜1μmが好ましい。
繊維状の無機フィラーは、繊維長が1〜10μmであり、繊維径が0.01〜1μmであるのが好ましい。
本フィルムが無機フィラーを含む場合、その含有量は、Fポリマーの含有量に対して1以下が好ましい。
無機フィラーは、表面処理されていてもよい。
表面処理剤は、多価アルコール(トリメチロールエタン、ペンタエリストール、プロピレングリコール等)、飽和脂肪酸(ステアリン酸、ラウリン酸等)、そのエステル、アルカノールアミン、アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン等)、パラフィンワックス、シランカップリング剤、シリコーン、ポリシロキサン、無機物(アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、スズ、チタニウム、アンチモン等の、酸化物、水酸化物、水和酸化物又はリン酸塩)が挙げられる。
無機フィラーの具体例としては、平均粒子径1μm以下のシリカフィラー(アドマテックス社製の「アドマファイン」シリーズ等)、平均粒子径0.1μm以下の酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製の「FINEX」シリーズ等)、球状溶融シリカ(デンカ社製のSFPグレード等)、平均粒子径0.5μm以下のルチル型酸化チタン(石原産業社製の「タイペーク」シリーズ等)、平均粒子径0.1μm以下のルチル型酸化チタン(テイカ社製の「JMT」シリーズ等)が挙げられる。
ペレットにおけるFポリマーの含有量は、70質量%以上であり、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。上記含有量は、100質量%である。この場合、電気特性と基材に対する密着性とに優れた本フィルムを製造しやすい。
また、ペレットの形状としては、球状、円柱状が挙げられ、円柱状が好ましい。ペレットの直径は、1.0〜4.0mmが好ましく、1.5〜3.5mmがより好ましい。かかる直径のペレットであれば、ホッパー2でのブリッジ(詰まり)を防ぎつつ、ホッパー2で加熱した際に、その内部まで充分に加熱(加温)できる。
本発明のフィルムの製造方法(本法1)では、Fポリマーのペレットをホッパー2内において予め加熱した後、混練部3に供給し、混練部3内で溶融及び混練された溶融混練物をTダイ5から吐出して本フィルムを製造する。この際、ホッパー2の混練部3との接続部222におけるペレットの温度をX−200〜X−100℃の範囲に調整する。なお、Xは、Fポリマーの溶融温度である(以下、特に断らない限り、同様である。)。
ホッパー2の混練部3との接続部222におけるペレットの温度は、X−175〜X−125℃が好ましい。具体的なペレットの温度は、70〜225℃が好ましく、80〜220℃がより好ましく、105〜195℃がさらに好ましい。この場合、ペレットの軟化によるホッパー2内でのブリッジが生じにくい。また、混練部3内における溶融混練物の温度ムラが充分に減少するので、均一な厚さを有し、フィッシュアイの発生が防止された本フィルムが得られやすい。
第2段部22(混練部3に最も近い段部)内の圧力は、第1段部21の圧力より低いのが好ましく、1000Pa以下が好ましく、100Pa以下がより好ましい。これにより、ペレット内の空気を充分に除去でき、空気による断熱層の形成を阻止して、混練部3において溶融混練物に温度ムラが生じるのを防止しやすい。
Fポリマー(ペレット)における金属の含有量は、1ppm以下が好ましく、0.75ppm以下がより好ましく、0.5ppm以下がさらに好ましい。この場合、金属が触媒となって生じるFポリマーの分解や、金属が熱伝導剤となって生じる溶融混練物の局所的な溶融粘度の上昇を防止して、本フィルムのフィッシュアイの発生が抑制されやすい。
軟化したペレットは、混練部3に供給される。
スクリュー32の回転速度は、10〜50ppmが好ましく、20〜40ppmがより好ましい。
ヒータ35による加熱温度は、X+20〜X+60℃が好ましく、X+30〜X+50℃がより好ましい。
上記条件でペレットを溶融混練すれば、均質で温度ムラの少ない溶融混練物が形成されやすい。その結果、均一な厚さを有し、フィッシュアイの発生が防止された本フィルムがより得られやすい。
溶融混練物は、静止型混合器6を介して、Tダイ5に供給され、Tダイ5から吐出される。
Tダイ5から吐出された溶融混練物は、複数本の冷却ロール(図示せず)に接触して固化し、フィルム化される。
得られた長尺の本フィルムは、巻き取りロール(図示せず)に巻き取られる。
また、押出成形装置1は、必要に応じて、切断機を有していてもよい。
本フィルムの厚さは、1〜1000μmが好ましく、5〜150μmがより好ましく、10〜100μmがさらに好ましい。
本フィルムの形状は、長尺状であってもよく、葉用状であってもよく、長尺状であるのが好ましい。
長尺状の本フィルムの長手方向の長さは、10m以上が好ましく、100m以上がより好ましい。長手方向の長さの上限は、通常、2000mである。また、長尺状の短手方向の長さは、500mm以上が好ましく、1000mm以上が好ましい。短手方向の長さの上限は、通常、3000mmである。
本フィルムにおけるフィッシュアイの数は、フィルム1mあたり、0.1個以下であるのが好ましく、0.05個未満であるのがより好ましい。フィッシュアイの数の下限は、0個である。
本法1によれば、サージング現象を高度に抑制しつつ、過度の熱履歴を与えずにポリマーを均一に溶融及び混練して、フィルムが成形される。このため、欠陥(フィッシュアイ)の少ない、短手方向にも充分な長さを有する幅広かつ薄膜の長尺フィルムを容易に製造できる。
本発明の積層体の製造方法(本法2)は、本フィルムを基材層に重ね合わせた後、熱プレスして、本フィルムによる層(以下、「ポリマー層」とも記す。)と基材層とが、この順で積層された積層体を得る。
本法2における熱プレスの条件は、温度を120〜300℃とし、雰囲気の圧力を20kPa以下の真空とし、プレス圧力を0.2〜10MPaとするのが好ましい。
本法2における基材層は、金属基板又は耐熱性樹脂フィルムが好ましく、金属箔、金属鋼板又は耐熱性樹脂フィルムがより好ましい。
金属箔の表面の十点平均粗さは、0.5μm以下が好ましく、0.1μm未満がより好ましい。金属箔の表面の十点平均粗さは、0.01μm以上が好ましい。この場合、ポリマー層と金属箔とがより強固に密着しやすい。
このため、膜厚精度が高い本フィルムを有する積層体又はそれを加工して得られるプリント基板において、電気特性(低誘電率性、低誘電正接性等)が顕著に発現しやすい。
具体的には、本法2における基材層が金属箔である場合、積層体の周波数10GHzでの誘電正接は、0.0020以下が好ましく、0.0015以下がより好ましい。上記誘電正接は、0.0001以上が好ましい。
金属基板の材質としては、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニウム、これらの合金(ステンレス、ニッケル42合金等。)が挙げられる。
金属基板は、ステンレス鋼板、圧延銅箔又は電解銅箔が好ましい。
金属基板の表面は、防錆処理(クロメート等の酸化物皮膜等の形成)がされていてもよい。また、金属基板の表面は、シランカップリング剤により処理されていてもよい。その際の処理範囲は、金属箔の表面の一部であってもよく、表面の全部であってもよい。
金属基板の厚さは、3mm以下が好ましく、0.1〜20μmがより好ましく、0.5〜10μmがさらに好ましい。
また、金属箔として、2層以上の金属箔を含むキャリア付金属箔を使用してもよい。キャリア付金属箔としては、キャリア銅箔(厚さ:10〜35μm)と、剥離層を介してキャリア銅箔上に積層された極薄銅箔(厚さ:2〜5μm)とからなるキャリア付銅箔が挙げられる。かかるキャリア付銅箔を使用すれば、MSAP(モディファイドセミアディティブ)プロセスによるファインパターンの形成が可能である。上記剥離層としては、ニッケル又はクロムを含む金属層、又はこの金属層を積層した多層金属層が好ましい。
キャリア付金属箔の具体例としては、福田金属箔粉工業株式会社製の商品名「FUTF−5DAF−2」が挙げられる。
耐熱性樹脂フィルムは、耐熱性樹脂の1種以上を含むフィルムであり、単層フィルムであっても多層フィルムであってもよい。耐熱性樹脂フィルムには、ガラス繊維又は炭素繊維等が埋設されていてもよい。
基材層が耐熱性樹脂フィルムである場合は、基材層の両面に本フィルムを積層するのが好ましい。この場合、本フィルムが耐熱性樹脂フィルム層の両面に積層されるため、積層体の線膨張係数が顕著に低下し、反りが生じにくい。具体的には、かかる態様における積層体の線膨張係数の絶対値は、1〜25ppm/℃が好ましい。
耐熱性樹脂としては、ポリイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリアリルスルホン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエーテルアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリルエーテルケトン、ポリアミドイミド、液晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミド、フッ素樹脂が挙げられ、ポリイミド(特に、芳香族性ポリイミド)又はフッ素樹脂(特に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))が好ましい。
両面に本フィルムを有する耐熱性樹脂フィルムである積層体において、その厚さ(総厚)は、25μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましい。上記厚さは、150μm以下が好ましい。
かかる構成において、耐熱性樹脂フィルムの厚さに対する2つのポリマー層の合計での厚さの比は、0.5以上が好ましく、0.8以上がより好ましい。上記比は、5以下が好ましい。
この場合、耐熱性樹脂フィルムの特性(高い降伏強度、難塑性変形性)とポリマー層の特性(低い吸水性)とがバランスよく発揮される。
本法2による積層体であり、基材層が耐熱性樹脂フィルムである積層体の好適な態様としては、耐熱性樹脂フィルムが厚さ20〜100μmのポリイミドフィルムであり、本フィルム、ポリイミドフィルム、本フィルムがこの順に直接接触して積層された3層フィルムが挙げられる。かかる態様における、2つの本フィルムの厚さは、同じであり、15〜50μmであるのが好ましい。また、ポリイミドフィルムの厚さに対する2つの本フィルムの合計での厚さの比は、0.5〜5が好ましい。かかる態様の積層体が、上述した積層体の効果を最も発現しやすい。
本発明における積層体の最表面(ポリマー層の基材と反対側の表面)は、その線膨張性や接着性を一層向上させるために、さらに表面処理されてもよい。
表面処理の方法としては、アニール処理、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、エキシマ処理、シランカップリング処理が挙げられる。
アニール処理における条件は、温度を120〜180℃とし、圧力を0.005〜0.015MPaとし、時間を30〜120分間とするのが好ましい。
プラズマ処理に用いるガスとしては、酸素ガス、窒素ガス、希ガス(アルゴン等)、水素ガス、アンモニアガス、酢酸ビニルが挙げられる。これらのガスは、1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明における積層体の最表面には、さらに他の基板を積層してもよい。
他の基板としては、耐熱性樹脂フィルム、繊維強化樹脂板の前駆体であるプリプレグ、耐熱性樹脂フィルム層を有する積層体、プリプレグ層を有する積層体が挙げられる。
なお、プリプレグは、強化繊維(ガラス繊維、炭素繊維等)の基材(トウ、織布等)に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含浸させたシート状の基板である。
耐熱性樹脂フィルムとしては、上述した耐熱性樹脂フィルムが挙げられる。
積層の方法としては、積層体と他の基板とを熱プレスする方法が挙げられる。
他の基板がプリプレグである場合の熱プレスの条件は、温度を120〜400℃とし、雰囲気の圧力を20kPa以下の真空とし、プレス圧力を0.2〜10MPaとするのが好ましい。
本発明における積層体は、電気特性に優れるポリマー層を有するため、プリント基板材料として好適である。具体的には、本発明における積層体は、フレキシブル金属張積層板やリジッド金属張積層板としてプリント基板の製造に使用でき、特に、フレキシブル金属張積層板としてフレキシブルプリント基板の製造に好適に使用できる。
基材層が金属箔である積層体(ポリマー層付金属箔)の金属箔をエッチング加工し、伝送回路を形成してプリント基板が得られる。具体的には、金属箔をエッチング処理して所定の伝送回路に加工する方法や、金属箔を電解めっき法(セミアディティブ法(SAP法)、MSAP法等)によって所定の伝送回路に加工する方法によって、プリント基板を製造できる。
ポリマー層付金属箔から製造されたプリント基板は、金属箔から形成された伝送回路とポリマー層とをこの順に有する。プリント基板の構成の具体例としては、伝送回路/ポリマー層/プリプレグ層、伝送回路/ポリマー層/プリプレグ層/ポリマー層/伝送回路が挙げられる。
かかるプリント基板の製造においては、伝送回路上に層間絶縁膜を形成してもよく、伝送回路上にソルダーレジストを積層してもよく、伝送回路上にカバーレイフィルムを積層してもよい。これらの層間絶縁膜、ソルダーレジスト及びカバーレイフィルムの材料として、本フィルムを使用してもよい。
プリント基板の具体的な態様としては、プリント基板を多層化した多層プリント回路基板が挙げられる。
多層プリント回路基板の好適な態様としては、多層プリント回路基板の最外層がポリマー層であり、金属箔又は伝送回路とポリマー層とプリプレグ層とがこの順に積層された構成を1以上有する態様が挙げられる。なお、上記構成の数は複数(2以上)が好ましい。また、ポリマー層とプリプレグ層との間に、伝送回路がさらに配置されていてもよい。
かかる態様の多層プリント回路基板は、最外層のポリマー層により、耐熱加工性に特に優れている。具体的には、288℃においても、ポリマー層とプリプレグ層との界面膨れや、金属箔(伝送回路)とポリマー層との界面剥離が発生しにくい。特に、金属箔が伝送回路を形成している場合でも、ポリマー層が金属箔(伝送回路)と強固に密着しているため、反りが発生しにくく、耐熱加工性に優れている。
多層プリント回路基板の好適な態様としては、多層プリント回路基板の最外層がプリプレグ層であり、金属箔又は伝送回路とポリマー層とプリプレグ層とがこの順に積層された構成を1以上有する態様も挙げられる。なお、上記構成の数は複数(2以上)が好ましい。また、ポリマー層とプリプレグ層との間に、伝送回路がさらに配置されていてもよい。
かかる態様の多層プリント回路基板は、最外層にプリプレグ層を有していても、耐熱加工性に優れている。具体的には、300℃においても、ポリマー層とプリプレグ層との界面膨れや金属箔(伝送回路)とポリマー層との界面剥離が発生しにくい。特に、金属箔が伝送回路を形成している場合でも、ポリマー層が金属箔(伝送回路)と強固に密着しているため、反りが発生しにくく、耐熱加工性に優れている。
つまり、本発明によれば、各種表面処理を施さずとも、それぞれの界面が強固に密着し、加熱における界面膨れや界面剥離、特に、最外層における膨れや剥離が抑制された、種々の構成を有するプリント基板が容易に得られる。
以上、本発明のフィルムの製造方法及び積層体の製造方法について説明したが、本発明は、上述した実施形態の構成に限定されない。
例えば、本発明のフィルムの製造方法及び積層体の製造方法は、それぞれ、上記実施形態の構成において、他の任意の工程を追加で有してもよいし、同様の作用を生じる任意の工程と置換されていてよい。
また、ホッパーは、1段式のホッパー、3段式以上の多段式のホッパーで構成してもよい。
また、混練部は、二軸混練機で構成してもよい。
さらに、Tダイに代えて、丸ダイを使用してもよい。丸ダイを使用すれば、インフレーションフィルムを製造できる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.各成分の準備
[ペレット]
・ペレット1:TFE単位、NAH単位及びPPVE単位を、この順に97.9モル%、0.1モル%、2.0モル%で含有し、極性官能基を有するポリマー(溶融温度:300℃、溶融粘度の時間変化率:130%)からなるペレット(金属含有量:0.1ppm、直径:2.0mm)
・ペレット2:TFE単位及びPPVE単位を、この順に97.5モル%、2.5モル%で含有し、極性官能基を有さないポリマー(溶融温度:300℃、溶融粘度の時間変化率:102%)からなるペレット(金属含有量:0.1ppm、直径:2.0mm)
・ペレット3:TFE単位及びPPVE単位を、この順に97.5モル%、2.5モル%で含有し、極性官能基を有さないポリマー(溶融温度:300℃、溶融粘度の時間変化率:160%)からなるペレット(金属含有量:2ppm、直径:2.0mm)
[押出成形装置]
・押出成形装置1:1段式のホッパー及び静止型混合器をネック部に有する装置
・押出成形装置2:図1に示す装置
なお、押出成形装置1及び2において、混練部、静止型混合器及びTダイの構成は共通し、以下の仕様である。
シリンダの先端開口部の直径(口径):75mm
有効長(L/D) :32
Tダイの下端開口の長さ :1600mm
2.フィルムの製造
(例1)
押出成形装置1のホッパーにペレット1を投入し、ホッパーと混練部との接続部におけるペレット1の温度が140℃となるようにホッパーを加熱保温した。
加温されたペレット1を混練部に供給し、溶融及び混練された溶融混連物をTダイから吐出して、フィルム1(幅:1200mm、厚さ:50μm)を製造した。なお、混練部及びTダイの加熱温度を350℃とし、スクリューの回転速度を40rpmに設定した。
(例2)
ペレット1をペレット2に変更した以外は、例1と同様にして、フィルム2を製造した。
(例3)
ペレット1をペレット3に変更した以外は、例1と同様にして、フィルム3を製造した。
(例4)
押出成形装置2のホッパーにペレット1を投入し、ホッパーの第2段部と混練部との接続部におけるペレット1の温度が140℃となるようにホッパーを加熱保温した。なお、第2段部の圧力を100Paに設定した。これ以降は、例1と同様にして、フィルム4を製造した。
(例5(比較例))
ホッパーの加熱を省略した以外は、例1と同様にして、フィルム5を製造した。なお、ホッパーと混練部との接続部におけるペレット1の温度は、混練部からの熱を受けて50℃であった。
(例6(比較例))
ホッパーと混練部との接続部におけるペレット1の温度を220℃に設定した以外は、例1と同様にして、フィルム6を製造した。
3.ペレット又はフィルムの測定と評価
3−1.ペレットにおける金属の含有量の測定
各ペレットについて、ICP−MS法にて金属の含有量を分析した。なお、検出された金属種すべての合計を金属の含有量とした。
3−2.ペレットの溶融粘度の時間変化率の測定
各ペレットを350℃に加熱したパラレルプレート(φ20mm)で挟持し、0.1rad/sの剪断応力を付与した状態で、並行平板粘度計(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、「HAAKE MARSIII」)にて、複素粘度η*を連続して測定し、初期の溶融粘度に対する1時間経過後の溶融粘度の変化率を計算した。
3−3.フィルムの厚さ測定
各フィルムについて、オンライン厚み計(横河電機社製、「WEBFREX NV」)を使用して、トラバース方式でフィルムの流れ方向と垂直な方向に移動させつつ、幅方向2mmピッチで、5mの長さ分が製造される間に全幅について1スキャンできるように測定した。
500mの長さ分が製造された後、1スキャンごとの平均厚さ(μm)を、さらに500mの長さ分を平均化して「長手方向厚さ(μm)」とした。その際の平均の標準偏差を「長手方向σ(μm)」とした。長手方向σ(μm)が大きい場合、溶融混練物の温度ムラによる吐出変動(サージング)が生じていることが示唆される。
また、500mの長さ分を製造した後、フィルムの幅方向の同位置における厚さを平均化して「幅方向厚さ(μm)」とした。その際の平均の標準偏差を「幅方向σ(μm)」とした。幅方向σ(μm)が大きい場合、Tダイ内での溶融混練物の温度ムラによる厚さの不均一性が生じていることが示唆される。
3−4.フィッシュアイの確認
各フィルムについて、カメラによる欠点検査機によって、形成されたフィッシュアイの数をカウントした。500mの長さ分を製造した後、1mm以上の面積サイズを有するフィッシュアイの数を、製造したフィルムの面積で除して、1mあたりに形成されたフィッシュアイの数を求めた。
これらの結果をまとめて、以下の表1に示す。
Figure 2021088172
4.積層体の製造
SUS304のステンレス板(幅:1m、長さ:1.2m、厚さ:0.5mm)と、フィルム1(幅:1m、長さ:1.2m、厚さ:50μm)と、PTFEフィルム(幅:1m、長さ:1.2m、日東電工社製「ニトフロンNo.920UL」)とを重ね、減圧下、360℃にて20分間プレスして、ステンレス板と、フィルム1と、PTFEフィルムとをこの順に有する、積層体1を得た。
フィルム1に代えて、フィルム5を用いた以外は、積層体1と同様にして、積層体5を得た。
積層体1又は5を、PTFEフィルムが内側になるように円筒状に曲げ加工した。加工後の円筒状の積層体を目視確認した結果、円筒状の積層体1の内側表面にはシワが発生しておらず、円筒状の積層体5の内側表面にはシワが発生していた。
この理由としては、フィルム5はフィルム1に比較して厚みムラが大きく、曲げ加工の際、フィルム5の薄い部分に応力が集中して、フィルム5が剥離しやすかったためと考えられる。
本発明の製造方法により得られるフィルムは、均一な厚さを有し、フィッシュアイの発生も低減でき、複写機の熱転写ゴムロールのスリーブ被覆材として好適である。また、本発明の製造方法により得られる積層体は、プリント基板材料や、潤滑剤を用いないベアリング用途、滑雪の建材用途等としてフッ素樹脂鋼板として好適である。
1…押出成形装置、2…ホッパー、21…第1段部、211…ヒータ、212…接続部、P1…ポンプ、22…第2段部、221…ヒータ、222…接続部、P2…ポンプ、3…混練部、31…シリンダ、311…先端開口部、32…スクリュー、33…ギアボックス、331…回転軸、34…モータ、341…回転軸、35…ヒータ、5…Tダイ、6…静止型混合器、L…全長、D…直径

Claims (13)

  1. 混練部及び前記混練部に接続されたホッパーを有する押出成形装置と、溶融温度Xが270〜325℃であるテトラフルオロエチレン系ポリマーのペレットとを準備し、前記ペレットを前記ホッパーに投入して、前記混練部で溶融及び混練された溶融混練物を吐出してフィルムを製造するに際し、前記ホッパーの前記混練部との接続部における前記ペレットの温度をX−200〜X−100℃の範囲に調整した後、前記ペレットを前記混練部に供給する、フィルムの製造方法。
  2. 前記ペレットの直径が、1.0〜4.0mmである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ホッパーが、第1段部と、前記第1段部より前記混練部側に配置された第2段部とを備える多段式のホッパーである、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記第2段部内の圧力が、前記第1段部の圧力より低い、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記ホッパーの前記混練部に最も近い段部内の圧力が、1000Pa以下である、請求項3又は4に記載の製造方法。
  6. 前記押出成形装置が、前記混練部の軸方向の前記ホッパーと反対側に接続されたTダイと、前記混練部と前記Tダイとの間に設けられた静止型混合器とを備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの溶融温度が、270〜325℃である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの溶融粘度の時間変化率が、50〜150%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記ペレットにおける金属の含有量が、1ppm以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記フィルムの厚さが、1〜1000μmである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記フィルムが、長尺状のフィルムであり、短手方向の長さが500mm以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記フィルムにおけるフィッシュアイの数が、0.1個/m以下である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたフィルムを基材層に重ね合わせた後、熱プレスして、前記フィルムによる層と基材層とが、この順で積層された積層体を得る積層体の製造方法。
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