JP6668916B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP6668916B2
JP6668916B2 JP2016087759A JP2016087759A JP6668916B2 JP 6668916 B2 JP6668916 B2 JP 6668916B2 JP 2016087759 A JP2016087759 A JP 2016087759A JP 2016087759 A JP2016087759 A JP 2016087759A JP 6668916 B2 JP6668916 B2 JP 6668916B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
carcass
carcass cord
core
cover
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016087759A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017196955A (ja
Inventor
薫理 田中
薫理 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2016087759A priority Critical patent/JP6668916B2/ja
Priority to CN201710238555.3A priority patent/CN107310334B/zh
Priority to EP17166839.5A priority patent/EP3238962B1/en
Priority to US15/496,870 priority patent/US10479144B2/en
Publication of JP2017196955A publication Critical patent/JP2017196955A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6668916B2 publication Critical patent/JP6668916B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C15/00Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap
    • B60C15/04Bead cores
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C15/00Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap
    • B60C15/02Seating or securing beads on rims
    • B60C15/0209Supplementary means for securing the bead
    • B60C15/023Supplementary means for securing the bead the bead being secured by bead extensions which extend over and wrap around the rim flange
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C15/00Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap
    • B60C15/02Seating or securing beads on rims
    • B60C15/0209Supplementary means for securing the bead
    • B60C15/022Supplementary means for securing the bead the bead being secured by turned-in rim flanges, e.g. rim of the clincher type
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C15/00Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap
    • B60C15/06Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D30/00Producing pneumatic or solid tyres or parts thereof
    • B29D30/06Pneumatic tyres or parts thereof (e.g. produced by casting, moulding, compression moulding, injection moulding, centrifugal casting)
    • B29D30/48Bead-rings or bead-cores; Treatment thereof prior to building the tyre
    • B29D2030/485Bead-rings or bead-cores; Treatment thereof prior to building the tyre the bead cores being made using a band containing a plurality of wires embedded in rubber
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D30/00Producing pneumatic or solid tyres or parts thereof
    • B29D30/06Pneumatic tyres or parts thereof (e.g. produced by casting, moulding, compression moulding, injection moulding, centrifugal casting)
    • B29D30/48Bead-rings or bead-cores; Treatment thereof prior to building the tyre
    • B29D30/50Covering, e.g. by winding, the separate bead-rings or bead-cores with textile material, e.g. with flipper strips
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C15/00Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap
    • B60C15/04Bead cores
    • B60C2015/044Bead cores characterised by a wrapping layer

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。詳細には、本発明は、トラック、バス等に装着される、重荷重用の空気入りタイヤに関する。
タイヤのビードの部分は、リムに嵌め合わされる。タイヤにおいて、ビードはリング状のコアを備えている。コアは、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。このワイヤーの配置によって、コアの断面形状が整えられる。トラック(小型トラックも含む)、バス等に装着される、重荷重用のタイヤでは、十分な嵌合力の確保の観点から、六角形様の断面形状を有するコアが採用されるケースが多い。この場合、六角形様の断面形状において、最も長い対角線が、リムのシートと概ね平行になるように、コアは構成される。
タイヤは、カーカスを備えている。カーカスは、カーカスプライを備えている。カーカスプライは通常、コアの周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。
カーカスプライは、並列された多数のカーカスコードを含んでいる。これらのカーカスコードは、トッピングゴムで覆われている。
ラジアル構造のカーカスを採用した場合、タイヤの側面においては、カーカスコードは略半径方向に延在している。カーカスプライは、一方のビードと他方のビードとの間を架け渡している。カーカスコードには、張力が作用する。
タイヤに大きな荷重が作用すると、カーカスコードには大きな張力が作用する。前述の、六角形様の断面形状を有するコアをビードに採用した場合、最も長い対角線の端、詳細には、この対角線の軸方向内側の端をなすコアの角部、及びその半径方向内側に位置する別の角部において、カーカスコードがコアと接触し、このカーカスコードが切断する恐れがある。このカーカスコードの切断を伴う損傷は、Casing Break Up(CBU)と称される。
CBUの発生を防止し、耐久性の向上を図るために、様々な検討がなされている。この検討の一例が、特開平11−291724号公報に開示されている。
特開平11−291724号公報
CBUの発生を防止するために、すだれ状の布でビードのコアを被覆することがある。しかし、この布の目は、織物からなる布の目に比べて粗い。この布では、カーカスコードとコアとの間に存在するゴムの動きを十分に抑えることはできない。このため、カーカスコードに過剰な張力が作用した場合に、ゴムが流動し、カーカスコードとコアとの間に存在するはずのゴムが消失する恐れがある。ゴムが消失すると、カーカスコードが布又はコアと接触するので、CBUが発生してしまう。すだれ状の布では、CBUの発生を十分に防止することはできないという問題がある。
上記公報に記載のタイヤは、コアの周りを2回巻回した布を備えている。この布の巻回しにより、コアの角部が円弧状に滑らかとされ、カーカスコードの屈曲及び接触圧が減じられている。しかし、コアの周りで布を2回巻回すことは生産性に影響する。しかも織物からなる布のように目の細かい布を採用した場合には、布が高い剛性を有し、この布をコアへ巻付けるのが困難となる恐れもある。
このように、生産性を損なうことなく、CBUの発生を防止し、耐久性の向上を図るための技術には、改善の余地がある。
本発明の目的は、生産性を損なうことなく、耐久性の向上が達成された空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド、一対のサイドウォール、一対のビード及びカーカスを備えている。それぞれのサイドウォールは、上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びている。それぞれのビードは、上記サイドウォールよりも半径方向内側に位置している。上記カーカスは、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されている。上記カーカスは、カーカスプライを備えている。上記カーカスプライは、カーカスコードを含んでいる。上記ビードは、周方向に延在するコアを含んでいる。上記コアは、断面が六角形状を呈する本体と、この本体を覆うカバーとを備えている。上記カバーは、上記本体の周りを1周以上2周未満巻回されている。上記カバーは、経糸と緯糸とが組み合わされた平織物を含んでいる。上記経糸と上記緯糸とは交差しており、この交差の角度は45°以上125°以下である。上記経糸は上記カーカスコードに対して傾斜しており、この傾斜の角度は22.5°以上67.5°以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記平織物において、多数の上記経糸が間隔をあけて配置されており、多数の上記緯糸が間隔をあけて配置されている。上記経糸の間隔は0.5mm以上2.0mm以下である。上記緯糸の間隔は0.5mm以上2.0mm以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記経糸の強力は20N以上である。上記緯糸の強力は、20N以上である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記カバーの厚さは0.6mm以上1.2mm以下である。
本発明に係る空気入りタイヤでは、ビードのコアが、本体とカバーとを備えている。カバーは、平織物を含んでいる。平織物の経糸とその緯糸との交差の角度は、45°以上125°以下である。経糸はカーカスコードに対して傾斜しており、この傾斜の角度は22.5°以上67.5°以下である。このタイヤでは、カーカスコードに過剰な張力が作用しても、この平織物によって、カーカスコードとコアとの間に存在するゴムの流動が十分に抑えられる。カーカスコードとコアとの間にゴムが消失することなく存在するので、カーカスコードの、平織物又は本体との接触が十分に防止される。このタイヤでは、カーカスコードが切断するような損傷は、発生しにくい。このタイヤでは、耐久性の向上が達成される。
前述したように、このタイヤでは、平織物が、カーカスコードとコアとの間に存在するゴムの流動を抑えることで、カーカスコードの、平織物又は本体との接触が防止されている。このため、このタイヤでは、従来のタイヤのように、カーカスコードの切断を防止するために、コアの周りでカバーを2回も巻回す必要はない。このタイヤでは、カバーの巻回しによる、生産性への影響が抑えられている。
本発明によれば、生産性を損なうことなく、耐久性の向上が達成された空気入りタイヤが得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。 図3は、図1のタイヤのビードのコアが示された断面図である。 図4は、コアの本体を覆うカバーの一部が示された断面図である。 図5は、カバーに含まれる平織物における、経糸及び緯糸の配列の様子が示された模式図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。詳細には、この図1には、このタイヤ2の回転の中心軸を含む平面に沿った、このタイヤ2の断面の一部が示されている。この図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のクリンチ8、一対のチェーファー10、一対のビード12、カーカス14、ベルト16、インナーライナー18、インスレーション20及び一対のフィラー22を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、トラック(小型トラックも含む)、バス等に装着される。このタイヤ2は、重荷重用である。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面24を形成する。トレッド4には、溝26が刻まれている。この溝26により、トレッドパターンが形成されている。このトレッド4は、架橋ゴムからなる。このトレッド4では、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性が考慮されている。
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、カーカス14の軸方向外側に位置している。このサイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。このサイドウォール6は、カーカス14の損傷を防止する。
それぞれのクリンチ8は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。クリンチ8は、軸方向において、ビード12及びカーカス14よりも外側に位置している。クリンチ8は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。クリンチ8は、リムのフランジと当接する。
それぞれのチェーファー10は、ビード12の近傍に位置している。このタイヤ2では、チェーファー10はクリンチ8の端から軸方向略内向きに延びている。このチェーファー10は、クリンチ8と一体である。チェーファー10の材質は、クリンチ8の材質と同じである。
それぞれのビード12は、クリンチ8の軸方向内側に位置している。前述したように、クリンチ8はサイドウォール6の半径方向略内側に位置している。ビード12は、サイドウォール6よりも半径方向内側に位置している。ビード12は、コア28と、エイペックス30とを備えている。
コア28は、周方向に延在している。コア28は、リング状である。コア28は、巻回された非伸縮性ワイヤー32を含む。ワイヤー32の典型的な材質は、スチールである。このタイヤ2では、コア28は、巻回された非伸縮性ワイヤー32からなる本体34がカバー36で被覆されることにより構成されている。このコア28は、本体34と、この本体34を覆うカバー36とを備えている。カバー36は、本体34をなす、巻回されたワイヤー32を拘束する。
エイペックス30は、コア28から半径方向外向きに延びている。図1から明らかなように、エイペックス30は半径方向外向きに先細りである。エイペックス30は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス14は、カーカスプライ38を備えている。このタイヤ2では、カーカス14は1枚のカーカスプライ38からなる。このカーカス14が2枚以上のカーカスプライ38から形成されてもよい。
このタイヤ2では、カーカスプライ38は、両側のビード12の間に架け渡されており、トレッド4、サイドウォール6及びクリンチ8の内側に沿っている。カーカスプライ38は、それぞれのコア28の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ38には、主部40と一対の折り返し部42とが形成されている。このカーカスプライ38は、主部40と一対の折り返し部42とを備えている。
カーカスプライ38は、並列された多数のカーカスコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのカーカスコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°以上である。この角度の絶対値は80°以上が好ましく、90°以下が好ましい。換言すれば、このカーカス14はラジアル構造を有する。カーカスコードの材質は、スチールである。このカーカスプライ38は、多数のスチールコードを含んでいる。
このタイヤ2では、折り返し部42の端は半径方向においてエイペックス30の外側端とコア28との間に位置している。前述したように、このタイヤ2はトラック、バス等に装着される。このタイヤ2のビード12の部分には、大きな荷重が作用する。この折り返し部42の端には、歪みが集中する傾向にある。このタイヤ2では、このビード12の部分に、中間層44及びストリップ46がさらに設けられている。これらは、折り返し部42の端への歪みの集中を抑制する。
ベルト16は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト16は、カーカス14と積層されている。ベルト16は、カーカス14を補強する。このタイヤ2では、ベルト16は、第一層16a、第二層16b、第三層16c及び第四層16dからなる。このタイヤ2では、ベルト16は4層で構成されている。このベルト16が3層で構成されてもよいし、2層で構成されてもよい。
図1から明らかなように、このタイヤ2では、軸方向において、ベルト16を構成する第一層16a、第二層16b、第三層16c及び第四層16dのうち、第二層16bが最も大きな幅を有している。このタイヤ2では、ベルト16を構成する複数の層のうち、最も大きな軸方向幅を有する層、すなわち、第二層16bの端がベルト16の端である。このタイヤ2では、ベルト16の軸方向幅は第二層16bの軸方向幅で表される。ベルト16の軸方向幅は、タイヤ2の断面幅(JATMA参照)の0.7倍以上が好ましい。
図示されていないが、第一層16a、第二層16b、第三層16c及び第四層16dのそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードの材質は、スチールである。このベルト16は、スチールコードを含んでいる。それぞれの層において、コードは、赤道面に対して傾斜している。このコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、12°から70°である。
インナーライナー18は、カーカス14の内側に位置している。インナーライナー18は、インスレーション20を介してカーカス14の内面に接合されている。インナーライナー18は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー18の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー18は、タイヤ2の内圧を保持する。
インスレーション20は、カーカス14とインナーライナー18とに挟まれている。インスレーション20は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。インスレーション20は、カーカス14と堅固に接合し、インナーライナー18とも堅固に接合する。インスレーション20により、インナーライナー18のカーカス14からの剥離が防止されている。
それぞれのフィラー22は、ビード12の近くに位置している。フィラー22は、カーカス14と積層されている。フィラー22は、カーカス14の半径方向内側において、ビード12のコア28の周りで折り返されている。図示されていないが、フィラー22は並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、半径方向に対して傾斜している。コードの材質は、スチールである。フィラー22は、ビード12の部分の倒れを抑える。このフィラー22は、タイヤ2の耐久性に寄与する。このタイヤ2では、フィラー22の端はカバーゴム48で覆われている。
図2には、図1のタイヤ2のビード12の部分が示されている。この図2において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。
図2には、このタイヤ2が組み込まれるリム50も示されている。このリム50は、正規リムである。タイヤ2はリム50に組み込まれ、タイヤ2の内部には、タイヤ2の内圧が正規内圧となるように空気が充填される。
本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
本明細書において正規荷重とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
本発明では、特に言及のない限り、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。
リム50は、一対の嵌合部52を備えている。それぞれの嵌合部52に、タイヤ2のビード12の部分が嵌め合わされる。嵌合部52は、リムシート54とリムフランジ56とを備えている。リムシート54には、このタイヤ2のチェーファー10が載せられる。リムフランジ56には、このタイヤ2のクリンチ8が接触させられる。
図2に示されたリム50では、リムシート54は軸方向に対して傾斜している。このリムシート54の傾斜角度は通常、5°以上20°以下の範囲で設定される。特にこの傾斜角度が15°に設定されたリム50は、15°テーパーリムとも称される。この傾斜角度は、リムシート54が、リム中心線と直交する仮想線(軸方向)に対してなす角度で表される。
このタイヤ2では、コア28の本体34は、ワイヤー32の配列によって、その断面が六角形状を呈するように構成されている。本体34の断面は、6つの角部を有している。本発明の説明の便宜のために、これらの角部に符号a、b、c、d、e及びfが付されている。この本体34では、角部bがこの本体34の軸方向内側端である。
このタイヤ2では、本体34の断面の輪郭において、対向する角部を結んで得られる直線を対角線とみなした場合、この断面では、全ての対角線の中で、角部bと角部eとを結ぶ対角線beが最も長い。本発明においては、この対角線beは長軸とも称される。
このタイヤ2では、本体34の断面の輪郭において、隣に位置する角部同士を結ぶ直線を、この本体34の断面の一辺とみなした場合、全ての辺の中で、角部fと角部aとを結ぶ辺fa及び角部cと角部dとを結ぶ辺cdが最も長い。本発明においては、辺fa及び辺cdは長辺とも称される。
図2から明らかなように、このタイヤ2では、長軸be、長辺fa及び長辺cdは、略軸方向に延在している。このタイヤ2では、本体34の断面は、軸方向に長い、偏平な六角形状を呈している。
このタイヤ2では、長辺faはコア28の断面において底辺58をなしている。この長辺faは、リム50のリムシート54と対向している。このタイヤ2では、このタイヤ2がリム50に組み込まれた状態において、この長辺faがリムシート54と略平行となるように、本体34の輪郭が整えられる。本発明において、長辺faが軸方向に対してなす角度と、リムシート54の傾斜角度との差が、5°以下である場合に、長辺faがリムシート54と略平行と判断される。
図2において、符号CEはタイヤ2とリム50との接触面の一方の端を表している。図2に示されているように、軸方向において、この端CEより内側の部分では、タイヤ2はリム50とは接触していない。この端CEより軸方向内側の部分には、タイヤ2とリム50との間に隙間が形成される。
図2に示されているように、接触面の端CEの位置は、軸方向において、本体34の角部aの位置と略一致している。言い換えれば、このタイヤ2がリム50に組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態では、接触面の端CEは、軸方向において、本体34の角部aに対応する位置に形成される。
図3には、コア28の断面が詳細に示されている。前述したように、コア28は、本体34と、この本体34を覆うカバー36とを備えている。このタイヤ2では、カバー36はシート状である。図3に示されているように、カバー36は本体34の周りを一重に巻かれている。カバー36の一方の端60の部分と、その他方の端62の部分とが、オーバーラップされている。このタイヤ2では、カバー36の一方の端60の部分と、その他方の端62の部分とが、オーバーラップされることなく、カバー36の一方の端60とその他方の端62とが継ぎ合わされてもよい。後述するが、このタイヤ2では、このカバー36は本体34の周りを2周以上巻かれることはない。つまり、このタイヤ2では、カバー36は本体34の周りを1周以上2周未満巻回されている。
図3に示されているように、カバー36のオーバーラップ64は本体34の角部cと角部dとの間において形成されている。このタイヤ2では、このオーバーラップ64は、角部c及び角部dを経由する角部bから角部eまでの範囲に形成されればよく、この範囲に形成されるのであれば、このオーバーラップ64の位置に特に制限はない。
図3において、両矢印LLはカバー36におけるオーバーラップ64の長さである。この長さLLは、この図3に示されたコア28の断面において、カバー36の一方の端60からその他方の端62までの長さで表される。
このタイヤ2では、カバー36の一方の端60の部分と、その他方の端62の部分との十分な接合の観点から、オーバーラップ64の長さLLは3mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましい。十分に大きなオーバーラップ64はタイヤ2の質量に影響するので、軽量化の観点から、この長さLLは、15mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましい。
図4には、カバー36の、厚さ方向に沿った断面が示されている。このタイヤ2では、カバー36は布66と一対のシート68とからなる。つまりカバー36は布66を含んでいる。図4から明らかなように、布66は2つのシート68で挟まれている。
このタイヤ2では、シート68はゴム組成物を架橋したものからなる。言い換えれば、シート68は架橋ゴムである。このタイヤ2では、シート68のためのゴム組成物に特に制限はない。このシート68のために、カーカスプライ38、ベルト16又はフィラー22のためのトッピングゴムと同等の組成を有するゴム組成物が用いられてもよい。
図5には、カバー36の構成部材としての布66が模式的に示されている。図2に示されているように、カバー36の外側にはカーカスプライ38が位置している。この図5には、カバー36の外側に位置するカーカスプライ38に含まれるカーカスコード70が点線で示されている。
図5において、太実線は、カバー36の布66を構成する、経糸72及び緯糸74を表している。つまり、このタイヤ2では、カバー36の布66は、並列された多数の経糸72と、並列された多数の緯糸74とで構成されている。この布66は、それぞれの経糸72とそれぞれの緯糸74とを交互に上下に交差させて織られたものである。この布66は、平織物である。このカバー36は、経糸72と緯糸74とが組み合わされた平織物を含んでいる。
このタイヤ2では、経糸72及び緯糸74のそれぞれは有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。このタイヤ2では、カバー36の布66は、同じ材質からなる経糸72及び緯糸74を用いて構成されている。この布66が、材質が異なる経糸72及び緯糸74を用いて構成されてもよい。
このタイヤ2では、コア28の本体34とカーカスプライ38との間には、このコア28のカバー36が少なくとも存在する。このカバー36の布66とカーカスコード70との間には、少なくとも、このカバー36のシート68とカーカスプライ38のトッピングゴムとが存在している。つまり、布66とカーカスコード70との間には、ゴムが存在している。ゴムは、布66及びカーカスコード70よりも軟質である。
タイヤ2に荷重が作用すると、カーカスプライ38の主部40に含まれるカーカスコード70には、このカーカスコード70を半径方向外向きに引き延ばす方向に、張力が作用する。この作用により、カーカスコード70は布66に押し付けられるように付勢される。そして、このカーカスコード70の付勢によって、カーカスコード70と布66との間に存在するゴムが流動し、このゴムが消失すれば、このカーカスコード70が、コア28の本体34の角部b及びaに近接し、場合によっては、このカーカスコード70が切断する恐れがある。
図5において、角度αは経糸72が緯糸74に対してなす角度である。この角度αは、緯糸74が経糸72に対してなす角度でもある。この角度αは、経糸72と緯糸74との交差の角度である。この角度αは、カーカスコード70とコア28との間に存在するゴムの流動に影響する。つまり、経糸72と緯糸74とが平行に近い状態で配置される場合には、経糸72による緯糸74の拘束力、又は緯糸74による経糸72の拘束力が低下し、このゴムが布66を通過する恐れがあるからである。
このタイヤ2では、経糸72と緯糸74とが平行に近い状態で配置されることがないよう、交差の角度αは設定されている。具体的には、この角度αは45°以上125°以下である。
このタイヤ2では、交差の角度αが45°以上に設定されることにより、カーカスコード70に過剰な張力が作用しても、布66をなす平織物がカーカスコード70とコア28との間に存在するゴムの流動を抑える。カーカスコード70とコア28との間にゴムが消失することなく存在するので、カーカスコード70の、平織物又は本体34との接触が防止される。この平織物は、カーカスコード70が切断するような損傷の発生を防止する。この観点から、この角度αは60°以上が好ましく、90°以上がより好ましい。このタイヤ2では、交差の角度αが125°以下に設定された場合も、平織物による、前述の作用が発揮される。つまり、カーカスコード70に過剰な張力が作用しても、布66をなす平織物がカーカスコード70とコア28との間に存在するゴムの流動を抑える。カーカスコード70とコア28との間にゴムが消失することなく存在するので、カーカスコード70の、平織物又は本体34との接触が防止される。この平織物は、カーカスコード70が切断するような損傷の発生を防止する。この観点から、この角度αは110°以下がより好ましい。
このタイヤ2では、経糸72はカーカスコード70に対して傾斜している。図5において、角度βpは経糸72がカーカスコード70に対してなす角度を表している。この角度βpは、カーカスコード70に対する経糸72の傾斜の角度である。
経糸72とカーカスコード70とが平行に近い状態で配置されると、カーカスコード70に大きな張力が作用した場合に、このカーカスコード70によって経糸72が本体34側に押し込められ、ゴムが布66を通過する恐れがある。このため、このタイヤ2では、経糸72とカーカスコード70とは平行に近い状態で配置されることがないよう、傾斜の角度βpは設定されている。具体的には、この角度βpは22.5°以上67.5°以下である。
このタイヤ2では、傾斜の角度βpが22.5°以上に設定されることにより、カーカスコード70に過剰な張力が作用しても、カーカスコード70とコア28との間に存在するゴムの流動が効果的に抑えられる。カーカスコード70とコア28との間にゴムが消失することなく存在するので、カーカスコード70の、平織物又は本体34との接触が防止される。これにより、カーカスコード70が切断するような損傷の発生が防止される。この観点から、この角度βpは30°以上が好ましい。このタイヤ2では、傾斜の角度βpが67.5°以下に設定された場合も、同様の作用が発揮される。つまり、カーカスコード70に過剰な張力が作用しても、カーカスコード70とコア28との間に存在するゴムの流動が効果的に抑えられる。カーカスコード70とコア28との間にゴムが消失することなく存在するので、カーカスコード70の、平織物又は本体34との接触が防止される。これにより、カーカスコード70が切断するような損傷の発生が防止される。この観点から、この角度βpは50°以下が好ましい。
このタイヤ2では、緯糸74はカーカスコード70に対して傾斜している。図5において、角度βtは緯糸74がカーカスコード70に対してなす角度を表している。この角度βtは、カーカスコード70に対する緯糸74の傾斜の角度である。
緯糸74とカーカスコード70とが平行に近い状態で配置されると、カーカスコード70に大きな張力が作用した場合に、このカーカスコード70によって緯糸74が本体34側に押し込められ、ゴムが布66を通過する恐れがある。このため、このタイヤ2では、緯糸74とカーカスコード70とは平行に近い状態で配置されることがないよう、傾斜の角度βtは設定されている。具体的には、この角度βtは22.5°以上67.5°以下である。
このタイヤ2では、傾斜の角度βtが22.5°以上に設定されることにより、カーカスコード70に過剰な張力が作用しても、カーカスコード70とコア28との間に存在するゴムの流動が効果的に抑えられる。カーカスコード70とコア28との間にゴムが消失することなく存在するので、カーカスコード70の、平織物又は本体34との接触が防止される。これにより、カーカスコード70が切断するような損傷の発生が防止される。この観点から、この角度βpは30°以上が好ましい。このタイヤ2では、傾斜の角度βtが67.5°以下に設定された場合も、同様の作用が発揮される。つまり、カーカスコード70に過剰な張力が作用しても、カーカスコード70とコア28との間に存在するゴムの流動が効果的に抑えられる。カーカスコード70とコア28との間にゴムが消失することなく存在するので、カーカスコード70の、平織物又は本体34との接触が防止される。これにより、カーカスコード70が切断するような損傷の発生が防止される。この観点から、この角度βtは50°以下が好ましい。
このように、このタイヤ2では、ビード12のコア28が、本体34とカバー36とを備えている。カバー36は平織物を含んでおり、平織物の経糸72とその緯糸74との交差の角度は45°以上125°以下である。さらに経糸72はカーカスコード70に対して傾斜しており、この傾斜の角度βpは22.5°以上67.5°以下である。緯糸74も、カーカスコード70に対して傾斜しており、この傾斜の角度βtは22.5°以上67.5°以下である。このタイヤ2では、経糸72と緯糸74とが互いに十分に拘束された平織物を用い、しかも経糸72及び緯糸74のそれぞれがカーカスコード70と平行にならないように、この平織物が配置されている。これらの相乗的な作用により、このタイヤ2では、カーカスコード70に過剰な張力が作用しても、この平織物によって、カーカスコード70とコア28との間に存在するゴムの流動が十分に抑えられる。カーカスコード70とコア28との間にゴムが消失することなく存在するので、カーカスコード70の、平織物又は本体34との接触が十分に防止される。このタイヤ2では、カーカスコード70が切断するような損傷は、発生しにくい。このタイヤ2では、耐久性の向上が達成される。
前述したように、このタイヤ2では、本体34の断面は、軸方向に長い、偏平な六角形状を呈している。このため、この断面の輪郭において、角部bの部分は角部aの部分よりも若干鋭い。特に、この角部bの部分にカーカスコード70が接触すると、このカーカスコード70の切断が促される恐れがある。しかし、前述したように、このタイヤ2では、平織物が、カーカスコード70とコア28との間に存在するゴムの流動を抑えることで、カーカスコード70の、平織物又は本体34との接触が防止されている。このため、このタイヤ2では、従来のタイヤのように、角部を滑らかにしカーカスコード70の切断を防止するために、コア28の周りでカバー36を2回も巻回す必要はない。このタイヤ2では、カバー36の巻回しによる、生産性への影響が抑えられている。
以上の説明から明らかなように、このタイヤ2では、生産性を損なうことなく、耐久性の向上が達成される。言い換えれば、本発明によれば、生産性を損なうことなく、耐久性の向上が達成された空気入りタイヤ2が得られる。
図5において、両矢印Dpは、一の経糸72とこの一の経糸72の隣に位置する他の経糸72との間隔である。両矢印Dtは、一の緯糸74とこの一の緯糸74の隣に位置する他の緯糸74との間隔である。このタイヤ2では、カバー36の布66をなす平織物において、多数の経糸72が、間隔Dpをあけて配置されている。多数の緯糸74が、間隔Dtをあけて配置されている。
このタイヤ2では、経糸72の間隔Dpは0.5mm以上が好ましく、2.0mm以下が好ましい。この間隔Dpが0.5mm以上に設定されることにより、布66をなす平織物の剛性が過大とならず適切に維持される。このタイヤ2では、この布66を含むカバー36は本体34に巻き付けやすい。このタイヤ2では、良好な生産性が維持される。この観点から、この間隔Dpは0.7mm以上がより好ましい。この間隔Dpが2.0mm以下に設定されることにより、平織物の目が適切に維持され、この平織物がカーカスコード70とコア28との間に存在するゴムの流動を効果的に抑えることができる。このタイヤ2では、カーカスコード70の、平織物又は本体34との接触が十分に防止されるので、このカーカスコード70が切断するような損傷が発生しにくい。このタイヤ2は、耐久性に優れる。この観点から、この間隔Dpは1.3mm以下がより好ましい。
このタイヤ2では、緯糸74の間隔Dtは0.5mm以上が好ましく、2.0mm以下が好ましい。この間隔Dtが0.5mm以上に設定されることにより、布66をなす平織物の剛性が過大とならず適切に維持される。このタイヤ2では、この布66を含むカバー36は本体34に巻き付けやすい。このタイヤ2では、良好な生産性が維持される。この観点から、この間隔Dtは0.7mm以上がより好ましい。この間隔Dtが2.0mm以下に設定されることにより、平織物の目が適切に維持され、この平織物がカーカスコード70とコア28との間に存在するゴムの流動を効果的に抑えることができる。このタイヤ2では、カーカスコード70の、平織物又は本体34との接触が十分に防止されるので、このカーカスコード70が切断するような損傷が発生しにくい。このタイヤ2は、耐久性に優れる。この観点から、この間隔Dtは1.3mm以下がより好ましい。
このタイヤ2では、経糸72の強力Fpは20N以上が好ましい。この強力Fpが20N以上に設定されることにより、経糸72が適度な剛性を有する。カーカスコード70に過剰な張力が作用し、このカーカスコード70が布66に押し付けられるように付勢されても、この経糸72は切断しにくい。平織物によって、カーカスコード70とコア28との間に存在するゴムの流動が効果的に抑えられるので、このタイヤ2では、カーカスコード70の、平織物又は本体34との接触が十分に防止される。このタイヤ2では、カーカスコード70が切断するような損傷は発生しにくい。この観点から、この強力Fpは30N以上がより好ましい。経糸72の強力Fpは、布66の剛性に影響する。この布66を含むカバー36の、コア28の本体34への巻き付けが容易との観点から、この強力Fpは100N以下が好ましく、75N以下がより好ましい。
本発明において、経糸72の強力Fpは、「JIS L1017」における「引張強さ」に準じて測定される。この「引張強さ」を得るために計測される「切断時の強さ」が、本発明の「糸の強力」である。すなわち、経糸72、一本あたりの切断時の強さが、経糸72の強力Fpとして表される。後述の緯糸74の強力Ftも、この経糸72の強力Fpと同様にして、測定される。
このタイヤ2では、緯糸74の強力Ftは20N以上が好ましい。この強力Ftが20N以上に設定されることにより、緯糸74が適度な剛性を有する。カーカスコード70に過剰な張力が作用し、このカーカスコード70が布66に押し付けられるように付勢されても、この緯糸74は切断しにくい。平織物によって、カーカスコード70とコア28との間に存在するゴムの流動が効果的に抑えられるので、このタイヤ2では、カーカスコード70の、平織物又は本体34との接触が十分に防止される。このタイヤ2では、カーカスコード70が切断するような損傷は発生しにくい。この観点から、この強力Ftは30N以上がより好ましい。緯糸74の強力Ftは、布66の剛性に影響する。この布66を含むカバー36の、コア28の本体34への巻き付けが容易との観点から、この強力Ftは100N以下が好ましく、75N以下がより好ましい。
このタイヤ2では、経糸72の繊度は300dtex以上が好ましい。この繊度が300dtex以上に設定されることにより、経糸72が適度な剛性を有する。カーカスコード70に過剰な張力が作用し、このカーカスコード70が布66に押し付けられるように付勢されても、この経糸72は切断しにくい。平織物によって、カーカスコード70とコア28との間に存在するゴムの流動が効果的に抑えられるので、このタイヤ2では、カーカスコード70の、平織物又は本体34との接触が十分に防止される。このタイヤ2では、カーカスコード70が切断するような損傷は発生しにくい。経糸72の繊度は、布66の剛性に影響する。この布66を含むカバー36の、コア28の本体34への巻き付けが容易との観点から、この繊度は1670dtex以下が好ましい。
このタイヤ2では、緯糸74の繊度は300dtex以上が好ましい。この繊度が300dtex以上に設定されることにより、緯糸74が適度な剛性を有する。カーカスコード70に過剰な張力が作用し、このカーカスコード70が布66に押し付けられるように付勢されても、この緯糸74は切断しにくい。平織物によって、カーカスコード70とコア28との間に存在するゴムの流動が効果的に抑えられるので、このタイヤ2では、カーカスコード70の、平織物又は本体34との接触が十分に防止される。このタイヤ2では、カーカスコード70が切断するような損傷は発生しにくい。緯糸74の繊度は、布66の剛性に影響する。この布66を含むカバー36の、コア28の本体34への巻き付けが容易との観点から、この繊度は1670dtex以下が好ましい。
図4において、両矢印tはカバー36の厚さである。両矢印ttは、このカバー36の一部をなす布66の厚さである。両矢印trは、この布66に積層されたシート68の厚さである。カバー36の厚さtは、布66の厚さtt、及びこの布66の両側のそれぞれに位置する2枚のシート68の厚さtrの和(tt+2tr)で表される。
このタイヤ2では、布66の厚さttは0.1mmから0.8mmの範囲にある。シート68の厚さtrは、0.1mmから0.5mmの範囲にある。
このタイヤ2では、布66及び2枚のシート68を組み合わせて構成されるカバー36の厚さtは、0.6mm以上が好ましく、1.2mm以下が好ましい。この厚さtが0.6mm以上に設定されることにより、カーカスコード70とコア28との間に存在するゴムの量が適切に確保され、カーカスコード70の、平織物又は本体34との接触が防止される。このタイヤ2では、カーカスコード70が切断するような損傷は発生しにくい。このタイヤ2は、耐久性に優れる。この厚さtが1.2mm以下に設定されることにより、カバー36の剛性が適切に維持される。このタイヤ2では、カバー36はコア28の本体34に巻き付けやすい。このタイヤ2では、良好な生産性が維持される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1−5に示されたタイヤを製作した。このタイヤのサイズは、12.00R20である。この実施例1では、ナイロン繊維からなる平織物がカバーの布として用いられている。この平織物における経糸及び緯糸の繊度は、490dtexであった。この実施例1の諸元は、下記の表1に示された通りである。
[実施例2−3及び比較例1−2]
経糸と緯糸との交差の角度α、経糸がカーカスコードに対してなす傾斜の角度βp、及び緯糸がカーカスコードに対してなす傾斜の角度βtを下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−3及び比較例1−2のタイヤを得た。
[実施例4−5及び比較例3−4]
交差の角度α、及び傾斜の角度βpを下記の表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例4−5及び比較例3−4のタイヤを得た。
[実施例6−7及び比較例5−6]
交差の角度α、及び傾斜の角度βtを下記の表3に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例6−7及び比較例5−6のタイヤを得た。
[実施例8−11]
経糸の間隔Dp、及び緯糸の間隔Dtを下記の表4に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例8−11のタイヤを得た。
[実施例12−13]
経糸の強力Fp、及び緯糸の強力Ftを下記の表4に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例12−13のタイヤを得た。
[実施例14−17]
カバーの厚さtを下記の表5に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例14−17のタイヤを得た。
[耐久性]
タイヤをリム(サイズ=2.0×8.8)に組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を1650kPaとした。このタイヤをドラム式走行試験機に装着し、正規荷重の300%の縦荷重をタイヤに負荷した。このタイヤを、20km/hの速度で、直径が1.7mであるドラムの上を走行させた。150時間走行後、タイヤにおける、カーカスコードからコアの本体までの厚さを測定した。この結果が、指数として、下記の表1−5に示されている。数値が大きいほど、カーカスコードとコアとの間にゴムが十分に存在し、カーカスコードの切断が生じにくく、好ましい。
[生産性]
本体へカバーを巻き付けて、コアが製作されるかを確認した。製作したコア全数に占める、カバーを巻き付けることができなかったコアの本数の比率(仕損率とも称される)を算出した。この結果が、指数として、下記の表1−5に示されている。100に近いほど、仕損率が小さく好ましい。
Figure 0006668916
Figure 0006668916
Figure 0006668916
Figure 0006668916
Figure 0006668916
表1−5に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたコアに関する技術は、種々のタイヤにも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・クリンチ
10・・・チェーファー
12・・・ビード
14・・・カーカス
16・・・ベルト
28・・・コア
30・・・エイペックス
32・・・ワイヤー
34・・・本体
36・・・カバー
38・・・カーカスプライ
50・・・リム
52・・・嵌合部
54・・・リムシート
56・・・リムフランジ
66・・・布
68・・・シート
70・・・カーカスコード
72・・・経糸
74・・・緯糸

Claims (4)

  1. トレッド、一対のサイドウォール、一対のビード及びカーカスを備えており、
    それぞれのサイドウォールが、上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びており、
    それぞれのビードが、上記サイドウォールよりも半径方向内側に位置しており、
    上記カーカスが、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されており、
    上記カーカスがカーカスプライを備えており、
    上記カーカスプライがカーカスコードを含んでおり、
    上記ビードが周方向に延在するコアを含んでおり、
    上記コアが、断面が六角形状を呈する本体と、この本体を覆うカバーとを備えており、
    上記カバーが上記本体の周りを1周以上2周未満巻回されており、
    上記カバーが、経糸と緯糸とが組み合わされた平織物を含んでおり、
    上記経糸と上記緯糸とが交差しており、この交差の角度が45°以上125°以下であり、
    上記経糸が上記カーカスコードに対して傾斜しており、この傾斜の角度が22.5°以上67.5°以下である、空気入りタイヤ。
  2. 上記平織物において、多数の上記経糸が間隔をあけて配置されており、多数の上記緯糸が間隔をあけて配置されており、
    上記経糸の間隔が0.5mm以上2.0mm以下であり、
    上記緯糸の間隔が0.5mm以上2.0mm以下である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 上記経糸の強力が20N以上であり、
    上記緯糸の強力が20N以上である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記カバーの厚さが0.6mm以上1.2mm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
JP2016087759A 2016-04-26 2016-04-26 空気入りタイヤ Active JP6668916B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016087759A JP6668916B2 (ja) 2016-04-26 2016-04-26 空気入りタイヤ
CN201710238555.3A CN107310334B (zh) 2016-04-26 2017-04-13 充气轮胎
EP17166839.5A EP3238962B1 (en) 2016-04-26 2017-04-18 Pneumatic tire
US15/496,870 US10479144B2 (en) 2016-04-26 2017-04-25 Pneumatic tire

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016087759A JP6668916B2 (ja) 2016-04-26 2016-04-26 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017196955A JP2017196955A (ja) 2017-11-02
JP6668916B2 true JP6668916B2 (ja) 2020-03-18

Family

ID=58549070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016087759A Active JP6668916B2 (ja) 2016-04-26 2016-04-26 空気入りタイヤ

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10479144B2 (ja)
EP (1) EP3238962B1 (ja)
JP (1) JP6668916B2 (ja)
CN (1) CN107310334B (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7154947B2 (ja) * 2018-10-26 2022-10-18 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤの製造方法及びビード部材の収納ホルダー
JP7138079B2 (ja) * 2019-05-17 2022-09-15 Toyo Tire株式会社 ビードコア被覆方法及びビードコア被覆装置
JP7302400B2 (ja) * 2019-09-11 2023-07-04 住友ゴム工業株式会社 重荷重用空気入りタイヤ
JP2023147478A (ja) * 2022-03-30 2023-10-13 住友ゴム工業株式会社 タイヤ

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62121039A (ja) * 1985-11-21 1987-06-02 Bridgestone Corp タイヤビ−ドコア用カバ−テ−プ
JP3096925B2 (ja) * 1991-07-22 2000-10-10 横浜ゴム株式会社 空気入りラジアルタイヤ
DE4424279C2 (de) * 1994-07-09 1999-07-01 Uniroyal Englebert Gmbh Bandage zur Erziehung eines Zusammenhalts von festigkeitsgebenden Schichten eines Fahrzeugreifens, Verwendung der Bandage sowie Verfahren zur Herstellung eines Bandagenmaterials
JP3848771B2 (ja) * 1998-01-09 2006-11-22 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
US6273162B1 (en) 1998-04-10 2001-08-14 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Pneumatic tire with specified bead portion
JP3101605B2 (ja) * 1998-04-10 2000-10-23 住友ゴム工業株式会社 重荷重、小型トラック用の空気入りタイヤ
JP3441720B2 (ja) * 2000-06-05 2003-09-02 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP4267892B2 (ja) * 2002-10-21 2009-05-27 株式会社ブリヂストン スチールラジアルタイヤ及びその製造方法
JP4393759B2 (ja) * 2002-11-26 2010-01-06 不二精工株式会社 空気入りラジアルタイヤ及びそのビード
JP2005170062A (ja) * 2003-12-05 2005-06-30 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2006137348A (ja) * 2004-11-12 2006-06-01 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP4996112B2 (ja) * 2006-03-01 2012-08-08 株式会社ブリヂストン 空気入りラジアルタイヤ
JP4934178B2 (ja) * 2009-09-04 2012-05-16 住友ゴム工業株式会社 重荷重用空気入りタイヤ
JP2012040900A (ja) * 2010-08-16 2012-03-01 Bridgestone Corp タイヤ
JP5929026B2 (ja) * 2011-07-14 2016-06-01 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN107310334A (zh) 2017-11-03
EP3238962A1 (en) 2017-11-01
CN107310334B (zh) 2020-09-29
US10479144B2 (en) 2019-11-19
US20170305205A1 (en) 2017-10-26
EP3238962B1 (en) 2018-06-13
JP2017196955A (ja) 2017-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6623735B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP6249518B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5858069B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6668916B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6445870B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5075688B2 (ja) 自動二輪車用タイヤ
JP6408956B2 (ja) 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP2006256384A (ja) 重荷重用タイヤ
JP6292710B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP6384032B2 (ja) 建設車両用空気入りラジアルタイヤ
US10315466B2 (en) Pneumatic tire
JP7072494B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2007238041A (ja) 空気入りタイヤ
JP2012066798A (ja) 空気入りタイヤ
JP5309731B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2024508344A (ja) 空気入りタイヤ
JP6754188B2 (ja) 航空機用タイヤ
JP6378571B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2014088101A (ja) 空気入りタイヤ
JP5237211B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5944700B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5633217B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP2017213944A (ja) 空気入りタイヤ
US10744826B2 (en) Pneumatic tire
JP2016165919A (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6668916

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250