JP6667536B2 - カーボンナノチューブ集合体、カーボンナノチューブ複合材料及びカーボンナノチューブ線材 - Google Patents
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Description
(1)1層以上の層構造を有する複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ集合体であって、
前記カーボンナノチューブ集合体を構成するカーボンナノチューブの個数に対する、2層構造又は3層構造を有するカーボンナノチューブの個数の和の比率が75%以上であり、
ラマン分光法におけるラマンスペクトルのGバンドに由来するピークのうち、半導体性のカーボンナノチューブに由来するG+/Gtotal比が0.70以上であることを特徴と
する、カーボンナノチューブ集合体。
(2)前記ラマンスペクトルのGバンドと結晶性に由来するDバンドとの比であるG/D比が、45以上であることを特徴とする、上記(1)記載のカーボンナノチューブ集合体。
(3)前記複数のカーボンナノチューブに、硝酸、硫酸、ヨウ素、臭素、カリウム、ナトリウム、ホウ素及び窒素からなる群から選択される1つ以上の異種元素もしくは分子がドープされていることを特徴とする、上記(1)記載のカーボンナノチューブ集合体。
(4)前記複数のカーボンナノチューブに、リチウム、ルビジウム、セシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されたいずれかの異種元素がドープされていることを特徴とする、上記(1)記載のカーボンナノチューブ複合材料。
(5)前記カーボンナノチューブの最外層の外径が、5.0nm以下であることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のカーボンナノチューブ集合体。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のカーボンナノチューブの複数が束ねられてなるカーボンナノチューブ線材。
(7)1層以上の層構造を有するカーボンナノチューブと、前記カーボンナノチューブの内部に含まれる異種元素とを備えるカーボンナノチューブ複合材料であって、
前記カーボンナノチューブを構成する炭素原子と前記異種元素の原子との最近接距離が、前記カーボンナノチューブを構成する炭素原子と当該カーボンナノチューブの径方向断面における中心との距離よりも小さいことを特徴とする、カーボンナノチューブ複合材料。
(8)前記最近接距離が、2.0オングストローム以上4.0オングストローム以下であることを特徴とする、上記(7)記載のカーボンナノチューブ複合材料。
(9)前記異種元素が、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されたいずれかの元素であることを特徴とする、上記(7)記載のカーボンナノチューブ複合材料。
(10)前記カーボンナノチューブが、2層又は3層の層構造を有することを特徴とする、上記(7)記載のカーボンナノチューブ複合材料。
(11)前記カーボンナノチューブを構成する前記炭素原子と前記最近接距離に位置する前記異種元素の原子との間における電荷移動量が、前記異種元素1個当たり0.5個以上であることを特徴とする、上記(9)又は(10)記載のカーボンナノチューブ複合材料。
(12)前記カーボンナノチューブの質量に対する前記カーボンナノチューブ複合材料の質量の比が、1.005〜1.25であることを特徴とする、上記(9)〜(11)のいずれかに記載のカーボンナノチューブ複合材料。
(13)上記(7)〜(12)のいずれかに記載のカーボンナノチューブ複合材料の複数が束ねられてなるカーボンナノチューブ線材。
(14)1層以上の層構造を有するカーボンナノチューブと、前記カーボンナノチューブの内部に含まれる異種元素とを備えるカーボンナノチューブ複合材料であって、
前記カーボンナノチューブ複合材料を構成するカーボンナノチューブの個数に対する、2層構造又は3層構造を有するカーボンナノチューブの個数の和の比率が75%以上であり、
ラマン分光法におけるラマンスペクトルのGバンドに由来するピークのうち、半導体性のカーボンナノチューブに由来するG+/Gtotal比が0.70以上であり、
前記カーボンナノチューブを構成する炭素原子と前記異種元素の原子との最近接距離が、前記カーボンナノチューブの最内層を構成する炭素原子と前記最内層の径方向断面における中心との距離よりも小さいことを特徴とする、カーボンナノチューブ複合材料。
(15)上記(14)記載のカーボンナノチューブ複合材料の複数が束ねられてなるカーボンナノチューブ線材。
図1(a)〜(f)は、本発明の実施形態に係るカーボンナノチューブ線材の構成を概略的に示す図である。なお、図1におけるカーボンナノチューブ線材は、その一例を示すものであり、本発明に係る各構成の形状、寸法等は、図1のものに限られないものとする。
本実施形態では、複数のCNT11a,11a,・・・を束ねて構成されるCNT集合体11において、複数のCNT11a、11a,・・・の個数に対する、2層構造又は3層構造を有するCNTの個数の和の比率が75%以上である。CNT集合体11を構成するCNTの層数を測定した結果の一例を図3のグラフに示す。同図において、CNT集合体11を構成するCNTの総数(186個)に対し、2層構造を有するCNTの個数(55個)と3層構造を有するCNTの個数(90個)との和の割合が78.0%(=145/186×100)である。すなわち、一のCNT集合体を構成する全CNTの総数をNTOTAL、上記全CNTのうち2層構造を有するCNT(2)の数の和をNCNT(2)、上記全CNTのうち3層構造を有するCNT(3)の数の和をNCNT(3)としたとき、下記式(1)で表すことができる。
(NCNT(2)+NCNT(3))/NTOTAL×100(%)≧75(%) ・・・(1)
ラマン分光法を用いて炭素系の物質を解析すると、ラマンシフト1590cm−1付近に、Gバンドと呼ばれる、六員環の面内振動に由来するスペクトルのピークが検出される。また、CNTでは、図4に示すように、その形状が円筒状であるためにGバンドが2つに分裂し、G+バンドとG−バンドの2つのスペクトルのピークが現れる。なお、図4のスペクトル分析結果は後述する実施例1に対応している。G+バンドはCNT軸方向の縦波(LO)モード、G−バンドは軸方向に垂直な横波(TO)モードにそれぞれ対応しており、G+バンドのピークは、CNTの外径に因らず1590cm−1付近に現れるのに対し、G−バンドのピークは、CNTの外径の2乗に反比例してG+バンドからシフトして現れる。
図8は、本発明の実施形態に係るカーボンナノチューブ複合材料を概略的に示す図であり、(a)は、単層構造を有するCNTに異種元素であるリチウムをドープさせてなるCNT複合材料の例を示す部分平面図、(b)はその側面図である。
図8(a)及び(b)に示すように、CNT複合材料12aは、単層構造を有するCNT13と、該CNTの内部に含まれる異種元素14とを備える。以下、本実施形態ではCNT13に異種元素14をドープさせたものをCNT複合材料と称する。CNT13の内部に異種元素14の原子が位置することで、CNT13内に多くのキャリアを生成することができる。
CNT複合材料12は、例えばドープ原子の蒸気の中に高温で数時間加熱することによって製造することができる。これにより、異種元素14の原子の中心位置PdがCNT13の中心位置PからずれたCNT複合材料を得ることができる。
第一原理計算でのシミュレーションでは、密度汎関数理論(Density Functional Theory, DFT)に基づくコーン・シャム方程式を用いた。密度汎関数理論では、電子間の相互作用を表す交換相関ポテンシャルを電子密度の汎関数で表すことにより、電子状態の計算を高速化できる利点がある。また、交換相関ポテンシャルをGGA法(密度勾配展開法)によって表現し、さらに、50Rydのカットオフエネルギーを有する平面波基底関数を用いた。なお、カットオフエネルギーは、計算に用いられる波動関数の数にかかわるものであり、波動関数の数はカットオフエネルギーの3/2乗に比例する。k点サンプリング数は、1×1×8とした。計算ソフトウェアとして、「Quantum−ESPRESSO」を用いて計算を行った。
電荷移動量の評価は、CNTを構成する炭素原子と最近接距離に位置する当該異種元素の原子との間における電荷移動量(個/ドーパント)を算出することにより行う。具体的には、上記第一原理計算を行うソフトウェアにより、CNT構造(距離)を精密化し、そのときの電荷移動量を算出する。そして、ドーパントとCNTの間の電荷移動量が、ドーパント1個あたり1.2個以上である場合を極めて良好「◎」、0.8個/ドーパント以上1.2個/ドーパント未満である場合を良好「〇」、0.5個/ドーパント以上0.8個/ドーパント未満である場合をほぼ良好「△」、0.5個/ドーパント未満である場合を不良「×」とした。
また、質量増加割合は、キャリア密度を1.0×1021個/cm3(金属性CNTに相当するキャリア密度)とした場合の、CNTの質量に対するCNT複合材料の質量の比を算出した。
本実施形態のCNT集合体は、以下の方法で製造される。先ず、浮遊触媒気相成長(CCVD)法により、炭素源に触媒及び反応促進剤を含む混合物を供給して、複数のCNTを生成する。このとき、炭素源には六員環を有する飽和炭化水素、触媒には鉄などの金属触媒、反応促進剤には硫黄化合物をそれぞれ用いることができる。また本実施形態では、キャリアガス流量の増加に伴ってSWNTの割合が減少する点を考慮し、原料組成及び噴霧条件を調整して2層又は3層構造を有するCNTの比率を高める。
上記製法にて得られた本実施形態のCNT集合体では、抵抗率が6.9×10−6Ω・cm以下である。この抵抗率は、上記従来技術における最小の抵抗率1.55×10−5Ω・cmと比較して、約45%の低抵抗化を実現している。また、銅の抵抗率1.68×10−6Ω・cmやアルミニウムの抵抗率2.65×10−6Ω・cmと比較すると若干高いものの、これらと同じオーダー(×10−6)の抵抗率を達成している。よって、本実施形態のCNT集合体を、銅あるいはアルミニウム線材に代わる線材として使用すれば、銅やアルミニウムと同等の抵抗率を維持しつつ、軽量化を実現することができる。
(実施例1〜2)
浮遊触媒気相成長(CCVD)法を用い、図11に示すようなCNT製造装置にて、電気炉21によって1300℃に加熱された、内径φ60mm、長さ1600mmのアルミナ管22内部に、炭素源であるデカヒドロナフタレン、触媒であるフェロセン、及び反応促進剤であるチオフェンを含む原料溶液Lを、スプレー噴霧により供給した。キャリアガスGは、水素を9.5L/minで供給した。得られたCNTを回収機23にてシート状に回収し、これを巻いて撚りをかけることによりCNT集合体を製造した。次に、得られたCNT集合体を、大気下において500℃に加熱し、さらに酸処理を施すことによって高純度化を行った。その後、高純度化したCNT集合体に対し、硝酸ドープを施した。図12(a)に示すような直径約180μmのCNT集合体を得た。
(a)CNT集合体を構成するCNTの層数及び外径の測定
上記条件により生成したCNT集合体の断面を、図12(b)に示すように透過型電子顕微鏡で観察及び解析し、約200個のCNTのそれぞれの層数、及びCNT集合体の最外周に位置するCNTの外径を測定した。
ラマン分光装置(Thermo Fisher Scientific社製、装置名「ALMEGA XR」により、励起レーザ:532nm、レーザ強度:10%に減光、対物レンズ:50倍、露光時間:1秒×60回の条件にて測定し、ラマンスペクトルを得た。次に日本分光社製のスペクトル解析ソフトウェア「Spectra Manager」により、ラマンスペクトルの1000〜2000cm-1のデータを切り出し、この範囲で検出されるピーク群をCurve Fittingにより分離解析を行った。尚、ベースラインは1000cm-1と2000cm-1での検出強度を結んだ線とする。Gバンドのうち、1590cm-1付近に検出される最も大きい強度で検出されるピークがG+バンド、これよりも低波数側で1550〜1590cm-1付近に観測されるピークがG−バンドであり、”Gtotal=(G+ピークの面積値 + G−ピークの面積値)”と定義し、G+/Gtotal比を算出した。G/D比については上記と同様に切り出したラマンスペクトルから、GバンドとDバンドそれぞれのピークトップ高さ(ピークトップからベースラインの値を差し引いた検出強度)から算出した。
抵抗測定機(ケースレー社製、装置名「DMM2000」)にCNT複合材料を接続し、4端子法により抵抗測定を実施した。抵抗率は、r=RA/L(R:抵抗、A:CNT集合体の断面積、L:測定長さ)の計算式に基づいて抵抗率を算出した。
比較例1〜4について、従来技術の製法にてCNT複合材料を得た。得られたCNT集合体におけるCNTの層数及び外径、CNT集合体の抵抗率、並びにG/D比及びG+/Gtotal比を、実施例と同様方法にて測定した。各比較例では、3点を測定し(n=3)、その平均値を求めた。
上記実施例1〜2及び比較例1〜4の測定結果を、表3に示す。
比較例2では、2層又は3層構造を有するCNTの比率が5%以下(主要なCNTは、単層構造)、G/D比が42、G+/Gtotal比が0.70であり、2層又は3層構造を有するCNTの比率が本発明の範囲外であることから、抵抗率が2.1×10−4Ω・cmと劣った。
比較例4では、2層又は3層構造を有するCNTの比率が5%以下(主要なCNTは、15層構造以上)、G/D比が2.2、G+/Gtotal比が算出不可(Gバンドのスペクトルピークが未検出)であり、2層又は3層構造を有するCNTの比率、G/D比及びG+/Gtotal比が本発明の範囲外であることから、抵抗率が7.0×10−4Ω・cmと劣った。
次に、実施例3として、実施例1と同様の製法にて作製したCNT集合体を準備し、当該CNT集合体に対し、実施例1のドーパントである硝酸に代えてヨウ素を用いてドーピングを施した。また、実施例4として、ドーパントをカリウムに代えてドーピングを施したこと以外は、実施例3と同様の方法にてCNT複合材料を作製した。
比較例5として、実施例1と同様の製法にてCNT集合体を作製し、ドーピングを施さないものを準備した。また、比較例6として、実施例2と同様の製法にてヨウ素ドープを施したCNT複合材料を作製し、ドーパントであるヨウ素が、実施例2のCNT複合材料と比較して、2層又は3層構造を有するCNTにおける最内層のより中心側に位置するものを得た。また、比較例7として、ドーパントをカリウムに代えたこと以外は、実施例3と同様のCNT複合材料を作製し、ドーパントであるカリウムが、2層又は3層構造を有するCNTにおける最内層のより中心側に位置するものを得た。
(d)CNT最内層とドーパントとの最近接距離の算出
実施例3,4で生成したCNT複合材料について、単層構造のCNTを使用して第一原理計算によるシミュレーションを実施し、各CNT複合材料におけるCNT最内層とドーパントとの最近接距離を算出、評価した。
第一原理計算でのシミュレーションには計算ソフトウェア「Quantum−ESPRESSO」を用い、密度汎関数理論(DFT)に基づくコーン・シャム方程式を用いた。また、交換相関ポテンシャルをGGA法によって表現した。更に、50Rydのカットオフエネルギーを有する平面波基底関数を用いた。k点サンプリング数を1×1×8として計算を行った。
また、確認のため、CNT内層−ヨウ素の最近接距離を測定し、計算値と照合した。2層又は3層構造を有するCNTにヨウ素をドーピングしたものを用い、上記ドーピング後のCNT断面のTEM写真からランダムに約200点の測定を行ない、最近接距離を求めた。この結果、最近接距離の測定値(実測値)に対する、シミュレーションによる最近接距離の計算値の誤差は1割未満となり、計算値と実測値がほぼ一致することが確認できた。
一方、比較例5では抵抗値が7.8×10−5Ω・cmであり、実施例3,4の抵抗値に対して劣った。また、比較例6では、ヨウ素が実施例3よりもCNT最内層のより中心側に位置しており、抵抗値が5.2×10−5Ω・cmであり、実施例3,4の抵抗値に対して劣った。また、比較例7では、カリウムが実施例4よりもCNT最内層のより中心側に位置しており、抵抗値が6.4×10−5Ω・cmであり、実施例3,4の抵抗値に対して劣った。
よって、CNT最内層とドーパントとの最近接距離が2.0Å以上4.0Å以下であると、従来のCNT複合材料と比較して、低抵抗化及び高導電化を実現できることが分かった。
11 カーボンナノチューブの束
11a カーボンナノチューブ
T1 筒状体
T2 筒状体
12a カーボンナノチューブ複合材料
13 カーボンナノチューブ
14 異種元素
13a 炭素原子
15a カーボンナノチューブ複合材料
16 カーボンナノチューブ
16a 最内層
17 異種元素
L1 距離
L1’ 距離
L2 距離
L2’ 距離
P 中心位置
P’ 中心位置
Pc 中心位置
Pd 中心位置
Pc’ 中心位置
Pd’ 中心位置
21 電気炉
22 アルミナ管
23 回収機
Claims (8)
- 1層以上の層構造を有する複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ集合体であって、
前記カーボンナノチューブ集合体を構成するカーボンナノチューブの個数に対する、2層構造又は3層構造を有するカーボンナノチューブの個数の和の比率が75%以上であり、
ラマン分光法におけるラマンスペクトルのGバンドに由来するピークのうち、半導体性のカーボンナノチューブに由来するG+/Gtotal比が0.70以上であることを特徴とする、カーボンナノチューブ集合体。 - 前記ラマンスペクトルのGバンドと結晶性に由来するDバンドとの比であるG/D比が、45以上であることを特徴とする、請求項1記載のカーボンナノチューブ集合体。
- 前記複数のカーボンナノチューブに、硝酸、硫酸、ヨウ素、臭素、カリウム、ナトリウム、ホウ素及び窒素からなる群から選択される1つ以上の異種元素もしくは分子がドープされていることを特徴とする、請求項1記載のカーボンナノチューブ集合体。
- 前記複数のカーボンナノチューブに、リチウム、ルビジウム、セシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されたいずれかの異種元素がドープされていることを特徴とする、請求項1記載のカーボンナノチューブ集合体。
- 前記カーボンナノチューブの最外層の外径が、5.0nm以下であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ集合体。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの複数が束ねられてなるカーボンナノチューブ線材。
- 1層以上の層構造を有するカーボンナノチューブと、前記カーボンナノチューブの内部に含まれる異種元素とを備えるカーボンナノチューブ複合材料であって、
前記カーボンナノチューブ複合材料を構成するカーボンナノチューブの個数に対する、2層構造又は3層構造を有するカーボンナノチューブの個数の和の比率が75%以上であり、
ラマン分光法におけるラマンスペクトルのGバンドに由来するピークのうち、半導体性のカーボンナノチューブに由来するG+/Gtotal比が0.70以上であり、
前記カーボンナノチューブを構成する炭素原子と前記異種元素の原子との最近接距離が、前記カーボンナノチューブの最内層を構成する炭素原子と前記最内層の径方向断面における中心との距離よりも小さいことを特徴とする、カーボンナノチューブ複合材料。 - 請求項7記載のカーボンナノチューブ複合材料の複数が束ねられてなるカーボンナノチューブ線材。
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