JP2023148771A - カーボンナノチューブ線材複合体 - Google Patents

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悟志 山崎
Satoshi Yamazaki
英樹 會澤
Hideki Aizawa
和樹 杉原
Kazuki SUGIHARA
晴佳 小野崎
Haruka Onozaki
俊也 岡崎
Toshiya Okazaki
崇宏 森本
Takahiro Morimoto
陽子 飯泉
Yoko Iizumi
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Abstract

【課題】異種元素のカーボンナノチューブ線材へのドープが均一化され、カーボンナノチューブ線材における存在位置の安定性に優れつつ、従来のカーボンナノチューブ線材に異種元素をドープしたカーボンナノチューブ線材複合体と比較して、さらなる低抵抗化を実現でき、導電性をさらに向上させたカーボンナノチューブ線材複合体を提供する。【解決手段】1層以上の層構造を有するカーボンナノチューブの複数で構成されるカーボンナノチューブ集合体の単数または複数からなるカーボンナノチューブ線材と、複数の前記カーボンナノチューブ間の空隙部に導入された異種元素と、を備え、前記異種元素が、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、スズ(Sn)及びインジウム(In)からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むカーボンナノチューブ線材複合体。【選択図】図2

Description

本発明は、1層以上の層構造を有するカーボンナノチューブの複数で構成されるカーボンナノチューブ集合体の単数または複数からなるカーボンナノチューブ線材に、異種元素がドープされたカーボンナノチューブ線材複合体に関する。
カーボンナノチューブは、様々な特性を有する素材であり、多くの分野への適用が期待されている。例えば、カーボンナノチューブは、六角形格子の網目構造を有する筒状体の単層、または略同軸で配された多層で構成される3次元網目構造体であり、軽量であると共に、導電性、熱伝導性、機械的強度等の特性に優れる。
従来、自動車や産業機器などの様々な分野における電力線や信号線として、単数または複数の線材からなる導電性の芯線が用いられている。芯線としては、例えば、銅やアルミニウム等の金属線が使用されている。しかし、自動車、産業機器等の高性能化・高機能化に伴い、各種電気機器、制御機器などの配設数が増加し、また、これら機器に使用される電気配線体の配線数と芯線からの発熱も増加する傾向にある。また、環境負荷低減のために、線材の軽量化も要求されている。
そこで、カーボンナノチューブ線材は、上記のとおり、軽量性、導電性、熱伝導性、機械的強度等に優れることから、様々な分野における電力線や信号線として、カーボンナノチューブ線材の使用が求められている。一方で、自動車、産業機器等の高性能化・高機能化のさらなる進展に伴い、カーボンナノチューブ線材にはさらなる導電性の向上も要求されている。
カーボンナノチューブ線材は、複数のカーボンナノチューブが集合して形成された構造体なので、カーボンナノチューブ同士の間でどうしても接触抵抗が生じてしまうことから、カーボンナノチューブ線材としての導電性に改善の余地があった。また、カーボンナノチューブ線材を構成するカーボンナノチューブは、直径が必ずしも均一ではないことから、カーボンナノチューブ間にナノサイズの隙間が生じて、カーボンナノチューブ線材の密度が低下し、抵抗値が上昇する場合があった。そこで、カーボンナノチューブ線材に異種元素をドープして、カーボンナノチューブ同士の間に異種元素を介在させることで、カーボンナノチューブ同士の間の接触抵抗を低減し、また、カーボンナノチューブ間の隙間に異種元素を導入して、導電性を向上させたカーボンナノチューブ線材複合体が提案されている。
抵抗の低いカーボンナノチューブ線材を得るために、カーボンナノチューブ線材にドープする異種元素として、ヨウ素が使用されている(特許文献1)。ヨウ素は、カーボンナノチューブ線材への均一なドープが容易であり、カーボンナノチューブ線材における存在位置の安定性に優れている特性を有している。すなわち、ヨウ素は、カーボンナノチューブ線材のドーパントとしてハンドリング性に優れていることから、使用されている異種元素である。
しかし、ヨウ素は、導電性に優れた元素とはいえないことから、カーボンナノチューブ同士の間の接触抵抗と隙間を低減させて、カーボンナノチューブ線材を低抵抗化させる点で、改善の余地があった。一方で、自動車や産業機器などの様々な分野における電力線や信号線としてカーボンナノチューブ線材が使用されるにあたり、はんだ、端子、基板、他の線材等の他の部材に接触、接続する際に、他の部材との導通に優れた特性、すなわち、他の部材に対する接続性が要求されることがある。しかし、ヨウ素が異種元素としてドープされたカーボンナノチューブ線材では、他の部材に対する接続性に改善の余地があった。
特表2009-535294号公報
上記事情に鑑み、本発明は、異種元素のカーボンナノチューブ線材へのドープが均一化され、カーボンナノチューブ線材における存在位置の安定性に優れつつ、従来のカーボンナノチューブ線材に異種元素をドープしたカーボンナノチューブ線材複合体と比較して、さらなる低抵抗化を実現して導電性をさらに向上させることができ、または他の部材に対する接続性に優れたカーボンナノチューブ線材複合体を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の構成の要旨は以下の通りである。
[1]1層以上の層構造を有するカーボンナノチューブの複数で構成されるカーボンナノチューブ集合体の単数または複数からなるカーボンナノチューブ線材と、
複数の前記カーボンナノチューブ間の空隙部に導入された異種元素と、を備え、
前記異種元素が、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、スズ(Sn)及びインジウム(In)からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むカーボンナノチューブ線材複合体。
[2]さらに、前記カーボンナノチューブの最内層の内部に、前記異種元素が導入されている[1]に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[3]前記異種元素の含有量が、0.1原子%以上40原子%以下である[1]または[2]に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[4]前記異種元素が、単体、酸化物、炭化物または合金の状態である[1]乃至[3]のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[5]前記異種元素が、テルル化合物である[1]乃至[3]のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[6]前記異種元素が、前記カーボンナノチューブの長手方向に沿って並んで配置されている[1]乃至[5]のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[7]複数の前記カーボンナノチューブ間の空隙部に導入された異種元素が、5nm以上1000nm以下の直径を有する粒子を形成している[1]乃至[6]のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[8]複数の前記カーボンナノチューブ間の空隙部に導入された異種元素が、前記カーボンナノチューブの長手方向に沿って1nm以上100nm以下の範囲の長さにわたって並んだ第1の異種元素連続体を形成している[1]乃至[7]のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[9]複数の前記カーボンナノチューブ間に形成された1つの空隙部に、1つの前記第1の異種元素連続体が配置、または、複数の前記第1の異種元素連続体が、前記カーボンナノチューブの径方向に沿って配置されている[8]に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[10]2個以上25個以下の前記第1の異種元素連続体が、前記カーボンナノチューブの径方向に沿って配置されている[9]に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[11]前記カーボンナノチューブの最内層の内部に導入された異種元素が、前記カーボンナノチューブの長手方向に沿って1nm以上100nm以下の範囲の長さにわたって並んだ第2の異種元素連続体を形成している[2]に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[12]前記カーボンナノチューブの最内層の内部に、1つの前記第2の異種元素連続体が配置、または、複数の前記第2の異種元素連続体が、前記カーボンナノチューブの径方向に沿って配置されている[11]に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[13]前記カーボンナノチューブの最内層の内径が1.0nm以上4.0nm以下であり、複数の前記第2の異種元素連続体が、前記カーボンナノチューブの径方向に沿って配置されている[12]に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[14]前記カーボンナノチューブの層構造の内部空間の内径が1.0nm未満であり、1つまたは複数の前記第2の異種元素連続体が、前記カーボンナノチューブの層構造の内部に配置されている[12]に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[15]前記カーボンナノチューブ線材を構成する前記カーボンナノチューブの直径が、平均直径2.5nm以下であり、1層以上3層以下の層構造を有する[1]乃至[14]のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[16]2層または3層の層構造を有する前記カーボンナノチューブの比率が、60個数%以上である[1]乃至[15]のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[17]複数の前記カーボンナノチューブが六方最密充填構造を形成して、前記カーボンナノチューブ集合体を構成している[1]乃至[16]のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[18]ラマンスペクトル測定で得られる前記カーボンナノチューブのグラファイト構造の振動に由来するGバンド及び前記カーボンナノチューブの欠陥部の振動に由来するDバンドの強度比であるG/Dの値が、60以上である[1]乃至[17]のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
[19]前記カーボンナノチューブ線材の長手方向における前記カーボンナノチューブの配向度が、5.0°以下である[1]乃至[18]のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
本発明のカーボンナノチューブ線材複合体の態様によれば、1層以上の層構造を有するカーボンナノチューブの複数で構成されるカーボンナノチューブ集合体の単数または複数からなるカーボンナノチューブ線材と、複数の前記カーボンナノチューブ間の空隙部に導入された異種元素と、を備え、前記異種元素が、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、スズ(Sn)及びインジウム(In)からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むことにより、異種元素のカーボンナノチューブ線材へのドープが均一化され、カーボンナノチューブ線材における存在位置の安定性に優れつつ、従来の、カーボンナノチューブ線材にヨウ素(I)等のテルル(Te)、アンチモン(Sb)、スズ(Sn)及びインジウム(In)以外の異種元素をドープしたカーボンナノチューブ線材複合体と比較して、さらなる低抵抗化を実現でき、導電性をさらに向上させることができ、または他の部材に対する接続性に優れたカーボンナノチューブ線材複合体を得ることができる。
本発明のカーボンナノチューブ線材複合体の態様によれば、さらに、前記カーボンナノチューブの最内層の内部に、前記異種元素が導入されていることにより、カーボンナノチューブ線材複合体が、さらに低抵抗化して、さらに優れた導電性を得ることができる。
本発明のカーボンナノチューブ線材複合体の態様によれば、前記異種元素の含有量が、0.1原子%以上40原子%以下であることにより、異種元素の作用によって導電性が確実に向上しつつ、異種元素をドープすることによるカーボンナノチューブの電子の散乱に起因したカーボンナノチューブ自体の導電性の低下を確実に防止できる。
本発明のカーボンナノチューブ線材複合体の態様によれば、前記異種元素が、前記カーボンナノチューブの長手方向に沿って並んで配置されていることにより、電気抵抗増大の一因であるカーボンナノチューブの格子振動が抑制されるので、より優れた導電性を得ることができる。
本発明のカーボンナノチューブ線材複合体の態様によれば、複数の前記第1の異種元素連続体が、前記カーボンナノチューブの径方向に沿って配置されていることにより、導電性に寄与するキャリアをさらに増大させ、また、カーボンナノチューブの格子振動をさらに抑制できるので、さらに優れた導電性を得ることができる。
本発明のカーボンナノチューブ線材複合体の態様によれば、前記カーボンナノチューブの最内層の内部に、1つの前記第2の異種元素連続体が配置、または、複数の前記第2の異種元素連続体が、前記カーボンナノチューブの径方向に沿って配置されていることにより、導電性に寄与するキャリアをさらに増大させ、また、カーボンナノチューブの格子振動をさらに抑制できるので、さらに優れた導電性を得ることができる。
本発明のカーボンナノチューブ線材複合体の態様によれば、2層または3層の層構造を有する前記カーボンナノチューブの比率が60個数%以上であることにより、カーボンナノチューブ線材自体の導電性が向上するとともに、カーボンナノチューブの層構造の内部にも異種元素が導入されやすくなることから、さらに優れた導電性を得ることができる。
本発明の実施形態に係るカーボンナノチューブ線材の構成を概略的に示す図であり、(a)及び(b)は、カーボンナノチューブ線材の斜視図と電子顕微鏡画像(SEM画像)、(c)及び(d)は、カーボンナノチューブ集合体の斜視図とそのSEM画像、(e)及び(f)は、カーボンナノチューブ集合体を構成するカーボンナノチューブの斜視図とそのSEM画像である。 カーボンナノチューブ間の空隙部とカーボンナノチューブの最内層の内部に異種元素が導入されたカーボンナノチューブ集合体の斜め方向の構成を模式的に示す説明図である。 複数の第1の異種元素連続体がカーボンナノチューブの空隙部に導入され、また、複数の第2の異種元素連続体がカーボンナノチューブの層構造の内部に導入された状態の一例を示す、カーボンナノチューブ線材複合体の径方向の説明図である。 図4(a)は、実施例におけるカーボンナノチューブ線材複合体の長手方向断面のSEM画像、図4(b)は、実施例におけるカーボンナノチューブ線材複合体の長手方向断面のテルル(Te)のマッピング結果を示す。 図5(a)は、実施例におけるカーボンナノチューブ線材複合体の径方向断面のSEM画像、図5(b)は、実施例におけるカーボンナノチューブ線材複合体の径方向断面のテルル(Te)のマッピング結果を示す。
以下に、本発明のカーボンナノチューブ線材複合体の実施形態について、詳細を説明する。図1は、本発明の実施形態に係るカーボンナノチューブ線材の構成を概略的に示す図であり、図1(a)及び図1(b)は、カーボンナノチューブ線材の斜視図と電子顕微鏡画像(SEM画像)、図1(c)及び図1(d)は、カーボンナノチューブ集合体の斜視図とそのSEM画像、図1(e)及び図1(f)は、カーボンナノチューブ集合体を構成するカーボンナノチューブの斜視図とそのSEM画像である。図2は、複数のカーボンナノチューブ間の空隙部とカーボンナノチューブの最内層の内部に異種元素が導入されたカーボンナノチューブ集合体の斜め方向の構成を模式的に示す説明図である。図3は、複数の第1の異種元素連続体が複数のカーボンナノチューブの空隙部に導入され、また、複数の第2の異種元素連続体がカーボンナノチューブの層構造の内部に導入された状態の一例を示す、カーボンナノチューブ線材複合体の径方向の正面図である。より詳細に言えば、空隙部とは、複数のカーボンナノチューブの最外層で囲まれた、ナノメートルオーダーの領域及び、カーボンナノチューブの最内層の内部のことを指す。なお、図1におけるカーボンナノチューブ線材は、その一例を示すものであり、本発明に係る各構成の形状、寸法等は、特に限定されず、図1のカーボンナノチューブ線材に限られない。
本発明のカーボンナノチューブ線材複合体は、1層以上の層構造を有するカーボンナノチューブの複数で構成されるカーボンナノチューブ集合体の単数または複数からなるカーボンナノチューブ線材と、複数の前記カーボンナノチューブ間の空隙部に導入された異種元素と、を備えており、前記異種元素が、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、スズ(Sn)及びインジウム(In)からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含んでいる。本発明のカーボンナノチューブ線材複合体は、カーボンナノチューブ線材が、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、スズ(Sn)及びインジウム(In)からなる群から選択される少なくとも1種の異種元素でドープされており、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、スズ(Sn)及びインジウム(In)からなる群から選択される少なくとも1種の異種元素は、カーボンナノチューブ線材に対するドーパントである。
また、本発明のカーボンナノチューブ線材複合体の外周には、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等からなる絶縁被覆層を配してもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリイミド、フェノール樹脂等を挙げることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。
まず、本発明のカーボンナノチューブ線材複合体を構成するカーボンナノチューブ線材について、以下に説明する。
<カーボンナノチューブ線材>
カーボンナノチューブ線材1(以下、「CNT線材」ということがある。)は、図1(a)及び図1(b)に示すように、1層以上の層構造を有するカーボンナノチューブ(以下、「CNT」ということがある。)の束であるカーボンナノチューブ集合体11、11、・・・(以下、「CNT集合体」ということがある。)の複数を束ねて構成されている。CNT線材1の外径は、例えば、0.01mm以上10mm以下であり、好ましくは0.01mm以上1mm以下である。
ラマンスペクトル測定を用いて炭素系の物質を解析すると、ラマンシフト1590cm-1付近に、Gバンドと呼ばれる、CNTのグラファイト構造の面内振動に由来するスペクトルのピークが検出される。一方、Dバンドは、ラマンシフト1350cm-1付近に現れ、CNTの欠陥部の振動に由来するスペクトルのピークである。CNT線材1における欠陥量の指標として、ラマンスペクトルのGバンドとDバンドの強度比であるG/Dの値が用いられる。G/Dの値が大きい程、CNT線材1に欠陥が少ないと判断できる。CNT線材1において、G/D比は60以上200以下であり、下限は70以上が好ましく、80以上が特に好ましい。G/Dの値が60以上であることにより、欠陥が少なく、導電性及び強度に優れたCNT線材1と評価することができる。また、この欠陥では電子が散乱されて導電性の低下を招く。言い換えれば、欠陥と欠陥との間はCNT本来の高導電が実現できる。この欠陥と欠陥の間(理想的な導電性を有する)の距離が長い程、高導電が維持でき、線材全体の高導電化につながる。この欠陥と欠陥の間の長さを有効長と定義し、この有効長が少なくとも1.5μm以上、より好ましくは2.0μm以上と言える。測定手法の観点から、有効長の上限は10μm程度である。
CNT線材1では、CNT線材1の長手方向とCNTの長手方向が揃っており、CNTがCNT線材1において高い配向度を有していることが好ましい。CNT線材1の長手方向におけるCNTの配向度としては、5.0°以下が好ましく、4.0°以下が特に好ましい。CNT線材1の長手方向におけるCNTの配向度は、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して得られた画像(SEM画像)を高速フーリエ変換した画像を解析(FFT解析)して算出することができる。例えば、イオンミリングを用いてCNT線材1を長手方向に沿って切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、当該切断面におけるSEM画像をFFT(高速フーリエ変換)処理して配向解析を行うことで、CNT線材1の長手方向におけるCNTの配向度を算出することができる。
CNT集合体11は、図1(c)及び図1(d)に示すように、1層または2層以上の多層構造を有する複数のCNT11a、11a、・・・が束ねられて形成されたCNT束11Aを有する。CNT線材1は、CNT束11Aを撚って形成される。ここで、CNT線材1とはCNT11aの割合が90質量%以上のCNT線材1を意味する。なお、CNT線材1におけるCNT11aの割合の算定においては、メッキとドーパントは除く。CNT集合体11では、複数のCNT11a、11a、・・・の長軸方向がほぼ揃って配置されている。また、CNT集合体11は線状となっており、CNT集合体11の長手方向が、CNT線材1の長手方向を形成している。上記から、CNT11aの長手方向が、CNT線材1の長手方向を形成している。
CNT11aは、単層構造または多層構造(複層構造)を有する筒状体であり、それぞれ、SWNT(Single-walled nanotube)、MWNT(Multi-walled nanotube)と呼ばれる。図1(c)~図1(f)では、説明の便宜上、2層構造を有するCNT11aのみを記載しているが、実際には、3層以上の層構造を有するCNT11aも存在する。CNT線材1を構成するCNT11aとしては、例えば、1層以上3層以下の層構造を有し、最外層の平均直径は2.5nm以下であることが好ましい。なお、単層構造または4層以上の層構造を有するCNT11aもCNT集合体11に含まれてもよいが、2層または3層構造を有するCNT11aに比べて少量であることが好ましい。
<CNT集合体>
図2に示すように、本発明のカーボンナノチューブ線材複合体10は、CNT集合体11のCNT束11Aに、複数の異種元素12a、12a、・・・がドープされた構成を有している。具体的には、カーボンナノチューブ線材複合体10は、CNT集合体11の、複数のCNT11a、11a、・・・が束ねられて形成されたCNT束11Aに形成された複数のCNT11a、11a、・・・間の空隙部11Bに複数の異種元素12a、12a、・・・が導入された構成を有している。カーボンナノチューブ線材複合体10では、複数のCNT11a、11a、・・の最外層間に複数の空隙部11B、11B、・・・が形成されており、この複数の空隙部11B、11B、・・・のそれぞれに、複数の異種元素12a、12a、・・・が配置される。空隙部11Bは、CNT束11Aの長手方向に沿って形成されており、空隙部11Bに配置された複数の異種元素12a、12a、・・・も、CNT束11Aの長手方向、すなわち、CNT11aの長手方向に沿って並んで配置されている。
また、本発明のカーボンナノチューブ線材複合体10では、CNT11aの層構造の内部、より具体的には、CNT11aの最内層T1の内部11Cにも、さらに、複数の異種元素12a、12a、・・・が導入されている。CNT11aの最内層T1の内部11Cは、CNT束11Aの長手方向に沿って延在しており、CNT11aの最内層T1の内部11Cに配置された複数の異種元素12a、12a、・・・も、CNT束11Aの長手方向、すなわち、CNT11aの長手方向に沿って並んで配置されている。
CNT11aとCNT11aとの間の中空部分である空隙部11Bは絶縁部であり、絶縁部である空隙部11Bに異種元素12aが配置されていることで、CNT11aとCNT11aとの間の接触抵抗を低減させることができる。特に、CNT11aはアスペクト比の大きい線状の構造を持ち、上記空隙部11BはCNT線材1の長手方向に平行して存在していることから、異種元素12aが長手方向にも配置されていることで、より接触抵抗の低減を成しえる。
カーボンナノチューブ線材複合体10では、異種元素12aは、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、スズ(Sn)及びインジウム(In)からなる群から選択される少なくとも1種の元素である。これらの元素は単体としての導電率が高いため、カーボンナノチューブ線材複合体10の全体としての導電率の向上に寄与する。なお、各元素の単体の導電率はテルル(Te)が1.0×10μΩcm、アンチモン(Sb)が34μΩcm、スズ(Sn)が11μΩcm、インジウム(In)が8.6μΩcmである。一方で、ヨウ素(I)の単体の導電率は1.0×1015μΩcmである。従って、カーボンナノチューブ線材複合体10では、異種元素12aは、従来の異種元素であるヨウ素等と比較して、優れた導電性を有している。異種元素12aは、単体、酸化物、炭化物、合金等の状態で存在している。また、異種元素がテルル(Te)の場合には、テルル化合物などの状態で存在していてもよい。このうち、異種元素12aとしては、異種元素12aのCNT線材1へのドープがさらに確実に均一化され、CNT線材1における存在位置の安定性にさらに優れる点から、テルル(Te)、アンチモン(Sb)が好ましい。なお、存在位置の安定性に優れるとは、具体的には、500℃以上の真空もしくは不活性雰囲気下でも異種元素12aの脱離が起こりにくいことを指す。存在位置の安定性を調べるためには、異種元素12aをドープしたCNT線材1を500℃以上の真空もしくは不活性雰囲気下に24時間以上放置したあと、CNT線材1の抵抗測定及び蛍光X線分析及び/又はSEM-EDX測定により、異種元素の脱離がどの程度生じているのかを調査する方法が挙げられる。
また、単体としての導電率が相対的には低いスズ(Sn)、インジウム(In)を異種元素12aとしてドープした場合、CNT線材1を他の線材や端子、基板等の他の部材と接続する場合の導通の低下を抑制する効果が得られる。これは、スズ(Sn)、インジウム(In)がドープされる際、微粒子としてCNT線材1に付着するためである。他の線材や端子、基板等の他の部材とCNT線材1との接続には、一般にはんだが使用される。
CNT集合体11の円相当直径は20nm以上1000nm以下であり、より典型的には、20nm以上80nm以下である。
<CNT>
図2に示すように、CNT束11Aを構成する2層構造のCNT11aは、六角形格子の網目構造を有する2つの筒状体T1、T2が略同軸で配された3次元網目構造体となっており、DWNT(Double-walled nanotube)と呼ばれる。構成単位である六角形格子は、その頂点に炭素原子が配された六員環であり、他の六員環と隣接してこれらが連続的に結合している。
CNT11aの性質は、筒状体のカイラリティ(chirality)に依存する。筒状体のカイラリティは、アームチェア型、ジグザグ型、及びそれ以外のカイラル型に大別され、アームチェア型は金属性、カイラル型は半導体性、ジグザグ型はその中間の挙動を示す。CNT11aの導電性は、いずれのカイラリティを有するかによって大きく異なり、CNT集合体11の導電性を向上させるためには、金属性の挙動を示すアームチェア型のCNT11aの割合を増大させることが重要とされてきた。一方で、半導体性を有するカイラル型のCNT11aは、電子供与性または電子受容性を有する異種元素がドープされることにより、金属的挙動を示す。また、一般的な金属では、異種元素がドープされることによって、金属内部での伝導電子の散乱が起こって導電性が低下するが、これと同様に、金属性のCNT11aに異種元素がドープされた場合には、導電性の低下を引き起こす。
このように、金属性のCNT11a及び半導体性のCNT11aへのドーピング効果は、導電性の観点からはトレードオフの関係にあることから、理論的には金属性のCNT11aと半導体性のCNT11aとを別個に作製し、半導体性のCNT11aにのみドーピング処理を施した後、金属性のCNT11aと半導体性のCNT11aを組み合わせることが望ましい。しかし、金属性のCNTCNT11aと半導体性のCNT11aとを選択的に作り分けることはきわめて煩雑であることから、金属性のCNT11aと半導体性のCNT11aが混在した状態で作製される。このため、金属性のCNT11aと半導体性のCNT11aの混合物からなるCNT線材1の導電性を向上させるには、異種元素によるドーピング処理が効果的となるCNT11aの構造を選択することが好ましい。
複数のCNT11a、11a、・・・からなるカーボンナノチューブ線材複合体10において、全てのCNT11aの個数に対する、2層構造または3層構造を有するCNT11aの個数の和の比率は、60個数%以上であるのが好ましく、75個数%以上であるのが特に好ましい。
2層構造または3層構造のような層数が少ないCNT11aは、4層構造以上の多層構造のCNT11aよりも比較的導電性が高い。また、異種元素12aは、複数のCNT11a、11a、・・・で形成されるCNT11a間の空隙部11B及びCNT11aの最内層T1の内部11Cに導入される。また、多層構造のCNT11aでは、最内層T1の内部11Cだけではなく、層間の空隙にも異種元素12aが導入されることがある。特に、2層構造または3層構造のような層数が少ないCNT11aでは、層間の空隙が比較的大きく、層間の空隙にも異種元素12aが導入されやすい。従って、異種元素12aによるドーピング効果は、CNT11aの内部および外部に異種元素12aが導入されることで発現する。また、多層構造のCNT11aの場合には、2層構造または3層構造のような層数が少ないCNT11aの方が、最外層及び最内層T1のどちらでもない内部に位置するチューブのドープ効果が発現しやすくなる。以上のような理由により、多層構造のCNT11aに、異種元素12aによるドーピング処理を施した際には、多層構造のCNT11aの層間における導電性も向上する2層構造または3層構造を有するCNT11aでのドーピング効果が最も高い。また、単層構造のCNT11aは、ドーピング工程の加熱処理において、微量に残存した酸素により酸化され、分解されてしまうことがある。従って、本発明のカーボンナノチューブ線材複合体10では、2層構造または3層構造を有するCNT11aの個数に着目する。また、2層構造または3層構造のCNT11aの個数の和の比率が60%未満であると、単層構造または4層以上の多層構造を有するCNT11aの比率が高くなるので、CNT線材1及びCNT集合体11全体として異種元素12aによるドーピング効果が小さくなり、高導電率が得にくくなる。よって、2層構造または3層構造のCNT11aの個数の和の比率を60個数%以上の値とする。このように、2層構造または3層構造のCNT11aの個数の和の比率を60個数%以上とすることにより、CNT線材1自体の導電性が向上するとともに、CNT11aの層構造の内部にも異種元素12aが導入されやすくなることから、さらに優れた導電性を得ることができる。また、製造上の観点からは、2層構造または3層構造のCNT11aの個数の和の比率の上限は、99個数%が好ましく、95個数%がより好ましく、90個数%がさらに好ましく、85個数%が特に好ましい。
CNT11aが多層構造の場合、CNT11aの最内層T1の直径は、例えば、内径が1.0nm以上4.0nm以下であり、CNT11aの最内層T1の内部11Cに、複数の異種元素12a、12a、・・・が導入されている。また、CNT11aが単層構造の場合、CNT11aの層構造の内部11Cにおける空間は、例えば、内径が1.0nm未満であり、CNT11aの層構造の内部11Cに、複数の異種元素12a、12a、・・・が導入されている。
次に、CNT集合体11を構成する複数のCNT11a、11a、・・・の配列構造及び密度について説明する。複数のCNT11a、11a、・・・が六方最密充填構造を形成することで、CNT集合体11を構成している。WAXS(広角X線散乱)による散乱ベクトルqと強度の関係を分析することで、複数のCNT11a、11a、・・・が径方向断面において六方最密充填構造を形成していることを確認することができる。CNT集合体11において六方細密充填構造を形成するCNT11aが多いことは、CNT11aが高密度で存在し、さらに規則正しく配列していることを示している。このように、CNT集合体11を構成する複数のCNT11a、11a、・・・が規則正しく配列して高密度で配置されているため、複数のCNT11a、11a、・・・の密度を示すX線散乱による散乱強度の(10)ピークにおけるピークトップのq値が2.0nm-1以上5.0nm-1以下であり、且つ半値幅Δq(FWHM)が0.1nm-1以上2.0nm-1以下であることが好ましい。
<CNT線材における異種元素の配置>
次に、本発明のカーボンナノチューブ線材複合体10に備えられたCNT線材1における異種元素12aの配置について説明する。図2、3に示すように、複数のCNT11a、11a、・・・の最外層で形成される空隙部11Bには、異種元素12aが導入されており、異種元素12aは、CNT11aの長手方向に沿って並んで配置されて、第1の異種元素連続体12を形成している。複数の異種元素12a、12a、・・・が、例えば、1nm以上100nm以下の範囲の長さにわたって略直鎖状に一列に並んで、1つの第1の異種元素連続体12が形成されている。複数の異種元素12a、12a、・・・は、連続的に略直鎖状に一列に並んで、1つの第1の異種元素連続体12を形成している。
カーボンナノチューブ線材複合体10では、CNT11aの周方向に沿って、1つまたは複数の第1の異種元素連続体12が備えられている。また、CNT集合体11の長手方向に沿って、1つまたは複数の第1の異種元素連続体12、12、・・・が並んで配置されている。
図3に示すように、複数のCNT11a、11a、・・・間に形成された1つの空隙部11Bに、1つまたは複数の第1の異種元素連続体12、12、・・・が、CNT11aの径方向に沿って配置されている。図3では、CNT11aの径方向について、複数のCNT11a、11a、・・・間に形成された1つの空隙部11Bに、説明の便宜上、20個の異種元素12aが導入されている。従って、CNT11aの径方向について、1つの空隙部11Bに、複数(20個)の第1の異種元素連続体12、12、・・・が、CNT11aの径方向に沿った状態で配置されている。また、カーボンナノチューブ線材複合体10では、複数の第1の異種元素連続体12、12、・・・が、空隙部11Bに略充填された状態で配置されている。
複数のCNT11a、11a、・・・間に形成された1つの空隙部11Bに配置されている第1の異種元素連続体12の個数は、1つの空隙部11Bのサイズや形状等により、適宜、選択可能であり、特に限定されず、例えば、1つの空隙部11Bに、2個以上25個以下の第1の異種元素連続体12が、CNT11aの径方向に沿った状態で配置される。
異種元素連続体12は1つの空隙部11Bのサイズや形状等により、配される数が変化する。本発明のカーボンナノチューブ線材複合体10では、1個以上の異種元素連続体12を配するために空隙部11Bのサイズを0.05 nm以上と定めることが可能であり、2個以上の異種元素連続体12を配するために空隙部11Bのサイズを0.1 nm以上と定めることが可能であり、25個以下の異種元素連続体12を配するために空隙部11Bのサイズを10 nm以下と定めることが可能である。適切な空隙部11Bのサイズを選択することにより、異種元素12aの存在安定性が向上する。
また、図2、3に示すように、CNT11aの層構造の内部には、異種元素12aが導入されており、異種元素12aは、CNT11aの長手方向に沿って並んで配置されて、第2の異種元素連続体22を形成している。より具体的には、CNT11aの最内層T1の内部11Cに、異種元素12aが導入されている。また、CNT11aの層間(図3では、2層構造であるCNT11aの最内層T1と最外層T2との間)にも、異種元素12aが導入されている。複数の異種元素12a、12a、・・・が、例えば、1nm以上100nm以下の範囲の長さにわたって略直鎖状に一列に並んで、1つの第2の異種元素連続体22が形成されている。複数の異種元素12a、12a、・・・は、連続的に略直鎖状に一列に並んで、1つの第2の異種元素連続体22を形成している。なお、図2では、図面における説明の便宜上、CNT11aの層間(2層構造であるCNT11aの最内層T1と最外層T2との間)に導入されている異種元素12aは図示していない。
カーボンナノチューブ線材複合体10では、CNT集合体11の長手方向に沿って、1つまたは複数の第2の異種元素連続体22、22、・・・が並んで配置されている。なお、図2では、図面における説明の便宜上、CNT11aの最内層T1の内部11Cは、いずれも、1つの第2の異種元素連続体22としている。
CNT11aの層構造の内部に、複数の第2の異種元素連続体22、22、・・・が、CNT11aの径方向に沿って配置されている。図3では、CNT11aの径方向について、CNT11aの最内層T1の内部11Cに、説明の便宜上、CNT11aの径方向に沿って16個の異種元素12aが導入されている。従って、CNT11aの径方向について、1つの最内層T1の内部11Cに、16個の第2の異種元素連続体22が、CNT11aの径方向に沿って配置されている。カーボンナノチューブ線材複合体10では、複数の第2の異種元素連続体22、22、・・・が、CNT11aの最内層T1の内部11Cに略充填された状態で配置されている。
CNT11aの層構造の最内層T1の内部11Cにおける空間が内径1.0nm以上4.0nm以下の場合には、図3に示すように、複数の第2の異種元素連続体22、22、・・・が、CNT11aの径方向に沿って配置されている。また、CNT11aの層構造の最内層T1の内部11Cにおける空間が内径1.0nm未満の場合には、1つのまたは複数の第2の異種元素連続体22が配置される。
また、第2の異種元素連続体22がスズ(Sn)又はインジウム(In)を含む場合、第2の異種元素連続体22を構成する異種元素12aの一部は、CNT線材1の表面に粒子として存在する。この粒子の直径は、例えば、5nm以上1000nm以下であり、粒子の直径は第2の異種元素連続体22を構成する異種元素12aの元素種により異なる。
<異種元素の含有量>
CNT集合体11における異種元素12aの含有量は、特に限定されないが、その下限値は、異種元素12aの作用によってカーボンナノチューブ線材複合体10の導電性が確実に向上する点から、原子組成百分率で0.1原子%が好ましく、1.0原子%がより好ましく、2.0原子%が特に好ましい。一方で、CNT集合体11における異種元素12aの含有量の上限値は、異種元素12aをドープすることによるCNT11aの電子の散乱に起因したCNT11a自体の導電性の低下を確実に防止できる点から、40原子%が好ましく、30原子%が特に好ましい。
<カーボンナノチューブ線材複合体の製造方法>
本発明の実施形態に係るカーボンナノチューブ線材複合体10は、例えば、以下の方法で製造することができる。先ず、浮遊触媒気相成長(CCVD)法、基板法等により、炭素源に触媒及び反応促進剤を含む混合物を供給して、複数のCNT11aを生成する。このとき、炭素源には六員環を有する飽和炭化水素、触媒には鉄などを含有する金属触媒、反応促進剤には硫黄化合物をそれぞれ用いることができる。また、キャリアガス流量の増加に伴ってSWNTの割合が減少することから、原料組成及び噴霧条件を調整して、2層または3層構造を有するCNT11aの比率を高める。
また、CNT11aの最外層の外径が所定値以下、たとえば、2.5nm以下となるように金属触媒の大きさを調整するため、原料は噴霧によりミスト粒径が10μm前後となるよう反応炉に供給を行う。その後、複数のCNT11a、11a、・・・が束になったCNT束を撚り合わせて、CNT集合体11を作製する。その後、CNT集合体11に酸処理を施すことで、残留した金属触媒を除去する。
次いで、酸処理後のCNT集合体11に異種元素12aのドーピング処理を施し、CNT集合体11の空隙部11BとCNT11aの最内層T1の内部11Cに異種元素12aがドープされたCNT集合体11を作成する。次いで、複数のCNT集合体11を撚り合わせてカーボンナノチューブ線材複合体10を作製する。また、酸処理後のCNT集合体11を撚り合わせてCNT線材1を作製後、CNT線材1に異種元素12aのドーピング処理を施して、カーボンナノチューブ線材複合体10を作製してもよい。CNT集合体11またはCNT線材1に異種元素12aをドープする方法としては、減圧処理をした容器にCNT集合体11またはCNT線材1と異種元素12aを投入後、容器を加熱して蒸発させた異種元素12aをCNT集合体11またはCNT線材1に施与する気相法、異種元素12aを溶解させた溶液にCNT集合体11またはCNT線材1を浸漬させる液相法が挙げられる。このうち、CNT集合体11の空隙部11BとCNT11aの最内層T1の内部11Cに異種元素12aが確実にドープされる点から、気相法が好ましい。
異種元素12aを2種類以上ドープする方法としては、気相法の場合、減圧処理をした容器に複数種の異種元素12aを同時に投入する方法、或いは、第1の異種元素12aをドープしたCNT集合体11またはCNT線材1と、第1の異種元素12aとは異なる種類の元素である第2の異種元素12aと、を投入する方法(3種類以上の異種元素12aをドープする場合はこの工程を繰り返す)が挙げられる。液相法の場合、溶液に複数種の異種元素12aを溶解させる方法、或いは、第1の異種元素12aをドープしたCNT集合体11またはCNT線材1を、第2の異種元素12aを溶解させた溶液に含侵させる方法が挙げられる。異種元素12aの含有量を増大させる観点から、特に気相法が好ましい。
ドープする前の異種元素12aの状態は限定されず、ドープ方法によって適宜選択される。気相法を用いる場合は、例えば気化しやすい単体(金属)として異種元素12aを準備することが出来る。液相法を用いる場合は、使用する溶媒に溶解しやすい化合物(例えば酸化物、硫酸化物等)として異種元素12aを選択することが出来る。
本発明のカーボンナノチューブ線材複合体10は、CNT線材1と、複数のCNT11a、11a、・・・間に形成された空隙部11Bに導入された異種元素12aと、を備えており、異種元素12aが、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、スズ(Sn)及びインジウム(In)からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含んでいることにより、異種元素12aが優れた導電性を有するとともに、異種元素12aがCNT線材1において均一に存在させることが可能になり、CNT線材1における存在位置の安定性に優れる。従って、従来のCNT線材に異種元素をドープしたカーボンナノチューブ線材複合体と比較して、さらなる低抵抗化を実現して、導電性をさらに向上させることができ、または他の部材に対する接続性に優れたカーボンナノチューブ線材複合体10を得ることができる。
また、カーボンナノチューブ線材複合体10は、さらに、CNT11aの層構造の内部にも、異種元素12aが導入されていることにより、カーボンナノチューブ線材複合体10は、さらに低抵抗化して、さらに優れた導電性を得ることができる。
また、カーボンナノチューブ線材複合体10は、異種元素12aが、CNT11aの長手方向に沿って並んで配置されていることにより、電気抵抗増大の一因であるCNT11aの格子振動が抑制されるので、より優れた導電性を得ることができる。
特に、異種元素12aが、テルル(Te)及び/またはアンチモン(Sb)を含んでいることにより、導電性をさらに向上させたカーボンナノチューブ線材複合体10を得ることができる。また、異種元素12aが、スズ(Sn)及び/またはインジウム(In)を含んでいることにより、他の部材に対する接続性に優れたカーボンナノチューブ線材複合体10を得ることができる。また、異種元素12aが、テルル(Te)及び/またはアンチモン(Sb)並びにスズ(Sn)及び/またはインジウム(In)を含んでいることにより、導電性をさらに向上させるだけではなく、他の部材に対する接続性にも優れたカーボンナノチューブ線材複合体10を得ることができる。
特に、複数の第1の異種元素連続体12、12、・・・が、CNT11aの径方向に沿って配置されていることにより、導電性に寄与するキャリアをさらに増大させ、また、CNT11aの格子振動をさらに抑制できるので、さらに優れた導電性を得ることができる。また、CNT11aの層構造の内部に、1つの第2の異種元素連続体22、または複数の第2の異種元素連続体22が、それぞれCNT11aの径方向に沿って配置されていることにより、導電性に寄与するキャリアをさらに増大させ、また、CNT11aの格子振動をさらに抑制できるので、さらに優れた導電性を得ることができる。
次に、本発明のカーボンナノチューブ線材複合体の他の実施形態について説明する。上記カーボンナノチューブ線材複合体10の実施形態では、複数のCNT11a、11a、・・・間に形成された1つの空隙部11Bに、CNT11aの径方向について複数の第1の異種元素連続体12、12、・・・が配置されていたが、これに代えて、1つの空隙部11Bに1つの第1の異種元素連続体12が配置されていてもよい。また、上記カーボンナノチューブ線材複合体10の実施形態では、1層以上の層構造を有するCNT11aの複数で構成されるCNT集合体11の複数からなるCNT線材1を用いたが、これに代えて、CNT11aの複数で構成されるCNT集合体11の単数からなるCNT線材1を用いてもよい。
さらに、CNT線材1にはテルル(Te)、アンチモン(Sb)、スズ(Sn)及びインジウム(In)からなる群から選択される少なくとも1種の元素以外の他の元素を、他の異種元素としてさらにドープすることもできる。
次に、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
CNT線材(最外層の平均直径が2.3nmであり、1層~3層の層構造を有するCNTで構成されたCNT線材、DexMat社製)を石英管の長手方向中央部に、異種元素としてテルル(Te)粒子を石英管の長手方向の一端に入れ、石英管内部を脱気処理しながらCNT線材を加熱後、石英管を封止した。テルル(Te)粒子が重力方向下方となるように加熱炉に石英管を設置し、100℃/時間の速度で700℃まで昇温し、700℃にて48時間保持した。その後、石英管からCNT線材を取り出し、酸洗浄して、CNT線材がテルル(Te)でドープされたカーボンナノチューブ線材複合体を得た。
実施例2
異種元素として、テルル(Te)に代えてアンチモン(Sb)を使用した以外は実施例1と同様にして、CNT線材がアンチモン(Sb)でドープされたカーボンナノチューブ線材複合体を得た。
実施例3
異種元素として、テルル(Te)に代えてスズ(Sn)を使用した以外は実施例1と同様にして、CNT線材がスズ(Sn)でドープされたカーボンナノチューブ線材複合体を得た。
実施例4
異種元素として、テルル(Te)に代えてインジウム(In)を使用した以外は実施例1と同様にして、CNT線材がインジウム(In)でドープされたカーボンナノチューブ線材複合体を得た。
実施例5
異種元素のうち、異種元素1としてテルル(Te)、異種元素2としてスズ(Sn)を使用した以外は実施例1と同様にして、CNT線材がテルル(Te)とスズ(Sn)でドープされたカーボンナノチューブ線材複合体を得た。
実施例6
異種元素のうち、異種元素1としてテルル(Te)、異種元素2としてインジウム(In)を使用した以外は実施例1と同様にして、CNT線材がテルル(Te)とインジウム(In)でドープされたカーボンナノチューブ線材複合体を得た。
実施例7
異種元素のうち、異種元素1としてアンチモン(Sb)、異種元素2としてスズ(Sn)を使用した以外は実施例1と同様にして、CNT線材がアンチモン(Sb)とスズ(Sn)でドープされたカーボンナノチューブ線材複合体を得た。
実施例8
異種元素のうち、異種元素1としてアンチモン(Sb)、異種元素2としてインジウム(In)を使用した以外は実施例1と同様にして、CNT線材がアンチモン(Sb)とインジウム(In)でドープされたカーボンナノチューブ線材複合体を得た。
実施例1について、得られたカーボンナノチューブ線材複合体の長手方向断面と径方向断面について、それぞれ、走査型顕微鏡画像(SEM画像)の取得及び元素マッピングにてカーボンナノチューブ線材複合体中におけるテルル(Te)の存在の確認をした。
実施例の評価項目は以下の通りである。
(1)抵抗率の測定
得られたカーボンナノチューブ線材複合体及びドープ工程を行わなかったカーボンナノチューブ線材の抵抗率を測定した。測定は四端子法にて抵抗を測定した後、マイクロスコープにより抵抗を測定した箇所の線材の直径を測定し、端子間距離とその直径より、カーボンナノチューブ線材複合体及びドープ工程を行わなかったカーボンナノチューブ線材の抵抗率を算出した。ドープ工程を行わなかったカーボンナノチューブ線材の抵抗率に対するカーボンナノチューブ線材複合体の抵抗率を抵抗率変化(%)として算出した。また、抵抗率変化は以下の基準で評価した。
○:抵抗率変化が-20%以下である
△:抵抗率変化が-20%よりも大きいが0%よりも低い
×:抵抗変化率が0%以上である
実施例で使用した異種元素とCNT線材の構成及び実施例の評価結果を下記表1に示す。なお、表1の「鎖状」とは、複数の異種元素がCNTの長手方向に沿って並んで配置された異種金属連続体の状態を意味する。
Figure 2023148771000002
実施例1のカーボンナノチューブ線材複合体について、図4(a)はカーボンナノチューブ線材複合体の長手方向断面のSEM画像、図4(b)はカーボンナノチューブ線材複合体の長手方向断面のテルル(Te)のマッピング結果を示す。また、実施例1のカーボンナノチューブ線材複合体について、図5(a)はカーボンナノチューブ線材複合体の径方向断面のSEM画像、図5(b)はカーボンナノチューブ線材複合体の径方向断面のテルル(Te)のマッピング結果を示す。
図4(a)、(b)に示すように、カーボンナノチューブ線材複合体の長手方向断面において、CNT線材全体にテルル(Te)が均一にドープされていることが確認できた。また、図5(a)、(b)に示すように、カーボンナノチューブ線材複合体の径方向断面において、CNT線材全体にテルル(Te)が均一にドープされていることが確認できた。
上記から、実施例1では、テルル(Te)がCNT線材複合体の長手方向に沿って存在していることが明らかになった。また、実施例1のカーボンナノチューブ線材複合体では、テルル(Te)はCNT線材における存在位置の安定性に優れていた。
また、上記表1から、異種元素をドープしなかったカーボンナノチューブ線材とテルル(Te)またはアンチモン(Sb)をドープした実施例のカーボンナノチューブ線材複合体の抵抗率を比較すると、抵抗率が低下して導電性が向上していることが確認された。従来のCNT線材にヨウ素等の異種元素をドープしたカーボンナノチューブ線材複合体と比較して導電性がさらに向上した。また、上記表1から、異種元素として、テルル(Te)またはアンチモン(Sb)並びにスズ(Sn)またはインジウム(In)を使用することにより、抵抗率が低下して導電性が向上した。また、上記表1から、スズ(Sn)またはインジウム(In)をドープした実施例3及び実施例4では、導電性は向上しなかったものの、異種元素が粒子状で存在することが明らかになり、CNT線材複合体を他の線材や端子、基板等の他の部材と接続する場合の導通の低下を抑制する効果が得られることが示唆された。
さらに、上記のように、CNT線材全体にテルル(Te)が均一にドープされており、テルル(Te)をドープしたカーボンナノチューブ線材複合体は、従来のCNT線材にヨウ素をドープしたカーボンナノチューブ線材複合体と比較して、位置安定性が優れていた。
本発明のカーボンナノチューブ線材複合体は、導電性に優れた異種元素がカーボンナノチューブ線材へ均一にドープされ、カーボンナノチューブ線材における存在位置の安定性に優れつつ、従来のカーボンナノチューブ線材に異種元素をドープしたカーボンナノチューブ線材複合体と比較して、さらなる低抵抗化を実現でき、または他の部材に対する接続性に優れるので、例えば、電線の分野で、特に利用価値が高い。
1 カーボンナノチューブ線材
10 カーボンナノチューブ線材複合体
11 カーボンナノチューブ集合体
11a カーボンナノチューブ
11B 空隙部
11C 内部
12 第1の異種元素連続体
12a 異種元素
22 第2の異種元素連続体

Claims (19)

  1. 1層以上の層構造を有するカーボンナノチューブの複数で構成されるカーボンナノチューブ集合体の単数または複数からなるカーボンナノチューブ線材と、
    複数の前記カーボンナノチューブ間の空隙部に導入された異種元素と、を備え、
    前記異種元素が、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、スズ(Sn)及びインジウム(In)からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むカーボンナノチューブ線材複合体。
  2. さらに、前記カーボンナノチューブの最内層の内部に、前記異種元素が導入されている請求項1に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  3. 前記異種元素の含有量が、0.1原子%以上40原子%以下である請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  4. 前記異種元素が、単体、酸化物、炭化物または合金の状態である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  5. 前記異種元素が、テルル化合物である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  6. 前記異種元素が、前記カーボンナノチューブの長手方向に沿って並んで配置されている請求項1乃至5のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  7. 複数の前記カーボンナノチューブ間の空隙部に導入された異種元素が、5nm以上1000nm以下の直径を有する粒子を形成している請求項1乃至6のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  8. 複数の前記カーボンナノチューブ間の空隙部に導入された異種元素が、前記カーボンナノチューブの長手方向に沿って1nm以上100nm以下の範囲の長さにわたって並んだ第1の異種元素連続体を形成している請求項1乃至7のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  9. 複数の前記カーボンナノチューブ間に形成された1つの空隙部に、1つの前記第1の異種元素連続体が配置、または、複数の前記第1の異種元素連続体が、前記カーボンナノチューブの径方向に沿って配置されている請求項8に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  10. 2個以上25個以下の前記第1の異種元素連続体が、前記カーボンナノチューブの径方向に沿って配置されている請求項9に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  11. 前記カーボンナノチューブの最内層の内部に導入された異種元素が、前記カーボンナノチューブの長手方向に沿って1nm以上100nm以下の範囲の長さにわたって並んだ第2の異種元素連続体を形成している請求項2に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  12. 前記カーボンナノチューブの最内層の内部に、1つの前記第2の異種元素連続体が配置、または、複数の前記第2の異種元素連続体が、前記カーボンナノチューブの径方向に沿って配置されている請求項11に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  13. 前記カーボンナノチューブの最内層の内径が1.0nm以上4.0nm以下であり、複数の前記第2の異種元素連続体が、前記カーボンナノチューブの径方向に沿って配置されている請求項12に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  14. 前記カーボンナノチューブの層構造の内部空間の内径が1.0nm未満であり、1つまたは複数の前記第2の異種元素連続体が、前記カーボンナノチューブの層構造の内部に配置されている請求項12に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  15. 前記カーボンナノチューブ線材を構成する前記カーボンナノチューブの直径が、平均直径2.5nm以下であり、1層以上3層以下の層構造を有する請求項1乃至14のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  16. 2層または3層の層構造を有する前記カーボンナノチューブの比率が、60個数%以上である請求項1乃至15のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  17. 複数の前記カーボンナノチューブが六方最密充填構造を形成して、前記カーボンナノチューブ集合体を構成している請求項1乃至16のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  18. ラマンスペクトル測定で得られる前記カーボンナノチューブのグラファイト構造の振動に由来するGバンド及び前記カーボンナノチューブの欠陥部の振動に由来するDバンドの強度比であるG/Dの値が、60以上である請求項1乃至17のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
  19. 前記カーボンナノチューブ線材の長手方向における前記カーボンナノチューブの配向度が、5.0°以下である請求項1乃至18のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材複合体。
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