JP5034544B2 - カーボンナノチューブ集合体、その製造方法 - Google Patents
カーボンナノチューブ集合体、その製造方法 Download PDFInfo
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Description
"ニューサイエンティスト(New Scientist)", 1996年7月6日, p.28-31, 「ナノチューブによって(Through the Nanotube)」, Philip Ball "アメリカンサイエンティスト(American Scientist)" v.85,1997年7−8月,「「フラーレンナノチューブ:C1,000,000以上(Fullerene Nanotubes:C1,000,000 and Beyond)」,B.I.ヤコブソン(Yakobson), R.E. スマリー(Smalley)
(1)電子顕微鏡において観察したときに、下記の特徴をもつカーボンナノチューブ集合体。
<1>任意の100本のカーボンナノチューブ中50本以上の層数が2層〜5層の範囲にある
<2>任意の100本のカーボンナノチューブ中50本以上の内径が3nm〜6nmの範囲にある
<3>任意の100本のカーボンナノチューブ中50本以上の長さが0.2〜2μmの範囲にある
<4>任意の100本のカーボンナノチューブのうち50本以上が1本に2個以上の屈曲点を持つ
(2)任意の100本中のカーボンナノチューブ中50本以上の屈曲点間距離が500nm以下であることを特徴とする(1)記載のカーボンナノチューブ集合体。
(3)任意の100本のカーボンナノチューブ中50本以上における長さが平均長さの±50%であるカーボンナノチューブを含有することを特徴とする(1)あるいは(2)記載のカーボンナノチューブ集合体。
(4)上記任意の100本のカーボンナノチューブ中80本以上の長さが0.2〜2μmであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか記載のカーボンナノチューブ集合体。
(5)共鳴ラマン散乱測定法の測定により得られるスペクトルで1560〜1600cm−1の範囲内で最大のピーク強度をG、1310〜1350cm−1の範囲内で最大のピーク強度をDとしたときにG/D比が2以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか記載のカーボンナノチューブ集合体。
(6)2〜5層を主体とし、内径3nm〜6nmの範囲にあり、複数の屈曲点を有するカーボンナノチューブを合成し、得られたカーボンナノチューブを切断し分散させることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
(7)、前記カーボンナノチューブを切断し分散させる工程において、分散媒の存在下で超音波照射法を用いることを特徴とする請求項6記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
(8)前記カーボンナノチューブを切断し、分散させる際、高分子系分散剤およびアルコール系溶媒を含有することを特徴とする請求項6または7記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
(9)(1)〜(5)のいずれか記載のカーボンナノチューブ集合体を含有してなることを特徴とするフィルム。
(10)フィルム表面における面抵抗均一性(直線性)が0.5%以下であることを特徴とする(9)記載のフィルム。
(11)(1)〜(5)のいずれか記載のカーボンナノチューブ集合体を含有することを特徴とする分散液。
<1>任意の100本のカーボンナノチューブ中50本以上の層数が2層〜5層の範囲にある
<2>任意の100本のカーボンナノチューブ中50本以上の内径が3nm〜6nmの範囲にある
<3>任意の100本のカーボンナノチューブ中50本以上の長さが0.2〜2μmの範囲にある
<4>任意の100本のカーボンナノチューブのうち50本以上が1本に2個以上の屈曲点を持つ
本発明でいうカーボンナノチューブを含有してなる集合体とは、一本一本が単一分散している、あるいは複数本が集まって合わさっている状態で存在しているカーボンナノチューブを指し、容易に解せる状態であるカーボンナノチューブのことをいう。本集合体は、カーボンナノチューブのみで構成されていても構わないし、用途によって樹脂などの有機材料・あるいは金属などの無機材料を含有するものであってもよい。例えば、本発明の集合体は、粉の状態、分散液の状態、樹脂複合体などコンポジットの状態、フィルムなどにコーティングされた塗布膜の状態であってもよい。
コロジオン膜上に滴下する液のカーボンナノチューブ濃度は、カーボンナノチューブを一本一本観察できる濃度であればよいが、例えば0.001重量%である。カーボンナノチューブの濃度は、カーボンナノチューブを含有する液を5mlサンプリングし秤量した後、液を乾燥させ、400℃で1時間焼成し、焼成後の重さを量った後、焼成前の重さで除した結果より算出できる。
樹脂などのコンポジットからカーボンナノチューブを採取する際は、コンポジットから溶媒を用いてカーボンナノチューブを抽出してから分散液と同様の方法で観察することができる。また、フィルムなどの基板表面にコーティングされている場合はカーボンナノチューブ含有層から溶媒でカーボンナノチューブを抽出し得られた組成物を分散液の場合と同様に処理し、電解放射走査型電子顕微鏡で観察することによって調べることができる。
ゼオライトには、結晶性メタロシリケート、結晶性シリケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性アルミノフォスフェート、結晶性メタアルミノフォスフェートなどがあるが、本発明においては、結晶性メタロシリケートを使用する。結晶性メタロシリケートの中でも、チタノシリケートを好ましく用いることができる。
通常、上記流動剤は予め固体触媒と予め混合された状態で使用される。
流動化の有無は、電気炉に設けた観察口から固体触媒層を観察することで流動化有無を確認することができる(上記縦型石英ガラス反応管としては後述する図1に示したのと同様の装置を用いることができる) 。また、本発明において流動性が悪いとは、一旦流動化しても1分以内に流動化が停止してしまうことであり、上述の観察口から確認することができる。
また、フィルター濾過に用いるフィルターの孔径は、0.05μm〜5μmの間で適宜選択することができる。それにより、未分散のカーボンナノチューブや、カーボンナノチューブ合成時に混入する可能性のある不純物等のうち比較的サイズの大きいものを除去することができる。
面抵抗均一性の値は、カーボンナノチューブがフィルム表面で均一に分散され良好に導電ネットワークが構築されていればいるほど低い値が得られる。例えば、フィルムに傷が生じ導電ネットワークが一部でも分断されてしまうと急激に上昇してしまう。面抵抗均一性が優れると抵抗膜式型タッチパネルの透明導電電極に利用できる。一般的に抵抗膜式の電極として求められる面抵抗均一性は1.5%以下である。1.5%以上であると電極として正確に作用しなくなる。本発明により得られたカーボンナノチューブ集合体を含有する透明導電フィルムは、カーボンナノチューブの分散性が高いうえ、カーボンナノチューブの内径が太く、長さが均一で、屈曲点を有しているため、少ない本数で効率的に導電性ネットワークを構築でき、面抵抗均一性が低いフィルムが得られる。層数が多い多層カーボンナノチューブであれば、グラファイト化度が低いうえ、屈曲点を有さないので高い面抵抗均一性を得るためには多数のカーボンナノチューブが必要であり、層数が多いために透明性が低下する。一方、単層カーボンナノチューブでは分散性が悪いうえ、屈曲点を有さないので少量では導電ネットワークを構築できず、高い面抵抗均一性を得るためには多数のカーボンナノチューブが必要となってしまう。
また、本発明により得られるカーボンナノチューブ集合体を含有するフィルムは折り曲げに対して耐性の高いものが得られる。折り曲げによる耐性は、一定の折り曲げ半径で数回折り曲げフィルムの表面抵抗を測定し、変化率を求める。表面抵抗の測定はJISK7149準処の4端子4探針法を用いロレスタEP MCP−T360((株)ダイアインスツルメンツ社製)を用いて行った。高抵抗測定の際は、ハイレスターUP MCP-HT450(ダイアインスツルメンツ製、10V、10秒)を用いて測定できる。本発明のカーボンナノチューブ集合体は、屈曲点を有するのでフィルムを折り曲げた際もカーボンナノチューブがバネの様な働きをし伸びたり縮んだりできるため、フィルムの形状に追随でき表面抵抗の変化が小さい。本発明のカーボンナノチューブ集合体を含有するフィルムは、折り曲げ半径5mmで100回折り曲げを繰り返したときの表面抵抗の変化率が±10%((初期抵抗値−折り曲げ後抵抗値)の絶対値/初期抵抗値×100(%))であるものが得られる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
[担体への金属塩の担持]
トリフルオロ酢酸鉄(日本化学産業株式会社製)1.5g、トリフルオロ酢酸コバルト(日本化学産業株式会社製)15gを500mlナス型フラスコに取り、エタノール(試薬1級)300CCを加えて溶解させた。次に、チタノシリケート型ゼオライト粉末(NEケムキャット社製TS−1)100gを加えエタノール溶媒に分散させた後、超音波洗浄機で30分処理した。 その後、40℃恒温下、アスピレータを減圧源としたエバポレーターでエタノールを脱溶媒し、ゼオライト表面に触媒成分であるトリフルオロ酢酸鉄、トリフルオロ酢酸コバルトを担持した固体触媒を得た。
トリフルオロ酢酸鉄、トリフルオロ酢酸コバルトを担持した前述の固体触媒50gを蒸発皿に採取し、電気オーブンで250℃、30分焼成した。
図1に示した反応器でカーボンナノチューブを合成した。
得られたカーボンナノチューブを含有する組成物0.4gを電気炉に入れ大気雰囲気で400℃(昇温時間40分)に加熱した。400℃で60分保持した後、室温まで冷却した。さらに、このカーボンナノチューブを含有する組成物を濃度2.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液200mL中に投入後、80℃に保持しながら5時間撹拌した。その後、孔径10μmのメンブレンフィルターで吸引濾過し、固液分離した。得られた固形物を蒸留水1Lで洗浄後、濃度5.1mol/Lの硫酸50mL中に投入し、80℃に保持しながら2時間撹拌した。その後、濾紙(東洋濾紙(株)(Toyo Roshi Kaisha)製、フィルターペーパー(Filter Paper) 2号、125mm)を用いて固形物を分離した。濾紙上の固形物を、蒸留水500mLで洗浄後、60℃で乾燥してカーボンナノチューブ組成物を回収率90%で得た。
300mLの容器に実施例1で得たカーボンナノチューブ組成物200mg、ポリビニルピロリドン(東京化成社製)200mgを量りとり、イソプロピルアルコール200mLを加えて、超音波ホモジナイザー出力300W、30分間で氷冷下分散処理しカーボンナノチューブ組成物液を調製した。得た液を高速遠心機を使用し20000G、15分遠心し、上清を300mlのサンプル管に入れ保管した。カーボンナノチューブの濃度を5mLサンプリングし乾燥させたあと、電気炉で大気雰囲気下400℃で30分間焼成しその重量から計算したところ、0.78重量%であった。
500mLの容器に実施例1で得たカーボンナノチューブ組成物60mg、ポリオキシエチレンフェニルエーテル(アイ・シー・エヌ社製)120mgを量りとり、蒸留水300mLを加えて、超音波ホモジナイザー出力300W、30分間で氷冷下分散処理しカーボンナノチューブ組成物液を調製した。得た液を高速遠心機を使用し10000G、15分遠心し、上清を500mlのサンプル管に入れ保管した。カーボンナノチューブの濃度を5mLサンプリングし乾燥させたあと、電気炉で大気雰囲気下400℃で30分間焼成しその重量から計算したところ、0.15重量%であった。
実施例2で得た液を乾燥させて高分解能透過型電子顕微鏡を用いて観察を行ったところ、200万倍で観察し、100nm四方の視野の中で視野面積の10%以上がカーボンナノチューブであり、10本以上のカーボンナノチューブが含有されるところの写真(A4サイズ)を10カ所とりスケールを使って任意に抽出した100本のカーボンナノチューブ中の内径を測定した。内径を測る位置はカーボンナノチューブが湾曲していない直線性のある位置を選んで測定した。その結果、100本中、95本のカーボンナノチューブの内径が3nm〜6nmであった。さらに、カーボンナノチューブ100本中2層〜5層のカーボンナノチューブは94本であり、そのうち、2層カーボンナノチューブの本数を測定したところ82本が2層カーボンナノチューブであり、3層〜5層カーボンナノチューブが12本含まれていた。次に実施例2で得た液をイソプロピルアルコールを用いて0.01重量%になるように希釈した後マイカ基板上にバーコートし、室温で乾燥させた。カーボンナノチューブの長さについて電解放射走査型電子顕微鏡で2万倍で観察し、4μm四方の視野の中で10本以上のカーボンナノチューブが含まれるところの写真(A3サイズ)を10箇所撮り、視野中から任意に抽出した100本の各カーボンナノチューブの長さを繊維に沿って測定した。計100本のカーボンナノチューブについて長さを測定したところ、0.2〜2μmの範囲にあるカーボンナノチューブは86本であった。また、0.2〜1μmにあるカーボンナノチューブは65本であった。求めたカーボンナノチューブの長さの相加平均は1.4μmであり、50本が平均長さの±18%であった。
実施例3で得た液を乾燥させて実施例4と同様の方法でカーボンナノチューブ集合体の特性を測定した。その結果、100本中92本のカーボンナノチューブの内径が3nm〜6nmであった。さらに、カーボンナノチューブ100本中2層〜5層のカーボンナノチューブは88本であり、そのうち、2層カーボンナノチューブの本数を測定したところ76本が2層カーボンナノチューブであり、3層〜5層カーボンナノチューブが12本含まれていた。また、長さを測定したところ、0.2〜2μmの範囲にあるカーボンナノチューブは75本であった。また、0.2〜1μmにあるカーボンナノチューブは66本であった。求めたカーボンナノチューブの長さの相加平均は1.1であり、50本が平均長さの±37%であった。同時に同写真を用いて、屈曲点の数と屈曲間距離を測定したところカーボンナノチューブ100本中89本が屈曲点を2個以上もち、平均屈曲数は5個であった。また、500nm以下の屈曲点間距離を持つカーボンナノチューブは100本中82本であり、屈曲点間距離の平均は210nmであった。また、実施例2で得た液を0.1μmのメンブレインフィルター(ミリポア社製)を用いてろ過し、イオン交換水で洗浄することにより分散剤を除去した後、乾燥させ粉体のカーボンナノチューブ集合体を得た。これを用いて、ラマンG/D比を共鳴ラマン散乱測定法において633nmのレーザーを用いて測定した。1550〜1650cm−1の範囲内で最大のピーク強度をG、1300〜1400cm−1の範囲内で最大のピーク強度をDとしたときのG/D比を計算したところ、3回測定した平均のG/D比は3.1であった。
実施例4で得た液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)社製(ルミラー U36、125μm、光透過率91.3%)上にマイクログラビア(番手110R)を用いて塗布し(回転比1.0、WET膜厚10μm、塗工速度3m/分、第一乾燥110℃、第二乾燥105℃各1分)フィルム上にカーボンナノチューブを固定化した。次に、カーボンナノチューブを固定した反対の層にUV硬化型アクリル系のハードコートをコーティングした。得られた塗布フィルムの表面抵抗値は2.5×103Ω/sq.、光透過率86.8%、ヘイズ0.97%であり、高い導電性および、透明性を示した。表面抵抗値はJISK7149準処の4端子4探針法を用いロレスタEP MCP−T360((株)ダイアインスツルメンツ社製)を用いて行った。光透過率は分光光度計(日立製作所U-2001)の550nmでの光透過率を測定した。ヘイズは、JISK7361-1準拠のスガ試験機(株)製、全自動直読ヘイズコンピューターメーター HGM−2DP型を用いて測定した。
実施例6で得たフィルムの面抵抗均一性を測定した。フィルムを6cm×8cmにカットし、両端に電極を解して15VのDC電圧を印加しておき、針電極を用いて電圧を5cm間隔で順次測定し計算した。その結果、3回測定しその平均の面抵抗均一性は0.24%であった。次に、半径5mmの鉄の棒に8×10cmのフィルムを半周巻きつけ、巻きつけた箇所の折り曲げ前と1000回折り曲げ後の表面抵抗を5回測定しその平均値から表面抵抗変化率を測定した。表面抵抗値はJISK7149準処の4端子4探針法を用いロレスタEP MCP−T360((株)ダイアインスツルメンツ社製)を用いて行った。その結果、100回折り曲げ後において表面抵抗変化率は4%であった。
50mLの容器に単層カーボンナノチューブ(ナノテクポート製、純度50〜80%)、60mg、ポリオキシエチレンフェニルエーテル(アイ・シー・エヌ社製)60mgを量りとり、蒸留水30mLを加えて、超音波ホモジナイザー出力300W、30分間で処理した。調製した液は底部に凝集体が確認でき分散性が悪かった。得た液を高速遠心機を使用し20000G、15分遠心し、上清を50mlのサンプル管に入れ保管した。分散液のカーボンナノチューブ濃度を5mLサンプリングし乾燥させたあと、電気炉で大気雰囲気下400℃で30分間焼成しその重量から計算しめたところ、0.05重量%であった。さらに、本液を乾燥させて高分解能透過型電子顕微鏡を用いて観察を行い、実施例4と同様の方法でカーボンナノチューブの特性を測定した。その結果、内径が3nm〜6nmのカーボンナノチューブの本数は28本であり、72本が2nm未満の単層カーボンナノチューブであった。また、この液中に含まれるカーボンナノチューブは長さ0.2〜2μmの範囲にあるカーボンナノチューブが63本であった。また、0.2〜1μmにあるカーボンナノチューブは37本であった。求めたカーボンナノチューブの長さの相加平均は1.8であり、50本が平均長さの±76%であった。同時に同写真を用いて、屈曲点の数と屈曲間距離を測定したところカーボンナノチューブ100本中12本が屈曲点を2個以上もっていた。また、500nm以下の屈曲点間距離を持つカーボンナノチューブは100本中5本であった。また、実施例2で得た液を0.1μmのメンブレインフィルター(ミリポア社製)を用いてろ過し、イオン交換水で洗浄することにより分散剤を除去した後、乾燥させ粉体のカーボンナノチューブ集合体を得た。これを用いて、ラマンG/D比を共鳴ラマン散乱測定法において633nmのレーザーを用いて測定した。1550〜1650cm−1の範囲内で最大のピーク強度をG、1300〜1400cm−1の範囲内で最大のピーク強度をDとしたときのG/D比を計算したところ、3回測定した平均のG/D比は2.9であった。
比較例1で得た液を実施例2と同様の方法でPETフィルム上に固定しフィルムの面抵抗均一性を測定した。その結果、3回測定しその平均の面抵抗均一性は2.4%であった。
50mLの容器に多層カーボンナノチューブ(カーボンナノチューブコーポレート社製)60mg、ポリオキシエチレンフェニルエーテル(アイ・シー・エヌ社製)60mgを量りとり、蒸留水30mLを加えて、超音波ホモジナイザー出力3000W、30分間で処理した。得られた液を高速遠心機を使用し20000G、15分遠心した。得られた上清を50mlのサンプル管に入れ保管した。分散液のカーボンナノチューブ濃度を5mLサンプリングし乾燥させたあと、電気炉で大気雰囲気下400℃で30分間焼成しその重量から計算しめたところ、0.15重量%であった。さらに、本液を実施例4と同様にして、カーボンナノチューブの観察を行ったところ、内径が3nm〜6nmのカーボンナノチューブの本数は62本であり、31本が内径6nmを越えるカーボンナノチューブであった。カーボンナノチューブ100本中の層数を測定した結果、2層〜5層のカーボンナノチューブは20本であり、6層以上のカーボンナノチューブが66本であった。また、層数は大きいものは10層以上であった。また、この液中に含まれるカーボンナノチューブは長さ0.2〜2μmの範囲にあるカーボンナノチューブが48本であった。また、0.2〜1μmにあるカーボンナノチューブは15本であった。求めたカーボンナノチューブの長さの相加平均は3.7であり、50本が平均長さの±89%であった。同時に同写真を用いて、屈曲点の数と屈曲間距離を測定したところカーボンナノチューブ100本中38本が屈曲点を2個以上もっていた。また、500nm以下の屈曲点間距離を持つカーボンナノチューブは100本中24本であった。また、実施例2で得た液を0.1μmのメンブレインフィルター(ミリポア社製)を用いてろ過し、イオン交換水で洗浄することにより分散剤を除去した後、乾燥させ粉体のカーボンナノチューブ集合体を得た。これを用いて、ラマンG/D比を共鳴ラマン散乱測定法において633nmのレーザーを用いて測定した。1550〜1650cm−1の範囲内で最大のピーク強度をG、1300〜1400cm−1の範囲内で最大のピーク強度をDとしたときのG/D比を計算したところ、3回測定した平均のG/D比は1.1であった。
比較例1で得た液を実施例2と同様の方法でPETフィルム上に固定しフィルムの面抵抗均一性を測定した。その結果、3回測定しその平均の面抵抗均一性は1.4%であった。
(カーボンナノチューブを含む透明導電性フィルムの耐湿熱性)
実施例6、比較例1、比較例2で得たカーボンナノチューブ含有フィルムに電極を装着しアクリル粘着ラミコートした。その状態で恒温恒湿機を用いて60℃、90%RH、1000時間の耐湿熱性試験を行った。表面抵抗値はデジタル超高抵抗/微少電流計(エーディーシー)を用いて印加電圧100Vで装着した電極間の抵抗を測定した。実施例6で得たフィルムの212時間後のフィルムの表面抵抗変化率は4.0であり、1000時間後は4.2であった。実施例6のフィルムが約200時間で表面抵抗変化率が一定になったのに対して比較例1のフィルムは表面抵抗変化率が大きく、212時間後には36となりその後も上昇し1000時間後の表面抵抗変化率は56であった。比較例2のフィルムは表面抵抗変化率がさらに大きく、212時間後には55となりその後も上昇し1000時間後の表面抵抗変化率は136であった。
101 石英焼結板
102 密閉型触媒供給器
103 固体触媒供給ライン
104 原料ガス供給ライン
105 排出ライン
106 加熱器
107 点検口
Claims (11)
- 下記の特徴をもつカーボンナノチューブ集合体。
<1>高分解能透過型電子顕微鏡において観察したときに、任意の100本のカーボンナノチューブ中50本以上の層数が2層〜5層の範囲にある
<2>高分解能透過型電子顕微鏡において観察したときに、任意の100本のカーボンナノチューブ中50本以上の内径が3nm〜6nmの範囲にある
<3>電解放射走査型電子顕微鏡において観察したときに、任意の100本のカーボンナノチューブ中50本以上の長さが0.2〜2μmの範囲にある
<4>電解放射走査型電子顕微鏡において観察したときに、任意の100本のカーボンナノチューブのうち50本以上が1本に2個以上の屈曲点を持つ - 任意の100本中のカーボンナノチューブ中50本以上の屈曲点間距離が500nm以下であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブ集合体。
- 任意の100本のカーボンナノチューブ中50本以上における長さが平均長さの±50%であるカーボンナノチューブを含有することを特徴とする請求項1あるいは2記載のカーボンナノチューブ集合体。
- 上記任意の100本のカーボンナノチューブ中80本以上の長さが0.2〜2μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のカーボンナノチューブ集合体。
- 共鳴ラマン散乱測定法の測定により得られるスペクトルで1560〜1600cm−1の範囲内で最大のピーク強度をG、1310〜1350cm−1の範囲内で最大のピーク強度をDとしたときにG/D比が2以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のカーボンナノチューブ集合体。
- 2〜5層を主体とし、内径3nm〜6nmの範囲にあり、複数の屈曲点を有するカーボンナノチューブを合成し、得られたカーボンナノチューブを切断し分散させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記カーボンナノチューブを切断し分散させる工程において、分散媒の存在下で超音波照射法を用いることを特徴とする請求項6記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記カーボンナノチューブを切断し、分散させる際、高分子系分散剤およびアルコール系溶媒を含有することを特徴とする請求項6または7記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載のカーボンナノチューブ集合体を含有してなることを特徴とするフィルム。
- フィルム表面における面抵抗均一性(直線性)が0.5%以下であることを特徴とする請求項9記載のフィルム。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載のカーボンナノチューブ集合体を含有することを特徴とする分散液。
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