JP5604895B2 - 透明導電複合材 - Google Patents

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本発明は、カーボンナノチューブを導電層とした透明導電複合材に関する。
透明導電複合材の導電層を形成する有機系材料としては、カーボンナノチューブと導電性ポリマーが知られている。これらの材料は室温、大気圧下で導電層の塗布が可能であり、簡易なプロセスで導電層を形成することができる。また、屈曲性に富むため、柔軟なフィルム上に導電層を形成する場合であっても、フィルムの屈曲性に追従することができる。さらに、基材にフィルムを用いた場合には導電層を連続形成できることから、プロセスコストの低減が可能である。これらの導電層は、膜厚を薄くすることによって透明性を向上させることができ、特にカーボンナノチューブは黒色のためニュートラルな色調を得ることができる。
カーボンナノチューブは従来、溶媒中への分散が困難であったが、近年、カーボンナノチューブの分散性を高めた組成物として、溶媒およびカーボンナノチューブを含有する組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。このような分散方法により優れた透明性、導電性を有するカーボンナノチューブ透明導電複合材が得られるようになっている(例えば特許文献2)。
特開2005−97499号公報 特開2009−252713号公報
前記のようなカーボンナノチューブ透明導電複合材では、一般的な透明導電材料であるインジウム錫酸化物(ITO)を用いた透明導電複合材と比較すると透明導電性は劣っている。ITO透明導電複合材の透明導電性は表面抵抗値500Ω/□、全光線透過率90%が一般的であるが、これに対してカーボンナノチューブ透明導電複合材は、1000Ω/□、85%程度の透明導電性しか得られていなかった(特許文献2)。透明導電性は、低抵抗、高光線透過性が要求される透明電極用途においては最も重要な特性であるため、これまで、ITOと比較して透明導電性に劣るカーボンナノチューブを用いた透明導電複合材は、一般的には用いられてこなかった。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、
(I)
透明基材上にカーボンナノチューブ層が積層されてなる透明導電複合材であって、該カーボンナノチューブ層に含有されるカーボンナノチューブの直径が1.5nm以下の状態で、平均カーボンナノチューブ長さが1μm以上5μm以下であり、カーボンナノチューブの直径が1.5nm以下の状態における平均カーボンナノチューブ長さをXμmとした場合、カーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率ρ(Ωcm)が4.0×10−5Ωcm以上、式(1)で表される値以下であることを特徴とする透明導電複合材、
ρ=7.3361×10−7−9.5978×10−6+3.7979×10−5−1.8550×10−5X+2.9732×10−5 (1)
透明導電複合材、
(II)
前記カーボンナノチューブ層を、カーボンナノチューブ分散液を基材に塗布し、その後分散液中から溶媒を除去することにより作成する場合、該カーボンナノチューブ分散液中のカーボンナノチューブの動的光散乱法によって粒度分布を導出した際の平均粒径が200nm以上1000nm以下である(1)に記載の透明導電複合材、
(III)
前記カーボンナノチューブの塗布量が15mg/m以下である(I)または(II)に記載の透明導電複合材、
(IV)
外径5mmの円柱状金属棒に沿った180°折り曲げを20回繰り返す前後の表面抵抗値変化率が1以上1.1以下であることを特徴とする(I)〜(III)いずれかに記載の透明導電複合材、
である。
本発明によれば、これまでITO透明導電複合材と比較して劣っていたカーボンナノチューブ透明導電複合材の透明導電性を、ITO透明導電複合材の500Ω/□、90%、よりも優れた特性とすることができる。また、カーボンナノチューブを導電材料として用いることで、可塑性の低いITOを導電材料として用いるよりも折れ曲げ耐性の高い透明導電複合材を得ることができる。
基材へカーボンナノチューブ層を設けた際の、カーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量とカーボンナノチューブ層体積抵抗率の関係を模擬的に表した図である。 本発明におけるカーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率の導出方法を説明する図である。 本発明のカーボンナノチューブ層/ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム積層体において、全光線透過率87%時の表面抵抗値と平均カーボンナノチューブ長さの関係をカーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率1.43×10−4と4.00×10−5 Ωcmにおいて導出した図である。 カーボンナノチューブ層/PETフィルム積層体において500Ω/□、全光線透過率87%時の平均カーボンナノチューブ長さとカーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率の関係を表した図である。 カーボンナノチューブ分散液の平均粒径と平均カーボンナノチューブ長さの関係を表わした図である。 本発明における折れ曲げ耐性測定法を説明する図である。 実施例および比較例で用いたカーボンナノチューブ含有組成物製造用の化学気相成長法の装置の概略図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の透明導電複合材の製造方法は、透明基材、およびカーボンナノチューブ層、好ましくはさらにオーバーコート層をこの順に設ける。ここで、透明基材とは可視光の透過率が高い基材を指し、具体的には全光線透過率が50%以上のもの、より好ましくは90%以上のものとする。カーボンナノチューブ層はカーボンナノチューブ分散液を前記透明基材に塗布し、その後溶媒を乾燥させてカーボンナノチューブを固定化することで形成される。カーボンナノチューブ層形成後、この層の上面に有機または無機透明被膜を形成しうるバインダー材料でオーバーコート層を形成する。
本発明に用いられる透明基材としては、樹脂、ガラスなどを挙げることができる。厚み250μm以下で巻き取り可能なフィルムであっても、厚み250μmを超える基板であってもよい。樹脂としては、PET、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロースなどを挙げることができる。ガラスとしては、通常のソーダガラスを用いることができる。また、これらの複数の基材を組み合わせて用いることもできる。例えば、樹脂とガラスを組み合わせた基材、2種以上の樹脂を積層した基材などの複合基材であってもよい。樹脂フィルムにハードコートを設けたようなものであっても良い。透明基材の種類は上述に限定されることはなく、用途に応じて透明性や耐久性やコスト等から最適なものを選ぶことができる。
次にカーボンナノチューブ層について説明する。本発明におけるカーボンナノチューブ層はカーボンナノチューブを含んでいればよい。本発明において、カーボンナノチューブ層に用いられるカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、三層以上の多層カーボンナノチューブのいずれでもよい。
カーボンナノチューブ層は以下の方法で製造されるカーボンナノチューブ分散液を前記透明基材に塗布し、その後溶媒を乾燥させてカーボンナノチューブを固定化することで形成される。
カーボンナノチューブは、例えば以下のように製造される。マグネシアに鉄を担持した粉末状の触媒を、縦型反応器中、反応器の水平断面方向全面に存在させ、該反応器内にメタンを鉛直方向に流通させ、メタンと前記触媒を500〜1200℃で接触させ、カーボンナノチューブを製造した後、カーボンナノチューブを酸化処理する。カーボンナノチューブは通常バンドルを形成しているために分散性が低い。これは副生物として生成するアモルファスカーボンが糊の役割を果たしバンドルを強固なものにしているためと推測される。そこでカーボンナノチューブの分散性を向上させるために酸化処理を施すことによりアモルファスカーボンを除去することができる。酸化処理方法としては、焼成処理する方法や過酸化水素や混酸、硝酸など酸化力の強い酸で処理することが挙げられる。
焼成処理温度は本発明のカーボンナノチューブが得られる限り、特に限定されないが、通常、300〜1000℃の範囲で選択される。
酸により酸化されたカーボンナノチューブは、カーボンナノチューブの表面がカルボン酸など酸性官能基で修飾されており、イオン交換水中に懸濁した液は酸性を示す。酸により酸化されたカーボンナノチューブを用いることで、分散性が向上し、導電性が高い分散液を得ることができる。
カーボンナノチューブを過酸化水素で処理するとは、前記カーボンナノチューブを例えば市販の34.5%過酸化水素水中に0.1mg/mL〜100mg/mLになるように混合し、0〜100℃の温度にて0.5〜48時間反応させることを意味する。
またカーボンナノチューブを混酸で処理するとは、前記カーボンナノチューブを例えば濃硫酸/濃硝酸(3/1)混合溶液中に0.1mg/mL〜100mg/mLになるように混合し、0〜100℃の温度にて0.5〜48時間反応させることを意味する。混酸の混合比としては生成したカーボンナノチューブ中の単層カーボンナノチューブの量に応じて濃硫酸/濃硝酸の質量比を1/10〜10/1とすることも可能である。
カーボンナノチューブを硝酸で処理するとは、前記カーボンナノチューブを例えば市販の硝酸40〜80重量%中に0.1mg/mL〜100mg/mLになるように混合し、60〜150℃の温度にて0.5〜48時間反応させることを意味する。
このような酸化処理を行うことで、生成物中のアモルファスカーボンなどの不純物を選択的に除去することが可能となる。これら酸化処理はカーボンナノチューブ合成直後に行っても良いし、別の精製処理後に行っても良い。例えば触媒として鉄/マグネシアを用いる場合、焼成処理後、塩酸等の酸により、さらに触媒除去のための精製処理を行っても良いし、先に塩酸等の酸により触媒除去のための精製処理を行った後に酸化処理してもよい。
いずれにしてもカーボンナノチューブの特性に合わせて適度な酸化の強さと時間を調整し、所望の分散性が得られるまで、十分に酸化処理を施すのがよい。
このようにして得たカーボンナノチューブは分散性が高く、比較的簡便にバンドルを解すことが出来る。本発明においては、カーボンナノチューブを精製後、乾燥工程を経ずに溶媒を含んだ状態で用いることがさらに好ましい。一度カーボンナノチューブを乾燥させると、カーボンナノチューブ同士が絡み合ったり、強く凝集し、乾燥工程を経ずに溶媒を含んだ状態と比較すると分散させることが困難になる。またこのように凝集が強い場合には絡みを解す時に、なかなか解れずにカーボンナノチューブを切断してしまい、粒径が小さくなりすぎたりする。このようにカーボンナノチューブを溶媒を含んだ状態で分散することによりさらにカーボンナノチューブの分散が簡便になると同時に分散性が向上する。
次に、前記のようにして得られたカーボンナノチューブと分散剤を用いて水性分散液を調製する。前記のようにして得たカーボンナノチューブと分散剤を水系溶媒中で塗装製造に慣用の混合分散機(例えばボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波装置、アトライター、デゾルバー、ペイントシェーカー等)を用いて混合し、組成物を製造することができる。中でも、超音波を用いて分散することで得られる分散液のカーボンナノチューブの分散性が向上し好ましい。分散させるカーボンナノチューブは乾燥状態であっても、溶媒を含んだ状態でもよいが、精製後乾燥させずに溶媒を含んだ状態で分散させることで、分散性が向上し好ましい。溶媒は水系溶媒が好ましい。
本発明において超音波照射方法としては、超音波ホモジナイザーを用いることが好ましい。超音波の照射出力や処理量、分散時間を最適に調整することによってカーボンナノチューブの平均粒径を調整する必要がある。ここでいう平均粒径とは、動的光散乱法によって粒度分布を導出した際の数平均粒径を指す。平均粒径を小さくしすぎるとカーボンナノチューブが互いに絡みにくくなり、導電ネットワークを形成しにくくなってしまい、透明導電膜としたときに透明導電性が著しく低下するという課題がある。超音波の照射出力は、処理量や分散時間にもよるため、限定はできないが、20〜1000Wが好ましい。照射出力が大きすぎると、カーボンナノチューブに欠陥ができたり、粒径が小さくなりすぎてしまい、分散液の透明導電性が低下してしまう。例えば、分散処理量が20mL以下の場合であれば、20〜50Wが好ましく、分散処理量が100〜500mLであれば、100W〜400Wが好ましい。超音波の出力が大きいときは分散時間を短くする、出力が小さいときは分散時間を長くする等、調整することで最適な平均粒径に制御することが可能である。
分散させる際の温度は、特に高出力の場合においては分散中に液温が上昇しないように、冷却しながら連続フロー式で分散を行うなどし、液温が上昇しないようにすることが好ましい。超音波照射中の液温は好ましくは、0℃〜50℃であり、より好ましくは、0℃〜30℃であり、さらに好ましくは、0℃〜20℃である。この範囲にあることで、カーボンナノチューブと分散剤が安定に相互作用ししっかりと分散させることができる。周波数は20〜100kHzであることが好ましい。
カーボンナノチューブおよび分散剤を添加する順序に特に制限はなく、同時に添加してもよく、それぞれ別々に添加してもよい。また、どちらを先に添加してもよい。
本発明において、前記分散液は、遠心分離、フィルター濾過、ゲル濾過によって分画することが好ましい。例えば、分散液を遠心分離することによって、未分散のカーボンナノチューブや、過剰量の分散剤、カーボンナノチューブ合成時に混入する可能性のある金属触媒などは沈殿するので、遠心上清を回収すれば組成物中に分散しているカーボンナノチューブを採取することができる。未分散のカーボンナノチューブおよび、不純物などは沈殿物として除去することができ、それによって、カーボンナノチューブの再凝集を防止でき、組成物の安定性を向上することができる。さらに、強力な遠心力においては、カーボンナノチューブの太さや長さによって分離することができ分散液の透明性、導電性を向上させることができる。
遠心分離する際の遠心力は、100G以上の遠心力であればよく、好ましくは、1000G以上、より好ましくは10,000G以上である。上限としては特に制限はないが、汎用超遠心機の性能より2,000,000G以下であることが好ましい。
また、フィルター濾過に用いるフィルターは、0.05μmから100μmの間で適宜選択することができる。それにより、未分散のカーボンナノチューブや、カーボンナノチューブ合成時に混入する可能性のある不純物等のうち比較的サイズの大きいものを除去することができる。
本発明のカーボンナノチューブ分散液は以上のような分画した後の濃度として、0.5〜100mg/mLの分散液の調製が可能である。この時の分散液の濃度の測定法として上述の方法や分散液の上清を分取した後の残存液を、例えば孔径1μmのフィルターを用いてろ過、その後よく洗浄して得られたろ過物を乾燥機にて乾燥し、重量を測ることで沈殿の重量が測定可能であるので分散に使用した量から差を計算することで上清の濃度を測定することができる。この分散液には前記カーボンナノチューブ、分散剤の他、必要に応じその他の添加剤を含有させることができる。前記、添加剤の含有量は、本発明の効果を阻害しない範囲で添加できる。
分散液を、基材上に塗布する時、分散液中に濡れ剤を添加しても良い。非親水性の基材へは特に界面活性剤やアルコール等の濡れ剤を導電性組成物中に添加することで、基材に組成物がはじかれることなく塗布することができる。中でもアルコールが好ましく、アルコールの中でもメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが好ましい。メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコールは揮発性が高いために塗布後の基材乾燥時に容易に除去可能である。場合によってはアルコールと水の混合液を用いても良い。
本発明で用いるカーボンナノチューブにおいては、そのカーボンナノチューブ層の体積抵抗率および平均カーボンナノチューブ長さを以下のように規定することで、カーボンナノチューブ透明導電複合材の透明導電性を、ITO透明導電複合材と同等である表面抵抗値500Ω/□、全光線透過率90%レベル、あるいはそれ以上のレベルまで向上させることができる。
カーボンナノチューブ層の体積抵抗率は以下のように測定する。まず、バーコーター、スピンコーターなどの塗布量が規定でき、かつ面方向に一様に塗布可能な方法でカーボンナノチューブ分散液を透明基材上に塗布、その後乾燥させる。作成したカーボンナノチューブ層と透明基材の複合材を、分散剤に対する溶解度の高い溶媒中に浸漬、分散剤のみを除去する。水系溶媒を分散液として用いる場合、分散剤除去溶媒としてはイオン交換水など不純物の少ない水が好ましい。また、あらかじめ溶媒浸漬時間と除去分散剤量の関係を調べておき、十分に分散剤がカーボンナノチューブ層から除去されたと判断される浸漬時間とすることが好ましい。分散剤が残っている場合、残留分散剤の影響によってカーボンナノチューブ間の接点抵抗が上昇するため、残留分散剤がない場合と比較して、表面抵抗値が大きくなる。
以上の方法で作製したカーボンナノチューブ層と透明基材の複合体のカーボンナノチューブ層体積抵抗率を測定する。カーボンナノチューブ層体積抵抗率ρ(Ωcm)は以下のように表わされる。
ρ=R×t (2)。
ここでR(Ω/□)はカーボンナノチューブ層の表面抵抗値、t(cm)はカーボンナノチューブ層厚みである。しかし、透明導電複合材として用いるカーボンナノチューブ層厚みはnmオーダーであるため、接触式膜厚計などで直接的に厚みを測定することは困難である。本発明において、カーボンナノチューブ層厚みは以下の方法で測定する。カーボンナノチューブ層を設けた透明基材の波長550nmにおける透過率、反射率(カーボンナノチューブ層面およびその逆面)を測定する。測定波長は特に限定されるわけではないが、人間の視感強度の強い550nm付近を用いることが好ましい。透過率をTCNT、カーボンナノチューブ層面の反射率をrCNT、その逆面の反射率をrrとすると、カーボンナノチューブ層によって吸収される光の吸収率ACNTは以下のように表わされる。
CNT=1−TCNT−rCNT−r (3)。
このACNTはPETなど可視光域の光吸収をほぼ無視できる基材を用いた場合、カーボンナノチューブによる光吸収のみに由来し、カーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量に依存する値となる。ACNTとカーボンナノチューブ塗布量の関係は以下のランベルトベールの法則に従う。
log(1−A CNT =−εM
ここで、ε(m/mg)は吸光係数、Mは単位面積あたりのカーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量(mg/m)である。カーボンナノチューブのεは0.0045である。この式より、Mを求めることができる。Mとtは以下の式で換算する。
t=M/dCNT×10−7 (5)。
CNT(g/cm)はカーボンナノチューブの密度である。カーボンナノチューブの密度としては、様々な値が報告されているが、本発明においてはdCNT=1.4とする。
仮にこの値が真値からずれていたとしても、最終的に求めるカーボンナノチューブ層体積抵抗率の値が相対的に変化するのみであって、カーボンナノチューブ特性の相対評価には影響を与えない。
前記式(2)〜(5)によって求めたカーボンナノチューブ層体積抵抗率ρを様々なカーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量で求めた場合のカーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量とカーボンナノチューブ層体積抵抗率の関係を模式的に図1に示す。カーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量が少ない状態の場合、周囲のカーボンナノチューブとの電気的接触がなく、孤立しているものも存在する。このため、塗布された全てのカーボンナノチューブが面方向の導電性に寄与するわけではなく、カーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量に対する電気抵抗の値は高いものとなる。このため、見掛け上のρの値は大きくなる。カーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量を増やしていくに従い、ρの値はある一定の値ρに収束する。この状態においてはカーボンナノチューブ同士が密に接触しており、接触点数はほぼ無限大とみなすことができ、接触抵抗およびカーボンナノチューブの配列状態に依存しないカーボンナノチューブ層本来の体積抵抗率(カーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率)とみなすことができる。しかし、現実的に異なるカーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量において、実験値としてのρの値が全く一致することはない。そこで、本発明においては、少ないカーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量からカーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量を増加していき、あるカーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量M1とM(M<M)と、これらのカーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量で求めたカーボンナノチューブ層の体積抵抗率ρとρから得られる下式の値lがある一定値lとなった際のρを前記カーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率ρ0とみなす(図2参照)。
l=|ρ−ρ/M−M1| (6)。
本発明において用いたlの値は1.5×10−2(Ωcm・m/mg)である。このlの値は、用いるカーボンナノチューブの特性によって変更してもよい。また、体積抵抗率を一定とみなす方法についてはその他の数学的手法を用いてもよい。
次に、平均カーボンナノチューブ長さを測定する手法について述べる。カーボンナノチューブ分散液を5.0×10−4〜1.5×10−3 wt%の濃度に薄めて基材上に塗布、乾燥させたカーボンナノチューブ塗布基材の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、原子間力顕微鏡(AFM)などで観察し、カーボンナノチューブ一本一本の長さ、径を測定する。通常カーボンナノチューブはその強いπ電子相互作用によって、複数のカーボンナノチューブがバンドルした状態で存在する。バンドル状態は、カーボンナノチューブを前記濃度まで薄くすることによって解消し、カーボンナノチューブ一本ずつにばらした状態(単分散状態)とすることが可能である。TEM観察の結果、カーボンナノチューブ一本の太さは最大1.5nm以下であることがわかっている。
単分散状態とは、具体的には、カーボンナノチューブの太さが1.5nm以下の状態を指す。平均カーボンナノチューブ長さは、単分散状態でのカーボンナノチューブ一本一本の長さを複数計測した平均値とする。ここでいう複数とは、出した平均値が統計的に信頼のおける十分に大きい数という意味である。
図3のα、β、γは、カーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率が1.43×10―4(Ωcm)であり、平均カーボンナノチューブ長さがそれぞれ0.81μm、1.06μm、1.62μmであるカーボンナノチューブ分散液を、PETフィルム(東レ(株)社製(ルミラー”(登録商標) U46)上に塗布、乾燥させて構成した透明導電複合材の透過率87%時の表面抵抗値をプロットした点である。後で述べるようにオーバーコートをカーボンナノチューブ層上に積層させることで反射防止効果が得られ、3%の透過率向上が見込まれる。このため、オーバーコートのない状態で87%の透過率が得られていれば、オーバーコート後90%の透過率を得ることができる。
カーボンナノチューブ厚みが一定である場合、透過率TCNT、カーボンナノチューブ層面の反射率rCNT、その逆面の反射率rrとも一定となる。つまり、透過率87%時には式(3)、(4)、(5)からカーボンナノチューブ厚みt(cm)がある一定の値となる。測定の結果、87%時の厚みはt=2.96×10−7(cm)となった。
カーボンナノチューブが長くなればなるほど、カーボンナノチューブ間の接点が増加し、存在するカーボンナノチューブのうち表面電導に寄与する割合が増加、表面抵抗値が低下する。図3のデータα、β、γでも平均カーボンナノチューブ長さが長くなればなるほど、表面抵抗値が低下する傾向が確認される。仮に平均カーボンナノチューブ長さが無限大となった場合、つまり全てのカーボンナノチューブが表面電導に寄与するとした場合にカーボンナノチューブ層体積抵抗率は、カーボンナノチューブの接点が無限大と仮定したカーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率に近づく。先に述べたように、透過率87%時のカーボンナノチューブ層厚みは一定であるため、平均カーボンナノチューブ長さが無限大となる場合、表面抵抗値は式(2)からカーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率をカーボンナノチューブ層厚みで割った値(ρ/t=R)、1.43×10−4(Ωcm)/2.96×10−7(cm)=483(Ω/□)に近づくと予想される。
図3のカーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率1.43×10−4(Ωcm)の曲線は、α、β、γの3点を通り、かつ平均カーボンナノチューブ長さが無限大のときにR=483(Ω/□)に漸近するとして求めた。この線はカーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率1.43×10−4(Ωcm)のカーボンナノチューブ分散液を用いた際の、透過率87%時の平均カーボンナノチューブ長さと表面抵抗値の相関を表すものである。
式(2)から、カーボンナノチューブ厚みが一定の場合、表面抵抗値とカーボンナノチューブ層体積抵抗率の間には比例関係が成り立つ。また、式(3)〜(5)からわかるように光線透過率を一定値に規定した時点で、カーボンナノチューブ厚みも一定の値となる。以上の2点から、図3においては表面抵抗値とカーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率の間に比例関係が成り立つ。このことから、任意のカーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率について同様の関係線を求めることができる。たとえば、図3にカーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率4.00×10―5Ωcmの曲線を示しているが、この曲線は1.43×10―4Ωcmの曲線のY軸を4.00/14.3の割合で縮小したものである。
本発明においては、オーバーコート後、ITO透明導電基材並みの表面抵抗値500Ω/□、全光線透過率90%という透明導電性を得るためには、平均カーボンナノチューブ長さ、カーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率を図3の斜線範囲とすることが必要である。つまり、平均カーボンナノチューブ長さとカーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率の兼ね合いで透明導電基材の透明導電性が決定される。
図4は表面抵抗値500Ω/□、全光線透過率87%(オーバーコート後90%相当)を達成するのに必要な平均カーボンナノチューブ長さとカーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率の関係を表したものである。図3に示した平均カーボンナノチューブ長さと透明導電性の関係線を各カーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率で連続的に求め、500Ω/□おける平均カーボンナノチューブ長さに対してプロットすることで得た。平均カーボンナノチューブ長さを1μm以下とすると、500Ω/□、90%を達成するために必要なカーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率を4.0×10−5Ωcm以下とする必要があり、現状のカーボンナノチューブの特性からすると、達成困難な値となる。また、5μm以上の長さとした場合、透明導電性目標達成に必要なカーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率の上昇率は5μm以下と比較して緩やかなものとなるため、平均カーボンナノチューブ長さを長くする効果が小さくなる傾向にある。また、平均カーボンナノチューブ長さは長すぎると分散性が低下する傾向にあるため5μm以下であることが好ましい。以上より表面抵抗値500Ω/□、全光線透過率90%を達成するのに望ましい平均カーボンナノチューブ長さは1μm以上5μm以下である。また、望ましくは変曲点である3.8μm以下(図4−A)、より望ましくは傾きの減少が始まる2.5μm以下(図4−B)の範囲であれば、平均カーボンナノチューブ長さを長くする効果が効率的に得られるため好ましい。
上記議論より本発明におけるカーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率の下限は、4.0×10−5Ωcm以上である。また、上限については、カーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率をρ、平均カーボンナノチューブ長さをXとした場合以下の式(1)で表される値以下であることが好ましい。
ρ=7.3361×10−7−9.5978×10−6+3.7979×10−5−1.8550×10−5X+2.9732×10−5 (1)。
この式は、図4の関係の平均カーボンナノチューブ長さ1.0μmから5.0μmの範囲を4次式で近似したものである。しかし、本発明の趣旨はこの式の係数や次数にあるのではなく、図4の関係を導出する過程にある。また、図4の関係は図3においては、線分Aと等価である。
平均カーボンナノチューブ長さと平均粒径の間には線形の相関があることがわかっている。図5に実験結果を示す。200nm以上1000nm以下であれば、先に述べた平均カーボンナノチューブ長さ1.0μmから5.0μmの範囲に含まれる。この範囲であれば、平均カーボンナノチューブ長さの代わりに平均粒径を代用してもよい。
カーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量は求められる透明導電性に応じて変化させる。つまり、カーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量を多くすれば、表面抵抗値は低くなるものの、全光線透過率もそれに応じて低くなる。また、カーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量を少なくすれば、全光線透過率は高くなるものの、表面抵抗値も高い値となる。しかし、透明導電材料として最低限必要な全光線透過率80%以上を得るためには少なくともカーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量を15mg/m以下とすることが好ましい。また、さらに全光線透過率90%という値を得るためにはカーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量を5mg/m以下とすることが好ましい。
次に、オーバーコート層について述べる。本発明においてはカーボンナノチューブ層形成後、この層の上面に有機または無機透明被膜を形成しうるバインダー材料でオーバーコート層を形成することが好ましい。オーバーコート層を形成することにより、さらに透明性、導電性や耐熱性、耐候性が向上できる。
また、本発明の透明導電複合材中に有機または無機透明被膜を形成しうるバインダー材料を含有させ、適当な基材に塗布後、必要により加熱して塗膜の乾燥ないし焼付(硬化)を行っても得ることができる。その際の加熱条件は、バインダー種に応じて適当に設定する。バインダーが光または放射線硬化性の場合には、加熱硬化ではなく、塗布後直ちに塗膜に光または放射線を照射することにより塗膜を硬化させる。放射線としては電子線、紫外線、X線、ガンマー線等のイオン化性放射線が使用でき、照射線量はバインダー種に応じて決定する。
前記バインダー材料としては、導電性塗料に使用されるものであれば特に制限はなく、各種の有機および無機バインダー、すなわち透明な有機ポリマーまたはその前駆体(以下「有機ポリマー系バインダー」と称する場合もある)または無機ポリマーまたはその前駆体(以下「無機ポリマー系バインダー」と称する場合もある)が使用できる。
有機ポリマー系バインダーは熱可塑性、熱硬化性、あるいは紫外線、電子線などの放射線硬化性のいずれであってもよい。適当な有機バインダーの例としては、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリアミド系(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン66、ナイロン6・10等)、ポリエステル系(PET、ポリブチレンテレフタレート等)、シリコン系ポリマー、ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリスチレン誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等)、ポリケトン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアセタール、フッ素樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラニン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、セルロース系ポリマー、蛋白質類(ゼラチン、カゼイン等)、キチン、ポリペプチド、多糖類、ポリヌクレオチドなど有機ポリマー、ならびこれらのポリマーの前駆体(モノマー、オリゴマー)がある。これらは単に溶剤の蒸発により、あるいは熱硬化または光もしくは放射線照射による硬化により有機ポリマー系透明被膜(もしくはマトリックス(液中に配合する場合))を形成することができる。
有機ポリマー系バインダーとして好ましいのは、放射線もしくは光によりラジカル重合硬化可能な不飽和結合を有する化合物であり、これはビニル基ないしビニリデン基を有するモノマー、オリゴマー、あるいはポリマーである。この種のモノマーとしてはスチレン誘導体(スチレン、メチルスチレン等)、アクリル酸もしくはメタクリル酸またはそれらの誘導体(アルキルアクリートもしくはメタクリレート、アリルアクリレートもしくはメタクリレート等)、酢酸ビニル、アクリロニトリル、イタコン酸等がある。オリゴマーあるいはポリマーは、主鎖に二重結合を有する化合物または直鎖の両末端にアクリロイルもしくはメタクリロイル基を有する化合物が好ましい。この種のラジカル重合硬化性バインダーは、高硬度で耐擦過性に優れ、透明度の高い導電フィルム膜(もしくはマトリックス(液中に配合する場合))を形成することができる。
無機ポリマー系バインダーの例としては、シリカ、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物のゾル、あるいは無機ポリマーの前駆体となる加水分解または熱分解性の有機リン化合物および有機ボロン化合物、ならびに有機シラン化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機鉛化合物、有機アルカリ土類金属化合物などの有機金属化合物がある。加水分解性または熱分解性の有機金属化合物の具体的例は、アルコキシドまたはその部分加水分解物、酢酸塩などの低級カルボン酸塩、アセチルアセトンなどの金属錯体である。
これらの1種もしくは2種以上の無機ポリマー系バインダーを焼成すると、重合し酸化物または複合酸化物からなるガラス質の無機ポリマー系透明被膜(もしくはマトリックス(液中に配合する場合))を形成することができる。無機ポリマー系マトリックスは、一般にガラス質であり、高硬度で耐擦過性に優れ、透明性も高い。
前記バインダーのうち、無機ポリマー系バインダーが耐熱性、透明性が高く好ましく用いられる。中でも、有機シラン化合物が好ましく、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン、その加水分解物が好ましく用いることができる。
バインダーの使用量は、オーバーコートをするのに十分な量、液中に配合する場合には塗布に適した粘性を得るのに十分な量であればよい。少なすぎると塗布がうまくいかず、多すぎても導電性を阻害し良くない。
また、オーバーコート層が反射防止膜の役割を果たし、透明導電基材の透過率を向上させる。その透過率向上代はテトラ−n−ブトキシシランをオーバーコート塗剤として用い、厚みを最適化した場合、全光線透過率に換算して約3%である。
本発明の透明導電複合材は、ITO透明導電複合材と比較して、折り曲げ耐性に優れる。このため、本発明の透明導電複合材は、例えば、抵抗膜式タッチパネル用上部電極フィルム、電子ペーパー用透明電極、フレキシブル薄膜太陽電池用透明電極、フレキシブルディスプレイ用透明電極など折り曲げ耐性が求められる用途に好適である。折り曲げ耐性測定法を図6を用いて説明する。適当な大きさに切り抜いた透明導電複合材601の中央部に、Φ5mmの円柱状の金属棒602を設置して、両端部603、604同士が接触するまで、透明導電複合材を金属棒に沿って巻きつける動作を20回繰り返す。この作業前後における、透明導電複合材中央部の表面抵抗値変化を式(7)のように規定した。
=R/R (7)。
(R(Ω/□):折り曲げ後の表面抵抗値、R(Ω/□):折り曲げ前の表面抵抗値)
の値が1に近ければ近いほど折り曲げ耐性に優れる透明導電複合材である。
本発明の透明導電複合材においては、Cの値が1〜1.1である。これに対してITO透明導電複合材においては、Cの値は4.5以上である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。
本実施例で用いた測定法を以下に示す。
(i)表面抵抗値
5cm×10cmにサンプリングした透明導電複合材の導電面の中央部を4端子法で測定した。用いた測定器はダイアインスツルメンツ(株)製の抵抗率計MCP−T360型、4探針プローブはダイアインスツルメンツ(株)製MCP−TPO3Pを用いた。
(ii)全光線透過率
JIS−K7361(1997年)に基づき、日本電色工業(株)製の濁度計NDH2000を用いて測定した。
(iii)平均カーボンナノチューブ長さ
以下で示す実施例1および比較例1で製造法を示すカーボンナノチューブ分散液を、イオン交換水で100倍に希釈した。希釈液10μlをマイカ基板上に滴下し、3000rpmスピンコート塗布、溶媒を蒸散させて、カーボンナノチューブがマイカ上に積層されたサンプルを作製した。このサンプルをカーボンナノチューブ塗布面側から、AFM(島津製作所(株)製 SPM−9600)によって観察した。AFMによる高さ測定の結果、高さ1.5nm以下であるカーボンナノチューブを100本選定し、長さを測定、その平均値を平均カーボンナノチューブ長さとした。
(iv)平均粒径
カーボンナノチューブ分散液を50倍に希釈した。希釈液の数平均粒径を大塚電子(株)製ELS−Z2を用いて測定した。その際、水の屈折率、粘度をあらかじめ入力し、25℃設定で3回測定を行った。キュムラント法による解析を行い得られた3回測定の平均値を用いた。
(v)カーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率
以下のA〜Dの手順に従って、カーボンナノチューブ分散液のカーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率を導出した。
(v)−A 測定用フィルムサンプル作成
PETフィルム上にバーコーターでカーボンナノチューブ分散液を塗布し、125℃に温度設定した熱風オーブン内で1min乾燥させた。その後、カーボンナノチューブとPETフィルムの複合材をイオン交換水中で30秒浸漬させてカーボンナノチューブ層中に含まれる分散剤を除去し、カーボンナノチューブのみの層をPETフィルム上に構成した。同様の操作をバーコーターの番手を変えて複数回行い、カーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量の異なるカーボンナノチューブとPETフィルムの複合材を複数枚作成した。
(v)−B カーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量
前記複合材のカーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量を下記の方法で測定した。分光光度計(島津製作所(株)製UV−3150)を用いて、カーボンナノチューブ塗布フィルムの波長550nmにおける透過率TCNTおよび波長550nmにおける測定面から5°の入射角における絶対反射率をカーボンナノチューブ塗布面rCNT、およびその逆面(PET面)rとも測定した。式(3)、(4)の関係を用いて、カーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量を求めた。
(v)−C カーボンナノチューブ体積抵抗率
(v)−Bで求めたカーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量を式(5)の関係を用いてカーボンナノチューブ厚みに換算した。また、別途前記複合材のカーボンナノチューブ側表面抵抗値を測定した。前記厚みと表面抵抗値から各々のサンプルのカーボンナノチューブ層体積抵抗率を式(2)の関係より得た。
(v)−D カーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率
カーボンナノチューブの含有量の異なるサンプルの、カーボンナノチューブの含有量とカーボンナノチューブ体積抵抗率の関係を図2と同様にプロットし、式(6)で示す基準に従って、カーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率を導出した。閾値lの値は1.5×10−2(Ωcm・m/mg)とした。
(vi)折れ曲げ耐性
図6を用いて説明する。5cm×10cmのサイズに切り抜いた透明導電複合材601の初期表面抵抗値Rを(i)の方法で測定した。外径5mmの円柱状金属棒602を透明導電複合材601中央部に設置し、端部603、604同士が接触するまで、フィルムを金属棒に沿って巻き付けた。この作業を20回繰り返した後、表面抵抗値Rを(i)の方法で測定した。折れ曲げ耐性を表す指標Cを式(7)に従って導出した。
以下カーボンナノチューブ透明導電複合材の作成方法および評価結果を示す。
[触媒調製例1]
約24.6gのクエン酸鉄(III)アンモニウム(和光純薬工業社製)をイオン交換水6.2kgに溶解した。この溶液に、酸化マグネシウム(岩谷社製MJ−30)を約1000g加え、撹拌機で60分間激しく撹拌処理した後に、懸濁液を10 Lのオートクレーブ容器中に導入した。この時、洗い込み液としてイオン交換水0.5kgを使用した。密閉した状態で160℃に加熱し6時間保持した。その後オートクレーブ容器を放冷し、容器からスラリー状の白濁物質を取り出し、過剰の水分を吸引濾過により濾別し、濾取物中に少量含まれる水分は120℃の乾燥機中で加熱乾燥した。得られた固形分を固形分/イオン交換水比が1/1となるようにイオン交換水を加え、混練り機で10分混ぜた後、押し出し機にて内径0.8mmの孔から押し出した。押し出し後、乾燥しながら粉砕し、20〜32メッシュ(0.5〜0.85mm)の篩にて整粒した。左記の顆粒状の触媒体を電気炉中に導入し、大気下600℃で3時間加熱した。また、濾液をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)により分析したところ鉄は検出されなかった。このことから、添加したクエン酸鉄(III)アンモニウムは全量酸化マグネシウムに担持されたことが確認できた。さらに触媒体のEDX分析結果から、触媒体に含まれる鉄含有量は0.38wt%であった。
[触媒調製例2]
クエン酸アンモニウム鉄(和光純薬工業社製)2.46gをメタノール(関東化学社製)500mLに溶解した。この溶液に、酸化マグネシウム(岩谷化学工業社製 MJ−30)を100.0g加え、撹拌機で60分間激しく撹拌処理し、懸濁液を減圧下、40℃で濃縮堅固した。得られた粉末を120℃で加熱乾燥してメタノールを除去し、酸化マグネシウム粉末に金属塩が担持された触媒体を得た。得られた固形分は篩い上で、乳鉢で細粒化しながら、32メッシュ(0.5mm)以下の粒径になるまで乳鉢で細粒化した。得られた細粒は、60メッシュ(0.25mm)パスの細粒が30wt%程度含まれるものであった。得られた触媒体に含まれる鉄含有量は0.37wt%であった。前記の操作を繰り返し、以下の実験に供した。
[カーボンナノチューブ含有組成物製造例1]
図7に示した装置を用いてカーボンナノチューブの合成を行った。反応器703は内径75mm、長さは1100mmの円筒形石英管である。中央部に石英焼結板702を具備し、石英管下方部には、不活性ガスおよび原料ガス供給ラインである混合ガス導入管708、上部には廃ガス管706を具備する。さらに、反応器を任意温度に保持できるように、反応器の円周を取り囲む加熱器として3台の電気炉701を具備する。また反応管内の温度を検知するために温度計705を具備する。
触媒調整例1で調製した固体触媒体132gをとり、鉛直方向に設置した反応器の中央部の石英焼結板上に導入することで触媒層704を形成した。反応管内温度が約860℃になるまで、触媒体層を加熱しながら、反応器底部から反応器上部方向へ向けてマスフローコントローラー707を用いて窒素ガスを16.5L/minで供給し、触媒体層を通過するように流通させた。その後、窒素ガスを供給しながら、さらにマスフローコントローラー707を用いてメタンガスを0.78L/minで60分間導入して触媒体層を通過するように通気し、反応させた。この際の固体触媒体の重量をメタンの流量で割った接触時間(W/F)は、169min・g/L、メタンを含むガスの線速が6.55cm/secであった。メタンガスの導入を止め、窒素ガスを16.5L/min通気させながら、石英反応管を室温まで冷却した。
加熱を停止させ室温まで放置し、室温になってから反応器から触媒体とカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブ含有組成物を取り出した。
[カーボンナノチューブ含有組成物製造例2]
カーボンナノチューブ含有組成物製造例1と同様の装置、操作で触媒体は触媒調製例2を用いて製造を行った。
(実施例1:液相酸化処理を用いたカーボンナノチューブ分散液、透明導電複合材作成)
カーボンナノチューブ含有組成物製造例1で得られた触媒体とカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブ含有組成物を、4.8Nの塩酸水溶液中で1時間撹拌することで触媒金属である鉄とその担体である酸化マグネシウムを溶解した。得られた黒色懸濁液は濾過した後、濾取物は再度4.8Nの塩酸水溶液に投入、脱酸化マグネシウム処理をし、濾取した。この操作を3回繰り返した。その後、イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ含有組成物を保存した。
得られたウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物の乾燥重量分に対して、約300倍の重量の濃硝酸(和光純薬工業社製 1級 Assay60〜61%)を添加した。その後、約140℃のオイルバスで25時間攪拌しながら加熱還流した。加熱還流後、カーボンナノチューブ含有組成物を含む硝酸溶液をイオン交換水で3倍に希釈して吸引ろ過した。イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ組成物を保存した。
20mLの容器に得られた含水ウェット状態のカーボンナノチューブ組成物を乾燥時換算で15mg、1wt%カルボキシメチルセルロースナトリウム(シグマ社製90kDa,50〜200cps)水溶液4.5gを量りとり、イオン交換水を加え10gにした。硝酸を用いてpHを4.0に合わせ超音波ホモジナイザー出力20W、7.5分間で氷冷下分散処理しカーボンナノチューブ液を調製した。分散中液温が10℃以下となるようにした。得られた液を高速遠心分離機にて10000G、15分遠心し、上清9mLを得た。この上清液にイオン交換水とエタノールを添加し、カーボンナノチューブが0.08wt%、エタノールが4wt%となるように濃度を調整した。
このように調整したカーボンナノチューブ分散液の平均粒径、平均カーボンナノチューブ長さ、カーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率を測定した。結果を表1に示す。
このカーボンナノチューブ分散液をPETフィルム(東レ(株)製 ルミラー”(登録商標) U46)上にNo.3のバーコーターを用いて塗布して、125℃乾燥機内で1分間乾燥させカーボンナノチューブ組成物を固定化した。
このフィルムをイオン交換水にて30sリンスし、分散剤を除去した。リンス後、フィルムに付着した水滴をエアダスターで除去、その後常温で乾燥させた。
このようにして得られたカーボンナノチューブ/PETフィルム複合材のカーボンナノチューブ面に、オーバーコート液をNo.10のバーコーターで塗布、125℃乾燥機内で1分間乾燥して固定化した。オーバーコート液は以下の方法で作製した。
100mLポリ容器中に、エタノール20gを入れ、n−ブチルシリケート40gを添加し30分間撹拌した。その後、0.1N塩酸水溶液を10g添加した後2時間撹拌を行い4℃で保管した。翌日、この溶液をトルエンとイソプロピルアルコールとメチルエチルケトンの混合液で固形分濃度が1.0wt%となるように希釈した。
このようにして作成した透明導電複合材の透明導電性および折れ曲げ耐性を表1に合わせて示す。
参考例2:加熱酸化処理+液相酸化処理を用いたカーボンナノチューブ分散液、透明導電複合材作成)
カーボンナノチューブ含有組成物製造例2で得られた触媒体とカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブ含有組成物を蒸発皿に移し変えて、設定温度446℃まであらかじめ加熱した電気炉に静置して3時間加熱酸化処理した。前記のようにして得たカーボンナノチューブ含有組成物を124g用いて4.8Nの塩酸水溶液2000mL中で1時間撹拌することで触媒金属である鉄とその担体である酸化マグネシウムを溶解した。得られた黒色懸濁液は濾過した後、濾取物は再度4.8Nの塩酸水溶液400mLに投入し脱酸化マグネシウム処理をし、濾取した。この操作を3回繰り返した。最終的に得られたカーボンナノチューブ含有濾取物は120℃で加熱乾燥を一晩行い、カーボンナノチューブ組成物を得た。
得られたカーボンナノチューブ含有組成物の重量分に対して、約300倍の重量の濃硝酸(和光純薬工業社製 1級 Assay60〜61%)を添加した。その後、約140℃のオイルバスで25時間攪拌しながら加熱還流した。加熱還流後、カーボンナノチューブ含有組成物を含む硝酸溶液をイオン交換水で3倍に希釈して吸引ろ過した。イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ組成物を保存した。20mLの容器に得られた含水ウェット状態のカーボンナノチューブ組成物を乾燥時換算で15mg、1wt%カルボキシメチルセルロースナトリウム(シグマ社製90kDa,50〜200cps)水溶液4.5gを量りとり、イオン交換水を加え10gにした。硝酸を用いてpHを4.0に合わせ超音波ホモジナイザー出力20W、20分間で氷冷下分散処理しカーボンナノチューブ液を調製した。分散中液温が10℃以下となるようにした。得られた液を高速遠心分離機にて10000G、15分遠心し、上清9mLを得た。この上清液にイオン交換水とエタノールを添加し、カーボンナノチューブが0.08wt%、エタノールが4wt%となるように濃度を調整した。実施例1と同様、この分散液をPETフィルム上に塗布、カーボンナノチューブ組成物を固定化、オーバーコート層作成を行った。このようにして得られたカーボンナノチューブ分散液の平均粒径、平均カーボンナノチューブ長さ、カーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率、および透明導電複合材の透明導電性を表1に示す。
(比較例2:ITO透明導電複合材)
(株)マクニカ製タッチパネル AST−84A080Aの上部電極フィルムを切り出して、ITO透明導電複合材を得た。この透明導電複合材の透明導電性および折れ曲げ耐性を表1に示す。
Figure 0005604895
表1からわかるように、実施例1においては500Ω/□、90%と同等あるいはそれを越える透明導電性が得られている。それに対して、参考例2においては、平均カーボンナノチューブ長さが1.1μm、カーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率1.4×10−4Ω/□と図3、4で表した本発明の閾値より透明導電性が悪くなる方向である。この結果、500Ω/□、90%よりも透明導電性が劣る。また、折れ曲げ耐性について、実施例1では1.1、参考例2では4.9と本発明品がITO透明導電複合材と比較して格段に優れていることがわかる。
以上、発明の実施例について述べてきたが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で種々の変更を行うことができる。
601 透明導電複合材
602 金属棒
603 透明導電複合材端部
604 透明導電複合材端部
701 電気炉
702 石英焼結板
703 反応器
704 触媒層
705 温度計
706 廃ガス管
707 マスフローコントローラー
708 混合ガス導入管

Claims (4)

  1. 透明基材上にカーボンナノチューブ層が積層されてなる透明導電複合材であって、該カーボンナノチューブ層に含有されるカーボンナノチューブの直径が1.5nm以下の状態で存在し、平均カーボンナノチューブ長さが1μm以上5μm以下であり、カーボンナノチューブの直径が1.5nm以下の状態における平均カーボンナノチューブ長さをXμmとした場合、カーボンナノチューブ層バルク体積抵抗率ρ(Ωcm)が4.0×10−5Ωcm以上、式(1)で表される値以下である透明導電複合材。
    ρ=7.3361×10−7−9.5978×10−6+3.7979×10−5−1.8550×10−5X+2.9732×10−5 (1)
  2. 前記カーボンナノチューブ層を、カーボンナノチューブ分散液を基材に塗布し、その後分散液中から溶媒を除去することにより作成する場合、該カーボンナノチューブ分散液中のカーボンナノチューブの動的光散乱法によって粒度分布を導出した際の平均粒径が200nm以上1000nm以下である請求項1に記載の透明導電複合材。
  3. 前記カーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブの含有量が15mg/m以下である請求項1または2に記載の透明導電複合材。
  4. 外径5mmの円柱状金属棒に沿った180°折り曲げを20回繰り返す前後の表面抵抗値変化率が1以上1.1以下である請求項1〜3いずれかに記載の透明導電複合材。
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