JP5990202B2 - ドープした多層カーボンナノチューブファイバーおよびその製造方法 - Google Patents

ドープした多層カーボンナノチューブファイバーおよびその製造方法 Download PDF

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Description

関連出願についてのクロス・リファレンス
[0001]本出願は米国仮特許出願61/449309号(2011年3月4日提出)および61/447305号(2011年2月28日提出)の優先権を主張する。これらの特定された仮特許出願の全体が参考文献として本明細書に取り込まれる。
連邦政府が後援する研究についての陳述
[0002]本発明は合衆国エネルギー省によって認められた認可番号DE−AC26−07NT42677の下での政府の支援を受けて成されたものである。政府は本発明に一定の権利を有する。
本発明は一つ以上のファイバー(繊維)の糸を含むカーボンナノチューブファイバーに関する。
[0003]現在のカーボンナノチューブファイバーは導電性、抵抗性、熱安定性および導体許容電流(current carrying capacity)が限定されている。従って、電気的性質が向上したカーボンナノチューブファイバーを開発する必要性が存在する。
[0004]幾つかの態様において、本発明は一つ以上のファイバー(繊維)の糸を含むカーボンナノチューブファイバーに関する。幾つかの態様において、ファイバーの糸は、二層カーボンナノチューブのような多層カーボンナノチューブを含む。幾つかの態様において、多層カーボンナノチューブは本質的に、二層カーボンナノチューブのような単一のタイプのカーボンナノチューブからなる。幾つかの態様において、カーボンナノチューブは、カルボキシル基、カルボニル基、オキシド、アルコール性基、フェノール基、およびこれらの組み合わせのような、一つ以上の官能基で官能化されている。
[0005]幾つかの態様において、カーボンナノチューブファイバーは、ヨウ素、銀、塩素、臭素、フッ素、金、銅、アルミニウム、ナトリウム、鉄、アンチモン、ヒ素、およびこれらの組み合わせを含むドーパント(添加不純物)でドープされている。幾つかの態様において、ドーパントはヨウ素である。幾つかの態様において、ドーパントは五フッ化アンチモンである。
[0006]本発明のカーボンナノチューブファイバーは様々な配列とサイズを有することもできる。幾つかの態様において、カーボンナノチューブファイバーは複数の絡み合ったファイバーの糸を含み、それらの糸は互いに平行な配置で撚り合っている。幾つかの態様において、カーボンナノチューブファイバーは連続的な配置で互いに結びついた複数のファイバーの糸を含む。様々な態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは約5ミクロンから約100ミクロンまでの範囲の長さを有する。様々な態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは約10μm未満の直径を有する。幾つかの態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーはケーブルまたはワイヤ(針金)の形状になっている。
[0007]幾つかの態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーはまた、1種以上のポリマーで被覆されている。幾つかの態様において、そのポリマーにはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、エポキシ樹脂、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つが含まれる。
[0008]本発明のさらなる態様は、上述のカーボンナノチューブファイバーを製造する方法に関する。その方法は、カーボンナノチューブを成長させること;カーボンナノチューブを精製し、そして場合により官能化させること;カーボンナノチューブを凝集させ、それにより一つ以上のファイバーの糸を形成すること;およびカーボンナノチューブを1種以上のドーパントでドープすること;を含む。
[0009]様々な態様において、上述の諸工程は様々な順序で行われてもよく、また様々な変形を含んでもよい。例えば、幾つかの態様において、成長させる工程は化学気相析出によって行われる。幾つかの態様において、精製工程と官能化工程は、カーボンナノチューブを硫酸のような酸性溶液に晒すことによって同時に行われる。幾つかの態様において、精製工程はカーボンナノチューブを脱イオン水で洗浄することを含む。幾つかの態様において、凝集工程は多層カーボンナノチューブを水に晒すことによって多層カーボンナノチューブを収縮させることを含む。
[0010]幾つかの態様において、ドープする工程は凝集工程の後で行われる。さらなる態様において、ドープする工程は成長工程の間、または成長工程の前に行われる。
[0011]さらなる態様において、本発明の方法はまた、形成されたファイバーの糸を互いに連結させる工程を含む。幾つかの態様において、連結させることは、ファイバーの糸を互いに平行な配置で撚り合わせることを含む。幾つかの態様において、連結させることは、ファイバーの糸を互いに連続的な配置で結びつけることを含む。幾つかの態様において、連結させることによってケーブルまたはワイヤが形成される。さらなる態様において、本発明の方法はまた、カーボンナノチューブファイバーをポリマーで被覆する工程を含む。
[0012]本発明のカーボンナノチューブファイバーは有利な電気的性質をもたらす。例えば、幾つかの態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは高い比導電率、低い抵抗率、熱安定性および高い導体許容電流を有する。従って、本発明のカーボンナノチューブファイバーは、導電性ワイヤ、モーターの巻き線および様々な回路のためのケーブルとしての用途を含めた、様々な電気的な用途のために用いることができる。
[0013]図1は二層カーボンナノチューブ(DWCNTs)の成長を示す。図1AはDWCNTsを成長させ、そしてカーボンナノチューブファイバーを形成するための典型的な装置を示す。図1BはCVD管の下流端における化学気相析出(CVD)によるDWCNTsの成長の開始を示す。図1CはDWCNTsの成長の伝播を示す。図1Dは成長したDWCNTsの写真を示す。 [0014]図2はDWCNTsの精製した形態を示す。図2Aは水中で柔毛性の形態になったDWCNTsを示す。図2Bは98%の硫酸の中に浸した後に緩んだDWCNTの束を示す。 [0015]図3は形成されたDWCNTファイバーの画像を示す。 [0016]図4は集成したDWCNTファイバーの画像を示す。図4Aは平行な配置で編まれたDWCNTファイバーの画像を示す。図4Bは連続的な配置で編まれたDWCNTファイバーの画像を示す。 [0017]図5はDWCNTの束の透過型電子顕微鏡(TEM)の画像を示し、これにおいてはDWCNTsが多くの部分を占めていて、数層のカーボンナノチューブ(FWCNTs)が混在している。DWCNTsの平均の直径は2.3nmであり、直径の変動は狭い。 [0018]図6は硫酸への浸漬工程の後に得られたDWCNTフィルムの小さな断片の走査型電子顕微鏡(SEM)の画像である。DWCNTsは白い矢印で示すガスの流れの方向で整列している。 [0019]図7は密に詰まったDWCNTsのSEM画像である。ファイバーの中で、DWCNTsはフィルムから引き継いだ粗い整列を依然として保持している。 [0020]図8はヨウ素をドープしたファイバーのX線光電子分光法(XPS)のスペクトルである。285eVにおけるピークは炭素のものである。625eVと640eVにおける二重のピークはヨウ素に相当する。540eVにおけるピークは酸素に相当する。ヨウ素、酸素および炭素の原子比率はそれぞれ4%、7%および89%である。 [0021]図9は未処理のファイバーおよびヨウ素をドープしたファイバーの熱重量分析(TGA)の曲線を示す。 [0022]図10はヨウ素をドープしたDWCNTフィルムの元素マッピングに関するデータを示す。図10AはDWCNTフィルムの炭素マッピングを示す。図10BはDWCNTフィルムのヨウ素マッピングを示す。図10Cはヨウ素をドープしたDWCNTフィルムのTEM画像を示す。図10Dは炭素マッピングとヨウ素マッピングを重ねた画像であり、炭素とヨウ素はそれぞれ赤と緑で示されている。 [0023]図11はヨウ素をドープする前と後にDWCNTファイバーに沿って三つのランダムに選んだ箇所(スポット)において収集したラマンスペクトルを示す。実線と点線はそれぞれ、ヨウ素をドープする前と後のスペクトルを表す。 [0024]図12はドープしていないDWCNTファイバーとヨウ素をドープしたDWCNTファイバーについての周波数の関数としての低下したAC抵抗を示す。 [0025]図13は、前から存在するカーボンナノチューブファイバーと本願で調製されたDWCNTファイバーの抵抗率を比較したグラフである。 [0026]図14は34本の未処理のDWCNTファイバーについてのファイバー直径の関数としての抵抗率を示すグラフである。各々の点は一つの未処理のファイバーに相当する。 [0027]図15はヨウ素をドープしたDWCNTファイバーと未処理のDWCNTファイバーについてのファイバー直径の関数としての抵抗率を示すグラフである。各々の丸い点は一つのヨウ素をドープしたDWCNTファイバーを表す。各々の四角い点は一つの未処理のDWCNTファイバーを表す。 [0028]図16は様々な金属の比導電率と未処理のDWCNTファイバー(R)およびヨウ素をドープしたDWCNTファイバー(D)の比導電率を比較したグラフである。RとDはそれぞれ、最も低い抵抗率を有する未処理およびドープしたファイバーを表している。RとDは未処理およびドープしたファイバーの平均値を表している。 [0029]図17はDWCNTファイバーと家庭用の銅ワイヤとの間での導体許容電流の比較を示す。 [0030]図18はこの研究において利用された集成したDWCNTファイバーの実例を示す。図18Aは結び目で連結されたファイバー1とファイバー2を示す。図18Bは結び目のSEM画像を示す。図18Cは結び目にさらに焦点を合わせたSEM画像である。 [0031]図19は研究用に一回撚り合わせた二つの平行なDWCNTファイバー(ファイバー3とファイバー4)のSEM画像である。 [0032]図20はヨウ素をドープしたDWCNTファイバー(ファイバー5とファイバー6)の抵抗に及ぼす温度の影響に関する研究を要約したものである。主要部のグラフはファイバーについての温度の関数としての抵抗を示す。挿入図は、各々のファイバーについて適用される、二つの異なるデータ入手要綱を示す。各々の点は、各々のデータを入手するための連続する時間と温度を含めた条件を表す。 [0033]図21は温度の関数としてのヨウ素をドープしたDWCNTファイバーと銅の相対抵抗を示す。 [0034]図22はヨウ素をドープしたDWCNTファイバーの家庭用回路としての応用を示す。図22Aは導電媒体の部分としての編まれたヨウ素ドープDWCNTファイバーのワイヤを示し、家庭用電源に留められていて、白熱電球(9ワット、0.15A、120V)を装着している。図22Bは8cmの長さの編まれたワイヤを拡大して示す。図22Cは編まれたワイヤのSEM画像を示し、平行な集成体として二つのファイバーからなる(ファイバー1、直径=50ミクロン;ファイバー2、直径=60ミクロン)。
[0035]以上の概括的な説明と以下の詳細な説明は両者とも典型的なものであって説明上のものに過ぎず、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではない、ということが理解されるべきである。本願明細書において、特に示さない限り、単数形の語を用いているときは複数形を含み、単数形の語は「少なくとも一つのもの」であることを意味し、そして「または」を用いているときは「および/または」を意味する。さらに、「含む」という用語を用いるとき、限定的ではない。また、「要素」または「構成要素」といった用語は、特に示さない限り、一つのユニットからなる要素または構成要素と一つよりも多いユニットからなる要素または構成要素の両方を包含する。
[0036]本明細書で用いられている各節の表題は構成上の目的のものに過ぎず、説明されている主題を限定するものと解釈されるべきではない。(これらに限定されるのではないが)特許、特許出願、記事、著作および論文を含めて本明細書中で挙げられている全ての文献または文献の一部は、それらの全体が何らかの目的でここに参考文献として明白に取り込まれる。包含される一つ以上の文献や同様の資料が本願における用語の定義と矛盾するやり方でその用語を定義している場合、本願に従うものである。
[0037]現在のカーボンナノチューブファイバーは導電性、抵抗性、熱安定性および導体許容電流が限定されている。従って、様々な電気的用途のために有効に用いることのできる、電気的特性が向上したカーボンナノチューブファイバーを開発する必要性が存在する。本発明は、有効な電気的性質を有するカーボンナノチューブファイバーおよびこれを製造する方法を提供することによって、この必要性に対処するものである。
[0038]幾つかの態様において、本発明はドープした(不純物を添加した)カーボンナノチューブを含む、一つ以上のファイバー(繊維)の糸を有するカーボンナノチューブファイバーを提供する。幾つかの態様において、本発明は、カーボンナノチューブを成長させること;カーボンナノチューブを精製すること;カーボンナノチューブを凝集させること;およびカーボンナノチューブを1種以上のドーパントでドープすること;によってカーボンナノチューブファイバーを製造する方法を提供する。
[0039]カーボンナノチューブファイバー
[0040]本発明のカーボンナノチューブファイバーは、概して言えば、ドープをしたカーボンナノチューブを含む一つ以上のファイバーの糸を指す。幾つかの態様において、カーボンナノチューブファイバーはポリマーで被覆されていてもよい。以下でさらに詳しく説明するように、本発明のカーボンナノチューブファイバーにおいては様々なカーボンナノチューブ、ドーパントおよびポリマーを用いてもよい。さらに、カーボンナノチューブファイバーにおけるファイバーの糸は様々な配列を有していてもよい。
[0041]カーボンナノチューブ
[0042]本発明のカーボンナノチューブファイバーにおいては様々なカーボンナノチューブを利用することができる。適当なカーボンナノチューブの非限定的な例としては、単層カーボンナノチューブ(SWCNTs)、二層カーボンナノチューブ(DWCNTs)、多層カーボンナノチューブ(MWCNTs)、数層カーボンナノチューブ(FWCNTs)、超短カーボンナノチューブ、およびこれらの組み合わせがある。
[0043]さらに特定した態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーにはDWCNTsが含まれる。後に実施例においてさらに詳しく説明するが、DWCNTsの様々な独特の特徴のために、これは改善された電気的性質を有するカーボンナノチューブファイバーを調製するための最適な物質になることを、出願人は理解した。例えば、DWCNTsは、およそ数ミクロン(あるいはさらに長い)の大きな長さ、およそ2〜3ナノメートルの小さな直径、および成長する間にガス流れの方向に整列する傾向を有する。さらに、DWCNTsは成長する間にファンデルワールス相互作用によって互いに連結する傾向を有する。その結果、DWCNTsは一般に均質で緻密な状態を維持する。
[0044]さらに特定した態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは本質的に単一のタイプのカーボンナノチューブからなる。例えば、幾つかの態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは本質的に、DWCNTのような単一のタイプの多層カーボンナノチューブからなる。出願人は、カーボンナノチューブファイバーの中で単一のタイプのカーボンナノチューブを用いることによって、カーボンナノチューブファイバーの電気的性質をさらに高めることができると把握している。
[0045]カーボンナノチューブの改質
[0046]幾つかの態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーにおいて用いられるカーボンナノチューブは初期のままの(pristine)カーボンナノチューブである。幾つかの態様において、カーボンナノチューブは様々な官能基で官能化されている。官能基の非限定的な例としては、カルボキシル基、カルボニル基、オキシド、アルコール性基、フェノール基、アリール基、およびこれらの組み合わせがある。幾つかの態様において、カーボンナノチューブは、カルボキシル基、カルボニル基、オキシド、アルコール性基、フェノール基、およびこれらの組み合わせのような、一つ以上の官能基で官能化されている。さらなる態様において、本発明のカーボンナノチューブは、一つ以上の側壁孔または開口を有するカーボンナノチューブのような、欠陥のあるカーボンナノチューブを含んでいてもよい。
[0047]ドーパント
[0048]様々な態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは1種以上のドーパント(添加不純物)でドープされていてもよい。ドープしたカーボンナノチューブファイバーは、概して言えば、1種以上のドーパントと関係のあるカーボンナノチューブを有するファイバーを指す。幾つかの態様において、ドーパントはカーボンナノチューブの内部の自由空間の中に内包的に(endohedrally)含まれている。幾つかの態様において、ドーパントはカーボンナノチューブ構造の内部で炭素原子と置換している。幾つかの態様において、ドーパントはカーボンナノチューブの間で面外に(exohedrally)組み込まれている。
[0049]適当なドーパントの非限定的な例としては、ヨウ素、銀、塩素、臭素、カリウム、フッ素、金、銅、アルミニウム、ナトリウム、鉄、ホウ素、アンチモン、ヒ素、ケイ素、硫黄、およびこれらの組み合わせを含む化合物またはヘテロ原子(複素原子)がある。幾つかの態様において、カーボンナノチューブファイバーはAuClまたはBHのような1種以上のヘテロ原子でドープされていてもよい。幾つかの態様において、カーボンナノチューブは硫酸または硝酸のような酸でドープされていてもよい。さらなる態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは電子、ホール(正孔)、およびこれらの組み合わせでドープされていてもよい。
[0050]さらに特定した態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは、五フッ化ヒ素(AsF)、五フッ化アンチモン(SbF)、金属塩化物(例えばFeClおよび/またはCuCl)、ヨウ素、メラミン、カルボラン、アミノボラン、ホスフィン、水酸化アルミニウム、シラン、ポリシラン、ポリシロキサン、スルフィド(硫化物)、チオール、およびこれらの組み合わせでドープされていてもよい。
[0051]さらに特定した態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは、ヨウ素をドープしたDWCNTsのような、ヨウ素をドープしたカーボンナノチューブを含む。後に実施例においてさらに詳しく説明するが、ヨウ素をドープしたDWCNTsを有するカーボンナノチューブファイバーは、向上した導電性、向上した抵抗性、耐熱性および改善された導体許容電流を含めた、改善された電気的性質を有する。
[0052]さらなる態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーはSbFでドープされていてもよい。出願人の同時係属特許出願においてさらに詳しく説明しているが、カーボンナノチューブを用いるSbFのインターカレーションにより、カーボンナノチューブの導電率を(例えば10倍といったように)かなり向上させることができる。例えば、仮特許出願61/447305号および国際特許出願PCT/US12/26949号を参照されたい。幾つかの態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーはヨウ素とSbFでドープされていてもよい。
[0053]ポリマーの被覆
[0054]幾つかの態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは1種以上のポリマーで被覆されていてもよい。ポリマーの非限定的な例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、エポキシ樹脂、およびこれらの組み合わせがある。
[0055]ファイバーの糸
[0056]本発明のカーボンナノチューブファイバーにおけるファイバーの糸は様々な配列を有していてもよい。幾つかの態様において、カーボンナノチューブファイバーは絡み合ったファイバーの糸を含み、それらの糸は互いに平行な配置で撚り合っている。例えば、図4Aを参照されたい。幾つかの態様において、カーボンナノチューブファイバーは連続的な配置で互いに結びついたファイバーの糸を含む。例えば、図4Bを参照されたい。さらなる態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは平行かつ連続的な配置になっているファイバーの糸を含む。幾つかの態様において、本発明のファイバーの糸は、ケーブルまたはワイヤ(針金)を形成するように配列されていてもよい。
[0057]カーボンナノチューブファイバーのサイズ
[0058]形成された本発明のカーボンナノチューブファイバーは様々な長さと直径を有する。幾つかの態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは約5ミクロンから約2センチメートルまでの範囲の長さを有する。さらに特定した態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは約5ミクロンから約100ミクロンまでの範囲の長さを有する。
[0059]幾つかの態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは約10μm未満の直径を有する。幾つかの態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは約5μmの直径を有する。幾つかの態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは約5μmから約3μmまでの範囲の直径を有する二層カーボンナノチューブを有する。
[0060]後に実施例においてさらに詳しく説明するが、出願人はファイバーの導電性に対するサイズの効果を見いだした。幾つかの態様において、より小さな直径(例えば5μm)のカーボンナノチューブファイバーは、より良好な導電性を有する。
[0061]カーボンナノチューブファイバーの製造方法
[0062]本発明のさらなる態様は、カーボンナノチューブファイバーを製造する方法に関する。カーボンナノチューブファイバーを形成する方法の具体的な例を図1Aに示す。この例において、ヨウ素をドープしたDWCNTファイバーを流動化学気相析出(CVD)法によって製造するために、装置10が用いられる。装置10は概して、チューブ12、電極プレート14および16、回路15、オーブン17、および開口18を有する。
[0063]操作においては、カーボンナノチューブを成長プロセスの間に整列させるために、電極プレート14および16および回路15を通してチューブ12にACまたはDC電界が印加される。次いで、オーブン17が加熱される。次いで、DWCNTsを成長させるために炭素源がチューブ12に加えられる。次に、DWCNTsがチューブ12の端部へ向かって移動するときに、成長したDWCNTsに開口18を通してヨウ素がドープされる。次いで、集められたヨウ素をドープしたDWCNTsは、硫酸に浸漬することによって精製され、そして官能化される。その後、DWCNTsは脱イオン水の中で縮ませることによって凝集される。その結果、ヨウ素をドープしたDWCNTファイバーが形成される。
[0064]上述の諸工程は連続したやり方で、あるいは不連続なやり方で行うことができる。幾つかの態様において、装置構成を統合することによってプロセスを連続したものにすることができる。例えば、DWCNTsがCVD炉から流出するときに、精製装置、硫酸浸漬浴、緻密化浴、ドープチャンバ、および取出し設備を連続して接続することができる。
[0065]さらに概略的に言えば、本発明におけるカーボンナノチューブファイバーを製造する方法は、(1)カーボンナノチューブを成長させること;(2)カーボンナノチューブを精製すること;(3)場合によりカーボンナノチューブを官能化させること;(4)カーボンナノチューブを凝集させて一つ以上のファイバーの糸を形成すること;および(5)多層カーボンナノチューブを1種以上のドーパントでドープすること;を含む。本発明の方法はまた、(6)カーボンナノチューブを1種以上のポリマーで被覆する工程を含んでいてもよい。後にさらに詳しく説明するが、上述の諸工程の各々は様々な変形を有することができる。さらに、上述の諸工程を異なる順序で行ってもよく、あるいは同時に行ってもよい。さらに、上述の諸工程は連続したやり方で、あるいは不連続なやり方で行うことができる。
[0066]成長
[0067]カーボンナノチューブを成長させるために様々な方法を用いることができる。幾つかの態様において、カーボンナノチューブは化学気相析出(CVD)によって成長される。幾つかの態様において、カーボンナノチューブは炭素源から触媒の表面上に成長される(例えば、金属表面上でのポリマーをベースとする成長)。幾つかの態様において、カーボンナノチューブは電界の下で成長される。幾つかの態様において、カーボンナノチューブは加熱されながら成長される。
[0068]精製
[0069]成長したカーボンナノチューブを精製するために様々な方法を用いることができる。幾つかの態様において、精製工程はカーボンナノチューブを脱イオン水で洗浄することを含む。幾つかの態様において、精製工程はカーボンナノチューブを硫酸のような酸に晒すことを含む。
[0070]官能化
[0071]カーボンナノチューブを官能化するために様々な方法を用いることができる。例えば、幾つかの態様において、カーボンナノチューブを酸性溶液に晒すことによって官能化することができる。幾つかの態様において、酸性溶液は硫酸、硝酸、クロロスルホン酸、塩酸、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種である。幾つかの態様において、カーボンナノチューブは過酸化水素に晒すことによって官能化される。さらに特定した態様において、カーボンナノチューブは、多層カーボンナノチューブを硫酸に晒すことによって官能化される。さらなる態様において、精製工程と官能化工程は、多層カーボンナノチューブを酸性溶液に晒すことによって同時に行われる。様々な態様において、官能化剤は液体状態、気体状態またはこれらの組み合わせの状態のものであってよい。
[0072]凝集化
[0073]一つ以上のファイバーの糸を形成するために、様々な方法を用いてカーボンナノチューブを凝集させることができる。幾つかの態様において、凝集化はカーボンナノチューブを縮ませることを含む。幾つかの態様において、凝集化はカーボンナノチューブを水に晒すことによって行われる。
[0074]ドープ
[0075]カーボンナノチューブファイバーを1種以上のドーパントでドープするために様々な方法を用いることができる。幾つかの態様において、ドープすることは、カーボンナノチューブの上に1種以上のドープ剤をスパッタまたは噴霧することによって行われる。幾つかの態様において、ドープすることは化学気相析出によって行うこともできる。
[0076]幾つかの態様において、ドープすることは、カーボンナノチューブファイバーを製造する凝集工程の後に行うことができる。幾つかの態様において、ドープすることはカーボンナノチューブの成長工程の間にその場で行うか、そして/または、成長工程の後に行う。さらなる態様において、ドープすることはカーボンナノチューブファイバーを形成するその場で行ってもよく、また形成した後に行ってもよい。
[0077]さらに特定した態様において、カーボンナノチューブはSbFでドープされていてもよい。カーボンナノチューブをSbFでドープする方法の非限定的な例は、出願人の同時係属出願である仮特許出願61/447305号および国際特許出願PCT/US12/26949号に開示されている。
[0078]ポリマーによる被覆
[0079]カーボンナノチューブをポリマーで被覆するために様々な方法を用いることができる。幾つかの態様において、吹付け被覆、浸漬被覆、溶融したポリマーの中へのカーボンナノチューブの浸漬、およびこれらの方法の組み合わせによってポリマーをカーボンナノチューブに塗布してもよい。さらなる態様において、ポリマーをカーボンナノチューブに、蒸発、スパッター、化学気相析出(CVD)、インクジェット印刷、グラビア印刷、塗装、フォトリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、ソフトリソグラフィ、スタンピング(型押し)、エンボス加工(浮き出し加工)、パターニング(柄出し)、噴霧、およびこれらの方法の組み合わせによって塗布してもよい。
[0080]ファイバーの糸の連結
[0081]カーボンナノチューブファイバーが形成されたならば、その形成されたファイバーの糸を互いに連結するために様々な方法を用いることができる。幾つかの態様において、形成されたファイバーの糸を互いに平行な配置で撚り合わせることによって、ファイバーの糸を相互に連結することができる。幾つかの態様において、連結させることは、ファイバーの糸を互いに連続的な配置で結びつけることを含む。
[0082]ファイバーの糸を結びつけ、または撚り合わせるために、様々な方法を用いることができる。幾つかの態様において、ファイバーの糸を連結するためにマイクロマニピュレータ(顕微操作器)を用いてもよい。幾つかの態様において、ファイバーの糸を連結するために、織物工業で用いられている伝統的な製織技術を用いることができる。幾つかの態様において、ファイバーの糸を連結することによってケーブルまたはワイヤを形成することができる。
[0083]利点
[0084]本発明のカーボンナノチューブファイバーは、高い比導電率、低い抵抗率、高い導体許容電流、および熱安定性を含めた、種々の有利な電気的性質をもたらす。幾つかの態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは、銅製ワイヤやアルミニウム製ワイヤのような従来の金属をベースとするワイヤの電気的性質と同等か、またはそれよりも良好な電気的性質をもたらす。
[0085]例えば、幾つかの態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは少なくとも約10A/cmから約10A/cmの導体許容電流を有する。幾つかの態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーはまた、約0.2mΩ・cm未満の抵抗率を有する。さらに特定した態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは約0.05mΩ・cm未満の抵抗率を有する。さらなる態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは約0.0155mΩ・cmの抵抗率を有する。さらなる態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは約0.01mΩ・cmから約0.03mΩ・cmまでの範囲の抵抗率を有する。幾つかの態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは異なる温度における抵抗の変動が少ない。
[0086]用途
[0087]本発明のカーボンナノチューブファイバーは多くの用途を提供する。例えば、本発明のカーボンナノチューブファイバーは、一次元、二次元あるいはさらに三次元の巨視的な工学的要素に集成することができる。そのような構造体は、ひいては、導電性ワイヤ、ケーブル、バッテリー、複合材における強化織物、熱伝導体、マイクロ波吸収材料、モーターの巻き線、および環境発電装置またはエネルギー転換装置における構成要素として用いることができる。さらに特定した態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは、ランプや白熱電球のような家庭用の回路における導電性ワイヤとして利用される。さらなる態様において、本発明のカーボンナノチューブファイバーは、交流電流送信、高周波信号送信またはインターネットのためのデータ送信のために利用される。
[0088]本発明のカーボンナノチューブファイバーの用途は、用いられる集成体のタイプによっても変わるであろう。例えば、平行な配置で集成した(すなわち、撚り合わせた)カーボンナノチューブファイバーは、高出力用途のために利用することのできる適度な太さを有する。同様に、連続的な配置で互いに連結させたカーボンナノチューブファイバーは、家庭用の回路などの様々な回路における導電性ワイヤまたはケーブルとして用いるのに適当であるかもしれない。
[0089]追加の態様
[0090]ここで、本開示のさらに特定した態様およびそれらの態様について確認する実験結果について言及する。しかし、以下の開示は典型的な例を示すことだけを目的としていて、いかなる形でも本発明の範囲を限定することを意図してはいないことに、出願人は留意している。
[0091]以下の実施例はDWCNTファイバーを製造するためのプロセスに関するものである。このプロセスは、DWCNTの成長、精製、硫酸の中に浸漬することによる官能化、ファイバーの製造、ファイバーの集成および調整の諸工程を含む。
[0092]実施例1.DWCNTの成長
[0093]本実施例において、図1Aに示すように、DWCNTsを化学気相析出(CVD)法によって成長させる。図1Bは、DWCNTsが管の高温反応領域から下流端へ向かって流れ出ることを示す。DWCNTの網状構造は巨視的には薄い壁を有するストッキングのように見える。言うなればストッキング壁は図1Bにおいて矢印で示されていて、これはDWCNTsが薄い壁のストッキングのように連続して流れ出ていることを示す。
[0094]成長が続くと、図1Cに示すようにDWCNTsは下流端に蓄積する。円錐構造体は、左手の側で収束する数層のDWCNTフィルムからなる。下流端に取出し装置を取り付けていれば、DWCNTsを炉から連続して引き出すことができ、そしてファイバーを連続して調製することができる。
[0095]炉が冷却した後、図1Dに示すように、綿毛状で多層の円錐体は縮んで比較的密な形態になる。炉から収集されたとき、DWCNTの束は触媒を含んでいる。
[0096]実施例2.DWCNTの精製と官能化
[0097]実施例1で成長させたDWCNTsは触媒を含んでいる。不純物は導電性の低下を生じさせることが見いだされた。従って、我々はDWCNTsをファイバーにする前に、それらを精製した。最初に、未処理の巨視的なDWCNTの束を空気中で400℃において1時間加熱することによって、DWCNTsは酸化された。酸化処理により、酸化した官能基をナノチューブに付加することができ、それによりDWCNTsは水で湿潤しやすくなる。次いで、酸化したDWCNTsは、30%過酸化水素の溶液の中に72時間浸漬された。この浸漬工程によって非晶質炭素に亀裂を生じさせ、そしてカーボンナノチューブから触媒を分離させることができる。次いで、DWCNTsは37%の塩化水素溶液の中に移され、そしてさらに24時間浸漬した。次いで、前の工程から受け入れたDWCNTsは脱イオン水で洗浄され、それらが中性になるまでこれを行った。精製した後、触媒の重量パーセントは1%未満であった。
[0098]図2は水中にある精製されたDWCNTsを示す。精製されたDWCNTsは未処理のDWCNTsよりも水による湿潤のし易さがずっと良好であり、その理由は、精製することによってDWCNTの表面に官能基が付加されたためである。
[0099]実施例3.DWCNTsの浸漬
[00100]水中にある精製されたDWCNTsは、カーボンナノチューブどうしの間のファンデルワールス相互作用のために、束状になっている。ファイバーの直径は、ファイバーを作るのにどれだけ多くのDWCNTsが用いられているかで決定する。束からより大きなフィルムまたはより厚いフィルムが剥ぎ取られる場合、次の工程でより大きなファイバーが調製されるだろう。我々の実験においては、5ミクロンから100ミクロンまで変化する様々な直径のファイバーが調製された。ファイバーの直径が小さいほど導電性が良好であることが見いだされている。製造しそして精製したままの物質であるDWCNTの束から厚い断片または大きな断片のフィルムを剥ぎ取るのは、比較的容易である。大きなフィルムからは20ミクロン以上の直径のファイバーが得られるだろう。約20ミクロンの直径のファイバーを作るために小さな断片のフィルムを剥ぎ取るためには、束を広げる必要がある。我々は、DWCNTの束を98%の硫酸の中に24時間浸すと、それらを緩くすることができて、薄いフィルム状に広げることができることを見いだした。その浸漬処理を行った後、DWCNTsは図2Aに示す形態を有する。薄いフィルムから、我々は小さなリボンを剥ぎ取ることができる。図2Bに示すように、巨視的な束から二つの断片の薄いフィルムが剥ぎ取られた。これらの薄いフィルムから剥ぎ取られたもっと小さなリボンから、直径が約5ミクロンのファイバーが製造された。
[00101]実施例4.DWCNTファイバーの形成
[00102]実施例3における硫酸溶液から小さなDWCNTリボンが取り出されると、残留している硫酸が等方性であることによって生じる表面張力のために、このリボンは凝集して球状の粒子になるだろう。リボンの長軸方向の長さを維持するために、我々は、リボンを硫酸溶液から取り出すときに、硫酸からの張力を抑えるためにベルトの両端に引張力をかけた。次いで、残留している酸を洗い出すために、リボンを脱イオン水の中に浸した。その後、リボンを水から取り出した。水が蒸発する過程で、リボンは縮んで図3に示すようなファイバーになった。理論に拘束されるのではないが、この収縮は、チューブどうしの間のファンデルワールス力と水からの表面張力の相乗作用によるものと考えられる。収縮の過程で、エタノール、アセトンおよびヘキサンのような他の溶液も作用する。巨視的には、最初の緩いDWCNTの網状構造は、収縮の過程でさらにずっと密なファイバーへと緻密化する。
[00103]同様に図3に示すように、ファイバーは様々な長さを有する。ファイバーの長さは、巨視的な束から取り出されるDWCNTリボンの長さによって決定する。成長が連続的なプロセスになるように調整することができる。それにより、所望の長さのDWCNTの束とファイバーを調製することができる。
[00104]実施例5.DWCNTファイバーの集成
[00105]我々は二つのタイプのファイバーの集成体を開発した。すなわち、平行な配置のものと連続的な配置のものである。平行な集成により、我々は大きな力を受ける用途に適用できる太いファイバーを製造することができる。連続的な集成により、我々は数本の短いファイバーを連結して長いものにすることができて、それを家庭用の回路における導電性ワイヤとして用いることができる。集成は、ナノサイズまたはミクロサイズの材料の独特な性質の間の隙間を橋渡しして、またこれらの性質を巨視的な工学的要素において利用するための重要な技術である。我々は、DWCNTファイバーから工学的な導電性ワイヤを構成するために、平行な集成体と連続的な集成体を開発した。
[00106]図4Aと図4Bはそれぞれ、ファイバーが平行な配置と連続的な配置で集成されることを示す。図4Aに示すように、二つのファイバーは平行な配置で編まれる。平行な配置を行うことにより、幾つかの小さなファイバーから任意の直径のファイバーを集成することができる。図4Bに示すように、二つのファイバーは結び目によって連続的に連結される。連続的な連結により、ファイバーを任意の長さのものに集成することができる。挿入図は結び目を作るやり方を示す。ファイバーを連結するために、結び目を作るための他の幾つかの方法も適用できる。DWCNTファイバーの集成のために、織物工業で用いられている伝統的な混練方法と製織方法を適合させることもできる。
[00107]実施例6.DWCNTファイバーのドープ
[00108]未処理のDWCNTファイバーの導電性を改善するためにはヨウ素をドープすることが有効であることを、我々は見いだした。ヨウ素をドープすることは、未処理のDWCNTファイバーをヨウ素の蒸気(チャンバ内のヨウ素の蒸気の濃度は0.2モル/L)の中に200℃で10時間にわたって置くことによって行われた。
[00109]実施例7.DWCNTファイバーの特徴づけ
[00110]上記の実施例におけるDWCNTsは、図5に示すように、DWCNTsと数層のカーボンナノチューブ(FWCNTs)の混合物である。DWCNTsは2.3nmの平均直径を有し、直径の分布は非常に狭い。我々はTEMによってDWCNTsを一方の端から他方の端まで観察することによって、DWCNTsの大部分は数ミクロンの長さのものであることを見いだした。図6に示すSEM画像は、成長したDWCNTsがガスの流れの方向で整列していることを例証している。一方、成長プロセスの間に自然に相互に連結することによって、DWCNTの網状構造が形成された。
[00111]図7に示すように、ファイバーにおけるDWCNTsは、それらがフィルムの状態にある場合よりもずっと密に詰まっている。ファイバーはフィルムの状態から縮んだ。理論に拘束されるのではないが、この収縮は、蒸発した溶液からの張力とチューブどうしの間のファンデルワールス力の相互作用との相乗効果の結果であると考えられる。これら二つの力は両者とも、ファイバーの中心の長軸について対称なものである。従って、フィルムはほぼ円筒構造体になるように縮んだ。電気的性質の評価の中で、ファイバーは円形の断面を有すると想定される。
[00112]ファイバーの元素組成について、X線光電子分光法(XPS)によって特徴づけが行われた。図8はヨウ素をドープしたファイバーのXPSを示す。元素分析により、ヨウ素、酸素および炭素の原子比率はそれぞれ4%、7%および89%であることが見いだされた。この原子比率から、ヨウ素の重量パーセントは15.2%であると計算できるが、これは熱重量分析(TGA)によって得られる結果と一致する。酸素は精製工程において導入された酸化した官能基からのものである。
[00113]図9は未処理のファイバーおよびヨウ素をドープしたファイバーの熱重量分析(TGA)の曲線を示す。ヨウ素をドープしたファイバーは75℃においてその重量が減少し始める。その重量は175℃において安定した。最初の重量減少段階はヨウ素の蒸発によって生じたが、それは総重量の15.8%を占める。第二の重量減少段階は580℃において生じたが、それはカーボンナノチューブの燃焼に相当する。残りの重量は最初の重量の1%未満であった。これは、大部分の触媒が除去されたことを示す。未処理のファイバーについては、重量減少段階は一つしかなかったが、それは580℃において開始し、そして700℃において終了した。理論に拘束されるのではないが、重量の減少はナノチューブの燃焼によるものであったと考えられる。
[00114]ヨウ素と炭素の分布を理解するために、ヨウ素フィルムについて元素マッピングが行われた。ヨウ素をドープしたファイバーはTEMによる特徴づけを行うには厚すぎるため、同じドープ条件の下でヨウ素をドープしたフィルムが調製され、そしてTEMによる特徴づけが行われた。図10Aと図10Bはそれぞれ炭素とヨウ素のマッピングを示す。炭素とヨウ素の位置は一致する。このことは、カーボンナノチューブにヨウ素の原子が均質にドープされたことを示す。図10Cはヨウ素をドープしたDWCNTsを示す。その表面は未処理のDWCNTsと比べて比較的粗い。この粗さはDWCNTの表面に吸着したヨウ素原子によって生じたことを、我々は提示した。図10Dはヨウ素と炭素のマッピング画像を重ねた画像である。
[00115]図11はヨウ素をドープする前と後にファイバー上の三つの異なるスポット(箇所)において収集されたラマン分光分析の結果を示す(三つのスポットはランダムに選ばれた)。三つの異なるスポットにおけるラマンスペクトルは類似していることが見いだされた。この所見は、ヨウ素のドープがファイバーの軸方向に沿って均一になされているというTEMによる観察結果を支持するものである。この均一性のため、異なるスポットにおいて収集されたラマンスペクトルは区別がつかない。ヨウ素をドープする前と後のスペクトルを比較すると、153cm−1におけるピークがドープした後に顕著になることを我々は見いだした。理論に拘束されるのではないが、ドープすることによって短範囲の周期性が乱され、そしてその短範囲の周期性に相当する高い波数モードが抑制されるものと考えられる。それに対して、長い周期性に相当する低い波数モードが顕著になる。
[00116]さらに、図12に示すように、ヨウ素をドープしたDWCNTファイバーとドープしていないDWCNTファイバーの両者の抵抗率は周波数が増大するにつれて低下することが観察された。理論に拘束されるのではないが、このような結果は、DWCNTのケーブルを通して送られる高周波信号は、金属の場合のようには減衰しないことを示している。この独特な特徴は、ヨウ素をドープしたDWCNTおよび未処理のDWCNTのワイヤとケーブルについて広範囲の用途を開くかもしれない。典型的な用途としては、交流電流送信、高周波信号送信またはインターネットのためのデータ送信がある。銅やアルミニウムのような慣用の金属の信号送信ラインにおいては、高周波(特にメガヘルツ以上の高周波)において激しい信号減衰が生じる。この信号減衰は、周波数が増大するにつれて抵抗率が増大することによる。
[00117]実施例8.DWCNTファイバーの電気的性質
[00118]本実施例においては、DWCNTファイバーの電気的性質を、抵抗率、比導電率および導体許容電流を含めた幾つかの見地において説明する。加えて、ファイバーの電気的性質に影響を及ぼす幾つかの因子について説明する。そのような因子には、ファイバーのサイズ、ドープすること、温度および集成が含まれる。
[00119]抵抗率
[00120]巨視的なカーボンナノチューブファイバーを製作することについては、数年にわたる研究がなされてきた。理論的には、純粋な金属質のカーボンナノチューブのファイバーは銅よりも低い抵抗率を有する可能性がある。実際には、巨視的なファイバー系においてこれまでに達成された最も低い抵抗率であってもなお、理論的に予測される値よりも数オーダー大きい。表1はこれらの研究結果を要約したものである。
[00121]これまでに報告された巨視的なカーボンナノチューブファイバー系の最も低い抵抗率は0.2mΩ・cmである。我々の現在の研究において調製されたDWCNTファイバーの抵抗率は、報告された抵抗率の値のいずれのものよりも低い。DWCNTファイバーの抵抗率は、約0.059mΩ・cmから平均の抵抗率である約0.096mΩ・cmまでの範囲である。10ミクロンよりも大きな直径のファイバーについての抵抗率の変化量は大きい。10ミクロンよりも大きな直径のアウトライアー(異常値)からの影響を排除するために、平均の抵抗率はもっぱら、10ミクロンよりも小さな直径を有するファイバーに基づいて計算される。
[00122]さらに、ヨウ素によるドープはファイバーの導電率を改善するのに有効である。15本のヨウ素をドープしたDWCNTファイバーのうち、最小の抵抗率は0.0155mΩ・cmで、平均の抵抗率は0.043mΩ・cmである。理論に拘束されるのではないが、我々のDWCNTファイバーの極めて低い抵抗率は、加工処理におけるそれぞれの工程からの累積的な寄与によるものと考えられる。
[00123]特に、DWCNTファイバーの低い抵抗率においては三つの因子が役割を演じていると考えられる。第一に、ファイバーを製造するのに用いられるDWCNTsは、2〜3ナノメートルの小さな直径、狭いサイズ分布、大きな長さ、およびその場での相互連結と整列といった多くの独特な特徴を有する。第二に、比較的小さな直径のために、ファイバーの直径が10ミクロン未満まで低下すると、充填密度が高くて空隙が無い。第三に、ヨウ素をドープすると荷電キャリヤーの密度が増大し、従って、ファイバーの抵抗率が低下する。図13は様々なカーボンナノチューブファイバーの抵抗率を比較したものを示す。
[00124]図14は、34本の未処理のDWCNTファイバーについて直径の関数としての抵抗率を例証するグラフである。各々の点が1本の未処理のファイバーに相当する。これらの結果は、10ミクロンよりも大きな直径を有するファイバーは10ミクロン未満の直径を有するファイバーよりも大きな抵抗率を有することを示している。このサイズの影響は、製造プロセスの間により小さなファイバーの中には隙間が導入されにくいという事実によるものと考えられる。
[00125]図15は、DWCNTファイバーにヨウ素がドープされるときに抵抗率が下方に移行することを示す。TEM画像とラマンによる特徴づけに基づいて、ヨウ素原子はカーボンナノチューブ上に均一にドープされることが観察された。ヨウ素原子がDWCNTs上に吸着すると、それらの原子は容易にイオン化する。従って、荷電キャリヤーの密度が増大する。
[00126]比導電率
[00127]導電率対密度の比率として定義される比導電率は、航空宇宙産業において応用される導電性材料を評価する際の重要なパラメーターのうちの一つである。DWCNTファイバーは金属ほどには導電性ではないが、その密度は金属よりもずっと小さい。未処理のDWCNTファイバーは0.28g/cmの平均密度を有する。ヨウ素をドープした後には、そのドープされたファイバーは0.33g/cmの平均密度を有する。比導電率については、未処理のDWCNTファイバーとドープしたDWCNTファイバーは金属と同等である。例えば、図16を参照されたい。ヨウ素をドープしたファイバーのバッチにおいて、ファイバーのうちの一つは1.96×10S・m/kgの比導電率を有する。この導電率はアルミニウムの値よりも大きいが、しかし、2.16×10 S・m/kgの比導電率を有するナトリウムよりはわずかに小さい。
[00128]導体許容電流
[00129]導体許容電流は、導電性媒体の断面積を通過することのできる最大電流を評価するパラメーターである。単一のMWCNTは通常、およそ10〜1010A/cmの高い導体許容電流を有する。しかし、巨視的なカーボンナノチューブファイバーの導体許容電流はもっとずっと低い。最近になって、巨視的なSWCNTファイバーは10A/cmの導体許容電流を有することが見いだされた。
[00130]我々は、7本の未処理のDWCNTファイバーと7本のヨウ素をドープしたDWCNTファイバーの導体許容電流を測定した。これらのファイバーの測定された導体許容電流は約10A/cmから約10 A/cmまでの範囲である。図17はDWCNTファイバーと家庭用の銅ワイヤとの間での導体許容電流の比較を示す。DWCNTファイバーの導体許容電流は、比較できる規模において銅よりも100〜1000倍大きい。
[00131]理論に拘束されるのではないが、これらの所見は、大きな電流が通過するとき、各々のカーボンナノチューブは損なわれなくても、巨視的なファイバーはナノチューブどうしの間の相互連結部分で破壊することを意味する。巨視的なファイバーは単一のカーボンナノチューブほどに高い導体許容電流を有していないけれども、それらは依然として、小さな寸法での用途に耐えうるほどに十分に高い導体許容電流を有する。
[00132]実施例9.集成したDWCNTファイバーの電気的性質
[00133]出願人はまた、集成したDWCNTファイバーの電気的性質とその構成要素との間の関係を解明した。図18はこの研究において利用された集成したDWCNTファイバーの実例を示す。図18Aに示すように、ファイバー1とファイバー2は結び目で連結されている。電流−電圧曲線の測定のために四電極構成が適用された。接点は銀ペーストであった。電極は二酸化ケイ素の基板の上に堆積された金のフィンガーであった。図18Bは結び目のSEM画像を示す。ファイバー1とファイバー2はそれぞれ、13ミクロンと11.5ミクロンの直径を有する。図18Cは結び目の拡大図である。この集成体において、DWCNTsはファイバーの長軸方向で整列している。
[00134]連続的な接続
[00135]図18に示すように、2本のファイバー(ファイバー1、直径=13ミクロン;ファイバー2、直径=11.5ミクロン)が結び目によって連結された。本実施例において、結び目はマイクロマニピュレータ(顕微操作器)によって製作された。
[00136]ファイバー1、2のそれぞれの抵抗率は9.6×10−5オーム・cmおよび9.35×10−5オーム・cmであった。各々のファイバーの抵抗率、直径および長さに基づいて(長さは電極フィンガーと結び目との間の部分の長さである)、ファイバー1とファイバー2の抵抗をそれぞれ15.33オームおよび16.34オームと計算できる。ファイバー1、ファイバー2および結び目を含めた集成構造体の抵抗は31.9オームである。結び目だけによる抵抗を選ぶと0.23オームである。この所見は、数本の短いファイバーを集成して長いものにしたときに、結び目によって著しい抵抗は導入されないことを示している。
[00137]平行な接続
[00138]図19に示すように、二本の平行なDWCNTファイバー(ファイバー3およびファイバー4)を撚り合わせて一本にした。撚り合わせる前に、ファイバー3とファイバー4はそれぞれ24オームと20オームの抵抗を有していた。理論上は、ファイバー3と4を平行な配置で集成した太いファイバーは10.9オームの抵抗を有するはずである(R(理論値)=(R・R)/(R+R))。測定によると、集成した太いファイバーは10.5オームの抵抗を有することがわかったが、これは理論値よりもさらに小さい。理論に拘束されるのではないが、この差は撚り合わせたことによるかもしれず、それにより各々のファイバーはいっそう密に詰まって、それにより各々のファイバーの抵抗が低下したと考えられる。この所見は、本発明におけるファイバーは導電性を著しく低下させることなく様々な形態のものに集成できることを示している。
[00139]実施例10.DWCNTファイバーの耐熱性
[00140]ヨウ素をドープしたDWCNTファイバーの抵抗が、温度の関数として測定された。図20の挿入図に示す二つのデータ入手要綱が実行された。一つの要綱について、電気的な測定を15分ごとに行い、その間に温度を20Kずつ変化させ、そして目標値において固定した。1回目の試行において、サンプルは室温から20Kまで冷却された。2回目の試行において、サンプルの温度は20Kから420Kまで上昇され、引き続いて3回目の試行が行われ、このときサンプルは420Kから20Kまで冷却された。第二の要綱と第一の要綱との間の主な相違点は、抵抗の測定が420Kにおいて完了した後に測定を4時間休止させたことである。その目的は、ヨウ素をドープしたファイバーの高温かつ長時間における安定性を試験することである。ファイバー5についての温度の関数としての抵抗値の曲線は、周期的な熱処理が行われる間に繰返されるものである。それに対して、ファイバー6の室温での抵抗は、420Kにおいて4時間保持した後に9%増大する。この増大は、4時間加熱することによってヨウ素が無くなったことによるかもしれない。実際の実験においては、我々は二つよりも多くのファイバーについて測定を行った。ファイバー5と6は二つの典型的なDWCNTファイバーであり、これらが、異なる熱処理によるヨウ素をドープしたファイバーの典型的な抵抗の変化を示すことができる。
[00141]操作温度の範囲における抵抗率の変化
[00142]工学的な構成要素において用いられる材料として、広い温度範囲にわたる性能の安定性は重要である。導電性のワイヤとして応用するためにDWCNTファイバーが研究された。銅は導電性ワイヤのために最も一般的に用いられる原料である。この研究において、我々は、200Kから400Kまでの温度範囲(室温から+、−100K)におけるヨウ素をドープしたDWCNTファイバーの相対抵抗と銅の相対抵抗を比較した(相対抵抗は(R−R(室温)/R(室温))によって定義され、ここで、Rは測定される抵抗であり、R(室温)は室温での抵抗である)。図21に示すように、銅およびヨウ素をドープしたDWCNTファイバーの両者の相対抵抗対温度の曲線は200Kから400Kまで直線的である。200Kと400Kの間におけるヨウ素をドープしたDWCNTファイバーの抵抗の変化は9%である。それに対して、銅のそれに相当する変化は43%である。このことは、ヨウ素をドープしたDWCNTファイバーが示す異なる温度における抵抗の変化は小さいことを示している。
[00143]実施例11.DWCNTファイバーの導電性に及ぼすポリマーの影響
[00144]浸漬被覆によってDWCNTファイバーの上にエポキシコーティングが塗布された。それに続いて硬化工程が行われた。被覆をした結果、DWCNTファイバーの導電率は約10%のわずかな低下を示したにすぎなかった。このことは、ポリマーで被覆したDWCNTファイバーは本発明において用いることができることを示している。
[00145]実施例12.製品の製作
[00146]本実施例においては、2本のヨウ素をドープしたDWCNTファイバーを編んだワイヤは家庭用回路における導電性ワイヤとして用いることができることが論証される。家庭用の白熱電球(9ワット、0.15A、120V)が、編んだワイヤを介して電源に接続された。この白熱電球が点灯された。電力は三日間維持された。図22に示すように、この回路は全試験期間を通して良好に機能した。
[00147] さらに詳しく説明しなくても、当業者であれば、本明細書の説明を用いて本発明を最大限に利用することができると考える。ここで説明した態様は例示のものであると解釈され、この開示の残りのものをいかなるやり方でも制限しないと解釈されるべきである。好ましい態様が示され、そして説明されたが、それらの多くの変形や修正が、本発明の精神と教示から逸脱することなく当業者によって成され得る。従って、保護の範囲は上で示した記載によっては制限されず、それは特許請求の範囲によってのみ制限され、その保護の範囲には特許請求の範囲の主題の全ての同等物も含まれる。ここで挙げた全ての特許、特許出願および刊行物の開示は、本明細書で示したものと一致してそれを補足する手順上の詳細またはその他の詳細を提供する限り、本明細書に参考文献として取り込まれる。
(1) 一つ以上のファイバーの糸を含むカーボンナノチューブファイバーであって、一つ以上のファイバーの糸は多層カーボンナノチューブを含み、そして多層カーボンナノチューブは1種以上のドーパントでドープされている、前記カーボンナノチューブファイバー。
(2) 多層カーボンナノチューブは二層カーボンナノチューブを含む、(1)に記載のカーボンナノチューブファイバー。
(3) 多層カーボンナノチューブは本質的に単一のタイプのカーボンナノチューブからなる、(1)に記載のカーボンナノチューブファイバー。
(4) 単一のタイプのカーボンナノチューブは二層カーボンナノチューブである、(3)に記載のカーボンナノチューブファイバー。
(5) 多層カーボンナノチューブは官能基で官能化されていて、官能基はカルボキシル基、カルボニル基、オキシド、アルコール性基、フェノール基、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、(1)に記載のカーボンナノチューブファイバー。
(6) ドーパントはヨウ素、銀、塩素、臭素、フッ素、金、銅、アルミニウム、ナトリウム、鉄、アンチモン、ヒ素、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、(1)に記載のカーボンナノチューブファイバー。
(7) ドーパントはヨウ素を含む、(1)に記載のカーボンナノチューブファイバー。
(8) ドーパントは五フッ化アンチモンを含む、(1)に記載のカーボンナノチューブファイバー。
(9) カーボンナノチューブファイバーは、互いに平行な配置で撚り合っている複数の絡み合ったファイバーの糸を含む、(1)に記載のカーボンナノチューブファイバー。
(10) カーボンナノチューブファイバーは、連続的な配置で互いに結びついた複数のファイバーの糸を含む、(1)に記載のカーボンナノチューブファイバー。
(11) カーボンナノチューブファイバーは約5ミクロンから約100ミクロンまでの長さと約10μm未満の直径を有する、(1)に記載のカーボンナノチューブファイバー。
(12) カーボンナノチューブファイバーは少なくとも約10 A/cm から約10 A/cm の導体許容電流を有する、(1)に記載のカーボンナノチューブファイバー。
(13) カーボンナノチューブファイバーは約0.05mΩ・cm未満の抵抗率を有する、(1)に記載のカーボンナノチューブファイバー。
(14) カーボンナノチューブファイバーはポリマーで被覆されていて、ポリマーはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、エポキシ樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、(1)に記載のカーボンナノチューブファイバー。
(15) カーボンナノチューブファイバーはケーブルまたはワイヤの形状になっている、(1)に記載のカーボンナノチューブファイバー。
(16) カーボンナノチューブファイバーを製造する方法であって、多層カーボンナノチューブを成長させること;多層カーボンナノチューブを精製すること;多層カーボンナノチューブを凝集させ、この凝集により一つ以上のファイバーの糸を形成すること;および、多層カーボンナノチューブを1種以上のドーパントでドープすること;を含む、前記方法。
(17) 多層カーボンナノチューブを官能化させる工程をさらに含む、(16)に記載の方法。
(18) 成長させる工程は化学気相析出によって行われる、(16)に記載の方法。
(19) 精製工程は多層カーボンナノチューブを酸性溶液に晒すことを含む、(16)に記載の方法。
(20) 凝集工程は多層カーボンナノチューブを縮ませることを含み、縮ませることは多層カーボンナノチューブを脱イオン水に晒すことによって行われる、(16)に記載の方法。
(21) ドープする工程は凝集工程の後で行われる、(16)に記載の方法。
(22) ドープする工程は多層カーボンナノチューブを1種以上のドーパントでスパッターすることを含む、(16)に記載の方法。
(23) ドープする工程は成長工程の間にその場で行われる、(16)に記載の方法。
(24) ドーパントはヨウ素を含む、(16)に記載の方法。
(25) ドーパントは五フッ化アンチモンを含む、(16)に記載の方法。
(26) 形成されたファイバーの糸を互いに連結させる工程をさらに含む、(16)に記載の方法。
(27) 連結させることは、ファイバーの糸を互いに撚り合わせて平行な配置を形成することを含む、(26)に記載の方法。
(28) 連結させることは、ファイバーの糸を互いに結びつけて連続的な配置を形成することを含む、(26)に記載の方法。
(29) 連結させることによってケーブルまたはワイヤが形成される、(26)に記載の方法。
(30) カーボンナノチューブファイバーをポリマーで被覆する工程をさらに含み、ポリマーはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、エポキシ樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、(16)に記載の方法。
(31) 多層カーボンナノチューブは本質的に単一のタイプのカーボンナノチューブからなる、(16)に記載の方法。
(32) 単一のタイプのカーボンナノチューブは二層カーボンナノチューブである、(31)に記載の方法。
10 装置、 12 チューブ、 14 電極プレート、 15 回路、 16 電極プレート、 17 オーブン、 18 開口。

Claims (31)

  1. 一つ以上のファイバーの糸を含むカーボンナノチューブファイバーであって、一つ以上のファイバーの糸は多層カーボンナノチューブを含み、
    多層カーボンナノチューブの純度が、触媒が1重量%未満で炭素が99重量%以上であり、多層カーボンナノチューブは1種以上のドーパントでドープされており、
    カーボンナノチューブファイバーが5ミクロンから100ミクロンまでの長さと10μm未満の直径を有する、上記カーボンナノチューブファイバー。
  2. 多層カーボンナノチューブは二層カーボンナノチューブを含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブファイバー。
  3. 多層カーボンナノチューブは本質的に単一のタイプのカーボンナノチューブからなる、請求項1に記載のカーボンナノチューブファイバー。
  4. 単一のタイプのカーボンナノチューブは二層カーボンナノチューブである、請求項3に記載のカーボンナノチューブファイバー。
  5. 多層カーボンナノチューブは官能基で官能化されていて、官能基はカルボキシル基、カルボニル基、オキシド、アルコール性基、フェノール基、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のカーボンナノチューブファイバー。
  6. ドーパントはヨウ素、銀、塩素、臭素、フッ素、金、銅、アルミニウム、ナトリウム、鉄、アンチモン、ヒ素、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のカーボンナノチューブファイバー。
  7. ドーパントはヨウ素を含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブファイバー。
  8. ドーパントは五フッ化アンチモンを含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブファイバー。
  9. カーボンナノチューブファイバーは、互いに平行な配置で撚り合っている複数の絡み合ったファイバーの糸を含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブファイバー。
  10. カーボンナノチューブファイバーは、連続的な配置で互いに結びついた複数のファイバーの糸を含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブファイバー。
  11. カーボンナノチューブファイバーは少なくとも10A/cmから10A/cmの導体許容電流を有する、請求項1に記載のカーボンナノチューブファイバー。
  12. カーボンナノチューブファイバーは0.05mΩ・cm未満の抵抗率を有する、請求項1に記載のカーボンナノチューブファイバー。
  13. カーボンナノチューブファイバーはポリマーで被覆されていて、ポリマーはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、エポキシ樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のカーボンナノチューブファイバー。
  14. カーボンナノチューブファイバーはケーブルまたはワイヤの形状になっている、請求項1に記載のカーボンナノチューブファイバー。
  15. カーボンナノチューブファイバーを製造する方法であって、
    多層カーボンナノチューブを成長させること;
    多層カーボンナノチューブを精製すること;
    多層カーボンナノチューブを凝集させ、この凝集により一つ以上のファイバーの糸を形成すること;および
    多層カーボンナノチューブを1種以上のドーパントでドープすること;
    を含む、前記方法。
  16. 多層カーボンナノチューブを官能化させる工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 成長させる工程は化学気相析出によって行われる、請求項15に記載の方法。
  18. 精製工程は多層カーボンナノチューブを酸性溶液に晒すことを含む、請求項15に記載の方法。
  19. 凝集工程は多層カーボンナノチューブを縮ませることを含み、縮ませることは多層カーボンナノチューブを脱イオン水に晒すことによって行われる、請求項15に記載の方法。
  20. ドープする工程は凝集工程の後で行われる、請求項15に記載の方法。
  21. ドープする工程は多層カーボンナノチューブを1種以上のドーパントでスパッターすることを含む、請求項15に記載の方法。
  22. ドープする工程は成長工程の間にその場で行われる、請求項15に記載の方法。
  23. ドーパントはヨウ素を含む、請求項15に記載の方法。
  24. ドーパントは五フッ化アンチモンを含む、請求項15に記載の方法。
  25. 形成されたファイバーの糸を互いに連結させる工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
  26. 連結させることは、ファイバーの糸を互いに撚り合わせて平行な配置を形成することを含む、請求項25に記載の方法。
  27. 連結させることは、ファイバーの糸を互いに結びつけて連続的な配置を形成することを含む、請求項25に記載の方法。
  28. 連結させることによってケーブルまたはワイヤが形成される、請求項25に記載の方法。
  29. カーボンナノチューブファイバーをポリマーで被覆する工程をさらに含み、ポリマーはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、エポキシ樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  30. 多層カーボンナノチューブは本質的に単一のタイプのカーボンナノチューブからなる、請求項15に記載の方法。
  31. 単一のタイプのカーボンナノチューブは二層カーボンナノチューブである、請求項30に記載の方法。
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